JP2008074609A - 産業車両の運転室 - Google Patents
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Abstract
【課題】産業車両、特にフォークリフトに好適な運転室の構造に関し、既存の車両に簡易に取り付けることができ、乗り降りや始業点検作業を煩雑にすることなく、比較的温暖な地域の屋外で使用されるフォークリフトの運転者を風雨から十分に保護することができる運転室を提供する。
【解決手段】天井1と、この天井を支持する左右の前柱2及び後柱3と、両側辺を左右の前柱2に固定されて運転室の前面下半部を遮蔽している透明な前面板11と、上辺回りに前上方に回動かつその回動位置を保持可能にして天井1の前縁に装着された透明な前庇板25とを備えている。好ましくは、両側辺を左右の後柱3に固定されて運転室の背面上半部を遮蔽している透明な背面板を備え、更に好ましくは、運転室の右側面上部を遮蔽している透明な右側面板15と、天井1の左側縁に装着された透明な左庇板27とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】天井1と、この天井を支持する左右の前柱2及び後柱3と、両側辺を左右の前柱2に固定されて運転室の前面下半部を遮蔽している透明な前面板11と、上辺回りに前上方に回動かつその回動位置を保持可能にして天井1の前縁に装着された透明な前庇板25とを備えている。好ましくは、両側辺を左右の後柱3に固定されて運転室の背面上半部を遮蔽している透明な背面板を備え、更に好ましくは、運転室の右側面上部を遮蔽している透明な右側面板15と、天井1の左側縁に装着された透明な左庇板27とを備えている。
【選択図】図1
Description
この発明は、産業車両、特にフォークリフトに好適な運転室の構造に関するもので、運転者を風雨から保護する構造に関するものである。
フォークリフトは、車両の前部に昇降するフォークを備え、このフォークで積荷を支持して運搬する荷物運搬用の車両であり、主として工場や倉庫の屋内及びその周辺の屋外で用いられる。フォークリフトには、運転席が設けられており、その上方には運転者を落下物から保護するための天井(ヘッドガード)が設けられている。この天井は、運転席の前方左右及び後方左右に配置した柱で、車両本体に支持されている。
専ら屋内で使用されるフォークリフトは、運転者を風雨から保護する構造を必要としないので、運転室には上記天井と柱が設けられているだけで、運転席の周囲(前面、背面及び両側面)は開放されている。一方、屋外で使用されることもあるフォークリフト、特に寒冷地や降雪地の屋外で使用されるフォークリフトには、運転者を寒気や風雨から保護する構造を後付けやオプションとして設けるようにしている。
フォークリフトの運転者を風雨から保護する構造として、従来、主として3種類の構造が利用されている。第1は運転室の前面にのみ透明パネルを装着した構造で、走行中に運転室の前方から雨が入って運転者の膝下や大腿部を濡らすことが多いことから、運転室の前面のみに透明パネルを設けた構造である。この透明パネルには、降雨中における運転者の視界を確保するためにワイパーが設けられている。
第2の構造は、運転室の前面にワイパ付きの透明パネルを設けると共に、その両側面及び背面を閉鎖するシートを設けた構造である。このシートには、側面上部及び背面上部に透明パネルないし透明シートを設けて運転者の視界を確保しており、左側面のシートには、乗り降りの際にシートを開くためのファスナーが設けられている。
第3の構造は運転室の前面にワイパ付きの透明パネルを設けると共に、その両側面及び背面に鋼板性のパネルを取り付けた構造である。この鋼板性のパネルには、側面上部と背面上部に運転者の視界を確保するための透明パネルが設けられている。運転室の左側のパネルは、乗り降りの際に開くことができるように蝶番構造で取り付けられている。
寒冷地の屋外で使用されることのあるフォークリフトは、運転者を冬期の寒風から保護する必要があることから、上記の第2及び第3の保護構造を設けた運転室が採用されている。一方、冬期に降雪がない比較的温暖な地域では、上記第1の構造、すなわち運転室の前面にのみ透明パネルを設けた運転室が多く用いられている。
