JP2008069859A - 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法 - Google Patents

車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外側列と内側列との玉4a、4bのピッチ円直径を異ならせた車輪支持用転がり軸受ユニットに関して、両列の玉4a、4bの予圧及び接触角を何れも適正にする。
【解決手段】(B)に示した上記両列の玉4a、4bの完成状態での接触角αOUT 、αINは、互いに等しい。(A)に示した両列の初期接触角βOUT 、βINは、それぞれこれら所定の接触角αOUT 、αINよりも小さい。内側列の玉4b、4bの初期接触角βINを当該玉4b、4bの上記所定の接触角αINよりも小さくする程度「αIN−βIN」は、外側列の玉4a、4aの初期接触角βOUT を当該玉4a、4aの上記所定の接触角αOUT よりも小さくする程度「αOUT −βOUT 」よりも著しい(「αIN−βIN」>「αOUT −βOUT 」)。この構成により、完成状態で上記両列の玉4a、4bに、上記所定の接触角αOUT 、αINを付与する。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動車の車輪及びブレーキロータ等の制動用回転部材を懸架装置に対して回転自在に支持する為に使用する車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法の改良に関する。
自動車の車輪及び制動用回転部材は、車輪支持用転がり軸受ユニットにより、懸架装置に対して回転自在に支持する。この様な車輪支持用転がり軸受ユニットには、自動車が旋回走行する際に大きなモーメントが加わる為、旋回走行時の安定性を確保する為には、大きなモーメント剛性を確保する必要がある。この為従来から、車輪支持用転がり軸受ユニットとして、転動体を複列に配置すると共に、これら両列の転動体に、予圧並びに背面組み合わせ型の接触角を付与した構造が、一般的に使用されている。更に近年、大型化を防止しつつ、より大きなモーメント剛性を確保する為に、例えば特許文献1〜5に記載されている様な、両列の転動体のピッチ円直径や転動体直径を異ならせた構造が提案されている。
図3は、このうちの特許文献4に記載された構造を示している。この車輪支持用転がり軸受ユニット1は、ハブ2と、外輪3と、それぞれが転動体である複数個の玉4、4とを備える。このうちのハブ2は、ハブ本体5と内輪6とを組み合わせて成る。更に、このハブ2は、外周面の軸方向外端(軸方向に関して外とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側を言い、各図の左側。反対に、車両の幅方向中央側となる各図の右側を、軸方向に関して内と言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)寄り部分に、車輪及び制動用回転部材を支持する為の取付フランジ7を、同じく中間部及び内端部に複列の内輪軌道8a、8bを、それぞれ形成している。これら両内輪軌道8a、8bのうち、軸方向外側列の内輪軌道8aの直径は、同内側列の内輪軌道8bの直径よりも大きくしている。尚、上記取付フランジ7には、複数本のスタッド9の基端部を固定し、この取付フランジ7に、ディスク等の制動用回転体や、車輪を構成するホイールを支持固定できる様にしている。
上記両内輪軌道8a、8bの直径を異ならせる為に、図3に示した構造では、上記ハブ本体5の軸方向中間部外周面で上記外側列の内輪軌道8aよりも少し軸方向内側に寄った部分に、軸方向内側に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した、外周面側傾斜段部10を形成している。又、この外周面側傾斜段部10よりも軸方向内側に寄った、上記ハブ本体5の軸方向内端部に、小径段部11を形成している。そして、この小径段部11に、外周面に上記軸方向内側列の内輪軌道8bを形成した、上記内輪6を外嵌し、上記ハブ本体5の軸方向内端部に形成したかしめ部12により、この内輪6を上記小径段部11の軸方向外端部に存在する段差面13に向け抑え付けている。この状態で上記内輪6を、上記ハブ本体5に対し結合固定している。上記両内輪軌道8a、8bは、断面形状(母線形状)が円弧形で、互いに近付く程(ハブ2の軸方向中央に向う程)外径が小さくなる。
