JP2008065224A - テンションパネルのシート展張保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パネルに取付けられる表示シートが時間の経過により弛みやしわなどが生じないで、合理的に展張状態を維持できる機能を備えたテンションパネルのシート展張保持装置を提供する。
【解決手段】表示シートの各コーナ部でその二辺の縁に沿って着脱可能に固着して、前記二辺の縁の交差部に係止構造を有する保持具により、枠体に表示シートを緊張保持するテンションパネルにおいて、前記枠体に固定部14を取着され、鋼線材を曲げ加工して中央部に鉤状(孔状)の緊張力付与部12を有し、両端に湾屈部12dが形成されてこの湾屈部12dと前記緊張力付与部12との中間位置に前記固定部14を備えてほぼ左右対称に形成される緊張保持体11と、前記表示シート5の中間部縁を把持して前記緊張保持体11の緊張力付与部12に係合する係合孔16a(係合鉤)を有する把持金具15とで構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポスターや横断幕などの表示シートを展張して取付けられるテンションパネルのシート展張保持装置に関するものである。
ポスターなど表示シートをパネルに取付けるには種々の方法があり、その表示シートを展張した状態で取付ける手段としては、表示シートの各コーナ部に沿わせて保持具を固着して緊張力がコーナの内角を二つに分ける直線に沿って付勢できるようにし、表示シートを支持するテンションパネルのフレームのコーナ部と前記保持具の先端との間に前記緊張力が加えられる引張固定手段を設けるようにして、表示シート全体が展張維持できるものが特許文献1により知られている。また、シートの縁部を支持する枠体に設けられた溝部に突条部を備えた押え部材あるいは棒状の押え部材によって押さえ込んで展張保持するようにされるものが知られている(例えば、特許文献2,3参照)。また、特殊な断面形状の棒材にシートの縁部を巻き込んで把持部材に設けた溝部内に押込み、この把持部材を枠体に付した別途支持部材に係合させたボルトにて引き寄せるようにしてシートを緊張させるような構成のものが特許文献4によって開示されている。
そのほかに、方形の枠体に対してシートの四隅を固定保持して、シートの中間部を展張支持する手段としては、例えばシートの縁部に沿って複数箇所に鳩目を設け、これら鳩目にロープ(紐)を通して枠体側に引き寄せて展張する方式、または図16(a)で示されるように、シート50の縁部51を挟み付けて固着した保持具60をコイルバネ61,61で二方から張力を掛けて枠体70側に引き寄せるようにする方式、あるいは図16(b)で示されるように、シート50の縁部51を挟み付けて固着した保持具65を枠体70側へコイルバネ66またはねじ(図示せず)で強制的に引き寄せて張力を加えて展張する方式などが採用されている。
特許第3161913号公報 特開平5−45736号公報 特開平8−194262号公報 特開平6−51704号公報
前記特許文献1によって知られる表示シート(掲示物)の展張保持手段では、コーナ部で表示シートを緊張して保持する構成であるので、表示シートの一辺の寸法が比較的短い場合には効果的であるが、表示シートの寸法が大きくなって一辺の長さが長くなるとシートの中間部でたわみによって皺が発生して見苦しくなるという問題点がある。このような問題点を解決するのに、例えば前記特許文献2または特許文献3によって知られるように、表示シートの端縁部を全長にわたり枠体に溝を設けて別途棒材や弾性材と押え部材を用いて溝内に押込んで固定する方法では、長寸の場合コストアップし、構造的にも均等な展張力を維持することが困難である。また、前記特許文献4による表示シートの展張取付手段は、構造が複雑であるから採用することに問題がある。
