JP2008066172A - シート状二次電池ユニット及びこれを用いた二次電池モジュール - Google Patents

シート状二次電池ユニット及びこれを用いた二次電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】小型化・軽量化が可能であるといったシート状二次電池の特性を損なうことなく、接続作業性・生産性を向上させることができるシート状二次電池ユニット及びこれを用いた二次電池モジュールを提供する。
【解決手段】内部電極対1と、内部電極対1と電解液DLとを内部に密封状態に収容する可撓性の袋状外包体2と、袋状外包体2を挟んで一対の内部リード5a,5bと接続される一対の電極端子6a,6bと、電極端子6a,6bをその外部に引き出した状態で、袋状外包体2をその内部に収容する絶縁性のユニットケース30とを備え、一対の電極端子6a,6bと一対の内部リード5a,5bとは、袋状外包体2を気密に貫通する接続部材7a,7bによりそれぞれ接続されていると共に、ユニットケース30には、一対の電極端子6a,6bのそれぞれを弾性的に支持する弾性支持手段35a,35bが配設されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート状二次電池ユニット及びこれを集約形成した二次電池モジュールに係り、特に、接続作業性・生産性の向上を図ったシート状二次電池及び二次電池モジュールの改良に関するものである。
特開2003−151529号公報
近年、各種電子機器に対する小型・軽量化への要望は非常に強く、そのためには動力源である二次電池の性能向上が要求され、種々の電池の開発や改良が進められてきている。電池に期待されている特性の向上には、高電圧化、高エネルギー密度化、耐高負荷化、形状の任意化、安全性の確保等がある。このような要請の下、リチウムイオン二次電池は、現有する電池の中で最も高電圧、高エネルギー密度、耐高負荷化が実現できる二次電池であり、現在でもその改良が盛んに進められている。
このリチウムイオン二次電池は、一般的には、シート状の正極集電体とその表面に塗布された正極活物質とで構成されたシート状の正電極と、シート状の負極集電体とその表面に塗布された負極活物質とで構成されたシート状の負電極とをセパレータを介して積層することにより形成されたシート状の内部電極対と、この内部電極対を密封状態に被覆すると共に内部に電解液を収容する電池ケースと、この電池ケース内の内部電極対の各正電極及び各負電極から電池ケースに設けられた正極端子及び負極端子にそれぞれ接続される正極リード及び負極リードとで構成されており、充電時にはリチウムが正電極の正極活物質から電解液中にリチウムイオンとして抜け出し、負電極の負極活物質中に入り込み、放電時にはこの負極活物質中に入り込んだリチウムイオンが電解液中に放出され、再び正電極の正極活物質中に戻ることにより充放電を行っている。
このようなリチウムイオン二次電池として、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等に適用可能なように、大容量化が可能であると共に、小型化・軽量化が可能なシート状二次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、特許文献1には、可撓性を有する袋状外包体の中にシート状の内部電極対と電解液とを封入し、この内部電極対と、袋状外包体の外部に配置された電極端子とを該袋状外包体を気密に貫通するリベット等の接続手段により接続し、軽量化・薄型化・大容量化が可能な可撓性を有するシート状リチウムイオン二次電池が開示されている。
しかしながら、上述の特許文献に開示されたシート状二次電池においては、電極端子の厚肉化を可能として、通電容量の増大による電池単体での大容量化を可能とするものの、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等に適用する際には、かかるシート状二次電池を複数集約して、制御基板等の支持基板上に多数の電極端子を接続する必要が生じる。
そして、このように多数のシート状二次電池を配設する際には、個々のシート状二次電池の製作誤差等に基づく電極端子の微妙な位置ずれにより、支持基板等への接続作業性が著しく損なわれて生産性が大幅に低下するといった問題が生じていた。また、接続等の際に電極端子に加わる外力により袋状外包体に収容された内部電極対にダメージが発生し易いといった問題が生じていた。
