JP2008065214A - 液晶装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーバーレイヤー構造を採用した液晶装置の製造方法において、高開口率を実現する液晶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】液晶を挟持して対向する第1基板及び第2基板のうち、第1基板の内側に画素領域ごとに画素電極11を設ける工程と、画素電極11の内側に電極絶縁膜を設ける工程と、電極絶縁膜の内側に複数の開口部17aを有すると共に画素電極11との間で開口部17aの各々を通じて電界を発生させる共通電極17を設ける工程と、を備え、画素電極11の形成工程では、画素電極11をパターニングするためのフォトリソグラフィーにおける第1露光のショット分割を、ショット分割の境界B−B´が画素電極11の形成領域に配置されるように行い、共通電極17の形成工程では、共通電極17をパターニングするためのフォトリソグラフィーにおける第2露光のショット分割を、ショット分割の境界が開口部17aの非形成領域のみに配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶装置の製造方法に関するものである。
従来のTN(Twisted Nematic)方式などの液晶装置は、一対の基板間に液晶を封入した構成を有しており、各基板上の電極で基板面に垂直な方向に電界を印加することによって液晶分子の配向を制御し、光透過率を変調している。これに対し、液晶装置の広視野角化を図る一つの手段として、液晶に印加する電界の方向を基板面に略平行な方向とし、この電界によって液晶を基板に略平行な面内で回転させる方式が知られている。つまり、一つの基板上に一対の電極を形成して電界を発生させる方式である。この種の方式としては、IPS(In−Plane Switching)方式、FFS(Fringe−Field Switching)方式などが知られている。
FFS方式は、IPS方式の技術を更に改良した技術であり、構造上異なるのは、IPS方式の場合は一対の櫛歯状電極が同層に形成されているのに対し、FFS方式の場合は一対の電極が異なる層に形成されている点である。すなわち、FFS方式はベタ状電極の上方に層間絶縁膜を介して櫛歯状電極が積層されている。この電極構成の違いにより、発生する電界の方向が若干変わり、IPS方式での電界方向は電極が対向する横方向であるが、FFS方式での電界方向は電極が異なる層に形成されているため、横方向に加えて、特に電極の縁の近傍で基板面に垂直な方向にも強い電界成分を持っている。なお、下記の特許文献1は、電極形状はIPS方式の一種であるが、一対の電極が異なる層に形成されていることで電界方向はFFS方式と類似している。
その結果、通常のIPS方式では電極間に位置する液晶分子が駆動されたとしても電極の直上に位置する液晶分子はほとんど駆動されないため、電極部分が表示に寄与できず、この部分が遮光膜で遮光されることで開口率が低下する。これに対して、FFS方式の場合、電極間に位置する液晶分子は勿論のこと、電極の直上に位置する液晶分子も駆動されやすいという特徴を持っている。したがって、FFS方式においては、電極を透明導電膜で形成すれば、電極の部分もある程度表示に寄与させることができ、同じ条件のIPS方式に比べて開口率を大きくできるという利点を有している。
特開2003−15146号公報
このように、液晶装置の高輝度化を図る手段としては、上記FFS方式の採用が有効である。ここで、液晶装置のスイッチング素子には、P−Si(ポリシリコン)型薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと略記する)素子又はα―Si(アモルファスシリコン)型TFT素子などが用いられている。そして、主にP−Si型TFT素子を用いたときには、TFT素子を覆う絶縁膜を形成して表面を平坦化し、かかる絶縁膜上に液晶駆動用の電極を形成した、いわゆるオーバーレイヤー構造が採用されている。このオーバーレイヤー構造を採用すると、データ線周辺の平坦性が確保できるため、データ線周辺の画素領域における光漏れが減少する。これにより、データ線上のブラックマトリクスを取り止めることが可能となり、画素の開口率を向上することができる。
