JP2008074198A - 燃料電池搭載の小型電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の重量バランスを保ちつつ、且つ燃料タンクの容量を十分に確保可能な燃料電池搭載の小型電動車両を提供するにある。
【解決手段】車体フレーム4後部に設けられた運転シート14の下部に燃料電池ユニット28を搭載し、この燃料電池ユニット28から供給される電力によって駆動される電動モータで左右一対の後輪3を駆動すると共に、車体フレーム4の前部にステアリングポスト7を立設し、このステアリングポスト7を介して操向ハンドル9によって左右一対の前輪2を左右に操舵する燃料電池搭載の小型電動車両1において、燃料電池ユニット28用燃料を収容する燃料タンク30を左右一対の前輪2の間、且つこれらの前輪2の上方に配置したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池搭載の小型電動車両に関する。
近年、車両の走行に用いる電動モータ駆動用の電源を燃料電池とした車両が開発されている。このような開発は主に四輪車を中心に行われているが、燃料電池を搭載した自動二輪車のような小型車両に対しても開発は進められている(例えば特許文献1参照)。
燃料電池搭載車は当然燃料タンクが必要であり、自動二輪車のような小型車両においては従来の内燃機関搭載車同様運転シートの下方に燃料タンクを備えたものがある(例えば特許文献2参照)。
特開2005−125840号公報 特開2005−112094号公報
しかしながら、運転シートの下方ではスペースが限られているため十分に燃料タンクの容量を確保することができない。
また、燃料が収容された燃料タンクは重量が嵩むため、車両の重量バランスを保つためにもそのレイアウトは十分に考慮する必要がある。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、車両の重量バランスを保ちつつ、且つ燃料タンクの容量を十分に確保可能な燃料電池搭載の小型電動車両を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池搭載の小型電動車両は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、車体フレーム後部に設けられた運転シートの下部に燃料電池ユニットを搭載し、この燃料電池ユニットから供給される電力によって駆動される電動モータで左右一対の後輪を駆動すると共に、車体フレームの前部にステアリングポストを立設し、このステアリングポストを介して操向ハンドルによって左右一対の前輪を左右に操舵する燃料電池搭載の小型電動車両において、上記燃料電池ユニット用燃料を収容する燃料タンクを上記左右一対の前輪の間、且つこれらの前輪の上方に配置したものである。
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記燃料タンクを、乗員の足元を覆うレッグシールド内の上記ステアリングポスト前方のスペース内に収容したものである。
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記燃料タンクを、前後方向寸法が小さく、上下左右方向寸法が大きい板状のタンク形状に形成したものである。
そして、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記燃料タンクの前方に衝撃吸収部材を設けたものである。
そしてまた、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記燃料電池をダイレクトメタノール型燃料電池とし、メタノールを燃料として用いたものである。
本発明に係る燃料電池搭載の小型電動車両によれば、車両の重量バランスが優れ、操縦性や乗り心地が向上すると共に、燃料の給油も容易になる。
また、デッドスペースを有効利用することができ、燃料タンクの容量を十分に確保することもできる。
さらに、車体の低重心化を図ることができ、操縦安定性の向上が図れると共に、燃料タンクを外部からの衝撃から保護することが容易に行える。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が適用された小型電動車両としての電動四輪車の左側面図である。この電動四輪車1は、左右一対のパンクレス前輪2および同じく左右一対のパンクレス後輪3を支持するプラットフォーム型の車体フレーム4を備える。