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、小型化・軽量化が可能であるといったシート状二次電池の特性を損なうことなく、接続作業性・生産性を向上させることができるシート状二次電池ユニット及びこれを用いた二次電池モジュールを簡易な構成で安価に提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のシート状二次電池ユニットは、シート状の正電極とシート状の負電極とをセパレータを介して交互に積層して形成されたシート状の内部電極対と、該内部電極対と電解液とを内部に密封状態に収容する可撓性の袋状外包体と、該袋状外包体の内部において、前記内部電極対の各正電極及び各負電極と接続される一対の内部リードと、前記袋状外包体を挟んで前記一対の内部リードと対向するように配設され、相対応する各内部リードと接続される一対の電極端子と、該電極端子をその外部に引き出した状態で、前記袋状外包体をその内部に収容する絶縁性のユニットケースとを備え、前記一対の電極端子と、相対応する一対の内部リードとは、前記袋状外包体を気密に貫通する接続部材によりそれぞれ接続されていると共に、前記ユニットケースには、前記一対の電極端子のそれぞれを弾性的に支持する弾性支持手段が配設されていることを特徴とするものである。
このように構成した本発明に係るシート状二次電池ユニットは、内部電極対と電解液とを内部に密封状態に収容する可撓性の袋状外包体と、内部電極対の各正電極及び各負電極と接続される一対の内部リードと、袋状外包体を挟んで一対の内部リードと対向するように配設され、相対応する各内部リードと接続される一対の電極端子と、該電極端子をその外部に引き出した状態で、袋状外包体をその内部に収容する絶縁性のユニットケースとを備え、一対の電極端子と、相対応する一対の内部リードとは、袋状外包体を気密に貫通する接続部材によりそれぞれ接続されていると共に、ユニットケースには、一対の電極端子のそれぞれを弾性的に支持する弾性支持手段が配設されているので、小型化や軽量化が可能であるという特徴を損なうことなく、接続作業の際の電極端子の位置調整や位置ずれの吸収が可能となり、大容量化が容易で、かつ、接続作業性のよいシート状二次電池ユニットを実現することができる。また、弾性支持手段が緩衝材の役割を果たし、耐振動性・耐衝撃性の向上に寄与することができる。
また、前記弾性支持手段は、前記電極端子と前記ユニットケースとの間に介装されたゴムブッシュにより形成されていてもよい。
このように構成した場合は、電極端子とユニットケースとの間に介装されたゴムブッシュにより弾性支持手段を形成することができるので、電極端子の接続作業性を向上させる弾性支持手段を容易に実現することができる。
さらに、前記電極端子と対向する前記ユニットケースの内表面には、前記電極端子のそれぞれを位置決めする内部位置決め手段が形成されていてもよい。
このように構成した場合には、電極端子と対向するユニットケースの内表面に形成された内部位置決め手段により、電極端子のそれぞれが位置決めされてその位置ずれを未然に防止し、接続の際の作業性をより一層向上させることができる。
ここで、前記内部位置決め手段は、前記ユニットケースの内表面に、前記電極端子と前記内部リードとの接続部材に嵌合する嵌合部を設けることにより形成してもよい。
このように構成した場合には、ユニットケースの内表面に設けられた嵌合部が、剛性の高い接続部材と嵌合することにより内部位置決め手段が形成されているので、電極端子位置をより安定化させることができる。
また、前記ユニットケースの外表面には、他のシート状二次電池ユニットとの相互位置決めを可能とする外部位置決め手段が形成されていてもよい。
このように構成した場合には、ユニットケースの外表面に形成された外部位置決め手段により、複数のシート状二次電池ユニットの一体化・ブロック化を容易にすると共に、ブロック化された複数のシート状二次電池ユニットにおける多数の電極端子の位置ずれを未然に防止して、複数のシート状二次電池ユニットの一括接続を可能とすることができる。
さらに、前記外部位置決め手段は、放熱手段を兼用してもよい。
このように構成した場合には、外部位置決め手段が、放熱手段を兼用するので、別途放熱手段を設ける構成に比し、構成の簡素化、小型化、コストダウンに寄与することができる。
ここで、前記外部位置決め手段は、前記ユニットケースの長手方向一端部から所定の距離に設けられた端部リブと、前記ユニットケースの長手方向他端部から前記所定の距離に設けられた端部リブ対により形成してもよい。
このように構成した場合には、端部リブ及び端部リブ対によりユニット間の相互位置決めを可能とすると共に、相互に位置決めされたユニット間に形成される空間によりケース内に蓄積された熱エネルギーの放熱が可能となり、これにより、放熱手段との兼用を可能とし、かつ、標準化・共通化が容易な外部位置決め手段を簡易に実現することができる。
さらに、前記端部リブと前記端部リブ対との間に、所定の相互間隔で配設された複数の中間リブを備え、前記複数の中間リブの相互間隔は、該中間リブと前記端部リブ又は端部リブ対のいずれか一方との距離と略同等であり、かつ、他方との距離の略半分となるように設定されていてもよい。
このように構成した場合には、隣接するシート状二次電池ユニット間の中間リブが相互に対向するシート状二次電池ユニットと当接してユニットケースの剛性を補強して電極端子の位置決めの安定化に寄与すると共に、ユニット間に均等な放熱空間を形成して、放熱バランスのよい放熱手段を兼用することができる外部位置決め手段を容易に実現することができる。
