JP2008065277A - 投射型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程の煩雑さを緩和することが可能な投射型表示装置を提供すること。
【解決手段】反射型偏光変換膜27が、偏光分離膜26から射出されたs偏光のうち少なくとも一部の偏光方向をp偏光の偏光方向に変換する機能(位相差板としての機能)と、当該偏光方向を変換したp偏光を反射して偏光変換素子23から射出する機能(反射膜としての機能)とを併せ持っているので、例えば従来の構成における位相差板と反射膜とを一つの部材として構成することができ、これらを別々に設けなくても済むことになる。これにより、偏光変換素子23の部品点数を削減することができ、製造工程の煩雑さを緩和することが可能となる。ひいては、プロジェクタの製造工程の煩雑さを緩和することにつながる。
【選択図】図3

Description

本発明は、投射型表示装置に関する。
一般にプロジェクタなどの投射型表示装置は、光源と、光変調素子と、投射レンズとを主体として構成されている。光源から射出される光を光変調素子によって変調し、この変調した光を投射レンズによってスクリーンなどに投射することで、静止画や動画などの画像が表示されることになる。
投射型表示装置の光変調素子として、例えば透過型の液晶装置を用いることが多い。液晶装置の入射面には、通常、偏光板が設けられている。液晶装置に入射する光のうち、偏光板の偏光方向と同一方向に偏光する光成分はこの偏光板を透過し、偏光板の偏光方向とは異なる方向に偏光する光成分はこの偏光板によって遮光されるようになっている。
近年、明るく高コントラストの画像を表示する投射型表示装置が要請されている。この要請に対して、光源から射出される光の偏光方向を偏光板の偏光方向と同一になるように揃えることによって多くの光成分が偏光板を透過可能となるようにし、光源から射出される光をできるだけ多く表示に利用する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクタは、光の偏光方向を一方向に揃えることが可能な偏光変換プリズムアレイを光源と光変調素子(偏光板付き液晶装置)との間に有した構成になっている。偏光変換プリズムアレイは、基板内に偏光分離膜と反射膜とが設けられ、基板の表面に位相差板が貼り付けられた構成になっている。光源から射出される光は、偏光分離膜によって偏光板の偏光方向と同一方向に偏光する光成分(s偏光)と当該偏光板の偏光方向とは異なる方向に偏光する光成分(p偏光)とに分離される。s偏光は反射膜によって反射されそのまま射出される。p偏光は位相差板によってその偏光方向を変換され、s偏光として射出される。
特開2002−23106号公報
特許文献1に記載の構成では、偏光変換素子には偏光分離膜、反射膜、位相差板と機能の異なる3種類の部材が取り付けられているため、偏光変換素子の部品点数が多くなってしまい、偏光変換素子の形成、ひいては投射型表示装置の製造工程が煩雑になってしまう。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、製造工程の煩雑さを緩和することが可能な投射型表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る投射型表示装置は、光源と、前記光源からの光の偏光方向を変換する偏光変換素子と、前記偏光変換素子によって偏光方向が変換された光を複数の色光に分離する色分離手段と、前記色分離手段によって分離された前記複数の色光を変調する複数の光変調手段と、前記複数の光変調手段によって変調された色光を合成する色合成手段と、前記色合成手段によって合成された光を投射する投射レンズとを具備し、前記偏光変換素子が、自身に入射する光を所定の偏光方向を有する第1光成分と前記所定の偏光方向とは異なる偏光方向を有する第2光成分とに分離すると共に、前記第1光成分を第1方向へ射出し前記第2光成分を前記第1方向とは異なる第2方向へ射出する偏光分離部材と、前記偏光分離部材の前記第2方向上に設けられ、前記偏光分離部材から射出された前記第2光成分のうち少なくとも一部の偏光方向成分を前記所定の偏光方向成分に変換すると共に当該偏光方向を変換した第2光成分を前記第1方向へ射出する偏光変換部材とを有し、一の前記偏光分離部材と一の前記偏光変換部材とが対をなしており、前記偏光分離部材と前記偏光変換部材との対が複数設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、一の偏光分離部材と一の偏光変換部材とが対をなしており、この偏光分離部材と偏光変換部材との対が複数設けられている場合において、偏光変換部材が、偏光分離部材から射出された第2光成分のうち少なくとも一部の偏光方向を所定の偏光方向に変換する機能(位相差板としての機能)と、当該偏光方向を変換した第2光成分を第1方向へ射出する機能(反射膜としての機能)とを併せ持っているので、例えば従来の構成における位相差板と反射膜とを一つの部材として構成することができ、これらを別々に設けなくても済むことになる。これにより、偏光変換素子の部品点数を削減することができ、製造工程の煩雑さを緩和することが可能となる。ひいては、投射型表示装置の製造工程の煩雑さを緩和することにつながる。
また、一の偏光分離部材と一の偏光変換部材とが対をなしており、この偏光分離部材と偏光変換部材との対が複数設けられているので、例えば光変調手段として液晶ライトバルブを用いる場合などには当該液晶ライトバルブの画素の配列に応じて、一対の偏光分離部材及び偏光変換部材の配置や数を選択することができる。これにより、幅広い設計が可能となる。
上記の投射型表示装置は、前記偏光分離部材と前記偏光変換部材とが、光を透過可能な基材の内部に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、偏光分離部材と偏光変換部材とが光を透過可能な基材の内部に設けられているので、当該基材によって偏光分離部材と偏光変換部材との位置を固定することができる。これにより、偏光分離部材と偏光変換部材との間の位置ズレを回避することができる。
上記の投射型表示装置は、前記偏光変換部材が、前記第2方向上に設けられ、光反射可能な材料からなる平坦層と、前記平坦層の表面に設けられ、光反射可能な材料からなり、所定のピッチ及び所定の深さで一方向に延在するグリッド部を有するグリッド層とを有することを特徴とする。
本発明によれば、偏光変換部材が、第2方向上に設けられ光反射可能な材料からなる平坦層を有しているので、当該平坦層の表面の向きを調節することにより、所望の方向に光を反射して射出することができる。しかも、平坦層の表面に設けられ光反射可能な材料からなり所定のピッチ及び所定の深さで一方向に延在するグリッド部を有するグリッド層を有しているので、第2の光成分の偏光方向を所定の方向に変換することができる。このように、グリッド層による偏光方向の変換と平坦層による第1方向への射出とを一つの部材で行うことができるので、例えば従来の構成における位相差板と反射膜とを別々に設ける必要は無く、偏光変換素子の部品点数を削減することができ、製造工程の煩雑さを緩和することが可能となる。
従来の偏光変換素子では、位相差板は偏光方向を変換した光を透過させる構成になっており、光透過率の高い有機材料を主成分として構成されることが多かった。このため、例えばプロジェクタなどに搭載した場合、光源から射出される光によって焼け付きが生じることがあり、偏光変換素子の耐光性に問題があった。これに対して本発明では、偏光変換部材は偏光方向を変換した光を反射する構成になっている。偏光変換部材のグリッド層及び平坦層は光反射可能な材料からなることとしているので、例えば金属などの無機材料によって構成することができる。これにより、焼け付きを回避することができ、耐光性の向上を図ることができる。
上記の投射型表示装置は、前記平坦層及びグリッド層が、銀、金又はアルミニウムを主成分としていることを特徴とする。
銀、金、アルミニウムは光反射率の高い金属である。本発明によれば、平坦層及びグリッド層が、銀、金又はアルミニウムを主成分としているので、偏光変換素子に入射する第2光成分を高い効率で利用することができる。加えて、これらの材料は耐光性が高いため、この偏光変換素子を例えばプロジェクタなどに搭載した場合、光源から射出される光による焼け付きを回避することができる。
上記の投射型表示装置は、前記所定のピッチが、入射する光の波長よりも小さい値であり、
前記所定の深さが、60nm以上160nm以下の範囲であり、前記偏光変換部材の前記第2方向に対する垂直面に対して仰角45°の方向であって当該垂直面において前記一方向に直交する方向に対して30°よりも大きく75°よりも小さい範囲の角度を成す方向から前記第2光成分が入射するように、前記偏光変換部材が配置されていることを特徴とする。
本発明者は、平坦層及びグリッド層の材質、所定のピッチ及び所定の深さによって光の利用効率が変化することを見出した。ここで光の利用効率とは、偏光変換部材に入射する入射光の強度と偏光変換部材から射出する射出光の強度との比で表される。
本発明では、この点を踏まえて、所定のピッチが入射する光の波長よりも小さい値であり、所定の深さが60nm以上160nm以下の範囲であり、偏光変換部材の第2方向に対する垂直面に対して仰角45°の方向であって当該垂直面において一方向に直交する方向に対して30°よりも大きく75°よりも小さい範囲の角度を成す方向から第2光成分が入射するように、偏光変換部材が配置されていることとしたので、光の利用効率を最適にすることができる。加えて、本発明者らは、第2光成分の波長や平坦層及びグリッド層の主成分によって、所定の深さの最適値、及び、垂直面において一方向に直交する方向に対する第2光成分の入射角度の最適値が異なることを見出した。これを踏まえて、本発明では、所定の深さが60nm以上160nm以下の範囲であるとし、当該入射角度の最適値を30°よりも大きく75°よりも小さい範囲としているので、第2光成分の波長に応じてこれらの値を適宜選択することができる。
上記の投射型表示装置は、前記偏光分離部材が、ワイヤーグリッド偏光板であることを特徴とする。
本発明によれば、偏光分離部材がワイヤーグリッド偏光板であるので、入射光を確実に分離することができる。偏光変換部材がグリッド部を有する構成においては、偏光変換部材のグリッド部とワイヤーグリッド偏光板のワイヤーグリッド部とを同一の製造工程で製造することができるという利点がある。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。
(プロジェクタの全体構成)
まず、本実施形態に係るプロジェクタの全体構成を説明する。図1は、プロジェクタPJ1の全体構成を模式的に示す図である。
