実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベースの前面側で片開き自在な前面枠セット14と、樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースに着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23とを備えている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具により固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部とを備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、前述した上皿ユニット21の上側に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。図示省略のガラスユニットは、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
加えて、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面側で窓部101の周囲(例えば、上箇所、左箇所、右箇所など)に各種の電飾部を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁でその左箇所及び右箇所には、LED等を内蔵した左側電飾部及び右側電飾部がそれぞれに設けられ、窓部101の周縁でその上箇所(パチンコ機10の最上部)には、同じくLED等を内蔵した上側電飾部が設けられている。
本パチンコ機10では、左側電飾部、右側電飾部および上側電飾部は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10のコーナー部には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側から視認可能な状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第1の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第1の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。なお、上部側の第1の始動口33aと下部側の第1の始動口33bとは、図2に示すように、単一の始動入賞装置33で構成されている。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム(図示省略)が位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム(図示省略)に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台(そのうちの一つが後述する取付台400)に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台400(図6参照)に搭載してユニット化すると共に、後述する図4に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を他方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
第1制御基板ユニット201は、後述する正面視で略矩形状の取付台400(図6参照)を有し、この取付台400を遊技盤30の裏面側から見た状態での手前側に主制御装置261が搭載され、この取付台400の奥側(裏側)にサブ制御装置262が搭載されている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース265と該ボックスベース265の開口部を覆うボックスカバー267とを備えている。これらボックスベース265とボックスカバー267とは、後述する図6に示す封印ユニット269によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット269はボックスベース265とボックスカバー267とを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、例えば5つの封印部材271が連結された構成となっており、後述の図6に示すように、この封印部材271の長孔271aに封印爪273を挿入することでボックスベース265とボックスカバー267とが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット269による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット269(図6参照)を構成する5つの封印部材271のうち、少なくとも一つの封印部材271の長孔271aに封印爪273を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、封印爪273が挿入された封印部材271の所定箇所を切断し(この切断された封印部材271は当然にその切断跡、つまり破壊痕跡が残った状態となっている)、封印爪273による封印を解除する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材271の長孔271aに封印爪273を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について図6〜図18を用いて説明する。
図6は、主制御装置261を遊技盤30の裏面側の取付台400に取り付ける様子を示す図である。図7は、遊技盤30の裏面側に取り付けられた集合板410および取付台400を示す斜視図である。図8は、取付台400の片開き状態を示す斜視図である。図9は、取付台400を集合板410に取り付ける様子を示す図である。図10は、取付台400の軸部を集合板410の軸受け部に挿入する様子を示す部分拡大図である。図11は、集合板410および取付台400の斜視図である。図12は、取付台400を集合板410に取り付けて閉状態としたときの要部箇所を示す一部破断斜視図である。図13は、集合板410の要部箇所を示す一部破断斜視図である。図14(a)〜(h)は、順に、図10に示したA−A線断面斜視図、その断面図、図10に示したB−B線断面斜視図、その断面図、図10に示したC−C線断面斜視図、その断面図、図10に示したD−D線断面斜視図、その断面図である。図15は、取付台400を集合板410に取り付ける様子を側面視した一部破断側面図である。図16は、取付台400を集合板410に取り付けた状態を側面視した一部破断側面図である。図17は、図7に示したE−E線断面図である。図18は、第1軸受け部450の掛止部453を第1軸部430の挿入方向視した図である。
なお、図6に示すように、遊技盤30は、その所定箇所に、破線で示す開口30bを備えており、遊技盤30の前面側からこの開口30bを通じて第3図柄表示装置42の表示画面が見えるようになっているのであるが、図7〜図9での当該開口30bの図示を省略している。
本実施例のパチンコ機10は、図2に示すように、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aを有する遊技盤30を備えている。また、本実施例のパチンコ機10は、図3に示すように、遊技盤30の裏面側に、第1制御基板ユニット201や裏パックユニット203が設けられているため、パチンコ機10の裏面側から遊技盤30の裏面側が直接に見えないようになっている。
裏パックユニット203は、図3に示すように、パチンコ機10の裏面視で左側での開閉軸J2を基準に片開き自在となっている。つまり、裏パック351と払出機構部352とが一体で開閉軸J2を基準に片開きするようになっている。このように裏パックユニット203を、開閉軸J2(図3参照)を基準に片開き状態とすると、図6に示すように遊技盤30の裏面側があらわになってくる。なお、図6では、遊技盤30以外の部品(例えば、外枠11や内枠12など)や、遊技盤30の裏面側に設けられた第3図柄表示装置42などの各種部品等の図示が省略されていることに留意されたい。
図6〜図9に示すように、遊技盤30は、その裏面側の所定箇所(例えば、裏面視で中央より下側の箇所)に、集合板410が固定されている。具体的には、図8,図9に示すように、集合板410は、正面視でその外周で複数箇所に、図示省略のネジが挿入される貫通孔413が形成されており、これらの貫通孔413にネジが挿入された状態でこのネジを締結することで、集合板410が遊技盤30の裏面側に固定されている。したがって、これらのネジ(図示省略)を取り外さない限り、集合板410を遊技盤30から取り外すことができないようになっている。
この集合板410は、図11に示すように、遊技盤30の前面側の遊技領域側から裏面側に案内されてきた遊技球を集めて排出するためのものである。集合板410は、例えば、図2に示す遊技盤30の前面側での遊技領域30aにおける一般入賞口31や可変入賞装置32や第1の始動口33a,33bなどに入賞して遊技盤30の裏面側に案内されてきた遊技球を集めて、図11で二点鎖線矢印方向に排出するための案内通路がそれぞれに形成されている。
ところで、本実施例のパチンコ機10は、図6に示すように、その裏面側の所定箇所に、当該パチンコ機10の所定の遊技に関する制御を司る主制御基板261aを収容する基板収容ユニット390を備えている。具体的には、基板収容ユニット390は、主制御基板261aを収容する基板ボックス263と、この基板ボックス263が取り付けられる取付台400とを備えている。図6に示すように、主制御基板261aを収容した基板ボックス263は、取付台400に、二点鎖線矢印方向にスライド挿入されて、この取付台400に固定されるようになっている。