また、前記ユニットケースは、互いに同構造の一対の分割ユニットにより構成してもよい。
このように構成した場合には、ユニットケースを構成する分割ユニットの標準化・共通化を可能とし、コストダウンに寄与することができる。
以上において、本発明に係るシート状二次電池ユニットは、電極端子の厚さ1.0mm以上であるような大容量化を企図したシート状二次電池ユニットに好適に適用可能である。
また、本発明に係る二次電池モジュールは、上記いずれかに記載の複数のシート状二次電池ユニットと、該複数のシート状二次電池ユニットが接続される支持基板とを備え、該支持基板には、前記複数のシート状二次電池ユニットの電極端子のそれぞれを弾性的に把持接続するクランプ端子が設けられていることを特徴とするものである。
このように構成した場合には、複数のシート状二次電池ユニットが接続される支持基板に、電極端子を弾性的に把持接続するクランプ端子が設けられているので、各シート状二次電池ユニットと支持基板とのより円滑な接続が可能となり、複数のシート状二次電池ユニットが集約された二次電池モジュールを形成する際の接続作業性・生産性を一層向上させることができる。
本発明によれば、小型化・軽量化が可能であるといったシート状二次電池の特性を損なうことなく、接続の際の作業性・生産性の向上に寄与することができるシート状二次電池ユニット及び二次電池モジュールを簡易な構成で安価に実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1〜4を参照して説明する。ここで、図1は、本発明に係るシート状二次電池ユニットを模式的に示す斜視図であり、図2は、ユニットケース内に収容されるシート状二次電池を模式的に示す斜視図である。また、図3は図2におけるIII−III断面図であり、図4は、内部電極対を説明するため
の模式図である。
図1に示すように、本発明に係るシート状二次電池ユニット20は、絶縁性樹脂で成型されたユニットケース30の内部に後述するシート状二次電池15を収容したものであり、ユニットケース30から外部へ突出した電極端子6a,6bは、ユニットケース30に設けられた弾性支持手段であるゴムブッシュ35a,35bを介してそれぞれ弾性的に支持されている。そして、本発明に係るユニットケース30は、互いに同構造の一対の分割ユニット30u,30uから構成されている。
また、各分割ユニット30uの表面(図中、前面及び裏面)には、それぞれ外部位置決め手段及び放熱手段を構成する複数のリブRbが所定の間隔で分割ユニット30uの短辺と略平行に、分割ユニット30uの長手方向に渡って配列形成されている
ユニットケース30内に収容されるシート状リチウムイオン二次電池(以下、シート状二次電池とも称する)15は、図2に模式的に示すように、その4辺がヒートシールされた可撓性の袋状外包体2の内部に内部電極対1及び電解液DLを密封状態に収容すると共に、袋状外包体2の外部に電極端子6a,6bを配設したものであり、この電極端子6a,6bと、相対応する内部電極対1とは、袋状外包体2を介してリベット等の接続手段7a,7bによりそれぞれ接続されている。
詳細には、その正極側断面を図3に示すように、複数のシート状の正電極1aと複数のシート状の負電極1bとをセパレータ1cを介して交互に積層して形成されたシート状の内部電極対1と、この内部電極対1と電解液DLとを内部に密封状態に収容する可撓性の袋状外包体2と、この袋状外包体2の内部において内部電極対1の各正電極1aを連結する正極側の内部リード5aと、内部電極対1の各負電極1bを連結する負極側の内部リード5b(以下、負極側については正極側と同構造であるため、その図示は省略している)と、袋状外包体2を挟んで正極側の内部リード5aに相対応する袋状外包体2の外側に配設される正極側の電極端子6aと、袋状外包体2を挟んで負極側の内部リードに相対応する袋状外包体2の外側に配設される負極側の電極端子6bと、袋状外包体2を気密に貫通して一端側が袋状外包体2の内側に位置する各内部リード5a,5bにそれぞれ接続されると共に他端側が袋状外包体2の外側に位置する各電極端子6a,6bにそれぞれ接続され、これら各内部リード5a,5bと各電極端子6a,6bとの間を電気的に接続する2本組一対(合計4本)のリベット7a,7b(図2参照)とで構成されている。
本実施の形態において、各内部リード5a,5bと袋状外包体2との間及び各電極端子6a,6bと袋状外包体2との間には、リベット7a,7bが貫通する袋状外包体2の貫通孔をシールするためのシール部材8a,8bが介装されている。なお、符号4は、袋状外包体2のヒートシール部を示す。
