JP2008063260A - 炭素−炭素結合生成反応によるカップリング生成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生成物との分離が容易な固体触媒を用いた、芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステルとの鈴木−宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成によりカップリング生成物を製造する方法を提供する。
【解決手段】芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステルとを、パラジウム/炭素触媒の存在下にて湿式で鈴木−宮浦カップリングさせることを特徴とする、炭素−炭素結合生成によるカップリング生成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステル(芳香族トリフルオロメタンスルホン酸エステル)との鈴木−宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応によるカップリング生成物を製造する方法に関する。
鈴木−宮浦カップリングは有機合成において広く用いられている炭素−炭素結合生成反応である。芳香族ボロン酸化合物と芳香族化合物との鈴木−宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成において、当該芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステル化合物とを使用した例は既に知られている(非特許文献1〜2)。しかしながらこれらは均一系触媒を用いた例であり、触媒と生成物との分離が困難であるという問題を伴っている。
一方、触媒と生成物との分離が容易な固体触媒を用いた、芳香族ボロン酸化合物と芳香族ハロゲン化合物との鈴木−宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成の例も知られている。例えば、担体としてヒドロキシアパタイトを用いてパラジウムを当該担体に固定した固体触媒の存在下(特許文献1)、あるいは、パラジウム炭素触媒の存在下(非特許文献3)、芳香族ボロン酸化合物と芳香族ハロゲン化合物との鈴木−宮浦カップリングにより、炭素−炭素結合を生成した例が知られている。しかしながらこれらの例も含めて、当該芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステルとを、固体触媒の存在下、湿式で処理して、鈴木−宮浦カップリングにより炭素−炭素結合を生成させた具体例の報告はない。
そこで、生成物との分離の容易な固体触媒を用い、芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステルとの鈴木−宮浦カップリングによる炭素−炭素結合の生成方法の開発が望まれていた。
鈴木 章、有機合成化学協会誌 2005年4月号 p312 G. A.Malander et al., Syn. Lett., 2005, 11, 1763 H. Sajiki et al., J. Chem. Res., 2004, 593, (Erratum : J. Chem. Res., 2005, 344) 特開2004−57898
本発明は、芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステルとの鈴木−宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応によるカップリング生成物の製造方法において、生成物との分離が容易な触媒を用いた製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、炭素系固体触媒を鋭意検討した結果、炭素粒子にパラジウムを固定したパラジウム/炭素(Pd/C)触媒を用いると、芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステルとの鈴木−宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成が進行することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステルとを、パラジウム/炭素触媒の存在下にて湿式で鈴木−宮浦カップリングさせることを特徴とする、炭素−炭素結合生成によるカップリング生成物の製造方法を提供するものである。
本発明によると、生成物とパラジウム/炭素触媒を容易に分離することができるので、反応工程、装置、反応管理等を容易にすることができる。また、本発明で用いるパラジウム/炭素触媒は、反応後に分離し回収した後の触媒活性の低下が僅かであり、繰り返し再使用が可能である。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
<芳香族ボロン酸化合物>
上記芳香族ボロン酸化合物における”芳香族”とは、1つ又は2つ以上の環を有する1価の不飽和の芳香族炭素環式基、又は1つ又は2つ以上の環を有する1価の不飽和の芳香族複素環式基を云う。これらの芳香族基には1個又はそれ以上の置換基があってもよい。芳香族基の例には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピリジル基、ピリミジル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、ベンゾフラニル基、インダニル基、インデニル基、ジベンゾフラニル基、メチレンジオキシフェニル基等が含まれる。
本発明で使用される上記芳香族ボロン酸化合物としては、下記一般式(I):
R−B(OH)2 (I)
(式中、Rはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピリジル基、ピリミジル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、ベンゾフラニル基、インダニル基、インデニル基、ジベンゾフラニル基またはメチレンジオキシフェニル基を表し、これらの基は1個又はそれ以上の置換基を有してもよい。)で表されるものが好ましい。
