JP2008066593A - 不揮発性半導体メモリ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】最適化した抵抗素子を半導体基板上に形成でき、さらには、チップサイズを縮小できる。
【解決手段】本発明に関わる不揮発性半導体メモリは、半導体基板1上に形成されるメモリセルトランジスタと抵抗素子とを具備し、メモリセルトランジスタは、第1の導電材からなるフローティングゲート電極3と、フローティングゲート電極3上に形成されるゲート間絶縁膜8Aと、ゲート間絶縁膜8A上に形成されるコントロールゲート電極9Aとを有し、抵抗素子は、凹部Xを有する素子分離絶縁層5と、凹部Xを満たす第2の導電材からなる抵抗体7Aとを具備し、第2の導電材の不純物濃度は、第1導電材の不純物濃度より低い。
【選択図】図2
【解決手段】本発明に関わる不揮発性半導体メモリは、半導体基板1上に形成されるメモリセルトランジスタと抵抗素子とを具備し、メモリセルトランジスタは、第1の導電材からなるフローティングゲート電極3と、フローティングゲート電極3上に形成されるゲート間絶縁膜8Aと、ゲート間絶縁膜8A上に形成されるコントロールゲート電極9Aとを有し、抵抗素子は、凹部Xを有する素子分離絶縁層5と、凹部Xを満たす第2の導電材からなる抵抗体7Aとを具備し、第2の導電材の不純物濃度は、第1導電材の不純物濃度より低い。
【選択図】図2
Description
本発明は、不揮発性半導体メモリとその製造方法に係り、特に、NAND型フラッシュメモリに関する。
NAND型フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリは様々な電子機器に搭載されている。
そして、このような不揮発性半導体メモリは、トランジスタや抵抗素子を含む回路から構成される。抵抗素子には、チップサイズの縮小のため高抵抗率であること、安定した特性を得られることが求められており、様々な製造方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
そのうちの一つに、抵抗素子の抵抗体を、メモリセルトランジスタのフローティングゲート電極と同一材料で同時に形成するという技術がある。
しかし、フローティングゲート電極は、ゲートの空乏化を防ぐために、不純物濃度が高く、抵抗率が低いポリシリコン膜が用いられている。そのため、抵抗体は不純物濃度の高いものを用いざるを得ず、抵抗体の抵抗率は低くなってしまう。
それゆえ、抵抗体の形状は、所望の抵抗値を得るために、長さを長くし、かつ、線幅(断面積)を細くしなければならない。
したがって、抵抗素子のチップ上の占有面積は増加し、また、線幅を細くすることにより、安定した抵抗値を得ることも困難となる。
特開平9−92736号公報
本発明では、最適化した抵抗素子を半導体基板上に形成でき、さらには、チップサイズを縮小できる技術について提案する。
本発明に関わる不揮発性半導体メモリは、半導体基板上に形成されるメモリセルトランジスタと抵抗素子とを具備し、前記メモリセルトランジスタは、第1の導電材からなるフローティングゲート電極と、前記フローティングゲート電極上に形成されるゲート間絶縁膜と、前記ゲート間絶縁膜上に形成されるコントロールゲート電極とを有し、前記抵抗素子は、凹部を有する素子分離絶縁層と、前記凹部を満たす第2の導電材からなる抵抗体とを有し、前記第2の導電材の不純物濃度は、前記第1の導電材の不純物濃度より低い。
本発明に関わる不揮発性半導体メモリの製造方法は、メモリセルトランジスタのフローティングゲート電極を半導体基板表面のゲート絶縁膜上に形成する工程と、前記半導体基板に素子分離絶縁層を形成する工程と、前記素子分離絶縁層に凹部を形成する工程と、前記凹部に抵抗素子の抵抗体を満たす工程と、前記フローティングゲート電極及び前記抵抗体の上面に前記メモリセルトランジスタのゲート間絶縁膜と前記抵抗素子の中間絶縁膜とを同時に形成する工程と、前記ゲート間絶縁膜及び前記中間絶縁膜の上面に、前記メモリセルトランジスタのコントロールゲート電極と前記抵抗素子の中間層とを同時に形成する工程とを備える。
