JP2008070723A - 偏光変換ユニット、画像投影装置、偏光変換方法、及び画像投影方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無偏光光束を複屈折レンズで2つの偏光成分Ip、Isに分け、その集光点(fp、fs)の違いを利用して、領域分割された波長板2、3を用い、偏光方向を揃え、1枚の板の両面に作成されたリターデーション領域(2a、2b、3a、3b)によって偏光変換を行うことにより、加工が容易になり、組付けも簡易化される。
【選択図】図1
Description
偏光変換ユニットは基本的には偏光ビームスプリッタで無偏光ビームをP偏光とS偏光とに分離し、この分離した偏光の一方を何らかの手段を用いて偏光方向を90°回転させることにより偏光方向を揃え、かつ両ビームの進行方向も揃えるようにしたものである。
一つは1/2波長板に代表されるように、方向による屈折率の違いを用いた方式である。
もう一つは偏光分離後の光ビームを2枚のミラーで反射させる間に、2枚のミラーの反射方向を適当に設定して、ビーム全体を光軸周り回転させてしまう方式である。
図14は、透過型液晶を用いた従来の画像投影装置の概念図であり、図15は、反射型液晶を用いた従来の画像投影装置の概念図であるが、いずれの画像投影装置も液晶の画像形成素子を用いており、偏光選択性があり、その照明光学系はほぼ同じである。
白色ランプなどの光源10から発した無偏光光ビームはリフレクタ24で略平行光となり光インテグレータ25に入射する。光インテグレータ25は画像形成素子を照射する照射光の照度を均一化するためのもので、一対のフライアイレンズ25−1、25−2により構成されている。
図13(a)は、偏光分離膜31、反射膜32及び1/2波長板33を単位ユニットとして、各単位ユニットがフライアイレンズ25−2の各ピッチに対応するようにアレイ化した構成図の一例である。
各々の偏光分離膜31は入射光軸に対して45°の傾きを持ち、反射膜32は偏光分離膜31に対して並行に配されている。フライアイレンズ25−2を出た各光ビームは各単位ユニットに入り、偏光分離膜31で透過光(P偏光)と反射光(S偏光)とに分離され、反射光はさらに反射膜32で反射されて透過光と平行な光ビームとなる。これらの透過光(P偏光)及び反射光(S偏光)のうちのいずれか(ここではS偏光)を1/2波長板33により偏光面を回転させて他方に揃えることにより、入射時には無偏光であった光ビームが偏光の揃った光ビームに変換される。
本発明に係る偏光変換ユニットは、二焦点光学素子1、第一の領域分割波長板2、及び第二の領域分割波長板3からなる。二焦点光学素子1は、光軸に垂直な面内において屈折率に異方性を持ち、入射光の偏光方向(2つの偏光成分Ip、Is)によって異なる二つの焦点位置(fp、fs)が存在する。
第一の領域分割波長板2は、光軸に垂直な面内において2つのリターデーション領域をもつ。一側2aは入射した光束に対して+1/4波長のリターデーション(位相差)を与え、他側2bは入射した光束に対して−1/4波長のリターデーションを与える。2つのリターデーション領域は、光軸に対して直交する分割線2cにより分けられている。
図3は、図1に示した偏光変換ユニットの偏光変換過程を示す図である。
ここで、図1において、分割線に対して紙面上側(X軸の正方向)の領域を領域Aとし、紙面下側(X軸の負方向)の領域を領域Bとする。また、光軸に沿って、二焦点光学素子1と第一の領域分割波長板2との間の領域をαとし、第一の領域分割波長板2と焦点位置fsとの間の領域をβとし、焦点位置fsと第二の領域分割波長板との間の領域をγとし、第二の領域分割波長板3の出射部の領域をδとする。
尚、図4は、本発明に係る偏光変換ユニットの他の実施形態を示す原理図である。
一方、直線偏光成分Isは、第二の領域分割波長板からみて、光軸に沿って第一の領域分割波長板の反対側に集光する。そのため、直線偏光Isは、第一の領域分割波長板の+1/4波長のリターデーション領域2aを透過したのち、第二の領域分割波長板の−1/4波長のリターデーション領域3bを透過する。または、第一の領域分割波長板の−1/4波長のリターデーション領域2bを透過したのち、第二の領域分割波長板の−1/4波長のリターデーション領域3aを透過する。このため、直線偏光Isはリターデーションの影響が、第一の領域分割波長板、及び第二の領域分割波長板によって相殺され、直線偏光Isのままになる。
