JP2008065183A - 視野角制限フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、視野角制限能、電磁波遮蔽能、耐久性等の複数の望ましい特性を備えた視野角制限フィルムとその製造法を提供するものである。
【解決手段】原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属からなり、1μm〜100μmの膜厚ならびにハニカム状に整列した孔径1μm〜100μmの貫通孔を有する視野角制限フィルム。 本発明の視野角制限フィルムは、これをディスプレイ表面に設けることでディスプレイの視野角を有効に制限することができる。また本発明の視野角制限フィルムは、導電性、電磁波防御性あるいは耐久性(ディスプレイ表面の保護機能)など、望ましい特性の多くを備えている。
【選択図】なし
【解決手段】原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属からなり、1μm〜100μmの膜厚ならびにハニカム状に整列した孔径1μm〜100μmの貫通孔を有する視野角制限フィルム。 本発明の視野角制限フィルムは、これをディスプレイ表面に設けることでディスプレイの視野角を有効に制限することができる。また本発明の視野角制限フィルムは、導電性、電磁波防御性あるいは耐久性(ディスプレイ表面の保護機能)など、望ましい特性の多くを備えている。
【選択図】なし
Description
本発明は、特に液晶ディスプレイ(LCD)やブラウン管ディスプレイ装置(CRT)等に表示される画像を、画像面に対して垂直以外の斜め方向からは観察しにくくするための、すなわち画面の視野角を制限するための、ハニカム状に整列した微細な孔を有する金属薄膜の利用に関する。
LCDやCRT等のディスプレイ装置には、一度に多数の者が画面に対して様々な角度からディスプレイに表示された画像を見ることができるという特性が本来的には望まれている。しかし、その一方で携帯電話のディスプレイやモバイルPCなどの普及に伴い、第三者の傍らで個人情報等をディスプレイに表示させる機会が著しく増えてきた。このため、ディスプレイ利用者には不便さを感じさせずにディスプレイの有効視野角を制限してディスプレイ利用者のプライバシーを守る技術、具体的にはディスプレイ画像の輝度を低下させることなく、任意のディスプレイ装置に対して簡便にその有効視野角を制限する技術とその開発が急務となっている。
3M社のマイクロルーバーは、この目的の為に開発されたフィルムである(http://www.mmm.co.jp/cf/security/index.html)。しかし、このフィルムは画像の輝度を低下させるために、ディスプレイのバックライトを強化するか、あるいは様々な輝度強化フィルムをさらに使用して、輝度の低下を補正する必要があるとされている。
その他にも、幾何学的で複雑な構造と曇りを有する表面部を有するプライバシー複合体を開示している(特許文献1)。また、複屈折フィルム部分と等方性フィルム部分が交互に並んでいる互い違いの波長板を含むLCDプライバシーフィルタが開示されている(特許文献2)。これらのプライバシーフィルタは、幾何学的かつ異なる特性を有する複数の材料から製造されるものであり、その製造に時間および費用を要する。
また、ディスプレイ用光学フィルムに求められる特性には、視野角の制限の他に、ディスプレイ表面を物理的な接触から保護する特性や、ディスプレイ装置から発生する電磁波を遮蔽する特性もあり、また導電性、偏光性さらには高光散乱性が求められることも多い。この様に多様な特性が求められる場合、それぞれの特性を有する複数のフィルムを積層して一つのフィルムを形成することが行われるが、この様なフィルムは必然的に光透過性が低下するという問題を持つことになる。例えば電磁波の遮蔽と視野角制限を同時に果たすフィルタを製造するには、一般的に偏光フィルム2枚、電磁波遮蔽フィルム1枚、視野角制限フィルム1枚の計4枚のフィルムが必要とされ、それぞれの光透過率を80%としても、フィルタ全体の光透過率は40%程度に低下してしまう。この問題を解消するには、1枚のフィルムに複数の機能を兼備させることであるが、かかるフィルムの開発は一般に困難であるとされている。
特表平10−501900号
米国特許第6239853号
本発明は、視野角制限能、電磁波遮蔽能、耐久性等の複数の望ましい特性を備えた視野角制限フィルムとその製造法を提供するものである。
本発明者らは、非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体の応用研究において、該ハニカム状多孔質体を鋳型にして無電解鍍金を施すことによって、任意の遷移金属からなるハニカム状に整列した孔を有する金属製薄膜を製造できることを見いだして特許出願を行った(特願2006−16377)が、この金属製薄膜が複数種の機能を備えた視野角制限フィルムとして利用可能であることを新たに見いだし、以下の各発明を完成した。
(1)原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属からなり、1μm〜100μmの膜厚ならびにハニカム状に整列した孔径1μm〜100μmの貫通孔を有する視野角制限フィルム。