本発明に関わる不揮発性半導体メモリの製造方法は、下地層を半導体基板表面のゲート絶縁膜上に形成する工程と、前記半導体基板に素子分離絶縁層を形成する工程と、前記下地層上に選択的にエピタキシャル膜を形成する工程と、前記素子分離絶縁層に凹部を形成する工程と、前記凹部に抵抗素子の抵抗体を満たす工程と、前記抵抗体上にカバー膜を形成する工程と、不純物を含んだガス雰囲気から前記エピタキシャル膜に不純物を拡散させ、フローティングゲート電極を形成する工程と、前記カバー膜を除去する工程と、前記フローティングゲート電極及び前記抵抗体の上面に、前記メモリセルトランジスタのゲート間絶縁膜と前記抵抗素子の中間絶縁膜を同時に形成する工程と、前記ゲート間絶縁膜及び前記中間絶縁膜の上面に、前記メモリセルトランジスタのコントロールゲート電極と前記抵抗体の中間層とを同時に形成すると工程とを備える。
本発明によれば、最適化した抵抗素子を半導体基板上に形成でき、さらには、チップサイズを縮小できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
1. 概要
本発明の例における不揮発性半導体メモリは、抵抗素子の抵抗体が素子分離絶縁層に形成される凹部に埋め込まれており、この抵抗体の不純物濃度は、メモリセルトランジスタのフローティングゲート電極の不純物濃度より低いことを特徴とする。
本発明の例における不揮発性半導体メモリは、抵抗素子の抵抗体が素子分離絶縁層に形成される凹部に埋め込まれており、この抵抗体の不純物濃度は、メモリセルトランジスタのフローティングゲート電極の不純物濃度より低いことを特徴とする。
そのような構造を得るため、フローティングゲート電極と抵抗体は異なる工程で形成される。
上記のように、不純物濃度の異なるフローティングゲート電極と抵抗体とを異なる工程で作製することで、フローティングゲート電極は、不純物濃度が高い材料で形成することができ、ゲートの空乏化を防ぐことができる。
一方、抵抗体は、不純物濃度が低い材料、つまり、抵抗率の高い材料で形成することができる。それゆえ、抵抗率の高い抵抗体を凹部に埋め込むことで、抵抗体の形状及び特性を最適化した抵抗素子を半導体基板上に形成でき、さらには、チップ面積を縮小することができる。また、抵抗体と半導体基板間に生じる容量を小さくすることもできる。
また、本発明の例では、上記の構造を得る製造方法についても提案する。
2. 実施の形態
次に、最良と思われるいくつかの実施の形態について説明する。
次に、最良と思われるいくつかの実施の形態について説明する。
(1)構造
図1乃至図3を用いて、本実施の形態におけるNAND型フラッシュメモリのメモリセル部及び抵抗素子部の構造について説明する。
図1乃至図3を用いて、本実施の形態におけるNAND型フラッシュメモリのメモリセル部及び抵抗素子部の構造について説明する。
図1は、本実施の形態におけるNAND型フラッシュメモリのメモリセル部及び抵抗素子部の平面図を示し、図2は、図1のII−II線に沿う断面を示し、図3は、図1のIII−III線に沿う断面を示す。
メモリセル部において、メモリセルトランジスタのフローティングゲート電極3は、素子分離領域5に囲まれた活性化領域のトンネル酸化膜(ゲート絶縁膜)2上に、ゲートの空乏化が生じない十分高い濃度の不純物がドーピングされて形成される。
また、ゲート間絶縁膜8Aが、フローティングゲート電極3の上面及び側面の一部を覆うように形成される。さらに、コントロールゲート電極9Aが、ゲート間絶縁膜8Aを介して、フローティングゲート電極3の上面及び側面の一部を覆うように形成される。このように、フローティングゲート電極3とコントロールゲート電極9Aが、ゲート間絶縁膜8Aを介して、側面に対してもオーバーラップする構造を用いることで、カップリング比を向上させることができる。また、コントロールゲート電極9Aは、ワード線として機能し、それゆえ、抵抗率の低い材料が用いられる。