なお、本説明では第一の領域分割波長板及の一側(領域A)を+1/4波長とし、他側(領域B)を−1/4波長とし、第二の領域分割波長板及の一側(領域A)を−1/4波長とし、他側(領域B)を+1/4波長とした場合で説明したが、本発明はこれに限定されず、第一の領域分割波長板及び第二の領域分割波長板の一側にある領域のリターデーションと他側にある領域のリターデーションとの差をmλ+λ/2(mは整数、λは入射光束の波長)とし、かつ第一の領域分割波長板の一側の領域におけるリターデーションと第二の領域分割波長板の一側の領域におけるリターデーションとの差をmλ+λ/2となるように形成しても同様の効果が得られる。
尚、図5は、本発明に係る偏光変換ユニットの他の実施形態を示す原理図である。
図6は、本発明に係る偏光変換ユニットの他の実施形態を示す原理図である。
尚、図7は、本発明に係る偏光変換ユニットに使われる二焦点光学素子の一実施の形態を示す概念図である。
尚、図8(a)は、本発明に係る偏光交換ユニットの他の実施形態を示す構造図であり、図8(b)は図8(a)の正面図である。
尚、図9(a)は、本発明に係る偏光交換ユニットの他の実施形態を示す構造図であり、図9(b)は図9(a)の正面図である。
また、隣接する偏光変換ユニットAと偏光変換ユニットBの第二の領域分割波長板においても、−1/4波長のリターデーションを与える領域3bは、共通化されている。
図10は、本発明の偏光変換ユニットと光インテグレータとを組み合わせた偏光変換光学系である。
本構成は、二焦点光学素子機能を持つ第一フライアイレンズ4と、第一の領域分割波長板2と、第二の領域分割波長板3及びレンズアレイ5aかなる第二フライアイレンズ5とからなる。
第一フライアイレンズ、第一の領域分割波長板、及び第二の領域分割波長板は、前述したように偏光変換機能を有する素子として作用する。本構成においては、光インテグレータの内部に偏光変換機能を配置できるため、偏光変換光学系の小型化が可能になる。また、第一フライアイレンズを、光インテグレータと本発明の偏光変換光学素子とで共有化することで、部品点数が削減され、組付け工程の簡易化を図ることができる。
図11は、透過型液晶を用いた画像投影装置の一実施の形態を示す概念図であり、図12は、反射型液晶を用いた画像投影装置の位置実施の形態を示す概念図であるが、いずれも液晶の画像形成素子を用いており、偏光選択性があり、その照明光学系はほぼ同じである。
画像投影装置は、光源からの光束を効率よく画像形成部へと導くための照明光形成部と、照明光を画像情報へと変換するための画像形成部と、画像情報を含む光束をスクリーンへと投影するための投射部とからなる。
まず、照明光形成部から説明する。
白色ランプなどの光源10から発した無偏光光ビームはリフレクタ24で略平行光となり、本発明の偏光変換ユニット20に入射する。偏光変換ユニット20では、前述したように第一フライアイレンズ、第二フライアイレンズ、及び偏光変換光学系の後段に配されるコンデンサレンズ11により画像形成素子上に重ねて投影することにより、画像形成素子上の照度分布の均一化を行う。同時に、偏光変換光学系20は、複屈折二焦点作用を備えた第一フライアイレンズと、第一の領域分割波長板と、第二の領域分割波長板とによって、無偏光光ビームを効率よく1偏光方向の光ビームに変換する。
本実施形態においては、偏光変換を行う部品を領域分割波長板で構成できるので、部品加工が容易になる。
本実施形態の偏光変換ユニットにおいては、第二の領域分割波長板の一側と他側の領域を入れ替えるだけで、出射直線偏光の方位角を90度変える事ができるので、部品構成及び加工が容易になる。
2 第一の領域分割波長板
3 第二の領域分割波長板
α、β、γ、δ 領域
fs、fp 焦点
Ip、Is 直線偏光成分
Claims (14)
- 入射直線偏光の偏光方向によって短焦点位置と長焦点位置とに集光作用を持つ二焦点光学素子と、第一の領域分割波長板と第二の領域分割波長板とをこの順列で配置してなる偏光変換ユニットにおいて、前記二焦点光学素子の短焦点位置が前記第一の領域分割波長板と前記第二の領域分割波長板との間になるように配置し、前記二焦点光学素子の長焦点位置が前記第二の領域分割波長板以遠になるように配置し、前記第一の領域分割波長板及び前記第二の領域分割波長板は、光軸に直交する面において領域分割で形成される仮想の分割線の一側にある領域のリターデーションと他側にある領域のリターデーションとの差がmλ+λ/2(mは整数、λは入射光束の波長)とし、前記第一の領域分割波長板の一側の領域におけるリターデーションと前記第二の領域分割波長板の一側の領域におけるリターデーションとの差がmλとなるように形成してなることを特徴とする偏光変換ユニット。
