JP2008074251A - 車両フレーム反転装置及び車両フレームの反転方法 - Google Patents

車両フレーム反転装置及び車両フレームの反転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小型で低コストの車両フレーム反転装置を提供する。
【解決手段】第1レール5及び第2レール6により略L字状をなす第1形態と、第2レールが第1レールに対して重ねられるように折り畳まれる第2形態と、に変化可能な折り畳み自在なガイドレール1と、車両フレーム36を挟み込んでクランプする固定側クランプ部材16A及び可動側クランプ部材16Bからなるクランプ部材と、クランプ部材を着脱自在に取り付けガイドレールに沿ってスライド自在とされるスライド部材17と、を備えた車両フレーム保持機構部2とを備える。そして、車両フレーム反転装置では、ガイドレールを第1形態とし、車両フレーム保持機構部を第1レールに沿ってスライドさせながら第1レールから第2レールへと移動させた後、第2レールを第1レールに対して重ねるように折り畳んで前記ガイドレールを第2形態とすることにより前記車両フレームを反転させる。
【選択図】図9

Description

本発明は、車両フレーム反転装置及び車両フレームの反転方法に関する。
特許文献1には、車体フレームを反転させる反転装置が開示されている(例えば、特許文献1など参照)。
この反転装置は、枠体に車体フレームをクランプするクランプ部と、この車体フレームがクランプされた枠体を上昇させて180度反転させる作動部と、を備えている。
クランプ部は、油圧あるいは空圧により作動する下クランプ部材と上クランプ部材とから構成され、これら上下クランプ部材で車体フレームを枠体にクランプさせて保持させるようになっている。
作動部は、車体フレームをクランプした枠体を昇降動させる昇降部と、枠体を180度回転させる反転部とからなる。昇降部は、ガイドローラとチェーンとウィンチとから構成され、反転部は、枠体を回転させるモータ及び回転軸とから構成されている。
このように構成された反転装置では、下クランプ部材で車体フレームを支持した後、昇降部が作動して車体フレームを支持した枠体を上昇させ、その上昇途中で上クランプ部材を閉じて車体フレームを前記下クランプ部材とによってクランプする。そして、枠体が上昇限に達したときに、反転部を作動させ、前記枠体を180度回転させて車体フレームを反転させる。その後、昇降部を作動させて車体フレームをクランプさせた枠体を下降させる。
特開平6−298353号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、車体フレームを、この車体フレームよりも大きな四角形状をなす枠体にクランプさせており、しかも枠体を上昇させた後、180度回転させるようにしているため、車体フレームに対して構造設備が大型化する。また、この反転装置では、昇降部や反転部の構造が複雑で設備が高価なものとなっている。
そこで、本発明は、小型でしかも設備費用のかからない低コストの車両フレーム反転装置及び車両フレームの反転方法を提供することを目的とする。
本発明の車両フレーム反転装置は、回転可能に連結される第1レール及び第2レールにより略L字状をなす第1形態と、第2レールが第1レールに対して所定距離を置いて重ねられるようにして折り畳まれる第2形態と、に変化可能な折り畳み自在なガイドレールと、車両フレームを挟み込んでクランプするクランプ部材と、このクランプ部材を着脱自在に取り付け前記ガイドレールに沿ってスライド自在とされるスライド部材と、を備えた車両フレーム保持手段とを備える。そして、本発明の車両フレーム反転装置では、前記ガイドレールを第1形態とし、前記車両フレーム保持手段を前記第1レールに沿ってスライドさせながらこの第1レールから第2レールへと移動させた後、前記第2レールを前記第1レールに対して重ねるように折り畳んで前記ガイドレールを第2形態とすることにより前記車両フレームを反転させる。
本発明の車両フレームの反転方法は、略L字状に形態保持された第1レールと第2レールとからなる折り畳み自在なガイドレールに沿ってスライド自在とされる車両フレーム保持手段に車両フレームをセットした後、前記車両フレームがセットされた車両フレーム保持手段を第1レールに沿ってスライドさせながらこの第1レールから第2レールへと移動させ、前記第2レールを車両フレームと共に前記第1レールに対して重ねるようにして折り畳むことにより前記車両フレームの向きを反転させる。
