JP2008066345A - 照明光学装置及び露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度が切り換えられる露光ビームの光路空間の気密性を損なうことなく、簡単な機構でその露光ビームの照射による発熱の影響を軽減する。
【解決手段】EUV光よりなる露光光ELで所定のパターンを照明する照明系において、強度調整用のフィルタ部材22Dと、駆動軸25A及びフィルタ部材22Dを保持するレボルバー21を有するフィルタ保持部と、フィルタ部材22Dを高真空の空間内の露光光ELの光路中に出し入れするために駆動軸25Aを回転する駆動モータ29Aと、レボルバー21及び駆動軸25Aに沿って配置されて、内部に冷媒が供給される冷却用配管33A,37A,38Aとを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、光源からの露光ビームで所定のパターンを照明する照明光学装置、及びこの照明光学装置を備えた露光装置に関する。
従来より、半導体素子又は液晶表示素子等のデバイスを製造するためのリソグラフィ工程では、レチクル(又はフォトマスク等)に形成されたパターンを、投影光学系を介してレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写する露光装置が用いられている。この種の露光装置として、近年では一括露光型(静止露光型)の投影露光装置(ステッパ等)、及び走査露光型の投影露光装置(スキャニング・ステッパ等)等が用いられている。
この種の露光装置では、従来、露光ビーム(露光光)として水銀ランプからの輝線(例えばi線)、並びにKrFエキシマレーザ(波長248nm)及びArFエキシマレーザ(波長193nm)等の紫外域、遠紫外域、ないし真空紫外域の光が使用されていた。最近では、より微細な半導体素子等を製造するために、露光ビームとして波長が100nm程度以下の軟X線領域の光、即ち極端紫外光(以下、EUV(Extreme Ultraviolet)光と呼ぶ。)を使用するEUV露光装置の開発も行われている。このEUV露光装置では、EUV光が透過する光学材料が現時点では存在しないため、照明光学系及び投影光学系は所定のフィルタ等を除いて実質的に全て反射光学素子(ミラー)によって構成され、レチクルもまた反射型レチクルが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
従来のエキシマレーザ光等を露光ビームとして用いる露光装置と同様に、EUV露光装置においても、転写対象のパターンの密度及びウエハ上のレジストの感度等に応じて、レチクル及びウエハに照射されるEUV光の光量(照度)を複数段階に亘って切り換える必要がある。また、EUV光の光源は、現状では、出力されるEUV光の光量を広範囲に制御することは困難である。そこで、EUV露光装置の照明光学系においても、EUV光の光量を制御するために、透過率の異なる複数のフィルタ部材が交換可能に設置される。
特開2000−349009号公報
上記の如くEUV露光装置の照明光学系に複数のフィルタ部材を交換可能に配置した場合、EUV光が通過する際の発熱によってそれらのフィルタ部材の温度が上昇し、フィルタ部材の特性の劣化又はフィルタ部材を支持する機構の変形等が生じる恐れがある。そのため、それらのフィルタ部材を支持する機構の冷却装置及び/又はそれらのフィルタ部材自体若しくはその近傍の温度を計測する温度センサを設けることが望ましい。
しかしながら、EUV光は種々の気体によって大きく吸収されるため、EUV露光装置においては、EUV光の光路及び上記のフィルタ部材は大気圧よりもかなり低い気圧の気密室内に配置される。この気密室内にさらに上記の冷却装置の一部又は温度センサを設ける場合でも、その冷却装置の制御部又はその温度センサの計測情報処理部はその気密室外のより気圧が高い空間(例えばほぼ大気圧の空間)内に設置される。従って、その気密室内の冷却装置の一部の制御又は温度センサの計測情報の処理を行うに際して、装置構成をあまり複雑化することなく、その気密室の気密性を維持する必要がある。
本発明はこのような課題に鑑み、パターンを照明するための露光ビームの強度を切り換えることが可能で、かつ発熱の影響を軽減できるか、又は発熱の状態を計測できる照明光学技術及び露光技術を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、パターンを照明するための露光ビームの強度を切り換えることが可能で、かつその露光ビームの光路空間の気密性を実質的に損なうことなく、簡単な機構で発熱の影響を軽減できるか、又は発熱の状態を計測できる照明光学技術及び露光技術を提供することを第2の目的とする。
本発明による第1の照明光学装置は、光源(15)からの露光ビームで所定のパターンを照明する照明光学装置において、その露光ビームの強度を調整するフィルタ(22B)と、回転軸(25A)とそのフィルタが取り付けられる平板部(21)とを有し、そのフィルタをその露光ビームの光路中に出し入れするフィルタ保持部(21,25A)と、その回転軸を回転する駆動装置(28A,29A,30A)と、その回転軸に沿って配置されるとともに、その平板部に配置された冷却流路(33A,37A,38A)と、その冷却流路に温度制御された冷媒を供給する冷媒供給装置(34A,35A)とを備えたものである。
また、本発明による第2の照明光学装置は、光源(15)からの露光ビームで所定のパターンを照明する照明光学装置において、その露光ビームの強度を調整するフィルタ(22B)と、回転軸(25A)とそのフィルタが取り付けられる平板部(21)とを有し、そのフィルタをその露光ビームの光路中に出し入れするフィルタ保持部(21,25A)と、その回転軸を回転する駆動装置(28A,29A,30A)と、そのフィルタの近傍に配置された温度センサ(40B)と、その温度センサの検出結果を処理する制御装置(31)と、そのフィルタ保持部のその回転軸に沿って配置され、その温度センサの検出結果をその制御装置に供給する信号ライン(44A)とを備えたものである。