このほか、前記図16(a)や図16(b)によって示されるような中間部展張方式では、一見有効であるように思われるが、表示シートに対して幅狭い枠体の一部スペースに設けることになるから、適正な展張力を確保するのにコイルバネの能力を設定する点で簡単に決められないという困難性がある。また、表示シートは、環境の変化などによって弛みや歪みによる変形などが生じるので、これに対応して、掲示期間中表示状態を損なわないで維持できることが要望されている。
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたものであって、パネルに取付けられる表示シートが時間の経過により弛みやしわなどが生じないで、合理的に展張状態を維持できる機能を備えたテンションパネルのシート展張保持装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明によるテンションパネルのシート展張保持装置は、
表示シートの各コーナ部でその二辺の縁に沿って着脱可能に固着して、前記二辺の縁の交差部に係止構造を有する保持体により、枠体に表示シートを緊張保持するテンションパネルにおいて、
前記枠体に固定部を取着され、中央部に緊張力付与部を有し、両端に湾屈部が形成されてこの湾屈部と前記緊張力付与部との中間位置に前記固定部を備えてほぼ左右対称に形成されるバネ作用力を有する緊張保持体と、前記表示シートの中間部縁を把持して前記緊張保持体の緊張力付与部に係合する係合部を有する把持金具とで構成されることを特徴とするものである(第1発明)。
前記発明において、前記緊張保持体は、前記緊張力付与部の両側に所要長さ離れて湾屈部と、その湾屈部と前記緊張力付与部との中間でかつ前記両湾屈部を結ぶ軸線を挟んで緊張力付与部側と反対側の位置に固定部とが配されているのがよい(第2発明)。
前記第1発明において、前記緊張保持体は、両端に湾屈部を持ち、左右対称に形成されて前記緊張力付与部がこの緊張保持体の中央部に位置するように構成されているのが好ましい(第3発明)。
また、前記第1発明〜第3発明において、前記緊張保持体は、線径が0.8mm以上の鋼線材で形成されているのが好ましい(第4発明)。
本発明においては、枠体に四隅を各コーナ部で保持体によりその内角の二分(45°)した外方向に緊張されて展張保持される表示シートに対し、縁の中間位置において発生するたるみを、その表示シートの縁を把持金具で把持して、その把持金具を、枠体に沿わせて狭いスペースに配置できる弾性材で構成された緊張保持体の緊張力付与部に係合させることにより、僅かな変位量で強力に常時外向きの展張力を作用させ、表示シート全体を平滑に展張保持することができるのである。前記緊張力付与部としては、鉤状や環状あるいは凹部に形成され、これに係合する把持金具の係合部としては、その緊張力付与部の形状に対応して、係合孔あるいは掛け止め鉤を設けるようにされ、緊張力付与部に把持金具の係合部を係合することで、前記展張力(緊張力)の付与を容易にする。
また、本発明によれば、バネ性を有する鋼材などで平面的に狭いスペースにおいて弾性力を作用させることができる構成の緊張保持体を取付けて、表示シートの中間部を把持する把持金具を介して前記緊張保持体に係合させることで展張力を得ることができるのであり、ごく簡単な構成でもって狭いスペースに展張保持装置を固定保持させて表示シートの中間縁部での展張を行うことができ、コーナ部での展張作用と相俟って、かつ長期間環境の変化にも即対応させて展張維持することができるという効果を奏するのである。
次に、本発明によるテンションパネルのシート展張保持装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には本実施形態のシート展張保持装置が採用されたテンションパネルの全体平面図が示されている。図2には要部を表わす斜視図が、図3には緊張保持体の平面図が、図4には図2のA−A視拡大断面図が、それぞれ示されている。