Rとしては、好ましくはフェニル基、ナフチル基、インドリル基、ベンゾフラニル基およびジベンゾフラニル基であり、特に好ましくはフェニル基である。これらの芳香族環基又は芳香族ヘテロ環基にホウ素原子が結合する位置については特に制限するものではない。また、これらの芳香族環基又は芳香族ヘテロ環基に1個又はそれ以上の置換基があっても差し支えない。置換基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピロキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、n−ヘキシロキシ基等の炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ベンジル基;9−フルオレニルメトキシカルボニル基;ブトキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基;ニトロ基;またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子などが挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜3のアルキル基、メトキシ基、ベンジル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ニトロ基またはフッ素原子である。
<芳香族トリフラートエステル>
”芳香族トリフラートエステル”における”芳香族”とは、1つ又は2つ以上の環を有する1価の不飽和の芳香族炭素環式基、又は1つ又は2つ以上の環を有する1価の不飽和の芳香族複素環式基を云う。これらの芳香族基には1個又はそれ以上の置換基があってもよい。芳香族基の例には、フェニル基、ベンゾフラニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピリジル基、ピリミジル基、インダニル基、オキソインダニル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基またはキノリル基等が含まれる。
本発明で使用される上記芳香族トリフラートエステル(即ち、芳香族トリフルオロメタンスルホン酸エステル)としては、下記一般式(II):
R'−O−SO-CF (II)
(式中、R'は、フェニル基、ベンゾフラニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピリジル基、ピリミジル基、インダニル基、オキソインダニル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基またはキノリル基を表し、これらの基は1個又はそれ以上の置換基を有してもよい)で表されるものが好ましい。
R’は好ましくは、フェニル基、ベンゾフラニル基、ナフチル基、インダニル基、オキソインダニル基、ピリジル基又はピリミジル基、更に好ましくはフェニル基、ナフチル基又はオキソインダニル基、特に好ましくはフェニル基である。これらの芳香族環基又は芳香族ヘテロ環基に1個又はそれ以上、好ましくは1〜3個、特に1個の置換基があっても差し支えない。置換基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピロキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチロキシ基、n−ヘキシロキシ基等の炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ベンジル基;9−フルオレニルメトキシカルボニル基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等のC1−6アルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基;ニトロ基;シアノ基;アルデヒド基;アセトアミド基のようなアミド基;及びフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子などが挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜3のアルキル基、メトキシ基、ベンジル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ニトロ基またはフッ素原子である。また、これらの芳香族環基又は芳香族ヘテロ環基にトリフラート基が結合する位置については特に制限するものではない。
<鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成>
鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合の生成とは、芳香族ボロン酸化合物からボロン酸を含む官能基が脱離した芳香族残基と、有機ハロゲン化合物またはトリフラートエステルからハロゲンまたはトリフラートを含む官能基が脱離した有機残基との間に、炭素−炭素結合が生成することを云う。
かかる炭素−炭素結合の生成により、本発明ではビアリール誘導体のようなカップリング生成物が得られる。ここで”アリール”とは、芳香族ボロン酸化合物及び芳香族トリフラートエステルにおける”芳香族”と同じ意味を有する。
芳香族ボロン酸化合物が一般式(I)で表される化合物であり、芳香族トリフラートエステルが一般式(II)で表される化合物である場合、得られるカップリング生成物は、下記一般式(III):
R−R’ (III)
(式中、R及びR’は前に定義した通りである)で表されるビアリール誘導体である。
<パラジウム/炭素触媒>
本発明で用いるパラジウム/炭素触媒は、炭素粒子担体と、該炭素担体に固定されたパラジウムとを有するものである。
−担体−
本発明で用いるパラジウム/炭素触媒の担体は炭素粒子であり、好ましくは活性炭である。
担体の比表面積については1000m2/g以上が好ましく、1100〜1500 m2/gが特に好ましい。かかる比表面積を有する活性炭が最も好ましい。比表面積は、BET法で測定した値である。
また、炭素粒子担体の粒径については特に限定されないが、メジアン径が0.5〜500μmの範囲であることが好ましく、5〜500μmが特に好ましい。メジアン径はレーザー散乱法により測定した値である。
−触媒の調製方法(炭素担体へのパラジウムの固定)−
炭素担体へのパラジウムの固定は、該炭素担体にパラジウムを含む溶液を接触させることにより行うことができる。
具体的には、本発明で用いるパラジウム/炭素触媒は、例えば、パラジウム化合物を溶媒に溶解し、当該溶液中に炭素担体を投入し、パラジウム化合物を吸着または含浸させることにより行うことができる。パラジウム化合物が塩化パラジウム酸など水溶性の場合には水を溶媒として用いることができる。パラジウム化合物が、ビス(2,4−ペンタンジオナト)パラジウムなど非水溶性の場合には、当該パラジウム化合物を溶解する有機溶媒を用いて吸着または含浸させることができる。パラジウムを吸着または含浸などの方法で担体に担持した触媒は、必要に応じて還元処理を実施してもよい。湿式で還元する場合には、メタノール、ホルムアルデヒド、蟻酸などの還元剤のほか、ガス状水素を用いることができる。乾式で還元する場合にはガス状水素を用いて行うが、水素ガスを窒素等の不活性ガスで希釈して使用することも可能である。