プロジェクタPJ1は、画像表示装置2と、投射レンズ3とを主体として構成されている。
画像表示装置2は、光源10と、均一照明系20と、色変調部30とを有している。
光源10は、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプやキセノンランプなどの白色光を照射するランプ11と、当該ランプ11から射出された白色光を反射・集光するリフレクタ12とを有している。リフレクタ12としては、放物面鏡を用いることが好ましい。
均一照明系20は、光源10からの白色光の輝度分布を均一化する光学系であり、第1レンズアレイ21と、第2レンズアレイ22と、偏光変換素子23と、集光レンズ24とを有している。第1レンズアレイ21及び第2レンズアレイ22は、光源10の光射出側に配置されている。この第1レンズアレイ21及び第2レンズアレイ22は、例えばフライアイレンズなどからなり、光の輝度分布を均一化する光学部材である。偏光変換素子23は、第2レンズアレイ22の光射出側に配置されており、光の偏光方向を一方向に揃える光学素子である。集光レンズ24は、偏光変換素子23の光射出側に配置されたレンズである。
色変調部30は、均一照明系20から入射した白色光の波長領域のうちの赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3原色の輝度をそれぞれ変調する部分であり、2つのダイクロイックミラー31a、31bと、3つのミラー32a、32b、32cと、5つのフィールドレンズ(レンズ33、リレーレンズ34、平行化レンズ35R、35G、35B)と、3つの液晶ライトバルブ36R、36G、36Bと、クロスダイクロイックプリズム37とを有している。
ダイクロイックミラー31a、31bは、白色光をRGBの3原色光に分離(分光)するための光学部材である。ダイクロイックミラー31aは、集光レンズ24の光射出側に光の進行方向に対して45°傾くように配置されており、青色光及び緑色光を反射すると共に赤色光を透過する性質のダイクロイック膜がガラス板などの光透過可能な基板に貼り付けられた構成になっている。ダイクロイックミラー31bは、ダイクロイックミラー31aの光反射側に光の進行方向に対して45°傾くように配置されており、緑色光を反射すると共に青色光を透過する性質のダイクロイック膜がガラス板などの光透過可能な基板に貼り付けられた構成になっている。
レンズ33及びリレーレンズ34は、ダイクロイックミラー31bを透過した光を平行化レンズ35Bに伝達する光学部材である。レンズ33はダイクロイックミラー31bの光透過側に配置されており、リレーレンズ34に光を効率よく入射させるために設けられている。
平行化レンズ35R、35G、35Bは、対応する液晶ライトバルブ36R、36G、36Bの光入射側に配置されており、液晶ライトバルブ36R、36G、36Bに入射する各色光を略平行化する凸レンズである。
液晶ライトバルブ36R、36G、36Bは、アクティブマトリクス型の液晶表示素子であり、光入射面及び光射出面にはそれぞれ偏光板が貼付されている。光入射面に貼付された偏光板はp偏光の光を透過するようになっている。この液晶ライトバルブ36R、36G、36Bは、電圧非印加状態で白/明(透過)状態、電圧印加状態で黒/暗(非透過)状態となるノーマリーホワイトモードまたはその逆のノーマリーブラックモードで駆動され、与えられた制御値に応じて明暗間の階調がアナログ制御されるようになっている。
クロスダイクロイックプリズム37は、4つの直角プリズムが貼り合わされた構成になっており、これら直角プリズムの貼り合わせ面には、青色光を反射する誘電体多層膜(青色光反射ダイクロイック膜37a)と、赤色光を反射する誘電体多層膜(赤色光反射ダイクロイック膜37b)とが形成されている。
(均一照明系の構成)
次に、上述した均一照明系20の構成を説明する。図2は、図1に示すプロジェクタPJ1の光源10及び均一照明系20の構成を示す図である。
同図に示すように、均一照明系20の第1レンズアレイ21及び第2レンズアレイ22は、フライアイレンズの凸面21a、22aが対向するように配置されている。個々の凸面21a、22aはほぼ同一の寸法、同一の個数、同一の配列になっており、光源10から射出される光の進行方向に見て各凸面21a、22aの位置が重なるように配置されている。
偏光変換素子23は、基材25と、偏光分離膜(偏光分離部材)26と、反射型偏光変換膜(偏光変換部材)27とを主体として構成されており、光入射面23aに第2レンズアレイ22の背面22bに貼り付けられている。偏光変換素子23は、第2レンズアレイ22と一体的に設けられている。
図3は、偏光変換素子23の構成を詳細に示す断面図である。
基材25は、例えばガラスや石英などの光透過可能な材料からなる矩形の基板である。基材25内には、図中上下方向に偏光分離膜26及び反射型偏光変換膜27が交互に設けられている。1つの偏光分離膜26と1つの反射型偏光変換膜27とが対をなしており、この偏光分離膜26と反射型偏光変換膜27との対が基材内に複数設けられてた構成になっている。
偏光分離膜26は、基材25の内部に設けられた誘電体膜である。この偏光分離膜26は、偏光変換素子23の光入射面23aに対して角度α(例えばα=45°)傾くように配置されており、光源10から射出された白色光のうち例えばp偏光(第1光成分)とs偏光(第2光成分)とに分離する。偏光分離膜26は、分離したp偏光を透過させて入射方向と同じ方向(第1方向)に射出すると共に、分離したs偏光を反射型偏光変換膜27の方向(第2方向)に向けて反射するようになっている。
反射型偏光変換膜27は、偏光分離膜26の反射方向に配置されており、偏光変換素子23の光入射面23aに対して角度β(例えばβ=45°)傾くように設けられている。図4は、反射型偏光変換膜27の構成を示す斜視図である。図4に示すように、反射型偏光変換膜27は、平面視矩形の部材であり、平坦層27bと、グリッド層27cとを主体として構成されている。
平坦層27bは、基材25の内部に設けられ、例えば銀、金、アルミニウムなどの光反射率の高い金属材料を主成分とする層である。この平坦層27bは、光を透過させることなく反射するのに十分な厚さを有している。
グリッド層27cは、平坦層27bのうち偏光分離膜26の光入射面に対向する側の表面に設けられた層であり、複数の凸部27dを主体として構成されている。各凸部27dは、平坦層27b上に同一の方向に延在するように設けられ、所定の間隔d1(例えばd1=70nm)を空けて配置されている(間隙27e)。間隙27eには、平坦層27bが露出している。凸部27dと間隙27eとによってグリッド部が形成されている。このグリッド部の延在方向は、平面視矩形に設けられた反射型偏光変換膜27の辺方向に対して傾いて設けられている。
凸部27dの幅(延在方向に直交する方向の寸法)はd2(例えばd2=70nm)となっており、ここではd1=d2=70nmとなっている。したがって、凸部27dは140nmのピッチで配列されていることになる。この凸部27dは、平坦層27bからの高さ(突出方向の寸法)hが例えば60nm以上160nm以下の範囲になるように形成されており、この高さhがグリッド部の所定の深さとなる。
反射型偏光変換膜27は、平坦層27bの表面に対して仰角45°の方向であって当該平坦層27bの表面においてグリッド部の延在方向に直交する方向に対して30°よりも大きく75°よりも小さい範囲の角度φ(図5参照)を成す方向から光が入射するように配置されている。
(プロジェクタの動作)
次に、上記のように構成されたプロジェクタPJ1の動作を説明する。光源10のランプ11から射出された白色光及びリフレクタ12によって集光された白色光は、均一照明系20に入射する。均一照明系20へ入射した白色光は、第1レンズアレイ21及び第2レンズアレイ22によって輝度分布が均一化される。輝度分布が均一化された白色光は、偏光変換素子23に入射する。偏光変換素子23に入射した白色光は、偏光分離膜26によってp偏光の光成分とs偏光の光成分とに分離され、p偏光の光成分は偏光分離膜26を透過する。s偏光の光成分は、反射型偏光変換膜27に向けて反射される。
図5は、s偏光の光成分の偏光方向が反射型偏光変換膜27によって変換される様子を模式的に示した図である。図5の座標軸については、XY平面が平坦層27bの表面(グリッド層27cが設けられている面)であり、X軸方向が凸部27dの延在方向(グリッド方向)に直交する方向であり、Y軸方向が当該グリッド方向である。Z軸方向は平坦層27bの表面に垂直な方向である。
同図に示すように、偏光分離膜26によって分離され反射型偏光変換膜27に入射するs偏光は、平坦層27bの表面に対して俯角45°の方向から入射すると共に、グリッド方向の直交方向(図中のX軸方向)に対して上記の角度φ傾いて入射する。入射したs偏光の偏光方向は、図中のベクトルEの方向である。
入射したs偏光は、グリッド層27cと平坦層27bによって反射されると供に、少なくとも一部がp偏光に変換される。図5では、反射光の進行方向をX’軸方向とし、上記ベクトルEと同一の方向上記のベクトルEに対して直交する方向(p偏光の偏光方向)をZ’軸方向としている。(s偏光の偏光方向)をY’軸方向とし、この反射光はZ’軸方向に偏光方向を有するp偏光として偏光変換素子23から射出される。偏光変換素子23によってP偏光の偏光方向になった白色光は、集光レンズ24で集光されて、色変調部30に入射する。
色変調部30に入射した白色光のうち、赤色光はダイクロイックミラー31aを透過し、緑色光及び青色光はダイクロイックミラー31aによって反射される。ダイクロイックミラー31aを透過した赤色光は、反射ミラー32aによって反射され、平行化レンズ35Rによって略平行化されて、液晶ライトバルブ36Rに入射する。ダイクロイックミラー31aによって反射された緑色光及び青色光は、ダイクロイックミラー31bに入射する。このうち青色光はダイクロイックミラー31bを透過し、緑色光はダイクロイックミラー31bによって反射される。ダイクロイックミラー31bによって反射された緑色光は、平行化レンズ35Gによって略平行化されて、液晶ライトバルブ36Gに入射する。ダイクロイックミラー31bを透過した青色光は、レンズ33、反射ミラー32b、リレーレンズ34、反射ミラー32cを経て平行化レンズ35Bに入射し、略平行化されて液晶ライトバルブ36Bに入射する。
液晶ライトバルブ36R、36G、36Bの入射面側の偏光板がp偏光を透過するものであるため、液晶ライトバルブ36R、36G、36Bに入射したp偏光の赤色光、緑色光、青色光は偏光板を透過し、当該液晶ライトバルブ36R、36G、36Bによって変調されて射出される。変調された赤色光、緑色光、青色光は、クロスダイクロイックプリズム37によって混合され、再び白色光になって射出される。この射出光が画像表示装置2からの画像光となる。画像表示装置2から射出された画像光は、投射レンズ3によってスクリーン4に投射され、スクリーン4に画像が表示されることになる。