基板ボックス263は、図6に示すように、ボックスベース265とボックスカバー267とを備え、このボックスベース265とボックスカバー267とが合わされた状態でその内部空間に主制御基板261aを収容するものである。図6には、基板ボックス263の内部に主制御基板261aが収容された状態を図示している。この実施例では、有底箱型のボックスベース265の開口部を塞ぐように、ボックスカバー267がこのボックスベース265にスライド装着されるようになっている。
さらに、この基板ボックス263は、図6に示すように、ボックスベース265とボックスカバー267とを封印(封止)する封印部材271を複数個(本実施例では5個)有する封印ユニット269を備えている。封印ユニット269は、その所定の封印部材271の箇所が破壊されることで、その封印部材271による封印が解除されるものである。
具体的には、封印部材271の長孔271aに封印爪273を挿入することでボックスベース265とボックスカバー267とが開封不能に連結されるようになっている。すなわち、封印ユニット269を構成する5つの封印部材271のうち、少なくとも一つの封印部材271の長孔271aに封印爪273を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、封印爪273が挿入された封印部材271の所定箇所を切断し(この切断された封印部材271は当然にその切断跡、つまり破壊痕跡が残った状態となっている)、封印爪273による封印を解除する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材271の長孔271aに封印爪273を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
さらに、図6に示すように、基板ボックス263は、緩める方向に回すと所定箇所が破断する破断ネジ420により、取付台400に固定されている。
具体的には、図6,図7に示すように、取付台400は、遊技盤30の裏面側の集合板410に取り付けられており、遊技盤30の裏面視した状態において、左側の4箇所にネジ穴401が形成されている。また、基板ボックス263は、図6に示すように、その左側の4箇所に貫通孔264が形成されている。図6に二点鎖線で示すように、主制御装置261(主制御基板261aを収容した基板ボックス263)は、取付台400に、二点鎖線矢印方向にスライド挿入された状態となる。この状態で、基板ボックス263の4個のうちの一つの貫通孔264に破断ネジ420を挿入し、この挿入した破断ネジ420を集合板410のネジ穴401にネジ止めすることで、主制御装置261を取付台400に固定している。この破断ネジ420は、緩める方向に回すと所定箇所(例えば、ネジ頭)が破断する特殊ネジであり、公知の特殊ネジを採用することが可能である。
さらに、取付台400は、図9〜図11に示すように、その所定箇所に、開閉軸J3(図8参照)を構成するための棒状の第1軸部430および第2軸部440を備えている。これらの第1軸部430および第2軸部440は、同一軸心上に設けられており、上方に位置するのが第1軸部430で、この第1軸部430の下方に位置するのが第2軸部440である。
第1軸部430は、図10に示すように、その軸周りのうちで当該軸を挟んだ両側箇所に、外部に突出した突出部431を有する係止爪433を備えている。つまり、第1軸部430は、図10に示すように、両係止爪433が間隔(例えば5ミリ)を空けて設けられており、例えば、突出部431を外側から押されると、係止爪433が当該第1軸部430の軸心に向けて弾性変形するものである。
第2軸部440は、図10に示すように、棒状の軸部材であり、前述の第1軸部430のような係止爪433は有していない。つまり、第2軸部440は、挿入ピンとする構成を採用している。
集合板410は、図10に示すように、その所定箇所に、第1軸部430が挿入される第1軸入口451を有する有底形状の第1軸受け部450を備えている。また、この第1軸受け部450は、その内部に、図13,図14に示すように、挿入された第1軸部430を抜こうとすると当該第1軸部430の係止爪433が引っ掛かる掛止部453を備えている。また、第1軸受け部450は、集合板410の遊技盤30と対向する側に向けて開口された開口部455を備え、第1軸入口451および開口部455を除いた容体形状とするものである。
さらに、集合板410は、図10に示すように、この第1軸受け部450の下方位置に、第2軸部440が挿入される第2軸入口461を有する第2軸受け部460を備えている。また、この第2軸受け部460は、第2軸部440が挿入される第2軸入口461を有する部材であり、前述の第1軸受け部450のような掛止部453は有していないし、第1軸部430を覆うような容体形状とはしていない。つまり、第2軸受け部460は、第2軸部440が挿入される第2軸入口461を備えた支持片463とする構成を採用している。