本発明の車両フレーム反転装置によれば、略L字状の形態と二つ折りの形態となる折り畳み自在な第1レールと第2レールとからなるガイドレールに、車両フレームをクランプ部材でクランプさせた車両フレーム保持手段をスライド自在とさせたので、車両フレーム保持手段を第1レールから第2レールへと移動させた後に第2レールを第1レールに対して重ねるように折り畳むことで、当該車両フレームを単純な装置構成で簡単に反転させることができ、また、設備費用を低く抑えることができる。
また、本発明の車両フレームの反転方法によれば、略L字状に形態保持された第1レールと第2レールとからなる折り畳み自在なガイドレールに沿って車両フレームをセットした車両フレーム保持手段を、第1レールに沿ってスライドさせながらこの第1レールから第2レールへと移動させた後、第2レールを車両フレームと共に第1レールに対して重ねるようにして折り畳むことで、簡単に車両フレームの向きを反転させることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
「車両フレーム反転装置の構成」
図1は本実施の形態の車両フレーム反転装置を正面から示す斜視図、図2は本実施の形態の車両フレーム反転装置を背面から示す斜視図、図3は本実施の形態の車両フレーム反転装置におけるガイドレールの斜視図、図4は本実施の形態の車両フレーム反転装置における車両フレーム保持手段の斜視図、図5は本実施の形態の車両フレーム反転装置における車両フレーム保持手段の分解斜視図である。
本実施の形態の車両フレーム反転装置は、図1から図5に示すように、大きく分類すると、折り畳み自在なガイドレール1と、車両フレームをクランプして保持し且つガイドレール1に沿ってスライド自在とされる車両フレーム保持手段である車両フレーム保持機構部2と、からなる。
ガイドレール1は、図3に示すように、キャスター3が取り付けられた基台4上に固定された第1レール5と、この第1レール5の先端に回転可能に連結される第2レール6と、第1レール5と第2レール6により略L字状をなす第1形態の状態を保持させるためのロック手段である形態保持用ロックピン7と、からなる。
第1レール5は、基台4の主面4aに所定間隔を置いて平行に配置され、ボルトなどの締結手段によって固定されている。そして、これら第1レール5の基端側には、平行に配置された第1レール5の平行状態を確保するための補強部材13が、互いの第1レール5間を連結するように設けられている。
第2レール6は、第1レール5の先端が垂直に起立した連結部5Aにヒンジ部材8及びヒンジピン9により連結され、これらヒンジ部材8及びヒンジピン9によって前記第1レール5に対して回転可能とされている。また、この第2レール6には、これら第2レール6間を連結する一対のレールフレーム10、11が井桁形状に取り付けられている。レールフレーム10、11は、第2レール6の強度を高める梁の役目をする。一方のレールフレーム11には、車両フレーム保持機構部2を第2レール6に固定させるためのねじ部12が形成されている。
そして、これら第1レール5と第2レール6には、相対向する対向面にガイド溝14、15がそれぞれ形成されている。第1レール5のガイド溝14と第2レール6のガイド溝15は、第1レール5と第2レール6の連結部で連続するようになっている。
このように構成された第1レール5と第2レール6とからなるガイドレール1は、第1レール5の先端から垂直に第2レール6が起立する略L字状をなす第1形態と、第2レール6が第1レール5に対して所定距離を置いて重ねられるようにして折り畳まれる第2形態と、の2形態をとるようになっている。
車両フレーム保持機構部2は、車両フレームを挟み込んでクランプするクランプ部材16(16A、16B)と、このクランプ部材16を着脱自在に取り付け前記ガイドレール1に沿ってスライド自在とされるスライド部材17と、からなる。
クランプ部材16は、平行に配置されたガイドレール1に直交して設けられるスライド部材17に固定される固定側クランプ部材16Aと、この固定側クランプ部材16Aに対して着脱自在な可動側クランプ部材16Bとからなり、これら固定側クランプ部材16Aと可動側クランプ部材16B間に車両フレームを挟み込むように構成されている。
固定側クランプ部材16Aは、スライド部材17に対して平面視略井桁形状となるように配置され、その重なり合った部位を溶接などして固定されている。この固定側クランプ部材16Aの両端部近傍には、可動側クランプ部材16Bを着脱自在とする締結手段であるクランプボルト18を挿通させる取付け孔19が形成されている。この取付け孔19を通して固定側クランプ部材16Aの裏面に突き出たクランプボルト18には、ナット20が装着されるようになっている。
