JP2008075472A - 内燃機関のオイル戻し構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッフルプレートに依存することなくオイルパン内のオイルの油面での気泡の発生をより効果的に防止することができる内燃機関のオイル戻し構造を提供する。
【解決手段】吸気用および排気用カムシャフトの動弁系の潤滑に供されてシリンダヘッドから第1および第2オイル戻し通路25,26を介して流下する多量のオイル、ピストンの冷却に供されてシリンダブロック12から第3ないし第5オイル戻し通路27,28,29を介して流下する多量のオイル、並びに吸気用および排気用カムシャフトの各ジャーナル部の潤滑に供されてオイル戻し経路を介して流下する少量のオイルや、クランクシャフトの各ジャーナル部の潤滑に供されてオイル戻し経路を介して流下する少量のオイルなどが通るバランスシャフトハウジング41の周囲と、オイルパン19のフランジ部19aとの間の全域に、オイルの勢いを緩衝させてオイルパンに戻す金網状の緩衝材52を設けている。
【選択図】図2
【解決手段】吸気用および排気用カムシャフトの動弁系の潤滑に供されてシリンダヘッドから第1および第2オイル戻し通路25,26を介して流下する多量のオイル、ピストンの冷却に供されてシリンダブロック12から第3ないし第5オイル戻し通路27,28,29を介して流下する多量のオイル、並びに吸気用および排気用カムシャフトの各ジャーナル部の潤滑に供されてオイル戻し経路を介して流下する少量のオイルや、クランクシャフトの各ジャーナル部の潤滑に供されてオイル戻し経路を介して流下する少量のオイルなどが通るバランスシャフトハウジング41の周囲と、オイルパン19のフランジ部19aとの間の全域に、オイルの勢いを緩衝させてオイルパンに戻す金網状の緩衝材52を設けている。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の各部位に供されたオイルを複数のオイル戻し経路を介してオイルパンに戻すようにしたオイル戻し構造に関し、詳しくは、オイルパンに貯留されているオイルの油面での気泡の発生を防止する対策に係る。
従来より、内燃機関のオイル戻し構造として、上下方向に高低差を有するバッフルプレートを備え、内燃機関のシリンダブロックやシリンダヘッドなどの各部位に供された複数のオイル戻し経路を介して流下するオイルをバッフルプレートの高位置で一旦受け止めてから、バッフルプレートの低位置に導くことによって、各オイル戻し経路から流下するオイルの勢いを緩衝し、オイルパンに貯留されているオイルの油面に対し気泡の発生を抑制しつつ戻すようにしたものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−68024号公報
ところで、バッフルプレートは、シリンダブロックの下面とオイルパン内のオイルの油面との間における上下方向の高さに制約のある部位に設けられている。そのため、上記従来のもののように、上下方向に高低差を有するバッフルプレートでは、シリンダブロックの下面とオイルパン内のオイルの油面との間に設けるに当たってかなり厳しい設計上の制約を受けることになる。
一方、近年の油圧機器の多様化に伴ってオイル中の気泡混入率の低減化に対する要求が高まっており、内燃機関の各部位に供されて複数のオイル戻し経路を介してオイルパンにオイルが戻された際の気泡の発生を効果的に抑制する対策も切望されていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バッフルプレートに依存することなくオイルパン内のオイルの油面での気泡の発生をより効果的に防止することができる内燃機関のオイル戻し構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、内燃機関の各部位に供されたオイルを複数のオイル戻し経路を介してオイルパンに戻すようにしたオイル戻し構造を前提とする。そして、上記複数のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分の下流側に、それぞれオイル戻し経路を介したオイルを緩衝させてオイルパンに戻す金網状の緩衝材を設けている。
この特定事項により、内燃機関の各部位に供された複数のオイル戻し経路を介して流下するオイルは、その各オイル戻し経路のオイルパン側開口部分の下流側に設けた金網状の緩衝材によって、勢いが緩衝され、オイルパンに貯留されているオイルの油面に対し気泡の発生を抑制しつつ戻されることになる。これにより、シリンダブロックの下面とオイルパン内のオイルの油面との間における上下方向の高さに制約のあるスペースにバッフルプレートを設ける必要がなくなり、バッフルプレートのように厳しい設計上の制約を受けることなくオイルをオイルパンに戻した際の気泡の発生を効果的に抑制することが可能となり、近年の油圧機器の多様化に伴うオイル中の気泡混入率の低減化に対する要求に応えることが可能となる。