図8に示すように、第1軸部430が第1軸受け部450に挿入され、かつ、第2軸部440が第2軸受け部460に挿入された状態で、取付台400が集合板410に対して片開き自在となっている。
さらに、第1軸受け部450の掛止部453は、図18に示すように、第1軸部430の挿入方向視でかつ開口部455を上側に位置させた状態において、U字状の掛り代457(図18で左斜線で示す部分)を備えており、この状態での下側の掛り代d1の方が左側および右側の掛り代d2よりも大きくしている。つまり、下側の掛り代d1>左側および右側の掛り代d2という関係となっている。
なお、図7に示すように、取付台400を集合板410に対して閉じた状態とし、この取付台400での開閉軸J3とは反対側である右端(図7での右側)で上下2箇所に設けられた着脱具470により、この取付台400が閉状態に維持されるようになっている。例えば、この着脱具470を押し込むことで集合板410の挿入孔に押し込まれて係止され、取付台400の右端が集合板410に固定されるし、この着脱具470を引くことで集合板410の挿入孔から引き出され、取付台400の右端の集合板410への固定が解除される。
なお、上述した集合板410が本発明における固定部材に相当し、上述した主制御基板261aが本発明における制御基板に相当し、上述した基板ボックス263および取付台400が本発明における基板収容ユニットに相当し、上述した第1軸部430が本発明における軸部に相当し、上述した第1軸受け部450が本発明における軸受け部に相当し、上述した基板ボックス263が本発明における基板ケースに相当し、上述した取付台400が本発明における取付ベースに相当し、上述したボックスベース265が本発明における第1ケース部材に相当し、上述したボックスカバー267が本発明における第2ケース部材に相当する。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について図19〜図24を用いて説明する。
図19は、遊技盤30の裏面側の集合板410のネジ封止キャップ490の箇所を下方左側から裏面視した部分斜視図である。図20は、遊技盤30の裏面側の集合板410のネジ封止キャップ490の箇所を示す部分裏面図である。図21は、遊技盤30および集合板410の裏面左下箇所を下方左側から見た部分分解斜視図である。図22は、遊技盤30および集合板410の正面右下箇所を下方右側から見た部分分解斜視図である。図23は、遊技盤30および集合板410のネジ封止キャップ490の箇所を後方から見た要部分解斜視図である。図24は、遊技盤30および集合板410のネジ封止キャップ490の箇所を前方から見た要部分解斜視図である。図25は、遊技盤30および集合板410の窪み部483の箇所の断面図である。
なお、図23,図24では、集合板410の窪み部483の箇所と、遊技盤30でのそれに対応する箇所とを図示している関係上、集合板410および遊技盤30を直方体で図示しているが、図23,図24での集合板410および遊技盤30はそれらの要部箇所を概略的に図示している点を留意されたい。
集合板410は、図11に示すように、その所定の複数箇所に、遊技盤30に固定するための図11には図示省略のネジ(図21のネジ481を参照)の挿入される貫通孔413が形成されており、これらの貫通孔413にネジ481が挿入された状態でそれらのネジ481を遊技盤30に締結することで、集合板410が遊技盤30の裏面側に固定されている。
ネジ481は、図23に示すように、十字穴付きネジを採用しており、十字ねじ回し(プラスドライバ)の十字の先端部がネジ頭481aの十字穴に挿入されて締め付けられたり、緩められたりするものである。
なお、貫通孔413に挿入されたネジ481は、そのネジ先端が遊技盤30に刺さり、遊技盤30に螺入されてネジ止めされることで、この遊技盤30に初めてネジ穴が形成されるものであり、一般的には、遊技盤30の対応する箇所に下穴が予め形成されるものではない。このため、図21,図23に図示された遊技盤30の下穴482は、説明の便宜上の理由から図示したものであり、貫通孔413に挿入されたネジ481の螺入によって初めて形成されるものである点に留意されたい。また、遊技盤30に下穴482を形成しておいて、貫通孔413に挿入されたネジ481をその下穴に螺入してネジ止めするようにしてもよい。
続いて、この集合板410での図11に破線円で示す箇所、つまり、図21に示すように、集合板410での複数個の貫通孔413のうちで一の貫通孔413(本実施例では、正面左下角部から水平方向に所定距離離れた貫通孔413)の箇所で、遊技盤30と対向する面(対向面)とは反対の面(裏面)には、その貫通孔413を中央にして窪み部483が形成されている。