ところで、電極をフォトリソグラフィーによりパターニングする際に、大型液晶パネルの場合には一度にパネル全面を露光することが困難であるため、数回に分けて露光処理を行い(ショット分割)、一枚のパネルとして製造することになる。図8に示すように、ショット分割の境界は、一般に画素電極11の非形成領域に配置される。図8では、紙面横方向のショット分割の境界C−C´が、画素電極11の非形成領域であってデータ線3の形成領域内に配置されている。その際、ショット分割位置の周辺においては、露光ブラインドからの光漏れや、ガラス内の光の伝播に起因して、レジストが所定の露光領域より広い範囲で露光される。このレジストを用いて画素電極11をパターニングすると、画素電極11のパターン細り87が発生する。従来であれば画素電極11のパターン細り87は、データ線3上に形成されたブラックマトリクス43により隠蔽することができたが、高開口率を目的としてデータ線3上のブラックマトリクス43を除去すると、その位置に形成されたパターン細り87により周辺の画素に対して画素透過率が変動してしまい、明るさの違いがそのまま視認されてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、オーバーレイヤー構造を採用した液晶装置の製造方法において、高開口率を実現する液晶装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の液晶装置の製造方法は、液晶を挟持して対向する第1基板及び第2基板のうち、前記第1基板の内側に画素領域ごとに画素電極を設ける工程と、該画素電極の内側に電極絶縁膜を設ける工程と、該電極絶縁膜の内側において全ての前記画素領域を覆うように、前記画素電極に対応する位置に複数の開口部を有すると共に前記画素電極との間で前記開口部の各々を通じて電界を発生させる共通電極を設ける工程と、を備え、前記画素電極の形成工程では、前記画素電極をパターニングするためのフォトリソグラフィーにおける第1露光のショット分割を、該ショット分割の境界が前記画素電極の形成領域に配置されるように行い、前記共通電極の形成工程では、前記共通電極をパターニングするためのフォトリソグラフィーにおける第2露光のショット分割を、該ショット分割の境界が前記開口部の非形成領域のみに配置されるように行うことを特徴とする。
このように構成することで、第1露光のショット分割位置において画素電極に形成されるパターン細りが、二重露光となる部分の周辺のみに発生することとなり、パターン細りになる領域を減少させることができる。また、第2露光のショット分割位置を開口部に干渉しない位置にすることで、表示性能に影響を与えることなく露光することができ、画素の高開口率を実現することができる効果がある。
また、前記画素電極の形成工程の前に、前記第1基板の内側に、前記画素電極への通電を制御するスイッチング素子および該スイッチング素子に走査信号を供給する走査線を設ける工程と、前記画素電極の前記走査線に沿った周縁部および前記走査線と平面視において重なるように、ブラックマトリクスを形成する工程と、を備え、前記画素電極の形成工程では、前記第1露光のショット分割の境界が、前記画素電極の形成領域の周縁部のうち前記走査線に沿った周縁部のみと交差するようにショット分割を行うことを特徴とする。
このように構成することで、第1露光のショット分割位置において画素電極に形成されるパターン細りを、画素電極の走査線に沿った周縁部のみに発生させることが可能になる。このパターン細りは、走査線上に形成されるブラックマトリクスを延設することで隠蔽することができるため、第1露光のショット分割の影響を受けることなく表示することができる効果がある。なお、ここでいう平面視とは、基板を垂直方向から見る場合のことをいう。
更に、前記画素電極の形成工程の前に、前記第1基板の内側に、前記スイッチング素子にデータ信号を供給するデータ線を、前記走査線と交差するように設ける工程と、前記ブラックマトリクスを形成する工程では、前記画素電極の前記データ線に沿った周縁部および前記データ線と平面視において重なるように、前記ブラックマトリクスを形成しないことを特徴とする。
このように構成することで、必要のないブラックマトリクスを除去することができるため、画素の開口率を向上させることができる効果がある。しかも、画素電極のデータ線に沿った周縁部にはパターン細りが発生しないので、ブラックマトリクスを除去しても光漏れが発生することはない。
[液晶装置の全体構成]
次に、本発明の実施形態における液晶装置の全体構成を図1及び図2に基づいて説明する。