これらの発明によれば、そのフィルタ保持部を回転してそのフィルタをその光路中に出し入れすることによって、そのパターンを照明する露光ビームの強度を切り換えることができる。また、その冷却流路に温度制御された冷媒を供給することでそのフィルタの発熱の影響を軽減でき、その温度センサの検出結果を用いることでそのフィルタの発熱の状態を計測できる。
また、その冷却流路又はその温度センサの信号ラインはその回転軸に沿って配置されているため、その回転軸の周囲を気密化するという簡単な機構で、その露光ビームの光路空間の気密性を高く維持できる。
また、本発明による露光装置は、露光ビームで所定のパターン(R)を照明し、その露光ビームでそのパターン及び投影光学系(PO)を介して基板(W)を露光する露光装置において、本発明の照明光学装置を用いてそのパターンを照明するものである。
なお、以上の本発明の所定要素に付した括弧付き符号は、本発明の一実施形態を示す図面中の部材に対応しているが、各符号は本発明を分かり易くするために本発明の要素を例示したに過ぎず、本発明をその実施形態の構成に限定するものではない。
以下、本発明の実施形態の一例につき図面を参照して説明する。本例は、露光ビームとして極端紫外光、即ちEUV(Extreme Ultraviolet)光を使用するEUV露光装置に本発明を適用したものである。
図1には、本例の露光装置10の全体構成が概略的に示されている。この露光装置10では、投影光学系POが使用されているので、以下では、投影光学系POの光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1における紙面内左右方向にY軸を取り、紙面に直交する方向にX軸を取って説明する。
図1において、露光装置10は、軟X線領域の光、即ち波長100nm程度以下の極端紫外光(EUV光)を露光光ELとして射出する照明系1、この照明系1からの露光光ELを反射して所定の入射角、例えば約50mradでレチクルR(マスク)のパターン面(下面)に入射させる光路折り曲げ用のミラーM、レチクルRを保持して移動するレチクルステージRST、レチクルRのパターン面で反射された露光光ELをレジスト(感光材料)が塗布されたウエハW(基板)の被露光面(上面)に投射する投影光学系PO、及びウエハWを保持して移動するウエハステージWST等を備えている。なお、ミラーMは、投影光学系POの鏡筒2の内部に配置されているが、実際には照明系1の一部ともみなすことができる。露光光ELとしては、一例として波長5〜50nmで、例えば波長11nmのEUV光が用いられる。露光光ELの気体による吸収を防止するため、露光装置10は不図示の真空チャンバ(気密室)内に収容されている。
まず、本例の図1中の照明系1の構成につき図3〜図6を参照して説明する。
図3は照明系1を示し、この図3において、半導体レーザ励起によるYAGレーザ光源又はエキシマレーザ光源等の高出力レーザ光源11と、高出力レーザ光源11からのレーザ光を集光する集光レンズ12と、レーザプラズマ光源のターゲットとしてのキセノンガス(Xe)やクリプトンガス(Kr)等を噴出するノズル14と、回転楕円面状の反射面を持つ集光ミラー13とから本例のガスジェットクラスタ方式のレーザプラズマ光源15が構成されている。この場合、高出力レーザ光源11から射出されたレーザ光は集光レンズ12により一点(集光ミラー13内の第1焦点の近傍)に集光される。その集光点には、レーザプラズマ光源のターゲットとしてのキセノンガスやクリプトンガス等がノズル14から噴出されており、そのターゲットがそのレーザ光のエネルギーでプラズマ状態に励起される。そして、これが低ポテンシャル状態に遷移する(冷える)際にEUV光、波長100nm以上の紫外光、可視光、及び他の波長の光を放出する。
このようにして発生したEUV光等は全方位に発散し、そのうちの所定の波長域のEUV光が集光ミラー13によって反射される。集光ミラー13の内面にはEUV光を反射するためのEUV光反射層が形成されており、その裏面には冷却装置(不図示)が取り付けられている。反射されない波長の光は多層膜等により吸収されて熱に変わり、集光ミラー13の温度が上昇するため、集光ミラー13を冷却するためにその冷却装置が必要となる。集光ミラー13の素材は熱伝導が良好である点から金属が適している。集光ミラー13の表面に形成されているEUV光の反射層として、2種類の物質を交互に積層した多層膜を用いることにより、特定の波長の光のみを反射できる。例えば、モリブデン(Mo)とケイ素(Si)とを交互に数十層コーティングすると波長約13nmのEUV光を選択的に反射できる。また、モリブデンとベリリウム(Be)とを交互に数十層コーティングすると波長約11nmのEUV光を選択的に反射できる。
集光ミラー13によって選択的に反射されたEUV光よりなる露光光ELが、集光ミラー13の第2焦点の近傍に集光される。その第2焦点の近傍に、露光光ELに対して所定の複数段階の透過率(減光率)を持つ2枚の平板状でかつ円板状のレボルバー21及び23が、互いに独立に回転可能に配置されている。レボルバー21,32はステンレス等の熱伝導率の高い金属よりなり、露光光ELの照射による熱を効率的に放射するために、その表面にアルミナセラミックス等のセラミックスのコーティング膜が施されている。
図8は、前段のレボルバー21を示し、図8に示すように、レボルバー21の回転軸の周囲には等角度間隔で8個の円形の開口が形成され、そのうちの第1の開口はそのまま透過率100%の開放窓22Aとなり、他の第2、第3、第4、第5、及び第6の開口にはそれぞれ露光光EL(EUV光)に対する透過率が70%、60%、55%、50%、及び40%程度のフィルタ部材22B,22C,22D,22E及び22Fが設置されている。フィルタ部材22B〜22Fは、一例として図4に示すように、直径Dが図3の露光光ELの照射領域を覆う大きさで、EUV光を吸収又は反射するモリブデン等の金属製の細かい網目状の円形のメッシュフィルタである。このようなメッシュフィルタは、メッシュの開口率を制御するのみでEUV光に対しても透過率を高精度に制御できる。
