JP2008067477A - 電気機器 - Google Patents

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信広 栗尾
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Abstract

【課題】基本モジュール毎にCT等の電流検出手段を設けることなく、少ない電流検出手段で、電源モジュールに故障が発生したことを検出できる電気機器を提供する。
【解決手段】複数の基本モジュールPS1〜PS10は、複数のグループA,Bに分けられており、グループ毎に基本モジュールが並列接続され、全グループが並列接続されている。また、グループAの電流線とグループBの電流線とが、電流方向が逆になるようにCT11の貫通孔に貫通されている。そして、判定回路13でCT11が検出する電流値を監視しており、CT11が検出する電流値が、予め設定された上限値以上または下限値以下であると、警報を出力する。CT11の貫通孔には、上記のように出力線が貫通されているので、電気機器1の動作時に検出する電流は、従来の電気機器に比べて小さくなり、従来よりも小型で小容量のCTを用いて、故障を確実に検出することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の基本モジュールを並列に接続した電機機器であって、基本モジュールの入力電流または出力電流を監視して、基本モジュールの故障を検出する機能を備えた電気機器に関する。
DC−DCコンバータやAC−DCコンバータ等により構成される電源装置では、必要とする入力電圧、出力電圧、出力電力等に柔軟に対応するために、複数の基本モジュールを組み合わせて構成することが多く、複数のメーカから、このようなコンセプトによる電源装置が提案・販売されている。
電源装置を、複数個の基本モジュールを組み合わせて構成することで、電源の構成・構築を柔軟に行うことができ経済的である。また、短期間でパワーシステムの設計を行うことができ、基本モジュールの機種を絞り込むことで、使用部品の種類を抑制でき、また、一種類の部品の購入個数を増加させることができるので、コストメリットを得ることができる。
このような電源装置では、各基本モジュールの故障を検出するために、基本モジュールの並列接続後の総電流を検出する構成を備えたもの(例えば、特許文献1参照。)や、各基本モジュールに電流検出回路を設けたものがあった(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−219651公報 特開平8−149692公報
図1,2は、従来の電源装置における各基本モジュールの故障を検出する構成を示した回路図である。図1,2には、一例として、同一定格の基本モジュールを10台並列接続した電源装置を記載している。まず、図1には、特許文献1に記載の構成のように、電源装置101を構成する各基本モジュールPS101〜PS110の出力電流を一括して検出するCT100を設置した場合を示している。基本モジュールとしては、例えばDC−DCコンバータやAC−DCコンバータが好適である。このように構成することで、各基本モジュールの故障により電流が変化するのを検出するために、基本モジュール毎にCTを設けなくても良いので、コストアップを防止できる。
このように、出力側を並列接続した構成を1ユニットとし、ユニットの出力電流の定格を1pu(=100%)とすると、各基本モジュールの定格出力電流を、ユニットから見れば0.1pu(=10%)となる。
ここで、基本モジュールPS101〜PS110のうち一つに故障が生じたとし、その故障した基本モジュールにて、基本モジュール定格電流ベースの1.5pu(=150%)、すなわち、ユニットベースで0.1pu×1.5=0.15puの過電流が流れたとする。そのとき、基本モジュールPS101〜PS110の全出力電流を一括して検出できるように設置したCT100での電流増加は、0.1pu×9台+0.15pu×1台=1.05であり、僅か0.05pu(=5%)の電流増加としてしか現れない。
これを故障として検出するためには、その判定レベルを1.05pu(=105%)以下にしなければない。しかし、過渡的な負荷変動等を考慮すれば、ユニットの過電流を105%に設定することは、誤検出を引き起こす可能性が高く、現実的ではない。
一方、誤検出を避けるために、ユニットの過電流決定を例えば、1.2pu(=120%)に設定すれば、1.2pu=0.1pu×9台+0.3pu×1台となってしまい、故障が生じた基本モジュールでは、定格の300%もの故障電流が流れないと、故障が検出されないことになる。