こうして、通常、パラジウムが炭素担体に固定されたパラジウム/炭素触媒が得られる。
触媒調製に用いる溶媒は、パラジウム化合物を溶解するものであれば特に制限されないが、水溶性のパラジウム化合物を用いる場合には水が好ましく、非水溶性で有機溶媒に可溶なパラジウム化合物の場合には、エタノール、アセトン、クロロホルム等の有機溶媒であって該パラジウム化合物を溶解するものが好適である。
上記パラジウム化合物としては、触媒調製工程に使用する溶媒に可溶性であれば特に限定されないが、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、テトラアンミンパラジウム塩化物、テトラアンミンパラジウム臭化物、テトラアンミンパラジウム硝酸塩、テトラアンミンパラジウム硫酸塩、塩化パラジウム酸等の水溶性化合物の他、ビス(2,4−ペンタンジオナト)パラジウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム等の有機溶媒に可溶な錯体が使用でき、硝酸パラジウム、塩化パラジウム酸、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムが好ましい。
前記担体1g当たりのパラジウムの担持量は、特に制限されないが、パラジウム元素に換算して、通常1.0μmol〜5ミリモル、好ましくは100μmol〜4ミリモル、特に好ましくは400μmol〜2.5ミリモルであり、担体の1.0〜43重量%、特に4.3〜26.6重量%が好ましい。
芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステルの使用量の割合は、モル比で芳香族ボロン酸化合物:芳香族トリフラートエステルが通常0.5〜2:1、好ましくは0.8〜1.4:1の範囲である。
本発明で用いる上記パラジウム/炭素触媒は、反応物の一つである芳香族トリフラートエステルに対してパラジウムとして、通常0.01〜20モル%の間で用いられ、好ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.5〜5モル%の範囲で用いられる。
本発明の炭素−炭素結合カップリング生成物の製造法は湿式にて行われる。「湿式で」とは、通常、「溶媒の存在下で」を意味し、好ましくは「溶媒中で」を意味する。
上記カップリング反応に用いる溶媒は、特に制限されないが、好ましくは、水;メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの炭素原子数1−6のアルカノール;1,4−ジオキサンなどの極性有機溶媒;またはこれらの組み合わせであり、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどの炭素原子数1−3のアルカノールと水との混合溶媒が好ましく、特に該アルカノール:水の容量比が1:3〜3:1の範囲の混合溶媒が好ましい。
また上記カップリング反応は、例えば、空気雰囲気中または窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気中で行われるが、好ましくは不活性ガス雰囲気中で行われる。反応温度は通常、室温から200℃、好ましくは室温から溶媒の沸点の温度領域であり、反応時間は通常約1〜48時間である。
反応系中に、NaCO、NaHCOのような塩基を存在させるのが好ましい。かかる塩基の量は、芳香族トリフラートエステルの通常50〜300モル%、好ましくは100〜200モル%である。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下の記載において、担体の比表面積はBET法により測定された値であり、粒径はレーザー散乱法で測定されたメジアン径を意味する。
<実施例1>
(4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、4−メトキシビフェニルの合成)
4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステル(0.5ミリモル)、フェニルボロン酸(0.75ミリモル)、10wt%Pd/C(8mg、7.5マイクロモル)及びNa2CO3(79.5mg、0.75ミリモル)を純水(1mL)及びエタノール(1mL)混合溶液に懸濁し、アルゴンガス気流下、室温で48時間攪拌しながら反応した。反応終了後、水10mlとジエチルエーテル10mlを添加し、この反応溶液をメンブレンフィルターでろ過し、Pd/C触媒を除去した。触媒を除去した溶液をジエチルエーテルで抽出し、この抽出液(有機層)を10gのMg2SO4で脱水した。脱水した有機層の溶媒を減圧留去後、得られた残留物質をシリカゲルクロマトグラフィーにより、展開溶剤としてヘキサンとジエチルエーテル(溶剤容量比100:1〜20:1)を約600ml使用して精製した。精製後の生成物である4−メトキシビフェニルの収率は90%であった。
<実施例2>
(4−メトキシカルボニルフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、4−フェニル安息香酸メチルの合成)
実施例1の4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルの代わりに等モル量の4−メトキシカルボニルフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルを用い、反応時間を24時間とした以外は実施例1と同様にして、4−フェニル安息香酸メチルを得た。生成物である4−フェニル安息香酸メチルの収率は91%であった。
<実施例3>
(4−ニトロフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、4―ニトロビフェニルの合成)
実施例1の4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルの代わりに等モル量の4−ニトロフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルを用い、反応時間を24時間とした以外は実施例1と同様にして、4―ニトロビフェニルを得た。生成物である4―ニトロビフェニルの収率は95%であった。
<実施例4>
(4−ホルミルフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、4−フェニルベンズアルデヒドの合成)