本実施形態では、LTPS型TFT素子を画素スイッチング素子として用いたTFTアクティブマトリクス型、FFS方式の透過型液晶装置の例を挙げて説明する。
図1は、本実施形態の液晶装置を各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図、図2は図1のH−H´線に沿う断面図である。なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や部材毎に縮尺を異ならせてある。また、液晶装置の各構成部材における液晶層側を内側と呼び、その反対側を外側と呼ぶことにする。
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、TFTアレイ基板10(第1基板)と対向基板20(第2基板)とがシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内に液晶層50が封入されている。液晶層50は、正の誘電率異方性を有する液晶から構成されている。シール材52の形成領域の内側の領域には、遮光性材料からなる遮光膜(周辺見切り)53が形成されている。シール材52の外側の周辺回路領域には、データ線駆動回路201及び入力端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する二辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104の間を接続するための複数の配線105が設けられている。
[液晶装置の構成]
次に、本発明の実施形態における液晶装置を図3及び図4に基づいて説明する。
図3は同液晶装置の各画素の拡大平面図、図4は図3のA−A´線に沿う同液晶装置の断面図である。
液晶装置100の表示領域内には、複数の画素がマトリクス状に配置されている。
図3に示すように、走査線1が水平方向(図3における横方向)に延在するとともに、データ線3が縦方向(図3における縦方向)に延在し、これら走査線1及びデータ線3とに四方を囲まれた領域が1つの画素領域を構成している。多結晶シリコン膜からなる半導体層4が、データ線3と走査線1の交差点の近傍で略U字状に形成されている。半導体層4の両端にはコンタクトホール5,6が形成されており、一方のコンタクトホール5はデータ線3と半導体層4のソース領域4sとを電気的に接続するソースコンタクトホールであり、他方のコンタクトホール6は半導体層4のドレイン領域4dとドレイン電極7とを電気的に接続するドレインコンタクトホールである。ドレイン電極7上のドレインコンタクトホール6が設けられた側と反対側には、ドレイン電極7と後述する画素電極11とを電気的に接続するための画素コンタクトホール12が形成されている。
本実施形態におけるTFT13は、略U字状の半導体層4が走査線1と交差しており、半導体層4と走査線1とが2箇所で交差しているため、1つの半導体層上に2つのゲートを有するTFT、いわゆるデュアルゲート型TFTを構成している。
画素電極11は、例えばインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITOと略記する)などの材料により形成され、1つの画素領域に対応して略矩形状にパターニングされている。一方、共通電極17は、例えばITOなどの材料により形成され、複数の画素がマトリクス状に配置された表示領域全体に亘って形成されている。また、共通電極17は、画素電極11との重なり部分においてスリット状の開口部17aを有しており、隣接する開口部17aと開口部17aとの間が帯状の電極部17bを構成する。
次に、液晶装置100の断面構造について説明する。
図4に示すように、ガラス、石英などの透明基板21,22からなるTFTアレイ基板10(図4における下側基板)、対向基板20(図4における上側基板)を有し、これら基板間に液晶層50が挟持されている。TFTアレイ基板10を構成する透明基板21上に多結晶シリコンからなる半導体層4が設けられ、この半導体層4を覆うようにシリコン酸化膜などからなるゲート絶縁膜23が形成されている。半導体層4は各画素電極11をスイッチング制御するTFT13を構成し、TFT13は、モリブデンなどからなる走査線1で構成されるゲート電極、当該ゲート電極からの電界によりチャネルが形成される半導体層4のチャネル領域4c、ゲート電極と半導体層4とを絶縁するゲート絶縁膜23、アルミニウムなどからなるドレイン電極7、半導体層のソース領域4s及びドレイン領域4dを備えている。
