JP2008074003A - ラインヘッド及び該ラインヘッドを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】隣り合うように形成された2個のスポットが繋がらずに互いに離間するという不良の発生を抑制して、良好なスポット形成の実現を可能にする技術を提供する。
【解決手段】第1主走査方向間隔、第2主走査方向間隔および光学倍率が下記のスポット関係を満たすように関係付けられている。ここで、スポット関係は、主走査方向に上流側の発光素子グループにより形成される上流側スポット列の最下流スポットが、主走査方向に下流側の発光素子グループにより形成される下流側スポット列の最上流スポットよりも上流側に形成され、しかも最下流スポットと最上流スポットのスポット間隔が各スポット列でのスポット間隔よりも小さいという関係である。
【選択図】図11
【解決手段】第1主走査方向間隔、第2主走査方向間隔および光学倍率が下記のスポット関係を満たすように関係付けられている。ここで、スポット関係は、主走査方向に上流側の発光素子グループにより形成される上流側スポット列の最下流スポットが、主走査方向に下流側の発光素子グループにより形成される下流側スポット列の最上流スポットよりも上流側に形成され、しかも最下流スポットと最上流スポットのスポット間隔が各スポット列でのスポット間隔よりも小さいという関係である。
【選択図】図11
Description
この発明は、被走査面に対して光ビームを走査するラインヘッド及び該ラインヘッドを用いた画像形成装置に関するものである。
この種のラインヘッドとしては、例えば特許文献1に記載のように、複数の発光素子を配置して構成される発光素子グループ(同特許文献における「発光素子アレイ」)を用いたものが提案されている。さらに、特許文献1記載のラインヘッドでは、複数の発光素子グループを並べて配置するとともに、該複数の発光素子グループに対して一対一で対応して複数の結像光学系を配置している。そして、発光素子グループの発光素子から射出された光ビームは、該発光素子グループに対向する結像光学系により結像されて、被走査面にスポットが形成される。
上述のようなラインヘッドにおいて、例えば、隣り合う2個のスポットを形成するような場合、これら2個のスポットは繋がって形成されることが好適である。しかしながら、装置構成のばらつき等により、被走査面に隣り合うように形成された2個のスポットが繋がらずに互いに離間するという不良が発生し、良好なスポット形成が実現できない場合があった。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、被走査面に光ビームを結像して複数のスポットを並べて形成可能なラインヘッドにおいて、隣り合うように形成された2個のスポットが繋がらずに互いに離間するという不良の発生を抑制して、良好なスポット形成の実現を可能にする技術を提供することを目的とする。
この発明にかかるラインヘッドは、副走査方向に搬送される被走査面に光ビームを結像して、副走査方向に略直交する主走査方向に複数のスポットを並べて形成可能なラインヘッドであって、上記目的を達成するために、複数の発光素子グループと、複数の発光素子グループに一対一で対応して配置された複数の結像光学系とを備え、複数の発光素子グループの各々では複数の発光素子が第1主走査方向間隔で配置され、しかも複数の発光素子グループは第2主走査方向間隔で配置され、複数の結像光学系の各々は該結像光学系に対応する発光素子グループから射出された光ビームを所定の光学倍率で結像して被走査面にスポットを主走者方向に並べて形成し、第1主走査方向間隔、第2主走査方向間隔および光学倍率が下記のスポット関係を満たすように関係付けられていることを特徴としている。ここで、スポット関係は、それぞれ主走査方向位置が隣り合う2個の発光素子グループにおいて、主走査方向に上流側の発光素子グループにより形成される上流側スポット列の最下流スポットが、主走査方向に下流側の発光素子グループにより形成される下流側スポット列の最上流スポットよりも上流側に形成され、しかも最下流スポットと最上流スポットのスポット間隔が各スポット列でのスポット間隔よりも小さいという関係である。
このように構成されたラインヘッドでは、複数の発光素子グループと、該複数の発光素子グループに一対一で対応して配置された複数の結像光学系とを備えている。また、各発光素子グループにおいて複数の発光素子は第1主走査方向間隔で配置されるとともに、複数の発光素子グループは第2主走査方向間隔で配置される。ここで、第1主走査方向間隔とは、同一の発光素子グループにおいて主走査方向位置が互いに隣り合う2個の発光素子それぞれの主走査方向位置の間隔を言い、第2主走査方向間隔とは、主走査方向位置が互いに隣り合う2個の発光素子グループそれぞれの主走査方向位置の間隔を言う。また、主走査方向位置とは、対象物(発光素子または発光素子グループ)の主走査方向における位置を言う。そして、上記ラインヘッドは、結像光学系により対応する発光素子グループから射出された光ビームを所定の光学倍率で結像して被走査面にスポットを形成する。かかるラインヘッドによるスポット形成動作を、次に詳述する。
上記ラインヘッドは、第2主走査方向間隔で配置された複数の発光素子グループにより、被走査面に複数のスポットを主走査方向に並べて形成する。ここで、第2主走査方向間隔で配置された2個の発光素子グループ、即ち、それぞれの主走査方向位置を第2主走査方向間隔だけ空けて配置された2個の発光素子グループにより形成されるスポットについて考える。また、かかる2個の発光素子グループのうち、主走査方向上流側に配置されたグループを上流側発光素子グループと、下流側に配置されたグループを下流側発光素子グループとする。このとき、被走査面には、上流側発光素子グループにより主走査方向に並ぶ複数のスポット(上流側スポット列)が形成されるとともに、該上流側スポット列の下流側に、下流側発光素子グループにより主走査方向に並ぶ複数のスポット(下流側スポット列)が形成される。そして、このように形成される複数のスポットの間隔には、上述の発光素子のグループ構造に起因して、次のような性質が存在する。
同一の発光素子グループにより形成された主走査方向に隣り合う2個のスポットの間隔は、第1主走査方向間隔に結像光学系の光学倍率を乗じた間隔となる。つまり、同一の発光素子グループにより形成された主走査方向に隣り合う2個のスポットの間隔は、主に第1主走査方向間隔と光学倍率との2個の因子により決まる。一方、互いに異なる発光素子グループにより形成された主走査方向に隣り合う2個のスポットの間隔、つまり、上流側発光素子グループにより形成された最下流スポットと下流側発光素子グループにより形成された最上流スポットとの間隔は、上記2個の因子以外に、発光素子グループが異なることに起因した因子が関係する。ここで、最下流スポットとは、上流側発光素子グループにより形成される上流側スポット列の最下流に位置するスポットを言い、最上流スポットとは、下流側発光素子グループにより形成される下流側スポット列の最上流に位置するスポットを言う。かかる発光素子グループが異なることに起因した因子としては、例えば、2個の発光素子グループそれぞれから被走査面までの距離が異なること等が挙げられる。このように、異なる発光素子グループによる2個のスポット(最下流スポットと最上流スポット)の間隔は、同一の発光素子グループによる2個のスポットの間隔よりも多くの因子の影響を受けやすい。つまり、異なる発光素子グループによる2個のスポット(最下流スポットと最上流スポット)の間隔は、同一の発光素子グループによる2個のスポットの間隔と比べて、ばらつきが大きくなる傾向にある。そして、かかるばらつきの結果、最下流スポットと最上流スポットとが繋がらずに離間して形成されるという不良が発生する場合があった。
