JP2008062258A - レーザ加工用パラメータ調整装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

レーザ加工用パラメータ調整装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 3次元レーザ加工装置の設置位置補正のための補正演算用パラメータを容易に決定することができるレーザ加工用パラメータ調整装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 焦点距離を調整可能なレーザ光を2次元走査させて加工面に照射するレーザ加工装置100のためのパラメータを決定するレーザ加工用パラメータ調整装置130であって、レーザ加工装置100の3次元設置位置を補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定する調整量入力部200と、レーザ加工装置100を基準とする2次元走査のための基準面BS、及び、補正演算用パラメータに基づいて求められる加工面WSを3次元表示する3D表示手段220とを備えて構成される。また、調整量入力部200は、基準面BSに対する加工面WSの傾きを補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定する傾き調整部203を有している。
【選択図】 図23

Description

本発明は、レーザ加工用パラメータ調整装置及びコンピュータプログラムに係り、さらに詳しくは、焦点距離を調整可能なレーザ光を2次元走査させて加工面に照射するレーザ加工装置のためのパラメータを決定する装置の改良に関する。
従来のレーザ加工装置は、レーザ発振器により生成されたレーザ光をその光軸に垂直な面内で2次元走査した後に、集光レンズを介してワークに照射し、当該ワークの表面加工を行っている。このようなレーザ加工装置は、焦点距離が一定であるため、2次元走査されるレーザ光の焦点位置の軌跡は、集光レンズの光軸に垂直な平面となる。この平面は、レーザ加工装置を基準として定められた仮想的な面であり、基準面BSと呼ぶことにする。高品質のレーザ加工を行うためには、この基準面BSを実際の加工面WSに一致させなければならない。また、加工パターンの位置や向きが意図した通りとなるレーザ加工を実現するためには、基準面BSを加工面WSに一致させるだけでなく、基準面BS上のXY軸を加工面WS上のXY軸に一致させておく必要がある。
このため、レーザ加工装置は、その設置時に高い精度で位置決めを行う必要があった。例えば、製造工場内においてコンベアにより搬送されているワークに対してレーザ加工を行う場合、レーザ加工装置専用の取付治具などを製作し、搬送用コンベアに対し正確に位置決めを行いながらレーザ加工機を設置していた。しかしながら、専用の取付治具などを製作して設置したとしても、レーザ加工機の設置位置に微妙なずれが生じるのを防ぐことはできず、設置時に微調整を繰り返す必要があった。この微調整は、例えば、ネジ穴の遊びなどを利用して設置位置を調整するというような困難で煩雑な作業であった。
このような調整作業を軽減するために、ソフトウエア制御によって設置位置のずれを補正することができるレーザ加工装置があった。この種のレーザ加工装置は、基準面BSと加工面WSが一致していることを前提として、加工面WS上の座標位置を基準面BS上の座標位置へ変換する演算処理を行って、レーザ加工装置の設置位置のずれを2次元走査によって補正している。このような変換処理を行うためには、基準面BS上の座標と加工面WS上の座標の相対的な関係を示している3個の独立したパラメータが与えられる必要がある。つまり、X軸方向の移動量であるX軸オフセット△X、Y軸方向の移動量であるY軸オフセット△Y、Z軸回りの回転量であるZ軸回転角△θzを決定しなければならない。
特開平11−28586号公報
現在、レーザ光を3次元走査することができる3次元レーザ加工装置が開発されつつある。レーザ光の焦点距離はビーム径によって変化するため、従来の2次元走査に、ビーム径制御を組み合わせれば、レーザ光を3次元走査することができる。このような3次元レーザ加工装置を用いれば、基準面BSと加工面WSが一致していない場合であっても、演算処理によって、レーザ加工装置の設置位置のずれを補正することが可能になると考えられる。
しかしながら、このような設置位置補正を行うためには、ユーザが、6個の独立したパラメータを与える必要がある。つまり、X軸オフセット△X、Y軸オフセット△Y及びZ軸回転角△θzに加えて、Z軸オフセット△Z、X軸回転角△θx及びY軸回転角△θyをユーザが決定しなければならない。このようなパラメータをレーザ加工装置の設置位置のずれに応じてユーザが決定することは容易ではないと考えられる。
すなわち、パラメータ数が3個であれば、ユーザが感覚的に決定し、あるいは、試行錯誤によって決定することも可能であった。しかしながら、パラメータ数が6個になれば、この様な方法で決定することは極めて困難となる。しかも、従来の3個のパラメータは、平面内におけるパラメータであるため、感覚的に把握することが容易であったが、新しく追加されたパラメータは、上記平面の高さ方向に関するパラメータであることから、感覚的に理解しにくい。このため、ユーザが、これらのパラメータを適切に決定することは極めて困難であると考えられる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、3次元レーザ加工装置の設置位置補正のための補正演算用パラメータを容易に決定することができるレーザ加工用パラメータ調整装置を提供することを目的とする。また、このようなレーザ加工用パラメータ調整装置に用いられるコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