(2)空孔率が50%〜95%である(1)に記載の視野角制限フィルム。
(3)ハニカム状に整列した孔が膜の内部で平面方向に連通している、(1)に記載の視野角制限フィルム。
(4)金属が中空状金属である(1)〜(3)の何れかに記載の視野角制限フィルム。
(5)中空部が非水溶性ポリマーによって充填されている、(4)に記載の視野角制限フィルム。
(6)貫通孔が光透過性ポリマー樹脂で充填されている、(1)〜(5)のいずれかに記載の視野角制限フィルム。
(7)1μm〜100μmの膜厚、ハニカム状に整列した孔径1μm〜100μmの貫通孔を有する非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を鋳型として無電解鍍金を行うことを特徴とする、(1)に記載の視野角制限フィルムの製造方法。
(8)下記の工程a)〜e)を含む、(7)に記載の製造方法;
a)50dyn/cm以下の表面張力γLを有する非水溶性有機溶媒に非水溶性ポリマーを溶解して、0.5g/L〜50g/Lの非水溶性ポリマーを含む非水溶性有機溶媒溶液を調製する工程、
b)工程a)で調製される非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液を基板の表面に塗布する工程、ここで該基板の表面張力γSは塗布される非水溶性有機溶媒の表面張力γLならびに該基板と該溶媒との間の表面張力γLSに対してγS−γSL>γLの関係を満たす、
c)工程b)で基板上に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液に相対湿度30%以上の空気を接触させて非水溶性有機溶媒を蒸発させて、非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を調製する工程、
d)工程c)で調製されたハニカム状多孔質体に白金をスパッタリングする工程、及び、
e)工程d)で調製されたハニカム状多孔質体を、原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属を用いて無電解鍍金する工程。
a)50dyn/cm以下の表面張力γLを有する非水溶性有機溶媒に非水溶性ポリマーを溶解して、0.5g/L〜50g/Lの非水溶性ポリマーを含む非水溶性有機溶媒溶液を調製する工程、
b)工程a)で調製される非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液を基板の表面に塗布する工程、ここで該基板の表面張力γSは塗布される非水溶性有機溶媒の表面張力γLならびに該基板と該溶媒との間の表面張力γLSに対してγS−γSL>γLの関係を満たす、
c)工程b)で基板上に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液に相対湿度30%以上の空気を接触させて非水溶性有機溶媒を蒸発させて、非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を調製する工程、
d)工程c)で調製されたハニカム状多孔質体に白金をスパッタリングする工程、及び、
e)工程d)で調製されたハニカム状多孔質体を、原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属を用いて無電解鍍金する工程。
(9)さらにf)無電解鍍金後に非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を除去する工程を含む、(8)に記載の製造方法。
(10)さらにg)工程f)でハニカム状多孔質体を除去した後の中空部を金属を溶融させることで埋める工程を含む、(9)に記載の製造方法。
(11)工程c)における非水溶性有機溶媒溶液の蒸発速度が、非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液の基板表面への塗布時の液膜厚を15分以内に1/5にまで減少させる速度である、(8)に記載の製造方法。
(12)相対湿度30%以上の湿度を有する流速0.5〜10L/分の気流に接触させることで非水溶性有機溶媒を蒸発させる、(11)に記載の製造方法。
(13)工程b)において基板に塗布される非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液の液膜厚が500μm〜5mmである、(8)に記載の製造方法。
本発明の視野角制限フィルムは、これをディスプレイ表面に設けることでディスプレイの視野角を有効に制限することができる。特に空孔率が50%〜95%である金属製薄膜は、ディスプレイの輝度を有効に維持することができる。また本発明の視野角制限フィルムは、導電性、電磁波防御性あるいは耐久性(ディスプレイ表面の保護機能)など、望ましい特性の多くを備えている。
<視野角制限フィルム>
本発明は、原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属からなり、1μm〜100μmの膜厚ならびにハニカム状に整列した孔径1μm〜100μmの貫通孔を有する金属性薄膜を視野角制限フィルムとして使用するものである。
