JP2008064567A - リングレーザジャイロの光路長制御回路、角速度信号生成回路及びリングレーザジャイロ装置 - Google Patents
リングレーザジャイロの光路長制御回路、角速度信号生成回路及びリングレーザジャイロ装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】正確な光路長制御を行えるようにする。
【解決手段】デュアルフォトダイオードによって検出されるレーザ光干渉縞の検出出力φA,φBを二乗して加算し、それを復調して積分した出力でミラートランスデューサ19を駆動する光路長制御回路において、φAとφBの位相差誤差を補償すべく、φBの位相を調整する位相調整回路50と、その調整された出力φB’の振幅をφBの振幅と等しくするAGC回路60とを設ける。位相調整回路50はφBからφA’を減算してφB’を生成する減算器54と、φB’とφAを掛け算する掛算器51と、掛算器51の出力を積分する積分器52と、積分器52の出力とφAを掛け算してφA’を生成する掛算器53とによって構成される。
【選択図】図1
【解決手段】デュアルフォトダイオードによって検出されるレーザ光干渉縞の検出出力φA,φBを二乗して加算し、それを復調して積分した出力でミラートランスデューサ19を駆動する光路長制御回路において、φAとφBの位相差誤差を補償すべく、φBの位相を調整する位相調整回路50と、その調整された出力φB’の振幅をφBの振幅と等しくするAGC回路60とを設ける。位相調整回路50はφBからφA’を減算してφB’を生成する減算器54と、φB’とφAを掛け算する掛算器51と、掛算器51の出力を積分する積分器52と、積分器52の出力とφAを掛け算してφA’を生成する掛算器53とによって構成される。
【選択図】図1
Description
この発明はリングレーザジャイロに関し、特に光路長制御回路及び角速度信号生成回路の改良に関する。
図6はリングレーザジャイロのジャイロブロック10の構造を示したものであり、ガラス製のブロック11内に三角形の通路12が形成され、その通路12の三角形の各頂点にミラー13〜15が配され、これらミラー13〜15によってリング状光路が構成されている。通路12内にはレーザ媒質が封入され、通路12の各辺には陽極16,17及び陰極18が設けられている。
ミラー14,15は光路長制御用のミラーとされ、これらミラー14,15にはそれぞれミラートランスデューサ19が配置されている。ミラートランスデューサ19を駆動することによりミラー14,15は変位し、これにより光路長の制御を行えるものとなっている。なお、ロックイン現象の発生を防止すべく、ジャイロブロック10に角振動を与えるディザ機構の図示は図6では省略している。
ミラー14,15は光路長制御用のミラーとされ、これらミラー14,15にはそれぞれミラートランスデューサ19が配置されている。ミラートランスデューサ19を駆動することによりミラー14,15は変位し、これにより光路長の制御を行えるものとなっている。なお、ロックイン現象の発生を防止すべく、ジャイロブロック10に角振動を与えるディザ機構の図示は図6では省略している。
上記のような構成を有するジャイロブロック10では陽極16,17と陰極18との間に高電圧を印加し、プラズマ放電を発生させてレーザ媒質を励起し、リング状光路に互いに反対方向(時計回り,反時計回り)に進行する2つのレーザ光を発振させる。この状態でジャイロブロック10にリング状光路の軸心を中心とする角速度が入力すると、2つのレーザ光に光路差が生じ、その光路差が2つのレーザ光間に発振周波数差を生じさせる。従って、これら2つのレーザ光を重ね合わせることにより干渉縞ができ、この干渉縞から入力角速度を検知するものとなっている。
レーザ光の取り出しはミラー13がリードアウトミラーとされて、このミラー13を介して行われる。図6中、21は干渉縞(干渉光)を検出するためのデュアルフォトダイオードを示し、22は一方のレーザ光の光路を変換して干渉縞を形成するためのプリズムを示す。デュアルフォトダイオード21は2つのフォトダイオードが近接配置されたもので、2つのフォトダイオードは干渉縞の一波長λに対してλ/4だけ間隔を離して配置されており、これによりデュアルフォトダイオード21は位相差が90°の2つの干渉縞検出出力を出力する。なお、図6ではデュアルフォトダイオード21及びプリズム22をジャイロブロック10と離して模式的に示しているが、これらデュアルフォトダイオード21及びプリズム22はジャイロブロック10と固定一体化されている。