これに対して、本発明にかかるラインヘッドでは、第1主走査方向間隔、第2主走査方向間隔および光学倍率が下記のスポット関係を満たすように関係付けられている。ここで、スポット関係は、それぞれ主走査方向位置が隣り合う2個の発光素子グループにおいて、主走査方向に上流側の発光素子グループにより形成される上流側スポット列の最下流スポットが、主走査方向に下流側の発光素子グループにより形成される下流側スポット列の最上流スポットよりも上流側に形成され、しかも最下流スポットと最上流スポットのスポット間隔が各スポット列でのスポット間隔よりも小さいという関係である。よって、本発明にかかるラインヘッドでは、最下流スポットと最上流スポットとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生を抑制することが可能となり、良好なスポット形成が実現される。
また、結像光学系の光学倍率の絶対値を、1よりも大きいように構成しても良い。なんとなれば、このような構成は上記スポット関係を満たすのにあたって有利に作用するため、最下流スポットと最上流スポットとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生をより確実に抑制することが可能となり好適であるからである。
また、この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、その表面が副走査方向に搬送される潜像担持体と、潜像担持体の表面を被走査面として該潜像担持体表面にスポットを形成する上記ラインヘッドと同一構成を有する露光手段とを備えることを特徴としている。よって、最下流スポットと最上流スポットとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生を抑制することができ、良好なスポットによる画像形成の実現が可能となる。
図1は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置における画像形成ステーションの配置を示す図である。さらに、図3は図1の画像形成装置の電気的構成を示す図である。この装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成するモノクロモードとを選択的に実行可能な画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像形成指令がCPUやメモリなどを有するメインコントローラMCに与えられると、このメインコントローラMCがエンジンコントローラECに制御信号を与え、これに基づき、エンジンコントローラECがエンジン部EGおよびヘッドコントローラHCなど装置各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどの記録材たるシートに画像形成指令に対応する画像を形成する。
この実施形態にかかる画像形成装置が有するハウジング本体3内には、電源回路基板、メインコントローラMC、エンジンコントローラECおよびヘッドコントローラHCを内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット2、転写ベルトユニット8および給紙ユニット7もハウジング本体3内に配設されている。また、図1においてハウジング本体3内右側には、二次転写ユニット12、定着ユニット13およびシート案内部材15が配設されている。なお、給紙ユニット7は、ハウジング本体3に対して着脱自在に構成されている。そして、該給紙ユニット7および転写ベルトユニット8については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
画像形成ユニット2は、複数の異なる色の画像を形成する4個の画像形成ステーション2Y(イエロー用)、2M(マゼンタ用)、2C(シアン用)および2K(ブラック用)を備えている。なお、図1においては、画像形成ユニット2の各画像形成ステーションは構成が互いに同一のため、図示の便宜上一部の画像形成ステーションのみに符号を付し、他の画像形成ステーションについては符号を省略する。
各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kには、それぞれの色のトナー像がその表面に形成される感光体ドラム21が設けられている。各感光体ドラム21はそれぞれ専用の駆動モータに接続され図中矢印D21の方向に所定速度で回転駆動される。また、感光体ドラム21の周囲には、その回転方向に沿って帯電部23、ラインヘッド29、現像部25および感光体クリーナ27が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作およびトナー現像動作が実行される。カラーモード実行時は、全ての画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kで形成されたトナー像を転写ベルトユニット8に設けた転写ベルト81に重ね合わせてカラー画像を形成する。また、モノクロモード実行時は、画像形成ステーション2Kのみを動作させてブラック単色画像を形成する。
帯電部23は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラを備えている。この帯電ローラは帯電位置で感光体ドラム21の表面と当接して従動回転するように構成されており、感光体ドラム21の回転動作に伴って従動回転する。また、この帯電ローラは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電部23と感光体ドラム21が当接する帯電位置で感光体ドラム21の表面を所定の表面電位に帯電させる。
ラインヘッド29は、感光体ドラム21の軸方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に配列された複数の発光素子を備えており、感光体ドラム21に対向配置されている。そして、これらの発光素子から、帯電部23により帯電された感光体ドラム21の表面に向けて光を照射して該表面に静電潜像を形成する。
現像部25は、その表面にトナーが担持する現像ローラ251を有する。そして、現像ローラ251と電気的に接続された現像バイアス発生部(図示省略)から現像ローラ251に印加される現像バイアスによって、現像ローラ251と感光体ドラム21とが当接する現像位置において、帯電トナーが現像ローラ251から感光体ドラム21に移動してその表面に形成された静電潜像が顕像化される。
