JP2008073652A - 廃液処理装置、及び廃液処理方法 - Google Patents

廃液処理装置、及び廃液処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で処理速度が早く、リンや色素等の十分な除去を長期間にわたって行いうる廃液処理装置、或いは廃液処理方法を、コンパクトな構成として提供すること。
【解決手段】廃液処理装置は、廃液を貯水する廃液貯水タンク1と、前記廃液貯水タンクに連通され、前記廃液貯水タンクからの送水液を連続的に電気分解して陽極水及び陰極水を生成する有隔膜電解槽2と、有隔膜電解槽の陽極水吐出部に連通され、生成された陽極水を、有隔膜電解槽よりも上流側の液供給ラインに還流させる還流機構3とを備え、生成された陰極水の上澄み液を処理水として得ることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は窒素、リン、色素成分含む廃液を処理するための廃液処理装置、及び廃液処理方法に関する。
廃液中の窒素、リン、色素の除去方法としては、生物方式と電解方式が一般的である。
生物方式は、脱窒菌などの微生物の働きによって分解除去するものであるが、処理速度が遅くかつ、大型の処理槽が必要であり、また、温度などの環境に大きく影響されるとともに、生物の栄養源の供給・管理が必要であるなどの課題、また、菌の繁殖により発生する生物臭(悪臭)が問題であるという課題を抱えている。
一方、電解方式は、処理速度を電解電流によって制御することができ、かつ高速処理が可能などの利点がある(例えば、特許文献1参照)。
先ず、電解法による廃液中のリンの除去方法の一つとして鉄電解法がある。鉄電解法は、陽電極に鉄を使用して電気的に鉄を溶かして鉄とリンを反応させ、リン酸鉄として凝集沈殿させる電気化学的方式である。
しかしながら、上記鉄電解法では鉄電極の表面がすぐに酸化され、鉄が溶けなくなる「不動態化」現象が生じることが知られており、定期的に極性を自動反転させることで「不動態化」を抑制している。また、この方法の場合、鉄電極は消耗するため長期間にわたって機能を維持することが出来ないなど、電極としては大がかりな構成をとる必要がある。
また、電解法による廃液中の窒素除去は塩化物反応による窒素ガス化の方法がとられている。廃液中の窒素源である硝酸は、陰電極上で亜硝酸を経てアンモニアまで還元され、陽電極上では廃液中の塩化物イオンが塩素へと酸化され、さらに次亜塩素酸へと加水分解される。次亜塩素酸はアンモニアを窒素ガス化し、これらの一連の電解反応によって、廃液中の窒素成分を除去する方法がとられている。
しかしながら、上記方法の場合、アンモニア性窒素については効果的であるが硝酸性窒素については十分な除去効果が得られないとされている。
特開2002−361258号公報
そこで本発明においては、安価で処理速度が早く、リンや色素等の十分な除去を長期間にわたって行いうる廃液処理装置、或いは廃液処理方法を、コンパクトな構成として提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の廃液処理装置は下記(1)〜(8)の手段を講じている。すなわち、
(1)本発明の廃液処理装置は、廃液L1を貯水する廃液貯水タンク1と、
前記廃液貯水タンク1に連通され、前記廃液貯水タンク1からの送水液を連続的に電気分解して陽極水L3及び陰極水L4を連続的に生成する有隔膜電解槽2と、
有隔膜電解槽2の陽極水L3吐出部に連通され、生成された陽極水L3を、有隔膜電解槽2よりも上流側の液供給ラインに還流させる還流機構3とを備え、
生成された陰極水L4の上澄み液を処理水L5として得ることを特徴とする。
上記のように、電解後の陽極水L3を廃液貯水タンク1に戻して繰り返し電解することにより、陽極水L3を残水として排出することなく連続稼動することができる。また、処理中の廃液L1のpHを下げることにより、処理水L5のpHの上昇を抑制することができる。
(2)或いは、本発明の廃液処理装置は、廃液L1を貯水すると共にタンク内で微生物分解を行わせて微生物分解液L2を生成する廃液貯水タンク1と、