図3に戻り、後段のレボルバー23は、レボルバー21に対向するように配置され、レボルバー23の回転軸の周囲にも、図8のレボルバー21の開放窓22A、及びフィルタ部材22B〜22Fに対応するように、透過率100%の開放窓24A、及び透過率が45%、25%、15%、8%、5%程度のフィルタ部材24B,24C,24D,24E,24F(24D以外は不図示)が設置されている。フィルタ部材24B〜24Fは、図4に示すようにフィルタ部材22B〜22Fと同様のメッシュフィルタである。なお、フィルタ部材22B〜22F及び24B〜24Fとして、EUV光に対して所定の透過率を持つ材料を互いに異なる厚さで積層した減光フィルタ等を用いることも可能である。
図3において、レボルバー21,23(平板部)にはそれぞれ円筒状の駆動軸25A,25B(回転軸)が連結されて、フィルタ部材の保持機構が構成されている。駆動軸25A,25Bは、駆動モータ29A,29Bによって回転駆動される(詳細後述)。レボルバー21,23は、それぞれ開放窓22A、フィルタ部材22B〜22Fのいずれか、及び開放窓24A、フィルタ部材24B〜24Fのいずれかが露光光ELの光路上に位置するように回転される。このように2枚のレボルバー21,23のそれぞれの開放窓及び5種類の透過率のフィルタ部材を組み合わせることによって、レチクルRのパターン密度及びウエハW上のレジストの感度等に応じてレチクルR(ウエハW)に対する露光光ELの強度(光量又は照度を含む)を制御するために、露光光ELに対する透過率を100%〜2%程度の間でほぼ36(=6×6)段階に亘って切り換えることができる。なお、露光光ELに対する透過率の値はこれらの値に限定されず、他の任意の値を取ることができる。
また、開放窓22A,24Aを露光光ELの光路上に設定した状態(透過率100%の状態)は、例えば露光光ELの光軸を調整する場合等に使用できる。なお、2枚のレボルバー21,23を使用することなく、1枚のレボルバー21のみを使用して露光光ELの強度を制御してもよい。また、レボルバー21上には、開放窓22Aの他に所定の透過率の1枚のフィルタ部材を設置するのみでもよい。この場合にも、露光光ELの強度を2段階に切り換えることが可能である。さらに、レボルバー21,23の設置場所は、図3の場合には限定されず、位置P1で示すように露光光ELがより平行光束に近づいた位置に設置することも可能である。なお、レボルバー21,23の回転駆動機構及び温度制御機構については後述する。また、フィルタ部材の配置間隔は不等間隔であってもよい。
図3において、レボルバー21,23の透過窓又はフィルタ部材等を透過したEUV光ELは、コリメータ用のミラー16の凹の反射面によって反射及び偏向されてほぼ平行光束となって反射型のオプティカル・インテグレータ(ホモジナイザー)としての第1のフライアイミラーFEM1に入射する。第1のフライアイミラーFEM1で反射されたEUV光ELは、第2のフライアイミラーFEM2で反射されて照度分布が均一化された状態でコンデンサミラー17により反射及び集光されて、図1の折り返しミラーMに向けて偏向される。
さらに、図3において、コンデンサミラー17で反射された露光光ELの進行方向側(図3における紙面右側)には、露光波長以外の紫外光、及び可視光をカットしてEUV光のみを通過させる目的でEUV光選択板(不図示)が設けられている。これは、集光ミラー13に形成された多層膜からなるEUV反射膜は、EUV光近辺の波長を選択する波長選択性を持ち、露光に用いる特定の波長の光のみを選択的に反射するが、露光波長から離れた波長の紫外光や可視光等も同様に反射する可能性もあるためである。EUV光選択板としては、薄い金属膜等が使用できる。また、そのEUV光選択板の機能をレボルバー21及び23の透過窓及びフィルタ部材に持たせてもよい。
以上の透過窓及びフィルタ部材を保持するレボルバー21,23、コリメータ用のミラー16、フライアイミラーFEM1,FEM2、及びコンデンサミラー17等を含んで照明光学系が構成され、レーザプラズマ光源15とその照明光学系とから照明系1が構成されている。ここで、フライアイミラーFEM1,FEM2の構成につき説明する。
図5(a)に示すように、第1のフライアイミラーFEM1は、複数列(本例では3列)の光学素子群GE11〜GE13から構成され、各光学素子群GE11,GE12,GE13は、それぞれZ軸に平行な軸A1,A2,A3に沿って配列された複数の円弧状のX方向に細長い反射面を持つ反射光学素子E11a〜E11v,E12a〜E12y,E13a〜E13vから構成されている。また、図5(b)に示すように、第2のフライアイミラーFEM2は、複数(本例では3個)の光学素子群GE21〜GE23から構成され、各光学素子群GE21〜GE23は、それぞれほぼ正方形の反射面を持つ複数の反射光学素子E2から構成されている。それらの光学素子群GE21〜GE23は全体として円形になるように配列されている。
そして、図6に示すように、第1のフライアイミラーFEM1の軸A1を持つ光学素子群GE11に入射した光束(露光ビーム)の内で、上部の点C1aを中心とする反射光学素子E11aによって反射された光束は、第2のフライアイミラーFEM2の光学素子群GE2i(i=1〜3)の上部の複数の反射光学素子E2の反射面(代表的に領域Iaで表されている)に入射する。同様に、光学素子群GE11に入射した光束の内で、中心部の点C1f及び下部の点C1kを中心とする反射光学素子E11f及びE11kによって反射された光束は、それぞれ光学素子群GE2iの中心部及び下部の複数の反射光学素子E2の反射面(代表的に領域If及びIkで表されている)に入射する。このようにフライアイミラーFEM1の光学素子群GE11〜GE13の各反射光学素子からの光束はそれぞれフライアイミラーFEM2の横方向に配列された複数の反射光学素子E2に入射している。
この場合、第1のフライアイミラーFEM1のZ方向の反射光学素子の配列数は、第2のフライアイミラーFEM2のZ方向の反射光学素子の配列数の3倍程度であるため、積分効果によって第2のフライアイミラーFEM2の各反射光学素子E2上での照度は均一化されている。そして、第2のフライアイミラーFEM2の各反射光学素子E2からの反射光を重畳的に図2のコンデンサミラーCDMに照射することによって、EUV光ELの照度分布の均一性がさらに向上している。