また、この固定側クランプ部材16Aには、可動側クランプ部材16Bとの位置決めのための位置決め突起21が設けられている。また、この固定側クランプ部材16Aには、車両フレームをクランプすべき部位にゴムなどからなる緩衝材22が設けられている。さらに、一方の固定側クランプ部材16Aには、車両フレームに貫通する孔に挿通させて該車両フレームの前記車両フレーム保持機構部2に対するクランプ位置を固定する位置固定手段であるフレーム貫通ボルト23を挿通させる貫通孔24が形成されている。この貫通孔24を通して固定側クランプ部材16Aの裏面に突き出たフレーム貫通ボルト23には、ナット25が装着されるようになっている。
可動側クランプ部材16Bは、その長手方向の両端に固定側クランプ部材16Aと連結する平面視略L字形状の脚部26を有している。この脚部26には、前記したクランプボルト18を挿通させる取付け孔27が形成されている。また、かかる脚部26は、固定側クランプ部材16Aの位置決め突起21と当接して前記固定側クランプ部材16Aと可動側クランプ部材16Bとの位置ずれが防止されるようになされている。
また、この可動側クランプ部材16Bには、車両フレームをクランプすべき部位にゴムなどからなる緩衝材28が設けられている。緩衝材28は、固定側クランプ部材16Aとの対向面とその反対面にそれぞれ設けられている。固定側クランプ部材16Aと反対側の面に設けられた緩衝材28は、第2レール6を第1レール5に重ねるように折り畳んだときに、基台4の主面4aに当接して車両フレームを支持する脚部として機能する。
さらに、一方の可動側クランプ部材16Bには、前記したフレーム貫通ボルト23を貫通させる貫通孔29が形成されている。貫通孔29は、車種によって異なる車両フレームの孔位置に対応して数ヶ所に設けられ、その車両フレームの孔位置に応じて使用される。
スライド部材17には、前記ガイドレール1に形成されたガイド溝14、15に沿ってスライドガイドされるガイドローラ30が設けられている。かかるガイドローラ30は、スライド部材17の長手方向両端にそれぞれ取り付けられている。また、一方のスライド部材17には、前記車両フレーム保持機構部2をガイドレール1に沿ってスライドさせる際に使用する牽引用フックであるホイストフック用リング31が設けられている。
他方のスライド部材17には、前記ガイドレール1が第1形態にあるときに、前記車両フレーム保持機構部2を初期位置である第1レール5の所定位置に位置決めさせるための位置決め手段であるロックピン32を貫通させるロックピン取付け孔33が設けられている。前記ロックピン32は、車両フレーム保持機構部2が第1レール5の所定位置にあるときには、スライド部材17のロックピン取付け孔33に貫通し、基台4に設けられたロック穴34(図3参照)にその先端部を嵌入させることで、該車両フレーム保持機構部2の前記ガイドレール1に対するスライド移動を規制する。この一方、ロックピン32は、車両フレーム保持機構部2を第1レール5から第2レール6へとスライドさせたときに、前記ロックピン取付け孔33を通してレールフレーム11に設けたねじ部12にその先端部を螺合させることで、該車両フレーム保持機構部2を前記第2レール6の所定位置に位置決め保持させる。
なお、基台4の主面4aには、車両フレーム保持機構部2を初期位置(車両フレームをセットする位置)に位置決めさせて置くためのストッパー35が設けられている。かかるストッパー35には、前記車両フレーム保持機構部2のスライド部材17が当接するようになっている。
「車両フレームの反転方法」
次に、上述のように構成された車両フレーム反転装置を使用して車両フレームを反転させる方法について説明する。
図6から図17は、本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図である。
先ず、図6に示すように、ガイドレール1を第1形態に保持させると共に車両フレーム保持機構部2を、ストッパー35に当接させ且つロックピン32を基台4のロック穴34に嵌入させることにより、初期位置に固定させた状態とする。また、車両フレーム保持機構部2の可動側クランプ部材16Bを固定側クランプ部材16Aから外した状態とする。この状態で、車両フレーム36を、固定側クランプ部材16Aにセットする。このとき、固定側クランプ部材16Aには緩衝材22が設けられているため、セット時の衝撃を緩和させることができる。