ここで、上記内部電極対1は、図4に示すように、各正電極1aがアルミニウム製の正極集電体9の両面に正極活物質10を積層して形成されており、また、各負電極1bが銅製の負極集電体11の両面に負極活物質12を積層して形成されている。また、正極側の内部リード5aと、正極側の電極端子6aと、これらの間を連結するリベット7aとは、接触抵抗の低減や熱膨張係数の違いによる熱変形の防止といった観点から、いずれも上記正極集電体9と同じアルミニウム製であり、また同様に、負極側の内部リード5bと、負極側の電極端子6bと、これらの間を連結するリベット7bとはいずれも上記負極集電体11と同じ銅製である。
セパレータ1cは、多孔質膜、不織布、網など、電子絶縁性で正電極1a及び負電極1bとの密着に対して充分な強度を有するものであれば、どのようなものでも使用可能である。材質は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレンの単層多孔質膜及びこれらの多層化した多孔質膜が接着性及び安全性の観点から好ましい。
また、イオン伝導体として用いる電解液DLに供する溶剤及び電解質塩としては、従来の電池に使用されている非水系の溶剤及びリチウムを含有する電解質塩が使用可能である。具体的には、溶剤として、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどのエステル系溶剤、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤の単独液、及び前述の同一系統の溶剤同士あるいは異種系統の溶剤からなる2種の混合液が使用可能である。また電解質塩は、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiN(C25SO22などが使用可能である。
本発明において、内部電極対1と電解液DLとを内部に密封状態に収容する可撓性の袋状外包体2については、その内部に収容される電解液に対して優れた耐電解液性を有すると共に、外包体として使用可能な強度を有するものであれば特に制限されるものではなく、具体的には、内面側に例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アイオノマー等の耐電解液性及びヒートシール性に優れた熱可塑性樹脂製の内面層を、中間に例えばアルミ箔、ステンレス箔等の可撓性及び強度に優れた金属箔製の中間層を、また、外面側に例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた絶縁樹脂製の外面層を有する三層構造のラミネートフィルムを用いて形成される可撓性の袋状外包体(再表98/042,036号参照)を例示することができる。なお、本実施の形態においては、上記袋状外包体2は、内面側にポリプロピレン製の内面層2aを、中間にアルミ箔製の中間層2bを、外面側にナイロン製の外面層2cを有する三層構造のラミネートフィルムで形成されており、また、上記内部リード5a,5bと袋状外包体2との間に介装されたシール部材8aは上記袋状外包体2の内面層2aと同じポリプロピレン製であって、上記電極端子6a,6bと袋状外包体2との間に介装されたシール部材8bは上記袋状外包体2の外面層2cと同じポリプロピレン製である。
そして、本実施の形態におけるシート状二次電池15では、各内部リード5a,5bと各電極端子6a,6bとの間をリベット7a,7bによりリベット止めすると、これら各内部リード5a,5bと各電極端子6a,6bとの間に袋状外包体2及びシール部材8a,8bが加圧下に挟み込まれ、これによってリベット7a,7bが貫通する袋状外包体2の貫通孔が気密にシールされ、また同時に、リベット7a,7bにより各内部リード5a,5bと各電極端子6a,6bとの間が電気的に接続されるようになっている。なお、本実施の形態においては、各内部リード5a,5bと各電極端子6a,6bとの接続手段として、リベット7a,7bを例示したが、本発明に係る接続手段は、上記内部リードリード5a,5bと電極端子6a,6bとの間を確実に連結して電気的に接続するものであれば差し支えなく、上記リベット止め以外にも、例えば、ボルトナットやかしめ、半田付け等による接続方式を適宜適用することができる。
また、本発明に係る電極端子6a,6bとしては、接続の際の剛性を確保できるものであれば差し支えなく、例えば、その厚さが1.0mm以上であるような平板状端子を用いることができる。なお、本実施の形態においては、大容量化を可能としつつ剛性を確保するという観点から、正電極端子6a及び負電極端子6bの厚さはともに1.5mmであり、その幅はともに15mmである。
ところで、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等への搭載といった、二次電池に対する近年のさらなる大容量化の要請に応えるためには、上述したようなシート状二次電池15を多数集約して、例えば制御基板等の支持基板上に接続する必要がある。