又、前記外輪3は、内周面に複列の外輪軌道14a、14bを、外周面にこの外輪3を懸架装置に結合固定する為の結合フランジ15を、それぞれ設けている。又、上記両外輪軌道14a、14bのうち、軸方向外側の外輪軌道14aの直径は、同内側の外輪軌道14bの直径よりも大きくしている。この為に図3に示した構造では、上記外輪3の軸方向中間部内周面で上記外側の外輪軌道14aよりも少し軸方向内側に寄った部分に、軸方向内側に向かう程内径が小さくなる方向に傾斜した、内周面側傾斜段部16を形成している。上記両外輪軌道14a、14bは、断面形状(母線形状)が円弧形で、互いに近付く程(ハブ2の軸方向中央に向う程)内径が小さくなる。
前記各玉4、4は、前記両内輪軌道8a、8bと上記両外輪軌道14a、14bとの間に、それぞれ複数個ずつ、転動自在に設けている。この状態で、複列に配置された上記各玉4、4には、予圧と共に背面組み合わせ型(DB型)の接触角を付与している。又、これら両列の玉4、4のピッチ円直径は、上記内輪軌道8a、8b及び上記両外輪軌道14a、14bの直径の差に応じて互いに異なっている。即ち、軸方向外側の列の各玉4、4(外側列)のピッチ円直径PCDOUT が、軸方向内側の列の各玉4、4(内側列)のピッチ円直径PCDINよりも大きく(PCDOUT >PCDIN)なっている。尚、図示の例では、転動体として玉4、4を使用しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、転動体として円すいころを使用する場合もある。
特許文献1〜5に記載された、両列の転動体のピッチ円直径を異ならせた車輪支持用転がり軸受ユニットの構造は上述の通りである。この様な構造の場合には、外側列のピッチ円直径PCDOUT を大きくできる分、モーメント剛性を大きくして、旋回走行時の走行安定性向上と、車輪支持用転がり軸受ユニットの耐久性向上とを図る為の設計が容易になる。一方、内側列のピッチ円直径PCDINを大きくする必要がないので、懸架装置の一部(ナックルの取付孔)を特に大径化する必要はない。従って、この懸架装置部分等を特に大型化しなくても、上記走行安定性、並びに、耐久性向上を図れる。
上述の様な車輪支持用転がり軸受ユニット1に、低トルク性、剛性、耐久性等に関して所望通りの性能を発揮させる為には、上記各玉4、4に適正な予圧を付与すると同時に、これら各玉4、4の接触角を適正に規制する必要がある。一般的には、これら各玉4、4の接触角を、外側列と内側列とで互いに等しい適正値(例えば20〜45度程度)に規制する。上記予圧は、大きい程、上記車輪支持用転がり軸受ユニット1の剛性が高くなる代わりに、動トルクが高くなると同時に、転がり接触面の疲れ寿命が低下する。一方、上記接触角は、大きくなる程、アキシアル剛性が高くなる代わりに、ラジアル剛性が低下すると同時に、転がり接触部のスピンが大きくなって転がり接触面の疲れ寿命が低下する。これらの事から明らかな通り、上記予圧及び上記接触角を適正にする事は重要である。上記特許文献1〜5に記載された、両列の転動体のピッチ円直径を異ならせた車輪支持用転がり軸受ユニットにしても、各転動体に付与する予圧及び接触角を適正に規制する事が、低トルク性、剛性、耐久性等に関して所望通りの性能を発揮させる面から重要である。但し、両列の転動体のピッチ円直径を異ならせた車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、両列の剛性が異なる為、両列の転動体のピッチ円直径を等しくした、一般的な車輪支持用転がり軸受ユニットと異なる配慮をしない限り、両列の接触角及び予圧を適切に規制する事はできない。この理由に就いて、以下に説明する。
ラジアル転がり軸受にアキシアル荷重が作用した場合、各転動体の接触角が大きくなる事は、例えば非特許文献1に記載される等により周知である。一方、本発明の対象となる車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、複列に配置した転動体にアキシアル方向の荷重を付加する事により、これら各転動体に所定の予圧を付与する。例えば、図3に示した構造では、かしめ部12により内輪6を軸方向外方に押圧し、1対の内輪軌道8a、8bのピッチを縮める事で、これら両内輪軌道8a、8bと複列の外輪軌道14a、14bとの間に配置した、上記各玉4、4に予圧を付与する。予圧の大きさ(予圧量)は、これら各玉4、4の転動体の転動面と上記両内輪軌道8a、8b及び上記両外輪軌道14a、14bとを軽く(これら各玉4、4に予圧を付与せずに)接触させた状態からの、上記内輪6の軸方向外方への変位量となる。