第1の本発明によるレーザ加工用パラメータ調整装置は、焦点距離を調整可能なレーザ光を2次元走査させて加工面に照射するレーザ加工装置のためのパラメータを決定するレーザ加工用パラメータ調整装置であって、上記レーザ加工装置の3次元設置位置を補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定するパラメータ指定手段と、上記レーザ加工装置を基準とする2次元走査のための基準面、及び、上記補正演算用パラメータに基づいて求められる加工面を3次元表示する表示手段とを備え、上記パラメータ指定手段は、上記基準面に対する上記加工面の傾きを補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定する傾き調整手段として構成される。
レーザ加工装置の設置位置が適切でない場合、レーザ加工装置を基準とする基準面と、実際の加工面との間に3次元的な位置ずれが発生する。3次元レーザ加工装置では、適切な補正演算用パラメータが与えられることによって、レーザ照射位置の演算処理において、基準面及び加工面のずれを補正することができる。このような補正演算用パラメータを指定するためのレーザ加工用パラメータ調整装置が、基準面と、補正演算用パラメータによって求められた加工面とを3次元表示することによって、ユーザは、両者の3次元的な位置関係を視覚的に把握し、補正演算用パラメータの値を感覚的に把握することができる。従って、ユーザによる補正演算用パラメータの指定を容易化することができる。また、基準面と加工面の3次元的な位置関係を視認しながら、補正演算用パラメータとして、基準面に対する加工面の傾きを指定することによって、レーザ加工装置の3次元設置位置の補正することができる。従って、ユーザによる補正演算用パラメータの指定を容易化することができる。
第2の本発明によるレーザ加工用パラメータ調整装置は、上記構成に加えて、上記傾き調整手段が、上記加工面上の基準軸、上記加工面上の調整点、及び、上記調整点における調整量をユーザが指定するユーザ指定手段と、上記基準軸を中心として上記加工面を傾けて、上記調整点の高さを上記調整量だけ変動させる補正演算用パラメータを求めるパラメータ算出手段とを有し、上記表示手段が、上記基準面及び加工面とともに、上記基準軸及び調整点を3次元表示するように構成される。この様な構成により、加工面の傾きを基準軸、調整点及び調整量によって指定することができるので、加工面の傾き角度で指定する場合に比べて、感覚的に理解しやすい方法で加工面の傾きを指定することができる。また、基準軸及び調整点も3次元表示することによって、加工面の傾きを感覚的に把握することができる。従って、ユーザによる補正演算用パラメータの指定を容易化することができる。
第3の本発明によるレーザ加工用パラメータ調整装置は、上記構成に加えて、上記基準面上の点を中心として、上記表示手段の視点を全方位に変更可能な第1の視点制御手段を備えて構成される。表示手段の視点を全方位変更可能とすることにより、基準面及び加工面の様々な位置関係について、視覚的に把握することが可能となる。
第4の本発明によるレーザ加工用パラメータ調整装置は、上記構成に加えて、上記表示手段が、上記基準面及び加工面とともに、上記レーザ加工装置の設置位置を3次元表示するように構成される。この様な構成によって、ユーザは、基準面及び加工面の3次元的な位置関係を更にわかりやすく視認できる。特に、基準面及びレーザ加工装置の前後関係を認識可能に表示すれば、基準面及び加工面の位置関係を更にわかりやすく視認させることができるので、より望ましい。
第5の本発明によるレーザ加工用パラメータ調整装置は、上記構成に加えて、予め定められた2以上の方位のいずれかをユーザに選択させる方位選択手段と、上記表示手段の視点を上記方位選択手段によって選択された方位へ移動させる第2の視点制御手段とを備えて構成される。この様な構成によって、第1の視点制御手段によって、任意の方位に移動させた視点を所望の方位に簡単かつ迅速に移動させることができる。特に、基準面を規定しているX軸、Y軸、Z軸の各軸方向に視点を簡単に移動させることができれば、基準面及び加工面の位置関係の把握が容易化できるのでより望ましい。
第6の本発明によるレーザ加工用パラメータ調整装置は、上記構成に加えて、上記パラメータ指定手段が、上記加工面までの距離をユーザが指定するための距離調整手段と、ユーザによって指定された上記加工面までの距離に基づいて補正演算用パラメータを求めるパラメータ算出手段とを有する。この様な構成によって、ユーザは、基準面と加工面の3次元的な位置関係を視認しながら、上記加工面までの距離を指定することができる。従って、ユーザによる補正演算用パラメータの指定を容易化することができる。なお、ユーザによって指定される加工面までの距離は、基準面からの距離であってもよいし、レーザ加工装置からの距離であってもよい。つまり、レーザ加工装置を基準とする既知の位置からの距離であればよい。
第7の本発明によるレーザ加工用パラメータ調整装置は、上記構成に加えて、上記パラメータ指定手段が、上記基準面上の位置及び上記加工面の位置を対応づける補正演算用パラメータをユーザが指定するための面内位置調整手段からなる。この様な構成により、ユーザによる補正演算用パラメータの指定を容易化することができる。