次に、図7に示すように、可動側クランプ部材16Bを固定側クランプ部材16Aに装着し、クランプボルト18とナット20で固定する。次いで、フレーム貫通ボルト23を、一方の可動側クランプ部材16Bに形成した貫通孔29を通して車両フレーム36に形成された孔37(例えば、クロスメンバーに形成された孔)を貫通させると共に固定側クランプ部材16Aの貫通孔24を通してその固定側クランプ部材16Aの裏面側にその先端部を突出させる。そして、そのフレーム貫通ボルト23の先端のねじ部にナット25を取り付ける。これで、車両フレーム36は、車両フレーム保持機構部2に対してその長手方向の位置が固定される。
次に、図8に示すように、ロックピン32を基台4に設けたロック穴34から引きの抜いて車両フレーム保持機構部2をスライド自在な状態とする。そして、図9に示すように、ホイストフック用リング31にホイストフックを引っ掛け、前記車両フレーム保持機構部2を、第1レール5から第2レール6へ向かってスライド移動させる。車両フレーム保持機構部2を垂直とされる第2レール6の所定位置まで引っ張り上げたら、先程取り外したロックピン32を、スライド部材17のロックピン取付け孔33を通して第2レール6のレールフレーム11に設けたねじ部12に螺合させる。これで、車両フレーム36をクランプした車両フレーム保持機構部2が第2レール6の所定位置に固定される。
次に、図10に示すように、第1レール5と第2レール6を連結する形態保持用ロックピン7を抜いた後、ホイストを下降させて第2レール6を車両フレーム36ごと第1レール5に重ねるようにして折り曲げてガイドレール1を第2形態(コ字状)とする。その結果、車両フレーム36は、初期の状態の向きから180度回転されて反転された状態となる。このとき、可動側クランプ部材16Bに設けた緩衝材28が基台4の主面4aに当接して、この緩衝材28が車両フレーム保持機構部2を基台4上に支持するための脚部として作用する。また、この緩衝材28には、前記車両フレーム保持機構部2を基台4に対して位置決めさせるために、前記ストッパー35が当接する。
次に、図11に示すように、可動側クランプ部材16Bと固定側クランプ部材16Aを固定するクランプボルト18とナット20を外すと共にフレーム貫通ボルト23を固定するナット25を取り外して車両フレーム36のクランプ状態を開放する。そして、ホイストを上昇させて第2レール6を垂直な状態に戻し、形態保持用ロックピン7をヒンジ部材8に取り付けることにより、ガイドレール1を第1形態とする。
そして、図12に示すように、クランプ状態が開放された車両フレーム36にシャシ部品38、39を組み付ける。次に、図13に示すように、シャシ部品38、39を車両フレーム36に組み付け終えたら、形態保持用ロックピン7を抜いて再び第2レール6を第1レール5に重ねるようにして倒す。そして、可動側クランプ部材16Bと固定側クランプ部材16Aを再びクランプボルト18とナット20で固定すると共にフレーム貫通ボルト23にナット25を取り付ける。
次に、図14に示すように、車両フレーム36をクランプした後、ホイストを再び上昇させ車両フレーム36ごと第2レール6を垂直な状態に戻す。そして、形態保持用ロックピン7を差し込んで、前記ガイドレール1を第1形態となす。次に、図15に示すように、ロックピン32を引き抜いて車両フレーム保持機構部2の第2レール6に対する固定状態を解除する。次いで、図16に示すように、ホイストを下降させて車両フレーム保持機構部2をガイドレール1に沿って第2レール6から第1レール5へとスライドさせる。
最後に、図17に示すように、スライド部材17に形成されたロックピン取付け孔33を通してロック穴34にロックピン32を差し込んで車両フレーム保持機構部2を基台4の初期位置(所定位置)に位置決め固定する。その後、クランプボルト18とナット20を外すと共にフレーム貫通ボルト23とナット25を外して可動側クランプ部材16Bを取り外す。これで、車両フレーム36の反転作業が完了する。
以上のように、本実施の形態の車両フレーム反転装置によれば、略L字状の形態(第1形態)と二つ折りの形態(第2形態)となる折り畳み自在な第1レール5と第2レール6とからなるガイドレール1に、車両フレーム36をクランプ部材(固定側クランプ部材16A及び可動側クランプ部材16B)でクランプさせた車両フレーム保持機構部(車両フレーム保持手段)をスライド自在とさせたので、この車両フレーム保持機構部2を第1レール5に対して垂直に起立する第2レール6へと移動させた後に第2レール6を第1レール5に対して重ねるように折り畳むことで、当該車両フレーム36を単純な装置構成で簡単に反転させることができ、また、設備費用を低く抑えることができる。
また、本実施の形態の車両フレーム反転装置によれば、固定側クランプ部材16Aと、この固定側クランプ部材16Aに対して着脱自在な可動側クランプ部材16Bとからなるクランプ部材によって車両フレーム36を挟み込むようにしているので、簡単な操作で車両フレーム36をクランプすることができる。