現像位置において顕在化されたトナー像は、感光体ドラム21の回転方向D21に搬送された後、後に詳述する転写ベルト81と各感光体ドラム21が当接する一次転写位置TR1において転写ベルト81に一次転写される。
また、感光体ドラム21の回転方向D21の一次転写位置TR1の下流側で且つ帯電部23の上流側に、感光体ドラム21の表面に当接して感光体クリーナ27が設けられている。この感光体クリーナ27は、感光体ドラムの表面に当接することで一次転写後に感光体ドラム21の表面に残留するトナーをクリーニング除去する。
転写ベルトユニット8は、駆動ローラ82と、図1において駆動ローラ82の左側に配設される従動ローラ83(ブレード対向ローラ)と、これらのローラに張架され駆動ローラ82の回転により図示矢印D81の方向(搬送方向)へ循環駆動される転写ベルト81とを備えている。また、転写ベルトユニット8は、転写ベルト81の内側に、カートリッジ装着時において各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kが有する感光体ドラム21各々に対して一対一で対向配置される、4個の一次転写ローラ85Y、85M、85Cおよび85Kを備えている。これらの一次転写ローラは、それぞれ一次転写バイアス発生部(図示省略)と電気的に接続される。
カラーモード実行時は、図1および図2に示すように全ての一次転写ローラ85Y、85M、85Cおよび85Kを画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2K側に位置決めすることで、転写ベルト81を画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kそれぞれが有する感光体ドラム21に押し遣り当接させて、各感光体ドラム21と転写ベルト81との間に一次転写位置TR1を形成する。そして、適当なタイミングで一次転写バイアス発生部から一次転写ローラ85Y等に一次転写バイアスを印加することで、各感光体ドラム21の表面上に形成されたトナー像を、それぞれに対応する一次転写位置TR1において転写ベルト81表面に転写する。すなわち、カラーモードにおいては、各色の単色トナー像が転写ベルト81上において互いに重ね合わされてカラー画像が形成される。
いわゆるタンデム方式の画像形成装置では、感光体ドラム21から転写ベルト81にトナー像が一次転写される一次転写位置は、各画像形成ステーションごとに異なった位置となる。この実施形態においては、イエロー用画像形成ステーション2Y、マゼンタ用画像形成ステーション2M、シアン用画像形成ステーション2Cおよびブラック用画像形成ステーション2Kが転写ベルト81の移動方向に沿ってこの順番に配置されている。したがって、イエロー一次転写位置TR1yとマゼンタ一次転写位置TR1mとは距離Lym、マゼンタ一次転写位置TR1mとシアン一次転写位置TR1cとは距離Lmc、シアン一次転写位置TR1cとブラック一次転写位置TR1kとは距離Lckだけ離隔している。
一方、モノクロモード実行時は、4個の一次転写ローラのうち、一次転写ローラ85Y、85Mおよび85Cをそれぞれが対向する画像形成ステーション2Y、2Mおよび2Cから離間させるとともにブラック色に対応した一次転写ローラ85Kのみを画像形成ステーション2Kに当接させることで、モノクロ用の画像形成ステーション2Kのみを転写ベルト81に当接させる。その結果、一次転写ローラ85Kと画像形成ステーション2Kとの間にのみ一次転写位置TR1kが形成される。そして、適当なタイミングで一次転写バイアス発生部から一次転写ローラ85Kに一次転写バイアスを印加することで、画像形成ステーション2Kに設けられた感光体ドラム21の表面上に形成されたブラックトナー像を、一次転写位置TR1kにおいて転写ベルト81表面に転写してモノクロ画像を形成する。
さらに、転写ベルトユニット8は、ブラック用一次転写ローラ85Kの下流側で且つ駆動ローラ82の上流側に配設された下流ガイドローラ86を備える。この下流ガイドローラ86は、一次転写ローラ85Kが画像形成ステーション2Kの感光体ドラム21に当接して形成する一次転写位置TR1での一次転写ローラ85Kとブラック用感光体ドラム21(K)との共通接線上において、転写ベルト81に当接するように構成されている。
また、下流ガイドローラ86に巻き掛けられた転写ベルト81の表面に対向してパッチセンサ89が設けられている。パッチセンサ89は例えば反射型フォトセンサからなり、転写ベルト81表面の反射率の変化を光学的に検出することにより、必要に応じて転写ベルト81上に形成されるパッチ画像の位置やその濃度などを検出する。
給紙ユニット7は、シートを積層保持可能である給紙カセット77と、給紙カセット77からシートを一枚ずつ給紙するピックアップローラ79とを有する給紙部を備えている。ピックアップローラ79により給紙部から給紙されたシートは、レジストローラ対80によって給紙タイミングが調整された後、シート案内部材15に沿って、駆動ローラ82と二次転写ローラ121とが当接する二次転写位置TR2に給紙される。
二次転写ローラ121は、転写ベルト81に対して離当接自在に設けられ、二次転写ローラ駆動機構(図示省略)により離当接駆動される。定着ユニット13は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ131と、この加熱ローラ131を押圧付勢する加圧部132とを有している。そして、その表面に画像が二次転写されたシートは、シート案内部材15により、加熱ローラ131と加圧部132の加圧ベルト1323とで形成するニップ部に案内され、該ニップ部において所定の温度で画像が熱定着される。加圧部132は、2つのローラ1321,1322と、これらに張架される加圧ベルト1323とで構成されている。そして、加圧ベルト1323の表面のうち、2つのローラ1321,1322により張られたベルト張面を加熱ローラ131の周面に押し付けることで、加熱ローラ131と加圧ベルト1323とで形成するニップ部が広くとれるように構成されている。また、こうして定着処理を受けたシートはハウジング本体3の上面部に設けられた排紙トレイ4に搬送される。
前記した駆動ローラ82は、転写ベルト81を図示矢印D81の方向に循環駆動するとともに、二次転写ローラ121のバックアップローラとしての機能も兼ねている。駆動ローラ82の周面には、厚さ3mm程度、体積抵抗率が1000kΩ・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する二次転写バイアス発生部から二次転写ローラ121を介して供給される二次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ82に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層を設けることにより、二次転写位置TR2へシートが進入する際の衝撃が転写ベルト81に伝達されることに起因する画質の劣化を防止することができる。