廃液貯水タンク1によって生成された微生物分解液L2を有隔膜電解槽2へ送水する送水機構5と、
前記廃液貯水タンク1に連通され、前記廃液貯水タンク1から送水された微生物分解液L2を連続的に電気分解して陰極水L4及び陽極水L3を生成する有隔膜電解槽2と、
有隔膜電解槽2の陽極水L3吐出部に連通され、有隔膜電解槽2で生成された陽極水L3を、有隔膜電解槽2よりも上流側の液供給ラインである廃液貯水タンク1或いは送水機構5に還流させる還流機構3とを備え、
有隔膜電解槽2で生成された陰極水L4の上澄み液を処理水L5として得ることを特徴とする。
このようなものであれば、微生物分解の機構と電気分解の機構とを効率よく組み合わせ、かつ電解後の陽極水L3を電解前の微生物分解液L2に還流させることで、前記従来のそれぞれの分解法の欠点を補うことができる。そして、安価で処理速度が早く、リンや色素に加えて窒素の十分な除去を長期間にわたって行いうる。
また上記のように、電解後の陽極水L3を廃液貯水タンク1に戻して繰り返し電解することにより、処理効率を上げることが出来る。
さらに、還流水と混合させた微生物分解液L2を連続的に電気分解することで廃液貯水タンク1内で発生する生物臭(悪臭)を取り除き、かつ繁殖した菌を殺菌することで二次的公害を防いでいる。
(3)また、前記いずれかの廃液処理装置は、有隔膜電解槽2の陰極水L4吐出部に連通され、陰極水L4を貯水すると共にタンク内で水酸化物沈殿及び凝集沈殿によって沈殿分離を行う排水用貯水タンク4を備え、この排水用貯水タンク4で沈殿分離された上澄み液を処理水L5として得ることが好ましい。
このように別タンクで沈殿分離を行うことで、処理水L5を確実に、効率よく得ることができる。
(4)また、前記いずれかの廃液処理装置は、有隔膜電解槽2よりも上流側にてカルシウム化合物を添加することが好ましい。なおカルシウム化合物の添加は、例えば、有隔膜電解槽2よりも上流側の連通管(例えば、送水機構5内の連通管)に介装したカルシウム化合物添加機構6によって行う。
このようにカルシウム化合物(例えば、塩化カルシウム剤)を添加することで、カルシウムが増加した廃液L1を電気分解することにより陰電極側のアルカリ性の陰極水L4を貯水して水酸化物沈殿及び凝集沈殿を促進させ、効率よくリン除去及び脱色を行うことができる。
(5)また、前記いずれかの廃液処理装置は、廃液貯水タンク1の廃液L1流入部にて乳酸化合物を添加することが好ましい。或いは、廃液貯水タンク1よりも上流側にて乳酸化合物を添加するものでも良い。なお乳酸化合物の添加は、例えば、廃液貯水タンク1の流入口付近に介設した乳酸化合物添加機構7によって行う。
このように乳酸化合物(例えば、乳酸カルシウム剤)を添加することで、乳酸の作用によって窒素成分が効率よく除去される。
(6)また、前記いずれかの廃液処理装置は、廃液貯水タンク1内の廃液L1の温度を所定温度以上とする加温装置8を具備することが好ましい。このような加温装置8によって廃液貯水タンク1内の廃液L1の温度を所定温度以上に保つことで、廃液貯水タンク1内の微生物の活動が促進され、脱窒菌による処理が効率的に行われる。
(7)また、前記いずれかの廃液処理装置は、有隔膜電解槽2の陰極水L4吐出部に連通され、無隔膜電解によって陰極水L4の窒素を除去する無隔膜電解槽9を備え、この無隔膜電解槽9で電解処理された陰極水L4(第二の陰極水L42)の上澄み液を処理水L5として得ることが好ましい。
このようなものであれば、窒素を効率的に除去することができる。
(8)また、本発明の廃液処理方法は、
廃液L1を貯水した廃液貯水タンク1内で微生物分解を行って微生物分解液L2を生成する微生物分解工程と、
生成された微生物分解液L2を有隔膜電解槽2で電気分解して陰極水L4及び陽極水L3を生成する電気分解工程と、
生成された陽極水L3を有隔膜電解槽2よりも上流側に還流させる還流工程と、
生成された陰極水L4を廃液貯水タンク14で沈殿分離して陰極水L4の上澄み液を処理水L5として得る沈殿分離工程とを備え、
電気分解工程において、還流工程で還流された陽極水L3を微生物分解液L2と共に繰り返し電気分解することを特徴とする。