本発明は、原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属からなり、1μm〜100μmの膜厚ならびにハニカム状に整列した孔径1μm〜100μmの貫通孔を有する金属性薄膜を視野角制限フィルムとして使用するものである。
本発明の視野角制限フィルムの代表的な部分構造を表している電子顕微鏡写真を、図1に示す。この図から明らかなように、本発明の視野角制限フィルムは、膜の垂直方向に向けられた微少な貫通孔が膜の平面方向に蜂の巣状に(ハニカム状に)設けられている構造を有する。孔は平面方向に存在する周囲の孔と膜の内部で連通していてもよい(図1)。この様なハニカム状という規則的な配置で均一な孔径を有する孔が設けられている多孔質の薄膜は、孔の口径、形状あるいは深さなどがまちまちである不規則な孔を有する通常の多孔質性の薄膜とは全く異なる構造体として理解される。
本発明の視野角制限フィルムは、中空状金属製の薄膜とすることもできる。ここで中空状とは、薄膜を構成する金属部分、例えば図1では膜の裏面と表面並びこれらを結び付けている幹部分が物質の存在しない中空部を有する状態か、あるいは金属以外の物質特に非水溶性ポリマーで充填されている中空部を有する状態を意味する。なお、この中空状という状態は後述する本発明の製造方法の説明と合わせることによって容易に理解することができることから、本発明の製造方法の説明において改めて説明することにする。
本発明の視野角制限フィルムを構成する金属は、原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる。この様な金属は、溶液中での還元反応を利用した金属鍍金処理、いわゆる無電解鍍処理によって鋳型となる物質の表面に結晶を析出させることのできる金属である。具体的な金属元素は、クロム(Cr、原子番号24)マンガン(Mn、原子番号25)鉄(Fe、原子番号26)コバルト(Co、原子番号27)ニッケル(Ni、原子番号28)、銅(Cu、原子番号29)、亜鉛(Zn、原子番号30)、イットリウム(Y、原子番号39)、ジルコニウム(Zr、原子番号40)、ニオブ(Nb、原子番号41)、モリブデン(Mo、原子番号42)、テクネチウム(Tc、原子番号43)、ルテニウム(Ru、原子番号44)、ロジウム(Rh、原子番号45)、パラジウム(Pd、原子番号46)、銀(Ag、原子番号47)、カドミウム(Cd、原子番号48)である。またこれらの酸化物の例としては酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(Fe2O3)などを、硫化物の例としては硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)などを例示することができる。
本発明の視野角制限フィルムの膜厚は1μm〜100μmと設定することができるが、視野角を制限する能力、ディスプレイ輝度の確保ならびに薄膜自体の強度を考慮すれば、好ましい膜厚は1μm〜50μm、より好ましくは5μm〜30μmである。
また、本発明の視野角制限フィルムの孔径は1μm〜100μmと設定することができるが、上記と同様の理由から、好ましい孔径は1μm〜50μm、より好ましくは5μm〜30μmである。
本発明の視野角制限フィルムの特に好ましい態様は、膜厚が5μm〜30μm、孔径が5μm〜30μm、空孔率が50%以上〜95%以下の金属製薄膜である。ここで空孔率とは、本発明で使用する金属製薄膜の単位面積(mm2)の孔面積の割合を意味する。この空孔率は、例えば電子顕微鏡観察によって得られる画像を基に測定することができる。この範囲の空孔率を有する本発明の視野角制限フィルムは、ディスプレイ画像の輝度を低下させることなく、有効視野角のみを制限することができ、かつ薄膜の強度も確保している。
本発明の視野角制限フィルムが視野角を制限する機構を図2に模式的に示す。(a)にあるように、本発明の視野角制限フィルムは、ディスプレイ正面にいるディスプレイ利用者に対してディスプレイからの入射光を本発明の視野角制限フィルムの孔をほぼ垂直に通過してくる透過光として与えるが、ディスプレイに対して斜め方向にいる者に対しては、ディスプレイからの入射光を薄膜の裏面と表面並びこれらを結び付けている幹部分で遮ることで透過光を殆ど与えない。すなわち本発明の視野角制限フィルムは、ディスプレイからの入射光に対する薄膜の角度(入射角)に応じて、薄膜の見かけの空孔率が変化することを利用して、視野角を制限するものである。図3に、入射角に応じて本発明の視野角制限フィルムの見かけ上の空孔率が変化する様子を電子顕微鏡写真で示す。また、図4に視野角制限フィルムの入射角と光透過率との関係を表したグラフを示す。
<視野角制限フィルムの製造方法>
本発明の視野角制限フィルムの製造方法は、非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を調製すること、ならびにこれを鋳型とした無電解鍍金処理によって遷移金属、その酸化物またはその硫化物を鋳型の表面に析出させて金属被膜を形成することを含む方法である。具体的には、下記の工程a)〜e)を含む。