また、この装置では、ブレード対向ローラ83に対向してクリーナ部71が配設されている。クリーナ部71は、クリーナブレード711と廃トナーボックス713とを有する。クリーナブレード711は、その先端部を転写ベルト81を介してブレード対向ローラ83に当接することで、二次転写後に転写ベルト81に残留するトナーや紙粉等の異物を除去する。そして、このように除去された異物は、廃トナーボックス713に回収される。また、クリーナブレード711及び廃トナーボックス713は、ブレード対向ローラ83と一体的に構成されている。
なお、この実施形態においては、各画像形成ステーション2Y、2M、2Cおよび2Kの感光体ドラム21、帯電部23、現像部25および感光体クリーナ27を一体的にカートリッジとしてユニット化している。そして、このカートリッジが装置本体に対し着脱可能に構成されている。また、各カートリッジには、該カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリがそれぞれ設けられている。そして、エンジンコントローラECと各カートリッジとの間で無線通信が行われる。こうすることで、各カートリッジに関する情報がエンジンコントローラECに伝達されるとともに、各メモリ内の情報が更新記憶される。これらの情報に基づき各カートリッジの使用履歴や消耗品の寿命が管理される。
図4は、本発明にかかるラインヘッドの一実施形態の概略を示す斜視図である。また、図5は、本発明にかかるラインヘッドの一実施形態の副走査方向の断面図である。本実施形態におけるラインヘッド29(露光手段)は、主走査方向MDを長手方向とするケース291を備えるとともに、かかるケース291の両端には、位置決めピン2911とねじ挿入孔2912が設けられている。そして、かかる位置決めピン2911を、感光体ドラム21を覆うとともに感光体ドラム21に対して位置決めされた感光体カバー(図示省略)に穿設された位置決め孔(図示省略)に嵌め込むことで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決めされる。そして更に、ねじ挿入孔2912を介して固定ねじを感光体カバーのねじ孔(図示省略)にねじ込んで固定することで、ラインヘッド29が感光体ドラム21に対して位置決め固定される。
ケース291は、感光体ドラム21の表面に対向する位置にマイクロレンズアレイ299を保持するとともに、その内部に、該マイクロレンズアレイ299に近い順番で、遮光部材297及びガラス基板293を備えている。また、ガラス基板293の裏面(ガラス基板293が有する2つの面のうちマイクロレンズアレイ299と逆側の面)には、複数の発光素子グループ295が設けられている。即ち、複数の発光素子グループ295は、ガラス基板293の裏面に、主走査方向MD及び副走査方向SDに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に配置されている。ここで、複数の発光素子グループ295の各々は、複数の発光素子を2次元的に配列して構成されている。また、本実施形態では、発光素子として有機EL(Electro-Luminescence)を用いる。つまり、本実施形態では、ガラス基板293の裏面に有機ELを発光素子として配置している。そして、複数の発光素子それぞれから感光体ドラム21の方向に射出される光ビームは、ガラス基板293を介して遮光部材297へ向うこととなる。
遮光部材297には、複数の発光素子グループ295に対して一対一で複数の導光孔2971が穿設されている。また、かかる導光孔2971は、ガラス基板293の法線と平行な線を中心軸として遮光部材297を貫通する略円柱状の孔として穿設されている。つまり、発光素子グループ295に属する発光素子2951から出た光は、該発光素子グループ295に対応する導光孔2971によって、マイクロレンズアレイ299に導かれる。そして、遮光部材297に穿設された導光孔2971を通過した光ビームは、マイクロレンズアレイ299により、感光体ドラム21の表面にスポットとして結像されることとなる。
図5に示すように、固定器具2914によって、裏蓋2913がガラス基板293を介してケース291に押圧されている。つまり、固定器具2914は、裏蓋2913をケース291側に押圧する弾性力を有するとともに、かかる弾性力により裏蓋2913を押圧することで、ケース291の内部を光密に(つまり、ケース291内部から光が漏れないように、及び、ケース291の外部から光が侵入しないように)密閉している。なお、固定器具2914は、ケース291の長手方向に複数箇所設けられている。また、発光素子グループ295は、封止部材294により覆われている。
図6は、マイクロレンズアレイの概略を示す斜視図である。また、図7は、マイクロレンズアレイの主走査方向の断面図である。マイクロレンズアレイ299は、ガラス基板2991を有するとともに、該ガラス基板2991を挟むように一対一で配置された2枚のレンズ2993A,2993Bにより構成されるレンズ対を複数有している。なお、これらレンズ2993A,2993Bは樹脂により形成することができる。
つまり、ガラス基板2991の表面2991Aには複数のレンズ2993Aが配置されるとともに、複数のレンズ2993Aに一対一で対応するように、複数のレンズ2993Bがガラス基板2991の裏面2991Bに配置されている。また、レンズ対を構成する2枚のレンズ2993A,2993Bは、相互に光軸OAを共通にする。また、これら複数のレンズ対は、複数の発光素子グループ295に一対一で配置されている。なお、この明細書では、一対一の対を成すレンズ対2993A,2993Bと、かかるレンズ対によって挟まれたガラス基板2991とから成る光学系を「マイクロレンズML」と称することとする。そして、これら複数のレンズ対(マイクロレンズML)は、発光素子グループ295の配置に対応して、主走査方向MD及び副走査方向SDに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に配置されている。
上述のように、発光素子グループ295から射出された光ビームは、ガラス基板293を透過した後マイクロレンズMLに入射する。そして、該マイクロレンズMLにより感光体ドラム21の表面(被走査面)に結像される。つまり、本実施形態では、ガラス基板293及びマイクロレンズMLが本発明における「結像光学系」として機能しており、かかる「結像光学系」が複数の発光素子グループ295に一対一で対応して複数個配置されている。
複数の結像光学系のそれぞれは、マイクロレンズMLの光学的作用により、対応する発光素子グループ295の発光素子2951からの光ビームを、所定の光学倍率で感光体ドラム21の表面に結像させる。このとき、発光素子2951から射出された光ビームは、マイクロレンズMLにより、結像光学系の光軸OA(即ち、マイクロレンズMLの光軸OA)に対して180°回転して感光体ドラム21の表面に結像される。つまり、感光体ドラム21の表面には、発光素子2951の倒立像としてスポットが形成される。このように、光軸OAに対して反転した像を感光体ドラム21の表面に結像する結像光学系(または、マイクロレンズML)の特性を、本明細書では「反転特性」と称することとする。