また、本例のようにレーザプラズマ光源15を使用する場合には、図3においてノズル14が高温のプラズマによって侵食されることにより、ノズル14から飛散粒子、即ちデブリ(debris)が発生してしまう場合がある。このデブリが露光装置に使用されている光学部材(ミラー17、フライアイミラーFEM1,FEM2、コンデンサミラー17、レチクル5、投影光学系POの各レンズ等)に付着すること等による露光光ELの照度低下、及び照度分布の均一性の低下等の悪影響を防ぐため、例えば本例の照明系1内のミラー17の入射面側に、露光光EL中に混入しているデブリのかなりの部分を吸着又は吸収する透過フィルタ(不図示)を配置してもよい。その透過フィルタは、例えば円板状のケイ素(Si)であるシリコンウエハの中央部を所定の厚さになるようにエッチングして薄膜部(メンブレン)を形成したものである。
図1に戻り、照明系1から射出され、ミラーMで反射された露光光ELは、レチクルRのパターン面の円弧スリット状の領域を照明する。
レチクルRを保持するレチクルステージRSTは、XY平面に沿って配置されたレチクルベース3上に配置され、駆動系4を構成する例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータが発生する磁気浮上力によってレチクルベース3上に浮上支持されている。レチクルステージRSTは、駆動系4が発生する駆動力によってY方向に所定ストロークで駆動されるとともに、X方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)にも微小量駆動される。また、レチクルステージRSTは、駆動系4が複数箇所で発生する磁気浮上力の調整によってZ方向、X軸回りの回転方向(θx方向)、及びY軸回りの回転方向(θy方向)にも微小量だけ駆動可能である。
レチクルステージRSTの下面側に不図示の静電チャック方式(又はメカチャック方式)のレチクルホルダが設けられ、該レチクルホルダによってレチクルRが保持されている。このレチクルRとしては、露光光ELがEUV光であることから反射型レチクルが用いられている。レチクルRは、シリコンウエハ、石英、低膨張ガラスなどの薄い板から成り、そのパターン面には、EUV光を反射する反射膜が形成されている。この反射膜は、一例としてモリブデンとベリリウムとの膜が交互に多数積層された多層膜である。なお、ミラーM、その他の照明系1及び投影光学系PO内の各ミラーの反射面にも同様の構成の多層膜が形成されている。レチクルRのパターン面に形成された多層膜上には、吸収層として例えばニッケル(Ni)又はアルミニウム(Al)が一面に塗布され、その吸収層にパターニングが施されて反射部としての回路パターンが形成されている。その回路パターンで反射された露光光ELが投影光学系POに向かう。
レチクルステージRST(レチクルR)のXY面内の位置(X,Y,θz)は、レチクルステージRSTに設けられた反射面にレーザビームを投射するレーザ干渉計(以下、レチクル干渉計という。)5Rによって、例えば0.1nm程度の分解能で常時検出される。また、レチクルRのZ方向の位置及びXY面に対する傾斜角(θx,θy)は、そのパターン面に対し斜め方向から検出ビームを照射する送光系6Raと、そのパターン面で反射された検出ビームを受光する受光系6Rbとから構成されるフォーカスセンサによって計測されている。このフォーカスセンサとしては、例えば特開平6−283403号公報(対応米国特許第5,448,332号)等に開示される多点焦点位置検出系が用いられている。レチクル干渉計5R及びフォーカスセンサ(6Ra,6Rb)の計測値は、装置全体の動作を統括制御するコンピュータを含む主制御系(不図示)に供給され、この主制御系がその計測値に基づいて駆動部4を介してレチクルステージRST(レチクルR)を6自由度で駆動する。
また、投影光学系POは、開口数NAが例えば0.1で、反射光学素子(ミラー)のみから成る反射光学系が使用されており、本例の投影倍率は1/4倍である。投影光学系POの鏡筒2には、ミラーMに入射する露光光EL及びレチクルRに入射して反射される露光光ELをそれぞれ通過させるための開口2a及び2bが形成され、投影光学系POからウエハWに入射する露光光ELを通過させるための開口(不図示)も形成されている。レチクルRによって反射された露光光ELは、投影光学系POを介してウエハW上に投射され、これによりレチクルR上のパターンは1/4に縮小されてウエハWに転写される。
図2は、投影光学系POを構成する複数の反射光学素子としての6枚のミラーM1〜M6及びミラーMの配置の一例を示し、この図2において、レチクルRからウエハWに向かって、反射面を下方(−Z方向)に向けたミラーM2、反射面を下方に向けたミラーM4、反射面を上方(+Z方向)に向けたミラーM3、反射面を上方に向けたミラーM1、反射面を下方に向けたミラーM6、及び反射面を上方に向けたミラーM5が配置され、照明系の一部であるミラーMは、ほぼミラーM3及びM4の反射面を延長した2つの面Ca及びCbの間に配置されている。ミラーM1〜M6の反射面は、それぞれ球面又は非球面などの回転対称な面であり、その回転対称軸が投影光学系POの光軸AXにほぼ一致するように位置調整されている。また、ミラーM1,M2,M4,M6は凹面鏡であり、他のミラーM3,M5は凸面鏡である。ミラーM1〜M6それぞれの反射面は、設計値に対して露光波長の約50分の1から60分の1以下の凹凸となる加工精度で加工され、RMS値(標準偏差)で0.2nmから0.3nm以下の平坦度誤差のみが残存している。
図2の構成において、ミラーMで上方に反射された露光光ELは、レチクルRで下方に反射された後にミラーM1で上方に反射され、続いてミラーM2で下方に反射された後、ミラーM3で上方に反射され、ミラーM4で下方に反射される。そして、ミラーM5で上方に反射された露光光ELは、ミラーM6で下方に反射されて、ウエハW上にレチクルRのパターンの像を形成する。なお、投影光学系POは、図2の構成には限定されず、反射光学素子の枚数も6枚以外の何枚であってもよい。