- 前記第一の領域分割波長板及び前記第二の領域分割波長板は、光軸に直交する面において領域分割で形成される仮想の分割線の一側にある領域に入射した光束に対して、進相軸と遅相軸とで+λ/4のリターデーションを付与し、前記領域分割で形成される仮想の分割線の他側にある領域に入射した光束に対して、進相軸と遅相軸とで−λ/4のリターデーションを付与するように領域が分割されていることを特徴とする請求項1に記載の偏光変換ユニット。
- 入射直線偏光の偏光方向によって短焦点位置と長焦点位置とに集光作用を持つ二焦点光学素子と、第一の領域分割波長板と第二の領域分割波長板とをこの順列で配置してなる偏光変換ユニットにおいて、前記二焦点光学素子の短焦点位置が前記第一の領域分割波長板と前記第二の領域分割波長板との間になるように配置し、前記二焦点光学素子の長焦点位置が第二の領域分割波長板以遠になるように配置し、前記第一の領域分割波長板及び前記第二の領域分割波長板は、光軸に直交する面において領域分割で形成される仮想の分割線の一側にある領域のリターデーションと他側にある領域のリターデーションとの差がmλ+λ/2(mは整数、λは入射光束の波長)とし、前記第一の領域分割波長板の一側の領域におけるリターデーションと前記第二の領域分割波長板の一側の領域におけるリターデーションとの差がmλ+λ/2となるように形成してなることを特徴とする偏光変換ユニット。
- 前記第一の領域分割波長板は、光軸に直交する面において領域分割で形成される仮想の分割線の一側にある領域に入射した光束に対して、進相軸と遅相軸で+λ/4のリターデーションを付与し、前記領域分割で形成される仮想の分割線の他側にある領域に入射した光束に対して、進相軸と遅相軸で−λ/4のリターデーションを付与するように領域が分割されており、前記第二の領域分割波長板は、光軸に直交する面において領域分割で形成される仮想の分割線の一側にある領域に入射した光束に対して、進相軸と遅相軸とで−λ/4のリターデーションを付与し、前記領域分割で形成される仮想の分割線の他側にある領域に入射した光束に対して、進相軸と遅相軸とで+λ/4のリターデーションを付与するように領域が分割されていることを特徴とする請求項3に記載の偏光変換ユニット。
- 前記二焦点光学素子は、光軸に垂直な面内において等方的な屈折率をもつ集光レンズと、光軸に垂直な面内において異方性屈折率をもつ透明部材とを備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
- 前記二焦点光学素子は、入射直線偏光の偏光方向によって集光位置の異なる偏光回折素子であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
- 前記二焦点光学素子は、前記領域分割で形成される仮想の分割線に沿って線上に集光する光学素子であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の偏光変換ユニット。
- 前記二焦点光学素子は、前記領域分割で形成される仮想の分割線に沿って母線を持つシリンドリカルレンズ形状であることを特徴とする請求項7に記載の偏光変換ユニット。
- 光軸に垂直な面内において、請求項1から8のいずれか1項に記載の偏光変換ユニットが複数連なっていることを特徴とする偏光変換ユニット。
- 請求項9に記載の偏光変換ユニットにおいて、前記領域分割波長板の一側の波長板と、該波長板に隣接する領域分割波長板の他側の波長板とが共通化されていることを特徴とする偏光変換ユニット。
- 請求項9または10に記載の偏光変換ユニットにおいて、前記第二の領域分割波長板の出射面にレンズアレイを配置したことを特徴とする偏光変換ユニット。
- 光源からの光束を画像形成部へ導くため照明光に形成する照明光形成部と、該照明光を画像情報へ変換するための画像形成部と、画像情報を含む光束をスクリーンへ投影するための投射部からなる画像投影装置において、前記照明光形成部の光路上に、請求項1から11のいずれか1項に記載の偏光変換ユニットを有することを特徴とする画像投影装置。
- 光源からの光束を二焦点光学素子を用いて互いに直交する2二つの直線偏光成分に分割し、一方の直線偏光成分を右回り円偏光にした後直線偏光成分に戻し、他方の直線偏光成分を左回り円偏光にした後直線偏光成分に戻すことを特徴とする偏光変換方法。
- 光源からの光束を照明光に形成し、該照明光を画像情報へ変換し、該画像情報を含む光束をスクリーンへ投影する画像投影方法において、前記光源からの光束を二焦点光学素子を用いて互いに直交する2二つの直線偏光成分に分割し、一方の直線偏光成分を右回り円偏光にした後直線偏光成分に戻し、他方の直線偏光成分を左回り円偏光にした後直線偏光成分に戻し、照明光に形成することを特徴とする画像投影方法。
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