この実施形態で説明する表示シートの展張保持装置10は、ポスターや内照式表示装置あるいは横断幕などの表示シート5(以下、単に「表示シート5」という。)を張り付けて掲示する所要寸法のテンションパネル1に用いられるものである。このテンションパネル1は、掲示する表示シート5の寸法に応じたそのシートの外形寸法よりやや大きい形状にされた方形のフレーム2(本発明の「枠体」に対応。)からなり、そのフレーム2の内側各コーナ部3には表示シート5の隅角部を着脱可能に把持して緊張させる保持具20がそれぞれ付設され、フレーム2の内側各コーナ部3間の中間位置には表示シート5の中間部縁を把持して展張する展張保持装置10が付設されている。
この展張保持装置10は、表示シート5の周囲における中間縁を緊張させるためにテンションパネル1のフレーム2に取付けられる緊張保持体11と、この緊張保持体11に係合させて表示シート5を直接展張させる把持金具15とで構成されている。
前記緊張保持体11は、例えば一実施形態として、図3に示されるように、所要直径の鋼線材(好ましくは、ばね用ステンレス鋼線を用いる。また、断面角形の線状材を用いることもできる。)1本を曲げ加工して形成されている。この緊張保持体11の形状は、中央部に、線条を二つ折りして引き揃えた状態でフレーム2の取付面2aに沿わせてから所要高さ寸法にて直立する直立部12aを設け、その直立部12aから先端部12cを基部端12b側に向け鉤状に屈曲して側面視コ字状にされた基幹部12(本発明の緊張力付与部に相当。)が形成されている。そして、この基幹部12の両側には、取付面2a上で前記基幹部12を基準にしてその側方に延びて所要長さ寸法位置で翼状に端部12dを湾屈させ(以下、「湾屈部12d」という。)、かつ折り返された終端部に小さなリング状に形成された固定部14を設けた翼状の弾性支持部13が左右対称に形成されている。
前記構造の緊張保持体11は、その基幹部12の両側に形成される弾性支持部13,13の寸法割合を、図3に示されるもので表示すると、線径が0.8mm以上のもので、基幹部12中心から湾屈部12dまでの長さ寸法Lに対して湾屈部12dから固定部14までの長さ寸法L′の寸法割合がL/L′=1.1〜5.0の範囲に設定されている。また、固定部14から基幹部12の基部端12bまでの寸法Bは、取付部スペースによるが、8〜18mmとされている。
このように構成される緊張保持体11は、図2および図4で示されるように、フレーム2のコーナ部3,3間における中間位置で、フレーム2の取付部(取付面2a)に形成された溝部4に挿入される帯状の取付部材6に設けられた取付ねじ孔7,7に対し前記固定部14,14を合わせて小ねじ8,8によって締結固定される。
前記把持金具15は、薄金属板で所要寸法の方形に形成された受板16と押え板17との一対からなる。前記受板16は押え板17よりもやや前後に長い寸法とされ、その後端部中央位置に横長の係合孔16aが設けられている。前記押え板17は前端部を適宜寸法内向きに先端縁17aを傾斜させて折り曲げられ、後端縁17bを前記先端縁17aと平行してほぼ直角に屈曲形成され、前記先端縁17aと前記受板16の先端部上面とによって表示シート5の縁を把持するようにされている。なお、ここで言う前後方向とは、把持する表示シート5の中心部に向かう方向を前方向、表示シート5の外側に向かう方向を後方向としている。前記押え板17と受板16とは、中心から少し後方寄り位置で、受板16に設けたネジ孔に対して押え板17の取付孔を通じて小ねじ18により把持力が得られるように締結される。
また、前記表示シートの展張保持装置10における緊張保持体11ならびに把持金具15としては、図5によって示される構成とすることができる。この実施形態の緊張保持体11Aおよび把持金具15Aは、いずれも基本構成ならびに作用効果において前記実施形態と同様であるが、一部形状において異なるものである。したがって、前記実施形態の同一もしくは同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この緊張保持体11Aは、1本の鋼線材を曲げ加工して形成されており、中央位置で所要径のループ状に形成された緊張力付与部12A(基幹部)が設けられ、この緊張力付与部12Aを介して左右の弾性支持部13,13が繋がれた構造にされている。