車体フレーム4はその略中央部に足載せ部5を有し、この足載せ部5を含む車体フレーム4の前後が例えば合成樹脂製の車体カバー6で覆われる。
前輪2は車体フレーム4の前部に図示しない前輪懸架装置およびステアリング機構によって左右に操舵可能に支持される。ステアリング機構を構成するステアリングポスト7は車体カバー6を構成する、乗員の足元を覆う例えばレッグシールド8内を上方に向かって立設し、その上部には前輪操舵用の操向ハンドル9と電装部10とが回動一体に設けられる。そして、前輪2はステアリングポスト7を介して操向ハンドル9によって左右に操舵される。
一方、車体フレーム4の後部には後輪3に動力を伝達する駆動ユニット11が配置される。駆動ユニット11は内部に図示しないギヤケースおよび電動モータを備え、その前端部が車体フレーム4に上下方向にスイング自在に枢着されると共に、クッションユニット12により車体フレーム4に弾性的に支持される。
駆動ユニット11上方の車体フレーム4後部には一段高いシートポスト13が配置され、このシートポスト13に運転シート14が設置される。
図2は、図1に示す電動四輪車1の左側面図であり、図3は同電動四輪車1の平面図である。また、図4は同電動四輪車1の斜視図である。なお、図2〜図4はいずれも車体カバー6等の外装品を取り外した状態を示す。
図1〜図4に示すように、車体フレーム4は車幅方向左右一対の、例えばアルミニウム製パイプから成るフレーム部材としてのメインフレーム15と、これらのメインフレーム15を連結する他のフレーム部材としての複数のビーム部材17〜22とから構成される。
各メインフレーム15は、側面視でその略中央部に形成された折曲部を最下点として直線状に前方および後方に向かって緩やかに上昇する略V字状に折曲形成され、折曲部を境に前部フレーム15Fと後部フレーム15Rとを形成する。また、左右の後部フレーム15Rは平行に配置されると共に、平面視で上記折曲部から前方の前部フレーム15Fが内側に向かって直線状に先窄まりに折曲形成される。
前部フレーム15Fの前端(図の左側)は前記ステアリング機構を支持するステアリングブラケットおよび前輪懸架装置の一部を兼ねた第一ビーム部材17によって連結される。また、この第一ビーム部材17の後方には板状の第二ビーム部材18が離間して架設される。
さらに、第二ビーム部材18後方の、メインフレーム15の折曲部直後には板状の第三ビーム部材19が架設されると共に、この第三ビーム部材19の後方には板状の第四ビーム部材20が離間して架設される。そして、後部フレーム15Rの後端(図の右側)は棒状の第五ビーム部材21によって連結される。
第二ビーム部材18と第三ビーム部材19との間は足載せ部5として設定され、例えば鉄製の板材をプレス加工したフロア部材22が左右のメインフレーム15間に跨設される。フロア部材22は強度部材としてのビーム部材を兼ねており、平面視矩形形状を有し、前部フレーム15Fの上面に載置されることによりフロア部材22の両側前部が前部フレーム15Fの外方に突出する。
左右の後部フレーム15Rの略中央部には、例えばアルミニウム製パイプから一体的に折曲形成されたシートパイプ23が跨設される。シートパイプ23の、水平部分の車幅方向中央には前記運転シート14を水平方向に回動自在且つ所定の位置においてロック可能に支持するシートポスト13が形成される。また、このシートポスト13の後部からは後方下部の、メインフレーム15の後端部に架設された第五ビーム部材21に向かって補強ステー24が延設される。
左右の後部フレーム15Rの略中央部下面にはそれぞれピボットブラケット25が設けられ、これらのピボットブラケット25に前記駆動ユニット11の前端部がスイング自在に枢着される。また、シートポスト13の後部には駆動ユニット11を弾性的に支持するクッションユニット12の上部支持ブラケット26が設けられる。さらに、左右の後部フレーム15Rの後部と、第四ビーム部材20および第五ビーム部材21に囲まれた空間には、例えばチャージャーや制御ユニット等の電装品27が配置される。
本発明に係る小型電動車両(電動四輪車1)に搭載される駆動ユニット11の電動モータ(図示せず)はその電力の供給源として燃料電池を用いる。また、本実施例において、燃料電池のユニットはメタノールの水溶液を改質せずにダイレクトに発電に利用する、公知のダイレクトメタノール型燃料電池ユニット28(以下、DMFCユニットと略す)である。そして、図5にこのDMFCユニット28のフロー図を示す。