図1に戻り、ウエハWを保持するウエハステージWSTは、XY平面に沿って配置されたウエハベース7上に配置され、例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータから成る駆動系8によってウエハベース7上に浮上支持されている。このウエハステージWSTは、駆動系8によってX方向及びY方向に例えば300〜400mmの所定ストロ−クで駆動され、θz方向にも微小量駆動される。また、ウエハステージWSTは、駆動系8によってZ方向及びXY面に対する傾斜方向にも微小量だけ駆動可能である。
ウエハステージWSTの上面には、静電チャック方式の不図示のウエハホルダが載置され、該ウエハホルダによってウエハWが吸着保持されている。ウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の周りの回転角θx,θy,θzは、外部に配置されたレーザ干渉計(以下、ウエハ干渉計という。)5Wにより、例えば0.1nm程度の分解能で常時検出されている。また、投影光学系POの鏡筒2を基準とするウエハWのZ方向の位置及びXY面に対する傾斜角(θx,θy)は、その被露光面に対し斜め方向から検出ビームを照射する送光系6Waと、その被露光面で反射された検出ビームを受光する受光系6Wbとから構成されるフォーカスセンサによって計測されている。このフォーカスセンサは、レチクルR用のフォーカスセンサ(6Ra,6Rb)と同様の多点焦点位置検出系である。ウエハ干渉計5W及びフォーカスセンサ(6Wa,6Wb)の計測値は、不図示の主制御系に供給され、主制御系はその計測値及びレチクルステージRSTの位置の計測値に基づいて、駆動系8を介してウエハステージWST(ウエハW)を6自由度で駆動する。
さらに、本実施形態では、図1に示されるように、投影光学系POの鏡筒2に、ウエハW上のアライメントマークの位置を計測するためのアライメント系ALGが固定されている。このアライメント系ALGとしては、いわゆるFIA(Field Image Alignment)方式のような画像処理方式のセンサやAFM(原子間力顕微鏡)のような走査型プローブ顕微鏡等を用いることができる。ウエハステージWST上面の一端部には、レチクルRに形成されたパターンの投影像の位置とアライメント系ALGの検出位置との相対位置関係(いわゆるベースライン量)等の計測を行うための空間像計測部FMが設けられている。
ウエハWの露光時には、レチクルR及びウエハWのアライメント終了後に、照明系1からの露光光ELの照射を開始して、レチクルRに形成された回路パターンの一部の投影光学系POによる像をウエハW上の一つのショット領域上に投影しつつ、レチクルRとウエハWとを投影光学系POに対して投影倍率を速度比としてY方向に同期して移動する走査露光動作と、露光光ELの照射を停止して、ウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。このようにしてステップ・アンド・スキャン方式で、レチクルRの回路パターンの像がウエハW上の複数のショット領域に逐次転写される。
次に、本例の図3の照明系1中のフィルタ部材が固定されたレボルバー21,23の回転駆動機構について詳細に説明する。
図3において、真空チャンバを構成する隔壁18の内側の露光光ELの光路を含む空間LPは、露光光EL(EUV光)を透過するように0.5Pa程度以下で、さらに好ましくは5×10-6〜10-7Pa程度の高真空状態に設定され、隔壁18の外側の空間NPには大気圧とほぼ同じ気圧の清浄化された空気が供給されている。そして、フィルタ部材22B〜22F及び24B〜24F(図4、図8参照)がそれぞれ設けられたレボルバー21及び23は、隔壁18の突き出た部分の内側の空間LP内に平行に設置され、レボルバー21,23に垂直に連結された円筒状の駆動軸25A,25Bは、同一直線に沿ってそれぞれ隔壁18の突き出た部分に設けられた開口18a,18b内に挿通されている。
また、駆動軸25A,25Bと開口18a,18bを囲む隔壁18との間には、それぞれ磁性流体シール方式の回転軸受け26A,26Bが設置されている。これによって、開口18a,18bが気密化されて、空間LPの高真空状態が維持されるとともに、駆動軸25A,25Bを開口18a,18b内で円滑に回転させることができる。また、駆動軸25A,25Bの隔壁18の外側の空間NPに突き出た先端部にそれぞれ傘歯車28A,28Bが固定され、傘歯車28A,28Bに直交するようにそれぞれ傘歯車30A,30Bが噛合し、傘歯車30A,30Bに回転用の駆動モータ29A,29Bが連結されている。駆動モータ29A,29Bで傘歯車30A,30Bを回転することで、傘歯車28A,28B及び駆動軸25A,25Bを介してレボルバー21,23が回転される。
このように本例ではレボルバー21,23を回転するために、傘歯車28A,28B及び30A,30B(例えばストレート・ベベルギアが使用できる)よりなる直交歯車機構が用いられているため、駆動モータ29A,29Bを含む回転駆動機構をコンパクトに配置することができる。なお、その代わりに、通常の平歯車を組み合わせた機構、又は駆動軸25A,25Bを駆動モータ29A,29Bで直接回転する機構等も使用できる。
さらに、駆動軸25A,25Bに固定された角度スケール部と、外部に固定されたエンコーダ部とからなるロータリエンコーダ27A,27B(回転角センサ)が設置され、ロータリエンコーダ27A,27Bはそれぞれ駆動軸25A,25Bの回転角を±180°の範囲内の絶対値として検出し、検出結果をマイクロコンピュータを含む制御装置31に供給する。制御装置31は、供給された回転角及び露光装置の動作を統括的に制御する主制御系CONTからの露光光ELに対する透過率の設定値の情報に基づいて、レボルバー21,23の回転角がその設定値に対応する角度になるように駆動モータ29A,29Bを駆動する。