これに対して、上述したシート状二次電池15を集約配置する際には、複数のシート状二次電池15の多数の電極端子6a,6bの位置が安定しないので、多数のシート状二次電池を一括して上記基板に接続することは非常に困難であり、このため、シート状二次電池15を一枚ずつ接続していく必要が生じ、接続作業性・生産性を著しく損なうといった問題が生じてしまう。
そこで、本発明に係るシート状二次電池ユニット20においては、前述したユニットケース30を用いて、電極端子6a,6bの位置を安定化させると共に、接続の際の位置調整や位置ずれの吸収を可能とし、さらに、ユニット同士の位置決めを可能としてブロック状のシート状二次電池ユニットを容易に形成可能とし、大幅な作業性・生産性の向上を図っている。
次に、本発明に係るシート状二次電池ユニット20のユニットケース30の詳細について、図5〜図7を参照してさらに説明する。ここで、図5は、本発明に係る弾性支持手段の一例を示す模式図であり、図6は、分割ユニット30uの内表面及び外表面を模式的に示す図であり、図7は、ブロック状に形成した複数のシート状二次電池ユニット20の平面図である。
本発明に係るユニットケース30は、その内部にシート状二次電池15を収容し、互いに対向する分割ユニット30u,30uを組み合わせた状態で、シート状二次電池15の電極端子6a,6bがユニットケース30から突出する各部分に、ゴムブッシュ35a,35bが介装されるようになっている(図1参照)。このゴムブッシュ35は、図5(a)に模式的に示すように、電極端子6a(6b)が挿通される貫通孔350をその内部に形成した弾性部材であり、本実施の形態では、硬度がショアA65のブチルゴムを用いている。
このようにシート状二次電池15の電極端子6a,6bのそれぞれを、弾性支持手段であるゴムブッシュ35a,35bを介して、ユニットケース30に弾性支持することにより、小型化、軽量化が可能であるというシート状二次電池15の特長を損なうことなく、例えば、電極端子6a,6bをユニットケース30に固設する構成に比し、シート状二次電池ユニット20を接続する際の電極端子6a,6bの微妙な位置調整や位置ずれの吸収を可能として、接続作業性の向上を図ることができる。また同時に、このゴムブッシュ35a,35bは、接続作業時等に、電極端子6a,6bに外部から加えられる振動や衝撃等を緩和する緩衝材の役割を果たし、シート状二次電池15内の内部電極対1に伝達される機械的ダメージを抑制し、耐振動性・耐衝撃性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、ユニットケース30内に1枚のシート状二次電池15を収容する場合を例示したが、複数のシート状二次電池15を収容するように構成しても差し支えなく、例えば、分割ユニット30u内に1枚のシート状二次電池15(ユニットケース30内に2枚のシート状二次電池15)を収容するように構成した場合には、図5(b)に示すような、内部に2個の貫通孔351,353を設けたゴムブッシュ35’を用いることにより、同様な弾性支持手段を簡易に実現することができる。また、弾性支持手段35の材質に関しては、上記ゴム部材に限定されるものではなく、シート状二次電池15を基板等に接続する際に、電極端子6a,6bの端子位置ずれの吸収や調整が可能なように弾性支持するものであれば差し支えなく、例えば、ウレタン樹脂やABS樹脂により形成してもよい。
また、本発明に係る分割ユニット30uの内表面には、以下のようなシート状二次電池15の位置決めを行う内部位置決め手段が形成されている。
図6(a)に模式的に示すように、分割ユニット30uの内表面には、内部リード5a,5bと電極端子6a,6bとの接続手段であるリベット7a,7bと対応する位置に、円筒状の嵌合部31a,31b(本例では、各電極端子の2箇所のリベット位置に対応した計4箇所)が突出形成されている。そして、この円筒状の嵌合部31a,31bは、その頂部に、リベット7a,7bの凸部(頭部)形状に倣うように形成された凹部を有しており、該凹部をリベット7a,7bの凸部と当接させることにより、両者が嵌合するようになっている。同様に、各電極端子6a,6bの下端部に対応する位置には、この下端部と当接する略方形のストッパ部33a,33bが設けられている。
すなわち、本実施の形態に係る内部位置決め手段は、シート状二次電池15を収容した状態で、可撓性のある袋状外包体2の外部に配設された剛性の高いリベット7a,7bの凸部(頭部)と嵌合して位置決めを行う嵌合部31a,31bと、剛性の高い電極端子6a,6bの下端部と当接することによりその位置決めを行うストッパ部33a,33bとから構成されており、これにより、ユニットケース30内でのシート状二次電池15の位置決めを可能としている。そして、このようにユニットケース30内のシート状二次電池15の位置決めを行うことによって、外部との接続インターフェース部となる電極端子6a,6bの安定した位置決めが可能となり、接続作業性の一層の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、嵌合部31a,31b及びストッパ部33a,33bにより内部位置決め手段を構成したが、例えば、ストッパ部33aを省略することも可能である。すなわち、ユニットケース30内の剛性部材(例えば、電極端子6a,6bやリベット7a,7b等の接続部材)と嵌合・当接する部分をケース内表面に形成配置することにより、効果的にシート状二次電池15の位置決めが可能となるため、このような部分(内部位置決め手段)の形状、大きさ、配置数等は適宜選定することができる。