本発明の視野角制限フィルムの製造方法は、非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を調製すること、ならびにこれを鋳型とした無電解鍍金処理によって遷移金属、その酸化物またはその硫化物を鋳型の表面に析出させて金属被膜を形成することを含む方法である。具体的には、下記の工程a)〜e)を含む。
a)50dyn/cm以下の表面張力γLを有する非水溶性有機溶媒に非水溶性ポリマーを溶解して、0.5g/L〜50g/Lの非水溶性ポリマーを含む非水溶性有機溶媒溶液を調製する工程;
b)工程a)で調製される非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液を基板の表面に塗布する工程、ここで該基板の表面張力γSは塗布される非水溶性有機溶媒の表面張力γLならびに該基板と該溶媒との間の表面張力γLSに対してγS−γSL>γLの関係を満たす;
c)工程b)で基板上に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液に相対湿度30%以上の空気を接触させて非水溶性有機溶媒を蒸発させて、非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を調製する工程;
d)工程c)で調製されたハニカム状多孔質体に白金をスパッタリングする工程;
e)工程d)で調製されたハニカム状多孔質体を、原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属を用いて無電解鍍金する工程。
b)工程a)で調製される非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液を基板の表面に塗布する工程、ここで該基板の表面張力γSは塗布される非水溶性有機溶媒の表面張力γLならびに該基板と該溶媒との間の表面張力γLSに対してγS−γSL>γLの関係を満たす;
c)工程b)で基板上に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液に相対湿度30%以上の空気を接触させて非水溶性有機溶媒を蒸発させて、非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を調製する工程;
d)工程c)で調製されたハニカム状多孔質体に白金をスパッタリングする工程;
e)工程d)で調製されたハニカム状多孔質体を、原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属を用いて無電解鍍金する工程。
工程a)〜c)は、非水溶性ポリマーからなる貫通孔を有するハニカム状多孔質体を調製する工程である。非水溶性ポリマーからなる貫通孔を有するハニカム状多孔質体(ハニカム構造体あるいはハニカムシートとも呼ばれる)とは、非水溶性の高分子(ポリマー)でできた多孔性の薄膜であって、膜の垂直方向に向けられた微少な貫通孔が膜の平面方向に蜂の巣状に(ハニカム状に)設けられている構造を有するものをいう。この貫通孔は平面方向に存在する周囲の貫通孔と膜の内部で連通していてもよい。代表的なハニカム状多孔質体の外観は、図1に示される本発明の視野角制限フィルムの外観と実質的に同一である。
この様な構造的特徴を有するハニカム状多孔質体は、高分子の非水性有機溶媒溶液表面上に水滴を結露させ、該水滴を鋳型としてハニカム状多孔質体を調製する方法、例えば特開平8−311231、特開2001−157475、特開2002−347107あるいは特開2002−335949に記載された方法によって調製することができる。かかる方法は、リソグラフィー法等に比べて、製造コストや効率等の点で有利である。以下、さらに詳しく説明する。
本発明では、非水溶性有機溶媒、特に50dyn/cm以下の表面張力γLを有する非水溶性有機溶媒に非水溶性ポリマーを溶解した、0.5g/L〜50g/Lの非水溶性ポリマーを含む非水溶性有機溶媒溶液を、表面の表面張力をγSとし、塗布される非水溶性有機溶媒の表面張力γLならびに該基板と該溶媒との間の表面張力γLSとした場合にγS-γSL>γLの関係を満たす基板の表面に塗布し、さらに30%以上の空気の存在下で基板上に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液を蒸発させることが好ましい。
ここにいう非水溶性有機溶媒は、50dyn/cm以下の表面張力を有し、かつ該溶液表面に結露した水滴を保持し得る程度の非水溶性と、大気圧下で0〜150℃、好ましくは10〜50℃の沸点を有する有機溶媒を言う。例えば四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン等の非水溶性のケトン類、二硫化炭素などを挙げることができる。
また非水溶性ポリマーは、水に不溶性でかつ上記の非水溶性有機溶媒に可溶な、あるいは適当な界面活性剤の存在下で非水溶性有機溶媒に溶解し得るポリマーであれば特別の制限はなく、適宜選択して使用することができる。
例えば、ポリ乳酸やポリヒドロキシ酪酸のような生分解性ポリマー、脂肪族ポリカーボネート、両親媒性ポリマー、光機能性ポリマー、電子機能性ポリマーなどを挙げることができる。