また、拡散層10Aが半導体基板1の表面に形成される。拡散層10Aは、隣接する2つのメモリセルトランジスタで共有される。さらに、絶縁層11がメモリセル部の全面を覆うように形成される。
抵抗素子部において、抵抗素子の抵抗体7Aは、素子分離絶縁層5に形成される凹部Xに埋め込まれる。抵抗体7Aは、フローティングゲート電極3と異なる工程で形成され、抵抗体7Aの不純物濃度は、フローティングゲート電極3の不純物濃度よりも低く、それゆえ、抵抗体7Aの抵抗率はフローティングゲート電極3の抵抗率よりも高い。
抵抗体7Aの上面には、中間絶縁膜8B及び中間層9Bが、ゲート間絶縁膜8A及びコントロールゲート電極9Aとそれぞれ同時に形成される。
抵抗体7Aの両端には、拡散層10Bが、抵抗体7Aとコンタクト部12とがオーミック特性を得るために形成される。コンタクト部12は、抵抗素子部の全面を覆う絶縁層11に形成されたコンタクトホールCHに埋め込まれ、拡散層10Bに接続される。また、金属配線13が、コンタクト部12上に形成される。尚、本実施の形態においては、拡散層10B及びコンタクト部12が、抵抗体7Aの両端に配置された2端子構造の抵抗素子について述べるが、例えば、両端の拡散層10B及びコンタクト部12の間に、新たに拡散層及びコンタクト部を配置した3端子以上の構造の抵抗素子でも良い。
上記のように、異なる工程で形成したフローティングゲート電極3及び抵抗体7Aにおいて、フローティングゲート電極3は、不純物濃度が高い材料を用いることができ、ゲートの空乏化を防ぐことができる。
また、抵抗体7Aは、不純物濃度が低い材料、つまり、抵抗率の高い材料を用いることができ、さらに、この抵抗率の高い材料を凹部Xに埋め込むことで、抵抗体の形状を最適化することができる。具体的には、抵抗体7Aの線幅Wを広く確保することができ、安定した抵抗値を得ることができる。また、抵抗体7Aの長さLも、抵抗率の高い材料を用いることにより短くでき、チップサイズの縮小を図ることができる。さらに、抵抗体7Aを、素子分離絶縁層5に形成する凹部Xに埋め込むことで、抵抗体7Aと半導体基板1の間に生じる容量を小さくすることができる。
以下に、このような構造を有する本発明の例によるNAND型フラッシュメモリのメモリセル部及び抵抗素子部の製造方法について説明する。以下では、図1に示すII−II線に沿う断面をチャネル幅方向断面とし、III−III線に沿う断面をチャネル長方向断面として述べる。
(2)第1の製造方法
図4乃至図12を用いて、図1乃至図3に示すNAND型フラッシュメモリのメモリセル部及び抵抗素子部の製造方法について説明する。
図4乃至図12を用いて、図1乃至図3に示すNAND型フラッシュメモリのメモリセル部及び抵抗素子部の製造方法について説明する。
はじめに、図4に示すように、フローティングゲート電極となる、例えば、ポリシリコン膜3Aが、ゲートの空乏化が生じない高い不純物濃度(例えば、1020/cm3程度)で、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、半導体基板1表面に形成されたトンネル酸化膜(ゲート絶縁膜)2上に形成され、その後、マスク層として、例えば、SiN膜4が形成される。
次に、図5に示すように、PEP(Photo Engraving Process)により、レジストパターンをSiN膜4上に形成し、そのレジストパターンをマスクとして、SiN膜4をパターニングする。レジストパターンを除去した後、メモリセル部及び抵抗素子部のSiN膜4、ポリシリコン膜3A、トンネル酸化膜(ゲート絶縁膜)2、半導体基板1の上面の一部が順次エッチングされ、素子分離溝が形成される。続いて、素子分離絶縁溝が埋まるように、例えば、シリコン酸化物が全面に形成された後、SiN膜4をストッパ膜として、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polish)法により、シリコン酸化物に対して表面研磨を行う。すると、素子分離絶縁層5がメモリセル部及び抵抗素子部に形成される。