さらに、本発明に係る分割ユニット30uの外表面には、以下のようなシート状二次電池15の位置決めを行う外部位置決め手段が形成されている。
図6(b)に模式的に示すように、分割ユニット30uの外表面には、端部両短辺L1,L2から所定の等距離d0を隔てて、この短辺L1,L2と平行に、外部位置決め手段を構成する端部リブRb1及び端部リブ対Rb6が、ケース外表面から突出してケース本体と一体に樹脂成型されている。本実施の形態では、端部リブRb1は、左側短辺L1から距離d0の位置に形成されていると共に、端部リブ対Rb6は、その中心線Rcの位置が右側短辺L2から同様な距離d0となるように形成されている。また、端部リブRb1及び端部リブ対Rb6の外表面からの突出高さは、略同等となるように形成されていると共に、端部リブ対Rb6のリブ間隔は、端部リブRb1の厚さtと略同等となるように設定されている。
さらに、端部リブRb1と端部リブ対Rb6との間には、その突出高さが端部リブRb1、端部リブ対Rb6と略同等な複数の中間リブ(本例では、Rb2〜Rb5)が、同様にケース本体と一体に樹脂成型されている。そして、これらの中間リブRb2〜Rb5は、端部リブRb1を含めて互いの離隔距離(相互間隔)が等距離dとなると共に、右側の中間リブRb5と端部リブ対Rb6との離隔距離は、d/2となるように、端部リブRb1及び端部リブ対Rb6との間に配置されている。なお、本実施の形態では、中間リブRb2〜Rb5を、端部リブ対Rb6側に寄せて(中間リブRb5と端部リブ対Rb6との離隔距離がd/2となるように)配置したが、端部リブRb1側に寄せて(中間リブRb2と端部リブRb1との離隔距離がd/2となるように)配置してもよい。
そして、一対の上記分割ユニット30u,30uの内表面が互いに対向するように組み合わせて、その内部にシート状二次電池15を収容したシート状二次電池ユニット20を複数形成し、かかる複数のシート状二次電池ユニット(例えば、20−1〜20−10の10個のユニット)を隣接配置した場合には、図7に示すように、それぞれの端部リブRb1と端部リブ対Rb6とが互いに嵌合してユニット相互の位置決めが可能となると共に、中間リブRb2〜Rb5が、相対向するユニットケース30の外表面に当接してユニットケース30の剛性を補強し、ユニットの撓みによる電極端子6a,6bの位置ずれを未然に防止することができる。すなわち、複数のシート状二次電池ユニット20−1,20−2・・・のブロック化を容易に実現すると共に、ブロック化された複数のシート状二次電池ユニット(以下、二次電池モジュールとも称する)50における多数の各電極端子6a,6bの安定した位置決めが可能となる。これにより、多数のシート状二次電池ユニット20−1,20−2・・・から構成された二次電池モジュール50を一括してワンタッチで所定の基板等に接続することが可能となり、作業性・生産性の大幅な向上を実現することができる。
また、本発明に係るシート状二次電池ユニット20を用いて二次電池モジュール50を形成する際には、各シート状二次電池ユニット(本例では、20−1〜20−10)の外表面に突出形成されたそれぞれのリブRb1〜Rb6が、ユニット間で均等間隔d/2に配列され、均等な放熱空間Shが形成されることとなる。そして、この均等な放熱空間Shにより、シート状二次電池ユニット20の発熱をバランスよく放熱することが可能となる。
すなわち、本発明に係る外部位置決め手段は、上述したように、複数のシート状二次電池ユニット(本例では、20−1〜20−10)がブロック化された二次電池モジュール50の形成を容易にすると共にユニット間の放熱手段を兼用し、接続作業性・生産性の大幅な向上を実現するといった効果に加えて、バランスのよい安定した放熱性能の向上を図ることが可能となり、さらに、放熱手段を別途設ける構成に比し、小型化やコストダウンにより寄与することができる。
なお、本実施の形態に係る外部位置決め手段においては、相互に嵌合するリブRb1及びリブ対Rb6を端部に配置した構成を例示したが、当然に、このリブ及びリブ対は、中間部に設けてもよい。また、コストダウン等を考慮して、複数のリブをユニットケース本体と一体に樹脂成型した構成を例示したが、各リブの配置数、材質等は適宜選定することができ、例えば、剛性や放熱性を考慮して、これらのリブを剛性や熱伝導性の高い別部材で形成してもよい。
また、以上において、本発明に係るユニットケース30は、互いに同構造である一対の分割ユニット30u,30uを組み合わせて構成可能であるので、部品の標準化・共通化によるコストダウンが可能となる。