図5に示すように、DMFCユニット28はメタノールに基づく水素と空気中の酸素との電気化学反応により電気エネルギーを生成可能な単電池セル(図示せず)を複数個積層して構成される燃料電池スタック29を備える。また、DMFCユニット28は燃料である、例えば54%程度の高濃度メタノールを収容する燃料タンク30と、この高濃度メタノールを燃料電池スタック29の電気化学反応に適した例えば約3%濃度に希釈してメタノール水溶液を生成するための水を収容する水タンク31と、生成されたメタノール水溶液を収容する循環タンク32とを備える。
さらに、DMFCユニット28は燃料タンク30内の高濃度メタノールを循環タンク32内に供給する燃料ポンプ33と、水タンク31内の水を循環タンク32内に供給する水ポンプ34と、循環タンク32内のメタノール水溶液を燃料電池スタック29に供給する循環ポンプ35とを備える。
そして、DMFCユニット28は燃料電池スタック29に酸素を含む空気を供給するエアポンプ36と、燃料電池スタック29内の電気化学反応による電気エネルギー生成時に副産物として生成される高温の水蒸気を含んだ排気ガスを冷却するラジエター37とを備える。
DMFCユニット28は、メタノール水溶液と空気とを燃料電池スタック29内において電気化学反応させることにより電気エネルギーを生成させる。また、この電気化学反応時に生成される炭酸ガスおよび使用されなかった一部のメタノール水溶液は循環タンク32に導かれる。循環タンク32内においてはメタノール水溶液の濃度が常時モニタされ、必要に応じて高濃度メタノールや水を自動的に加えることによりメタノール水溶液の濃度を一定に維持するように構成される。
一方、電気エネルギー生成時に生成される排気ガスはラジエター37によって冷却されて水と空気に分離された後、水タンク31に導かれる。また、循環タンク32に導かれた炭酸ガスも同様に水タンク31に導かれる。そして、水タンク31に導かれた空気、炭酸ガスおよび水タンク31をオーバーフローした水は排気フィルタ38を介して外部に排出される。
次に、DMFCユニット28の各機器のレイアウトについて述べる。図2〜図4に示すように、DMFCユニット28は車体フレーム4後部に設けられた運転シート14の下部に搭載され、車体カバー6によって全体が覆われる。
左右一対のメインフレーム15を連結する複数のビーム部材のうち、車体フレーム4の前後方向略中央部に配置される板状の第三ビーム部材19上には上記エアポンプ36が配設され固定される。また、第三ビーム部材19からその後方に配置された板状の第四ビーム部材20にかけてエアポンプ36の上方を前後方向に跨ぐように門型のパイプフレーム39が架設され、このパイプフレーム39上に上記燃料電池スタック29が配設され固定される。エアポンプ36、パイプフレーム39および燃料電池スタック29は車体の幅方向一側、本実施形態においては右側にオフセット配置され、エアポンプ36の左側に開いたスペースの第三ビーム部材19上には、燃料系ポンプを構成する上記循環ポンプ35、燃料ポンプ33、水ポンプ34のうち、例えば上記循環ポンプ35が車体の幅方向に並設されると共に、燃料電池スタック29の左側に開いたスペースには車体の側面に沿うようにラジエター37が配設される。さらに、ラジエター37の燃料電池スタック29側面にはラジエター37の冷却ファン40が配設される。
一方、エアポンプ36および燃料電池スタック29の後方スペースには残りの燃料系ポンプ、本実施形態に置いては燃料ポンプ33および水ポンプ34、並びに循環タンク32および水タンク31が車体の幅方向に並設される。さらに、ラジエター37の下部スペースには排気フィルタ38が配設されると共に、図1に示すように、ラジエター37に対向した車体カバー6の側面には冷却風の取入口41が設けられる。
そして、燃料タンク30は例えば合成樹脂等の素材で形成されると共に、その前後方向寸法が小さく、上下左右方向寸法が大きい板状のタンク形状を呈し、前記左右一対の前輪2の間、且つ前輪2の上方に配置される。好ましくは、燃料タンク30は、車体カバー6を構成するレッグシールド8内のステアリングポスト7前方のスペース内に収容され、給油口42がレッグシールド8の例えば左上部に配置されると共に、燃料タンク30の前方、レッグシールド8の前面には衝撃吸収部材としての荷物搭載用バスケット43が設けられる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