また、本実施の形態の車両フレーム反転装置によれば、ガイドレール1が第1形態にあるときに、車両フレーム保持機構部2を第1レール5又は第2レール6の所定位置に位置決めするロックピン32(位置決め手段)を備えているので、車両フレーム36の前記車両フレーム保持機構部2へとセット作業が容易に行え、また、車両フレーム36をクランプした車両フレーム保持機構部2の第2レール6に対する位置決めがなされる。
また、本実施の形態の車両フレーム反転装置によれば、ガイドレール1の第1形態を保持させるための形態保持用ロックピン7(ロック手段)を有しているので、このガイドレール1の第1形態を保持することができる。
また、本実施の形態の車両フレーム反転装置によれば、車両フレーム36に貫通する孔37に挿通させて該車両フレーム36の前記車両フレーム保持機構部2に対するクランプ位置を固定するフレーム貫通ボルト23(位置固定手段)を備えているので、車両フレーム36に形成される既存の孔37を利用して車両フレーム36の位置ずれを防止することができる。
また、本実施の形態の車両フレーム反転装置によれば、車両フレーム保持機構部2をガイドレール1に沿ってスライドさせる際に使用するホイストフック用リング31(牽引用フック)を車両フレーム保持機構部2に有するので、このホイストフック用リング31にホイストを引っ掛けることにより、容易に車両フレーム保持機構部2をガイドレール1に沿ってスライドさせることが可能となる。
また、本実施の形態の車両フレーム反転装置によれば、車両フレーム保持機構部2が第1レール5から第2レール6へと移動された後、ガイドレール1が第2形態とされたときに、可動側クランプ部材16Bの上に前記車両フレーム36が反転して配置されるので、この可動側クランプ部材16Bが車両フレーム36の受け台として機能することになる。
また、本実施の形態の車両フレーム反転装置によれば、ガイドレール1に形成されたガイド溝14、15に沿ってスライドガイドされるガイドローラ30をスライド部材17に設けたので、このガイドローラ30がガイド溝14、15に係合してスライドすることでスムーズに車両フレーム保持機構部2をガイドレール1に対してスライドさせることができる。
本実施の形態の車両フレームの反転方法によれば、略L字状に形態保持された第1レール5と第2レール6とからなる折り畳み自在なガイドレール1に沿って車両フレーム36をセットした車両フレーム保持機構部2(車両フレーム保持手段)を、第1レール5に沿ってスライドさせながらこの第1レール5に対して垂直に起立する第2レール6へと移動させた後、第2レール6を車両フレーム36と共に第1レール5に対して重ねるようにして折り畳むことで、簡単に車両フレーム36の向きを180度反転させることができる。
また、本実施の形態の車両フレームの反転方法によれば、車両フレーム36を反転させた後に、シャシ部品38、39をこの車両フレーム36に組み付け、その後、第2レール6を車両フレーム36と共に元の状態に垂直に起立させ、車両フレーム保持機構部2を第2レール6から第1レール5へとスライドさせて元の位置に戻すので、反転させた車両フレーム36にシャシ部品38、39を簡単に組み付けることができる。
「他の実施の形態」
図18は他の実施の形態における車両フレーム反転装置を正面から示す斜視図である。
この実施の形態では、車両フレーム保持機構部2をガイドレール1に対してスライドさせる手段として、ガイドレール1にラック状の歯40を設け、この歯40と噛み合う歯車41をガイドローラ30に代えてスライド部材17に取り付け、この歯車41をモータ42により回転駆動する駆動軸43により回転駆動させる。
前記モータ42が回転し駆動軸43が回ることで歯車41がガイドレール1に設けられた歯40と歯合して、前記車両フレーム保持機構部2が前記ガイドレール1に沿ってスライドする。
また、この実施の形態では、ガイドレール1を第1形態と第2形態とに状態変化させる動作をシリンダー駆動機構部で行う。シリンダー駆動機構部は、基台4に固定された油圧シリンダー又は空圧シリンダーなどのシリンダー44と、このシリンダー44のロッド45の先端部に下端側のレールフレーム11と連結させる回動用連結部材46と、からなる。
シリンダー44は、基台4に固定されたシリンダー取付け部材47に対して回動軸48を中心として回動自在に取り付けられている。シリンダー44のロッド45は、その先端部を第2レール6の下端側のレールフレーム11に設けられた回動用連結部材46と連結されている。