第8の本発明によるコンピュータプログラムは焦点距離を調整可能なレーザ光を2次元走査させて加工面に照射するレーザ加工装置のためのパラメータを決定するパラメータ調整装置用のコンピュータプログラムであって、上記レーザ加工装置の3次元設置位置を補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定するパラメータ指定ステップと、上記レーザ加工装置を基準とする2次元走査のための基準面、及び、上記補正演算用パラメータに基づいて求められる加工面を3次元表示する表示ステップとを実行するための手順であって、上記パラメータ指定ステップが、上記基準面に対する上記加工面の傾きを補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定する傾き調整ステップからなる。
本発明によれば、レーザ加工装置を基準とする基準面と、補正演算用パラメータによって求められた加工面とを3次元表示することができる。従って、ユーザは、両者の3次元的な位置関係を視覚的に確認することができるので、ユーザによる補正演算用パラメータの指定を容易化することができる。
また、補正演算用パラメータとして、基準面に対する加工面の傾きを指定することによって、レーザ加工装置の3次元設置位置の補正することができる。従って、ユーザによる補正演算用パラメータの指定を容易化することができる。
さらに、加工面の傾きを基準軸、調整点及び調整量によって指定することができるので、感覚的に理解しやすい方法で加工面の傾きを指定することができる。また、基準軸及び調整点も3次元表示することによって、加工面の傾きを感覚的に把握することができる。従って、ユーザによる補正演算用パラメータの指定を容易化することができる。
まず、本発明の実施の形態によるレーザ加工装置100の全体構成を説明した後、レーザ加工装置100に含まれるレーザ発振部10、ビームエキスパンダ11、走査部12及び励起光発生部23の詳細について更に説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるレーザ加工装置100の一構成例を示したブロック図である。このレーザ加工装置100は、ワークWにレーザ光Lを照射することによって表面加工を行う装置である。なお、レーザ加工装置100を用いて行われる表面加工には、ワークWの表面を薄く剥離する剥離加工や、ワークWの表面に文字やバーコードを印字するマーキングや、薄い形状からなるワークWに貫通孔を形成する穴空け加工などが含まれる。
このレーザ加工装置100は、ワークWに対してレーザ光Lを照射するレーザ出力部1と、レーザ出力部1の動作を制御するレーザ制御部2と、ユーザが設定データを入力するための入力部3によって構成される。
(レーザ出力部1)
レーザ出力部1は、レーザ光Lを3次元スキャンさせることができるレーザ照射装置であり、レーザ発振部10、ビームエキスパンダ11、走査部12、集光レンズ13及びスキャナ駆動回路16によって構成される。レーザ発振部10内のレーザ媒質32から放出される誘導放射光としてのレーザ光Lは、ビームエキスパンダ11及び走査部12を順に経由した後、集光レンズ13によってワークWの加工面上に集光される。この集光レンズ13にはfθレンズが用いられる。
ビームエキスパンダ11は、レーザ光Lのビーム径を制御することによって、レーザ光Lの焦点を集光レンズ13の光軸方向に移動させるZ軸スキャナである。走査部12は、レーザ光Lをその光軸に垂直な面内で移動させる2次元スキャナであり、レーザ光Lの焦点を集光レンズ13の光軸に垂直な面内でX軸方向及びY軸方向に走査させることができる。つまり、このレーザ出力部1は、ビームエキスパンダ11及び走査部12を用いて、レーザ光Lの3次元スキャンを行うことができる。スキャナ駆動回路16は、ビームエキスパンダ11及び走査部12へ駆動信号を供給し、これらの駆動制御を行っている駆動回路である。
(レーザ制御部2)
レーザ制御部2は、レーザ出力部1の動作を制御する制御装置であり、メモリ部21、制御部22、励起光発生部23及び電源24によって構成される。メモリ部21は、入力部3から入力された設定データやその他の制御データを保持する記憶手段であり、例えばROM、RAMなどの半導体メモリが用いられる。
制御部22は、メモリ部21内のデータに基づいて、励起光発生部23及びレーザ出力部1を制御する制御部であり、例えばマイクロプロセッサが用いられる。レーザ光Lを3次元スキャンするための走査信号は、制御部22によって生成され、レーザ出力部1内のスキャナ駆動回路16へ供給される。また、印字動作を制御する印字信号も、制御部22によって生成され、励起光発生部23へ供給される。
励起光発生部23は、定電圧源としての電源24から所定電圧が印加され、制御部22からの印字信号に基づいて励起光を生成している。この励起光が、光ファイバーを介してレーザ出力部1へ供給され、レーザ発振部10へ入力される。印字信号は、そのHIGH/LOWに応じて励起光のON/OFFが切り替えられる制御信号である。つまり、印字信号は、その1パルスが励起光の1パルスに対応するPWM(Pulse Wide Modulation)信号であり、その周波数及びデューティ比によって励起光の強度を制御することができ、レーザ発振部10で生成されるレーザ光Lの強度(レーザパワー)を制御することができる。
(入力部3)
入力部3は、レーザ加工装置100の動作に関する様々な設定データをユーザが入力するための入力装置であり、キーボード、タッチパネル、マウスなどを用いることができる。例えば、レーザ加工装置100の動作条件や印字内容などがユーザによって入力され、入力部3からレーザ制御部2へ出力される。なお、図示しないが、入力部3で入力された設定データを確認したり、レーザ制御部2の状態等を表示するための表示部を別途設けることもできる。