この場合、本例では、レボルバー21,23(駆動軸25A,25B)が所定の基準状態(例えば開放窓22A,24Aが露光光ELの光路上にある状態)に対して、±180°の範囲内で回動されるように駆動モータ29A,29Bを制御する。後述のように本例では、駆動軸25A,25Bに沿って(具体的には駆動軸25A,25B中に)冷却用の配管及び温度センサ用の信号ケーブルが配置されており、駆動軸25A,25Bを一方向に回転していくと、その配管及び信号ケーブルが破損する恐れがある。そこで、その配管及び信号ケーブルを保護し、かつレボルバー21,23上の任意のフィルタ部材を露光光ELの光路上に設置するために、駆動軸25A,25Bの回転角を±180°に制限している。
また、駆動モータ29A,29Bがステップモータのような回転角をデジタルで制御可能なモータである場合には、ロータリエンコーダ27A,27Bの代わりに、例えばレボルバー21,23又は駆動軸25A,25Bの回転角が上記の基準状態にあるときに所定の信号を発するリミットスイッチを用いることも可能である。
次に、図3の本例の照明系1中のフィルタ部材が固定されたレボルバー21,23の温度制御機構につき図7及び図8を参照して説明する。
図7は、図3の要部の拡大断面図であり、この図7において、レボルバー21,23の表面に、開放窓22A,24A及びフィルタ部材22B〜22F,24B〜24Fを囲むように、熱伝導性の良好なステンレス等の金属からなり、内部に冷却された液体(冷媒)を流すための冷却用配管33A,33Bが固定されている。冷媒としては、例えば水(純水)又はフッ素系不活性液体(例えばフロリナート(米国スリーエム社の商品名))等が使用できる。レボルバー21の斜視図である図8に示すように、冷却用配管33Aは、レボルバー21の中心部からフィルタ部材22E,22F、開放窓22A、フィルタ部材22B〜22Dの回りを直列に回った後、レボルバー21の中心部に戻っている。この構成では、冷却用配管33Aの構成を簡略化して、フィルタ部材22B〜22Fの全部を冷却することができる。
ただし、本例では開放窓22Aは単なる開口であり、開放窓22Aの周囲のレボルバー21の部分で局所的に温度が上昇する可能性は低い。従って、冷却用配管33Aは、開放窓22Aの近傍を通る必要は必ずしもない。また、冷却用配管33Aをレボルバー21の表面を均一に覆うように、例えば渦巻き状等に設置してもよい。さらに、配管の構成は複雑化するが、共通の冷却用配管から分岐した複数の細い配管を並列にフィルタ部材22B〜22F等の近傍を通るようにレボルバー21上に固定し、これらの細い配管内に個別に冷媒を流すようにしてもよい。レボルバー23側の冷却用配管33Bも同様である。
また、図7において、駆動軸25A,25B内にそれぞれ貫通穴25Aa,25Baが形成され、貫通穴25Aa及び25Ba内にそれぞれ熱伝導性の良好なステンレス等の金属からなる2本の冷却用配管37A,38A及び37B,38Bが設置される。冷却用配管37A,38Aの貫通穴25Aa内の先端部は冷却用配管33Aに連結され、冷却用配管37B,38Bの貫通穴25Ba内の先端部は冷却用配管33Bに連結されている。この場合、貫通孔25Aa,25Baの内部とレボルバー21,23の外部(高真空度の空間LP)とが連通しないように、駆動軸25A,25Bとレボルバー21,23との連結部は厳密に封止されている。
さらに、冷却用配管38Aの駆動軸25Aから突き出た端部は、可撓性を持つベローズ型の連結部39Aを介して、連結部39Aから回収された冷媒を蓄積して必要に応じて温度制御部35Aに送出する回収部34Aに接続されている。また、冷却用配管37Aの駆動軸25Aから突き出た端部は、可撓性を持つベローズ型の連結部36Aを介して冷媒を所定温度まで冷却して連結部36A側に所定流量で送り出す温度制御部35Aに接続されている。同様に、冷却用配管38Bの駆動軸25Bから突き出た端部も、ベローズ型の連結部39Bを介して冷媒の回収部34Bに連結され、冷却用配管37Bの駆動軸25Bから突き出た端部も、ベローズ型の連結部36Bを介して冷媒の温度制御部35Bに連結されている。回収部34A,34B及び温度制御部35A,35Bの動作は制御装置31によって制御されている。
また、前段のレボルバー21の開放窓22A及びフィルタ部材22B〜22Fの近傍にはそれぞれ熱電対又はサーミスタ等の温度センサ40A〜40F(図8参照)が固定され、これらの温度センサの信号ケーブル41A,41D等は、それぞれ駆動軸25Aの貫通穴25Aa内に設置された可撓性を持つ信号ケーブル束44Aを介して制御装置31に接続されている。同様に、後段のレボルバー23の開放窓24A及びフィルタ部材22D等の近傍にもそれぞれ温度センサ42A,42D等が固定され、これらの温度センサの信号ケーブル43A,42D等も駆動軸25Bの貫通穴25Ba内に設置された可撓性を持つ信号ケーブル束44Bを介して制御装置31に接続されている。ベローズ型の連結部36A,36B及び39A,39Bと信号ケーブル束44A,44Bとの可撓性は、駆動軸25A,25Bを少なくとも±180°回動しても構成部材が破損しないように設定されている。
制御装置31には、予め主制御系CONTからレボルバー21,23の開放窓22A,24A及びフィルタ部材22B〜22F,24D等の近傍での目標温度の情報が供給されている。そこで、制御装置31は、例えば温度センサ40A〜40F,42A,42D等を介して計測されるレボルバー21,23の温度の平均値がそれぞれその目標温度になるように、温度制御部35A,35Bにおける冷媒の温度を設定する。このように冷却用配管33A,37A,38A(33B,37B,38B)、ベローズ型の連結部36A,39A(36B,39B)、温度制御部35A(35B)、回収部34A(34B)、温度センサ40A等(42A等)、及び制御装置31を含んで、レボルバー21(23)及びこれに固定されたフィルタ部材22B〜22F(24D等)の温度制御機構が構成されている。その温度制御機構は、冷却用配管33A,37A,38A(33B,37B,38B)に温度制御(ここでは冷却)された冷媒を供給する機構を含んでいる。