界面活性剤は、上記の非水溶性有機溶媒に溶解する物であれば適宜選択して使用することができるが、溶解後の非水溶性有機溶媒の界面張力が50dyn/cmであればよい。
上記の非水溶性有機溶媒と非水溶性ポリマーとの具体的な組み合わせの例としては、例えばポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアルキルシロキサン、ポリメタクリル酸メチルなどのポリアルキルメタクリレートまたはポリアルキルアクリレート、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ乳酸、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリアルキルアクリルアミド、およびこれらの共重合体よりなる群から選ばれるポリマーに対しては、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、二硫化炭素などの有機溶媒を組み合わせて使用することができる。また、フッ素化アルキルを側鎖に持つアクリレート、メタクリレートおよびこれらの共重合体よりなる群から選ばれるポリマーに対しては、AK-225(旭硝子株式会社製)などのフッ化炭素溶媒、トリフルオロベンゼン、フルオロエーテル類などの使用も良好な結果を与える。これらの中から、具体的に使用する非水溶性ポリマーに対する溶解性を考慮して、適宜選択して使用することができる。
また、フッ素化アルキルを側鎖に持つポリアクリレートやメタクリレートの側鎖の水素をフッ素に置換したフッ素系ポリマーを用いてハニカム状多孔質体を製造する際には、フッ素系の有機溶媒(AK−225等)の使用も良好な結果を与える。
非水溶性有機溶媒に非水溶性ポリマーを溶解する際には、同溶媒に対して0.5g/L〜50g/Lの非水溶性ポリマーを溶解することが好ましい。この範囲によって、本発明の視野角制限フィルムの製造に際して鋳型として利用するハニカム状多孔質体の空孔率を50%〜95%とすることができる。
非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液を塗布する基板は、基板表面の表面張力γSと塗布される非水溶性有機溶媒の表面張力γLならびに該基板と該溶媒との間の表面張力γLSとの間で、γS−γSL>γLの関係を満たす基板を選択して用いることが望ましい。これは、非水溶性ポリマー溶液の非水溶性有機溶媒溶液を塗布する基板自体の非水溶性有機溶媒に対する濡れ性が、基板上に形成される液膜の厚みに影響を与え得るためである。基板には、塗布される非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液との親和性が高いものであることが好ましい。具体的には、非水溶性有機溶媒の表面張力γLを指標にして上記式で表すことのできる表面張力を示す表面を有する基板を利用すればよい。そのような基板の好適な例としては、ガラス板、シリコン製板あるいは金属板などを挙げることができる。
また、非水溶性有機溶媒溶液との親和性を高めることのできる加工を表面に施した基板の使用も可能である。この様な基板表面の濡れ性の改良は、基板と使用する非水溶性有機溶媒に合わせて、自体公知の方法、例えばガラス製や金属製の基板に対してはそれぞれシランカップリング処理やチオール化合物による単分子膜形成処理方法などを利用することができる。
例えば、クロロホルムなどの疎水性有機溶媒を非水溶性有機溶媒として用いる場合の基板としては、十分に洗浄されたSi基板や、アルキルシランカップリング剤などで表面を修飾したガラス基板などの使用が好ましい。また、フッ素系溶媒を用いる場合は、フッ素による表面加工した基板、あるいはフッ素化アルキルシランカップリング剤などで修飾したガラス基板などの使用が好ましい。
非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液を基板に塗付して同溶液の液膜を形成させる際の液膜厚としては0.1μm〜5mm、好ましくは0.5μm〜1mm、さらに好ましくは1〜100μm以下とすることが望ましい。また基板に非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液を塗付する方法としては、基板に同溶液を滴下する方法の他、バーコート、ディップコート、スピンコート法などを挙げることができ、バッチ式、連続式の何れも利用することができる。
基板表面に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液は、相対湿度30%以上の空気に接触させることによって蒸発させる。ここで溶媒の蒸発速度を非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液の基板表面への塗布時の液膜厚が15分以内に1/5にまで減少する速度とすることによって、1μm〜100μmの孔径を有するハニカム状多孔質体を調製することができる。