(偏光変換素子の製造方法)
次に、上記のように構成された偏光変換素子23の製造方法を説明する。図6〜図8は、偏光変換素子23の製造過程を示す工程図である。
図6に示すように、ガラスなど光透過可能な材料によって基材25を例えば平行六面体のプリズム形状に形成する。基材25の面25a及び面25bは平坦に形成する。
次に、図7に示すように、基材25の面25a上に反射型偏光変換膜27を形成すると共に、基材25の面25bに偏光分離膜26を形成する。偏光分離膜26は、誘電体からなる層を複数層重ねて形成する。反射型偏光変換膜27の形成については、面25a上に平坦層27bをまず形成し、当該平坦層27b上にグリッド層27cを形成する。グリッド層27cについては、平坦層27b上に金属薄膜を所定の膜厚に形成し、当該金属薄膜をパターニングして凸部27d及び間隙27eを形成する。
次に、図8に示すように、上述したプリズム形状の基材25と同一の形状・寸法の基材25を偏光分離膜26上に貼りつけて、偏光変換素子23の単位構造40を形成する。この単位構造40には、偏光分離膜26と反射型偏光変換膜27とが1つずつ、対を成すように形成される。この単位構造40を複数貼り合わせて、偏光変換素子23が完成する。
本実施形態によれば、反射型偏光変換膜27が、偏光分離膜26から射出されたs偏光のうち少なくとも一部の偏光方向をp偏光の偏光方向に変換する機能(位相差板としての機能)と、当該偏光方向を変換したp偏光を反射して偏光変換素子23から射出する機能(反射膜としての機能)とを併せ持っているので、例えば従来の構成における位相差板と反射膜とを一つの部材として構成することができ、これらを別々に設けなくても済むことになる。これにより、偏光変換素子23の部品点数を削減することができ、製造工程の煩雑さを緩和することが可能となる。ひいては、プロジェクタPJ1の製造工程の煩雑さを緩和することにつながる。
また、本実施形態によれば、偏光分離膜26と反射型偏光変換膜27とが光を透過可能な基材25の内部に設けられているので、当該基材25によって偏光分離膜26と反射型偏光変換膜27との位置を固定することができる。これにより、偏光分離膜26と反射型偏光変換膜27との間の位置ズレを回避することができる。
また、1つの偏光分離膜26と1つの反射型偏光変換膜27とが対をなしており、この偏光分離膜26と反射型偏光変換膜27との対が複数設けられているので、入射する光の断面積や密度に応じて偏光分離膜26と反射型偏光変換膜27の対の個数を選択することができる。これにより、幅広い設計が可能となる。
本実施形態では、特に、反射型偏光変換膜27が、少なくともs偏光の入射面側に設けられ光反射可能な材料からなる平坦層27bを有しているので、当該平坦層27bの反射面の向きを調節することにより、所望の方向に光を反射して射出することができる。しかも、平坦層27bの表面に設けられ光反射可能な材料からなり所定のピッチ及び所定の深さで一方向に延在する凸部27dを有するグリッド層27cを有しているので、このグリッド層27cにおいてs偏光の偏光方向をp偏光に変換することができる。このように、グリッド層27cによる偏光方向の変換と平坦層27bによる光反射・射出とを一つの部材で行うことができるので、例えば従来の構成における位相差板と反射膜とを別々に設ける必要は無く、偏光変換素子23の部品点数を削減することができ、製造工程の煩雑さを緩和することが可能となる。
また、従来の偏光変換素子では、位相差板は偏光方向を変換した光を透過させる構成になっており、光透過率の高い有機材料を主成分として構成されることが多かった。このため、例えばプロジェクタなどに搭載した場合、光源から射出される光によって焼け付きが生じることがあり、偏光変換素子の耐光性に問題があった。これに対して本実施形態では、反射型偏光変換膜27は偏光方向を変換した光を反射する構成になっている。反射型偏光変換膜27のグリッド層27c及び平坦層27bは光反射可能な材料からなることとしているので、例えば金属などの無機材料によって構成することができる。これにより、焼け付きを回避することができ、耐光性の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
(プロジェクタの全体構成)
図9は、本実施形態に係るプロジェクタPJ2の構成を示す概略図である。
同図に示すように、プロジェクタPJ2は、3板式のプロジェクタであり、光源121(121R、121G、121B)と、均一照明系122(122R、122G、122B)と、液晶ライトバルブ124(124R、124G、124B)と、ダイクロイックプリズム126と、投射レンズ127とを主体として構成されている。
光源121は、赤色光を射出する赤色LED(Light Emitting Diode)光源121Rと、緑色光を射出する緑色LED光源121Gと、青色光を射出する青色LED光源121Bとの3つの異なる色光の光源を備えている。
均一照明系122は、LED光源121R、121G、121Bから射出されたLED光の照度分布を均一化する。
液晶ライトバルブ124は、複数の画素を有しこれらLED光源121R、121G、121Bから射出されたLED光を画像信号に応じてそれぞれ変調する。各液晶ライトバルブ124R、124G、124Bの光入射面及び光射出面にはそれぞれ偏光板が貼付されている。光入射面に貼付された偏光板はp偏光の光を透過するようになっている。各LED光源121R、121G、121Bからの光束のうち所定方向の直線偏光のみが入射側偏光板を透過して、各液晶ライトバルブ124R、124G、124Bに入射するようになっている。
ダイクロイックプリズム126は、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成されるようになっている。
投射レンズ127は、クロスダイクロイックプリズム126により合成されたLED光を拡大して投射する。
(均一照明系の構成)
図10は、上述した均一照明系122(122R、122G、122B)の詳細な構成を示す図である。
同図に示すように、均一照明系122(122R、122G、122B)は、レンチキュラレンズアレイ131(131R、131G、131B)と、レンチキュラレンズアレイ131から射出された光を偏向する偏光変換素子132(132R、132G、132B)とを備えている。
レンチキュラレンズアレイ131は、LED光源121から射出された光を集光する光学部材である。このレンチキュラレンズアレイ131の入射面131aは平坦になっており、射出面131bには複数の湾曲面が形成されている。各湾曲面において複数のライン状の光線として集光されるようになっている。
偏光変換素子132は、基材135(131R、131G、131B)と、偏光分離部材である偏光分離膜136(136R、136G、136B)と、偏光変換部材である反射型偏光変換膜137(137R、137G、137B)とを主体として構成されている。偏光分離膜136と反射型偏光変換膜137が基材135の内部に設けられている点、偏光分離膜136と反射型偏光変換膜137とが偏光変換素子132の光入射面に対して45°傾いて設けられている点は第1実施形態の偏光変換素子と同様である。本実施形態では、反射型偏光変換膜137の構成が第1実施形態とは異なっており、他の部材の構成は第1実施形態と同様になっている。
図11(a)〜(c)は、本実施形態に係る反射型偏光変換膜137(137R、137G、137B)の構成を示す図である。図11(a)は反射型偏光変換膜137Rの構成を、図11(b)は反射型偏光変換膜137Gの構成を、図11(c)は反射型偏光変換膜137Bの構成を、それぞれ示している。
反射型偏光変換膜137R、137G、137Bは、下層の平坦層139R、139G、139Bと、上層のグリッド層140R、140G、140Bとを主体として構成されている。平坦層139R、139G、139B及びグリッド層140R、140G、140Bは、例えば銀、金、アルミニウムなどの光反射率の高い金属材料を主成分とする層である。グリッド層140R、140G、140Bは、偏光分離膜136の光入射面に対向する側に設けられた複数の凸部141R、141G、141Bが一方向に延在すると共に、各凸部141R、141G、141B間に間隙142R、142G、142Bが設けられた構成になっている。凸部141R、141G、141Bと間隙142R、142G、142Bとによってグリッド部が形成されている。このグリッド部の延在方向は、平面視矩形に設けられた反射型偏光変換膜137R、137G、137Bの辺方向に対して傾いて設けられている。
凸部141R、141G、141Bの幅(延在方向に直交する方向の寸法)はd2(例えばd2=70nm)となっており、ここではd1=d2=70nmとなっている。したがって、凸部141R、141G、141Bは、第1実施形態と同様に140nmのピッチで配列されていることになる。
図11(a)に示すように、反射型偏光変換膜137Rのグリッド層140Rは、平坦層139Rからの高さ(グリッド部の所定の深さ:グリッド深さ)h1が120nm〜140nm程度になるように形成されている。図11(b)に示すように、反射型偏光変換膜137Gのグリッド層140Gは、平坦層139Gからの高さ(グリッド深さ)h2が90nm〜110nm程度になるように形成されている。図11(c)に示すように、反射型偏光変換膜137Bのグリッド層140Bは、平坦層139Bからの高さ(グリッド深さ)h3が60nm〜75nm程度になるように形成されている。
この反射型偏光変換膜137R、137G、137Bは、第1実施形態と同様に、平坦層139R、139G、139Bの表面に対して仰角45°の方向であって当該平坦層139R、139G、139Bの表面においてグリッド部の延在方向に直交する方向に対してそれぞれ50°〜60°程度を成す方向から光が入射するように配置されている。本実施形態では、反射型偏光変換膜137の平坦層139及びグリッド層140が銀を主成分としているが、金やアルミニウムなどを主成分とした場合には、この角度の最適値が異なってくる。これについては、[実施例]で詳述する。
(プロジェクタの動作)
次に、上記のように構成されたプロジェクタPJ2の動作を説明する。
プロジェクタPJ2の光源121Rから射出された赤色光、121Gから射出された緑色光、121Bから射出された青色光はp偏光の光成分とs偏光の光成分とが混在している。この色光は各光源121R、121G、121Gから均一照明系122R、122G、122Bに入射する。均一照明系122R、122G、122Bに入射した各色光は、レンチキュラレンズアレイ131によって輝度分布が均一化され、偏光変換素子132R、132G、132Bによって第1実施形態と同様に(図5参照)偏光方向がp偏光に変換されて、液晶ライトバルブ124R、124G、124Bに入射する。