一方、把持金具15Aは、薄金属板で所要寸法の方形に形成された受板16Aと押え板17との一対からなり、中心から少し後方寄り位置で、受板16Aに設けたネジ孔に対して押え板17の取付孔を通じて小ねじ18により把持力が得られるように締結される。前記受板16Aは、押え板17よりもやや前後に長い寸法とされ、この受板16Aの後端部中央位置に、係合鉤16dが設けられた構造とされている。なお、図においては係合鉤16dの形状を表わすために横向きに示しているが、具体的には鉤部を90°下向きに曲げて形成されている。
このように構成される緊張保持体11Aと把持金具15Aでは、前記実施形態のものと同様に、フレーム2に緊張保持体11Aを固定部14,14で小ねじにより固定し、表示シート5の中間部縁を把持金具15Aで把持して、その係合鉤16dをフレーム2側に取付く緊張保持体11Aの緊張力付与部12A(ループ)に係合させることにより、表示シート5に緊張力(展張力)を付与することができる。なお、緊張保持体11Bは、例えば図5(b)で示すように、緊張力付与部12A′をVまたはU状の凹部に形成して把持金具15Aの係合鉤16dが係合できる構造とすることも可能である。
一方、表示シート5のコーナ部を保持する保持具20(本発明における「保持体」に対応。)は、図6(a)(b)によって示されるように、表示シート5の二辺に沿って所要長さで上下から挟みつけるL字型に形成された受け片21と押え片23との組合せで、受け片21には両側に延びる部位21a,21aの各外縁の後半部を所要寸法上向きに屈曲起立させてクリップ取付片22が形成され、この各クリップ取付片22の内側面に沿わせてクリップ押えレバー25が付され、押え片23を上側から押し付けて表示シート5のコーナ部にこの保持具20を取外し可能に固着するクリップ機構26を一対備えている。そして、受け片21と押え片23との基部から外向きに突出部21b,23bをともに設けて(受け片21の突出部21bのみとしてもよい)、その突出部21b,23bに両者を貫通する係止孔21c、23cが設けられた構成とされている。
前記クリップ機構26は、受け片21と押え片23とにクリップ押えレバー25が組み付けられた構造とされており、そのクリップ押えレバー25は、板材を断面溝形に屈曲形成して上面が平坦面に形成され、押え片23の幅寸法内に収まるように形成されている。このクリップ押えレバー25は、基端部25aを受け片21と一体の前記クリップ取付片22の基部寄り位置で先端部をピン27にて枢着され、そのピン27にねじりバネ28のコイル巻部を被嵌して、そのねじりバネ28の延長される一端28aをクリップ押えレバー15の内面に係止し、他端部28bを押え片23に設けられた係止部切込み23dに係止して、このクリップ押えレバー25の後端部寄り側面と前記クリップ取付片22の後端部とに設けた係止孔29と係止突起29′とを係合すると、係止して押え片23に挟持力が付勢される構成とされている。また、押え片23と受け片21とは、その基部寄り位置の外縁でいずれか一方の縁部23e(この実施形態では押え片23に設けている。)が他方の縁部を受けるようにカールさせて、両者の浮き上がりが生じないようにされている。
この保持具20については、上述の構造のものに限定されるものではなく、表示シート5のコーナ部を上下二面から挟みつけて着脱可能に装着でき、内角を二分して直線的に張力を付勢できる機能が備わるものであればよい。なお、構造的には可能な限り嵩低くなる構成であることが望ましい。
前記保持具20は、フレーム2の内側コーナ部3に基端を枢支されて起伏可能に付設される緊張固定片30のL字形に屈曲形成された角部と、前記突出部21b,23bに設けられた係止孔23c、21cとを引張バネ35によって連結され、緊張固定片30の起伏支点(後述する取付部片36と基部32とのピン34結合部)を前記保持具20による保持部より遠位置に配して、この緊張固定片30が倒伏すると保持具20がフレーム2のコーナ部3に向かって引張られるようにされている。