図8は、発光素子グループ及び結像光学系の配置を示す図である。なお、同図では、結像光学系をマイクロレンズMLで代表している。同図が示すように、本実施形態では、複数の発光素子グループ295が、主走査方向MD及び副走査方向SDに互いに所定間隔だけ離れて2次元的に配置されている。そして、複数の発光素子グループ295に一対一で対応して、複数の結像光学系(マイクロレンズML)が配置されている。同図が示す通り、これら複数のマイクロレンズMLは、マイクロレンズMLを主走査方向MDにレンズ間隔LSで並べたレンズ列RMLを成すように、配置されている。そして、かかるレンズ列RMLは副走査方向SDに3列並ぶとともに、複数のマイクロレンズMLはそれぞれの主走査方向位置が異なるように配置されている。また、複数のマイクロレンズMLは、主走査方向位置が隣り合う2個のマイクロレンズMLの副走査方向位置が互いに異なるように、配置されている。つまり、主走査方向位置が隣り合う2個のマイクロレンズMLが互いに異なるレンズ列RMLに属するとともに、該2個のマイクロレンズMLの間の主走査方向距離がLS/mに略等しくなるように、複数のマイクロレンズMLは配置されている。ここで、値mは、副走査方向SDに並ぶレンズ列RMLの列数であり、本実施形態ではm=3となる。そして、マイクロレンズMLの半径Rは、レンズ間隔LSの半分よりも小さく設定されている。
図9及び図10は、本実施形態におけるラインヘッドの動作説明図である。以下に、図3、図9、図10を用いて本実施形態におけるラインヘッド29によるスポット形成動作を説明する。また、ここでは主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを等間隔で並べて形成する場合について説明する。本実施形態では、感光体ドラム21(潜像担持体)の表面(被走査面)を副走査方向SDに搬送しながら、ヘッド制御モジュール54により複数の発光素子2951を所定のタイミングで発光させることで、主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。
つまり、本実施形態のラインヘッド29では、副走査方向位置SD1〜SD6の各位置に対応して、副走査方向SDに6個の発光素子列R2951が並べて配置されている(図9)。そこで、本実施形態では、同一の副走査方向位置にある発光素子列R2951は、略同一のタイミングで発光させるとともに、異なる副走査方向位置にある発光素子列R2951は、互いに異なるタイミングで発光させる。より具体的には、副走査方向位置SD1〜SD6の順番で、発光素子列R2951を発光させる。そして、感光体ドラム21の表面を副走査方向SDに搬送しながら、上述の順番で発光素子列R2951を発光させることで、該表面の主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。
かかる動作を、図9,10を用いて説明する。まず最初に、副走査方向SDに最上流の発光素子グループ295A1,295A2,295A3,…に属する副走査方向位置SD1の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図10の「1回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。なお、同図において、白抜きの丸印は、未だ形成されておらず今後形成される予定のスポットを表す。また、同図において、符号295C1,295B1,295A1,295C2でラベルされたスポットは、それぞれに付された符号に対応する発光素子グループ295により形成されるスポットであることを示す。
次に、同発光素子グループ295A1,295A2,295A3,…に属する副走査方向位置SD2の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図10の「2回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。ここで、感光体ドラム21の表面の搬送方向が副走査方向SDであるのに対して、副走査方向SDの下流側の発光素子列R2951から順番に(つまり、副走査方向位置SD1,SD2の順番に)発光させたのは、マイクロレンズMLが反転特性を有することに対応するためである。
次に、副走査方向上流側から2番目の発光素子グループ295B1,295B2,295B3,…に属する副走査方向位置SD3の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図10の「3回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
次に、同発光素子グループ295B1,295B2,295B3,…に属する副走査方向位置SD4の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図10の「4回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
次に、副走査方向最下流の発光素子グループ295C1,295C2,295C3,…に属する副走査方向位置SD5の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図10の「5回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。
そして最後に、同発光素子グループ295C1,295C2,295C3,…に属する副走査方向位置SD6の発光素子列R2951の発光素子2951を発光させる。そして、かかる発光動作により射出される複数の光ビームは、上述の反転特性を有するマイクロレンズMLにより、反転されて感光体ドラム表面に結像される。つまり、図10の「6回目」のハッチングパターンの位置にスポットが形成される。このように、1〜6回目までの発光動作を実行することで、主走査方向MDに伸びる直線上に複数のスポットを並べて形成する。
このように、本実施形態におけるラインヘッド29は、主走査方向MDに複数のスポットを並べて形成する。つまり、1つの発光素子グループ295により、主走査方向MDにk個(本実施形態ではk=8)のスポットを並べたスポット列が形成される。ここで、本明細書では、1つの発光素子グループ295により主走査方向MDに並べて形成されるk個のスポットをスポット列と称することとする。そして、複数の発光素子グループ295C1,295B1,295A1,295C2,…のそれぞれが、スポット列を主走査方向MDに並べて形成することで、図10に示すように複数のスポットが主走査方向MDに並べて形成される。
図11は、本実施形態におけるラインヘッドにより形成されるスポットのスポット間隔を示す図である。なお、同図では、結像光学系をマイクロレンズMLで代表している。また、同図では、発明理解の容易のため、主走査方向位置が隣り合う2個の発光素子グループ295UP,295DWのみを図示するとともに、主走査方向MDに上流側の発光素子グループを上流側発光素子グループ295UPと、下流側の発光素子グループを下流側発光素子グループ295DWとして示している。同図が示すように、各発光素子グループ295UP,295DWにおいて、k個(k=8)の発光素子2951は、第1主走査方向間隔Δeで配置されている。また、発光素子グループ295UP,295DWは、第2主走査方向間隔Δgで配置されている。ここで、第1主走査方向間隔Δeとは、同一の発光素子グループ295において主走査方向位置が隣り合う2個の発光素子2951それぞれの主走査方向位置の間隔を言い、第2主走査方向間隔Δgとは、主走査方向位置が隣り合う2個の発光素子グループ295それぞれの主走査方向位置の間隔を言う。また、本明細書において、発光素子グループ295の位置とは、発光素子グループ295の幾何重心とする。