続いて、メモリセル部及び抵抗素子部の上面にレジストを塗布し、所望の形状の凹部が抵抗素子部の素子分離絶縁層5に得られるようなパターニングを施し、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法によりエッチングを行う。すると、図6に示すように、レジストパターン6がマスクとなり、抵抗素子部には、凹部Xが素子分離絶縁層5に形成される。凹部Xの深さは、例えば、STIの厚さが200nmの場合には60nm〜100nm程度の深さになるように形成される。
次に、レジストパターン6を除去した後、図7に示すように、例えば、真性ポリシリコン膜からなる抵抗体材料7が、凹部Xが埋まるように、メモリセル部及び抵抗素子部の全面に形成される。
続いて、抵抗体材料7が凹部Xを満たすように、例えば、異方性の強いドライエッチングを用いて、メモリセル部及び抵抗素子部の抵抗体材料7に対してエッチバックを行い、抵抗体材料7を凹部Xに自己整合的に残存させる。その後、凹部Xに残存した抵抗体材料7の不純物濃度が、例えば、1018〜1019/cm3程度になるように、抵抗素子部に、イオン注入法により不純物をドーピングすると、図8に示すように、抵抗素子部には、所望の不純物濃度の抵抗体7Aが凹部Xに形成される。尚、本実施の形態において、エッチバックにより、抵抗体材料7を凹部Xに対して自己整合的に残存させたが、素子分離絶縁層5をストッパ膜としたCMP法により、抵抗体材料7を凹部Xに残存させても良い。この場合には、抵抗体7Aはより平坦な上面を得ることができ、さらに高精度の抵抗素子を形成することができる。
次に、抵抗素子部の上面をレジストで覆い、メモリセル部のマスク層4及び素子分離絶縁層5に対してエッチバックを行い、ポリシリコン膜3Aの上面及び側面の一部を露出させる。その後、図9に示すように、メモリセルトランジスタのゲート間絶縁膜となる、例えば、ONO膜8と、メモリセルトランジスタのコントロールゲート電極となる、例えば、ポリシリコン膜9が、メモリセル部及び抵抗素子部の上面に、例えば、CVD法を用いて、順次形成される。
続いて、ポリシリコン膜9の上面にレジストを塗布し、メモリセル部及び抵抗素子部がそれぞれ所望するレジストパターンを、PEPにより形成する。このレジストパターンをマスクとし、メモリセル部においては、ポリシリコン膜9、ONO膜8、ポリシリコン膜3A、ゲート絶縁膜2を順次エッチングし、半導体基板1の表面を露出させる。抵抗素子部においては、ONO膜8、ポリシリコン膜9を順次エッチングし、抵抗体7Aの表面を露出させる。すると、図10に示すメモリセル部及び抵抗素子部のチャネル長方向の断面図のように、メモリセル部では、フローティングゲート電極3、ゲート間絶縁膜8A、コントロールゲート電極9Aがトンネル酸化膜(ゲート絶縁膜)2上に形成される。また、抵抗素子部では、中間絶縁膜8B及び中間層9Bが、抵抗体7A上に形成される。
次に、コントロールゲート電極9A及び中間層9Bをマスクとして、例えば、イオン注入法により、不純物のドーピングを行うと、図11及び図12に示すように、拡散層10A,10Bが、メモリセル部の半導体基板1及び抵抗素子部の抵抗体7Aに、それぞれ自己整合的に形成される。続いて、メモリセル部及び抵抗素子部の全面に絶縁層11が形成される。その後、抵抗素子部には、コンタクト部12が、絶縁層11に形成されたコンタクトホールCHを介して拡散層10Bに接続される。さらに、コンタクト部12の上部には、金属配線13が形成され、本実施の形態におけるNAND型フラッシュメモリが完成する。