露光光ELがレボルバー21,23のフィルタ部材22B,24D等を介して照射される露光時には、制御装置31の制御のもとで、温度制御部35A,35Bにおいて所定温度まで冷却された冷媒は、ベローズ型の連結部36A,36B、冷却用配管37A,37B、レボルバー21,23に固定された冷却用配管33A,33B、冷却用配管38A,38B、及びベローズ型の連結部39A,39Bを介して温度が上昇した状態で回収部34A,34Bに回収される。そして、回収部34A,34Bから取り出される冷媒は温度制御部35A,35Bにおいて再び所定温度まで冷却されて冷却用配管33A,33B側に供給される。このように温度制御された冷媒は、冷却用配管33A,33Bの内部をほぼ一定の流量で循環している。
また、図1のレチクルRに対する露光光ELの強度を制御するために、図7のレボルバー21,23を回転して露光光ELに対する透過率を変更した場合でも、本例のレボルバー21,23(駆動軸25A,25B)の回転角は±180°以内であり、かつベローズ型の連結部36A,36B及び39A,39B並びに可撓性を持つ信号ケーブル束44A,44Bが使用されているため、冷却用配管33A,33Bに対する温度制御された冷媒の供給を継続して行うことができる。なお、その連結部36A,36B等及び信号ケーブル束44A,44Bの可撓性がより高い場合には、レボルバー21,23の回転角を例えば±360°等に広げることも可能である。
このように本例の照明系1によれば、フィルタ部材22B〜22Fを保持する前段のレボルバー21に固定された冷却用配管33A、及びレボルバー21に連結された駆動軸25Aに沿って配置された冷却用配管37A,38A内に冷却された冷媒を供給しているため、露光光ELの強度を切り換えることが可能で、かつ露光光ELのフィルタ部材に対する照射によるフィルタ部材及びレボルバー21の温度上昇を抑制することができる。従って、露光光ELの照射熱によってフィルタ部材22B〜22Fの透過率が変化したり、レボルバー21自体が変形したりすることがなくなる。これは、後段のレボルバー23及びこれに保持されたフィルタ部材についても同様である(以下同様)。そのため、露光光ELに対する透過率を常に高精度に設定することができ、露光光ELの照射による発熱の影響を軽減できる。その結果、図1のレチクルR(ウエハW)に対する露光光ELの強度(照度)を常に目標値に対して高精度に制御できるため、微細パターンを持つ半導体素子等のデバイス(マイクロデバイス、電子デバイス等)を高精度に製造できる。
また、本例では、図7に示すように、レボルバー21側の冷却用配管37A,38A及び信号ケーブル束44Aを駆動軸25Aに沿って配置し、かつ駆動軸25Aと開口18aを囲む隔壁18との間には、磁性流体シール方式の回転軸受け26Aを設置している。従って、露光光ELの光路を含む空間LPの気密性を損なうことなく、簡単な機構でレボルバー21及びフィルタ部材の温度上昇を抑制して、露光光ELの照射による発熱の影響を軽減できる。
また、本例では、レボルバー21の回転角を検出するロータリエンコーダ27A及びレボルバー21(駆動軸25A)を回転するための駆動モータ29A等を隔壁18の外部の大気圧の環境内に配置している。従って、ロータリエンコーダ27A及び駆動モータ29A等の配置の自由度が高いとともに、メンテナンスも容易である。
また、本例では、レボルバー21の開放窓22A及びフィルタ部材22B〜22Fの近傍に温度センサ40A〜40Fを配置して、この計測結果に基づいて冷却用配管33Aに流す冷媒の温度を制御しているため、フィルタ部材22B〜22F及びレボルバー21の温度をより高精度に制御できる。なお、例えば予め露光光ELの照射時間とフィルタ部材及びレボルバー21の温度上昇との関係を求めておくような場合には、温度センサ40A〜40Fを省略することも可能である。
また、上記の実施形態では、レボルバー21及びフィルタ部材の温度制御機構を備えているが、図7において、レボルバー21上に温度センサ40A,40D等のみを設け、温度制御部35A、冷却用配管33A,37A,38A、及び回収部34Aを含む冷却機構を省略してもよい。この場合にも、温度センサ40A,40D等によって、露光光ELの照射によって上昇したレボルバー21の温度(発熱の状態)を正確に計測することができる。
また、この場合、図7の制御装置31では、温度センサ40A,40D等によって計測されるレボルバー21の温度が所定の許容範囲を超えている期間ではアラーム情報を主制御系CONTに送出してもよい。主制御系CONTでは一例として、そのアラーム情報が出されている期間では、レーザプラズマ光源15の発光を停止して露光を中断(インターロック)してもよい。これによって、レボルバー21及びフィルタ部材の温度が上昇し過ぎて、フィルタ部材の透過率が変化したりする事態を回避できる。
また、上記の実施形態では、レボルバー21及びフィルタ部材を冷却するために、冷却用配管33Aに温度制御された冷媒を供給している。その他に、ペルチェ素子等を用いて熱吸収を行う熱吸収方式、又はヒートパイプを用いて熱を他の放熱板等に逃がす熱交換方式等の冷却機構を使用することも可能である。
また、上記の実施形態において、図3及び図4のフィルタ部材22B〜22F等として、露光光ELに対する傾斜角度を変えることによって強度を調整する部材を用いてもよい。また、レボルバー21上の複数のフィルタ部材22B〜22Fの代わりに、濃淡(透過率)が次第に変化する1つのフィルタ部材を用いてもよい。この場合には、例えばレボルバー21を回転させて、露光光ELとフィルタ部材の濃淡との相対位置を制御することによって、露光光ELの強度をほぼ連続的に制御できる。
また、上記実施形態では、露光ビームとしてEUV光を用い、6枚のミラーのみから成るオール反射の投影光学系を用いる場合について説明したが、これは一例であって、本発明がこれに限定されないことは勿論である。すなわち、例えば、特開平11−345761号公報に開示されるような4枚のミラーのみから成る投影光学系を備えた露光装置は勿論、光源に波長100〜160nmのVUV光源、例えばAr2 レーザ(波長126nm)を用い、4〜8枚等のミラーを有する投影光学系を備えた露光装置などにも本発明を適用することができる。また、レンズ等の透過部材のみから成る照明光学系又は投影光学系を備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、露光光源としてレーザ励起プラズマ光源を用いるものとしたが、これに限らず、SOR(Synchrotron Orbital Radiation)リング、ベータトロン光源、ディスチャージド光源、X線レーザなどのいずれを用いても良い。このように、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