また、上記目的を達成するため、本発明が講じたその他の解決手段は、内燃機関の各部位に供されたオイルを複数のオイル戻し経路を介してオイルパンに戻すようにしたオイル戻し構造を同様に前提とし、上記複数のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分のうちのシリンダブロックおよびシリンダヘッドの所定部位に供された多量のオイルをオイルパンに戻すオイル戻し経路のオイルパン側開口部分に、そのオイル戻し経路を介した多量のオイルを緩衝させてオイルパンに戻す金網状の緩衝材を設けている。
この特定事項により、内燃機関のシリンダブロックやシリンダヘッドの所定部位に多量に供された複数のオイル戻し経路を介して流下するオイルは、還流量が多く、その各オイル戻し経路のオイルパン側開口部分に設けた金網状の緩衝材によって、勢いが緩衝され、オイルパンに貯留されているオイルの油面に対し気泡の発生を抑制しつつ戻されることになる。これにより、バッフルプレートを不要にして厳しい設計上の制約を受けることなくシリンダブロックやシリンダヘッドからの還流量の多いオイルをオイルパンに戻した際の気泡の発生をより効果的に抑制することが可能となり、近年の油圧機器の多様化に伴うオイル中の気泡混入率の低減化に対する要求に応えることが可能となる。
しかも、緩衝材は、複数のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分のうちのシリンダブロックおよびシリンダヘッドの所定部位に供された多量のオイルをオイルパンに戻すオイル戻し経路のオイルパン側開口部分にのみ設けられていることにより、還流量の多いオイルのみを対象にして緩衝材が設けられることになり、緩衝材によるコストアップを可及的に抑制しつつ、オイル中の気泡混入率の低減化に貢献することが可能となる。
また、上記内燃機関のシリンダブロックの下面に、上記オイルパン内のオイルに少なくとも一部が接した状態でバランスシャフトを設けているとともに、上記複数のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分をバランスシャフトのハウジングの周囲に開口させている場合には、オイルパン内のオイルに少なくとも一部が接しているバランスシャフトのハウジングの周囲に複数のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分が開口しているので、バランスシャフトをシリンダブロックの下面に設けたことによってシリンダブロックの下面とオイルパン内のオイルの油面との間における上下方向の高さが更に制約されているにも拘わらず、バランスシャフトのハウジングの周囲に開口するオイルパン側開口部分に設けた緩衝材によって、オイルをオイルパンに戻した際の気泡の発生を上下方向に制約されたスペース内で効果的に抑制することが可能となる。
更に、上記緩衝材の少なくとも一部がオイルパン内のオイルの油面と接している場合には、複数のオイル戻し経路とオイルパン内のオイルの油面との間に上下方向のスペースがなくても、オイルをオイルパンに戻した際の気泡の発生を上下方向に制約された空間内で効果的に抑制することが可能となる。
しかも、シリンダブロックの下面にバランスシャフトが設けられている場合には、バランスシャフトの回転により撹拌されたオイルパン内のオイルの泡立ちを効果的に抑制することが可能となる。
以上、要するに、内燃機関の各部位、例えばシリンダブロックやシリンダヘッドなどに供されたオイルをオイルパンに戻す複数のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分に金網状の緩衝材を設けることで、複数のオイル戻し経路を介して流下するオイルの勢いを緩衝させてオイルパン内のオイルの油面に対し気泡の発生を抑制しつつ戻せることになり、バッフルプレートを不要にして厳しい設計上の制約を受けることなくオイルパン内での気泡の発生を効果的に抑制することができ、近年の油圧機器の多様化に伴うオイル中の気泡混入率の低減化に対する要求に応えることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るオイル戻し構造を適用した直列4気筒型DOHCタイプのエンジン(内燃機関)の全体を示す斜視図である。この図1において、エンジン1は、シリンダヘッド11、シリンダブロック12、クランクシャフト13、並びに吸気用および排気用カムシャフト14,15を備えている。また、上記シリンダブロック12の下端にはオイルポンプ16が設けられ、このオイルポンプ16から吐出されてメインギャラリ20に導入されたオイルは、クランクシャフト13や吸気用および排気用カムシャフト14,15などのジャーナル部13a,14a,15aを軸受するクランクシャフト用軸受やカムシャフト用軸受に供給されるようになっている。
上記メインギャラリ20には、クランクシャフト13のクランクシャフト用軸受にオイルを個々に供給する第1オイル供給通路21,21,…が連結されており、このクランクシャフト用軸受に供給されたオイルによってクランクシャフト13の各ジャーナル部13aを潤滑するようになされている。また、上記メインギャラリ20には、ピストンの内側にオイルを噴射するオイルジェットに対しオイルを供給するオイル供給通路が連結されており、このオイル供給通路を介して所定部位としてのオイルジェットに供給されたオイルによって、ピストンの温度上昇を抑制するようにしている。この場合、オイルジェットには、多量のオイルが供給され、後述する第3ないし第5オイル戻し通路27,28,29を介してオイルパン19に戻されるようになっている。