前記緊張固定片30は、図6(a)に示されるように、フレーム2のコーナ部3内側に収まるように棒状の部材31を左右対称でL字形に屈曲形成されたものであり、その両端基部32,32(左右対称であるから、図上片側のみ図示している)をそれぞれフレーム2に組み込まれた取付部片36の起立部36aにピン34結合して回動可能に取付けられている。また、棒状部材31の屈曲交点位置(角部)には鉤片33が外向きに屈曲して一体に形成され、この鉤片33と前記突出部21b,23bの係止孔21c,23cとの間に引張バネ35が架設されている。
次に、本実施形態の展張保持装置10による表示シート5の展張態様について説明する。まず、使用される表示シート5は、対応する寸法のテンションパネル1のフレーム2における四隅に設けられた緊張固定片30と保持具20とによって、表示シート5の各コーナ部が保持される。この状態では図7に示されるように、各コーナ部では緊張固定片30が起立状態で保持具20にその表示シート5のコーナ部が保持されて張力は付加されていない。
一方、展張保持装置10は、表示シートの寸法に応じて長辺の中間位置に装着できるように、例えば図1で示される如くフレーム2に配設される。この展張保持装置10は、緊張保持体11を、予めフレーム2側に組み込まれた取付部材6のネジ孔7,7に小ねじ8,8で図2に示されるように取着され、この緊張保持体11の基幹部12の鉤状部分に対応させた位置で把持金具15により表示シート5の中間縁を把持させる。次いで、前記把持金具15の後端部の係合孔16aをフレーム2側の緊張保持体11の基幹部12における鉤状部分に係合させると、弾性支持部13,13による弾性力で表示シート5の中間縁部が展張される。こうした後に前記各コーナ部における緊張固定片30をフレーム2に沿うように倒伏させると、保持具20によって保持された表示シート5の各コーナ部がそれぞれ緊張されてフレーム2に表示シート5が周囲を展張保持されてテンションパネル1が完成する。
表示シート5のコーナ緊張部間の距離が長くなると、時間の経過とともに、あるいは展張した初期においても中間部の縁部分が歪んで撓みを生じるが、前述のように中間部で展張保持装置10によって表示シート5に展張力を付加することにより、常時展張力が作用して前記撓みの発生を除去することができる。
この展張保持装置10は、全体を鋼線材で形成された緊張保持体11が、フレーム2の取付面に取着される固定部14,14から両端の湾屈部12d,12dを介して中央の基幹部12に繋がる翼状の弾性支持部13,13が左右対称に形成されているので、その基幹部12には前後方向(両弾性支持部13,13の湾屈部12d,12dを結ぶ線と直交する方向)に弾性力が与えられている。したがって、予めその基幹部12の鉤状部分12cに表示シート5の展張力が付勢できる状態で把持金具15の係合孔16aを係合連結するようにして表示シート5の縁を把持しておけば、僅かな弾性支持部13,13でのたわみ量によって、この把持金具15を介して表示シート5を無理なく展張することができる。
しかも、この展張保持装置10は、その緊張保持体11が前述のように中央に位置する基幹部12(緊張力付与部)両側の弾性支持部13,13での変位で弾性力(展張力)を得ることができる。これら両弾性支持部13,13は左右でほぼ均等に弾性変位作用をするので、表示シート5の縁をその縁端に直交した方向に展張させることができ、変則的な展張作用を起こすこともなく、適正な展張がなされるのである。