前面に透明パネルを設けただけの運転室では、風があるときに雨が側面や背面から運転室に入って来るのを防止することができず、降雨時に運転者が濡れるのを防止するための保護構造としては不十分である。また、シートやパネルで運転室の側面及び背面を覆う保護構造は、夏期には運転室内の温度上昇を招いて、かえって作業環境を悪化させる。また、シート製のものは、乗り降り時のシートの開閉が面倒である。そのため、夏期には側面や背面のシートやパネルを取外すことが多いけれども、着脱作業が面倒であると共に、取外したときは前面パネルのみとなり、運転者を降雨から十分に保護することができなくなる。
また、運転席前面の透明パネルは、降雨時にパネルに付いた水滴が運転者の視界を妨げるので、ワイパーを取り付けることが不可欠であるが、パネルの価格を上昇させ、晴天時や屋内で使用するときには、運転者の視界を低下させているという問題がある。
この発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑み、既存のフォークリフトに簡易に取り付けることができ、乗り降りや始業点検作業を煩雑にすることなく、比較的温暖な地域の屋外で使用されるフォークリフトの運転者を風雨から十分に保護することができ、更に運転者のより良好な前方視界を確保することが可能な産業車両用の運転室を提供することを課題としている。
上記課題を解決した本願の請求項1の発明に係る産業車両の運転室は、天井1と、この天井を支持する左右の前柱2及び左右の後柱3とを備え、前面、背面及び両側面が開放されている産業車両の運転室において、両側辺を左右の前柱2に固定されて運転室の前面下半部を遮蔽している透明な前面板11と、上辺回りに前上方に回動かつその回動位置を保持可能にして前記天井の前縁に装着された透明な前庇板25とを備えている産業車両の運転室である。
この構造は、運転室の前面上半部をパネルを装着しない素通しの構造として運転者のより良好な視界を確保しつつ、その下半部には樹脂製の透明パネルからなる前面板11を取り付けて最も雨が当りやすい運転者の膝から下の部分を降雨から保護している。そして、素通しにした前面上半部から雨が浸入するのを防止するために、天井前縁に樹脂製の透明パネルからなる前庇板25を取り付けて、雨や風の状況に応じて、この前庇板25の角度を調節して視界の確保と運転室内への雨の浸入防止との両立を図るものである。この構造により、前面パネルにワイパを取り付ける必要もなくなる。
この出願の請求項2の発明に係る産業車両の運転室は、上記請求項1記載の構造を備え、かつ、両側辺を左右の後柱3に固定されて運転室の背面上半部を遮蔽している透明な背面板13を備えている産業車両の運転室である。
この構造は、フォークリフトに特に好適な構造である。フォークリフトの運転者は、安全のために始業点検をすることが必要である。始業点検時には、エンジンルームを開く必要があるが、フォークリフトでは、エンジンが運転席の下に配置されており、運転席を後方に倒してエンジンルームを開くようになっている。この発明の構造における背面板13は、エンジンの点検時における運転席の後方への倒伏を妨げないように上半部にのみ設けられている。
運転席に座った姿勢の運転者の腰から下は、運転室の前方にあり、背中の下方部は運転席の背もたれで保護されているので、余程の強風でない限り背面の上半部にのみ設けた樹脂製の透明パネルからなる背面板13で後方視界を確保すると共に運転者の背中を雨から保護することができる。そして、背面板13が上半部にのみ設けられることから、運転席を後方に倒してエンジンルームを開く際に背面板13が邪魔にならず、始業点検が困難になったり、その作業が煩雑になるのを防止できる。
この出願の請求項3の発明に係る産業車両の運転室は、上記請求項1又は2記載の構造を備え、かつ、前後辺を右の前後柱に固定されて運転室の右側面上部を遮蔽している透明な右側面板15と、上辺回りに左上方に回動可能にして前記天井1の左側縁に装着された透明な左庇板27とを備えている運転室である。
フォークリフトを始めとする多くの産業車両は、運転者が運転室の左側から運転席に乗り降りする。従って、運転室の右側側面は、樹脂製の透明パネルからなる固定の右側面板15を取り付けて運転者を保護することができる。一方、運転室の左側側面には、天井1の左側縁回りに回動可能な樹脂製の透明パネルからなる左庇板27を設け、かつ必要に応じて左庇板27を固定するブラケット26に把手28を設けて、乗り降りのときに左庇板27を上方に開くことができるようにする。