また、TFTアレイ基板10上には、ソース領域4sへ通じるソースコンタクトホール5、ドレイン領域4dへ通じるドレインコンタクトホール6が各々形成されたシリコン酸化膜からなる第1層間絶縁膜24が形成されている。つまり、データ線3は第1層間絶縁膜24を貫通するソースコンタクトホール5を介して半導体層4のソース領域4sに電気的に接続されており、ドレイン電極7は、第1層間絶縁膜24を貫通するドレインコンタクトホール6を介して半導体層4のドレイン領域4dに電気的に接続されている。ドレイン電極7は、データ線3と同一材料からなり、第1層間絶縁膜24上に形成されている。更に、ドレイン電極7へ通じる画素コンタクトホール12が形成された第2層間絶縁膜25、第3層間絶縁膜26が順次形成されている。第2層間絶縁膜25はシリコン酸化膜、第3層間絶縁膜26はアクリル樹脂から構成され、特に第3層間絶縁膜26は下地の段差を平坦化するための平坦化膜として機能する。
第3層間絶縁膜26上に、ITOなどの透明導電膜からなる画素電極11が略矩形状に形成されている。以上の構成により、画素電極11は、ドレイン電極7を中継層として半導体層4のドレイン領域4dと電気的に接続されることになる。画素電極11上を含む第3層間絶縁膜26上には、シリコン窒化膜などからなる第4層間絶縁膜27が形成されている。第4層間絶縁膜27上には、スリット状の開口部17aと帯状の電極部17bを有するITOなどの透明導電膜からなる共通電極17が略ベタ状に形成されている。TFTアレイ基板10の最上層で液晶層50に接する面には、ポリイミドなどからなる配向膜28が設けられている。
他方、対向基板20は、透明基板22上にカラーフィルターを構成する赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色材層31が画素毎に形成されている。各色材層31の周囲には、画素周辺の光漏れを防止するために、金属クロムなどの遮光性材料からなるブラックマトリクス43が形成されている。また、色材層31を保護するとともに色材層31による段差を平坦化するためのオーバーコート層32が形成され、オーバーコート層32上にTFTアレイ基板10側と同様の配向膜33が形成されている。
TFTアレイ基板10の外面側(液晶層50と反対側)には偏光板61が積層されており、対向基板20の外面側にも偏光板62が配設されている。なお、各基板10,20と偏光板61,62との間に、必要に応じて位相差板を配置してもよい。また、TFTアレイ基板10の背面側(図4における下側)には、導光板91と反射板92とを具備したバックライト(照明装置)90が設けられている。
配向膜28,33にはラビングが施されている。このときそれぞれのラビング方向は、画素電極11と共通電極17との間に形成される電界方向と一致しない方向に設定されている。なお、電界方向に対して垂直以外の角度で交差する方向にラビング方向を設定すれば、電界の作用時に液晶分子を同一方向に回動させることができる。本実施形態の場合、TFTアレイ基板10側の配向膜28のラビング方向及び対向基板20側の配向膜33のラビング方向は、水平方向(図3における横方向)に設定されている。一方、TFTアレイ基板10側の偏光板61の透過軸は、配向膜28のラビング方向と平行に配置され、対向基板20側の偏光板62の透過軸は、偏光板61の透過軸と直交するように配置されている。なお、配向膜28,33のラビング方向および偏光板61,62の透過軸は、上記以外の配置とすることも可能である。
液晶装置100の動作として、非選択電圧(液晶のしきい値電圧近傍の電圧)印加時において、液晶層50を構成する液晶分子は、ラビング方向に沿って基板と水平に配向している。そして、画素電極11と共通電極17との間に選択電圧(液晶のしきい値電圧に比べて十分に高い電圧)を印加すると、電界が発生し、その電界方向に沿って液晶分子が再配向する。なお、配向膜のラビング方向を電界方向と垂直以外の角度で交差する方向に設定しているため、全ての液晶分子を同一方向に回動させることができる。液晶装置100は、このような液晶分子の配向状態の差異に基づく複屈折性を利用して明暗表示を行うように構成されている。
そのため、画素電極11にパターン細りが発生すると、その領域において液晶層50に選択電圧を印加することができなくなる。その結果、パターン細りの領域において、液晶分子の再配向による画像表示ができなくなってしまう。
[液晶装置の製造方法]