この事から、本発明の対象となる車輪支持用転がり軸受ユニットで、両列の転動体(玉4、4)に予圧を付与する事は、ラジアル転がり軸受にアキシアル荷重が作用するのと同様の状態であり、両列の転動体の接触角が大きくなる事が分かる。従来から広く実施されていた、一般的な車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、両列の仕様(ピッチ円直径、転動体直径、転動体数)が互いに等しい為、予圧付与に伴う、両列の転動体の接触角の変化量は同じであった。この為、車輪支持用転がり軸受ユニットの完成状態での、両列の転動体の予圧及び接触角を適正値に規制する事は、比較的容易であった。
これに対して、本発明の対象となる、両列の転動体のピッチ円直径を異ならせた車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、両列の剛性が異なる為、両列の転動体(玉4、4)に付与する予圧及び接触角を適正に規制する為には、特別な配慮が必要になる。即ち、軸方向外側の列のピッチ円直径が軸方向内側の列のピッチ円直径よりも大きい構造の場合には、アキシアル剛性に関しても、軸方向外側の列の方が軸方向内側の列よりも大きくなる。一方、予圧付与の為に両列の転動体を軸方向に押圧する力は、当然等しい。従って、予圧付与の為に内輪6を軸方向外方に押圧した場合に、各転動体への予圧付与に結び付く各部(各軌道及び転動体の転動面)の弾性変形は、外側列よりも内側列で多くなる。この結果、予圧付与に伴って接触角が増大する程度は、外側列よりも内側列で著しくなる。
この為、本発明の対象となる、両列の転動体のピッチ円直径を異ならせた車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、従来の場合と同様に、予圧付与以前の状態で、上記両列の転動体の接触角(初期接触角)を同じにしておくと、完成後(予圧付与後)の状態で、両列の接触角が異なってしまう。更に、これら両列の接触角に差が生じるのに伴って、これら両列の転動体に付与されている予圧に関しても(予圧付与の為の内輪の軸方向変位に伴って発生するアキシアル荷重が所望通りにならず)、所望値との間に差が生じる。この結果、両列の転動体の予圧及び接触角が不適正になる。図3に示した構造では、ハブ本体5の軸方向内端部に外嵌した内輪6をかしめ部12により抑え付ける構造に就いて示しているが、上述の様な問題は、内輪を抑え付ける構造に関係なく生じる。例えば、ハブ本体の軸方向内端部に設けた雄ねじ部に螺合したナットにより、内輪の軸方向内端面を抑え付けてこの内輪を軸方向外方に押圧する構造も知られているが、この様な構造でも、同様の問題を生じる。又、内輪を等速ジョイントのハウジングにより抑え付ける構造でも、同様に生じる。更に、転動体が円すいころの場合でも、同様の問題を生じる。
特開2003−232343号公報 特開2004−108449号公報 特開2004−345439号公報 特開2006−137365号公報 国際公開WO2005/065077 岡本純三著、発行、「ころがり軸受・ころ軸受の動的負荷容量」、有限会社正文社印刷、昭和63年9月、p.62−65
本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法は、上述の様な事情に鑑み、外側列と内側列との転動体のピッチ円直径を異ならせた車輪支持用転がり軸受ユニットに関して、両列の転動体の予圧及び接触角を何れも適正にできる製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の製造方法の対象となる車輪支持用転がり軸受ユニットは、前述の図3に示した従来構造と同様に、外輪と、ハブと、複数個の転動体とを備える。
このうちの外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有する。