このように電解後の酸性の陽極水L3を廃液貯水タンク1側に戻して繰り返し電解することにより電解効率を上げ、窒素除去、リン除去および色素除去を単一システムで同時に行うことができる。
本発明によれば、電解後の陽極水L3を還流させることで、前記従来の分解法の欠点を補うことができる。そして、安価で処理速度が早く、リンや色素等の十分な除去を長期間にわたって行いうる廃液処理装置、或いは廃液処理方法を、コンパクトな構成として提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態例を、実施例として示す各図と共に説明する。図1、図2、図3、及び図4はそれぞれ、実施例1、2、3及び4の廃液処理装置を示す。
本発明の廃液処理装置は基本的に、廃液L1を貯水すると共にタンク内で微生物分解を行って微生物分解液L2を生成する廃液貯水タンク1と、
前記廃液貯水タンク1に連通され、前記廃液貯水タンク1から送水された微生物分解液L2を電気分解して陰極水L4及び陽極水L3を生成する有隔膜電解槽2と、
有隔膜電解槽2の陽極水L3吐出部に連通され、有隔膜電解槽2で生成された陽極水L3を、有隔膜電解槽2よりも上流側の液供給ラインに還流させる還流機構3と、
有隔膜電解槽2の陰極水L4吐出部に連通され、陰極水L4を貯水すると共にタンク内で(水酸化物沈殿及び凝集沈殿によって)沈殿分離を行う排水用貯水タンク4と、
廃液貯水タンク1によって生成された微生物分解液L2を有隔膜電解槽2へ送水する送水機構5とを備える。
この廃液処理装置は、窒素、リン、色素成分を含む廃液L1を処理して、微生物分解液L2、陰極水L4および陽極水L3を順に生成し、この陰極水L4から、排水として処理しうるだけの処理水L5を得るものである。
具体的には、廃液L1から、廃液貯水タンク1における微生物分解工程で微生物分解液L2を生成し、有隔膜電解槽2における電気分解工程で陰極水L4および陽極水L3を生成し、排水用貯水タンク4における沈殿分離工程で陰極水L4から処理水L5を得る。
実施例1の廃液処理装置は、図1に示される構成である。各部の構成につき詳述する。
(廃液貯水タンク1)
廃液貯水タンク1は、廃液L1を貯水するものであり、好ましくは廃液L1を貯水すると共にタンク内で微生物分解を行わせて微生物分解液L2を生成するものである。
廃液貯水タンク1内には、後述する加熱装置、及び送水機構5の一部である送水ポンプが設置される。
また、乳酸化合物添加機構7によって添加された乳酸化合物が有機物と反応することで乳酸菌が発生する。この乳酸菌に基づき、タンク内に脱窒菌が生成される。この脱窒菌が、タンク内を所定温度以上に保つことによって活動し、廃液L1の微生物分解を行う。
(有隔膜電解槽2)
有隔膜電解槽2は、前記廃液貯水タンク1に連通され、前記廃液貯水タンク1からの送水液を電気分解して陰極水L4及び陽極水L3を生成する。ここで使用する電極は、電極溶出することのない、白金などの不溶性電極である。
有隔膜電解槽2は密閉式であり、陽極水L3吐出口および陰極水L4吐出口のそれぞれから、陽極水L3および陰極水を吐出する。陽極水L3吐出口からは還流機構3の連通管で連通され、陰極水L4吐出口からは排水用貯水タンク4に向かう連通管で連通される。これら連通管には流量調節弁及び逆止弁が介設されている(図示せず)。この流量調節弁によって、陽極水L3と陰極水L4それぞれの吐出量比率を変更することができる。例えば陽極水L3と陰極水L4の流量比を4:6のように陰極水L4側に大きいものとすれば、時間当たりの処理流量すなわち処理速度を向上させることができ、また6:4のように陽極水L3側に大きいものとすれば、電解処理量すなわちリン等の除去量を向上させることができる。また逆止弁によって逆流を防ぐことができる。
(還流機構3)
還流機構3は、有隔膜電解槽2の陽極水L3吐出部に連通され、生成された陽極水L3を、有隔膜電解槽2よりも上流側の液供給ラインに還流させる。