液晶ライトバルブ124R、124G、124Bの入射面側の偏光板がp偏光を透過するものであるため、入射した赤色光、緑色光、青色光は当該液晶ライトバルブ124R、124G、124Bによって変調されて射出される。変調された赤色光、緑色光、青色光は、クロスダイクロイックプリズム126によって混合され、白色光として射出される。この射出光は、投射レンズ127によってスクリーン110に投射され、スクリーン110に画像が表示されることになる。
本実施形態によれば、反射型偏光変換膜137R、137G、137Bが、偏光分離膜136R、136G、136Bから射出されたs偏光のうち少なくとも一部の偏光方向をp偏光の偏光方向に変換する機能(位相差板としての機能)と、当該偏光方向を変換したp偏光を反射して偏光変換素子132から射出する機能(反射膜としての機能)とを併せ持っているので、例えば従来の構成における位相差板と反射膜とを一つの部材として構成することができ、これらを別々に設けなくても済むことになる。これにより、偏光変換素子132R、132G、132Bの部品点数を削減することができ、製造工程の煩雑さを緩和することが可能となる。ひいては、プロジェクタPJ2の製造工程の煩雑さを緩和することにつながる。
また、本発明者らは、反射型偏光変換膜137の材質、反射型偏光変換膜137に入射するs偏光の波長によって、所定の深さの最適値、及び、入射面においてグリッド部の延在方向に直交する方向に対するs偏光の入射角度の最適値が異なることを見出した。これを踏まえて、本実施形態では、反射型偏光変換膜137の材質を銀とし、グリッド層140Rのグリッド深さh1が120nm〜140nmの範囲内になるように、グリッド層140Gのグリッド深さh2が90nm〜110nmの範囲内になるように、グリッド層140Bのグリッド深さh3が60nm〜75nmの範囲内になるように、それぞれグリッド層140R、140G、140Bを設計しており、入射面においてグリッド部の延在方向に直交する方向に対するs偏光の入射角度の最適値を50°〜60°程度としているので、色光の波長に応じてこれらの値を適宜選択することができ、光の利用効率を極力高めることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第1実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
(プロジェクタの全体構成)
図12は、本実施形態に係るプロジェクタPJ3の構成を示す概略図である。
同図に示すように、プロジェクタPJ3は、光源210と、均一照明系220と、色変調部230と、投射レンズ240とを有している。
光源210は、超高圧水銀ランプやキセノンランプなどの白色光を照射するランプ211と、当該ランプ211から射出された白色光を反射・集光するリフレクタ212とを有している。
均一照明系220は、光源210からの白色光の輝度分布を均一化する光学系であり、偏光変換素子221と、反射ミラー222と、非球面レンズ223と、第1レンズアレイ224と、第2レンズアレイ225と、集光レンズ226とを有している。
偏光変換素子221は、光源210と反射ミラー222との間に配置されており、光源210からの白色光の偏光方向を変換して一方向に揃える光学素子である。第1レンズアレイ224及び第2レンズアレイ225は、反射ミラー222の光射出側に配置されている。この第1レンズアレイ224及び第2レンズアレイ225は、例えばフライアイレンズなどからなり、光の輝度分布を均一化する光学部材である。集光レンズ226は、第2レンズアレイ225の光射出側に配置されたレンズである。
色変調部230は、均一照明系220から射出された白色光の波長領域のうちの赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3原色の輝度をそれぞれ変調する部分であり、2つのダイクロイックミラー231a、231bと、3つのミラー232a、232b、232cと、5つのフィールドレンズ(レンズ233、リレーレンズ234、平行化レンズ235R、235G、235B)と、3つの液晶ライトバルブ236R、236G、236Bと、クロスダイクロイックプリズム237とを有している。
ダイクロイックミラー231a、231bは、白色光をRGBの3原色光に分離(分光)するための光学部材である。ダイクロイックミラー231aは、集光レンズ226の光射出側に光の進行方向に対して45°傾くように配置されており、青色光及び緑色光を反射すると共に赤色光を透過する性質のダイクロイック膜がガラス板などの光透過可能な基板に貼り付けられた構成になっている。ダイクロイックミラー231bは、ダイクロイックミラー231aの光反射側に設けられ光の進行方向に対して45°傾くように配置されており、緑色光を反射すると共に青色光を透過する性質のダイクロイック膜がガラス板などの光透過可能な基板に貼り付けられた構成になっている。
レンズ233及びリレーレンズ234は、ダイクロイックミラー231bを透過した光を平行化レンズ235Bに伝達する光学部材である。レンズ233はダイクロイックミラー231bの光透過側に配置されており、リレーレンズ234に光を効率よく入射させるために設けられている。
平行化レンズ235R、235G、235Bは、対応する液晶ライトバルブ236R、236G、236Bの光入射側に配置されており、液晶ライトバルブ236R、236G、236Bに入射する各色光を略平行化する凸レンズである。
液晶ライトバルブ236R、236G、236Bは、アクティブマトリクス型の液晶表示素子であり、光入射面及び光射出面にはそれぞれ偏光板が貼付されている。光入射面に貼付された偏光板は、p偏光の光を透過するようになっている。この液晶ライトバルブ236R、236G、236Bは、電圧非印加状態で白/明(透過)状態、電圧印加状態で黒/暗(非透過)状態となるノーマリーホワイトモードまたはその逆のノーマリーブラックモードで駆動され、与えられた制御値に応じて明暗間の階調がアナログ制御されるようになっている。
クロスダイクロイックプリズム237は、4つの直角プリズムが貼り合わされた構成になっており、これら直角プリズムの貼り合わせ面には、青色光を反射する誘電体多層膜(青色光反射ダイクロイック膜237a)と、赤色光を反射する誘電体多層膜(赤色光反射ダイクロイック膜237b)とが形成されている。
(偏光変換素子の構成)
次に、上述した偏光変換素子221の構成を説明する。図13は、図12に示すプロジェクタPJ3の光源210及び偏光変換素子221の構成を示す図である。
同図に示すように、偏光変換素子221は、偏光分離部材227と、反射型偏光変換膜(偏光変換部材)228とを主体として構成されている。偏光分離部材227及び反射型偏光変換膜228は、それぞれ1つずつ設けられており、この一対の偏光分離部材227及び反射型偏光変換膜228によって偏光変換素子221が構成されている。
偏光分離膜227は、偏光変換素子221の光入射面に対して角度α(例えばα=45°)傾くように配置されており、白色光のうち例えばp偏光(第1光成分)とs偏光(第2光成分)とに分離する。この偏光分離膜227は、分離したp偏光を透過させて入射方向と同じ方向(第1方向)に射出すると共に、分離したs偏光を反射型偏光変換膜228の方向(第2方向)に向けて反射するようになっている。
反射型偏光変換膜228は、偏光分離膜227の反射方向に配置されており、偏光分離部材227からの白色光の進行方向に対して角度β(例えばβ=45°)傾くように設けられている。図14は、反射型偏光変換膜228の構成を示す断面図である。図14に示すように、反射型偏光変換膜228は、基材228aと、平坦層228bと、グリッド層228cとを主体として構成されている。
基材228aは、例えばガラスや石英、プラスチックなど、一定の剛性を有する材料からなる部材である。
平坦層27bは、基材228aの表面に設けられ、光反射率の高い金属材料、ここでは銀を主成分とする層である。この平坦層228bは、光を透過させることなく反射するのに十分な厚さを有している。
グリッド層228cは、平坦層228bのうち偏光分離膜227に対向する側の表面に設けられた層であり、複数の凸部228dを主体として構成されている。各凸部228dは、平坦層228b上に同一の方向に延在するように設けられ、所定の間隔d3(例えばd1=70nm)を空けて配置されている(間隙228e)。間隙228eには、平坦層228bが露出している。凸部228dと間隙228eとによってグリッドが形成されている。
凸部228dの幅(延在方向に直交する方向の寸法)はd4(例えばd2=70nm)となっており、ここではd3=d4=70nmとなっている。したがって、凸部228dは140nmのピッチで配列されていることになる。この凸部228dは、平坦層228bからの高さ(突出方向の寸法:グリッド深さ)h4が例えば60nm以上140nm以下の範囲になるように形成されている。
反射型偏光変換膜228は、s偏光の入射方向に対して45°傾いて配置されていると共に、自身に入射するs偏光の光軸を中心として30°〜75°傾いた方向にグリッドが延在するように配置されている。
(プロジェクタの動作)
上記のように構成されたプロジェクタPJ3のランプ211から射出された白色光及びリフレクタ212によって集光された白色光は、光源210から均一照明系220に入射する。均一照明系220へ入射した白色光は、偏光変換素子221によって第1実施形態と同様に(図5参照)偏光方向がp偏光に変換されて、第1レンズアレイ224に入射する。この白色光は、第1レンズアレイ224及び第2レンズアレイ225によって輝度分布が均一化され、集光レンズ226で集光されて、色変調部230へと射出される。
色変調部230に入射した白色光のうち、赤色光はダイクロイックミラー231aを透過し、緑色光及び青色光はダイクロイックミラー231aによって反射される。ダイクロイックミラー231aを透過した赤色光は、反射ミラー232aによって反射され、平行化レンズ235Rによって略平行化されて、液晶ライトバルブ236Rに入射する。ダイクロイックミラー231aによって反射された緑色光及び青色光は、ダイクロイックミラー231bに入射する。このうち青色光はダイクロイックミラー231bを透過し、緑色光はダイクロイックミラー231bによって反射される。ダイクロイックミラー231bによって反射された緑色光は、平行化レンズ235Gによって略平行化されて、液晶ライトバルブ236Gに入射する。ダイクロイックミラー231bを透過した青色光は、レンズ233、反射ミラー232b、リレーレンズ234、反射ミラー232cを経て平行化レンズ235Bに入射し、略平行化されて液晶ライトバルブ236Bに入射する。
