JP2008075108A - 耐摩耗部材用鋳物とその製造方法 - Google Patents

耐摩耗部材用鋳物とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高クロム鋳鉄、高マンガン鋳鋼に比べて、格段に優れた耐摩耗性を有し、さらに高強度と高靭性を兼備したクラッシャー用歯、粉砕用タイヤなどの耐摩耗部材として好適な耐摩耗部材用鋳物を提供する。
【解決手段】C:1.6〜3%、Si:0.3〜2%、Mn:0.3〜2%、Cr:6〜15%、Mo:2〜8%、V:4〜8%、Nb:0.5〜4.0%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋳物素材(鋳造まま)に、焼入れと、1回以上の焼戻を繰返す、焼入れ焼戻処理を施す。これにより、従来の高クロム鋳鉄や高マンガン鋳鋼に比べて格段に優れた耐摩耗性と、高強度と高靭性を兼備する耐摩耗性鋳物とすることができる。さらに、A群:Ti:0.5%以下、B群:Ni:3%以下、C群:Al:0.1%以下、REM:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種、D群:W:3%以下、のうちから選ばれた1群または2群以上を含有してもよい。また、不可避的不純物のうち、P、S、Nを、P:0.1%以下、S:0.1%以下、N:0.1%以下に調整することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉱石、石炭、岩石等の、粉砕や輸送など、耐摩耗性が要求される部位などの使途に好適な、耐摩耗性鋳物に係り、とくに耐摩耗部材用として、耐摩耗性と強度・靭性の改善に関する。
例えば、鉱石、石炭、岩石等の粉砕ミルのクラッシャー・セグメント、輸送用管のライナーや、建設機械、土木作業用機械等の爪、歯など、摩耗の発生が予測され耐摩耗性が要求される部位には、高クロム鋳鉄や高マンガン鋳鋼などの耐摩耗性材料が使用されてきた。
高マンガン鋳鋼は、基地相が軟質なオーステナイト相で、高い加工硬化性を有し、さらに、衝撃が加わるとオーステナイト相がより硬質なマルテンサイト相に変態し、耐摩耗性が向上する特性を有する材料であり、特に靭性に優れた耐摩耗性材料として衝撃が加わる部材に多用されている。しかし、高マンガン鋳鋼は、耐力が低く、長期間使用すると部材の変形が大きくなるという問題がある。また、高マンガン鋳鋼の耐摩耗性は、高クロム鋳鉄の1/3程度であり、耐摩耗性の観点から、高マンガン鋳鋼製部材の寿命が短いことが大きな問題となっていた。
このような問題に対し、例えば、特許文献1、特許文献2には、靭性と硬さと耐力と、耐摩耗性とをバランスよく向上させた高マンガン系鋳鋼が提案されている。
特許文献1に記載された高マンガン系鋳鋼は、C:0.50〜0.9%、Si:0.5〜0.7%、Mn:12〜14%、Cr:2.0〜2.5%、Mo:0.5〜2.0%、ミッシュメタル:0.005〜0.10%を含有する成形品(鋳造品)に水靭処理を施し耐摩耗性を高めたことに特徴がある。特許文献1に記載された高マンガン系鋳鋼を用いて製作された部材は、使用時の変形がなく、また使用時に割れや剥離が発生せず、機械への致命的な損傷を与えることがなく、耐久性が増加し、補修や交換の手間が省けるとしている。しかし、摩耗深さで定義される耐摩耗性は、比較例に比べてたかだか35〜45%向上したにすぎず、耐摩耗性の顕著な向上が得られていないという問題がある。
また、特許文献2に記載された高マンガン系鋳鋼は、C:0.4〜1.2%、Si:0.3〜1.0%、Mn:5.0〜13.0%、Mo:0.5〜3.0%、Cr:0.5%以下(0%を含む)からなり、かつ4≦(%C)×(%Mn)≦12であって、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とし、加工誘起マルテンサイト変態の活用により従来の高マンガン鋳鋼より耐摩耗性が向上するとともに、靭性も向上するとしている。しかし、摩耗量で定義される耐摩耗性は、従来鋼に比べたかだか6〜40%向上したにすぎず、耐摩耗性の顕著な向上が得られていないという問題がった。