上流側の液供給ラインのうち還流機構3によって還流させる位置は、実施例1(図1)では、廃液貯水タンク1内であって同タンク上部からの還流水流入口としている。具体的には、還流機構3の連通管が廃液貯水タンク1上部の還流水流入口へ連結され、廃液貯水タンク1内へ上方から還流するものとしている。
このほか、実施例2(図2)のように、廃液貯水タンク1内であって送水機構5の送水ポンプの揚水取り込み口付近でもよい。また実施例3(図3)のように、廃液貯水タンク1の廃液L1流入口よりも上部に設けられた乳酸化合物添加機構7の、廃液L1取込口でも良い。また実施例4(図4)のように、廃液貯水タンク1よりも上流側の連通管に介設するものでもよい。
(排水用貯水タンク4)
実施例1の廃液処理装置(図1)では、有隔膜電解槽2と排水用貯水タンク4とが連通管によって直接連通され、有隔膜電解槽2からの陰極水L4を沈殿分離させてその上澄み液を処理水L5として得るものとしている。
排水用貯水タンク4では、陰極水L4を沈殿分離し、この沈殿分離した上澄み液を、廃液処理装置の処理水L5として得る。
(送水機構5)
送水機構5は、廃液貯水タンク1によって生成された微生物分解液L2を有隔膜電解槽2へ送水するものであり、送水ポンプと送水配管とから構成される。
(カルシウム化合物添加機構6)
カルシウム化合物添加機構6は、ライン中にカルシウム化合物を添加する機構であり、排水用貯水タンク4よりも上流側(の液供給ライン)に添加すべく備えられる。カルシウム化合物は、電解後の陰極水L4をはじめとする溶液の沈殿を促進させるものであり、塩化カルシウムなどが挙げられる。
(乳酸化合物添加機構7)
乳酸化合物添加機構7は、ライン中に乳酸化合物を添加する機構であり、廃液貯水タンク1の廃液L1流入部又は廃液貯水タンク1よりも上流側(の液供給ライン)に添加すべく備えられる。
実施例1ないし4とは異なり、乳酸化合物添加機構7を備えないもの、或いは、乳酸化合物添加機構7を備えていてもこれによる乳酸化合物の添加を行わないものとしても良い。例えば窒素分解が必要でない廃液L1を処理する場合や、後述する実施例4のように、無隔膜電解槽9を備えており、ここで十分な窒素除去を行える場合には、乳酸化合物添加機構7自体、或いは乳酸化合物添加機構7による添加が不要となる。
(加温装置8)
また実施例1の廃液処理装置は、廃液貯水タンク1に、廃液L1温度を所定温度以上に加温する加温装置を備える。これにより、微生物分解を効率的に行うことができる。或いは、この加温装置に変えて、タンク内の廃液L1温度を自動的に所定範囲に保つ恒温機構を備え、微生物分解の分解能力を調整することが好ましい。
(本発明の廃液処理方法)
しかして、本発明の廃液処理方法は、下記各工程を具備する。
すなわち、廃液L1を貯水した廃液貯水タンク1内で微生物分解を行って微生物分解液L2を生成する微生物分解工程と、
生成された微生物分解液L2を有隔膜電解槽2で電気分解して陰極水L4及び陽極水L3を生成する電気分解工程と、
生成された陽極水L3を有隔膜電解槽2よりも上流側に還流させる還流工程と、
生成された陰極水L4を排水用貯水タンク4で沈殿分離して陰極水L4の上澄み液を処理水L5として得る沈殿分離工程である。
この廃液処理装置は、窒素、リン、色素成分を含む廃液L1を処理して、排水として処理しうるだけの処理水L5を得るものである。
(微生物分解工程)
微生物分解工程においては、廃液L1を貯水した廃液貯水タンク1内で微生物分解を行って廃液L1内の窒素を分解除去し、微生物分解液L2を生成する。
(電気分解工程)
電気分解工程においては、還流工程で還流された陽極水L3を微生物分解液L2と共に電気分解する。
(還流工程)
還流工程においては、生成された陽極水L3を有隔膜電解槽2よりも上流側に還流させる。
(沈殿分離工程)
沈殿分離工程においては、生成された陰極水L4を廃液貯水タンク14で沈殿分離して陰極水L4の上澄み液を処理水L5として得る。
実施例2の廃液処理装置(図2)は、還流機構3の連通管が廃液貯水タンク1内を通って、送水機構5の送水ポンプの揚水取込口付近で開放される。実施例2の送水機構5の送水ポンプでは同タンク内で生成された微生物処理液と、還流機構3からの陽極水L3とを所定比率で共に取り込み、送水機構5内でこれらを混合しながら送水するものとしている。