(励起光発生部23)
図2は、図1の励起光発生部23の内部の一例を示した斜視図である。この励起光発生部23は、光学的に接合された励起光源25及び励起光集光部26をケーシング27内に固定して構成される。励起光源25は、レーザ発振部10に供給する励起光を生成する光源装置であり、その放熱は、熱伝導性の良い真鍮などの金属からなるケーシング27によって効率的に行われている。この例では、励起光源25として、複数の半導体レーザダイオード素子を直線状に並べたレーザダイオードアレイが使用され、各素子で生成されたレーザ光が直線上に並んだ平行光として、励起光集光部26へ出力される。励起光集光部26は、フォーカシングレンズなどで構成され、励起光源25からの励起光を光ファイバケーブル28へ入射させている。光ファイバ28は、励起光発生部23及びレーザ発振部10を光学的に結合している励起光の伝送路である。
(レーザ発振部10)
図3は、図1のレーザ発振部10の一構成例を示した図である。レーザ発振部10は、励起光をレーザ媒質32に照射し、その誘導放出光を共振器内で増幅して、レーザ光を生成するレーザ発振装置である。光ファイバーケーブル28を介して、励起光発生部23から入力された励起光は、入射レンズ30によってレーザ媒質32内に集光され、レーザ媒質32から誘導放射光が放出される。この誘導放射光は、対向配置された入射ミラー31及び出力ミラー35で反射され、レーザ媒質32に再び入射される。
入射ミラー31は、入射レンズ30側からの入射光を透過させ、レーザ媒体32側からの入射光を全反射させるハーフミラーである。出力ミラー35は、レーザ光の大部分を反射させるとともに、一部を透過させる半透過ミラーであり、出力ミラー35の透過光は、ビームエキスパンダ11へ入射される。対向配置された入射ミラー31及び出力ミラー35は、レーザ光を往復させる共振器光軸36を形成しており、この共振器光軸36上にレーザ媒体32、Qスイッチ33及びアパーチャ34が順に配置されている。
Qスイッチ33は、レーザ光を回折させる音響光学素子(AOM:Acoustic Optical Modulator)であり、アパーチャ34は、共振器光軸36から外れたレーザ光を遮断する絞りであり、Qスイッチ33及びアパーチャ34を用いて、レーザ発振を停止させることができる。すなわち、レーザ光の光軸が共振器光軸36外となるように、Qスイッチ33がレーザ光を回折させれば、アパーチャ34によってレーザ光が遮断され、レーザ発振が停止する。
(レーザ媒質32)
レーザ媒質32には、例えば、Nd:YVO4(ネオジウムイオンをドープしたイットリューム・バナジウム酸塩)を用いることができる。この場合、Nd:YVO4の吸収スペクトルの中心波長である809nmの波長を有する励起光が用いられる。また、希土類をドープしたYAG、LiSrF、LiCaF、YLF、NAB、KNP、LNP、NYAB、NPP、GGGなどをレーザ媒質32として用いることもできる。更に、このような固体レーザ媒質に波長変換素子を組み合わせて、出力されるレーザ光Lの波長を任意の波長に変換することもできる。
また、固体レーザ媒質を使用することなく、換言すれば、レーザ発振のための共振器を有することなく、波長変換のみを行う波長変換素子を使用することもできる。この場合は、半導体レーザの出力光に対して波長変換が行われる。波長変換素子としては、例えばKTP(KTiPO4)、有機非線形光学材料や他の無機非線形光学材料、例えばKN(KNbO3)、KAP(KAsPO4)、BBO、LBOや、バルク型の分極反転素子(LiNbO3(Periodically Polled Lithium Niobate :PPLN)、LiTaO3等)が利用できる。また、Ho、Er、Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファイバを用いたアップコンバージョンによるレーザの励起光源用半導体レーザを用いることもできる。このように、本実施の形態においてはレーザ発生源として様々なタイプを適宜利用することができる。
また、レーザ発振部10は、固体レーザに限られず、CO2やヘリウム−ネオン、アルゴン、窒素等の気体をレーザ媒質として用いる気体レーザを利用することもできる。例えば、炭酸ガスレーザを用いた場合のレーザ発振部10は、その内部に炭酸ガス(CO2)が充填され、電極を内蔵しており、レーザ制御部2から与えられる印字信号に基づいて、レーザ発振部10内の炭酸ガスを励起し、レーザ発振させる。
(ビームエキスパンダ11)
図4は、図1のビームエキスパンダ11の一構成例を示した図である。図中の(a)は、ビームエキスパンダ11をレーザ光Lの光軸方向から見た図であり、図中の(b)は、レーザ光Lの光軸を含む面で切断した場合の断面図である。
ビームエキスパンダ11は、レーザ光Lの光軸上に2枚の光学レンズ、すなわち、入射レンズ40及び出射レンズ41を配置して構成される。可動部42は、光軸方向に配置されたガイド軸43に摺動可能に保持されており、コイルと磁石の相互作用によって駆動され、その位置はスキャナ駆動回路16からの駆動信号に基づいて制御されている。出射レンズ41は光軸上に固定されているのに対し、入射レンズ40は可動部42に保持されているため、可動部42を光軸方向に移動させることによって、レンズ40,41間の距離を変化させることができる。