そこで、緊張保持体11の機能を図8に示される作動説明図により説明する。図8(a)に示されるように、例えば、基幹部12に表示シートの伸縮によりC方向へ応力が作用した場合、部位aでは固定部14aを支点とした図上時計方向(矢印a′)への撓みが起こる。これに対して、部位bでは一方の湾屈部12dを支点とした矢印b′の方向への撓みが生じる。部位dでは他方の湾屈部12d′を支点とした矢印d′の方向へ撓みが生じるが、基幹部12で部位bと部位dとが連結されているので、矢印d′方向には動かず、部位dの部位bへの押え力(圧縮力)としての応力が働くため、G方向への合力となる。また、部位eでは固定部14bを支点として矢印e′の方向へ撓みが生じる。そして、弾性支持部13,13はそれぞれの湾屈部12d,12d′で時計方向の回転運動が生じるが、前記部位dでの圧縮力が部位bへ働き、基幹部12はGの方向(展張方向)へ移動するように応力が作用して回転運動を止める働きをする。このように、基幹部12(緊張力付与部)に目的展張方向と異なる向きの張力が作用しても、緊張保持体11は2点で支持されるために、応力が1/2に分散され、また、両湾屈部12d,12d′が支点の役割を果たして中間部位a,bおよびd,eでの撓み力がそれぞれ1/4以下の応力に分散され、表示シートの縁に対し90°方向(G方向)への応力を得ることができる。
ここで、前記緊張保持体11における固定部14,14が展張力(緊張力)の作用方向と反対側に配することは、次のように効果的である。
1)張力を掛けるとき、G方向へ鋼線材が撓み表示シートとフレームとの間が狭くなる方向で張力を掛けられるので、小型化(フレームを薄型化)できる。
2)G方向に3〜5mm縮んだ状態で3〜5kgfの張力を表示シートに与えて展張できるので、表示シートが1〜3mm伸縮したとき3〜5kgfの張力を常時掛けておくことができる。
3)C方向に何らかの応力が作用したとき、部位bと部位dとが連結されているので、d′方向の作用力が部位bへの押圧力となってG方向への合力として働き、表示シート縁に対して90°方向の応力として作用する。
一方、緊張保持体における固定部が展張力の作用方向と同じ側に設けた場合について、図8(b)によって示される作用説明図により検討してみるに、G方向へ緊張力が掛かると緊張保持体が円形に近づく形状に広がる方向へ応力が働く。そして、C方向へ応力が作用した場合、湾屈部12d,12d′および部位h、j,k,mすべてがC方向へ移動し、固定部14a,14bを基点にして左巻方向(反時計方向)への回転運動となり、緊張力付与部がR方向へ変位する状態となり、表示シート縁に対する緊張力はC方向へ近づく動きを生じさせる。このようなことから、この形式とすることは望ましくない。
前記緊張保持体の緊張力付与部と固定部との関係を検証した。緊張保持体における固定部が展張力(緊張力)の作用方向と反対側に配した場合と、緊張保持体における固定部が展張力の作用方向と同じ側に設けた場合とのテスト品A,Bと、それらの引張テストの計測値とを、図9によって示す。なお、このテストでは前記緊張保持体11Aを用いた。
また、緊張保持体11(11A)における弾性支持体13の長さ寸法Kと固定部から湾屈部までの長さ寸法Jとの割合については、求める引張り張力と撓み距離との関係で、それぞれの長さ寸法を調整することができる。弾性力との関わりから両者の割合K/Jは1.1〜5.0以内であるのが望ましい。なお、前記符号Kの長さ、言い換えると弾性支持部13の長さは短いほど強い撓み力が得られることから、その長さ寸法が40mm以内であるのが望ましい。また、緊張保持体11を構成する鋼線材としてバネ材を使用した場合、C方向に表示シートの伸縮力が作用した場合、線径が0・8mmよりも小径では、固定部14a,14bの2支点で支えても、線材のゆがみにより、湾屈部12d,12d′箇所が右回りの回転運動になってしまう。したがって、実用に耐えない。このような事項を考慮して、弾性支持部13の長さ寸法Kを40mm、Jの寸法を25mmの場合、線径0.8mm以上の太い線材を用いるようにすれば、前記問題は生じないことを確認した。
したがって、緊張保持体11は、弾性支持部13における前記符号KとJとの寸法割合をK/J=1.1〜5.0以内、符号Kの長さを40mm以内、線径を0.8mm以上のものを使用で構成すれば、3〜5mmの短い展張距離で、3〜5kgの展張力を掛けて、しかも、表示シートの縁辺に対して直交する方向へ常時張力を掛け続けることができるのである。