また、上記メインギャラリ20には、吸気用および排気用カムシャフト14,15の動弁系(所定部位)や各ジャーナル部14a,15aにオイルを供給する第2オイル供給通路22が連結されている。上記第2オイル供給通路22は、エンジン1のフロント側(図1では左側)を上方へ延びて設けられ、この第2オイル供給通路22を介して供給されたオイルによって、吸気用および排気用カムシャフト14,15の動弁系や各ジャーナル部14a,15aを潤滑するようになされている。更に、エンジン1のリヤ側(図1では右側)には、メインギャラリ20に連結されて上方へ延びる第3オイル供給通路23が設けられている。この第3オイル供給通路23には、吸気用および排気用カムシャフト14,15の最リヤ側のカムシャフト用軸受を迂回してさらに下流側の摺動部や冷却部位にオイルを供給する第4オイル供給通路24が連結されている。この場合、第2オイル供給通路22を介して吸気用および排気用カムシャフト14,15の動弁系の潤滑には多量のオイルが供給される一方、吸気用および排気用カムシャフト14,15の各ジャーナル部14a,15aの潤滑には比較的少量のオイルが供給されるようになっている。
そして、上記第2オイル供給通路22を介して吸気用および排気用カムシャフト14,15の動弁系に供給されることによって動弁系の潤滑に供された多量のオイルは、シリンダヘッド11からオイル戻し経路としての第1および第2オイル戻し通路25,26を介してオイルパン19に戻されるようになっている。一方、上記第2オイル供給通路22を介してカムシャフト用軸受に供給されることによって吸気用および排気用カムシャフト14,15の各ジャーナル部14a,15aの潤滑に供された比較的少量のオイルは、シリンダヘッド11からシリンダブロック12内のオイル戻し経路を介してオイルパン19に戻されるようになっている。また、オイルジェットに対しオイルを供給するオイル供給通路を介してピストンの冷却に供された多量のオイルは、シリンダブロック12からオイル戻し経路としての第3ないし第5オイル戻し通路27,28,29を介してオイルパン19に戻されるようになっている。一方、各第1オイル供給通路21を介してクランクシャフト用軸受に供給されることによってクランクシャフト13の各ジャーナル部13aの潤滑に供された比較的少量のオイルは、シリンダブロック12からオイル戻し経路を介してオイルパン19に戻されるようになっている。この場合、エンジン1の最前部においてシリンダブロック12からのオイルをオイルパン19に戻す第5オイル戻し通路29の途中には、クランクシャフト13により吸気用および排気用カムシャフト14,15を回転させるタイミングチェーン31並びにクランクシャフト13によりウォータポンプ16を回転させるオイルポンプドライブチェーン32の潤滑に供されたチェーンカバーからのオイルが合流するようになっている。
また、クランクシャフト13の下方には、左右一対のバランスシャフト4L,4Rが設けられている。この左右のバランスシャフト4L,4Rは、シリンダブロック2の下面に対しバランスシャフトハウジング41によって下方から覆われて取り付けられている。このバランスシャフトハウジング41は、上記オイルパン19内に貯留されているオイルに対し接した状態で設けられており、バランスシャフト4L,4Rは、オイルパン19内のオイルの油面に径方向の略半分が没した状態となっている。
そして、上記第1ないし第5オイル戻し通路25〜29のオイルパン側開口部25a〜29a(オイルパン側開口部分)は、バランスシャフトハウジング41の周囲においてそれぞれ開口しており、これらのオイル戻し通路25〜29を介してオイルパン19に戻されるオイルは多量となっている。また、バランスシャフトハウジング41の周囲には、吸気用および排気用カムシャフト14,15の各ジャーナル部14a,15aの潤滑に供されたシリンダヘッド11からのオイルをオイルパン19に戻すシリンダブロック12内のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分や、クランクシャフト13の各ジャーナル部13aの潤滑に供されたシリンダブロック12からのオイルをオイルパン19に戻すオイル戻し経路のオイルパン側開口部分もそれぞれ開口しており、これらのオイル戻し経路を介してオイルパン19に戻されるオイルは比較的少量となっている。
そして、図2および図3にも示すように、第1〜第5オイル戻し通路25〜29のオイルパン側開口25a〜29aおよびオイル戻し経路のオイルパン側開口部分の下流側となるバランスシャフトハウジング41の周囲とオイルパン19のフランジ部19aとの間には、バランスシャフトハウジング41の周囲を通るオイルの勢いを緩衝させてオイルパン19に戻す金網状の緩衝材52が全域に亘って設けられている。この緩衝材52としては、厚さ3mmのセルメットが適用され、その網の目のサイズは、1インチ当たり11〜16個のセル数で孔径が1.9mmのものが用いられている。これにより、第1ないし第5オイル戻し通路25〜29を介した多量のオイルのみならず、クランクシャフト13および各カムシャフト14,15の各ジャーナル部13a,14a,15aの潤滑に供された比較的少量のオイルなどをバランスシャフトハウジング41の周囲において滞留させることなく十分に勢いを緩衝させてオイルパン19に戻せるようになっている。この場合、緩衝材52は、オイルパン19内のオイルの油面と接している。