そのため、従来は、図2に示す電源装置102のように、基本モジュールPS101〜PS110のそれぞれに電流検出手段として例えばCT101〜110を設けなければ、各基本モジュールPS101〜PS110の実用的な故障検出ができなかった。しかしながら、このように構成した場合には、基本モジュールと同数のCT(電流検出手段)及び判定回路が必要になるため、コストアップにつながるという問題があった。
そこで、本発明は、基本モジュール毎にCT等の電流検出手段を設けることなく、少ない電流検出手段で、基本モジュールに故障が発生したことを検出できる電気機器を提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
(1)電流が入力または出力される電流線を備える基本モジュールを複数個並列に接続して構成され、電流線を電流検出手段の貫通孔に貫通させることで電流値を検出する電気機器において、
前記基本モジュールを複数のグループに分割し、グループ毎に電流線を並列接続するとともに、全グループを並列接続し、
前記貫通孔には、前記複数のグループにおける第1のグループの電流線と第2のグループの電流線とを、それぞれの電流線に流れる電流の方向が逆になるように貫通させ、
前記電流検出手段で検出した電流値が予め設定された電流範囲を超えると警報を出力する電流監視手段を備えたことを特徴とする。
この構成においては、複数の基本モジュールは、複数のグループに分けられており、グループ毎に基本モジュールが並列接続され、また、全グループが並列接続されている。さらに、第1のグループの電流線と第2のグループの電流線とが、それぞれの電流線の電流方向が逆になるように電流検出手段の貫通孔に貫通されている。そして、電流監視手段で電流検出手段が検出する電流値を監視しており、電流検出手段が検出する電流値が、予め設定された電流範囲を超えると、警報を出力する。電流検出手段の貫通孔には、上記のように電流線が貫通されているので、電気機器の動作時に検出する電流は、従来の電気機器に比べて小さくなり、従来よりも小型で小容量の電流検出手段を用いることができる。また、過電流検出レベルは、並列台数に関係ないので、電流範囲の設定により、故障を確実に検出することができる。
(2)前記電流線は、電流が出力される出力線であることを特徴とする。
この構成においては、基本モジュールから電流が出力される出力線が貫通孔に貫通されている。したがって、従来よりも小型で小容量の電流検出手段を用いて、基本モジュールの出力電流を監視できるので、基本モジュールのいずれかの故障を確実に検出できる。
(3)前記電流線は、電流が入力される入力線であることを特徴とする。
この構成においては、基本モジュールに電流が入力される入力線が貫通孔に貫通されている。したがって、従来よりも小型で小容量の電流検出手段を用いて、基本モジュールの入力電流を監視できるので、基本モジュールのいずれかの故障を確実に検出できる。
(4)前記各基本モジュールは、同一の定格出力電流であり、
前記第1のグループの基本モジュールと、前記第2のグループの基本モジュールと、が同数であることを特徴とする。
この構成においては、第1のグループの基本モジュールと、第2のグループの基本モジュールが同数であり、また、各基本モジュールが同一の定格出力電流である。この場合、第1のグループの電流線と第2のグループの電流線とに流れる電流はほぼ同じであり、電流方向が逆になるように電流検出手段の貫通孔に両グループの電流線を貫通させることで、基本モジュールが故障していないときには、電流検出手段が検出する電流はほぼ零になる。したがって、基本モジュールが故障した場合には、電流のほぼ零からの変化を検出すれば良いので、基本モジュールの故障を容易且つ確実に検出することができる。
(5)前記基本モジュールは、交流電流を出力する電源モジュールであり、
前記複数の基本モジュールから出力する電流を全て同相に調相する調相手段を備えたことを特徴とする。
この構成においては、基本モジュールが交流電流を供給する電源モジュールの場合には、調相手段が基本モジュールから出力する電流を全て同相に調相するので、負荷に対して効率良く電流を供給でき、また、電流検出手段の貫通孔に第1のグループの電流線と、第2のグループの電流線と、をそれぞれ電流方向を逆にして貫通させることで、基本モジュールの故障を確実に検出できる。