レーザ発振部10から入射されるレーザ光Lは、光路長にかかわらずビーム径が一定となる平行光であるが、入射レンズ40を通過することによって、光路長に応じてビーム径が変化する非平行光となる。つまり、光路長が長くなれば、ビーム径が拡大していき、あるいは、縮小していく。この非平行光は、その後、出射レンズ41を通過することによって再び平行光に戻される。従って、出射レンズ41から出射されるレーザ光Lのビーム径は、入射レンズ40に入射されるレーザ光Lのビーム径とは異なり、その差はレンズ40,41間の距離によって決まる。この様にして、ビームエキスパンダ11は、スキャナ駆動回路16からの駆動信号に基づいて可動部42を移動させて、レーザ光Lのビーム径を制御している。
レーザ光Lのビーム径を制御することができれば、レーザ光Lの焦点を集光レンズ13の光軸方向に移動させることができる。従って、集光レンズ13の光軸方向をZ方向とすれば、ビームエキスパンダ11は、レーザ光をZ軸方向に走査するZ軸スキャナとなる。なお、ビームエキスパンダ11は、レンズ40,41間の距離が制御可能であればよく、入射レンズ40を固定して、出射レンズ41を移動可能としてもよいし、入射レンズ40、出射レンズ41をともに移動可能とすることもできる。
(走査部12)
図5は、図1の走査部12の一構成例を示した斜視図である。走査部12は、一対のガルバノミラー14a,14bと、これらのガルバノミラー14a,14bをそれぞれ回動させるガルバノモータ15a,15bとを備えている。ガルバノミラー14a及び14bは、レーザ光を反射させる全反射ミラーであり、ガルバノモータ15a,15bの回転軸にそれぞれ取り付けられている。ガルバノモータ15a,15bには、例えばステッピングモータが用いられ、スキャナ駆動回路16からの駆動信号に基づいて、両ガルバノミラー14a,14bが干渉しない範囲において、その回転角を自在に変化させることができる。
この走査部12に入射されたレーザ光は、2つのガルバノミラー14a及び14bによって、レーザ光Lの光軸に直交する面内において2次元走査される。つまり、ワークWへ照射されるレーザ光Lが、集光レンズ13の光軸に直交する方向に2次元走査される。ここで、Z軸と直交し、かつ、互いに直交する2軸をX軸及びY軸とすれば、ガルバノミラー14aがレーザ光LをX軸方向に走査させるX軸スキャナとなり、ガルバノミラー14bがレーザ光LをY軸方向に走査させるX軸スキャナとなる。
次に、図1のレーザ加工装置100の動作について説明する。具体的には、ビームエキスパンダ11を用いたZ軸スキャン動作、ディスタンスポインタ表示、焦点補正処理及び設置位置補正処理について順に説明する。
(Z軸スキャン動作)
図6及び図7は、ビームエキスパンダ11を用いたZ軸方向のスキャン動作に関する説明図であり、ビームエキスパンダ11及び走査部12を含む走査系が示され、集光レンズ13は省略されている。ここでは、ビームエキスパンダ11内の入射レンズ40及び出射レンズ41間の距離が短くなれば、レーザ光Lのビーム径が大きくなる場合について説明する。
図6に示したレンズ間距離Rd1は、図7のレンズ間距離Rd2よりも短い。このため、ビームエキスパンダ11から出射されるレーザ光Lのビーム径は図6の方が大きく、図6の焦点距離Ld1は、図7の焦点距離Ld2よりも長くなっている。つまり、レンズ間距離Rd1、Rd2を短くすることによって、レーザ加工装置100からワークWまでの距離であるワーキングディスタンスを長くすることができる。逆に、レンズ間距離を長くすれば、レーザ光Lのビーム径が小さくなり、レーザ光Lの焦点距離が短くなって、ワーキングディスタンスを短くすることができる。
近年、2次元平面内で走査可能なレーザ加工装置のみならず、高さ方向に焦点距離を調整可能なレーザ加工装置、すなわち、3次元状に加工が可能なレーザ加工装置も開発されている。ところが、このような3次元レーザマーカは、あくまでも2次元の平面印字の高さを段階的に変更できるというものに過ぎず、缶のような曲面、傾斜面などに対し、高品質の印字加工を行うことはできなかった。そこで、本発明者らは、X軸スキャナ及びY軸スキャナに加えて、焦点可変光学系としてZ軸スキャナを設けることによって、焦点位置を自在に調整可能とし、これによってワークの表面形状に沿って3次元状に加工可能なレーザ加工装置を実現している。
(ディスタンスポインタ表示)
このレーザ加工装置100は、赤色光などの可視光をワークWに照射し、ワークW上にディスタンスポインタを表示させることができる。ディスタンスポインタは、照射面までの距離に応じて形状が変化する視認可能なパターンであり、その照射距離を指定することができ、ワークWまでの距離(ワーキングディスタンス)が上記照射距離に一致している場合に特徴的な形状となる。このため、ワークW上にディスタンスポインタを表示させることによって、ワーキングディスタンスが、予め指定された照射距離に一致しているかを視覚的に確認することができる。
図8〜図10は、ディスタンスポインタについての説明図であり、図8は、レーザ加工装置100の光学系を示した斜視図、図9は、図8を逆方向から見た斜視図、図10は、集光レンズ13の光軸を含む切断面による断面図である。これらの図には、ビームエキスパンダ11、X軸/Y軸スキャナ14a,14bに加えて、ガイド用光源60、ガイド光用ミラー62、ポインタ用光源64、ポインタ用スキャナミラー14d及び距離制御ミラー66が示されている。なお、集光レンズ13は省略されている。