液晶ライトバルブ236R、236G、236Bの入射面側の偏光板がp偏光を透過するものであるため、液晶ライトバルブ236R、236G、236Bに入射した赤色光、緑色光、青色光は当該液晶ライトバルブ236R、236G、236Bによって変調されて射出される。変調された赤色光、緑色光、青色光は、クロスダイクロイックプリズム237によって混合され、再び白色光になって射出される。この射出光は、投射レンズ240によってスクリーン250に投射され、スクリーン250に画像が表示されることになる。
本実施形態によれば、偏光分離部材227及び反射型偏光変換膜228がそれぞれ1つずつ設けられており、この一対の偏光分離部材227及び反射型偏光変換膜228によって偏光変換素子221が構成されていることとしたので、偏光変換素子221の部品点数を極めて少なくすることができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記各実施形態では、偏光分離膜(偏光分離部材)を誘電体層によって構成するものとして説明したが、これに限られることは無く、例えばワイヤーグリッド偏光板を用いても構わない。ワイヤーグリッド偏光板を用いることで、反射型偏光変換膜を形成する工程で偏光分離膜のワイヤーグリッドも形成することができるので、工程数を削減することが可能となる。これにより、偏光変換素子の製造を容易にすることができる。
上記実施形態では、平坦層とグリッド層とで材質を共通させたが、別々の材質を組み合わせることも可能である。また、第2実施形態において、赤色光、緑色光及び青色光に用いる反射型偏光変換膜の材質をそれぞれ異なるように構成しても構わない。
本実施例では、上記実施形態における偏光変換素子を用いた場合において、反射型偏光変換膜に入射する光(入射光)及び反射型偏光変換膜によって反射される光(反射光)の光強度の比(反射光の光強度/入射光の光強度)をシミュレーションによって求めた。このシミュレーションでは、反射型偏光変換膜の凸部のピッチを140nm(凸部幅70nm、凸部間隔70nm)とし、反射型偏光変換膜(平坦層及びグリッド層)の主成分、グリッド深さ、角度φを変化させたときの反射光(青色光、緑色光、赤色光)のうち、上記実施形態におけるY’軸方向の成分(s偏光の主成分)及びZ’軸方向の成分(p偏光の主成分)の光強度をシミュレーションによって測定した。ここでは、青色光としては波長440nmの光を、緑色光としては波長532nmの光を、赤色光としては波長660nmの光をそれぞれ例に挙げて測定した。図15〜図20は、このシミュレーションの結果を示すグラフである。各グラフの縦軸は光強度(入射光を1としたときの相対値)を表しており、横軸はグリッド深さ(単位nm)を表している。
1.銀(Ag)の場合
図15及び図16は反射型偏光変換膜の主成分を銀としたときの結果を示している。
<青色光の場合>
図15(a)〜(c)及び図16(a)〜(c)は、青色光(波長440nm)についての測定結果を示すグラフである。図15(a)は角度φ=30°の場合、図15(b)は角度φ=45°の場合、図15(c)は角度φ=50°の場合、図16(a)は角度φ=55°の場合、図16(b)は角度φ=60°の場合、図16(c)は角度φ=75°の場合をそれぞれ示している。各図において、実線がp偏光(Z’軸方向)の強度比であり、破線がs偏光(Y’軸方向)の強度比である。
φ=30°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約60〜75nmのときに最大値を有している。この最大値は0.40(グリッド深さ約65nmのとき)程度になっている。これに対して、s偏光の強度比は、p偏光の強度比とは逆に、グリッド深さが約60〜75nmのときに最小値を示している。この最小値は0.40(グリッド深さ約65nmのとき)程度になっている。
φ=45°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約60〜75nmのときに最大値を有している。この最大値は0.63(グリッド深さ約65nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きな値になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約65nmのときに最小値が0.09程度になっている。このグラフから、φ=45°の場合においては、φ=30°の場合に比べて偏光度が各段に高くなることが読み取れる。
φ=50°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約60〜75nmのときに最大値を有している。この最大値は0.65(グリッド深さ約65nmのとき)程度になっており、φ=45°の場合に比べてやや増加している。s偏光の強度比は、グリッド深さ約65nmのときに最小値が0.02程度になっている。このグラフから、φ=50°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度がさらに高くなっていることが読み取れる。
φ=55°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約60〜75nmのときに最大値を有している。この最大値は0.61(グリッド深さ約65nmのとき)程度になっており、φ=30°、45°の場合に比べて大きいが、φ=50°の場合に比べて小さくなっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約65nmのときに最小値がほぼ0になっている。このグラフから、φ=55°の場合においては、s偏光のほぼ全部がp偏光に変換されており、φ=30°、45°、50°の場合に比べて偏光度が大きくなっているが、φ=50°の場合に比べてp偏光の光強度がわずかに小さくなっていることが読み取れる。
φ=60°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約60〜75nmのときに最大値を有している。この最大値は0.54(グリッド深さ約65nmのとき)程度になっており、φ=30°、45°の場合に比べて大きいが、φ=50°、55°の場合に比べて小さくなっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約65nmのときに最小値がほぼ0になっている。このグラフから、φ=60°の場合においては、s偏光のほぼ全部がp偏光に変換されており、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度が大きくなっているが、φ=50°、55°の場合に比べてp偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
φ=75°においては、上記の各場合に比べてp偏光の強度比が大きく減少しており、p偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
これらのことから、青色光については、φの値を30°よりも大きく75°よりも小さくすることが好ましいといえる。例えば、φ=50°〜60°とし、グリッド深さを60nm〜75nm程度にするとより好ましいといえる。
<緑色光の場合>
図15(d)〜(f)及び図16(d)〜(f)は、緑色光(波長532nm)についての測定結果を示すグラフである。図15(d)は角度φ=30°の場合、図15(e)は角度φ=45°の場合、図15(f)は角度φ=50°の場合、図16(d)は角度φ=55°の場合、図16(e)は角度φ=60°の場合、図16(f)は角度φ=75°の場合をそれぞれ示している。各図において、実線がp偏光(Z’軸方向)の強度比であり、破線がs偏光(Y’軸方向)の強度比である。
φ=30°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約90nm〜110nmのときに最大値を有している。この最大値は0.45(グリッド深さ約100nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さが約100nmのときに最小値を示している。この最小値は0.40程度になっている。
φ=45°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約90nm〜110nmのときに最大値を有している。この最大値は0.78(グリッド深さ約100nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きな値になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約100nmのときに最小値が0.09程度になっている。このグラフから、φ=45°の場合においては、φ=30°の場合に比べて偏光度が各段に高くなっていることが読み取れる。
φ=50°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約90nm〜110nmのときに最大値を有している。この最大値は0.84(グリッド深さ約100nmのとき)程度になっており、φ=30°、45°の場合に比べてやや増加している。s偏光の強度比は、グリッド深さ約65nmのときに最小値がほぼ0になっている。このグラフから、φ=50°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度がさらに高くなっていることが読み取れる。
φ=55°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約90nm〜110nmのときに最大値を有している。この最大値は0.82(グリッド深さ約100nmのとき)程度になっており、φ=30°、45°の場合に比べて大きいが、φ=50°の場合に比べて小さくなっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約100nmのときに最小値がほぼ0になっている。このグラフから、φ=55°の場合においては、s偏光のほぼ全部がp偏光に変換されており、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度が大きくなっているが、φ=50°の場合に比べてp偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