本発明の電気機器によれば、複数の基本モジュールを複数のグループに分けて、第1のグループと第2のグループから供給される電流の方向を逆にして電流検出手段の貫通孔に貫通させて、両グループの電流線に流れる電流の合計の変動を電流監視手段で監視しているので、複数の基本モジュールのいずれかが故障した場合には、全基本モジュールから供給される電流値が変化するので、基本モジュールの故障を容易に検出することができる。
図3は、本発明の実施形態に係る電気機器の概略構成図である。なお、図3には、基本モジュールPS1〜PS10に対して電流を入力する構成を図示していない。
図3に示すように、電気機器1は、一例として同一定格の直流電源ユニットである基本モジュールPS1〜PS10を並列に接続した構成であり、これにより大容量の電流を供給できる。
ここで、基本モジュールとしては、例えばDC−DCコンバータやAC−DCコンバータが好適である。また、基本モジュールとしては、鉛電池、太陽電池等の電池類であっても良い。
基本モジュールPS1は、出力端子P1・N1を備えている。また、他の基本モジュールPS2〜PS10も同様に、出力端子P2〜P10・N2〜N10を備えている。各基本モジュールPS1〜PS10は、基本モジュールPS1〜PS5が並列に接続されたグループAと、基本モジュールPS6〜PS10が並列に接続されたグループBと、の2つのグループに分けられている。また、グループAとグループBは、並列に接続されて、負荷Lに電流を供給する。
電気機器1は、電流検出手段であるCT11を備えている。CT11は、貫通形の直流変流器であり、貫通孔には、基本モジュールPS1〜PS5の出力端子P1〜P5を並列接続したケーブルP11と、基本モジュールPS6〜PS10の出力端子N6〜N10を並列接続したケーブルN12と、が、電流方向(電流の流れる向き)が逆になるように、貫通されている。CT11の出力信号は判定回路13に送られる。
なお、グループAを構成する基本モジュールPS1〜PS5の端子P1〜P5に接続した各ケーブル、及びグループBを構成する基本モジュールPS6〜PS10の端子N6〜N10に接続した各ケーブルをCT11の貫通孔にそれぞれ貫通させてから各ケーブルを並列接続してケーブルP11とケーブルN12にまとめるようにしても良い。
ケーブルP11とケーブルP12とが並列接続されたケーブルP13、及びケーブルN11とケーブルN12とが並列接続されたケーブルN13が、負荷Lに接続される。
図3において、基本モジュールPS1〜PS10は、前記のように同一定格であり、グループAを構成する基本モジュールとグループBを構成する基本モジュールが同数なので、ケーブルP11と、ケーブルN12には、ほぼ同じ電流が流れる。また、ケーブルP11に流れる電流の向きと、ケーブルN12に流れる電流の向きと、が逆になるように、ケーブルP11とケーブルN12はCT11の貫通孔を貫通している。そのため、基本モジュールPS1〜PS10が故障せずに正常な状態のときには、CT11が検出する電流は、ほぼ零である。
これに対して、基本モジュールPS1〜PS10のいずれかが故障した場合には、CT11の貫通孔を貫通するケーブルP11またはN12に流れる電流値が変わるため、判定回路13でCTが検出した電流値が、上限値以上または下限値以下の場合には、判定回路13は警報を出力するとともに、基本モジュールPS1〜PS10の動作を停止させる。
このように、基本モジュール数に関係なく、各基本モジュールの差電流を検出する電流検出手段であるCT11を設けることで、各基本モジュールが正常であれば、それぞれほぼ均等な電流を供給するので、電気機器1の負荷の如何にかかわらず、CT11の貫通孔を貫通するケーブルP11,N12を流れる電流の合計値は、常にほぼ零となる。
基本モジュールのうち一つが過電流や故障で電流が正常でなくなった場合には、CTを通過する電流がほぼ零からある電流値に変化するが、変換幅は一つの基本モジュールにおいて、
(故障した基本モジュールの電流)−(基本モジュールの定格電流値)
である。そのため、図1に基づいて説明した従来の電源装置に用いているCTよりも小型で小容量のものを使用することが可能である。また、過電流検出レベルは、並列台数に関係ないので、故障を確実に検出することができる。
なお、基本モジュールで故障が起きると、電流がほぼ零からプラスの値に変化する場合と、ほぼ零からマイナスの値に変化する場合と、いずれかになるので、判定回路13には、ウインドウコンパレータを用い、プラスマイナスの設定値幅(ゾーンまたは電流範囲)から逸脱する電流が流れた場合に、故障と判定する。また、故障検出だけでなく、並列接続された基本モジュールの電流のアンバランスも検出できる。