言い換えれば、図21,図22に示すように、集合板410の裏面側で図11に破線円で示す箇所に、窪み部483が形成されており、この窪み部483の中央には、貫通孔413が形成されているとも言える。
この窪み部483は、図21,図23に示すように、正面視で円形で、かつ、所定深さの有底穴形状となっており、その円中心に貫通孔413が形成されている。
集合板410は、例えば透明樹脂成型品であり、それらの貫通孔413や窪み部483なども樹脂成型過程で同時に形成される。なお、貫通孔413を後に穴あけ加工で形成したり、窪み部483を後に窪み加工で形成したりしてもよい。
さらに、図21,図22に示すように、窪み部483を塞ぐようにしてこの窪み部483に取り付けられるネジ封止キャップ490を備えている。このネジ封止キャップ490は、窪み部483の貫通孔413に挿入されたネジ481によって集合板410を遊技盤30にネジ止めした状態で、当該窪み部483を塞ぐようにしてこの窪み部483に取り付け固定されるものでもある。
このネジ封止キャップ490は、図21,図23に示すように、正面視にて円形で、かつ、窪み部483を塞ぐように取り付けられるキャップ部材である。
なお、図19,図20では、集合板410の窪み部483にネジ封止キャップ490が取り付けられた状態が図示されている。
ネジ封止キャップ490は、図24に示すようにその内天面491に突起部492が形成されている。また、この突起部492は、図25に示すように、窪み部483の貫通孔413に挿入されたネジ481によって集合板410を遊技盤30にネジ止めした状態で、かつ、ネジ封止キャップ490が窪み部483に取り付けられた状態において、ネジ頭481aに当接しており、ネジ481の抜け方向への移動が規制されている。
ネジ封止キャップ490は、図23,図24に示すように、窪み部483と対向する面での所定の外縁箇所に、窪み部483に向けて突出した外縁突出壁493を備えている。
窪み部483は、図22,図24に示すように、その窪み内周面483aの所定箇所、例えば、窪み内周面483aの対向2箇所に係合穴484がそれぞれ形成されている。
また、ネジ封止キャップ490は、図22,図24に示すように、窪み部483の係合穴484に係合する係合爪494をそれぞれ備えている。具体的には、ネジ封止キャップ490は、図22,図24に示すように、集合板410と対向する面側から当該集合板410の方に突出した一対の脚部495を備え、その脚部495の先端側に係合爪494が形成されている。
また、窪み部483は、図21,図23に示すように、ネジ封止キャップ490の係合爪494を係合穴484に案内するリブ485を備えている。具体的には、このリブ485は、図23に示すように、ネジ封止キャップ490の脚部495が挿入可能な間隔を空けて、かつ、窪み部483の係合穴484を間に挟むようにして並設されたものであり、両係合穴484に対応するように二組設けられている。ネジ封止キャップ490の窪み部483への取り付けに際して、ネジ封止キャップ490の脚部495が窪み部483のリブ485に案内されてネジ封止キャップ490が窪み部483に取り付けられていき、脚部495の係合爪494が窪み部483の係合穴484に係合することで、ネジ封止キャップ490が窪み部483に取り付けられる。
なお、上述したネジ封止キャップ490が本発明における蓋部材に相当する。
ここで、取付台400の集合板410への取り付け手順などについて説明する。
なお、図9に示すように、集合板410は、遊技盤30の裏面側に、ネジ(図21のネジ481を参照)により固定されている。
つまり、集合板410の各貫通孔413にネジ481が挿入され、これらのネジ481を遊技盤30に螺入していくことで、集合板410が遊技盤30に取り付け固定される。
また、前述したように集合板410での図11に破線円で示す箇所、つまり、図21に示した箇所(集合板410の正面左下角部から水平方向に所定距離離れた貫通孔413)で、遊技盤30と対向する面(対向面)とは反対の面(裏面)には、その貫通孔413を中央にして窪み部483が形成されており、この貫通孔413にもネジ481が挿入されて遊技盤30に螺入されている。
そして、図21に示すように、ネジ封止キャップ490をその窪み部483に取り付ける。具体的には、ネジ封止キャップ490の窪み部483への取り付けに際して、ネジ封止キャップ490の脚部495が窪み部483のリブ485に案内されてネジ封止キャップ490が窪み部483に取り付けられていき、脚部495の係合爪494が窪み部483の係合穴484に係合することで、ネジ封止キャップ490が窪み部483に取り付けられる。
このように、ネジ封止キャップ490が窪み部483に取り付けられた状態では、ネジ封止キャップ490の内天面491に形成された突起部492は、図25に示すように、窪み部483の貫通孔413に挿入されたネジ481によって集合板410を遊技盤30にネジ止めした状態で、そのネジ頭481aに当接している。