一方、高クロム鋳鉄は、耐摩耗性に優れており、優れた耐摩耗性が要求される部位に適用されてきた。特に、高クロム鋳鉄は、従来高マンガン鋳鋼の2〜3倍の耐摩耗性を示すため、クラッシャー等の耐摩耗部材への適用が熱望されていた。しかし、高クロム鋳鉄は、強度と靭性が不足しているため、高クロム鋳鉄をクラッシャー等の耐摩耗部材に適用すると、使用中に割損が生ずる場合が多い等、耐摩耗部材として、適用箇所が限定されるという問題があった。さらに近年、このような耐摩耗性部材の取り替えに要する負荷を軽減することが要求され、より一層耐摩耗性に優れ、耐久性に優れた部材が熱望されるようになってきた。
このような問題に対し、例えば、特許文献3、特許文献4には、耐摩耗性を向上させた高クロム系鋳鉄鋳物の製造方法が提案されている。
特許文献3に記載された技術は、C:2.5〜3.5%、Si:0.5〜1%、Mn:0.5〜1.5%、Cr:14〜17%、Mo:0.5〜3%、V:0.5〜2%を含有する溶湯を、主として金属粒で構成された鋳型に注湯し、凝固点から急冷する高クロム系耐摩耗白鋳鉄鋳物の製造方法である。特許文献3に記載された技術によれば、従来品に比べて耐摩耗性が向上するとしている。
また、特許文献4に記載された技術は、C:2.0〜3.5%、Si:0.5〜1.5%、Mn:0.5〜2.5%、Cr:20〜35%を含む鋳造物に、950〜1100℃の温度で均一加熱し、約100℃/minの冷却速度で常温まで衝風冷却する処理を施したのち、400〜500℃で焼戻す耐衝撃摩耗用高クロム鋳鉄鋳物の製造方法である。特許文献4に記載された技術によれば、硬さを犠牲にすることなく残留応力が低減でき、耐摩耗性も向上するとしている。
また、特許文献5には、耐摩耗性鋳造合金が提案されている。特許文献5に記載された耐摩耗性鋳造合金は、C:1.5〜3.5%、Si:0.2〜2.0%、Mn:1.5%未満、P:0.1%未満、S:0.1%未満、Ni:3.0%未満、Cr:1.0〜6.0%、V:3.0〜9.0%を含有する鋳造合金である。特許文献5に記載された鋳造合金は、採鉱機械の爪、クラッシャー部品、耕運機用爪の材料として、耐摩耗性に優れ、長期の使用に耐え、有用であるとされている。
特開平9‐25542号公報 特開平11‐61339号公報 特開平2‐55659号公報 特開平11‐236615号公報 特開昭60‐262939号公報
しかしながら、特許文献3〜5に記載された技術では、最近の耐摩耗部材への厳しい要求特性を満足できるほど充分な、優れた耐摩耗性、優れた強度・靭性を確保できず、部材の摩耗あるいは欠損、変形等の不具合が発生するという問題がある。
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、高クロム鋳鉄、高マンガン鋳鋼に比べて、格段に優れた耐摩耗性を有し、さらに、高クロム鋳鉄に比べて、高強度と高靭性を兼備し、クラッシャーなどの破砕機用耐摩耗部材に適用しても、部材の欠損、変形等の不具合の発生がない、耐摩耗部材用鋳物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するために、鋳物の耐摩耗性と強度、さらには靭性に影響する合金元素および組織について鋭意研究した。その結果、合金元素として、少なくとも適正量のCrおよびMoを含有させ、Moを含む硬質な共晶炭化物を晶出させ、さらに適正量のV、あるいはさらにNb、Ti等を配合して、金属組織中に極めて硬質なMC炭化物を微細粒状に晶出・分散させることにより、優れた耐摩耗性と、高強度および高靭性とを兼備した鋳物とすることができることに想到した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)質量%で、C:1.6〜3%、Si:0.3〜2%、Mn:0.3〜2%、Cr:6〜15%、Mo:2〜8%、V:4〜8%、Nb:0.5〜4.0%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、焼入れ焼戻処理を施されてなることを特徴とする耐摩耗部材用鋳物。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、次A群〜D群
A群:Ti:0.5%以下、
B群:Ni:3%以下、
C群:Al:0.1%以下、REM:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種
D群:W:3%以下