次に、本発明の実施形態における液晶装置のうち、特にTFTアレイ基板10の製造プロセスを図5〜図7に基づいて説明する。
図5は同液晶装置の製造プロセスを示す断面図、図6は電極のパターニング工程を示す断面図、図7はショット分割による電極部の製造プロセスを示すイメージ図である。
まず初めに、図5(a)に示すように、ガラス、石英などの透明基板21を準備し、図5(b)に示すように、膜厚40nm程度の非晶質シリコン膜をCVD法などにより成膜し、非晶質シリコン膜を成膜した後、レーザアニールなどを施して再結晶化させることによって多結晶シリコン膜とする。その後、この多結晶シリコン膜を周知のフォトリソグラフィー、エッチング法によりパターニングして半導体層4とする。
次に、図5(c)に示すように、膜厚75nm程度のシリコン酸化膜をCVD法などにより基板全面に成膜し、ゲート絶縁膜23とする。
次に、図5(d)に示すように、膜厚300nm程度のモリブデン膜をスパッタ法などにより基板全面に成膜した後、このモリブデン膜を周知のフォトリソグラフィー、エッチング法によりパターニングして走査線1を形成する。
次に、図5(e)に示すように、シリコン酸化膜をCVD法などにより基板全面に成膜し、第1層間絶縁膜24とする。その後、周知のフォトリソグラフィー、エッチング法により第1層間絶縁膜24、ゲート絶縁膜23を貫通して半導体層4のソース領域4s、ドレイン領域4dに達するソースコンタクトホール5、ドレインコンタクトホール6をそれぞれ形成する。その後、膜厚500nm程度のアルミニウム膜をスパッタ法などにより基板全面に成膜した後、このアルミニウム膜を周知のフォトリソグラフィー、エッチング法によりパターニングしてデータ線3、ドレイン電極7をそれぞれ形成する。
次に、図5(f)に示すように、膜厚200nm程度のシリコン酸化膜をCVD法などにより基板全面に成膜して第2層間絶縁膜25を形成し、次いで、膜厚1〜3μm程度のアクリル樹脂膜を基板全面に塗布、硬化させて第3層間絶縁膜26を形成する。
次に、図5(g)に示すように、周知のフォトリソグラフィー、エッチング法により第3層間絶縁膜26、第2層間絶縁膜25を貫通してドレイン電極7に達する画素コンタクトホール12を形成する。その後、膜厚75nm程度のITO膜をスパッタ法などにより基板全面に成膜し、このITO膜を周知のフォトリソグラフィー、エッチング法によりパターニングして画素電極11を形成する。
次に、図5(h)に示すように、膜厚50〜400nm程度のシリコン窒化膜をスパッタ法などにより基板全面に成膜して第4層間絶縁膜27を形成する。
次に、図5(i)に示すように、膜厚75nm程度のITO膜をスパッタ法などにより基板全面に成膜し、このITO膜を周知のフォトリソグラフィー、エッチング法によりパターニングして共通電極17を形成する。
その後、図示しないが、基板全面にポリイミド膜を成膜し、ラビング処理を施すことによって配向膜28を形成する。
以上の工程を経て、TFTアレイ基板10が完成する。
ここで、図5(g)に示した画素電極11をパターニングする際の詳細工程について、図6を用いて説明する。
まず、図6(a)に示すように、ITO膜からなる画素電極11を基板全面に成膜し、その後レジスト71を表面に塗布する。次に、レジスト71を露光するため、基板表面にフォトマスク75を配置する。フォトマスク75は、ガラスなどの透明基板73の表面に、金属クロムなどの遮光膜74を配置して構成されている。その遮光膜74には、レジスト71の露光領域に対応して開口部76が形成されている。
ここで、液晶装置が大型の場合には、一度に基板全面を露光することが困難であるため、数回に分けて基板の露光処理を行い(ショット分割)、一枚のパネルを製造することになる。この場合、露光する領域にはフォトマスク75を配置し、露光しない領域には遮光部材(露光ブラインド)72を配置する。この露光ブラインド72とフォトマスク75との境界が略ショット分割位置となる。この状態で一度目の露光を行う。
次に、図6(b)に示すように、一度目の露光とはショット分割位置を境に図6(a)とは逆に露光ブラインド72とフォトマスク75とを配置したのちに二度目の露光を行う。
次に、図6(c)に示すように、二度の露光が完了した後に現像処理を行うことにより、露光した領域のレジスト71が除去される。
次に、図6(d)に示すように、パターニングされたレジスト71をマスクとしてエッチングを行う。
次に、図6(e)に示すように、エッチングした結果、レジスト71が除去された領域の画素電極11が除去される。