図9,図10に示すように、取付台400の第1軸部430を集合板410の第1軸受け部450に、取付台400の第2軸部440を集合板410の第2軸受け部460に挿入させるようにして、取付台400を集合板410に取り付ける。
この第1軸部430の第1軸受け部450への挿入過程(図15参照)においては、第1軸部430の係止爪433の外周箇所が第1軸受け部450の掛止部453に当り、この係止爪433が当該第1軸部430の軸心方向(つまり内側方向)に向けて弾性変形し、さらに押し込まれることで、第1軸部430の係止爪433が第1軸受け部450の掛止部453を超えて奥側に進み、掛止部453に係止爪433が当たらない状態となりこの係止爪433の弾性変形が解除された状態となる(図16,図17参照)。
図8に示すように、第1軸部430が第1軸受け部450に挿入された状態で、取付台400が集合板410に対して片開き自在となっている。
図16,図17に示すように、仮に、取付台400を集合板410から抜き出そうとしても、第1軸部430の係止爪433が第1軸受け部450の掛止部453に引っ掛かり、挿入された第1軸部430が第1軸受け部450から抜けないようになっている。
そして、図7に示すように、取付台400を集合板410に対して閉じた状態とし、この取付台400での開閉軸J3とは反対側である右端(図7での右側)で上下2箇所に設けられた着脱具470を集合板410の挿入孔に押し込むことにより、この取付台400が閉状態に維持されるようになっている。
そして、図6に示すように、集合板410に対して閉じた状態とした取付台400に対して、主制御基板261aを収容した基板ボックス263を二点鎖線矢印で示すようにスライド装着する。
さらに、図6に示すように、基板ボックス263は、緩める方向に回すと所定箇所が破断する破断ネジ420により、取付台400に固定される。また、この基板ボックス263は、図6に示すように、封印部材271によってボックスベース265とボックスカバー267とが封印されている。
このように、図6に示すように、基板ボックス263は封印部材271によってボックスベース265とボックスカバー267とが封印され、さらに、破断ネジ420により取付台400に固定されており、この取付台400は、図8に示すように集合板410に対して片開き自在で、かつ、第1軸部430および第1軸受け部450により集合板410から取り外し不可となっている。
上述したように、本実施例のパチンコ機10によれば、集合板410は、その遊技盤30と対向する面(対向面)とは反対の面(裏面)での所定箇所に窪み部483が形成され、この窪み部483は、集合板410を遊技盤30に固定するためのネジ481の挿入される貫通孔413が形成され、窪み部483の貫通孔413に挿入されたネジ481によって集合板410を遊技盤30にネジ止めした状態で、当該窪み部483を塞ぐようにしてこの窪み部483に取り付け固定されたネジ封止キャップ490を備え、このネジ封止キャップ490は、その内天面491がネジ頭481aに当接していることにより、ネジ481の抜け方向への移動を規制する。したがって、例えば工場から営業店(パチンコ店)へのパチンコ機10の搬送時の振動や衝撃などが加わることで、集合板410を止めているネジ481の緩みが生じようとしても、ネジ封止キャップ490の内天面491がネジ頭481aに当接しているので、そのネジ頭481aのネジ封止キャップ490への当接によってネジ481の抜け方向への移動が規制され、ネジ481の緩みを防止できる。よって、ネジ481の緩みに起因する集合板410での球詰まりや遊技部品の取り付け不安定という問題を低減できる。その結果、集合板410のネジ緩みを低減でき、集合板410の取り付け安定性を向上できるパチンコ機10を提供することができる。
また、集合板410を遊技盤30に固定するためのネジ481が窪み部483の貫通孔413に挿入されて集合板410が遊技盤30にネジ止めされた状態で、その窪み部483がネジ封止キャップ490で塞がれているので、ネジ481に触れることができず、不正にネジ481を緩めて集合板410を遊技盤30から不正に取り外すなどの不正行為を低減できる。
また、ネジ封止キャップ490は、窪み部483と対向する面での所定の外縁箇所に、窪み部483に向けて突出した外縁突出壁493を備えているので、窪み部483とネジ封止キャップ490との間の隙間に不正に細状部材などを差し入れてネジ481に近づけることを低減できる。また、ネジ封止キャップ490を集合板410の窪み部483に取り付けた状態において、ネジ封止キャップ490と窪み部483との当接あるいは近接する面積を大きくとることができ、不正具(細状部材など)を挿入し難くでき、その取り付け状態を解除し辛くできる。また、この外縁突出壁493を、係合爪494よりも大きく突出させた場合には、ネジ封止キャップ490を無理矢理押し込んで係合爪494を折ることができず、係合爪494を保護することができる。