上述のとおり、結像光学系は、各発光素子グループ295UP,295DWから射出された光ビームを所定の光学倍率で結像して、被走査面にスポット列を形成する。よって、上流側発光素子グループ295UPにより上流側スポット列UPRSが、下流側発光素子グループ295DWにより下流側スポット列DWRSが、主走査方向MDに並んで形成される。なお、上流側スポット列UPRS及び下流側スポット列DWRSはともに、k個のスポットから構成される。
そして、本実施形態では、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび結像光学系の光学倍率の絶対値hが次のスポット関係を満たすように関係付けられている。ここで、スポット関係は、それぞれ主走査方向位置が隣り合う2個の発光素子グループ295UP,295DWにおいて、上流側発光素子グループ295UPにより形成される上流側スポット列UPRSの最下流スポットDWSが、下流側発光素子グループ295DWにより形成される下流側スポット列DWRSの最上流スポットUPSよりも上流側に形成され、しかも最下流スポットDWSと最上流スポットUPSのスポット間隔ssが各スポット列UPRS,DWRSでのスポット間隔dsよりも小さいという関係である(図11)。つまり、各スポット列UPRS,DWRSでのスポット間隔ssおよび最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとのスポット間隔dsは、ともに第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび結像光学系の光学倍率の絶対値hにより決まる値である。そこで、本実施形態は、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率の絶対値hを適当な値にすることで、スポット間隔dsがスポット間隔ssよりも小さくなるようにラインヘッド29を構成している。
ここで、図11に示すような構成を有するラインヘッド29において、スポット間隔dsおよびスポット間隔ssが、具体的にどうように求められるかを示す。各スポット列UPRS,DWRSでのスポット間隔ssは、第1主走査方向間隔Δeに光学倍率の絶対値hを乗じて、次式
ss=Δe・h …(式1)
で与えられる。また、1つのスポット列の最上流に位置するスポットと最下流に位置するスポットとの間隔は
(k−1)・Δe・h
で表される。また、主走査方向MDに並ぶ2個のスポット列UPRS,DWRSの重心間距離は、第2主走査方向間隔Δgと等しい。よって、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとのスポット間隔dsは、次式
ds=Δg−(k−1)・Δe・h …(式2)
で表される。このように、スポット間隔ss及びスポット間隔dsは、それぞれ式1,式2で与えられる。また、これらの式が示すように、スポット間隔ssおよびスポット間隔dsは、ともに第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび結像光学系の光学倍率の絶対値hにより決まる値である。
ss=Δe・h …(式1)
で与えられる。また、1つのスポット列の最上流に位置するスポットと最下流に位置するスポットとの間隔は
(k−1)・Δe・h
で表される。また、主走査方向MDに並ぶ2個のスポット列UPRS,DWRSの重心間距離は、第2主走査方向間隔Δgと等しい。よって、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとのスポット間隔dsは、次式
ds=Δg−(k−1)・Δe・h …(式2)
で表される。このように、スポット間隔ss及びスポット間隔dsは、それぞれ式1,式2で与えられる。また、これらの式が示すように、スポット間隔ssおよびスポット間隔dsは、ともに第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび結像光学系の光学倍率の絶対値hにより決まる値である。
上述の議論が示すとおり、同一の発光素子グループ295により形成された主走査方向MDに隣り合う2個のスポットのスポット間隔ssは、第1主走査方向間隔Δeに結像光学系の光学倍率の絶対値hを乗じた間隔となる。つまり、同一の発光素子グループ295により形成された主走査方向MDに隣り合う2個のスポットのスポット間隔ssは、主に第1主走査方向間隔Δeと光学倍率の絶対値hとの2個の因子により決まる。一方、互いに異なる発光素子グループ295UP,295DWにより形成された主走査方向MDに隣り合う2個のスポットのスポット間隔ds、つまり、上流側発光素子グループ295UPにより形成された最下流スポットDWSと下流側発光素子グループ295DWにより形成された最上流スポットUPSとのスポット間隔dsは、上記2個の因子以外に、発光素子グループ295が異なることに起因した因子が関係する。かかる発光素子グループが異なることに起因した因子としては、例えば、2個の発光素子グループ295UP,295DWそれぞれから感光体ドラム21の表面(被走査面)までの距離が異なること等が挙げられる。このように、異なる発光素子グループ295UP,295DWによる2個のスポット(最下流スポットと最上流スポット)のスポット間隔dsは、同一の発光素子グループ295による2個のスポットのスポット間隔ssよりも多くの因子の影響を受けやすい。つまり、異なる発光素子グループ295UP,295DWによる2個のスポット(最下流スポットと最上流スポット)のスポット間隔dsは、同一の発光素子グループ295による2個のスポットのスポット間隔ssと比べて、ばらつきが大きくなる傾向にある。そして、かかるばらつきの結果、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良が発生する場合があった。
これに対して、本実施形態におけるラインヘッド29では、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率の絶対値hを適当な値にすることで、スポット間隔dsがスポット間隔ssよりも小さくなるようにを構成している。よって、本実施形態におけるラインヘッド29では、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生を抑制することが可能となり、良好なスポット形成が実現される。