ここで、本実施形態の展張保持装置を得るために、テンションパネルでの表示シートにおける平滑な展張状態を確保する検証を行った。表示シートとして厚さ200μmのポリエステルフィルムを用いる場合、その四隅(コーナ)で45°の方向に常時張力を掛けているテンションパネルでは、温度・湿度の変化によって、1m角のシートサイズで1.0〜3.0mmの伸縮があり、0〜80℃の温度変化によって常に伸縮が繰返されている。そのために、各コーナでは2〜5kgの張力を掛けて表示シートの平滑を保ち皺のない美麗なシート表面状態を得ている。
しかし、シート材が500mm以上の長さや厚さが200μm以上の場合または銅箔シートのように質量の大きい材料の場合、あるいはシートを2〜3枚重ねて展張する場合は、シートの各辺におけるコーナ間の位置でシート縁に直交する方向へ張力を掛けて展張する必要が生じる。そして、その張力は四辺の角の張力と中間部での張力とのバランスが悪いとシートが伸びたときや縮んだときに、シートに掛かる張力に部分的に異なる張力が作用して皺を発生させる原因となる。このようなことから、四辺の角に掛ける張力よりも90〜50%の張力が望まれる。重要なことは辺の中間で張力を掛けることから2〜5kgの張力を常時掛けつつ1.0〜3.0mmのシートの伸縮に応じて伸縮できるように保持できることにある。
このような課題を前提にして種々構造の緊張保持体を作成してテストを行った。なお、各テスト品の形状・寸法を表わす図と計測値および特性を表わすグラフを、図10〜図15によって、それぞれ表わしている。
◎テスト1
φ1.5mm ばね用ステンレス鋼線を用いて、図10で表わす寸法形状に成形した場合(基本的形状は前述の通りである)
基幹部を表示シート把持側(矢印Qの方向。以下、いずれも同じ)へ引張力を加え、引張距離を変化させて弾性力の発揮機能を確認した。その結果、1〜10mmの範囲で10mm変位した時点で引張強さ5.5kgが限界であった。
◎テスト2
φ1.5mm ばね用ステンレス鋼線を用いて、図11で表わす寸法形状に成形した場合
基幹部に引張力を加え引張距離を変化させた。その結果、1〜8mm変位した時点で引張強さ3.3kgが限界であった。
◎テスト3
φ1.5mm ばね用ステンレス鋼線を用いて、図12で表わす寸法形状に成形した場合
基幹部に引張力を加え引張距離を変化させた。その結果、1〜10mm変位させて、9mm移行した時点で引張強さ3.0kgが限界であった。
◎テスト4
φ1.5mm ばね用ステンレス鋼線を用いて、図13で表わす寸法形状に成形した場合
基幹部に引張力を加え引張距離を変化させた。その結果、3mm変位させた時点で引張強さ2.8kgが限界であった。
◎テスト5
φ1.5mm ばね用ステンレス鋼線を用いて、図14で表わす寸法形状に成形した場合
基幹部に引張力を加え引張距離を変化させた。その結果、5mm変位させた時点で引張強さ2.5kgが限界であった。
◎テスト6
φ1.5mm ばね用ステンレス鋼線を用いて、図15で表わす寸法形状に成形した場合
基幹部に引張力を加え引張距離を変化させた。その結果、5mm変位させた時点で引張強さ2.5kgで限界であった。
以上のテスト結果から考察してみるに、テスト4〜6による形状・寸法の緊張保持体は構造的にシンプルであり、取付スペースが小さい箇所に用いるには構造上有利であるが、展張力が0.5〜2.6kgが限度で、目的とする張力を常時掛けている状態で1.0〜3.0mmの移動距離を得ることが困難である。そして、限界値が2.6kg以下ではそれ以上収縮したときに、表示シートに変形などのダメージを与えてしまうことになる。これに対して、テスト1における緊張保持体が図3において符号Bで表わされる寸法(テスト1の緊張保持体における寸法14mmに相当)を小さくすることにより、小型化して表示シートを3〜6mm展張時の張力(引張強さ)2.3〜3.8kg、あるいは5〜8mm展張時の引張強さ3.3〜4.5kgでの利用がよい結果を得ることができる。なお、テスト2およびテスト3による緊張保持体は、テスト1に比べていずれも性能が低下する。したがって、緊張保持体としては、前述の構成でテスト1および前記テスト品Aによる寸法割合のものが、最も好適である。