さらに、一般に、剛体のユニットケースに収容した、従来のいわゆる缶状の二次電池においては、異常温度上昇、内圧上昇が発生した際の内部エネルギーを放出するために、安全弁等の安全装置を設けることが必要となるが、本発明に係るシート状二次電池ユニット20によれば、ラミネートフィルムで形成された袋状外包体2がこの安全弁の機能を担い、従来の缶状の二次電池における安全弁等の省略若しくは構成の簡素化が可能となる。これにより、小型化・軽量化が可能であるというシート状二次電池15本来の特長と相俟って、構成の簡素化等に伴う一層の小型化、コストダウンに寄与することができる。
次に、上記シート状二次電池ユニット20を用いた二次電池モジュール50の構成例について、図面を参照してさらに説明する。
一般に、電気自動車用等に大容量化を企図して、図7に示したような、多数のシート状二次電池ユニット20を集約した二次電池モジュール50を構成する場合には、個々のシート状二次電池ユニット20の過充電や過放電を監視して、その保護制御を行う保護制御基板が必要となる。なお、このような二次電池モジュール50を、車両搭載する場合には、耐振動性等を考慮して、複数のシート状二次電池ユニット(本例では、20−1〜20−10)間の相互結合力を補強するという観点から、二次電池モジュール50の周囲に、不図示の補助用外枠をさらに設けてもよい。
そして、図8に示すように、本実施の形態に係る二次電池モジュール50は、複数のシート状二次電池ユニット20−1〜20−10が接続支持される保護制御基板55を備えている。
ここで、保護制御基板55は、各シート状二次電池ユニット20−1〜20−10の過放電や過充電を監視して、過電流の遮断等の保護制御機能を担うものであり、従来公知の保護制御回路が実装されている。さらに、本実施の形態に係る保護制御基板55上には、図8(a)に示すように、シート状二次電池ユニット20−1〜20−10の各電極端子6a,6bに対応する位置に貫通孔55A−1〜55A−20及び55B−1〜55B−20が形成されており、これらの貫通孔55A−1〜55A−20,55B−1〜55B−20のそれぞれには、接続端子として、図8(b)に示すようなクリップ状のクランプ端子57A−1〜57A−20,57B−1〜57B−20が圧入されている。
これにより、図9に模式的に示すように、シート状二次電池ユニット20の弾性支持された電極端子6a,6bと接続端子57とのより円滑な接続把持を可能として、ブロック化されたシート状二次電池ユニット20−1〜20−10の一括挿入をより容易に行うことが可能となる。
また、二次電池モジュール50を構成するシート状二次電池ユニット20のユニット単位での保護制御基板55からの簡易な抜き差しが可能となり、例えば、直列接続から並列接続への接続変更や、制御基板55上で異常等が検出された故障ユニットの取り外しや、補修後のユニットの再装着といった保守作業も容易となり、保守性を大幅に向上させることができる。
以上、本発明に係るシート状二次電池ユニット20においては、ユニットケース30の内部位置決め手段により、その電極端子位置の安定化が図られると共に、弾性支持手段により、接続の際の電極端子6a,6bの微小な位置ずれの吸収や位置調整が可能となる。また、ユニットケース30の外部位置決め手段により、シート状二次電池ユニット同士の簡易なブロック化が可能となると共に、ブロック単位での多数の電極端子6a,6b・・・の位置決めの安定化が図られ、ブロック化された複数のシート状二次電池ユニット20−1〜20−10の一括接続が可能となる。これらにより、小型化、軽量化、大容量化が可能であるといったシート状二次電池15の特長を損なうことなく、接続作業性、生産性の大幅な向上を実現することができる。また、保護制御基板55上に設けられたクリップ状のクランプ端子57により、シート状二次電池ユニット20と保護制御基板55とのより円滑な接続を可能とし、二次電池モジュール50をより簡易に効率的に形成することができる。
なお、本発明に係る弾性支持手段、内部位置決め手段、外部位置決め手段及びクランプ端子等は、当然に、組み合わせて実施した方が、より効果的にシート状二次電池ユニット20及び二次電池モジュール50の接続作業性・生産性を向上させることができるが、それぞれ単独で実施しても各ユニットの接続作業性を向上させることができる。
本発明に係るシート状二次電池ユニットを示す模式図である。 ユニットケース内に収容されるシート状二次電池を模式的に示す斜視図である。 図2のIII−III線に沿った模式的断面図である。 内部電極対を説明するための模式的拡大図である。 本発明に係る弾性支持手段の例を示す模式図である。 ユニットケースの構成を説明するための模式図であり、(a)はユニットケースの内表面の構成を示す模式図であり、(b)はユニットケースの外表面の構成を示す模式図である。 本発明に係る複数のシート状二次電池ユニットを隣接配置した状態を模式的に示す平面図である。 本発明に係る保護制御基板の構成を示す模式図であり、(a)は接続端子を圧入していない状態での制御基板の模式的平面図であり、(b)は接続端子を圧入した状態での模式的側面図である。 本発明に係るシート状二次電池ユニットとクランプ端子との接続状態を示す模式図である。