また、本実施形態における画像形成装置は、上記ラインヘッド29を露光手段として用いている。よって、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生を抑制することができ、良好なスポットによる画像形成の実現が可能となる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、結像光学系の光学倍率の絶対値hの具体的大きさについては言及していないが、該光学倍率の絶対値hを1よりも大きいように構成しても良い。なんとなれば、このような構成は上記スポット関係を満たすのにあたって有利に作用するため、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生をより確実に抑制することが可能となり好適であるからである。
また、上記実施形態では、主走査方向MDに発光素子2951を4個並べて構成される発光素子列R2951を副走査方向SDに2列並べて、発光素子グループ295を構成している(図9)。また、上記実施形態は、レンズ列RMLを副走査方向SDに2列並べている。しかしながら、発光素子グループ295の構成態様やレンズ列RMLの配列態様は、これに限られるものではなく、例えば次のように構成しても良い。
図12は、本発明にかかるラインヘッドの別の実施形態を示す図である。同図に示す実施形態では、主走査方向MDに発光素子2951を6個並べて構成される発光素子列R2951を副走査方向SDに2列並べて、発光素子グループ295を構成している。また、レンズ列RMLを副走査方向SDに3列並べている。このようにラインヘッドを構成した場合であっても、上述した本発明の効果を奏する事が可能である。つまり、スポット間隔dsがスポット間隔ssよりも小さくなるように、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率の絶対値hを設定することで、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生を抑制することが可能となり、良好なスポット形成が実現される。
また、上記実施形態では、発光素子グループ295を、ガラス基板293の裏面に形成された複数の有機ELにより構成している。しかしながら、発光素子グループ295の構成態様はこれに限られるものではなく、例えば、次に説明するように構成しても良い。
図13は、本発明にかかるラインヘッドのさらに別の実施形態を示す図である。同図が示す実施形態は、発光素子グループ295を、ガラス基板293の表面(ガラス基板293が有する2面のうちマイクロレンズアレイ299側の面)に形成している。また、かかる発光素子グループ295は、例えば、LED(Light Emitting Diode)により構成することができる。このように構成されたラインヘッド29では、発光素子グループ295から射出された光ビームは、ガラス基板293を介することなく、直接マイクロレンズMLに入射する。そして、該マイクロレンズMLに入射した光ビームは、所定の光学倍率(マイクロレンズMLの光学倍率)で感光体ドラム表面に結像される。つまり、図13に示す実施形態では、マイクロレンズMLが本発明にかかる「結像光学系」として機能している。よって、スポット間隔dsがスポット間隔ssよりも小さくなるように、該マイクロレンズMLの光学倍率の絶対値、第1主走査方向間隔Δeおよび第2主走査方向間隔Δgを設定することで、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生を抑制することが可能となり、良好なスポット形成が実現される。
また、上記実施形態では、カラー画像形成装置に本発明が適用されているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、いわゆる単色画像を形成するモノクロ画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
次に本発明の実施例を示すが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合しうる範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
<実施例1>
表1は、実施例1における、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率hを示す表である。また、実施例1における発光素子グループ295の構成は、図8で示した構成と同様である。つまり、発光素子グループ295を構成する発光素子2951の個数kは8である。表1が示すように、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率hを設定することで、スポット間隔ds(35.4μm)がスポット間隔ss(43.0μm)よりも小さくすることができる。
表1は、実施例1における、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率hを示す表である。また、実施例1における発光素子グループ295の構成は、図8で示した構成と同様である。つまり、発光素子グループ295を構成する発光素子2951の個数kは8である。表1が示すように、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率hを設定することで、スポット間隔ds(35.4μm)がスポット間隔ss(43.0μm)よりも小さくすることができる。
表2,3は、表1で示した光学倍率hを実現する結像光学系および発光素子に関するデータである。また、図14は、実施例1における結像光学系を示す図である。表2が示すように、実施例1では、発光素子2951の発行画素直径は30μmであるとともに、該発光素子2951から射出される光ビームの波長は760nmである。また、発光素子2951として有機ELを用いるとともに、該有機ELはガラス基板293の裏面に形成されている。よって、発光素子2951の発光面(面番号S1)とガラス基板293の裏面(面番号S2)とは、面間隔0で互いに対向している。そして、図14および表3に示すように結像光学系を構成することで、光学倍率を−2.042に設定することができる。
このように、実施例1では、表1に示すように、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率の絶対値hを設定しているため、スポット間隔ds(35.4μm)がスポット間隔ss(43.3μm)よりも小さくすることができる。したがって、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生を抑制することができ、良好なスポットによる画像形成の実現が可能となる。
また、実施例1では、結像光学系の光学倍率を−2.042に設定している。つまり、光学倍率の絶対値hが1より大きい。このような結像光学系の構成は、スポット間隔ds(35.4μm)がスポット間隔ss(43.3μm)よりも小さいとうスポット関係を満たすのにあたって有利に作用する。よって、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生をより確実に抑制することが可能となり好適である。
<実施例2>