前記実施形態の説明における緊張保持体については、前述の線材もしくは線状に形成された材料を用いて曲げ加工して構成するもののほかに、弾性板材から切り抜いて前記湾屈部に相当する部分を、前述の展張力が得られるように弾性変形できる(弾性力が発揮できる)形状に形成したものを採用することも可能である。このような構成のものも、本発明の技術的範囲に属することはいうまでもない。
本実施形態のシート展張保持装置が採用されたテンションパネルの全体平面図 要部を表わす斜視図 緊張保持体の平面図 図2のA−A視拡大断面図 シート展張保持装置の他の実施形態を表わす図 表示シートのコーナ部を保持する保持具の一部を省略して表わす斜視図(a)および保持具のクリップ機構を開放した態様を示す斜視図(b) 表示シートをコーナ部の保持具に取付けて展張する前の態様を表わす斜視図 本実施形態の緊張保持体の作動説明図 緊張保持体の緊張力付与部と固定部との関係の検証テスト品の図と引張テストの計測値を表わす表 緊張保持体のテスト品の形状・寸法を表わす図と計測値および特性を表わすグラフ(1) 緊張保持体のテスト品の形状・寸法を表わす図と計測値および特性を表わすグラフ(2) 緊張保持体のテスト品の形状・寸法を表わす図と計測値および特性を表わすグラフ(3) 緊張保持体のテスト品の形状・寸法を表わす図と計測値および特性を表わすグラフ(4) 緊張保持体のテスト品の形状・寸法を表わす図と計測値および特性を表わすグラフ(5) 緊張保持体のテスト品の形状・寸法を表わす図と計測値および特性を表わすグラフ(6) 従来のシート中間部展張方式の模式図で、(a)は二方から張力を付加する方式を表わす図、(b)は枠体側に張力を付加する方式を表わす図
符号の説明
1 テンションパネル
2 テンションパネルのフレーム
3 コーナ部
5 表示シート
10 展張保持装置
11,11A,11B 緊張保持体
12,12A,12A′ 緊張保持体の基幹部(緊張力付与部)
12d 湾屈部
13 弾性支持部
14 固定部
15,15A 把持金具
16a 係合孔
16d 係合鉤
20 表示シートのコーナ部の保持具(保持体)
26 クリップ機構
30 緊張固定片

Claims (4)

  1. 表示シートの各コーナ部でその二辺の縁に沿って着脱可能に固着して、前記二辺の縁の交差部に係止構造を有する保持体により、枠体に表示シートを緊張保持するテンションパネルにおいて、
    前記枠体に固定部を取着され、中央部に緊張力付与部を有し、両端に湾屈部が形成されてこの湾屈部と前記緊張力付与部との中間位置に前記固定部を備えてほぼ左右対称に形成されるバネ作用力を有する緊張保持体と、前記表示シートの中間部縁を把持して前記緊張保持体の緊張力付与部に係合する係合部を有する把持金具とで構成されることを特徴とするテンションパネルのシート展張保持装置。
  2. 前記緊張保持体は、前記緊張力付与部の両側に所要長さ離れて湾屈部と、その湾屈部と前記緊張力付与部との中間でかつ前記両湾屈部を結ぶ軸線を挟んで緊張力付与部側と反対側の位置に固定部とが配されている請求項1に記載のテンションパネルのシート展張保持装置。
  3. 前記緊張保持体は、両端に湾屈部を持ち、左右対称に形成されて前記緊張力付与部がこの緊張保持体の中央部に位置する請求項1に記載のテンションパネルのシート展張保持装置。
  4. 前記緊張保持体は、線径が0.8mm以上の鋼線材で形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のテンションパネルのシート展張保持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5186214B2 (ja) * 2007-02-26 2013-04-17 株式会社アビサレ 表示シートのコーナ保持装置
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