図7はデュアルフォトダイオード21の検出出力を使用して光路長制御(Path Length Control:PLC)を行う光路長制御回路の従来構成例を示したものであり、デュアルフォトダイオード21の2つのフォトダイオード21a,21bの出力電流はそれぞれ電流電圧変換回路31,32に入力されて電圧に変換され、出力φA,φBとされる。
これらレーザ光干渉縞の検出出力φA,φBは下式のように表せる。
φA=E(1+m・sinωct) sinS(Ωit+Ωdsinωdt) …(1)
φB=E(1+m・sinωct) cosS(Ωit+Ωdsinωdt) …(2)
ここで、E:PLCの搬送波振幅
m:振幅変調度
ωc:PLCの搬送波角周波数
S:角速度感度
Ωi:入力角速度
Ωd:ディザ角速度振幅
ωd:ディザ角周波数
なお、上式において、Ωd sinωdtはディザ振動を示し、E(1+m・sinωct)はPLCの搬送波により振幅変調されていることを示す。
これらレーザ光干渉縞の検出出力φA,φBは下式のように表せる。
φA=E(1+m・sinωct) sinS(Ωit+Ωdsinωdt) …(1)
φB=E(1+m・sinωct) cosS(Ωit+Ωdsinωdt) …(2)
ここで、E:PLCの搬送波振幅
m:振幅変調度
ωc:PLCの搬送波角周波数
S:角速度感度
Ωi:入力角速度
Ωd:ディザ角速度振幅
ωd:ディザ角周波数
なお、上式において、Ωd sinωdtはディザ振動を示し、E(1+m・sinωct)はPLCの搬送波により振幅変調されていることを示す。
出力φA,φBはそれぞれ二乗回路33,34に入力されて二乗され、それら二乗された出力φA2,φB2が加算器35で加算されてφA2+φB2となる。φA2+φB2は、
φA2+φB2
=[E(1+m・sinωct) sinS(Ωit+Ωdsinωdt)]2
+[E(1+m・sinωct) cosS(Ωit+Ωd sinωdt)]2
=[E(1+m・sinωct)] 2
=E2{1+2m・sinωct+m2(1−cos2ωct)/2} …(3)
となる。振幅変調度mは1に対して小さいので、2倍波の周波数成分は無視することができ、よってφA2+φB2は、
φA2+φB2≒E2+2mE2 sinωct …(4)
となる。なお、図7には示していないが、ローパスフィルタで2倍波の周波数成分を除去するようにしてもよい。
φA2+φB2
=[E(1+m・sinωct) sinS(Ωit+Ωdsinωdt)]2
+[E(1+m・sinωct) cosS(Ωit+Ωd sinωdt)]2
=[E(1+m・sinωct)] 2
=E2{1+2m・sinωct+m2(1−cos2ωct)/2} …(3)
となる。振幅変調度mは1に対して小さいので、2倍波の周波数成分は無視することができ、よってφA2+φB2は、
φA2+φB2≒E2+2mE2 sinωct …(4)
となる。なお、図7には示していないが、ローパスフィルタで2倍波の周波数成分を除去するようにしてもよい。
加算器35の出力φA2+φB2は復調器36に入力され、出力φA2+φB2を復調することにより光のパワーが分かる。復調器36にはPLC搬送波がPLC搬送波発生回路37から入力される。
復調器36の出力は積分器38に入力されて積分され、この積分器38の出力で光が最大となるようにミラートランスデューサ19を駆動することにより光路長制御が行われる。なお、積分器38の出力は加算器39によりPLC搬送波に加算されてミラートランスデューサ19に入力される(例えば、特許文献1参照)。
復調器36の出力は積分器38に入力されて積分され、この積分器38の出力で光が最大となるようにミラートランスデューサ19を駆動することにより光路長制御が行われる。なお、積分器38の出力は加算器39によりPLC搬送波に加算されてミラートランスデューサ19に入力される(例えば、特許文献1参照)。
一方、図8は角速度信号生成回路の従来構成例を示したものであり、レーザ光干渉縞の検出出力φA,φBはそれぞれ比較器41,42に入力されて波形整形され、入力角速度に応じたUPパルス及びDOWNパルスが生成される。入力角速度はこれらUPパルス、DOWNパルスの立ち上がり、立ち下がりをそれぞれカウンタ(図示せず)で読み取り、そのカウント値により求めることができる(例えば、特許文献2参照)。
米国特許第4320974号明細書
特許第3603137号公報
上述したように、デュアルフォトダイオード21の2つの出力φA,φBを使用して入力角速度を検出し、また光路長制御を行うリングレーザジャイロにおいては、高精度な角速度検出及び光路長制御を行うために、2つの出力φA,φBの位相差は誤差なく、正確に90°であることが求められる。