ガイド用光源60は、可視光からなるガイド光Gを生成する光源装置であり、例えば、赤色レーザダイオードが用いられる。ガイド用光源60から出射されたガイド光Gは、レーザ光Lの光路上に設けられたガイド光用ミラー62で反射され、レーザ光Lの光路に入る。このガイド光用ミラー62は、レーザ発振部10側から入射するレーザ光Lを透過させ、反対側の面へ入射するガイド光Gを全反射させるハーフミラーである。レーザ光Lの光路に入ったガイド光Gは、X軸スキャナ14aによってX軸方向にスキャンされながら、ワークWへ照射される。このとき、照射面上では、残像現象を利用して、X軸方向に延びる線状のガイドパターンGPが視認可能に表示されている。
なお、XYスキャナ14a,14bを用いてガイド光Gを2次元走査すれば、レーザ光Lの照射位置と同じ位置にガイド光Gを照射させることができる。このため、レーザ光Lの照射前にガイド光Gを照射し、レーザ光Lの照射時と同様のXY走査を行うことによって、レーザ光Lの照射位置を事前に目視確認することができる。
ポインタ用光源64は、可視光からなるポインタ光Pを生成する光源装置であり、ガイド用光源60と同様、赤色レーザダイオードを用いることができる。ポインタ用光源64から出射されたポインタ光Pは、ポインタ用スキャナミラー14d及び距離制御ミラー66によって順に反射され、ワークWへ照射される。このとき、照射面には点状のポインタパターンPPが視認可能に表示される。ポインタ用スキャナミラー14dは、Y軸スキャナ14bの裏面に形成されたミラーであり、距離制御ミラー66は、集光レンズ13の光軸(つまりZ軸)からY軸方向にずれた位置に固定されている。
距離制御ミラー66で反射されたポインタ光Pは、YZ平面内においてガイド光Gに対して角度を有し、この角度に応じた光路を経てガイド光Gと交差する。この角度は、距離制御ミラー66の傾きによって制御される。従って、ユーザが指定したディスタンスポインタの照射距離に基づいて距離制御ミラー66を制御すれば、レーザ加工装置100から上記照射距離だけ離れた位置において、ガイド光Gとポインタ光Pを交差させることができる。
図11は、ディスタンスポインタの一例を示した図である。ここでは、ガイド光Gによって表示されたX軸方向に延びる2本のガイドパターンGPと、ポインタ光Pによって表示される1個の点状のポインタパターンPPが示されている。図中の(b)には、ユーザが指定した照射距離と、照射面までの実際の距離とが一致している場合が示されている。また、(a)には、照射距離に比べて、実際の距離が近い場合、(c)には、照射距離よりも、実際の距離が遠い場合がそれぞれ示されている。
つまり、ポインタパターンPPが2本のガイドパターンGPの中央に位置すれば、ユーザが数値によって指定したディスタンスポインタの照射距離と、実際のワーキングディスタンスとが一致していることを確認できる。また、一致していない場合であっても、近すぎるのか、あるいは、遠すぎるのかを知ることができる。このため、ディスタンスポインタを表示させながら、その照射距離を変化させれば、ワークWまでの実際の距離(ワーキングディスタンス)を測定することができる。
(焦点補正処理)
図12は、XY軸スキャンと焦点距離との関係を示した説明図であり、Z軸を含む面内におけるレーザ光の光路の一例が模式的に描かれている。また、図13は、加工面WS上の異なる位置における印字状態の一例が示されている。これらの図は、XY平面からなる加工面WSに対し印字加工を行った場合の様子が示されており、従来のレーザ加工装置を用いた例が(a)に、本実施の形態によるレーザ加工装置100を用いた例が(b)にそれぞれ示されている。
従来のレーザ加工装置では、レーザ光Lの焦点位置が固定されている。このため、図12の(a)に示した様に、加工面WS上の加工領域の中心位置に焦点を合わせるようにワークWを設置しても、レーザ光LをXY走査させると、中心から離れるに従って焦点と加工面WSとのずれが大きくなる。このため、図13(a)に示した様に、加工領域内における印字位置によって印字幅及び印字濃度が異なり、印字品質が安定しないという問題があった。具体的には、加工領域の中心付近では、焦点距離がワーキングディスタンスとほぼ等しいため印字幅が狭く、印字濃度の濃い高品質な印字加工が可能であるが、加工領域の周辺に近づくほど印字幅が太くなり、印字濃度も薄くなって、印字品質が低下してしまう。
これに対し、本実施の形態に係るレーザ加工装置100では、ビームエキスパンダ11を用いて焦点距離を調整することができるため、図12の(b)に示した通り、レーザ光LをXY走査させても、加工面WS上の任意の位置においてレーザ光Lの焦点をワークWの表面に一致させることができる。この結果、図13の(b)に示した様に、加工面WS上の位置にかかわらず印字幅及び印字濃度を一定にすることができ、高品質な印字加工が可能となる。
従って、本実施の形態によるレーザ加工装置100を用いれば、パレット印字や大型銘板の捺印などの作業において、高い印字品質を安定して得ることができる。また加工用途で使用する場合も、加工状態を均一に維持することができる。この結果、ワークWの形状によらず、均一な加工を行うことができ、例えば図14(a)に示すように段差のあるワークWや、図14(b)に示すようにワークWの表面が曲面状であっても、また、図14(c)に示すように傾斜していても、均一で高品質な加工を行うことができる。このように焦点補正機能によってワークWの多様な形状に対して最適な印字が可能となり、さらに奥行きのあるゲートカットのような加工においても精度よく、綺麗な仕上げを行える。
さらに、本実施の形態によるレーザ加工装置100は、加工領域の周辺部においても高い印字品質を確保することができることから、従来のレーザ加工装置に比べて、より広い加工領域を確保することができる。図15(a)に示すように、従来のレーザ加工装置では加工領域内の位置に応じた焦点位置の変化が大きいため、加工領域を大きくする程この変化も大きくなり、レーザ光Lの焦点位置が加工面から離れてしまうため、加工領域を広げることができなかった。これに対し、本実施の形態に係るレーザ加工装置は、図15(b)に示すように加工領域を広くしても、各位置に応じて焦点位置を調整可能であるため、加工品質も確保しつつ、加工領域を従来よりも広げることができる。