又、上記ハブは、外周面の軸方向外端部に車輪を支持固定する為の取付フランジを、同じく軸方向に関する中間部及び内端部に複列の内輪軌道を、それぞれ有するもので、ハブ本体と内輪とを組み合わせて成る。このうちのハブ本体は、軸方向中間部に外側列の内輪軌道を、軸方向内端部に小径段部を、それぞれ設けたものである。又、上記内輪は、外周面に内側列の内輪軌道を設け、この小径段部に外嵌されて軸方向外側に向け抑え付けられた状態で、上記ハブ本体に対し結合固定されている。
又、上記各転動体は、これら両内輪軌道と上記両外輪軌道との間に、各列毎に複数個ずつ、背面組み合わせ型で両列毎に所定の接触角及び予圧を付与された状態で設けられている。
そして、軸方向外側の列のピッチ円直径が、軸方向内側の列のピッチ円直径よりも大きい。
上述の様な車輪支持用転がり軸受ユニットを造る為の、本発明の製造方法は、外側列と内側列との間で、初期接触角を互いに異ならせている。尚、この初期接触角とは、上記両列の転動体の転動面と上記両内輪軌道及び上記両外輪軌道とを、これら各転動体に予圧を付与せずに(各部を弾性変形させずに軽く)接触させた状態での、これら各転動体の接触角を言う。この様な初期接触角に関して、上記両列の転動体の初期接触角を、それぞれ上記所定の接触角よりも小さくしておく。且つ、内側列の転動体の初期接触角を当該転動体の所定の接触角よりも小さくする程度を、外側列の転動体の初期接触角を当該転動体の所定の接触角よりも小さくする程度よりも著しくしておく。そして、上記内輪を軸方向外側に向け抑え付けた状態で、上記両列の転動体の接触角を、それぞれ上記所定の接触角とする。
上述の様な本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法を実施する場合に、例えば請求項2に記載した様に、上記両列の転動体に関する所定の接触角を互いに等しくする。この為に、上記外側列の転動体の初期接触角を、上記内側列の転動体の初期接触角よりも大きく設定する。
或いは、本発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項3に記載した様に、上記外側列の転動体の数を上記内側列の転動体の数よりも多くする。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に、より好ましくは、請求項4に記載した様に、上記外側列の転動体の直径を上記内側列の転動体の直径よりも小さくする。
上述の様に構成する本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法によれば、外側列と内側列との転動体のピッチ円直径を異ならせた車輪支持用転がり軸受ユニットに関して、両列の転動体の予圧及び接触角を何れも適正にできる。即ち、ピッチ円直径の差に基づく両列のアキシアル剛性の差に応じて、両列の転動体の初期接触角を異ならせているので、これら両列の転動体に所定の予圧を付与した状態で、これら両列の転動体の接触角をそれぞれ所定値(適正値)にできる。又、完成状態(予圧付与後の状態)での両列の転動体の接触角を互いに等しくできるので、予圧付与の為の内輪の変位量を所望通りのアキシアル荷重に変換して、上記両列の転動体に、それぞれ適正な予圧を付与できる。この結果、完成後の車輪支持用転がり軸受ユニットに、低トルク性、剛性、耐久性等に関して所望通りの性能を発揮させる事ができる。又、転動体が玉の場合に、接触角が過大になって、玉の転動面が軌道面の縁に乗り上げ、転がり接触部にエッジロードが加わる事を防止して、玉の転動面に、早期剥離、フレーキング等の損傷が発生する事を防止できる。
図1〜2は、全部の請求項に対応する、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、それぞれが転動体である複数の玉4a、4aにより構成される外側列の転がり軸受部分のアキシアル剛性と、同じく複数の玉4b、4bにより構成される内側列の転がり軸受部分のアキシアル剛性とが異なる場合にも、これら両列の玉4a、4bに、適正な予圧及び接触角を付与する点にある。尚、図示の例では、外側列の玉4a、4aの直径(例えば、約10.3mm)を、内側列の玉4b、4bの直径(例えば、約11.1mm)よりも小さくして、外側列の玉4a、4aの数(例えば15個)を、内側列の玉4b、4bの数(例えば11個)よりも多くしている。これに合わせて、外側列の内輪軌道8a及び外輪軌道14aの断面形状(母線形状)の曲率半径を、内側列の内輪軌道8b及び外輪軌道14bの断面形状の曲率半径よりも小さくしている。又、外側列の玉4a、4aのピッチ円直径を例えば60mmとし、内側列の玉4b、4bのピッチ円直径を例えば50mmとしている。