以上の工程により作製したNAND型フラッシュメモリは、メモリセルトランジスタのフローティングゲート電極3と抵抗素子の抵抗体7Aが異なる工程で形成され、フローティングゲート電極3は不純物濃度の高い材料で形成でき、抵抗体7Aは不純物濃度の低い材料で形成できる。
それゆえ、フローティングゲート電極3はゲートの空乏化を防ぐことができる。
一方、抵抗体7Aは抵抗率を高くでき、それに加え、素子分離絶縁層5に形成した凹部Xに埋め込むことで、抵抗体の形状及び特性を最適化することが可能となる。つまり、抵抗体の線幅Wを広くすることができるので、安定した抵抗値を得ることができる。また、所望の抵抗値を得る際に、抵抗率が高い抵抗体材料を用いることができるので、抵抗率の低い抵抗体材料と比較し、抵抗体の長さLを短くすることができ、チップサイズの縮小を図ることができる。
さらに、抵抗体を素子分離絶縁層の凹部に埋め込む構造にすることで、抵抗素子と基板間に生じる容量を小さくすることもできる。
(3)第2の製造方法
メモリセルトランジスタのフローティングゲート電極の形成方法は、第1の製造方法で述べた方法に限定されず、例えば、選択的エピタキシャル成長(Selective Epitaxial Growth(以下、SEG))を用いて形成することも可能である。
メモリセルトランジスタのフローティングゲート電極の形成方法は、第1の製造方法で述べた方法に限定されず、例えば、選択的エピタキシャル成長(Selective Epitaxial Growth(以下、SEG))を用いて形成することも可能である。
SEGを用いてフローティングゲート電極を形成することで、メモリセルトランジスタの微細化及び最適化が可能となる。それゆえ、チップ面積の縮小、製造歩留りの向上などを図ることができる。
以下に、図13乃至図19を用いて、SEGによりフローティングゲート電極を形成した場合の、図1乃至図3に示すNAND型フラッシュメモリのメモリセル部及び抵抗素子部の製造方法について説明する。
はじめに、第1の製造方法の図4乃至図5に示す工程と同様の工程で、図13に示すように、真性ポリシリコン膜3B、マスク層4が、半導体基板1表面のトンネル絶縁膜(ゲート絶縁膜)2上に、順次形成される。その後、素子分離絶縁層5が、メモリセル部及び抵抗素子部にそれぞれ形成される。真性ポリシリコン膜3Bは、SEGによりエピタキシャル膜を形成させる際の下地層である。
次に、マスク層4を除去し、真性ポリシリコン膜3Bの表面を露出させた後、例えば、減圧下でソースガスに適量のHClガスを混合して、SEGを行うと、素子分離絶縁層5表面ではシリコンの核成長は抑制されるのでシリコン膜は形成されず、真性ポリシリコン膜3B上にのみシリコン膜が選択的にエピタキシャル成長する。すると、図14に示すように、シリコンエピタキシャル膜3Cがゲート絶縁膜2上に形成される。このとき、下地層とした真性ポリシリコン膜とその上部に成長したシリコン膜の境界(破線部分)には界面がなく、連続したエピタキシャル膜が形成される。
続いて、第1の製造方法の図6に示す工程と同様の工程で、抵抗素子部の素子分離絶縁層5に凹部Xを形成した後、例えば、真性ポリシリコン膜からなる抵抗体材料7が、メモリセル部及び抵抗素子部に形成されると、図15に示すようになる。
その後、抵抗体材料7が凹部Xを満たすように、例えば、異方性の強いドライエッチングを用いて、メモリセル部及び抵抗素子部の抵抗体材料7及びシリコンエピタキシャル膜3Cに対してエッチバックを行い、抵抗体材料7を凹部Xに自己整合的に残存させる。その後、凹部Xに残った抵抗体材料7の不純物濃度が、例えば、1018〜1019/cm3程度になるように、メモリセル部及び抵抗素子部に、イオン注入法により不純物をドーピングする。すると、図16に示すように、抵抗素子部には、抵抗体7Aが形成される。また、メモリセル部には、不純物がドーピングされたシリコンエピタキシャル膜3Dが形成される。尚、エッチバックの代わりに、CMPを用いて、抵抗体材料7を凹部Xに自己整合的に残存させても良い。