(設置位置補正処理)
本実施の形態によるレーザ加工装置100は、設置時の位置決め作業も簡略化することができる。従来のレーザ加工装置では、レーザ光Lの焦点距離が固定されているため、レーザ光Lを照射しているマーキングヘッド110からワークWまでのワーキングディスタンスと焦点距離とを合致させなければならず、マーキングヘッド110の設置時に煩雑な調整作業が必要であった。
図16は、レーザ加工装置のマーキングヘッド110を設置する際の様子を示した図である。図中の(a)には、従来のレーザ加工装置の場合、図中の(b)には、本実施の形態によるレーザ加工装置100の場合がそれぞれ示されている。
図16の(a)に示すように、従来のレーザ加工装置では、マーキングヘッド110を設置する際、その高さや傾きを調整する調整機構70が必要となり、その調整作業に非常に手間がかかっていた。例えば、マーキングヘッド110が微妙に傾いている場合、加工精度を高めるためにネジ調整などで水平に補正し、ワークWまでの距離が、焦点距離と一致するように調整しなければならない。このため、各マーキングヘッド110ごとに設置高さや傾きを微調整するための機構が必要となり、その調整作業が必要となるため、設置機構が複雑になる上、極めて煩雑な作業を強いられていた。
これに対し、本発明の実施の形態によるレーザ加工装置100では、図16の(b)に示すように、レーザ光Lの焦点距離を調整可能であるため、ワークWまでの距離が焦点距離の調整範囲内である限り、焦点距離がずれていたり、マーキングヘッド110が傾いていても、3次元スキャナを用いて補正することができる。つまり、マーキングヘッド110を設置する際、その高さや傾きなどを細かく調整する必要がなく、簡単な取付機構71によって設置することができ、煩雑な調整作業も不要である。従って、本発明の実施の形態によるレーザ加工装置100は、マーキングヘッド110の設置が容易なレーザ加工装置として、2次元の印字加工用途にも利用することもできる。
図17は、設置位置補正処理についての説明図であり、レーザ加工装置100の基準面BSと、ワークWの加工面WSが一致していない場合の一例が示されている。レーザ加工装置100のX軸、Y軸、Z軸及びこれらの3軸が交差する原点は、マーキングヘッド110を基準として定められている。つまり、マーキングヘッド110を設置することによって、原点の絶対的な空間位置と、互いに直交する上記3軸の方向が同時に決定される。ここでは、上記原点を基準原点BO、XY平面を基準面BSと呼ぶことにする。また、これらの3軸を用いて表される座標系を基準座標と呼ぶことにする。レーザ加工装置の3次元スキャナは、この基準座標によって指定された位置にレーザ光Lを照射する。
一方、加工面WSは、ワークWを基準として定められる平面である。例えば、2次元加工の場合であればワークWの表面が加工面WSであり、3次元加工の場合であれば、加工対象空間を規定する平面が加工面WSとなる。3次元加工では、加工面WS上の2次元位置と、当該加工面WSからの高さとによって加工パターンが指定される。このため、加工対象空間が加工面WSに基づいて規定されている。ここでは、加工面WSが、互いに直交するX’軸及びY’軸によって規定され、その交点を加工原点WOと呼び、加工原点WOを通る加工面WSに垂直なZ’軸を含めた3軸を用いて表される座標系を加工座標と呼ぶことにする。
従来のレーザ加工装置において、マーキングヘッド110の設置時に行われている調整作業は、基準面BSと加工面WSとを一致させるための作業、つまり、加工座標と基準座標とを一致させる作業であった。これに対し、本実施の形態によるレーザ加工装置100では、加工座標を基準座標へ変換する座標変換処理を演算によって行うことで、基準面BSと加工面WSが一致していなくても、加工パターンを正しい空間位置に印字させることができる。
このような座標変換処理を行うためには、独立した6個のパラメータが与えられる必要がある。つまり、X’Y’Z’軸で表された座標をXYZ軸で表された座標に変換するためには、X’Y’Z’軸とXYZ軸の関係を規定する6個の独立したパラメータが必要となる。例えば、X’Y’Z’軸を規定する6個のパラメータとして、XYZの各軸に関するオフセット△X、△Y及び△Zと、これらの各軸回りの回転角△θx、△θy及び△θzとが与えられれば、加工座標を基準座標に変換することができる。
図18〜図21は、上述した6個のパラメータの説明図である。図18には、Z軸オフセット△Zが示されている。このZ軸オフセット△Zは、加工面WSの基準面BSに対するZ軸方向への符号付きの距離のZ成分である。図19には、X軸回転角△θxが示されている。このX軸回転角△θxは、X軸を中心とした加工面WSの基準面BSに対する符号付きの回転角度である。図20には、Y軸回転角△θyが示されている。このY軸回転角△θyは、Y軸を中心とした加工面WSの基準面BSに対する符号付きの回転角度である。図21には、オフセット△X及び△Yと、Z軸回転角△θzとが示されている。オフセット△X,△Yは、加工面WSの基準面BSに対するZ軸方向への符号付きの距離のX成分、Y成分である。Z軸回転角△θzは、Z軸を中心とした加工面WSの基準面BSに対する符号付きの回転角度である。