のうちから選ばれた1群または2群以上を含有する組成を有することを特徴とする耐摩耗部材用鋳物。
(3)(1)または(2)において、前記不可避的不純物のうち、P、S、Nを、P:0.1%以下、S:0.1%以下、N:0.1%以下に調整することを特徴とする耐摩耗部材用鋳物。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、硬さが500〜900HVであることを特徴とする耐摩耗部材用鋳物。
(5)(1)ないし(4)のいずれかに記載の耐摩耗部材用鋳物で構成されてなるクラッシャー用歯。
(6)(1)ないし(4)のいずれかに記載の耐摩耗部材用鋳物で構成されてなる粉砕用タイヤ。
(7)質量%で、C:1.6〜3%、Si:0.3〜2%、Mn:0.3〜2%、Cr:6〜15%、Mo:2〜8%、V:4〜8%、Nb:0.5〜4.0%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する素材鋳物に、焼入れ加熱温度:950〜1150℃に加熱保持した後急冷する焼入れと、ついで焼戻温度:400〜600℃に再加熱保持したのち冷却する処理を1回以上行う焼戻と、からなる焼入れ焼戻し処理を施すことを特徴とする耐摩耗部材用鋳物の製造方法。
(8)(7)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、次A群〜D群
A群:Ti:0.5%以下、
B群:Ni:3%以下、
C群:Al:0.1%以下、REM:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種
D群:W:3%以下
のうちから選ばれた1群または2群以上を含有する組成を有することを特徴とする耐摩耗部材用鋳物の製造方法。
(9)(7)または(8)において、前記不可避的不純物のうちP、S、Nを、質量%で、P:0.1%以下、S:0.1%以下、N:0.1%以下に調整することを特徴とする耐摩耗部材用鋳物の製造方法。
本発明によれば、従来の高クロム鋳鉄や高マンガン鋳鋼に比べて格段に優れた耐摩耗性を有し、さらに高クロム鋳鉄よりも高い強度と優れた靭性とを兼備する、耐摩耗部材用として好適な耐摩耗性鋳物を安価にしかも容易に製造でき、産業上格段の効果を奏する。
まず、本発明の耐摩耗部材用鋳物の組成限定理由について説明する。以下、とくに断らない限り質量%は単に%と記す。
C:1.6〜3%
Cは、炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有する元素であり、このような効果は1.6%以上の含有で認められる。一方、3%を超えて含有すると、炭化物量が過多となり、強度と靭性が低下する。このため、Cは1.6〜3%の範囲に限定した。
Si:0.3〜2%
Siは、脱酸剤として作用するとともに、溶湯の鋳造性を向上させる元素であり、このような効果は0.3%以上の含有で認められる。一方、2%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、Siは0.3〜2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.4〜1.2%である。
Mn:0.3〜2%
Mnは、焼入れ性を向上させ、また、SをMnSとして固定し延性を向上させる元素であり、このような効果は0.3%以上の含有で認められる。一方、2%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となる。このため、Mnは0.3〜2%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.4〜1.2%である。
Cr:6〜15%
Crは、面積性のある粗大で、硬質な共晶炭化物(M73等)を形成し、引掻き摩耗への抵抗力を増加させ、耐摩耗性を向上させる作用を有する元素であり、このような効果は6%以上の含有で認められるが、15%を超える含有は、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利となるうえ、溶湯の鋳造性が低下する。このため、Crは6〜15%の範囲に限定した。なお、好ましくは6〜13%である。
Mo:2〜8%