これらにより本例の場合には、上記各玉4a、4aにより構成される外側列の転がり軸受部分のアキシアル剛性が、上記各玉4b、4bにより構成される内側列の転がり軸受部分のアキシアル剛性よりも大幅に大きくなっている。この為、自動車の走行性能の向上を図る面から有効である反面、上記両列の玉4a、4bにそれぞれ適切な予圧及び接触角を付与する事が難しい構造となっている。その他の部分の構成及び作用は、前述の図3に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明及び本例の特徴部分を中心に説明する。
上述の様な車輪支持用転がり軸受ユニット1aで、上記両列の玉4a、4bの完成状態(所定の予圧を付与した状態)での接触角αOUT 、αIN{図2の(B)}は、互いに等しく(αOUT =αIN)している。この様な完成状態での接触角αOUT 、αINは、上記車輪支持用転がり軸受ユニット1aに必要とされる、低トルク性、剛性、耐久性等の性能を勘案して、例えば20〜45度程度の範囲で、設計的に定める。
特に、本発明の製造方法は、図2の(A)に示す様に、外側列と内側列との間で、初期接触角βOUT 、βINを、互いに異ならせている。尚、この初期接触角βOUT 、βINとは、前述した様に、上記両列の玉4a、4bの転動面と前記両内輪軌道8a、8b及び前記両外輪軌道14a、14bとを、これら各玉4a、4bに予圧を付与せずに(各部を弾性変形させずに軽く)接触させた状態での、これら各玉4a、4bの接触角をいう。本発明の製造方法の場合には、この様な両列の初期接触角βOUT 、βINを、それぞれ上記所定の接触角αOUT 、αINよりも小さく(βOUT <αOUT 、βIN<αIN)しておく。且つ、内側列の玉4b、4bの初期接触角βINを当該玉4b、4bの上記所定の接触角αINよりも小さくする程度、即ち、これら両接触角βIN、αINの差「αIN−βIN」を、外側列の玉4a、4aの初期接触角βOUT を当該玉4a、4aの上記所定の接触角αOUT よりも小さくする程度、即ち、これら両接触角βOUT 、αOUT の差「αOUT −βOUT 」よりも著しく(「αIN−βIN」>「αOUT −βOUT 」の関係に)しておく。
上記車輪支持用転がり軸受ユニット1aを組み立てる場合には、図2の(A)に示す様に、ハブ本体5の軸方向内端部に設けた小径段部11に内輪6を外嵌した状態から、このハブ本体5の軸方向内端部に形成した円筒部17の先端部でこの内輪6の軸方向内端面よりも突出した部分を径方向外方に塑性変形して(かしめ広げて)、図2の(B)に示す様に、かしめ部12とする。このかしめ部12を形成する過程で、上記内輪6を、軸方向外方に変位させる。そして、このかしめ部12の完成状態でこの内輪6を、上記小径段部11の軸方向外端部に存在する段差面13に向け抑え付ける。この過程で、上記内輪6の外周面に形成した内側列の内輪軌道8bと、上記ハブ本体5の中間部外周面に形成した外側列の内輪軌道8aとの距離が縮まり、上記両列の玉4a、4bに、上記内輪6の軸方向外方への変位量に見合った予圧が付与される。この際、これら両列の玉4a、4bの接触角が増大する。即ち、これら両列の玉4a。4bの初期接触角βOUT 、βINが、それぞれ上記所定の接触角αOUT 、αINに迄変化する。
従って、上記両列の玉4a、4bの初期接触角βOUT 、βINと、上記かしめ部12の加工に伴うこれら両列の玉4a、4bに付与する予圧(∝上記内輪6の軸方向外方への変位量)を適切に規制すれば、完成後の車輪支持用転がり軸受ユニット1aで、上記両列の玉4a、4bの接触角を、上記所定の接触角αOUT 、αINに規制できる。上記両列の玉4a、4bに付与する予圧に基づく接触角の変位量は、前述した非特許文献1に記載されている様に、次の(1)式で求められる。
Figure 2008069859
尚、この(1)式中のαは上記所定の接触角αOUT 、αINに、同じくβは上記初期接触角βOUT 、βINに、それぞれ対応する。又、Qは転動体荷重(アキシアル予圧)を、Da は玉の直径を、ri は内輪軌道の断面の曲率半径を、re は外輪軌道の断面の曲率半径を、それぞれ表している。又、cは、内輪、外輪両軌道の曲率半径の平均値fm の玉直径に対する割合{fm =(ri +re )/(2・Da )}により定まる接触変形の定数で、次の表1で表される。