φ=60°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約90nm〜110nmのときに最大値を有している。この最大値は0.78(グリッド深さ約100nmのとき)程度になっており、φ=30°、45°の場合に比べて大きいが、φ=50°、55°の場合に比べて小さくなっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約100nmのときに最小値が0.04程度になっている。このグラフから、φ=60°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度が大きくなっているが、φ=50°、55°の場合に比べると、偏光度が小さくしかもp偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
φ=75°においては、上記の各場合に比べて、p偏光の強度比は大幅に減少しており、p偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
これらのことから、緑色光については、φの値を30°よりも大きく75°よりも小さくすることが好ましいといえる。例えばφ=50°〜60°とし、グリッド深さ約90nm〜110nm程度にするとより好ましいといえる。
<赤色光の場合>
図15(g)〜(i)及び図16(g)〜(i)は、赤色光(波長660nm)についての測定結果を示すグラフである。図15(g)は角度φ=30°の場合、図15(h)は角度φ=45°の場合、図15(i)は角度φ=50°の場合、図16(g)は角度φ=55°の場合、図16(h)は角度φ=60°の場合、図16(i)は角度φ=75°の場合をそれぞれ示している。各図において、実線がp偏光(Z’軸方向)の強度比であり、破線がs偏光(Y’軸方向)の強度比である。
φ=30°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約110nm〜130nm、約390nm〜410nmのときに最大値を有している。この最大値は最大でも0.48(グリッド深さ約120nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、p偏光の強度比とは逆に、グリッド深さが約110nm〜130nm、約390nm〜410nmのときに最小値を示している。この最小値は、最小で0.45(グリッド深さ約120nmのとき)である。
φ=45°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約110nm〜130nm、約400nm〜420nmのときに最大値を有している。この最大値は最大で0.82(グリッド深さ約120nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きな値になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約120nmのときに最小値が0.09程度になっている。このグラフから、φ=45°の場合においては、φ=30°の場合に比べて偏光度が高いことが読み取れる。
φ=50°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約120nm〜140nm、約410nm〜430nmのときに最大値を有している。この最大値は最大で0.88(グリッド深さ約130nmのとき)程度になっており、φ=30°、45°の場合に比べてやや増加している。s偏光の強度比は、グリッド深さ約130nmのときに最小値がほぼ0になっている。このグラフから、φ=50°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度が高いことが読み取れる。
φ=55°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約120nm〜140nm、約420nm〜440nmのときに最大値を有している。この最大値は最大で0.88(グリッド深さ約130nmのとき)程度になっており、φ=50°の場合とほぼ同等になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約130nmのときに最小値がほぼ0になっている。このグラフから、φ=55°の場合においては、s偏光のほぼ全部がp偏光に変換されており、p偏光の光強度がφ=50°の場合と同等になっていることが読み取れる。
φ=60°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約約120nm〜150nm、約440nm〜460nmのときに最大値を有している。この最大値は最大で0.82(グリッド深さ約130nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きく、φ=45°の場合と同等であり、φ=50°、55°の場合に比べて小さくなっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約130nmのときに最小値が0.04程度になっている。このグラフから、φ=60°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度が大きくなっているが、φ=45°、50°、55°の場合に比べると、偏光度が小さくしかもp偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
φ=75°においては、上記の各場合に比べて、p偏光の強度比は大幅に減少しており、p偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
これらのことから、赤色光については、φの値を30°よりも大きく75°よりも小さくすることが好ましいといえる。例えばφ=50°〜60°とし、グリッド深さを120nm〜140nm程度にするとより好ましいといえる。
2.アルミニウム(Al)の場合
図17及び図18は反射型偏光変換膜の主成分をアルミニウムとしたときの結果を示している。
<青色光の場合>
図17(a)〜(c)及び図18(a)〜(c)は、青色光(波長440nm)についての測定結果を示すグラフである。図17(a)は角度φ=30°の場合、図17(b)は角度φ=45°の場合、図17(c)は角度φ=50°の場合、図18(a)は角度φ=55°の場合、図18(b)は角度φ=60°の場合、図18(c)は角度φ=75°の場合をそれぞれ示している。各図において、実線がp偏光(Z’軸方向)の強度比であり、破線がs偏光(Y’軸方向)の強度比である。
φ=30°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約100〜120nmのときに最大値を有している。この最大値は0.38(グリッド深さ約110nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、p偏光の強度比とは逆に、グリッド深さが約約100〜120nmのときに最小値を示している。この最小値は0.48(グリッド深さ約110nmのとき)程度になっている。このグラフから、φ=30°においてはp偏光の強度比が低くs偏光がp偏光に変換される度合い(偏光度)が低いことが読み取れる。
φ=45°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約90〜110nmのときに最大値を有している。この最大値は0.65(グリッド深さ約100nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きな値になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約100nmのときに最小値が0.14程度になっている。このグラフから、φ=45°の場合においては、φ=30°の場合に比べて偏光度が各段に高くなることが読み取れる。
φ=50°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約95〜115nmのときに最大値を有している。この最大値は0.63(グリッド深さ約105nmのとき)程度になっており、φ=45°の場合に比べてやや減少している。s偏光の強度比は、グリッド深さ約105nmのときに最小値が0.06程度になっている。このグラフから、φ=50°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度がさらに高くなっているものの、φ=45°の場合に比べてp偏光の強度比が小さくなっていることが読み取れる。
φ=55°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約100〜120nmのときに最大値を有している。この最大値は0.56(グリッド深さ約110nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きいが、φ=45°、50°の場合に比べて小さくなっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約110nmのときに最小値がほぼ0.04程度になっている。このグラフから、φ=55°の場合においては、φ=30°、45°、50°の場合に比べて偏光度が大きくなっているが、φ=45°、50°の場合に比べてp偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
φ=60°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約100〜120nmのときに最大値を有している。この最大値は0.44(グリッド深さ約110nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約110nmのときに最小値が0.02程度になっている。このグラフから、φ=60°の場合においては、φ=30°、45°、50°、55°の場合に比べて偏光度が大きくなっているが、φ=45°、50°、55°の場合に比べてp偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
φ=75°においては、上記の各場合に比べてp偏光の強度比が大きく減少しており、p偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。グリッド深さ100nmのときにs偏光の光強度の最小値がほぼ0になっており、偏光度が大きくなっていることが読み取れる。
これらのことから、青色光については、φの値を30°よりも大きく75°よりも小さくすることが好ましいといえる。例えば、φ=45°〜60°とし、グリッド深さを90nm〜120nm程度にするとより好ましいといえる。
<緑色光の場合>