しかしながら、実際には例えばブロック11の加工精度等に起因してデュアルフォトダイオード21の2つの出力φA,φBの位相差は90°に対して誤差をもつ。
出力φAとφBの位相差が90°ではなく、出力φAに対して出力φBが位相差誤差θをもつ時、φBは、
φB=E(1+m・sinωct) cos{S(Ωit+Ωdsinωdt)+θ} …(5)
となる。この場合、φA2+φB2は、
φA2+φB2≒(E2+2mE2 sinωct){1−sin2θcos2S(Ωit+Ωdsinωdt)−sinθcosθsin2S(Ωit+Ωd sinωdt)} …(6)
となり、搬送波信号成分2mE2 sinωctの振幅に変化を与えるため、復調した時に誤差が発生する。
しかしながら、実際には例えばブロック11の加工精度等に起因してデュアルフォトダイオード21の2つの出力φA,φBの位相差は90°に対して誤差をもつ。
出力φAとφBの位相差が90°ではなく、出力φAに対して出力φBが位相差誤差θをもつ時、φBは、
φB=E(1+m・sinωct) cos{S(Ωit+Ωdsinωdt)+θ} …(5)
となる。この場合、φA2+φB2は、
φA2+φB2≒(E2+2mE2 sinωct){1−sin2θcos2S(Ωit+Ωdsinωdt)−sinθcosθsin2S(Ωit+Ωd sinωdt)} …(6)
となり、搬送波信号成分2mE2 sinωctの振幅に変化を与えるため、復調した時に誤差が発生する。
図9及び10は出力φAとφBの位相差が90°の場合(理想的な場合)及び出力φAとφBの位相差が84°の場合(位相差誤差6°がある場合)の光路長制御における各動作波形(PLC搬送波、φA、φB、φA2+φB2、復調器出力)の一例をそれぞれ示したものであり、位相差誤差がある場合は図10に示したように復調器36の出力に誤差が発生する。従って、この復調器36の出力を積分してミラートランスデューサ19を駆動した場合、誤差が生じ、正確な光路長制御を行えないものとなる。
一方、入力角速度の検出においてはUPパルス、DOWNパルスの立ち上がり、立ち下がりをそれぞれカウンタで読み取っている。例えば、UPパルスの立ち上がりからDOWNパルスの立ち上がりまでの時間をt1とし、DOWNパルスの立ち上がりからUPパルスの立ち下がりまでの時間をt2とすると、t1とt2は出力φAとφBの位相差が90°の場合は同じ(t1=t2)であるが、位相差が90°でなくなるとt1とt2のどちらかが短くなり、他方が長くなる(t1<t2又はt1>t2)。
ここで、t1とt2はそれぞれ入力角速度の大きさに反比例して小さくなるので、入力角速度が大きくなると、t1,t2は小さくなり、入力角速度が大きい条件下で、出力φAとφBに位相差誤差が生じていると、t1あるいはt2のいずれかが更に小さくなり、正常なパルスカウントが出来なくなる。
従って、入力角速度が大きくなると、出力φAとφBの位相差誤差がUP・DOWNパルスのカウント誤差を生じさせ、角速度出力に誤差が発生してしまうこととなる。
なお、このような出力φAとφBの位相差誤差をなくすため、従来においては、プリズム22の90°の角度の部分を変えたものを何種類か用意して、それを選択することによって出力φAとφBの位相差が90°になるように調整するといったことが行われているものの、このような調整作業は手間がかかり、その分製造コストが増加するものとなっていた。
従って、入力角速度が大きくなると、出力φAとφBの位相差誤差がUP・DOWNパルスのカウント誤差を生じさせ、角速度出力に誤差が発生してしまうこととなる。
なお、このような出力φAとφBの位相差誤差をなくすため、従来においては、プリズム22の90°の角度の部分を変えたものを何種類か用意して、それを選択することによって出力φAとφBの位相差が90°になるように調整するといったことが行われているものの、このような調整作業は手間がかかり、その分製造コストが増加するものとなっていた。
また、このようなプリズム22の選択による調整では位相差がちょうど90°になるものを選択しえない場合もあり、さらには例えば温度変化によって位相差が変化してしまうという問題もある。
この発明の目的はこれら従来の問題に鑑み、ブロックの加工誤差等に起因して発生するデュアルフォトダイオードの2つの出力φA,φBの位相差誤差を補償することにより、正確な光路長制御を行えるようにした光路長制御回路を提供することにあり、さらには角速度出力の誤差をなくすことができるようにした角速度信号生成回路を提供することにある。