一例として、各基本モジュールの定格出力電流を10Aとすると、一つの基本モジュールが故障して、12Aの過電流が流れるようになった場合、CT11の貫通孔を貫通するケーブルP11,N12に流れる電流の合計値は、ほぼ零から+2Aまたは−2Aになる。したがって、判定回路13の上限値を1Aに、下限値を−1Aに設定しておくことで、正確な故障検出が可能となる。
CT11の貫通孔に貫通させるケーブルは、以下の組み合わせでも良い。図4は、CTの貫通孔に貫通させるケーブルを示す図である。なお、図4には、基本モジュールPS1〜PS10に対して電流を入力する構成を図示していない。
例えば、図4に示す電気機器2のように、図3に示した電気機器1のケーブルP11とケーブルP12を、電流方向が逆になるようにCT11の貫通孔に貫通させると良い。また、ケーブルN11とケーブルN12、またはケーブルN11とケーブルP12を、電流方向が逆になるようにCT11の貫通孔に貫通させると良い。このようにケーブルを貫通させることで、CT11の貫通孔に貫通させるケーブルに流れる電流の合計値はほぼ零になり、基本モジュールの故障時には電流が変化するので、基本モジュールの故障を確実に検出することができる。
次に、以上の説明では2n個(偶数個)の同一定格の基本モジュールを2つのグループに分けた場合について説明したが、これに限るものではなく、2n+1個(奇数個)の同一定格の基本モジュールを2つのグループに分けた場合でも、基本モジュールの故障を検出することが可能である。
図5は、電気機器の構成を示す回路図である。図5には、9個の同一定格の基本モジュール(直流電源モジュール)PS21〜PS29により構成された電気機器3を示している。なお、図5には、基本モジュールPS21〜PS29に対して電流を入力する構成を図示していない。
電気機器3では、各電源モジュールPS21〜PS29は、電源モジュールPS21〜PS25を並列接続したグループCと、電源モジュールPS26〜PS29を並列接続したグループDと、の2つのグループに分けられている。また、グループCとグループDとは、並列接続されて、負荷Lに対して電流を供給している。
電気機器3は、電流検出手段であるCT21を備えている。CT21は、貫通形の直流変流器であり、貫通孔には、基本モジュールPS21〜PS25の出力端子P21〜P25を並列接続したケーブルP31と、基本モジュールPS26〜PS29の出力端子N26〜N29を並列接続したケーブルN32と、が、電流方向(電流の流れる向き)が逆になるように、貫通されている。CT21が検出した電流値の信号は判定回路23に送られる。判定回路23は、CT21が検出した電流値が、予め設定された上限値以上かまたは下限値以下であると、警報信号を出力するとともに、基本モジュールPS21〜PS29の動作を停止させる。
一例として、各基本モジュールの定格出力電流を10Aとすると、グループCは5台の基本モジュールにより構成され、グループDは4台の基本モジュールにより構成されているので、全基本モジュールが正常に動作しているときには、CT11の貫通孔を貫通するケーブルP11,N12に流れる電流の合計値は、10Aである。これに対して、一つの基本モジュールが故障して、12Aの過電流が流れるようになった場合、CT11の貫通孔を貫通するケーブルP11,N12に流れる電流の合計値は、10Aから+12Aまたは8Aに変化する。したがって、判定回路13の上限値及び下限値を11A及び9Aに設定しておくことで、正確な故障検出が可能となる。また、このような構成であっても、小型で小容量のCTを採用して、基本モジュールの故障を検出することができる。
次に、上記の説明では、各基本モジュールが同一定格のものを採用した場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、基本モジュールの定格が異なっていても良い。
例えば、図3において、基本モジュールPS1,PS2,PS6,PS7として定格出力電流が5Aのものを使用し、基本モジュールPS3,PS4,PS8,PS9として定格出力電流が10Aのものを使用し、基本モジュールPS5,PS10として定格出力電流が15Aのものを使用して、電気機器により構成する。このように、各基本モジュールの定格出力電流が異なっていても、判定回路13に設定する上限値及び下限値を適切な値に設定することで、問題なく基本モジュールの故障を検出することできる。
以上のように、本発明の電気機器では、各基本モジュールに流れる電流を監視するための電流検出手段として、CTを一つ用いれば良く、また、CTの電流容量が小さなものを採用することができるので、電流値の変化を確実に検出することができる。