図17(d)〜(f)及び図18(d)〜(f)は、緑色光(波長532nm)についての測定結果を示すグラフである。図17(d)は角度φ=30°の場合、図17(e)は角度φ=45°の場合、図17(f)は角度φ=50°の場合、図18(d)は角度φ=55°の場合、図18(e)は角度φ=60°の場合、図18(f)は角度φ=75°の場合をそれぞれ示している。各図において、実線がp偏光(Z’軸方向)の強度比であり、破線がs偏光(Y’軸方向)の強度比である。
φ=30°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約100nm〜120nmのときに最大値を有している。この最大値は0.38(グリッド深さ約110nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さが約110nmのときに最小値を示している。この最小値は0.49程度になっている。
φ=45°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約110nm〜130nmのときに最大値を有している。この最大値は0.44(グリッド深さ約120nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きな値になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約120nmのときに最小値が0.22程度になっている。このグラフから、φ=45°の場合においては、φ=30°の場合に比べて偏光度が各段に高くなっていることが読み取れる。
φ=50°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約120nm〜130nmのときに最大値を有している。この最大値は0.42(グリッド深さ約125nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べてやや増加しているが、φ=45°の場合に比べて減少している。s偏光の強度比は、グリッド深さ約120nmのときに0.16程度になっている。このグラフから、φ=50°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度は高くなっているが、p偏光の強度比が小さくなっていることが読み取れる。
φ=55°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約100nm〜130nmのときに最大値を有している。この最大値は0.45(グリッド深さ約115nmのとき)程度になっており、φ=30°、45°、50°の場合に比べて大きくなっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約110nmのときに最小値が0.06程度になっている。このグラフから、φ=55°の場合においては、上記の場合に比べて偏光度が高くなっており、p偏光の光強度が大きくなっていることが読み取れる。
φ=60°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約110nm〜130nmのときに最大値を有している。この最大値は0.42(グリッド深さ約120nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約110nmのときに最小値が0.02程度になっている。このグラフから、φ=60°の場合においては、上記のいずれの場合に比べても偏光度は大きくなっているが、φ=50°、55°の場合に比べてp偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
φ=75°においては、上記の各場合に比べて、p偏光の強度比は大幅に減少していることが読み取れる。
これらのことから、緑色光については、φの値を30°よりも大きく75°よりも小さくすることが好ましいといえる。例えばφ=45°〜60°とし、グリッド深さ約100nm〜130nm程度にするとより好ましいといえる。
<赤色光の場合>
図17(g)〜(i)及び図18(g)〜(i)は、赤色光(波長660nm)についての測定結果を示すグラフである。図17(g)は角度φ=30°の場合、図17(h)は角度φ=45°の場合、図17(i)は角度φ=50°の場合、図18(g)は角度φ=55°の場合、図18(h)は角度φ=60°の場合、図18(i)は角度φ=75°の場合をそれぞれ示している。各図において、実線がp偏光(Z’軸方向)の強度比であり、破線がs偏光(Y’軸方向)の強度比である。
φ=30°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約150nm〜160nmのときに最大値を有している。この最大値は0.31(グリッド深さ約155nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さが約150nm〜160nmのときに最小値を示している。この最小値は0.49(グリッド深さ約155nmのとき)程度である。
φ=45°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約140nm〜160nmのときに最大値を有している。この最大値は0.42(グリッド深さ約150nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きな値になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約150nmのときに最小値が0.22程度になっている。このグラフから、φ=45°の場合においては、φ=30°の場合に比べて偏光度が高いことが読み取れる。
φ=50°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約140nm〜150nmのときに最大値を有している。この最大値は0.49(グリッド深さ約145nmのとき)程度になっており、φ=30°、45°の場合に比べてわずかに増加している。s偏光の強度比は、グリッド深さ約145nmのときに0.15程度になっている。このグラフから、φ=50°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度が高いことが読み取れる。
φ=55°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約130nm〜150nmのときに最大値を有している。この最大値は最大で0.48(グリッド深さ約140nmのとき)程度になっており、φ=50°の場合に比べて大きくなっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約140nmのときに0.06程度になっている。このグラフから、φ=55°の場合においては、上記の場合に比べて、偏光度が高く、p偏光の光強度が大きくなっていることが読み取れる。
φ=60°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約130nm〜150nmのときに最大値を有している。この最大値は最大で0.48(グリッド深さ約140nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約140nmのときにほぼ0になっている。このグラフから、φ=60°の場合においては、上記の場合に比べて偏光度が大きくなっているが、φ=55°の場合に比べると、p偏光の光強度がわずかに小さくなっていることが読み取れる。
φ=75°においては、上記の各場合に比べて、p偏光の強度比が減少しており、p偏光の光強度が大幅に小さくなっていることが読み取れる。
これらのことから、赤色光については、φの値を30°よりも大きく75°よりも小さくすることが好ましいといえる。例えばφ=45°〜60°とし、グリッド深さを130nm〜160nm程度にするとより好ましいといえる。
3.金(Au)の場合
図19及び図20は反射型偏光変換膜の主成分を金としたときの結果を示している。
<青色光の場合>
図19(a)〜(c)及び図20(a)〜(c)は、青色光(波長440nm)についての測定結果を示すグラフである。図19(a)は角度φ=30°の場合、図19(b)は角度φ=45°の場合、図19(c)は角度φ=50°の場合、図20(a)は角度φ=55°の場合、図20(b)は角度φ=60°の場合、図20(c)は角度φ=75°の場合をそれぞれ示している。各図において、実線がp偏光(Z’軸方向)の強度比であり、破線がs偏光(Y’軸方向)の強度比である。
φ=30°〜75°にかけてs偏光の強度比が徐々に減少するのに対して、p偏光の強度比はいずれも0.1を下回っている。これらのグラフから、φの値を大きくするにつれて偏光度が高くなるが、p偏光の強度はいずれも低くなっていることが読み取れる。
<緑色光の場合>
図19(d)〜(f)及び図20(d)〜(f)は、緑色光(波長532nm)についての測定結果を示すグラフである。図15(d)は角度φ=30°の場合、図19(e)は角度φ=45°の場合、図19(f)は角度φ=50°の場合、図20(d)は角度φ=55°の場合、図20(e)は角度φ=60°の場合、図20(f)は角度φ=75°の場合をそれぞれ示している。各図において、実線がp偏光(Z’軸方向)の強度比であり、破線がs偏光(Y’軸方向)の強度比である。
φ=30°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約75nm〜115nmのときに最大値を有している。この最大値は0.28(グリッド深さ約90nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さが約90nmのときに最小値を示している。この最小値は0.41程度になっている。
φ=45°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約75nm〜115nmのときに最大値を有している。この最大値は0.42(グリッド深さ約90nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きな値になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約90nmのときに最小値が0.13程度になっている。このグラフから、φ=45°の場合においては、φ=30°の場合に比べて偏光度が各段に高くなっていることが読み取れる。