Moは、共晶炭化物やMC炭化物に固溶され、それらの炭化物を強化するとともに、基地中に固溶し基地を強化する作用を合わせ有する重要な元素であり、このような効果は2%以上の含有で認められる。一方、8%を超えて含有すると、脆いM2C型あるいはM6C型炭化物が生成し、鋳物の脆化が顕著となる。このため、Moは2〜8%の範囲に限定した。なお、好ましくは2.5〜6%である。
V:4〜8%
Vは、極めて硬質なMC炭化物を形成し、鋳物の耐摩耗性を向上させる有効な元素で本発明における主要な元素の一つである。このような効果は、4%以上の含有で顕著になる。4%未満ではMC炭化物量が不足し、十分な耐摩耗性が確保できない。一方、8%を超える多量の含有は、溶湯の粘性を増加させ、鋳造性が低下する。このため、Vは4〜8%の範囲に限定した。なお、好ましくは4〜6%である。
Nb:0.5〜4.0%
Nbは、MC炭化物を粒状化するとともに、凝固組織をも微細化する作用を有し、また、MoとNbの共存で割れにくい炭化物を形成させる効果もあることから、鋳物の靭性と強度とを合わせ改善する作用を有する重要な元素である。このような効果は0.5%以上の含有で顕著となる。一方、4%を超える含有は、MC炭化物の粗大化を招き、鋳造性が低下する。このため、Nbは0.5〜4.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.5〜2.0%である。
上記した成分が基本の成分であるが、本発明では、この基本組成に加えてさらに、A群〜D群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することができる。
A群は、Ti:0.5%以下からなる群であり、B群はNi:3%以下からなる群であり、C群はAl:0.1%以下、REM:0.1%以下のうちの1種または2種からなる群であり、D群はW:3%以下からなる群である。本発明では、A群〜D群のうちから選ばれた1群または2群以上を必要に応じて選択し、該選択された群に含まれる1種または2種を含有できる。
A群:Tiは、Nbと同様に、MC炭化物を粒状化するとともに、凝固組織をも微細化する作用を有し、靭性と強度を合わせ改善する元素であり必要に応じて含有できる。このような効果は0.05%以上の含有で顕著となるが、0.5%を超える含有は、溶湯の粘性が増加し鋳造性が低下する。このため、A群:Tiは含有する場合には0.5%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.05〜0.3%である。
B群:Niは、焼入れ性を向上させる元素であり、大型鋳物など内厚が厚く、冷却速度が遅くなりパーライト組織が生成しやすい場合など、必要に応じて選択して含有できる。このような効果は0.5%以上の含有で顕著となるが、3%を超える含有は、オーステナイトが残留しやすくなり、耐摩耗性が低下する。このため、B群:Niは含有する場合には3%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.5〜2%である。
C群:Al、REMは、いずれも脱酸剤として作用するとともに、MC炭化物を粒状化し、微細に分散させる作用を有する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。このような効果はAl:0.0005%以上、REM:0.0005%以上の含有で顕著となるが、Al:0.1%、REM:0.1%を超える含有は、溶湯の鋳造性が低下し、ザク巣やピンホール欠陥を生じやすくなる。このため、含有する場合には、Al:0.1%以下、REM:0.1%以下にそれぞれ限定することが好ましい。なお、より好ましくはAl:0.001〜0.08%、REM:0.001〜0.08%である。
D群:Wは、共晶炭化物を形成し耐摩耗性を向上させる作用を有する元素であり、必要に応じて選択して含有してもよい。このような効果は0.5%以上の含有で認められるが、3%を超える含有は、共晶炭化物を粗大化させ、靭性を低下させる悪影響を及ぼす。このため、D群:Wは含有する場合には3%以下に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.5〜1.5%である。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物であるPは、ザク巣を増加させる作用を有する元素であり、ザク巣の形成を防止する観点から、0.1%以下に低減することが好ましい。また、不可避的不純物であるSは、鋳物材質を脆化させる作用を有する元素であり、材質の脆化を防止する観点から、0.1%以下に低減することが好ましい。また、不可避的不純物であるNは、鋳鉄のガス欠陥を誘引する作用があり、ガス欠陥を防止する観点から、0.1%以下に調整することが好ましい。なお、Nは、通常の溶解作業であれば、0.005〜0.1%の範囲で含有するが、この程度の含有であれば、とくに悪影響は認められない。