また、窪み部483は、その窪み内周面483aの所定箇所に係合穴484を備え、ネジ封止キャップ490は、係合穴484に係合する係合爪494を備えているので、ネジ封止キャップ490の係合爪494が集合板410の窪み部483での窪み内周面483aの係合穴484に係合することができ、ネジ封止キャップ490と集合板410との係合箇所、つまりネジ封止キャップ490の係合爪494と集合板410の窪み部483との係合箇所を隠れた位置(窪み部483内)に設定でき、ネジ封止キャップ490が窪み部483に一旦取り付けられると、そのネジ封止キャップ490が取り外されないようにできる。
また、窪み部483は、ネジ封止キャップ490の係合爪494を係合穴484に案内するリブ485を備えているので、ネジ封止キャップ490の係合爪494を窪み部483の係合穴484に容易に係合させることができる。また、窪み部483は、係合穴484の両側部にリブ485を備えているので、窪み部483の係合箇所(係合穴484の周囲箇所)を補強でき、不正具(細状部材など)により不正に隙間が形成されることを防止できる。
また、集合板410は、所定の遊技を制御する主制御基板261aと、この主制御基板261aを収容する基板ボックス263とを備えた基板収容ユニット390が取り付け固定されており、この基板収容ユニット390は、基板ボックス263を封印する封印ユニット269を備え、この封印ユニット269は、その所定箇所が破壊されることで、当該封印が解除されるものであるので、不正行為者は、基板収容ユニット390の主制御基板261aに対して不正行為を行うために、基板ボックス263から主制御基板261aを取り出したいのであるが、封印手段によって基板ボックス263が封印されており、主制御基板261aを取り出すことが困難となっているし、封印破壊すればその破壊痕跡を見つけることで不正行為を発見できる。そこで次に、不正行為者は、集合板410から基板収容ユニット390を取り外して基板収容ユニット390ごと不正品に交換したいのであるが、この基板収容ユニット390は集合板410に固定されているので破壊しない限り取り外すことができないし、破壊すれば基板収容ユニット390を取り付けることができないし、その破壊痕跡を見つけることで不正行為を発見できる。さらに次に、不正行為者は、集合板410ごと取り外して集合板410ごと不正品に交換したいのであるが、集合板410を遊技盤30に固定するためのネジ481が窪み部483の貫通孔に挿入されて集合板410が遊技盤30にネジ止めされた状態で、その窪み部483がネジ封止キャップ490で塞がれているので、ネジ481に触れることができず、不正にネジ481を緩めて集合板410を遊技盤30から不正に取り外すことが困難となっている。その結果、主制御基板261aや基板収容ユニット390や集合板410を不正に取り外すことができず、不正行為を低減できる。
また、窪み部483およびネジ封止キャップ490が正面視でほぼ同形状で、ネジ封止キャップ490は窪み部483に没入することで窪み部483を塞いでいることにより、隙間を防止しており、不正具(細状部材など)を不正に進入させることや、ネジ封止キャップ490を外側に引っ張って取り外すことなどを低減できる。
また、窪み部483およびネジ封止キャップ490が正面視で円形同士で嵌合しているため、当接面あるいは近接面が曲面同士となり、マイナスドライバなどの先端が平らな細状部材を不正に進入させ辛くできる。なお、円形に限らず楕円形状など曲面同士となるような構造であってもよい。
また、遊技球が打ち込まれる遊技領域30aを有する遊技盤30と、この遊技盤30の裏面側に固定される集合板410と、当該パチンコ機10の所定の遊技に関する制御を司る主制御基板261aを収容する基板ボックス263と、この基板ボックス263が取り付けられる取付台400とを備え、この取付台400は、その所定箇所に、開閉軸J3を構成するための棒状の第1軸部430を備え、この第1軸部430は、その軸周りで少なくとも一部に突出した突出部431を有する、その軸心に向けて弾性変形可能な係止爪433を備え、集合板410は、その所定箇所に、第1軸部430が挿入される有底形状の第1軸受け部450を備え、この第1軸受け部450は、その内部に、挿入された第1軸部430を抜こうとすると当該第1軸部430の係止爪433が引っ掛かる掛止部453を備え、第1軸部430が第1軸受け部450に挿入された状態で取付台400が集合板410に対して片開き自在となっているので、取付台400は、その第1軸部430を、遊技盤30の裏面側での集合板410の第1軸受け部450に挿入することで、集合板410に対して片開き状態とすることができるのみならず、このように取付台400を集合板410に一旦取り付けると、取付台400を集合板410から取り外すことができない。つまり、挿入された第1軸部430を第1軸受け部450から抜こうとしても、第1軸部430の係止爪433が第1軸受け部450の内部の掛止部453に引っ掛かり、挿入された第1軸部430が第1軸受け部450から抜けないようになっており、取付台400を遊技盤30の裏面の集合板410から取り外せないようにでき、不正行為を低減できる。また、第1軸受け部450は有底形状としているので、外部底側からその内部への不正工具の進入も排除でき、この不正工具進入による第1軸部430の係止爪433の不正操作も防止できる。