表4は、実施例2における、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率hを示す表である。また、実施例2における発光素子グループ295の構成は、図12で示した構成と同様である。つまり、発光素子グループ295を構成する発光素子2951の個数kは12である。表4が示すように、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率hを設定することで、スポット間隔ds(34.5μm)がスポット間隔ss(43.0μm)よりも小さくすることができる。
表4は、実施例2における、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率hを示す表である。また、実施例2における発光素子グループ295の構成は、図12で示した構成と同様である。つまり、発光素子グループ295を構成する発光素子2951の個数kは12である。表4が示すように、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率hを設定することで、スポット間隔ds(34.5μm)がスポット間隔ss(43.0μm)よりも小さくすることができる。
表5,6は、表4で示した光学倍率hを実現する結像光学系および発光素子に関するデータである。また、図15は、実施例2における結像光学系を示す図である。表5が示すように、実施例2では、発光素子2951の発行画素直径は30μmであるとともに、該発光素子2951から射出される光ビームの波長は760nmである。また、発光素子2951として有機ELを用いるとともに、該有機ELはガラス基板293の裏面に形成されている。よって、発光素子2951の発光面(面番号S1)とガラス基板293の裏面(面番号S2)とは、面間隔0で互いに対向している。そして、図15および表6に示すように結像光学系を構成することで、光学倍率を−1.525に設定することができる。
このように、実施例2では、表4に示すように、第1主走査方向間隔Δe、第2主走査方向間隔Δgおよび光学倍率の絶対値hを設定しているため、スポット間隔ds(34.5μm)がスポット間隔ss(43.0μm)よりも小さくすることができる。したがって、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生を抑制することができ、良好なスポットによる画像形成の実現が可能となる。
また、実施例2では、結像光学系の光学倍率を−1.525に設定している。つまり、光学倍率の絶対値hが1より大きい。このような結像光学系の構成は、スポット間隔ds(34.5μm)がスポット間隔ss(43.0μm)よりも小さいとうスポット関係を満たすのにあたって有利に作用する。よって、最下流スポットDWSと最上流スポットUPSとが繋がらずに離間して形成されるという不良の発生をより確実に抑制することが可能となり好適である。
21…感光体ドラム(潜像担持体)、 29…ラインヘッド(露光手段)、 295…発光素子グループ、 295UP…上流側発光素子グループ、 295DW…下流側発光素子グループ、 2951…発光素子、 293…ガラス基板(結像光学系)、 297…遮光部材、 2971…導光孔、 299…マイクロレンズアレイ、 2991…ガラス基板、 2993A,2993B…レンズ、 ML…マイクロレンズ(結像光学系)、 OA…光軸、 RML…レンズ列、 MD…主走査方向、 SD…副走査方向、 k…発光素子の個数、 h…結像光学系の光学倍率の絶対値、 Δe…第1主走査方向間隔、 Δg…第2主走査方向間隔、 UPRS…上流側スポット列(スポット列)、 DWRS…下流側スポット列(スポット列)、 UPS…最上流スポット、 DWS…最下流スポット、 ss…スポット間隔、 ds…スポット間隔
Claims (3)
- 副走査方向に搬送される被走査面に光ビームを結像して、前記副走査方向に略直交する主走査方向に複数のスポットを並べて形成可能なラインヘッドにおいて、
複数の発光素子グループと、
前記複数の発光素子グループに一対一で対応して配置された複数の結像光学系と
を備え、
前記複数の発光素子グループの各々では複数の発光素子が第1主走査方向間隔で配置され、しかも前記複数の発光素子グループは第2主走査方向間隔で配置され、
前記複数の結像光学系の各々は該結像光学系に対応する発光素子グループから射出された光ビームを所定の光学倍率で結像して前記被走査面にスポットを前記主走者方向に並べて形成し、
前記第1主走査方向間隔、前記第2主走査方向間隔および前記光学倍率が下記のスポット関係を満たすように関係付けられていることを特徴とするラインヘッド。
前記スポット関係は、それぞれ主走査方向位置が隣り合う2個の発光素子グループにおいて、前記主走査方向に上流側の発光素子グループにより形成される上流側スポット列の最下流スポットが、前記主走査方向に下流側の発光素子グループにより形成される下流側スポット列の最上流スポットよりも上流側に形成され、しかも前記最下流スポットと前記最上流スポットのスポット間隔が各スポット列でのスポット間隔よりも小さいという関係である。 - 前記結像光学系の光学倍率の絶対値は、1よりも大きい請求項1記載のラインヘッド。
- その表面が前記副走査方向に搬送される潜像担持体と、
前記潜像担持体の表面を被走査面として該潜像担持体表面にスポットを形成する請求項1または2記載のラインヘッドと同一構成を有する露光手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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JP2006257237A Withdrawn JP2008074003A (ja) | 2006-08-04 | 2006-09-22 | ラインヘッド及び該ラインヘッドを用いた画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008074003A (ja) |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6262322A (ja) * | 1985-09-12 | 1987-03-19 | Rohm Co Ltd | 光プリンタ |
JPH02212167A (ja) * | 1988-07-08 | 1990-08-23 | Rohm Co Ltd | Ledプリントヘッド |
JPH0462166A (ja) * | 1990-06-26 | 1992-02-27 | Casio Electron Mfg Co Ltd | 光印写装置 |
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-
2006
- 2006-09-22 JP JP2006257237A patent/JP2008074003A/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (8)
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