φ=50°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約75nm〜105nmのときに最大値を有している。この最大値は0.42(グリッド深さ約85nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約85nmのときに0.06程度になっている。このグラフから、φ=50°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度は高くなっており、p偏光の強度はφ=45°の場合とほぼ同等であることが読み取れる。
φ=55°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約75nm〜105nmのときに最大値を有している。この最大値は0.40(グリッド深さ約80nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約80nmのときに0.02程度になっている。このグラフから、φ=55°の場合においては、上記の場合に比べて偏光度が高くなっているものの、p偏光の光強度がφ=45°、50°の場合に比べて小さくなっていることが読み取れる。
φ=60°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約75nm〜105nmのときに最大値を有している。この最大値は0.35(グリッド深さ約85nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約85nmのときにほぼ0になっている。このグラフから、φ=60°の場合においては、上記のいずれの場合に比べても偏光度は高くなっているが、φ=50°、55°の場合に比べてp偏光の光強度が小さくなっていることが読み取れる。
φ=75°においては、上記の各場合に比べて、p偏光の強度比は大幅に減少していることが読み取れる。
これらのことから、緑色光については、φの値を30°よりも大きく75°よりも小さくすることが好ましいといえる。例えばφ=50°〜60°とし、グリッド深さ約75nm〜105nm程度にするとより好ましいといえる。
<赤色光の場合>
図19(g)〜(i)及び図20(g)〜(i)は、赤色光(波長660nm)についての測定結果を示すグラフである。図19(g)は角度φ=30°の場合、図19(h)は角度φ=45°の場合、図19(i)は角度φ=50°の場合、図20(g)は角度φ=55°の場合、図20(h)は角度φ=60°の場合、図20(i)は角度φ=75°の場合をそれぞれ示している。各図において、実線がp偏光(Z’軸方向)の強度比であり、破線がs偏光(Y’軸方向)の強度比である。
φ=30°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約110nm〜130nmのときに最大値を有している。この最大値は0.45(グリッド深さ約120nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さが約120nmのときに0.45程度になっている。
φ=45°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約110nm〜130nmのときに最大値を有している。この最大値は0.76(グリッド深さ約120nmのとき)程度になっており、φ=30°の場合に比べて大きな値になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約120nmのときに最小値が0.10程度になっている。このグラフから、φ=45°の場合においては、φ=30°の場合に比べて偏光度が高くなっていることが読み取れる。
φ=50°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約110nm〜130nmのときに最大値を有している。この最大値は0.82(グリッド深さ約120nmのとき)程度になっており、φ=30°、45°の場合に比べて増加している。s偏光の強度比は、グリッド深さ約120nmのときに0.01程度になっている。このグラフから、φ=50°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度がさらに高くなっていることが読み取れる。
φ=55°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約110nm〜130nmのときに最大値を有している。この最大値は最大で0.81(グリッド深さ約120nmのとき)程度になっており、φ=50°の場合に比べてわずかに小さくなっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約120nmのときにほぼ0になっている。このグラフから、φ=55°の場合においては、上記の場合に比べて、偏光度がさらに高くなっていることが読み取れる。
φ=60°において、p偏光の強度比は、グリッド深さが約110nm〜130nmのときに最大値を有している。この最大値は最大で0.76(グリッド深さ約120nmのとき)程度になっている。s偏光の強度比は、グリッド深さ約120nmのときに0.03程度になっている。このグラフから、φ=60°の場合においては、φ=30°、45°の場合に比べて偏光度及びp偏光の強度比が大きくなっているが、φ=50°、55°の場合に比べると、偏光度及びp偏光の強度比が小さくなっていることが読み取れる。
φ=75°においては、上記の各場合に比べて、p偏光の強度比が減少しており、p偏光の光強度が大幅に小さくなっていることが読み取れる。
これらのことから、赤色光については、φの値を30°よりも大きく75°よりも小さくすることが好ましいといえる。例えばφ=50°〜60°とし、グリッド深さを110nm〜130nm程度にするとより好ましいといえる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの構成を示す図。 プロジェクタの光源及び均一照明系の構成を示す図。 偏光変換素子の構成を示す図。 反射型偏光変換膜の構成を示す図。 反射型偏光変換膜における偏光変換の様子を示す図。 偏光変換素子の製造工程の様子を示す図。 同、工程図。 同、工程図。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクタの構成を示す図。 プロジェクタの光源及び均一照明系の構成を示す図。 反射型偏光変換膜の構成を示す図。 本発明の第3実施形態に係るプロジェクタの構成を示す図。 光源及び偏光変換素子の構成を示す図。 反射型偏光変換膜の構成を示す図。 反射型偏光変換膜の特性を示すグラフ。 同、グラフ。 同、グラフ。 同、グラフ。 同、グラフ。 同、グラフ。
符号の説明
PJ1、PJ2、PJ3…プロジェクタ 10…光源 20…均一照明系 23…偏光変換素子 26…偏光分離膜 27…反射型偏光変換膜 27b…平坦層 27c…グリッド層 27d…凸部 27e…間隙 30…色変調部 31a、31b…ダイクロイックミラー 37…クロスダイクロイックプリズム 110…スクリーン 121(121R、121G、121B)…光源 122(122R、122G、122B)…均一照明系132(132R、132G、132B)…偏光変換素子 135…基材 136…偏光分離膜 137(137R、137G、137B)…反射型偏光変換膜 139(139R、139G、139B)…平坦層 140(140R、140G、139B)…グリッド層 141(141R、141G、141B)…凸部 142(142R、142G、142B)…間隙 210…光源 220…均一照明系 221…偏光変換素子 227…偏光分離部材 228…反射型偏光変換膜 228a…基材 228b…平坦層 228c…グリッド層 228d…凸部 228e…間隙 230…色変調部 240…投射レンズ 250…スクリーン

Claims (6)

  1. 光源と、
    前記光源からの光の偏光方向を変換する偏光変換素子と、
    前記偏光変換素子によって偏光方向が変換された光を複数の色光に分離する色分離手段と、
    前記色分離手段によって分離された前記複数の色光を変調する複数の光変調手段と、
    前記複数の光変調手段によって変調された色光を合成する色合成手段と、
    前記色合成手段によって合成された光を投射する投射レンズと
    を具備し、
    前記偏光変換素子が、
    自身に入射する光を所定の偏光方向を有する第1光成分と前記所定の偏光方向とは異なる偏光方向を有する第2光成分とに分離すると共に、前記第1光成分を第1方向へ射出し前記第2光成分を前記第1方向とは異なる第2方向へ射出する偏光分離部材と、
    前記偏光分離部材の前記第2方向上に設けられ、前記偏光分離部材から射出された前記第2光成分のうち少なくとも一部の偏光方向成分を前記所定の偏光方向成分に変換すると共に当該偏光方向を変換した第2光成分を前記第1方向へ射出する偏光変換部材と
    を有し、
    一の前記偏光分離部材と一の前記偏光変換部材とが対をなしており、前記偏光分離部材と前記偏光変換部材との対が複数設けられている
    ことを特徴とする投射型表示装置。
  2. 前記偏光分離部材と前記偏光変換部材とが、光を透過可能な基材の内部に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
  3. 前記偏光変換部材が、
    前記第2方向上に設けられ、光反射可能な材料からなる平坦層と、
    前記平坦層の表面に設けられ、光反射可能な材料からなり、所定のピッチ及び所定の深さで一方向に延在するグリッド部を有するグリッド層と
    を有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2一項に記載の投射型表示装置。
  4. 前記平坦層及びグリッド層が、銀、金又はアルミニウムを主成分としている
    ことを特徴とする請求項3に記載の投射型表示装置。
  5. 前記所定のピッチが、入射する光の波長よりも小さい値であり、
    前記所定の深さが、60nm以上160nm以下の範囲であり、
    前記偏光変換部材の前記第2方向に対する垂直面に対して仰角45°の方向であって当該垂直面において前記一方向に直交する方向に対して30°よりも大きく75°よりも小さい範囲の角度を成す方向から前記第2光成分が入射するように、前記偏光変換部材が配置されている
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の投射型表示装置。
  6. 前記偏光分離部が、ワイヤーグリッド偏光板である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載の投射型表示装置。
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