符号の説明
1:内部電極対、1a:正電極、1b:負電極、1c:セパレータ、2:袋状外包体、5a,5b:内部リード、6a,6b:電極端子、7a,7b:リベット、8a,8b:シール部材、9:正極集電体、10:正極活物質、11:負極集電体、12:負極活物質、15:シート状二次電池、20:シート状二次電池ユニット、30:ユニットケース、30u:分割ユニット、31a,31b:嵌合部、33a,33b:ストッパ部、35a,35b:ゴムブッシュ、50:二次電池モジュール、55:保護制御基板、57:クランプ端子、Rb:リブ、Sh:放熱空間

Claims (11)

  1. シート状の正電極とシート状の負電極とをセパレータを介して交互に積層して形成されたシート状の内部電極対と、
    該内部電極対と電解液とを内部に密封状態に収容する可撓性の袋状外包体と、
    該袋状外包体の内部において、前記内部電極対の各正電極及び各負電極と接続される一対の内部リードと、
    前記袋状外包体を挟んで前記一対の内部リードと対向するように配設され、相対応する各内部リードと接続される一対の電極端子と、
    該電極端子をその外部に引き出した状態で、前記袋状外包体をその内部に収容する絶縁性のユニットケースと
    を備え、
    前記一対の電極端子と、相対応する一対の内部リードとは、前記袋状外包体を気密に貫通する接続部材によりそれぞれ接続されていると共に、前記ユニットケースには、前記一対の電極端子のそれぞれを弾性的に支持する弾性支持手段が配設されていることを特徴とするシート状二次電池ユニット。
  2. 前記弾性支持手段は、前記電極端子と前記ユニットケースとの間に介装されたゴムブッシュにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート状二次電池ユニット。
  3. 前記電極端子と対向する前記ユニットケースの内表面には、前記電極端子のそれぞれを位置決めする内部位置決め手段が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状二次電池ユニット。
  4. 前記内部位置決め手段は、前記ユニットケースの内表面に、前記電極端子と前記内部リードとの接続部材に嵌合する嵌合部を設けることにより形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシート状二次電池ユニット。
  5. 前記ユニットケースの外表面には、他のシート状二次電池ユニットとの相互位置決めを可能とする外部位置決め手段が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のシート状二次電池ユニット。
  6. 前記外部位置決め手段は、放熱手段を兼用することを特徴とする請求項5に記載のシート状二次電池ユニット。
  7. 前記外部位置決め手段は、前記ユニットケースの長手方向一端部から所定の距離に設けられた端部リブと、前記ユニットケースの長手方向他端部から前記所定の距離に設けられた端部リブ対により形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のシート状二次電池ユニット。
  8. 前記端部リブと前記端部リブ対との間に、所定の相互間隔で配設された複数の中間リブをさらに備え、該複数の中間リブの相互間隔は、該中間リブと前記端部リブ又は端部リブ対のいずれか一方との距離と略同等であり、かつ、他方との距離の略半分となるように設定されていることを特徴とする請求項7に記載のシート状二次電池ユニット。
  9. 前記ユニットケースは、互いに同構造の一対の分割ユニットにより構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のシート状二次電池ユニット。
  10. 前記電極端子の厚さは、1.0mm以上であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のシート状二次電池ユニット。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の複数のシート状二次電池ユニットと、
    該複数のシート状二次電池ユニットが接続される支持基板と
    を備え、
    該支持基板には、前記複数のシート状二次電池ユニットの電極端子のそれぞれを弾性的に把持接続するクランプ端子が設けられていることを特徴とする二次電池モジュール。
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