さらに、図17に示すように、抵抗素子部の上面に、例えば、SiNからなる、カバー膜14が形成される。その後、ゲートの空乏化を生じない不純物濃度(例えば、1020/cm3程度)のフローティングゲート電極が形成されるように、例えば、不活性ガス或いは水素ガスで希釈した不純物ガス雰囲気中で半導体基板1を熱処理し、GPD(Gas Phase Doping)による不純物の拡散を行う。すると、高濃度の不純物がドーピングされたシリコンエピタキシャル膜3Eが形成される。このとき、抵抗素子部は、その全面がカバー膜14に覆われているので、抵抗体7Aには、GPDによる不純物の拡散は生じない。
続いて、抵抗素子部のカバー膜14を除去した後、第1の製造方法の図9乃至図12に示す工程と同様の工程を行うと、図18及び図19に示すように、メモリセル部には、フローティングゲート電極3、ゲート間絶縁膜8A、コントロールゲート電極9Aが、トンネル酸化膜(ゲート絶縁膜)2上に順次形成され、抵抗素子部には、中間絶縁膜8B及び中間層9Bが、抵抗体7A上に順次形成される。さらに、拡散層10A,10Bが、コントロールゲート電極9A及び中間層9Bをマスクとして自己整合的に形成される。
また、絶縁層11がメモリセル部及び抵抗素子部の全面に形成された後、抵抗素子部には、コンタクト部12が、絶縁層11に形成されるコンタクトホールCHを介して拡散層10Bに接続され、さらに、コンタクト部12の上部には金属配線13が形成される。尚、本製造方法においては、抵抗体7A上に形成されたカバー膜を除去したが、カバー膜は除去せずともよく、その場合には、中間絶縁膜8B、中間層9Bがカバー膜上に順次形成され、拡散層10Bを形成する領域の中間絶縁膜8B、中間層9B、カバー膜が順次除去される。その後、拡散層11Bが、中間層9Bをマスクとして、抵抗体7Aの表面に自己整合的に形成される。
以上の工程により、本実施の形態におけるNAND型フラッシュメモリが完成する。
以上のように、第1の製造方法と同様に、第2の製造方法で作製したNAND型フラッシュメモリも、フローティングゲート電極3は不純物濃度の高い材料で形成でき、抵抗体7Aは不純物濃度の低い材料で形成できる。
それゆえ、フローティングゲート電極3はゲートの空乏化を防ぐことができる。また、SEGを用いてフローティングゲート電極3を形成することにより、メモリセルトランジスタの微細化及び最適化が可能となり、チップ面積の縮小、製造歩留りの向上などを図ることができる。
一方、抵抗体7Aは抵抗率を高くでき、それに加え、素子分離絶縁層5に形成した凹部Xに埋め込むことで、抵抗体の形状及び特性を最適化することが可能となる。つまり、抵抗体の線幅Wを広くすることができるので、安定した抵抗値を得ることができる。また、所望の抵抗値を得る際に、抵抗率が高い抵抗体材料を用いることができるので、抵抗率の低い抵抗体材料と比較し、抵抗体の長さLを短くすることができ、チップサイズの縮小を図ることができる。
さらに、抵抗体を素子分離絶縁層の凹部に埋め込む構造にすることで、抵抗素子と基板間に生じる容量を小さくすることもできる。
3.適用例
図20は、本発明の例によるNAND型フラッシュメモリの適用例を示す。メモリセルアレイは、センスアンプを介して、周辺回路部に接続される。抵抗素子部は、形状及び特性を最適化した抵抗素子を有し、周辺回路部の一部に組み込むように配置させることができる。それゆえ、NAND型フラッシュメモリのチップサイズを縮小させることができる。
図20は、本発明の例によるNAND型フラッシュメモリの適用例を示す。メモリセルアレイは、センスアンプを介して、周辺回路部に接続される。抵抗素子部は、形状及び特性を最適化した抵抗素子を有し、周辺回路部の一部に組み込むように配置させることができる。それゆえ、NAND型フラッシュメモリのチップサイズを縮小させることができる。