この発明の目的はこれら従来の問題に鑑み、ブロックの加工誤差等に起因して発生するデュアルフォトダイオードの2つの出力φA,φBの位相差誤差を補償することにより、正確な光路長制御を行えるようにした光路長制御回路を提供することにあり、さらには角速度出力の誤差をなくすことができるようにした角速度信号生成回路を提供することにある。
請求項1の発明によれば、デュアルフォトダイオードによって検出されるレーザ光干渉縞の検出出力φA及びφBをそれぞれ二乗する2つの二乗回路と、それら二乗回路の出力を加算する加算器と、その加算器出力を復調する復調器と、その復調器出力を積分する積分器とを有し、その積分器出力でミラートランスデューサを駆動して光路長を制御するように構成されたリングレーザジャイロの光路長制御回路において、出力φAとφBの位相差誤差を補償すべく、出力φAに対する出力φBの位相差が90°となるように、出力φBの位相を調整し、その調整した出力φB’を出力する位相調整回路と、出力φB’の振幅を出力φBの振幅と等しくして前記二乗回路へ出力する自動利得制御回路とを設ける。位相調整回路は出力φBから出力φA’を減算して出力φB’を生成する減算器と、出力φB’とφAとを掛け算する掛算器と、その掛算器出力を積分する積分器と、その積分器出力と出力φAとを掛け算して出力φA’を生成する掛算器とによって構成される。
請求項2の発明によれば、デュアルフォトダイオードによってレーザ光干渉縞を検出し、それら検出出力φA及びφBを比較器でそれぞれ波形整形して角速度信号を生成するリングレーザジャイロの角速度信号生成回路において、出力φAとφBの位相差誤差を補償すべく、出力φAに対する出力φBの位相差が90°となるように、出力φBの位相を調整し、その調整した出力φB’を前記比較器へ出力する位相調整回路を設ける。位相調整回路は出力φBから出力φA’を減算して出力φB’を生成する減算器と、出力φB’とφAとを掛け算する掛算器と、その掛算器出力を積分する積分器と、その積分器出力と出力φAとを掛け算して出力φA’を生成する掛算器とによって構成される。
請求項3の発明によれば、リングレーザジャイロ装置は請求項1記載の光路長制御回路を具備するものとされる。
請求項4の発明によれば、リングレーザジャイロ装置は請求項2記載の角速度信号生成回路を具備するものとされる。
請求項4の発明によれば、リングレーザジャイロ装置は請求項2記載の角速度信号生成回路を具備するものとされる。
この発明による光路長制御回路によれば、ブロックの加工誤差等に起因して発生するデュアルフォトダイオードの2つの検出出力φA,φBの位相差誤差を補償することができ、よって誤差のない正確な光路長制御が可能となる。
また、この発明による角速度信号生成回路によれば、検出出力φA,φBの位相差誤差が補償されるため、角速度出力の誤差をなくすことができる。
従って、これらの点からこの発明によれば良好な温度特性を有し、優れた性能のリングレーザジャイロ装置を実現することができ、加えてプリズムの選択といった極めて面倒な作業も不要となることから、その分安価に製造することができる。
また、この発明による角速度信号生成回路によれば、検出出力φA,φBの位相差誤差が補償されるため、角速度出力の誤差をなくすことができる。
従って、これらの点からこの発明によれば良好な温度特性を有し、優れた性能のリングレーザジャイロ装置を実現することができ、加えてプリズムの選択といった極めて面倒な作業も不要となることから、その分安価に製造することができる。
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
図1はこの発明による光路長制御回路の一実施例の構成を示したものであり、図7に示した従来の構成と対応する部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この例では出力φAに対する出力φBの位相差が90°となるように、出力φBの位相を調整し、その調整した出力φB’を出力する位相調整回路50が設けられ、さらに自動利得制御(以下、AGCと言う)回路60が設けられる。
位相調整回路50は出力φAとφB’とを掛け算する掛算器51と、その掛算器51の出力を積分する積分器52と、その積分器52の出力と出力φAとを掛け算して出力φA’を生成する掛算器53と、出力φBから出力φA’を減算して出力φB’を生成する減算器54とによって構成されている。
図1はこの発明による光路長制御回路の一実施例の構成を示したものであり、図7に示した従来の構成と対応する部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この例では出力φAに対する出力φBの位相差が90°となるように、出力φBの位相を調整し、その調整した出力φB’を出力する位相調整回路50が設けられ、さらに自動利得制御(以下、AGCと言う)回路60が設けられる。