次に、図6(f)に示すように、残置しているレジスト71を除去することで、画素電極11のパターニングが完了する。
[ショット分割]
次に、上述したショット分割の位置について説明する。ここで、図3における走査線1の延在する方向をX方向、データ線3の延在する方向をY方向とする。本実施形態では、図5(g)の画素電極11を形成する工程において、Y方向については、画素電極11の非形成領域であって、走査線1が形成されている領域と略同一位置(ブラックマトリクス43内)でショット分割をしており、X方向については、図3の線分B−B´の位置、つまり画素電極11の形成領域内でショット分割をしている。このX方向のショット分割は、ショット分割の境界B−B´が画素電極11の形成領域に配置されるように行う。しかもショット分割の境界B−B´が、画素電極11の形成領域の周縁部のうち走査線1に沿った周縁部のみと交差するように、X方向のショット分割を行う。このように、Y方向にショット分割する場合の境界は、X方向と平行に配置され、X方向にショット分割する場合の境界は、Y方向と平行に配置されている。
また、図5(i)の共通電極17を形成する工程において、Y方向は開口部17aの非形成領域であって、走査線1が形成されている領域と略同一位置(ブラックマトリクス43内)でショット分割をしており、X方向は図3の線分C−C´の位置、つまり開口部17aの非形成領域でショット分割をしている。
次に、ショット分割して画素電極11を形成する際の詳細な工程を説明する。
図7(a)に示すように、画素電極11の形成領域内でショット分割をするようにフォトマスク75を配置し、一度目の露光境界を定める。このとき、X方向のショット分割の境界77は図3における線分B−B´と略同じ位置で、Y方向のショット分割の境界78は走査線1と平面視において略同じ位置に設定されている。その後、一度目の露光領域81に対して露光をするが、露光領域の周辺には光漏れ領域82が発生する。
図7(b)に示すように、図7(a)と同様に二度目の露光境界を定め、二度目の露光領域83に対して露光する。このとき、一度目の露光領域81と二度目の露光領域83との間に隙間が生じないように、若干の重なり部84が形成されている。二度目の露光に対しても光漏れ領域85が発生する。なお、図7(a)、(b)のように紙面上側の画素電極11の形成領域周辺を露光した後に、紙面下側の画素電極11の形成領域周辺も同様に露光する。
図7(c)に示すように、一度目の露光領域81と二度目の露光領域83との重なり部84は二重露光になるため、画素電極11の走査線1に沿った周縁部(Y方向端部)に、窪み88が形成されている。本実施形態では、X方向のショット分割の境界を、画素電極11の形成領域の周縁部のうち走査線1に沿った周縁部のみと交差するように配置したので、窪み88は走査線1に沿った画素電極11の周縁部のみに形成される。この画素電極11の走査線1に沿った周縁部は、隣接する走査線1とともにブラックマトリクス43によって遮蔽されている。そのため、窪み88もブラックマトリクス43によって遮蔽されることになる。
また、画素電極11のY方向におけるショット分割位置は、画素電極11の非形成領域に配置されている。そのため、露光ブラインド72からの光漏れ82,85などに起因して、画素電極11の走査線1に沿った周縁部(Y方向端部)にパターン細り87が発生する。しかしながら、上記のように画素電極11の走査線1に沿った周縁部はブラックマトリクス43によって遮蔽されているので、パターン細り87もブラックマトリクス43によって遮蔽されることになる。
一方、共通電極17のX方向およびY方向におけるショット分割の境界は、いずれも開口部17aの非形成領域のみに配置されている。なお共通電極17は、開口部17aを除いて略ベタ状に形成されている。そのため、共通電極17にはショット分割位置の周辺におけるパターン細りが発生しない。
したがって、本実施形態によれば、画素電極11をパターニングするためのフォトリソグラフィーにおける露光処理のショット分割位置を、画素電極11を分割するような画素電極11の形成領域内とし、画素電極11に形成されるパターン細り87をブラックマトリクス43の形成領域内に位置するような構成とした。このように構成することで、画素電極11の走査線1に沿う方向に形成されるパターン細り87をブラックマトリクス43により隠蔽することができると共に、画素電極11のデータ線3に沿う方向には、パターン細りが発生しない。したがって、画素の高開口率を実現することができる。更に、データ線3上に形成されていたブラックマトリクス43を除去しても、画素透過率が変動することによる明るさの違いが発生することがなく、画素の更なる高開口率を実現することができる。