これにより、廃液貯水タンク1内の脱窒菌と陽極水L3とが同タンク内で接触することを抑制することができる。そして、陽極水L3内の次亜塩素酸によって廃液貯水タンク1内の脱窒菌が死滅してしまうのを防ぐことができる。
実施例2の廃液処理装置(図2)では、有隔膜電解槽2と排水用貯水タンク4とが直接連通され、排水用貯水タンク4では有隔膜電解槽2からの陰極水L4を沈殿分離させてその上澄み液を処理水L5として得るものとしている。
その他の具体的な構成は実施例1と同様である。
実施例3の廃液処理装置(図3)は、還流機構3の連通管が廃液貯水タンク1の廃液L1流入口よりも上部に設けられた乳酸化合物添加機構7の、廃液L1取込口で開放される。実施例3の乳酸化合物添加機構7を経た廃液L1は、陽極水L3と廃液L1とが乳酸化合物の添加と共に混合され、陽極水L3を廃液貯水タンク1への流入前に乳酸化合物と反応させることとなる。このため、殺菌力を有する次亜塩素酸が、殺菌力のない塩素イオンに変わり、廃液貯水タンク1内の脱窒菌が死滅することがなく、微生物分解工程を効率的に行うことができる。
実施例3の廃液処理装置(図3)では、有隔膜電解槽2と排水用貯水タンク4とが直接連通され、排水用貯水タンク4では有隔膜電解槽2からの陰極水L4を沈殿分離させてその上澄み液を処理水L5として得るものとしている。
実施例4の廃液処理装置(図4)は、還流機構3の連通管が廃液貯水タンク1の廃液L1流入口よりも上部に設けられた乳酸化合物添加機構7の、廃液L1取込口で開放される。また、有隔膜電解槽2と排水用貯水タンク4との間に、それぞれと連通された無隔膜電解槽9を備える。これは、有隔膜電解槽2と無隔膜電解槽9とで連続的に電気分解することで、窒素を飛躍的に除去するものである。
無隔膜電解槽9は具体的には、有隔膜電解槽2の陰極水L4吐出部に連通され、無隔膜電解によって陰極水L4の窒素を除去する。
そして実施例4では、有隔膜電解槽2で生成された第一の陰極水L41を無隔膜電解槽9に通し、無隔膜電解槽9で電解処理された第二の陰極水L42を排水用貯水タンク9内で沈殿分離し、その上澄み液を処理水L5として得る。
(実証試験)
実施例1と同様の構成の廃液処理装置(ただし、乳酸化合物添加機構7を有さず、その代わりに粒状の乳酸化合物数個を廃液貯水タンク1に投入しており、また廃液貯水タンク1内に加温装置8は設けていない。)を用いて、下記1ないし5の実証試験を行った。
(試験1:水耕栽培における電解廃液処理方法)
試験1:水耕栽培における電解廃液処理方法試験として、水耕栽培で排出される廃液に含まれる色素成分・窒素・リンを低減し、環境保全に役立てることを目的とする実証試験を行った。
処理原理として、廃液に微量のカルシウム剤を添加し、有隔膜で電気分解することにより、色素成分・リンは陰極側で水酸化物を生成し沈殿物を生じさせ、除去する。窒素は電気分解で陽極側からガスとして排出し、さらに発生する塩素で塩素処理する。なお陰極側がアルカリ水、陽極側が酸性水である。
試験装置の各構成及び測定器として、水道加圧装置、電解装置、ポータブルpH計、ポータブルEc計、ポータブルORP計、電子天秤を用いた。試験装置は、実施例1と同様の構成としたものであり、還流機構3は廃液貯水タンク1内に陽極水L3を投入するものとした。ただし、乳酸化合物添加機構7を有さず、その代わりに粒状の乳酸化合物数個を廃液貯水タンク1に投入しており、また廃液貯水タンク1内に加温装置8は設けていない。
測定方法として、先ず、水道加圧装置に廃液を20Lと規定量のカルシウム剤を入れて攪拌し試験液を作った。試験液を電解装置に供給し、電気分解をした。生成された酸性水は廃液と混合し、再度電気分解を行った。陰極水はタンクに貯水し、水と沈殿物を分離させた。乳酸カルシウムは20L処理試験、塩化カルシウムは20L、100Lの処理試験を行った。
試験条件は下記の通りである。
・電解添加剤 1.乳酸カルシウム(15g/20L) 2.塩化カルシウム(5g/20L、10g/20L)
・追加添加剤 消石灰(水酸化カルシウム) (20g/20L)