この蒸発速度は、基板上に塗布した非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液の液膜の面方向に対してほぼ平行ないし上方向に0.5L(リットル)/分以上の空気層の流れを形成して非水溶性有機溶媒を蒸発させる方法、不和合性有機溶媒の沸点未満かつ液膜に接触する空気の露点未満で非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液が塗布された基板を加熱(例えばベルチェ素子を用いて加熱)して非水溶性有機溶媒を蒸発させる方法、あるいは不和合性有機溶媒の沸点ならびに液膜に接触する空気の露点を超えないような減圧下に基板に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液をおいて非水溶性有機溶媒を蒸発させる方法、等によって達成することができる。ここで、露点とは、ある温度におかれた空気の中に含まれている水蒸気が飽和に達して凝結する温度をいい、相対湿度と絶対温度に対して定まる値である。
好適な例としては、基板に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液の液膜に対してほぼ平行ないし上方向に相対湿度30%以上の湿度を有する流速0.5〜5L/分の気流を発生させることである。
また気流は、基板に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液の液膜に対して斜め上方向から、あるいは垂直方向から気流を当たるような配置では、気流による風圧によって液膜に歪みや亀裂が発生することもあり得る。その様な場合には、気流は基板に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液の液膜に平行に、あるいは上方向に生じさせることが好ましい。この場合、気流はその上流からの陽圧あるいは下流からの負圧の何れによって発生させても構わない。例えば、基板に向けて設置したノズルから所定の空気を噴射しても、基板上部の空気を一方向から吸引しても、何れでも良い。
上記の工程a)〜c)によって、ハニカム状多孔質体の膜厚は1μm〜100μmと設定することができるが、視野角を制限する能力、ディスプレイ輝度の確保ならびに薄膜自体の強度を考慮すれば、好ましい膜厚は1μm〜50μm、より好ましくは5μm〜30μmである。
また孔径は1μm〜100μmと設定することができるが、上記と同様の理由から、好ましい孔径は1μm〜50μm、より好ましくは5μm〜30μmである。特に工程a)〜c)によって調製されるハニカム状多孔質体の特に好ましい態様は、膜厚が5μm〜30μm、孔径が5μm〜30μm、空孔率が50%以上〜95%以下のハニカム状多孔質体(空孔率とは前記の通り)である。
本発明の製造方法の工程d)とe)は、工程a)〜c)によって調製される非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を鋳型とした無電解鍍金処理を行う工程である。 物質の表面に金属被膜を形成させる方法には、非水溶性の有機溶媒に分散した金属コロイド溶液を高湿度下でキャストする方法その他の種々の方法が知られているが、これらの方法では非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体の表面に金属被膜を形成させることはできない。本発明は、無電解鍍金処理がハニカム状多孔質体に対して効果的な金属皮膜の生成手段であることを利用した方法である。
無電解鍍金による金属被膜の形成は、鋳型表面に触媒となる白金を塗布する工程d)、ならびに鋳型表面に遷移金属、その酸化物もしくはその硫化物を析出させる工程e)を含む。
鋳型となる非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体への白金の塗布は、スパッタリング法(イオンスパッタリング法)によって行うことができる。イオンスパッタリング法は、例えば牛木辰男ら(2000年、共立出版株式会社発行、「走査電子顕微鏡」、第181頁〜第182頁)に紹介されており、本発明ではこの方法に従ってハニカム状多孔質体に白金を塗布することができる。
白金を塗布した非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体の表面での遷移金属、その酸化物もしくはその硫化物の析出は、適当な還元剤ならびに遷移金属元素、その酸化物またはその硫化物を溶解した溶液に白金を塗布した非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を浸すことで行うことができる。以下の例示に限定されないが、還元剤としてはヒドラジン(N2H2)、次亜リン酸ナトリウム、DMAB(ジメチルアミンボラン)等を例示することができる。また金属源としては硝酸銀、硝酸亜鉛等の金属硝酸化合物、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化銅、塩化銀等の金属塩化物等を例示できる。これらは水溶液として調整し、pH調整のために適宜アンモニアや酢酸、水酸化ナトリウム等を加えても良い。還元剤と金属源の組み合わせは、析出させたい金属の厚みや物性に応じて適宜選択することができる。金属酸化物を製造する手法としては、一度還元剤によって金属化した表面を直接オゾン等で酸化する手法や電気化学的に酸化する手法が適宜使用できる。金属硫化物を製造する手法としては、硫化水素蒸気に接触させる手法や硫化水素バブリング溶液中で還元剤による金属の析出を行う手法等が挙げられる。