また、仮に、集合板410の第1軸受け部450を破壊して取付台400が取り外せたとしても、その破壊された第1軸受け部450に偽物の取付台400を挿入して取り付けることができないし、第1軸受け部450の破壊痕跡を視認することで不正行為を発見できる。また、これとは逆に、取付台400の第1軸部430を破壊して取付台400が取り外せたとしても、破壊された第1軸部430の一部が第1軸受け部450に残存したままで取り出すことができないし、この第1軸受け部450に偽物の取付台400を挿入して取り付けることができないし、第1軸受け部450に残存する第1軸部430の一部(破壊痕跡)を視認することで不正行為を発見できる。
さらに、集合板410は、遊技盤30に固定されているので、集合板410の遊技盤30への固定を解除することが困難であり、集合板410の遊技盤30への固定解除をしない限り、取付台400が付いたままで集合板410ごと盗むことができないことから、取付台400が付いたままで集合板410ごと盗むということも解消できる。
その結果、主制御基板261aの盗難・摩り替え等の不正行為についての対策を強化したパチンコ機を提供することができる。
また、基板ボックス263は、緩める方向に回すと所定箇所(例えば、ネジ頭の付け根箇所)が破断する破断ネジ420により、取付台400に固定されているので、基板ボックス263を取付台400から取り外すことを困難とすることができる。
また、基板ボックス263は、ボックスベース265とボックスカバー267とを備え、ボックスベース265とボックスカバー267とが合わされた状態でその内部空間に主制御基板261aを収容するものであり、さらに、封印部材271によりボックスベース265とボックスカバー267とを封印する封印ユニット269を備え、この封印ユニット269は、その所定箇所が破壊されることで、封印部材271による封印が解除されるものであるので、封印ユニット269の所定箇所を破壊しなければ、封印部材271による封印が解除されない。つまり、基板ボックス263を開封することができない。また、封印ユニット269の破壊痕跡を確認することで、基板ボックス263が何回開封されたかがわかり、不正行為を発見することができる。その結果、基板ボックス263内の主制御基板261aに対する不正行為を低減できる。
また、集合板410は、遊技盤30の前面側の遊技領域30a側から裏面側に案内されてきた遊技球を集めて排出するものとしているので、取付台400を開閉自在でかつ取り外し不可とした専用品(特化品)を用いる必要が無く、取付台400を開閉自在でかつ取り外し不可とした構成を集合板410で実現できる。また、この集合板410を遊技盤30から取り外さない限り、取付台400が付いたままで集合板410ごと盗むことができないことから、不正に取り外すことに非常に手間がかかるようにでき、取付台400が付いたままで集合板410ごと盗むということも解消でき、不正抑止効果に優れる。
また、係止爪433は、突出部431が、第1軸部430の軸周りのうちで当該軸を挟んだ両側箇所に設けられたものであり、第1軸受け部450は、集合板410の遊技盤30と対向する側に向けて開口された開口部455を備え、第1軸入口451および開口部455を除いた容体形状とするものであり、掛止部453は、第1軸部430の挿入方向視でかつ開口部455を上側に位置させた状態において、U字状の掛り代457を備えており、この状態での下側の掛り代d1の方が左側および右側の掛り代d2よりも大きくしているので、係止爪433が掛係部に片掛りとなる状態(片掛り状態)となったときに、取付台400が集合板410から外れ易くなることを低減できる。つまり、取付台400を集合板410に対して閉状態から開状態に変化させる過程のうちで一の状態のときに、係止爪433が掛係部に片掛りとなる状態(片掛り状態)となることがあるが、掛止部453のU字状の掛り代457での下側の掛り代d1の方が左側および右側の掛り代d2よりも大きくしているので、取付台400が集合板410から外れ易くなることを低減できる。
また、第1軸受け部450は、第1軸部430が挿入される軸入口と、集合板410の遊技盤30側に向けた開口部455とを除いた容体形状としているので、外部から第1軸受け部450の内部にアクセスできず、第1軸受け部450に不正な工具を挿入できないし、第1軸受け部450から第1軸部430を不正に取り外すことをできないようにすることができる。