実施例1の4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルの代わりに等モル量の4−ホルミルフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルを用いた以外は実施例1と同様にして、4−フェニルベンズアルデヒドを得た。生成物である4−フェニルベンズアルデヒドの収率は95%であった。
<実施例5>
(4−シアノフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、4−シアノビフェニルの合成)
実施例1の4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルの代わりに等モル量の4−シアノフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルを用いた以外は実施例1と同様にして、4−シアノビフェニルを得た。生成物である4−シアノビフェニルの収率は98%であった。
<実施例6>
(4−フルオロフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、4−フルオロビフェニルの合成)
実施例1の4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルの代わりに等モル量の4−フルオロフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルを用いた以外は実施例1と同様にして、4―フルオロビフェニルを得た。生成物である4―フルオロビフェニルの収率は92%であった。
<実施例7>
(4−クロロフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、4−クロロビフェニルの合成)
実施例1の4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルの代わりに等モル量の4−クロロフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルを用いた以外は実施例1と同様にして、4―クロロビフェニルを得た。生成物である4―クロロビフェニルの収率は93%であった。
<実施例8>
(4−アセトアミドフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、4−アセトアミドビフェニルの合成)
実施例1の4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルの代わりに等モル量の4−アセトアミドフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルを用いた以外は実施例1と同様にして、4−アセトアミドビフェニルを得た。生成物である4−アセトアミドビフェニルの収率は90%であった。
<実施例9>
(1―ナフトールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、1−フェニルナフタレンの合成)
実施例1の4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルの代わりに等モル量の1―ナフトールトリフルオロメタンスルホン酸エステルを用いた以外は実施例1と同様にして、1−フェニルナフタレンを得た。生成物である1−フェニルナフタレンの収率は78%であった。
<実施例10>
(1−オキソインダン−5−オールトリフルオロメタンスルホン酸エステルとフェニルボロン酸との鈴木―宮浦カップリングによる炭素−炭素結合生成反応による、5−フェニル−1−インダノンの合成)
実施例1の4−メトキシフェノールトリフルオロメタンスルホン酸エステルの代わりに等モル量の1−オキソインダン−5−オールトリフルオロメタンスルホン酸エステルを用いた以外は実施例1と同様にして、5−フェニル−1−インダノンを得た。生成物である5−フェニル−1−インダノンの収率は93%であった。

Claims (7)

  1. 芳香族ボロン酸化合物と芳香族トリフラートエステルとを、パラジウム/炭素触媒の存在下にて湿式で鈴木−宮浦カップリングさせることを特徴とする、炭素−炭素結合生成によるカップリング生成物の製造方法。
  2. 上記カップリング生成物がビアリール誘導体である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記触媒の炭素が比表面積1000m2/g以上の活性炭であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 炭素数1−3のアルカノールと水との混合溶媒中で鈴木−宮浦カップリングさせることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 前記芳香族ボロン酸化合物が下記一般式(I):
    R−B(OH)2 (I)
    (式中、Rはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピリジル基、ピリミジル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、ベンゾフラニル基、インダニル基、インデニル基、ジベンゾフラニル基またはメチレンジオキシフェニル基を表し、これらの基は1個又はそれ以上の置換基を有してもよい。)
    で表される芳香族ボロン酸化合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記芳香族トリフラートエステルが下記一般式(II):
    R'-O−SO−CF (II)
    (式中、R'は、フェニル基、ベンゾフラニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピリジル基、ピリミジル基、インダニル基、オキソインダニル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基またはキノリル基を表し、これらの基は1個又はそれ以上の置換基を有してもよい)
    で表される芳香族トリフラートエステルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 上記カップリング生成物が、一般式(III):
    R−R’ (III)
    (式中、R及びR’は前に定義した通りである)で表される化合物である、請求項6に記載の製造方法。
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