本発明をEUV露光装置に適用した場合には、露光ビームの強度を切り換えることが可能で、かつ簡単な機構で露光ビームの照射による発熱の影響を軽減できるか、又は発熱の状態を計測できるため、半導体素子等を高精度に製造できる。
本発明の実施形態の一例の露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図である。 図1の投影光学系PO内の露光光の光路を示す断面図である。 図1中の照明系1の構成を示す一部を切り欠いた図である。 図3のレボルバー21に保持されるフィルタ部材22B〜22Fを示す図である。 (a)は第1のフライアイミラーFEM1を示す図、(b)は第2のフライアイミラーFEM2を示す図である。 図3の第1のフライアイミラーFEM1と第2のフライアイミラーFEM2とを部分的に拡大して示す斜視図である。 図3の照明系1の要部の拡大図である。 図7中のレボルバー21を示す斜視図である。
符号の説明
1…照明系、10…露光装置、R…レチクル、PO…投影光学系、W…ウエハ、15…レーザプラズマ光源、18…隔壁、21,23…レボルバー、22A,24A…開放窓、22B〜22F,24D…フィルタ部材、25A,25B…駆動軸、26A,26B…磁性流体シール方式の回転軸受け、27A,27B…ロータリエンコーダ、29A,29B…駆動モータ、31…制御装置、33A,33B…冷却用配管、34A,34B…回収部、35A,35B…温度制御部、37A,37B,38A,38B…冷却用配管、40A〜40F,42A,42D…温度センサ

Claims (12)

  1. 光源からの露光ビームで所定のパターンを照明する照明光学装置において、
    前記露光ビームの強度を調整するフィルタと、
    回転軸と前記フィルタが取り付けられる平板部とを有し、前記フィルタを前記露光ビームの光路中に出し入れするフィルタ保持部と、
    前記回転軸を回転する駆動装置と、
    前記回転軸に沿って配置されるとともに、前記平板部に配置された冷却流路と、
    前記冷却流路に温度制御された冷媒を供給する冷媒供給装置とを備えたことを特徴とする照明光学装置。
  2. 前記回転軸は、中空部材を有し、
    前記冷却流路の一部は、前記中空部材内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の照明光学装置。
  3. 前記冷却流路は、前記平板部に取り付けられる前記フィルタの周囲を通過する部分を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明光学装置。
  4. 前記露光ビームの光路を大気圧よりも低い気圧の雰囲気に維持するとともに前記フィルタ保持部の前記平板部が収納された気密室と、
    前記フィルタ保持部の前記回転軸と前記気密室に設けられた開口との間を気密化する磁性流体シール機構とを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の照明光学装置。
  5. 前記回転軸の回転角情報を検出し、検出結果を前記回転軸の前記駆動装置に供給する回転角センサを備え、
    前記駆動装置及び前記回転角センサは、前記気密室の外に配置されることを特徴とする請求項4に記載の照明光学装置。
  6. 前記フィルタと前記冷却流路とが配置された前記フィルタ保持部と、前記駆動装置とが2組設けられたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の照明光学装置。
  7. 前記フィルタ保持部に保持された前記フィルタの近傍に配置された温度センサと、
    前記フィルタ保持部の前記回転軸に沿って配置され、前記温度センサの検出結果を前記冷媒供給装置に供給する信号ラインとを備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の照明光学装置。
  8. 前記露光ビームは波長100nm以下の極端紫外光であり、
    前記フィルタは網目状のフィルタ部材であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の照明光学装置。
  9. 光源からの露光ビームで所定のパターンを照明する照明光学装置において、
    前記露光ビームの強度を調整するフィルタと、
    回転軸と前記フィルタが取り付けられる平板部とを有し、前記フィルタを前記露光ビームの光路中に出し入れするフィルタ保持部と、
    前記回転軸を回転する駆動装置と、
    前記フィルタの近傍に配置された温度センサと、
    前記温度センサの検出結果を処理する制御装置と、
    前記フィルタ保持部の前記回転軸に沿って配置され、前記温度センサの検出結果を前記制御装置に供給する信号ラインとを備えたことを特徴とする照明光学装置。
  10. 前記制御装置は、前記温度センサの検出結果が許容温度を超えたときに、前記光源からの前記露光ビームの発光を停止することを特徴とする請求項9に記載の照明光学装置。
  11. 露光ビームで所定のパターンを照明し、前記露光ビームで前記パターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の照明光学装置を用いて前記パターンを照明することを特徴とする露光装置。
  12. 前記光源はレーザプラズマ光源であり、
    前記露光ビームは波長5〜50nmの極端紫外光であることを特徴とする請求項11に記載の露光装置。
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