位相調整回路50は出力φAとφB’とを掛け算する掛算器51と、その掛算器51の出力を積分する積分器52と、その積分器52の出力と出力φAとを掛け算して出力φA’を生成する掛算器53と、出力φBから出力φA’を減算して出力φB’を生成する減算器54とによって構成されている。
出力φAとφBとに位相差誤差がなく、位相差が90°の場合(理想的な場合)、φA×φBは前記した式(1)と(2)より、
φA・φB={E2(1+m・sinωct)2sin2S(Ωit+Ωd sinωdt)}/2 …(7)
となる。図2はこの場合の各動作波形(PLC搬送波、φA、φB、φA×φB)の一例を示したものである。
式(7)のφA×φBは積分すると0となり、よって位相調整回路50において積分器52の出力=0、掛算器53の出力φA’=0、減算器54の出力φB’=φBとなり、φB’の位相はφBの位相と同じとなって変化しない。
φA・φB={E2(1+m・sinωct)2sin2S(Ωit+Ωd sinωdt)}/2 …(7)
となる。図2はこの場合の各動作波形(PLC搬送波、φA、φB、φA×φB)の一例を示したものである。
式(7)のφA×φBは積分すると0となり、よって位相調整回路50において積分器52の出力=0、掛算器53の出力φA’=0、減算器54の出力φB’=φBとなり、φB’の位相はφBの位相と同じとなって変化しない。
一方、出力φAとφBの位相差が90°ではなく、位相差誤差θがある場合、前記した式(1)と(5)よりφA×φBは、
φA・φB=E2(1+m・sinωct)2{−sinθ+cosθsin2S(Ωit+Ωdsinωdt)+sinθcos2S(Ωit+Ωd sinωdt)}/2 …(8)
となる。
出力φAとφBの位相差の絶対値が90°より小さい場合(θ<0の場合)、式(8)のφA×φBは積分すると正の電圧となる。図3は一例として出力φAとφBの位相差が84°の場合の各動作波形(PLC搬送波、φA、φB、φA×φB)を示したものである。
φA・φB=E2(1+m・sinωct)2{−sinθ+cosθsin2S(Ωit+Ωdsinωdt)+sinθcos2S(Ωit+Ωd sinωdt)}/2 …(8)
となる。
出力φAとφBの位相差の絶対値が90°より小さい場合(θ<0の場合)、式(8)のφA×φBは積分すると正の電圧となる。図3は一例として出力φAとφBの位相差が84°の場合の各動作波形(PLC搬送波、φA、φB、φA×φB)を示したものである。
積分器52の出力(正の電圧)は掛算器53で出力φAに掛け合わされてφA’となり、掛算器53の出力φA’はφAの振幅が異なった波形となる。出力φA’は減算器54で出力φBから減算され、φBはφA’を減算することで位相が進み、φAとの位相差が90°になるように制御される。
このように出力φBは位相調整回路50を通過することにより、出力φAとの位相差が90°となるように位相調整された出力φB’となる。出力φB’は振幅がφBと異なっているため、AGC回路60に入力されて振幅がφBの振幅と等しくされ、振幅がφBと等しくされたφB’’がAGC回路60から二乗回路34へ出力される。
このように出力φBは位相調整回路50を通過することにより、出力φAとの位相差が90°となるように位相調整された出力φB’となる。出力φB’は振幅がφBと異なっているため、AGC回路60に入力されて振幅がφBの振幅と等しくされ、振幅がφBと等しくされたφB’’がAGC回路60から二乗回路34へ出力される。
従って、図1に示した光路長制御回路によれば、位相調整回路50とAGC回路60とによって位相と振幅が適切に制御され、出力φAに対して出力φBの位相差誤差θがあってもその位相差誤差θが補償されて正確な光路長制御を行えるものとなる。
なお、出力φAとφBの位相差の絶対値が90°より大きい場合(θ>0の場合)は式(7)のφA×φBを積分すると負の電圧となり、よって掛算器53の出力φA’はφAと逆位相となり、減算器54で出力φBはφA’を減算することで位相が遅れ、φAとの位相差が90°になるように制御される。
なお、出力φAとφBの位相差の絶対値が90°より大きい場合(θ>0の場合)は式(7)のφA×φBを積分すると負の電圧となり、よって掛算器53の出力φA’はφAと逆位相となり、減算器54で出力φBはφA’を減算することで位相が遅れ、φAとの位相差が90°になるように制御される。