次に、以上の説明では、一つのCTを用いて基本モジュールの故障を検出した場合について説明したが、複数のCTを用いて基本モジュールの故障を検出することも、もちろん可能である。図6は、電気機器の別の構成を示す回路図である。図6に示す電気機器4は、同一定格の9個の基本モジュールPS41〜PS49と、CT31,CT32と、判定回路33,34を備えている。なお、図6には、基本モジュールPS41〜PS49に対して電流を入力する構成を図示していない。
電気機器4は、図6に示すように、基本モジュールPS41〜PS49が、基本モジュールPS41〜PS43を並列接続したグループE、基本モジュールPS44〜PS46を並列接続したグループF、基本モジュールPS47〜PS49を並列接続したグループGの3つのグループに分けられている。そして、グループEを構成する基本モジュールPS41〜PS43の出力端子P41〜P43を並列接続したケーブルP51と、グループFを構成する基本モジュールPS44〜PS46の出力端子N44〜N46を並列接続したケーブルN52と、が、電流方向(電流の流れる向き)が逆になるように、CT31の貫通孔に貫通されている。
また、グループFを構成する基本モジュールPS44〜PS46の出力端子N44〜N46を並列接続したケーブルN52と、グループGを構成する基本モジュールPS47〜PS49の出力端子P47〜P49を並列接続したケーブルP53と、が、電流方向(電流の流れる向き)が逆になるように、CT32の貫通孔に貫通されている。
そして、ケーブルP51〜P53を並列接続したケーブルP54と、ケーブルN51〜N53を並列接続したケーブルN54と、が負荷Lに接続される。
このように構成することで、いずれかの基本モジュールが故障した際には、基本モジュールの出力電流が変化するため、2つのCTにより基本モジュールの故障を容易に検出できる。また、図3に示した電気機器1と同様、小型で小容量のCTを採用することができる。
また、20台の基本モジュールを並列接続して電気機器を構成する場合には、図3に示したように構成して、基本モジュールから供給する電流を、10台毎に一つのCTで監視するように構成すると良い。
以上の説明では、基本モジュールとして、直流電流を供給するDC−DCコンバータやAC−DCコンバータ等を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、交流電流を供給するモータや発電機を並列接続した構成であっても良い。この場合、各基本モジュールから供給する交流電流を全て同相に調相することで、負荷Lに対して効率良く電流を供給でき、また、CTの貫通孔に一つのグループの出力線の一方と、別のグループの出力線の一方と、の電流方向を逆にして貫通させることで、基本モジュールの故障を確実に検出できる。そのため、基本モジュールとして、モータや発電機を用いる場合には、各基本モジュールから供給する交流電流を同相に調相する調相器を設けると良い。
これにより、直流電流を供給する基本モジュールを用いた場合と同様に、基本モジュールに故障が発生した場合には、確実に検出することができる。
また、以上の説明では、基本モジュールの出力側の電流線(出力線)を、CTの貫通孔に通過させる場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、図3〜図6に基づいて説明したように、基本モジュールに電流が入力される(供給される)入力線を、CTの貫通孔に貫通させるように構成して電流を監視することで、基本モジュールの故障を検出することができる。例えば、図7に示すように構成すると良い。
図7は、図3に示した電機機器に対して、その入力側の電流線(入力線)に対してCTを設けた状態を示す概略構成図である。ここで、電気機器5を構成する基本モジュールPS1〜PS10は、一例としてDC−DCコンバータ、または電池(鉛電池、太陽電池等)であるものとする。
基本モジュールPS1は、入力端子Pin1・Nin1を備えている。また、他の基本モジュールPS2〜PS10も同様に、出力端子Pin2〜Pin10・Nin2〜Nin10を備えている。各基本モジュールPS1〜PS10は、基本モジュールPS1〜PS5が並列に接続されたグループAと、基本モジュールPS6〜PS10が並列に接続されたグループBと、の2つのグループに分けられている。また、グループAとグループBは、並列に接続されて、負荷Lに電流を供給する。