上記の鋳型表面に対する白金の塗布ならびに遷移金属等の析出操作は、広く行われている無電解鍍金処理そのものであり、従って「表面技術者のための電気化学」(青山志郎著、2001年、丸善)、「無電解めっき」(電気化学研究会、1994年、日刊工業新聞社)やなどの文献や操作マニュアルの記載を参照しながら行うことができる。
上記に述べた方法によって製造することができる金属被膜が施された非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体は、非水溶性ポリマーによって中空部分が充填された、膜の垂直方向に向けられた微少な孔が膜の平面方向に蜂の巣状に(ハニカム状に)設けられている中空状金属製薄膜と表すこともできる。
また、非水溶性ポリマーによって中空部分が充填された金属薄膜を非水溶性ポリマーを溶解することのできる適当な有機溶媒に浸して、非水溶性ポリマーを溶解する、酸素プラズマによって非水溶性ポリマーを分解する、あるいは非水溶性ポリマーを焼成するなどの処理を行って、金属被膜部分を残して非水溶性ポリマーを除去することができる。この様にして得られる構造、すなわち中空部分がポリマー等の物質によって充填されていない、膜の垂直方向に向けられた微少な孔が膜の平面方向に蜂の巣状に(ハニカム状に)設けられている中空状金属製薄膜を視野角制限フィルムとすることも、本発明の一態様である。また、この非水溶性ポリマーを除去する工程f)も、本発明である製造方法を構成する好ましい工程の一つである。
さらに、この非水溶性ポリマーを除去した後の中空状金属製薄膜を、該金属の融点近く付近まで加熱することにより中空部を溶融した金属で埋めることもできる。この様にして製造される中空部を有さない金属薄膜の使用も、本発明の一態様である。また、工程エ)によってハニカム状多孔質体を除去した後の中空部を金属を溶融させることで埋める工程f)も、本発明である製造方法を構成する好ましい工程の一つである。
以上の操作によって、1μm〜100μm、好ましくは1μm〜50μm、より好ましくは5μm〜30μmの膜厚、1μm〜100μm、好ましくは1μm〜50μm、より好ましくは5μm〜30μmの孔径、50%以上〜95%以下の空孔率を有する視野角制限フィルムを製造することができる。
さらに、本発明の視野角制限フィルムは、光透過性プラスチック材料を金属製薄膜に添加する、あるいは金属製薄膜をを光透過性プラスチック材料に埋包させることによって、貫通孔に光透過性プラスチック材料を充填させた視野角制限フィルムとして利用することができる。
本発明で利用可能な光透過性プラスチック材料とは、可視光を透過させる透明なプラスチックフィルムを形成し得るポリマー又はモノマーであり、例えば架橋性シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等などを挙げることができる。貫通孔へのこれらの光透過性プラスチック材料の充填あるいは視野角制限フィルム全体の光透過性プラスチック材料への埋包は、本発明の視野角制限フィルムを流動状の光透過性プラスチック材料に埋包させてから当該光透過性プラスチック材料を固化させればよい。
以下に実施例を示し、本発明の詳細を説明する。ただし、これらの実施例は何ら本発明を限定するものではない。
1)鋳型の調製
ポリεカプロラクトン:両親媒性ポリアクリルアミド共重合体(Cap)=10:1を濃度1.25mg/mlとなるようにクロロホルム溶液に溶解した。Capは下記構造式で示される化合物である。
ポリεカプロラクトン:両親媒性ポリアクリルアミド共重合体(Cap)=10:1を濃度1.25mg/mlとなるようにクロロホルム溶液に溶解した。Capは下記構造式で示される化合物である。
この溶液4.0mlを直径9mmのガラスシャーレに塗布し、相対湿度70%を有する空気流(流速2.8L/分)に対して平行に置いて溶媒を蒸発させ、孔径約10μm、膜厚約4μmのハニカム状多孔質体(直径約7cmの円盤状薄膜)を得た。
2)金属性薄膜の形成
PETで作成した枠(30mm×20mm)に1)のハニカム状多孔質体を載せ、日立ハイテック社製のスパッタリング装置を用いて、減圧下15mA、50秒の条件で両面Pt/Pdスパッタリングを行った。
PETで作成した枠(30mm×20mm)に1)のハニカム状多孔質体を載せ、日立ハイテック社製のスパッタリング装置を用いて、減圧下15mA、50秒の条件で両面Pt/Pdスパッタリングを行った。
硝酸銀426mg、酢酸4.32g、28%アンモニア水18.34gを含む純水200mlを用意し、これにヒトラジン2mlを加えて2分間攪拌後、この溶液にスパッタリング後のハニカム状多孔質体を2分間浸漬した後に引き上げ、純水で洗浄した。
この操作によって得られた中空状金属製薄膜の電子顕微鏡写真を図1に示す。この金属製薄膜のXPSスペクトルを測定したところ、銀の特徴的なピークが観察された(図5)。
3)導電性の確認
2)で得られた金属製ハニカム状多孔質体について導電性を測定した。10mm四方の中空状金属製薄膜の両端に電極を設置し、導電性原子間力顕微鏡(SII、SPI400)を用いて5ボルト電圧における抵抗を測定した。その結果、金属製ハニカム状多孔質体薄膜は抵抗値が1オーム以下と非常に低い抵抗値を示した。