また、本発明の例によるNAND型フラッシュメモリを用いることにより、その抵抗素子は、抵抗率が高く、形状及び特性の最適化に対する自由度が高い。それゆえ、メモリセルトランジスタのセル形状の変更に伴う、抵抗素子の形状及びチップのレイアウトの変更に対しても、柔軟に対応することができる。
4. その他
本発明によれば、最適化した抵抗素子を半導体基板上に形成でき、さらには、チップサイズを縮小できる。
本発明によれば、最適化した抵抗素子を半導体基板上に形成でき、さらには、チップサイズを縮小できる。
本発明の例は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1:半導体基板、2:トンネル酸化膜(ゲート絶縁膜)、3:フローティングゲート電極、4:SiN膜、5:素子分離絶縁層、6:レジスト、7:抵抗体材料、7A:抵抗体、8A:ゲート間絶縁膜、9A:コントロールゲート電極、8B:中間絶縁膜、9B:中間層、10A,10B:拡散層、11:絶縁層、12:コンタクト部、13:金属配線、14:カバー膜、X:凹部、CH:コンタクトホール、8:ONO膜、9:ポリシリコン膜、3A,3B:ポリシリコン膜、3C,3D,3E:シリコンエピタキシャル膜。
Claims (4)
- 半導体基板上に形成されるメモリセルトランジスタと抵抗素子とを具備し、前記メモリセルトランジスタは、第1の導電材からなるフローティングゲート電極と、前記フローティングゲート電極上に形成されるゲート間絶縁膜と、前記ゲート間絶縁膜上に形成されるコントロールゲート電極とを有し、前記抵抗素子は、凹部を有する素子分離絶縁層と、前記凹部を満たす第2の導電材からなる抵抗体とを有し、前記第2の導電材の不純物濃度は、前記第1の導電材の不純物濃度より低いことを特徴とする不揮発性半導体メモリ。
- 前記抵抗素子は、前記第2の導電材からなる抵抗体上に形成される前記ゲート間絶縁膜と同一構造の中間絶縁膜と、前記中間絶縁膜の上に形成される前記コントロールゲート電極と同一構造の中間層と、前記抵抗体内に形成される拡散層と、前記拡散層に接続されるコンタクト部とを具備することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体メモリ。
- メモリセルトランジスタのフローティングゲート電極を半導体基板表面のゲート絶縁膜上に形成する工程と、前記半導体基板に素子分離絶縁層を形成する工程と、前記素子分離絶縁層に凹部を形成する工程と、前記凹部に抵抗素子の抵抗体を満たす工程と、前記フローティングゲート電極及び前記抵抗体の上面に前記メモリセルトランジスタのゲート間絶縁膜と前記抵抗素子の中間絶縁膜とを同時に形成する工程と、前記ゲート間絶縁膜及び前記中間絶縁膜の上面に、前記メモリセルトランジスタのコントロールゲート電極と前記抵抗素子の中間層とを同時に形成する工程とを具備することを特徴とする不揮発性半導体メモリの製造方法。
- 下地層を半導体基板表面のゲート絶縁膜上に形成する工程と、前記半導体基板に素子分離絶縁層を形成する工程と、前記下地層上に選択的にエピタキシャル膜を形成する工程と、前記素子分離絶縁層に凹部を形成する工程と、前記凹部に抵抗素子の抵抗体を満たす工程と、前記抵抗体上にカバー膜を形成する工程と、不純物を含んだガス雰囲気から前記エピタキシャル膜に不純物を拡散させ、フローティングゲート電極を形成する工程と、前記カバー膜を除去する工程と、前記フローティングゲート電極及び前記抵抗体の上面に、前記メモリセルトランジスタのゲート間絶縁膜と前記抵抗素子の中間絶縁膜を同時に形成する工程と、前記ゲート間絶縁膜及び前記中間絶縁膜の上面に、前記メモリセルトランジスタのコントロールゲート電極と前記抵抗体の中間層とを同時に形成すると工程とを具備することを特徴とする不揮発性半導体メモリの製造方法。
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