このシリンダー駆動機構部では、シリンダー44を作動させてロッド45を縮めることでガイドレール1を第1形態から第2形態へと状態を変化させ、ロッド45を延ばすことでガイドレール1を第1形態から第2形態へと状態を変化させることができる。
このように、この実施の形態の車両フレーム反転装置によれば、大きく重量のある車両フレーム36でも容易にモータ42の力によって車両フレーム保持機構部2をガイドレール1に対してスライドさせることができ、また、重量のある車両フレーム36をクランプさせた車両フレーム保持機構部2をロック保持させた第2レール6を折り畳み自在とさせることができる。
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、上述の実施の形態は、本発明の一例に過ぎないからこれら実施の形態に、本発明が限定されるものではない。
本実施の形態の車両フレーム反転装置を正面から示す斜視図である。 本実施の形態の車両フレーム反転装置を背面から示す斜視図である。 本実施の形態の車両フレーム反転装置におけるガイドレールの斜視図である。 本実施の形態の車両フレーム反転装置における車両フレーム保持手段の斜視図である。 本実施の形態の車両フレーム反転装置における車両フレーム保持手段の分解斜視図である。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、車両フレームのセット工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、車両フレームのクランプ工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、車両フレーム保持機構部のロック解除工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、車両フレーム保持機構部のスライド工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、ガイドレールの折り畳み工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、クランプ解除工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、シャシ部品組み付け工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、シャシ部品組付け後に車両フレームを再びクランプするクランプ工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、ガイドレールを第1形態とする車両フレーム保持機構部引き上げ工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、車両フレームの第2レールに対するロック解除工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、車両フレーム保持機構部を第1レールの元に位置に戻すスライド工程を示す。 本実施の形態の車両フレームの反転方法を説明するための動作工程を順に示す斜視図であり、シャシ部品組付け後の車両フレームのロック解除工程を示す。 他の実施の形態における車両フレーム反転装置を正面から示す斜視図である。
符号の説明
1…ガイドレール
2…車両フレーム保持機構部(車両フレーム保持手段)
5…第1レール
6…第2レール
7…形態保持用ロックピン(ロック手段)
9…ヒンジピン
10、11…レールフレーム
14、15…ガイド溝
16…クランプ部材
16A…固定側クランプ部材
16B…可動側クランプ部材
17…スライド部材
22、28…緩衝材
23…フレーム貫通ボルト(位置固定手段)
30…ガイドローラ
31…ホイストフック用リング
32…ロックピン(位置決め手段)
35…ストッパー
36…車両フレーム
37…車両フレームに形成された孔
38、39…シャシ部品
40…ラック状の歯
41…歯車
42…モータ
44…シリンダー
45…ロッド

Claims (12)

  1. 回転可能に連結される第1レール及び第2レールにより略L字状をなす第1形態と、第2レールが第1レールに対して所定距離を置いて重ねられるようにして折り畳まれる第2形態と、に変化可能な折り畳み自在なガイドレールと、
    車両フレームを挟み込んでクランプするクランプ部材と、このクランプ部材を着脱自在に取り付け前記ガイドレールに沿ってスライド自在とされるスライド部材と、を備えた車両フレーム保持手段とを備え、