電気機器5は、電流検出手段であるCT41を備えている。CT41は、貫通形の直流変流器であり、貫通孔には、基本モジュールPS1〜PS5の入力端子Pin1〜Pin5を並列接続したケーブルPin21と、基本モジュールPS6〜PS10の入力端子Nin6〜Nin10を並列接続したケーブルNin22と、が、電流方向(電流の流れる向き)が逆になるように、貫通されている。また、基本モジュールPS6〜PS10の入力端子Pin6〜Pin10を並列接続したケーブルPin22と、前記のケーブルPin21と、は並列接続されており、電源からのケーブルPin11に接続されている。また、基本モジュールPS1〜PS5の入力端子Nin1〜Nin5を並列接続したケーブルNin21と、前記のケーブルNin22と、は並列接続されており、電源からのケーブルNin11に接続されている。
CT41の出力信号は判定回路43に送られる。
図7において、基本モジュールPS1〜PS10は、同一定格であり、グループAを構成する基本モジュールとグループBを構成する基本モジュールが同数なので、ケーブルPin21と、ケーブルNin22には、ほぼ同じ電流が流れる。また、ケーブルPin21に流れる電流の向きと、ケーブルNin22に流れる電流の向きと、が逆になるように、ケーブルPin21とケーブルNin22はCT41の貫通孔を貫通している。そのため、基本モジュールPS1〜PS10が故障せずに正常な状態のときには、CT41が検出する電流は、ほぼ零である。
これに対して、基本モジュールPS1〜PS10のいずれかが故障した場合には、CT41の貫通孔を貫通するケーブルPin21またはNin22に流れる電流値が変わるため、CT41が検出した電流値が上限値以上または下限値以下の場合には、判定回路43は警報を出力するとともに、基本モジュールPS1〜PS10の動作を停止させる。
このように、基本モジュール数に関係なく、各基本モジュールの差電流を検出する電流検出手段であるCT41を、各基本モジュールの入力側に設けることで、各基本モジュールが正常であれば、それぞれほぼ均等な電流が供給されるので、電気機器5の負荷の如何にかかわらず、CT41の貫通孔を貫通するケーブルPin21,Nin22を流れる電流の合計値は、常にほぼ零となる。
したがって、判定回路43の上限値及び下限値を適切な値に設定しておくことで、電気機器5では、CTを基本モジュールの入力側に設けた場合でも、正確な故障検出が可能となる。
従来の電源装置における各基本モジュールの故障を検出する構成を示した回路図である。 従来の電源装置における各基本モジュールの故障を検出する構成を示した回路図である。 本発明の実施形態に係る電気機器の概略構成図である。 CTの貫通孔に貫通させるケーブルを示す図である。 電気機器の構成を示す回路図である。 電気機器の別の構成を示す回路図である。 図3に示した電機機器に対して、その入力側の電流線(入力線)に対してCTを設けた状態を示す概略構成図である。
符号の説明
1〜5−電気機器 CT11,CT21,CT31,CT32,CT41,CT100〜CT110−CT(電流検出手段) 13,23,33,34,43−判定回路 PS1〜PS10,PS21〜PS29,PS41〜PS49,PS101〜PS110−基本モジュール

Claims (5)

  1. 電流が入力または出力される電流線を備える基本モジュールを複数個並列に接続して構成され、電流線を電流検出手段の貫通孔に貫通させることで電流値を検出する電気機器において、
    前記基本モジュールを複数のグループに分割し、グループ毎に電流線を並列接続するとともに、全グループを並列接続し、
    前記貫通孔には、前記複数のグループにおける第1のグループの電流線と第2のグループの電流線とを、それぞれの電流線に流れる電流の方向が逆になるように貫通させ、
    前記電流検出手段で検出した電流値が予め設定された電流範囲を超えると警報を出力する電流監視手段を備えたことを特徴とする電気機器。
  2. 前記電流線は、電流が出力される出力線である請求項1に記載の電気機器。
  3. 前記電流線は、電流が入力される入力線である請求項1に記載の電気機器。
  4. 前記各基本モジュールは、同一の定格出力電流であり、
    前記第1のグループの基本モジュールと、前記第2のグループの基本モジュールと、が同数である請求項1乃至3のいずれかに記載の電気機器。
  5. 前記基本モジュールは、交流電流を出力する電源モジュールであり、
    前記複数の基本モジュールから出力する電流を全て同相に調相する調相手段を備えた請求項1乃至4のいずれかに記載の電気機器。
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