右側面板15は、運転室の右側面全面を覆うように設けることもできるが、上半部のみに設けることで通常の風雨から運転者を十分に保護することができる。左庇板27については、運転室の上半部を覆うほどの寸法にすると乗り降り時の左庇板27の開閉操作が面倒になるので、左側面の開口高さの4分の1程度以下の寸法にするのが好ましい。また、左庇板27は、その上下寸法が短いのを補うために、雨風の状況に応じて上方に回動した位置を保持できるようにして、運転室への雨の浸入をより良く防止できるようにするのが好ましい。
以上説明したように、この発明の運転室は、運転室前面の下半部に固定した前面板11と、前上方に回動可能な前庇板25とで、運転室の前方から浸入する雨水から運転者を効果的に保護することができ、かつ運転者の良好な前方視界を確保することができると共にワイパーを設ける必要がなくなる。
また、請求項2の構造により、フォークリフトの運転室において、始業点検や運転席への乗り降りを煩雑にすることなく、運転者を背後の風雨から有効に保護することができるという効果がある。また、請求項3の構造により、運転席への乗り降りを煩雑にすることなく、運転室側方の風雨から運転者を有効に保護することができるという効果がある。
更にこの発明の運転室は、運転者を風雨から保護するための板ないし庇が総て透明パネルであって、前面板11、背面板13及び右側面板15は、運転室の柱に固定して取り付けることができ、また前庇板25及び左庇板27もこれらのパネルを回動自在に支持するブラケット24、26を介して運転室の天井の前縁及び左側縁に固定して取り付けることができるので、既存の運転室にも簡単に取り付けることができ、取り外すことも容易であり、安価に提供できるという効果がある。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態を説明する。図1は運転室の前方から見た斜視図、図2は同後方から見た斜視図、図3は固定的に取り付けられる面板の取り付け構造を示す図、図4は左庇板の取り付け構造を示す図である。
図1、2において、1は運転室の天井、2は左右の前柱、3は左右の後柱である。前柱2は、上端が後方に折り曲げられて天井1の側辺を固定する側桁4となっており、この側桁4の後端が後柱3の上端に連結されている。図には示してないが、前柱2及び後柱3の下端は、車両本体にボルト止めされている。前柱2の上端と後柱3の上端には、左右の柱相互を繋ぐ前桁5及び後桁6が設けられており、前桁5と後桁6との間に天井の強度を負担する複数本の前後桁7が溶着されて、その上面に天井板8、9が固定されている。前方の天井板8は、透明パネルであり、後方の天井板9は、不透明ないし半透明のパネルである。
運転室の前面下半部には、矩形の前面板11が、その両側辺を前柱2の下半部に固定して取り付けられている。運転室の背面上半部には、下辺中央部に凹み12を設けた背面板13が、その両辺を左右の後柱3に固定して取付けられている。運転室の右側面には、後方の上下寸法を前方の上下寸法に比べて小さくした形状の右側面板15が、その前後辺を右側の前柱2と後柱3とに固定して取り付けられている。なお14は、右前柱に取付けられたバックミラーである。
図3は、これらの固定的に取り付けられている面板の固定構造を図2のA部における断面で示した図である。固定する面板11、15には、その側辺ないし前後辺に数個の貫通孔16を設け、固定する側辺ないし前後辺を柱3の面に添設した状態で、貫通孔16に挿通した合成樹脂製の締結ベルト17で締結して固定している。図の締結ベルト17は、一端18に他端を挿入する係止孔が設けてあり、この係止孔に設けた係止畝とこの孔に挿入される他端19に設けた複数の係止溝の1つとが係合して、他端19を強く引くことによって面板11、15の側辺ないし前後辺が柱3に締結される構造である。この面板の辺の固定部には、必要に応じてゴム製のパッキン20や両面接着テープ21を用いて、雨水の浸入を防止する密着性やずれ止めを図ることができる。
なお、図3は、柱や桁に面板の辺を固定する構造の一例を示したもので、安価でかつ着脱の容易な構造であるが、本願発明の運転室における面板の固定構造がこの構造に限定されるものではない。