本発明の耐摩耗部材用鋳物は、上記した組成を有する鋳物(鋳造まま)に、焼入れ焼戻処理を施されてなる鋳物である。上記した組成の鋳物(鋳造まま)に、焼入れ焼戻処理を施すことにより、基地組織が、焼戻マルテンサイトまたは焼戻ベイナイト、あるいはそれらの混合した組織となる。焼戻マルテンサイトまたは焼戻ベイナイトからなる組織、あるいはそれらの混合した組織は、強度・靭性に富む組織であり、耐摩耗性と、高強度・高靭性を兼備する鋳物となる。なお、焼戻マルテンサイトあるいは焼戻ベイナイトは、基地部に最大長6μm未満の微細炭化物が形成されている組織をいうものとする。
なお、本発明の焼入れ焼戻処理を施されてなる鋳物の組織は、上記した基地組織中に、硬質なM73、M2C、M3C等の共晶炭化物、さらには微細な粒状の硬質な、MC、M6C等の硬質炭化物が多数分散した組織となる。
本発明の耐摩耗部材用鋳物は、上記した組成と、好ましくは上記した組織を有し、ビッカース硬さHVで、500〜900HV(49〜67HRC相当)の硬さを有することが好ましい。硬さと耐摩耗性とは、相関があり、硬さが高いほど耐摩耗性は向上する。硬さが、500HV未満では、軟質すぎて、所望の耐摩耗性を確保できない。一方、靭性と硬さとはおおよそ負の相関を有し、硬さが高くなると靭性が低下する傾向となる。本発明になる鋳物では、硬さが900HVを超えると、靭性の低下が著しくなる。このようなことから、本発明の耐摩耗部材用鋳物の硬さは500〜900HVの範囲に調整することが好ましい。なお、優れた耐摩耗性と優れた靭性とを兼備させるという観点からは、硬さは550〜850HVの範囲に調整することがより好ましい。
つぎに、本発明鋳物の好ましい製造方法について説明する。
上記した組成を有する溶湯を、高周波炉、低周波炉等の、公知の溶製方法で溶製し、ほぼ所望の寸法形状を有する砂型等の鋳型に注湯する公知の鋳造方法で、鋳物(鋳造まま)とする。さらに、必要に応じて切削等の加工を施し、素材鋳物とする。
得られた素材鋳物に、ついで焼入れ焼戻処理を施す。焼入れ焼戻処理は、焼入れと焼戻からなる。
焼入れは、焼入れ加熱温度:950〜1150℃に加熱保持した後空冷するか衝風空冷する処理とする。焼入れ加熱温度が950℃未満では、合金元素の拡散が不十分になり、硬さ不足や硬さムラが発生する。一方、1150℃を超えて高温となると、鋳物の変形が大きくなる。このようなことから、焼入れ加熱温度は950〜1150℃の範囲の温度の限定することが好ましい。なお、焼入れ加熱温度における保持時間は、1〜10hとすることが好ましい。保持時間が1h未満では、充分な合金元素の拡散が期待できない。一方、保持時間を10hを超えると、鋳物表面の脱炭やスケールオフが顕著となり、熱処理後の表面加工が増加する。
また、焼入れの加熱保持時の雰囲気は酸化雰囲気でも構わないが、真空、Arガス中など非酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。なお、焼入れにおける加熱保持後の空冷あるいは衝風空冷とは、鋳物の厚肉部表面位置での500〜800℃間の平均冷却速度で、60℃/h以上の冷却をいうものとする。平均冷却速度で、60℃/h未満では、所望の強度と靭性に富む組織を確保することができない。なお、鋳物の表面温度が500℃未満に低下した後は、空冷あるいは衝風空冷あるいは炉冷としてもよい。
焼戻は、焼入れ後、焼戻温度:400〜600℃に再加熱保持したのち冷却する処理を1回以上、好ましくは3回以下行う処理とする。焼戻温度が400℃未満では、所望の靭性を確保できなくなる。一方、600℃を超えて高温となると、軟化が著しくなり、耐摩耗性が低下する。なお、焼戻温度における保持時間は、1〜10hとすることが好ましい。保持時間が1h未満では、上記した効果を確保することができない。一方、保持時間を10hを超えて長時間としても、効果が飽和し、経済的に不利となる。また、焼戻の加熱保持における雰囲気は、酸化性雰囲気でも非酸化性雰囲気のいずれでもよく、特に調整する必要はない。なお、焼戻における再加熱保持後の冷却は、熱処理時間短縮の観点から空冷とすることが好ましい。