したがって、上記実施例1では、吸気用および排気用カムシャフト14,15の動弁系の潤滑に供されて第1および第2オイル戻し通路25,26を介して流下するシリンダヘッド11からの多量のオイル、ピストンの冷却に供されて第3ないし第5オイル戻し通路27,28,29を介して流下するシリンダブロック12からの多量のオイル、並びに吸気用および排気用カムシャフト14,15の各ジャーナル部14a,15aの潤滑に供されて戻し通路を介して流下するオイルや、クランクシャフト13の各ジャーナル部13aの潤滑に供されて戻し通路を介して流下するオイルは、バランスシャフトハウジング41周囲とオイルパン19のフランジ部19aとの間の全域に設けた金網状の緩衝材52によって、勢いが緩衝され、オイルパン19に貯留されているオイルの油面に対し気泡の発生を抑制しつつ戻されることになる。これにより、シリンダブロック12の下面とオイルパン19内のオイルの油面との間における上下方向の高さに制約のあるスペースにバッフルプレートを設ける必要がなくなり、バッフルプレートのように厳しい設計上の制約を受けることなくオイルをオイルパン19に戻した際の気泡の発生を効果的に抑制することができ、近年の油圧機器の多様化に伴うオイル中の気泡混入率の低減化に対する要求に応えることができる。
また、バランスシャフトハウジング41がオイルパン19内のオイルに接した状態でシリンダブロック12の下面に設けられているので、バランスシャフト4L,4Rをシリンダブロック12の下面に設けたことによってシリンダブロック12の下面とオイルパン19内のオイルの油面との間における上下方向の高さが更に制約されているにも拘わらず、バランスシャフトハウジング41の周囲に設けた緩衝材52によって、オイルをオイルパン19に戻した際の気泡の発生を上下方向に制約されたスペース内で効果的に抑制することができる。
更に、緩衝材52がオイルパン19内のオイルの油面と接しているので、バランスシャフトハウジング41の周囲とオイルパン19内のオイルの油面との間に上下方向のスペースがなくても、オイルをオイルパン19に戻した際の気泡の発生を上下方向に制約された空間内で効果的に抑制することができる。しかも、緩衝材52がオイルパン19内のオイルの油面と接していることにより、バランスシャフト4L,4Rがオイルパン19内のオイルの油面に径方向の略半分が没した状態となっていても、バランスシャフト4L,4Rの回転により撹拌されたオイルパン19内のオイルの泡立ちを緩衝材52によって効果的に抑制することができる。
次に、本発明の実施例2を図4および図5に基づいて説明する。
本実施例では、緩衝材を設ける位置を変更している。尚、緩衝材を設ける位置を除くその他の構成は、上記実施例1の場合と同じであり、同一部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
すなわち、図4および図5に示すように、緩衝材52は、バランスシャフトハウジングの周囲に開口する第1ないし第5オイル戻し通路25〜29のオイルパン側開口25a,26a,27a,28a,29aにのみ設けられている。この場合、吸気用および排気用カムシャフト14,15の動弁系の潤滑に供されて第1および第2オイル戻し通路25,26を介して流下するシリンダヘッド11からの多量のオイル、並びにピストンの冷却に供されて第3ないし第5オイル戻し通路27,28,29を介して流下するシリンダブロック12からの多量のオイルは、第1ないし第5オイル戻し通路25〜29のオイルパン側開口において滞留することなく十分に勢いが緩衝された状態でオイルパン19に戻されるようになっている。
したがって、上記実施例2では、シリンダブロック12やシリンダヘッド11に供された第1ないし第5オイル戻し通路25〜29を介して流下するオイルは、還流量が多く、その各オイル戻し通路25〜29のオイルパン側開口25a〜29aに設けた金網状の緩衝材52によって、勢いが緩衝され、オイルパン19に貯留されているオイルの油面に対し気泡の発生を抑制しつつ戻されることになる。これにより、バッフルプレートを不要にして厳しい設計上の制約を受けることなくシリンダブロック12やシリンダヘッド11からの還流量の多いオイルをオイルパン19に戻した際の気泡の発生を効率よく抑制することができ、近年の油圧機器の多様化に伴うオイル中の気泡混入率の低減化に対する要求に応えることができる。
しかも、緩衝材52は、エンジン1の各部位のうちのシリンダブロック12およびシリンダヘッド11に供されたオイルをオイルパン19に戻す第1ないし第5オイル戻し通路25〜29のオイルパン側開口25a〜29aにのみ設けられていることにより、還流量の多いオイルのみを対象にして緩衝材52が設けられることになり、緩衝材52によるコストアップを可及的に抑制しつつ、オイル中の気泡混入率の低減化に貢献することができる。