従来の電動四輪車は車体の後部にバッテリや駆動部などの重量物が配置されていたため、重心が後方寄りになっていたが、本願発明のように燃料タンク30を左右一対の前輪2の間、且つ前輪2の上方に配置したことにより重量の嵩む燃料タンク30が車体の前方に配置され、好適な重量の前後配分を得ることができる。その結果、車両の重量バランスが優れ、操縦性や乗り心地が向上する。特に、傾斜路等における後方安定性能が向上する。
また、電動四輪車は高齢者のユーザーが多く、燃料給油はなるべく姿勢変化の少ない状態で行えることが望まれるが、燃料タンク30を上記位置に配置することにより給油口42をレッグシールド8の例えば左上部に配置可能となり、燃料の給油が容易になると共に、燃料流路の短縮化を図ることができる。
一方、レッグシールド8は乗員の保護上必要度は高いが、その内部は容量が多いにもかかわらず有効的に活用されておらず、いわゆるデッドスペースとなっていたが、燃料タンク30をレッグシールド8内のステアリングポスト7前方のスペース内に収容したことにより、デッドスペースを有効利用することができ、また燃料タンクの容量を十分に確保することもできる。
さらに、燃料タンク30を、その前後方向寸法が小さく、上下左右方向寸法が大きい板状のタンク形状としたことにより、レッグシールド8内のスペースを最大限に利用でき、全体のコンパクト化を図ることができると共に、上下方向寸法を長くすることにより車体の低重心化を図ることができ、操縦安定性の向上が図れる。
また、燃料タンク30内には高濃度のメタノールが収納されているため、燃料タンク30を外部からの衝撃から保護する必要がある。そこで、燃料タンク30をレッグシールド8内に収容すると共に、燃料タンク30の前方、レッグシールド8の前面に衝撃吸収部材としての荷物搭載用バスケット43を設けたことにより燃料タンク30の保護が十分に行える。
そして、燃料電池をダイレクトメタノール型燃料電池とし、水素などではなくメタノールを燃料として用いることにより、燃料タンク30を例えば合成樹脂で形成できる。その結果、燃料タンク30の形状の自由度が増し、容量の確保が容易となる。また、メタノールは燃料としての取り扱いが比較的容易である。
本発明に係る燃料電池搭載の小型電動車両の一実施形態を示す電動四輪車の左側面図。 図1に示す電動四輪車の左側面図。 図1に示す電動四輪車の平面図。 図1に示す電動四輪車の斜視図。 ダイレクトメタノール型燃料電池ユニット(DMFCユニット)のフロー図。
符号の説明
1 電動四輪車(小型電動車両)
2 前輪
3 後輪
4 車体フレーム
7 ステアリングポスト
8 レッグシールド
9 操向ハンドル
14 運転シート
28 DMFCユニット(燃料電池ユニット)
30 燃料タンク
43 荷物搭載用バスケット(衝撃吸収部材)

Claims (5)

  1. 車体フレーム後部に設けられた運転シートの下部に燃料電池ユニットを搭載し、この燃料電池ユニットから供給される電力によって駆動される電動モータで左右一対の後輪を駆動すると共に、車体フレームの前部にステアリングポストを立設し、このステアリングポストを介して操向ハンドルによって左右一対の前輪を左右に操舵する燃料電池搭載の小型電動車両において、上記燃料電池ユニット用燃料を収容する燃料タンクを上記左右一対の前輪の間、且つこれらの前輪の上方に配置したことを特徴とする燃料電池搭載の小型電動車両。
  2. 上記燃料タンクを、乗員の足元を覆うレッグシールド内の上記ステアリングポスト前方のスペース内に収容した請求項1記載の燃料電池搭載の小型電動車両。
  3. 上記燃料タンクを、前後方向寸法が小さく、上下左右方向寸法が大きい板状のタンク形状に形成した請求項1または2記載の燃料電池搭載の小型電動車両。
  4. 上記燃料タンクの前方に衝撃吸収部材を設けた請求項1、2または3記載の燃料電池搭載の小型電動車両。
  5. 上記燃料電池をダイレクトメタノール型燃料電池とし、メタノールを燃料として用いた請求項1、2、3または4記載の燃料電池搭載の小型電動車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103538662A (zh) * 2013-09-30 2014-01-29 安徽华印机电股份有限公司 一种具有保险杠的电动车

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