本発明では、上記した焼戻を、1回以上好ましくは3回以下行う。上記した焼戻を行わない場合には、靭性が不足する。上記した焼戻を3回を超えて繰り返しても、靭性向上の効果が飽和するため、経済的に不利となる場合がある。なお、焼戻においては、鋳物の厚肉部表面位置における温度が少なくとも250℃以下になった時点から行うものとする。鋳物の温度が250℃を超える温度で焼戻のための再加熱を行うと、焼戻し終了後に、残留オーステナイトが変態して焼戻しされていないマルテンサイトやベイナイトが残留する場合があり、好ましくない。
以下、本発明についてさらに実施例に基づきさらに詳細に説明する。
表1に示す組成の溶湯を、高周波炉を用いて溶製し、鋳型(Vプロセス型)に注湯し、板状鋳物(肉厚35mm)とした。なお、一部では、図1に示すリブ付き板状鋳物(大きさ:肉厚35mm×300×300mm、リブ:20mm角)も作製した。これら得られた板状鋳物(鋳造まま)を素材鋳物とし、該各素材鋳物を、電気炉に装入し、表2に示す条件で加熱保持したのち、250℃未満の温度(リブ部の裏面の表面温度で)になるまで空冷する焼入れを施した。ついで、焼入れを施された各素材鋳物を、電気炉に装入し、表2に示す条件で再加熱保持したのち、空冷する焼戻を、表2に示す回数だけ繰り返し施した。なお、焼戻にあたっては、素材鋳物の温度(リブ部の裏面の表面温度)が150℃未満の温度になってから、素材鋳物を電気炉に装入した。
焼入れ焼戻処理を施された鋳物から、試験片を採取して、引張試験、衝撃試験、硬さ試験、摩耗試験を実施し、引張特性、靭性、硬さを評価した。試験方法は次の通りとした。
なお、従来例は、市販の高マンガン鋳鋼製クラッシャーから採取した試験片を用いた。
(1)引張試験
各板状鋳物の肉厚中央部から採取した引張試験片(平行部φ10mm)を用いて、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、引張強さTSを求めた。
(2)衝撃試験
各板状鋳物の肉厚中央部から採取したノッチなし試験片(10mm厚)を用いて、JIS Z 2242の規定に準拠して、試験温度:室温でシャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(J)を求めた。なお、試験は、上記した試験温度で試験片3本について行い、3本の平均値をその鋳物の吸収エネルギー値(J)とした。
(3)硬さ試験
各板状鋳物の肉厚中央部から採取した硬さ測定用試験片について、ビッカース硬度計(荷重:490kN)を用いてビッカース硬さHVを8点測定し、得られた硬さを算術平均して、その鋳物の硬さ(平均)HVとした。
(4)摩耗試験
一部の鋳物について、図1に示す寸法形状のリブ付き板状鋳物(大きさ:肉厚35mm×300×300mm)を摩耗試験片として、図2に概要を示す砕石クラッシャーの歯(動歯)に固定し、通常の砕石処理を2週間行った。なお、摩耗試験片の砕石クラッシャーへの固定は、砕石クラッシャーの歯(高マンガン鋳鋼製)の摩耗面を凹加工し、該凹加工部に摩耗試験片を設置し、背面からボルトで固定することにより行った。また、砕石処理は、天然鉱石を粉砕する処理とした。
砕石処理後、摩耗試験片の摩耗状況を調査した。摩耗状況は、砕石処理後の摩耗試験片の重量を測定し、砕石処理前の重量との差を算出し、摩耗試験片の摩耗量とし、従来例の摩耗量に対する比、
耐摩耗比=(試験鋳物の摩耗量(g))/(従来例の摩耗量(g))
で各鋳物の耐摩耗性を評価した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2008075108
Figure 2008075108
Figure 2008075108
本発明例はいずれも、900MPa以上の引張強さと、9J以上の吸収エネルギーを示し、高クロム鋳鉄よりも著しく高強度で高靭性の鋳物であることがわかる。一方、本発明範囲を外れる比較例は、強度が低いか、吸収エネルギーが低く靭性が低下している。