図4は図1におけるAGC回路60の具体的構成例を示したものであり、AGC回路60はゲイン調整回路61と整流器62,63と減算器64と積分器65とによって構成することができる。
次に、角速度信号生成回路について説明する。
図5はこの発明による角速度信号生成回路の一実施例の構成を示したものであり、図8に示した従来の角速度信号生成回路に対し、上述した位相調整回路50を設けることによって出力φAとφBの位相差が90°になるように制御されるため、角速度出力の誤差をなくすことができ、高精度な角速度検出を行えるものとなる。
次に、角速度信号生成回路について説明する。
図5はこの発明による角速度信号生成回路の一実施例の構成を示したものであり、図8に示した従来の角速度信号生成回路に対し、上述した位相調整回路50を設けることによって出力φAとφBの位相差が90°になるように制御されるため、角速度出力の誤差をなくすことができ、高精度な角速度検出を行えるものとなる。
Claims (4)
- デュアルフォトダイオードによって検出されるレーザ光干渉縞の検出出力φA及びφBをそれぞれ二乗する2つの二乗回路と、それら二乗回路の出力を加算する加算器と、その加算器出力を復調する復調器と、その復調器出力を積分する積分器とを有し、その積分器出力でミラートランスデューサを駆動して光路長を制御するように構成されたリングレーザジャイロの光路長制御回路において、
前記出力φAとφBの位相差誤差を補償すべく、出力φAに対する出力φBの位相差が90°となるように、出力φBの位相を調整し、その調整した出力φB’を出力する位相調整回路と、
前記出力φB’の振幅を前記出力φBの振幅と等しくして前記二乗回路へ出力する自動利得制御回路とを設け、
前記位相調整回路は、
前記出力φBから出力φA’を減算して前記出力φB’を生成する減算器と、
前記出力φB’とφAとを掛け算する掛算器と、
その掛算器出力を積分する積分器と、
その積分器出力と前記出力φAとを掛け算して前記出力φA’を生成する掛算器とによって構成されていることを特徴とするリングレーザジャイロの光路長制御回路。 - デュアルフォトダイオードによってレーザ光干渉縞を検出し、それら検出出力φA及びφBを比較器でそれぞれ波形整形して角速度信号を生成するリングレーザジャイロの角速度信号生成回路において、
前記出力φAとφBの位相差誤差を補償すべく、出力φAに対する出力φBの位相差が90°となるように、出力φBの位相を調整し、その調整した出力φB’を前記比較器へ出力する位相調整回路を設け、
前記位相調整回路は、
前記出力φBから出力φA’を減算して前記出力φB’を生成する減算器と、
前記出力φB’とφAとを掛け算する掛算器と、
その掛算器出力を積分する積分器と、
その積分器出力と前記出力φAとを掛け算して前記出力φA’を生成する掛算器とによって構成されていることを特徴とするリングレーザジャイロの角速度信号生成回路。 - 請求項1記載の光路長制御回路を具備することを特徴とするリングレーザジャイロ装置。
- 請求項2記載の角速度信号生成回路を具備することを特徴とするリングレーザジャイロ装置。
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JP2006241911A JP2008064567A (ja) | 2006-09-06 | 2006-09-06 | リングレーザジャイロの光路長制御回路、角速度信号生成回路及びリングレーザジャイロ装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010025785A (ja) * | 2008-07-22 | 2010-02-04 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | リングレーザジャイロの光路長制御回路及びリングレーザジャイロ |
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KR101106807B1 (ko) | 2008-06-24 | 2012-01-19 | 두산디에스티주식회사 | 레이저 발생장치에서의 레이저 빔 모드 변경을 위한 광경로보정 장치 및 방법 |
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-
2006
- 2006-09-06 JP JP2006241911A patent/JP2008064567A/ja active Pending
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