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記各実施例では、左右のバランスシャフト4L,4Rを、シリンダブロック2の下面に対しバランスシャフトハウジング41によって下方から覆って取り付けたが、シリンダブロックの下面にクランクケースを取り付け、このクランクケースの下面に対しバランスシャフトハウジング41によって左右のバランスシャフトが下方から覆われて取り付けられていてもよい。
また、上記各実施例では、径方向の略半分をオイルパン19内のオイルの油面に没した状態となるようにバランスシャフト4L,4Rを取り付けたが、バランスシャフトがオイルパン内のオイルの油面に没しない状態、つまりバランスシャフトがオイルパン内のオイルの油面との間にスペースを有した状態で取り付けられていてもよい。
更に、上記各実施例では、緩衝材52をオイルパン19内のオイルの油面と接しさせたが、緩衝材がオイルパン内のオイルの油面と接しない状態、つまり緩衝材とオイルパン内のオイルの油面との間にスペースを有した状態であってもよい。
1 エンジン(内燃機関)
11 シリンダヘッド
12 シリンダブロック
19 オイルパン
25 第1オイル戻し通路(オイル戻し経路)
25a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
26 第2オイル戻し通路(オイル戻し経路)
26a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
27 第3オイル戻し通路(オイル戻し経路)
27a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
28 第4オイル戻し通路(オイル戻し経路)
28a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
29 第5オイル戻し通路(オイル戻し経路)
29a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
4L,4R 左右のバランスシャフト
41 バランスシャフトハウジング(バランスシャフトのハウジング)
52 緩衝材
11 シリンダヘッド
12 シリンダブロック
19 オイルパン
25 第1オイル戻し通路(オイル戻し経路)
25a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
26 第2オイル戻し通路(オイル戻し経路)
26a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
27 第3オイル戻し通路(オイル戻し経路)
27a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
28 第4オイル戻し通路(オイル戻し経路)
28a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
29 第5オイル戻し通路(オイル戻し経路)
29a オイルパン側開口部(オイルパン側開口部分)
4L,4R 左右のバランスシャフト
41 バランスシャフトハウジング(バランスシャフトのハウジング)
52 緩衝材
Claims (4)
- 内燃機関の各部位に供されたオイルを複数のオイル戻し経路を介してオイルパンに戻すようにしたオイル戻し構造において、
上記複数のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分の下流側には、それぞれオイル戻し経路を介したオイルを緩衝させてオイルパンに戻す金網状の緩衝材が設けられていることを特徴とする内燃機関のオイル戻し構造。 - 内燃機関の各部位に供されたオイルを複数のオイル戻し経路を介してオイルパンに戻すようにしたオイル戻し構造において、
上記複数のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分のうちのシリンダブロックおよびシリンダヘッドの所定部位に供された多量のオイルをオイルパンに戻すオイル戻し経路のオイルパン側開口部分には、そのオイル戻し経路を介した多量のオイルを緩衝させてオイルパンに戻す金網状の緩衝材が設けられていることを特徴とする内燃機関のオイル戻し構造。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関のオイル戻し構造において、
上記内燃機関のシリンダブロックの下面には、上記オイルパン内のオイルに少なくとも一部が接した状態でバランスシャフトが設けられており、
上記複数のオイル戻し経路のオイルパン側開口部分は、バランスシャフトのハウジングの周囲に開口していることを特徴とする内燃機関のオイル戻し構造。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の内燃機関のオイル戻し構造において、
上記緩衝材の少なくとも一部は、オイルパン内のオイルの油面と接していることを特徴とする内燃機関のオイル戻し構造。
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