2)で得られた金属製ハニカム状多孔質体について導電性を測定した。10mm四方の中空状金属製薄膜の両端に電極を設置し、導電性原子間力顕微鏡(SII、SPI400)を用いて5ボルト電圧における抵抗を測定した。その結果、金属製ハニカム状多孔質体薄膜は抵抗値が1オーム以下と非常に低い抵抗値を示した。
4)入射角と光透過率の関係
紫外~可視~近赤外分光光度計(Perkin Elmer 900S)を用いて、2)で製造した金属製薄膜の光透過率を、角度可変ユニットを用いて入射角を変化させながら測定したところ、入射角の減少(90°→30°)に伴って透過率が低下した(図4)。
紫外~可視~近赤外分光光度計(Perkin Elmer 900S)を用いて、2)で製造した金属製薄膜の光透過率を、角度可変ユニットを用いて入射角を変化させながら測定したところ、入射角の減少(90°→30°)に伴って透過率が低下した(図4)。
4)光透過性ポリマーの充填
2)で作製した金属製ハニカム状多孔質体をポリビニルアルコールを塗布したガラス基板上に設置し、ポリジメチルシロキサン(PDMS)プレポリマーとキャタリストを10:1の重量比で混合したものをキャストした。常温で2日間反応させた後、水中で基板から剥がし取ることによって、PDMSに包埋された視野角制限フィルムを作製した。
2)で作製した金属製ハニカム状多孔質体をポリビニルアルコールを塗布したガラス基板上に設置し、ポリジメチルシロキサン(PDMS)プレポリマーとキャタリストを10:1の重量比で混合したものをキャストした。常温で2日間反応させた後、水中で基板から剥がし取ることによって、PDMSに包埋された視野角制限フィルムを作製した。
Claims (13)
- 原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属からなり、1μm〜100μmの膜厚ならびにハニカム状に整列した孔径1μm〜100μmの貫通孔を有する視野角制限フィルム。
- 空孔率が50%〜95%である請求項1に記載の視野角制限フィルム。
- ハニカム状に整列した孔が膜の内部で平面方向に連通している、請求項1に記載の視野角制限フィルム。
- 金属が中空状金属である請求項1〜3の何れかに記載の視野角制限フィルム。
- 中空部が非水溶性ポリマーによって充填されている、請求項4に記載の視野角制限フィルム。
- 貫通孔が光透過性ポリマー樹脂で充填されている、請求項1〜5のいずれかに記載の視野角制限フィルム。
- 1μm〜100μmの膜厚、ハニカム状に整列した孔径1μm〜100μmの貫通孔を有する非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を鋳型として無電解鍍金を行うことを特徴とする、請求項1に記載の視野角制限フィルムの製造方法。
- 下記の工程a)〜e)を含む、請求項7に記載の製造方法;
a)50dyn/cm以下の表面張力γLを有する非水溶性有機溶媒に非水溶性ポリマーを溶解して、0.5g/L〜50g/Lの非水溶性ポリマーを含む非水溶性有機溶媒溶液を調製する工程、
b)工程a)で調製される非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液を基板の表面に塗布する工程、ここで該基板の表面張力γSは塗布される非水溶性有機溶媒の表面張力γLならびに該基板と該溶媒との間の表面張力γLSに対してγS−γSL>γLの関係を満たす、
c)工程b)で基板上に塗布された非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液に相対湿度30%以上の空気を接触させて非水溶性有機溶媒を蒸発させて、非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を調製する工程、
d)工程c)で調製されたハニカム状多孔質体に白金をスパッタリングする工程、及び、
e)工程d)で調製されたハニカム状多孔質体を、原子番号が24〜48である遷移金属、その酸化物及びその硫化物よりなる群から選ばれる金属を用いて無電解鍍金する工程。 - さらにf)無電解鍍金後に非水溶性ポリマーからなるハニカム状多孔質体を除去する工程を含む、請求項8に記載の製造方法。
- さらにg)工程f)でハニカム状多孔質体を除去した後の中空部を金属を溶融させることで埋める工程を含む、請求項9に記載の製造方法。
- 工程c)における非水溶性有機溶媒溶液の蒸発速度が、非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液の基板表面への塗布時の液膜厚を15分以内に1/5にまで減少させる速度である、請求項8に記載の製造方法。
- 相対湿度30%以上の湿度を有する流速0.5〜10L/分の気流に接触させることで非水溶性有機溶媒を蒸発させる、請求項11に記載の製造方法。
- 工程b)において基板に塗布される非水溶性ポリマーの非水溶性有機溶媒溶液の液膜厚が500μm〜5mmである、請求項8に記載の製造方法。
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