・処理水量 0.75L/分(1.5L/分の廃液を電気分解し、半分は戻すため)
・電解条件 電解電流値15A(電解電圧値は電流に合わせて可変する)
測定結果を下記表1、及び図5に示す。
表1及び図5により、下記が考察される。
カルシウム剤を添加し、電気分解をすると廃液内の色素成分とカルシウムが結合し、沈殿物を生じる。カルシウム剤の量が不十分だと沈殿物が少なく、色素成分の除去が不十分となる。
乳酸カルシウムと塩化カルシウムを比較すると、色素成分、リン除去に関しては、少量で電解効率の良い塩化カルシウムの方が添加剤として適している。しかし、窒素除去に関しては乳酸カルシウムの方が窒素除去率が高かった。
消石灰の添加については、除去しきれなかった色素成分、リンの除去に高い効果を発揮する。
今回の実験で、塩化カルシウムが電解添加剤として最も理想に近く、添加量の基準値が確定した。
(試験2:添加剤別の電解試験)
試験2:添加剤別の電解試験として、最適なカルシウム化合物、及び最適な乳酸化合物を決定するための試験を行った。使用装置は試験1と同様である。添加剤と添加量および結果を以下に示す。
1 乳酸カルシウム(15g/20L):カルシウム成分が含まれるため、色素成分の除去には問題ないが、水に溶けにくいという問題がある。また、添加量が多く必要であり、高価という問題もある。
2 硝酸カルシウム(5g/20L):農家が使用している肥料ではあるが、硝酸を含むため、窒素除去を目的としており、廃液処理には適さない。但し、色素成分の除去は可能である。
3 塩化カルシウム(10g/20L):色素成分の除去は可能である。水に溶けやすく、添加量も少量で、安価である。塩素成分を含むため窒素成分の除去にも良い方向に働くと考える。問題は空気中の水分を吸収し、固まるため取り扱いが難しい。
4 塩化カリウム(5g/20L):色素成分の除去が出来ない。
試験2の考察として、実験の結果、少量で電解効率が良く、安価で、水に溶けやすく、窒素除去も可能な塩化カルシウムがカルシウム化合物として比較的最適であることが判明した。
(試験3:添加剤の添加量と電解電流試験)
試験3:添加剤の添加量と電解電流試験として、添加するカルシウム化合物たる塩化カルシウムの最適量、電解電流を決定する。装置として、前記試験1と同じ廃液処理装置を使用する。添加量と電解電流および結果を下記表2、3に示す。
表2、3によれば、すべての条件において沈殿物が生じたが、添加量が多く、電解電流が大きいほど反応速度、色素成分の除去率に多少の差が見られた。
(試験4:処理水量試験)
試験4:処理水量試験として、処理水量の増加を検討する。装置として前記試験1と同じ廃液処理装置を使用する。入力水量と電解電流および結果を、下記表4に示す。
表4によれば、2Lの入力水量においても、すべての電流条件で沈殿物が生じた。前記試験2と同様に、電解電流が高いほど反応速度、色素成分の除去に有利に働くことがわかる。
(試験5:窒素除去試験)
試験5:乳酸カルシウムによる窒素除去試験として、乳酸カルシウムによる下記窒素除去の原理・効果について、A.廃液と乳酸カルシウムの混合で窒素が除去できているか、B.乳酸カルシウムの添加量による効果の違い、C.電気分解による効果のそれぞれを検証した。
装置として、前記試験1と同じ廃液処理装置を使用した(電解についての検証)。試験条件と結果を下記表5に示す。
表5より、乳酸カルシウムによる窒素除去については、廃液と乳酸カルシウムが混合した時点から起きていることがわかった。これは乳酸カルシウムと廃液が混合することにより、分解した乳酸が脱窒菌に変わり、窒素処理したと考える。
乳酸カルシウムの添加量による効果の違いについては、効果が確認できなかった。これは窒素除去が生物的反応を利用しているためと考える。
電気分解の効果については、生物反応(窒素除去)を停止させる効果がある。このことから、廃液に乳酸カルシウムを混合させた時点から窒素除去が始まり、試験時間30分間で窒素を30%程度除去し、電気分解で除去を停止させている。
試験水を採取してから8日後に測定を行ったが、電気分解なしの方はかなりの生物臭が発生したが、電気分解ありでは臭いはほとんどなかった。このことは生物処理による悪臭の防止、細菌の異常繁殖等の二次的公害を防ぐことが可能である。