また、本実施形態では、下層側にTFTに接続した矩形状の画素電極、上層側にスリット状の開口部を有する共通電極を配置したが、下層側に共通電極、上層側に画素電極を配置する構成でもよい。この場合、画素電極側にスリット状の開口部が形成されることになるため、画素電極のX方向のショット分割位置は、画素電極形成領域内で、かつ開口部の非形成領域において行うこととなる。また、Y方向のショット分割位置は、上述の実施形態と同じ位置でよい。
尚、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、TFTアレイ基板上の各配線、各電極などのパターン形状、材料、膜厚などの具体的な構成については上記実施形態に限ることなく適宜変更が可能である。
本実施形態では透過型液晶装置の場合で説明したが、それに限らず、反射型、半透過反射型の液晶装置に適用してもよい。
本発明の実施形態における液晶装置の概略平面図である。 図1のH−H´線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における液晶装置の画素の拡大平面図である。 図3のA−A´線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における液晶装置の製造工程断面図である。 同、画素電極のパターニングの製造工程断面図である。 同、画素電極のショット分割位置における製造工程のイメージ図である。 従来のショット分割における電極のパターン細りを示した平面図である。
符号の説明
1…走査線 3…データ線 10…TFTアレイ基板(第1基板) 11…画素電極 17a…開口部 13…TFT(スイッチング素子) 17…共通電極 20…対向基板(第2基板) 27…第4層間絶縁膜(電極絶縁膜) 43…ブラックマトリクス 50…液晶層 81…露光領域(第1露光領域) 83…露光領域(第2露光領域) 100…液晶装置

Claims (3)

  1. 液晶を挟持して対向する第1基板及び第2基板のうち、前記第1基板の内側に画素領域ごとに画素電極を設ける工程と、該画素電極の内側に電極絶縁膜を設ける工程と、該電極絶縁膜の内側において全ての前記画素領域を覆うように、前記画素電極に対応する位置に複数の開口部を有すると共に前記画素電極との間で前記開口部の各々を通じて電界を発生させる共通電極を設ける工程と、を備え、
    前記画素電極の形成工程では、前記画素電極をパターニングするためのフォトリソグラフィーにおける第1露光のショット分割を、該ショット分割の境界が前記画素電極の形成領域に配置されるように行い、
    前記共通電極の形成工程では、前記共通電極をパターニングするためのフォトリソグラフィーにおける第2露光のショット分割を、該ショット分割の境界が前記開口部の非形成領域のみに配置されるように行うことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  2. 前記画素電極の形成工程の前に、前記第1基板の内側に、前記画素電極への通電を制御するスイッチング素子および該スイッチング素子に走査信号を供給する走査線を設ける工程と、
    前記画素電極の前記走査線に沿った周縁部および前記走査線と平面視において重なるように、ブラックマトリクスを形成する工程と、を備え、
    前記画素電極の形成工程では、前記第1露光のショット分割の境界が、前記画素電極の形成領域の周縁部のうち前記走査線に沿った周縁部のみと交差するようにショット分割を行うことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  3. 前記画素電極の形成工程の前に、前記第1基板の内側に、前記スイッチング素子にデータ信号を供給するデータ線を、前記走査線と交差するように設ける工程と、
    前記ブラックマトリクスを形成する工程では、前記画素電極の前記データ線に沿った周縁部および前記データ線と平面視において重なるように、前記ブラックマトリクスを形成しないことを特徴とする請求項2に記載の液晶装置の製造方法。
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