また、一部の鋳物で実施した摩耗試験では、本発明例はいずれも従来例に比べて高い耐摩耗比を示し、耐摩耗性に優れた鋳物であり、さらにリブの変形や欠け落ちなど欠損の発生も認められなかった。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例や比較例(鋳物No.13、No.14:高クロム鋳鉄)では、本発明例に比べて耐摩耗比が低く、またリブに欠け落ちの発生が認められた。なお、従来例(鋳物No.15:高マンガン鋳鋼)では、摩耗量が多く耐摩耗性が劣るうえ、リブに変形、えぐれの発生が認められた。
このように、本発明によれば、従来の高マンガン鋳鋼製耐摩耗部材や高クロム鋳鉄製耐摩耗部材に比べ、耐摩耗性、強度・靭性ともに同等又はそれ以上の優れた耐摩耗部材を、安価にしかも容易に製造できることがわかる。
実施例で用いた摩耗試験片の概要を模式的に示す説明図である。 実施例の摩耗試験で利用した砕石クラッシャーの概要を示す断面図である。

Claims (9)

  1. 質量%で、
    C:1.6〜3%、 Si:0.3〜2%、
    Mn:0.3〜2%、 Cr:6〜15%、
    Mo:2〜8%、 V:4〜8%、
    Nb:0.5〜4.0%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、焼入れ焼戻処理を施されてなることを特徴とする耐摩耗部材用鋳物。
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、下記A群〜D群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有する組成を有することを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗部材用鋳物。

    A群:Ti:0.5%以下、
    B群:Ni:3%以下、
    C群:Al:0.1%以下、REM:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種
    D群:W:3%以下
  3. 前記不可避的不純物のうち、P、S、Nを、P:0.1%以下、S:0.1%以下、N:0.1%以下に調整することを特徴とする請求項1または2に記載の耐摩耗部材用鋳物。
  4. 硬さが500〜900HVであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の耐摩耗部材用鋳物。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の耐摩耗部材用鋳物で構成されてなるクラッシャー用歯。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の耐摩耗部材用鋳物で構成されてなる粉砕用タイヤ。
  7. 質量%で、
    C:1.6〜3%、 Si:0.3〜2%、
    Mn:0.3〜2%、 Cr:6〜15%、
    Mo:2〜8%、 V:4〜8%、
    Nb:0.5〜4.0%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する素材鋳物に、焼入れ加熱温度:950〜1150℃に加熱保持した後急冷する焼入れと、ついで焼戻温度:400〜600℃に再加熱保持したのち冷却する処理を1回以上行う焼戻と、からなる焼入れ焼戻し処理を施すことを特徴とする耐摩耗部材用鋳物の製造方法。
  8. 前記組成に加えてさらに、質量%で、下記A群〜D群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有する組成を有することを特徴とする請求項7に記載の耐摩耗部材用鋳物の製造方法。

    A群:Ti:0.5%以下、
    B群:Ni:3%以下、
    C群:Al:0.1%以下、REM:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種
    D群:W:3%以下
  9. 前記不可避的不純物のうちP、S、Nを、質量%で、P:0.1%以下、S:0.1%以下、N:0.1%以下に調整することを特徴とする請求項7または8に記載の耐摩耗部材用鋳物の製造方法。
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