(その他の形態例の可能性)
その他各部の具体的な構成は適宜変更、入れ替え、或いは削除することができる。例えば、実施例1の乳酸化合物添加機構7を省いた形態、或いは実施例4の無隔膜電解槽9の介設位置を有隔膜電解槽2の上流側の送水機構5の途中とすることができる。このほか、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明の実施例1の廃液処理装置の構成を示す説明図である。 本発明の実施例2の廃液処理装置の構成を示す説明図である。 本発明の実施例3の廃液処理装置の構成を示す説明図である。 本発明の実施例4の廃液処理装置の構成を示す説明図である。 本発明の実施例1の廃液処理装置による試験後の処理水の状態を示す比較図である。
符号の説明
1 廃液貯水タンク
2 有隔膜電解槽
3 還流機構
4 排水用貯水タンク
5 送水機構
6 カルシウム化合物添加機構
7 乳酸化合物添加機構
8 加温装置
9 無隔膜電解槽
L1 廃液
L2 微生物分解液
L3 陽極水
L4 陰極水
L5 処理水

Claims (8)

  1. 廃液L1を貯水する廃液貯水タンク1と、前記廃液貯水タンク1に連通され、前記廃液貯水タンク1からの送水液を連続的に電気分解して陽極水L3及び陰極水L4を生成する有隔膜電解槽2と、有隔膜電解槽2の陽極水L3吐出部に連通され、生成された陽極水L3を、有隔膜電解槽2よりも上流側に還流させる還流機構3とを備え、生成された陰極水L4の上澄み液を処理水L5として得ることを特徴とする廃液処理装置。
  2. 廃液L1を貯水すると共にタンク内で微生物分解を行わせて微生物分解液L2を生成する廃液貯水タンク1と、廃液貯水タンク1によって生成された微生物分解液L2を有隔膜電解槽2へ送水する送水機構5と、前記廃液貯水タンク1に連通され、前記廃液貯水タンク1から送水された微生物分解液L2を連続的に電気分解して陽極水L3及び陰極水L4を生成する有隔膜電解槽2と、有隔膜電解槽2の陽極水L3吐出部に連通され、生成された陽極水L3を、有隔膜電解槽2よりも上流側の廃液貯水タンク1或いは送水機構5に還流させる還流機構3とを備え、生成された陰極水L4の上澄み液を処理水L5として得ることを特徴とする廃液処理装置。
  3. 有隔膜電解槽2の陰極水L4吐出部に連通され、陰極水L4を貯水すると共にタンク内で水酸化物沈殿及び凝集沈殿によって沈殿分離を行う排水用貯水タンク4を備え、この排水用貯水タンク4で沈殿分離された上澄み液を処理水L5として得る請求項1記載の廃液処理装置。
  4. 有隔膜電解槽2よりも上流側にてカルシウム化合物を添加する請求項1、2または3のいずれか記載の廃液処理装置。
  5. 廃液貯水タンク1の廃液L1流入部にて乳酸化合物を添加する請求項1、2、3または4のいずれか記載の廃液処理装置。
  6. 廃液貯水タンク1内の廃液L1の温度を所定温度以上とする加熱装置8を具備する請求項1、2、3、4または5のいずれか記載の廃液処理装置。
  7. 有隔膜電解槽1の陰極水L4吐出部に連通され、無隔膜電解によって陽極水L4の窒素を除去する無隔膜電解槽9を備え、有隔膜電解槽2及び無隔膜電解槽9で生成された陰極水L4の上澄み液を処理水として得る請求項1、2、3、4、5、または6のいずれか記載の廃液処理装置。
  8. 廃液L1を貯水した廃液貯水タンク1内で微生物分解を行って微生物分解液L2を生成する微生物分解工程と、生成された微生物分解液L2を有隔膜電解槽2で電気分解して陽極水L3及び陰極水L4を生成する電気分解工程と、生成された陽極水L3を有隔膜電解槽2よりも上流側に還流する還流工程と、生成された陰極水L4を廃液貯水タンク4で沈殿分離して陰極水L4の上澄み液を処理水L5として得る沈殿分離工程とを備え、電気分解工程において、還流工程で還流された陽極水L3を微生物分解液L2と共に繰り返し電気分解することを特徴とする廃液処理方法。
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