Figure 2008069859
これら(1)式及び表1から、上記所定の接触角αOUT 、αINを目標として上記初期接触角βOUT 、βINを設定すれば、前記かしめ部12により前記内輪6を軸方向外側に向け、前記段差面13に抑え付けた状態で、前記両列の玉4a、4bの接触角を、それぞれ上記所定の接触角αOUT 、αINにできる。
上述の様に本例の製造方法によれば、外側列と内側列との玉4a、4bのピッチ円直径、これら各玉4a、4bの直径及び数を異ならせた車輪支持用転がり軸受ユニットに関して、両列の玉4a、4bの予圧及び接触角を何れも適正にできる。この結果、完成後の車輪支持用転がり軸受ユニット1aに、低トルク性、剛性、耐久性等に関して所望通りの性能を発揮させる事ができる。
本発明は、ハブ本体の内端部に外嵌した内輪をかしめ部により抑え付ける構造に限らず、ナットにより抑え付ける構造で実施する事もできる。又、複列に配置された転動体の、一方又は両方の列が円すいころである構造で実施する事もできる。更に、両列の転動体の、完成状態での接触角は、必ずしも等しくする必要はない。即ち、両列の転動体のピッチ円直径、転動体直径等に応じて、両列の剛性を最適にできる様に、異ならせても良い。
本発明の実施の形態の1例を示す断面図。 (A)は予圧付与以前の状態を、(B)は予圧付与後の状態を、それぞれ示す、図1のX部拡大図。 本発明の製造方法対象となる、従来から知られている構造の1例を示す断面図。
符号の説明
1、1a 車輪支持用転がり軸受ユニット
2 ハブ
3 外輪
4、4a、4b 玉
5 ハブ本体
6 内輪
7 取付フランジ
8a、8b 内輪軌道
9 スタッド
10 外周面側傾斜段部
11 小径段部
12 かしめ部
13 段差面
14a、14b 外輪軌道
15 結合フランジ
16 内周面側傾斜段部
17 円筒部

Claims (4)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面の軸方向外端部に車輪を支持固定する為の取付フランジを、同じく軸方向に関する中間部及び内端部に複列の内輪軌道を、それぞれ有するハブと、これら両内輪軌道と上記両外輪軌道との間に各列毎に複数個ずつ、背面組み合わせ型で両列毎に所定の接触角及び予圧を付与された状態で設けられた転動体とを備え、上記ハブは、ハブ本体と内輪とを組み合わせたものであり、このうちのハブ本体は、軸方向中間部に外側列の内輪軌道を、軸方向内端部に小径段部を、それぞれ設けたものであり、上記内輪は、外周面に内側列の内輪軌道を設け、この小径段部に外嵌されて軸方向外側に向け抑え付けられた状態で上記ハブ本体に対し結合固定されており、軸方向外側の列のピッチ円直径が軸方向内側の列のピッチ円直径よりも大きい車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法であって、上記両列の転動体の転動面と上記両内輪軌道及び上記両外輪軌道とを、これら各転動体に予圧を付与せずに接触させた状態でのこれら各転動体の接触角を初期接触角とした場合に、上記両列の転動体の初期接触角を、それぞれ上記所定の接触角よりも小さくし、且つ、内側列の転動体の初期接触角を当該転動体の所定の接触角よりも小さくする程度を、外側列の転動体の初期接触角を当該転動体の所定の接触角よりも小さくする程度よりも著しくしておき、上記内輪を軸方向外側に向け抑え付けた状態で、上記両列の転動体の接触角を、それぞれ上記所定の接触角とする車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。
  2. 両列の転動体に関する所定の接触角を互いに等しくする為、外側列の転動体の初期接触角を内側列の転動体の初期接触角よりも大きく設定する、請求項1に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。
  3. 外側列の転動体の数を内側列の転動体の数よりも多くする、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。
  4. 外側列の転動体の直径を内側列の転動体の直径よりも小さくする、請求項3に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。
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