運転室の前桁5には、ブラケット24を介して前庇板25が装着されている。ブラケット24は、前庇板25の上辺周りに回動する蝶番を備えている。この蝶番は、その回動に抵抗を与える摩擦部材を設けた蝶番で、前庇板25は、上辺回りに所望角に回動可能で、かつ外力を加えない状態では、前記摩擦部材の抵抗によりその回動位置が保持される。
運転室の左側の左横桁4Lには、前庇板25を支持しているブラケットと同様な構造のブラケット26を介して左庇板27が装着されている。左庇板27を支持しているブラケット26には、図4に示すように、左庇板27と一体に回動する把手28が取り付けられている。運転者は、この把手28を操作することにより、左庇板27をその上辺29回りに回動させることができる。
面板11、13、15及び庇板25、27は、ポリカーボネート製の透明板であり、その寸法及び側辺形状は、装着しようとする運転室の柱や桁の形状に合わせて成形されている。背面板13の下辺は、フォークリフトに設置されている運転席を後に倒したときの干渉を避けるための凹み12を設けた形状としている。右側面板15及び左庇板27の下辺は、運転室内の雨水の浸入の防止と、乗り降りする際の運転者の頭が通る位置との関係を考慮して決定したもので、図はその一例を示したものであり、この形状に限定されるものではない。
1 天井
2 前柱
3 後柱
11 前面板
13 背面板
15 右側面板
25 前庇板
27 左庇板
2 前柱
3 後柱
11 前面板
13 背面板
15 右側面板
25 前庇板
27 左庇板
Claims (3)
- 天井(1)と、この天井を支持する左右の前柱(2)及び左右の後柱(3)とを備え、前面、背面及び両側面が開放されている産業車両の運転室において、
両側辺を左右の前柱(2)に固定されて運転室の前面下半部を遮蔽している透明な前面板(11)と、上辺回りに前上方に回動かつその回動位置を保持可能にして前記天井の前縁に装着された透明な前庇板(25)と、を備えている、産業車両の運転室。 - 両側辺を左右の後柱(3)に固定されて運転室の背面上半部を遮蔽している透明な背面板(13)を備えている、請求項1記載の産業車両の運転室。
- 前後辺を右の前後柱に固定されて運転室の右側面上部を遮蔽している透明な右側面板(15)と、上辺回りに左上方に回動可能にして前記天井(1)の左側縁に装着された透明な左庇板(27)とを備えている、請求項1又は2記載の産業車両の運転室。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006259242A JP2008074609A (ja) | 2006-09-25 | 2006-09-25 | 産業車両の運転室 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006259242A JP2008074609A (ja) | 2006-09-25 | 2006-09-25 | 産業車両の運転室 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008074609A true JP2008074609A (ja) | 2008-04-03 |
Family
ID=39347061
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006259242A Pending JP2008074609A (ja) | 2006-09-25 | 2006-09-25 | 産業車両の運転室 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008074609A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104520227A (zh) * | 2012-11-29 | 2015-04-15 | 力至优三菱叉车株式会社 | 叉车的护顶结构 |
CN109095400A (zh) * | 2018-09-19 | 2018-12-28 | 安徽天堂唯高塑业科技有限公司 | 叉车pvc顶棚 |
-
2006
- 2006-09-25 JP JP2006259242A patent/JP2008074609A/ja active Pending
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