    前記ガイドレールを第1形態とし、前記車両フレーム保持手段を前記第1レールに沿ってスライドさせながらこの第1レールから第2レールへと移動させた後、前記第2レールを前記第1レールに対して重ねるように折り畳んで前記ガイドレールを第2形態とすることにより前記車両フレームを反転させる
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  2. 請求項1に記載の車両フレーム反転装置であって、
    前記クランプ部材は、前記スライド部材に固定される固定側クランプ部材と、この固定側クランプ部材に対して着脱自在な可動側クランプ部材とからなり、これら固定側クランプ部材と可動側クランプ部材間に前記車両フレームを挟み込む
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両フレーム反転装置であって、
    前記ガイドレールが第1形態にあるときに、前記車両フレーム保持手段を第1レール又は第2レールの所定位置に位置決めする位置決め手段を備えた
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか一つに記載の車両フレーム反転装置であって、
    前記ガイドレールの第1形態を保持させるためのロック手段を備えた
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一つに記載の車両フレーム反転装置であって、
    前記車両フレームに貫通する孔に挿通させて該車両フレームの前記車両フレーム保持手段に対するクランプ位置を固定する位置固定手段を備えた
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか一つに記載の車両フレーム反転装置であって、
    前記車両フレーム保持手段には、この車両フレーム保持手段を前記ガイドレールに沿ってスライドさせる際に使用する牽引用フックが設けられた
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  7. 請求項2に記載の車両フレーム反転装置であって、
    前記車両フレーム保持手段が前記第1レールから第2レールへと移動された後、前記ガイドレールが第2形態とされたときに、前記可動側クランプ部材の上に前記車両フレームが反転して配置される
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  8. 請求項1から請求項7の何れか一つに記載の車両フレーム反転装置であって、
    前記スライド部材には、前記ガイドレールに形成されたガイド溝に沿ってスライドガイドされるガイドローラが設けられた
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  9. 請求項1から請求項7の何れか一つに記載の車両フレーム反転装置であって、
    前記スライド部材には、前記ガイドレールに形成されたラック状の歯と噛み合う歯車と、この歯車を回転させて前記車両フレーム保持手段をガイドレールに沿ってスライドさせる駆動部と、が設けられた
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  10. 請求項1から請求項7の何れか一つに記載の車両フレーム反転装置であって、
    前記ガイドレールを第1形態と第2形態とに状態変化させる動作をシリンダー駆動機構で行う
    ことを特徴とする車両フレーム反転装置。
  11. 略L字状に形態保持された第1レールと第2レールとからなる折り畳み自在なガイドレールに沿ってスライド自在とされる車両フレーム保持手段に車両フレームをセットした後、
    前記車両フレームがセットされた車両フレーム保持手段を第1レールに沿ってスライドさせながらこの第1レールから第2レールへと移動させ、
    前記第2レールを車両フレームと共に前記第1レールに対して重ねるようにして折り畳むことにより前記車両フレームの向きを反転させる
    ことを特徴とする車両フレームの反転方法。
  12. 請求項11に記載の車両フレームの反転方法であって、
    前記車両フレームを反転させた後に、シャシ部品をこの車両フレームに組み付け、その後、前記第2レールを車両フレームと共に元の状態に起立させ、前記車両フレーム保持手段を第2レールから第1レールへとスライドさせて元の位置に戻す
    ことを特徴とする車両フレームの反転方法。
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