なお、従来のレーザ加工装置には、△X、△Y及び△θzを用いた座標変換処理を行って、加工面WSを基準面BSに一致させるものがあった。つまり、X座標及びY座標についてのみ座標変換を行って、XY平面内での位置ずれを補正している。このようなレーザ加工装置の場合、ユーザは3個のパラメータを与えるだけでよく、また、各パラメータがXY平面内におけるパラメータであることから、ユーザが感覚的に決定することが比較的容易であった。しかしながら、ユーザが独立した6個のパラメータを与えることは容易ではないため、本実施の形態によるレーザ加工装置100では、後述するレーザ加工条件設定装置130内に調整量入力部200が設けられている。
(レーザマーカのシステム構成)
図22に、3次元印字可能なレーザマーカのシステム構成を示す。この図に示すレーザ加工システムは、マーキングヘッド110と、コントローラ120と、レーザ加工条件設定装置130とを備える。マーキングヘッド110は、ワークWへレーザ光Lを照射する装置であり、図1のレーザ出力部1に相当する。コントローラ120は、マーキングヘッド110の制御装置であり、図1のレーザ制御部2に相当する。レーザ加工条件設定装置130は、コントローラ120に対し、テスト印字条件を含むレーザ加工条件を指示するためのユーザ端末であり、図1の入力部3に相当する。
レーザ加工条件設定装置130は、コンピュータにレーザ加工条件設定プログラムをインストールして、レーザ加工条件設定機能を実現させることができるが、タッチパネルを接続したプログラマブルロジックコントローラ(PLC)や、その他専用のハードウェア等を利用することもできる。なお、コントローラ120には、必要に応じて各種の外部機器を接続することができる。例えば、ライン上に搬送されるワークWの種別、位置等を確認するイメージセンサ等の画像認識装置、ワークWとマーキングヘッド110との距離に関する情報を取得する変位計等の距離測定装置、所定のシーケンスに従って機器の制御を行うPLC、ワークWの通過を検出するPDセンサその他各種のセンサ等を設置し、これらとデータ通信可能に接続することができる。
ユーザは、レーザ加工条件設定装置130を用いて様々なレーザ加工条件を設定することができる。例えば、印字パターン、レーザ強度、スキャン速度などを指定する設定データを入力することができる。このような設定データの一つとして、設定位置補正処理に用いられるパラメータを指定することもできる。以下では、レーザ加工条件設定装置130の設置位置補正機能について詳細に説明する。
(レーザ加工条件設定装置130)
図23は、レーザ加工条件設定装置130の要部について一構成例を示した図である。このレーザ加工条件設定装置130は、マーキングヘッド110の設置位置補正機能を有するユーザ端末であり、調整量入力部200、パラメータ算出部210、3D表示制御部220、ディスタンスポインタ制御部230、サンプル印字制御部240、ガイド表示制御部250、印字パターン生成部260及び座標変換部270を備えて構成される。
調整量入力部200は、設置位置補正処理に必要となる調整データをユーザが指定するための手段であり、パラメータ入力部201、焦点距離調整部202、傾き調整部203及び面内位置調整部204を有している。パラメータ入力部201は、設置位置調整用の6個のパラメータ△X、△Y、△Z、△θx、△θy及び△θzをユーザが直接入力することができる入力手段である。焦点距離調整部202は、ワークW上にディスタンスポインタを表示することによって、加工面WSまでの距離(加工面距離)を求める手段である。傾き調整部203は、サンプル印字などを利用して、X軸回転角△θx及びY軸回転角△θyを調整するための手段である。面内位置調整部204は、XY平面内の3つのパラメータ、X軸オフセット△X、Y軸オフセット△Y及びZ軸回転角△θzを調整する手段である。
パラメータ算出部210は、調整量入力部200で入力された調整データに基づいて、設置位置調整用の6個のパラメータ△X、△Y、△Z、△θx、△θy及び△θzを求めている。
3D表示制御部220は、パラメータ算出部210によって求められた各パラメータに基づいて、ディスプレイ上に加工面WSと基準面BSを3次元表示する表示手段である。この3次元表示は、焦点距離調整部202、傾き調整部203及び面内位置調整部204による調整時にディスプレイ上に表示され、ユーザは、この3次元表示を見ながら調整データやパラメータを決定することができる。
印字パターン生成部260は、レーザ加工時にコントローラ120へ出力される印字パターンを生成している。この印字パターンには、印字位置を示す加工座標が含まれている。設置位置補正処理部270は、パラメータ算出部210によって求められた各パラメータに基づいて、印字パターンの加工座標を基準座標に変換する座標変換を行っている。印字パターン生成部260からの印字パターンは、この座標変換処理によってマーキングヘッド110の設置位置が補正された印字パターンとなり、コントローラ120へ出力される。
ディスタンスポインタ制御部230は、ディスタンスポインタの表示制御を行っている。焦点距離調整部202がディスタンスポインタの点灯を指示すると、ディスタンスポインタ制御部230は、コントローラ120に対し、ディスタンスポインタの点灯信号を出力する。その際、焦点距離調整部202からのパラメータ△Zに基づいて補正された焦点距離を求め、この焦点距離を示すディスタンスポインタを表示させている。
サンプル印字制御部240は、焦点距離の異なる複数のサンプルパターンをワークW上に印字するサンプル印字を制御している。傾き調整部203がサンプル印字を指示すると、サンプル印字制御部240が、コントローラ120に対し、印字信号を出力する。なお、サンプル印字条件は、傾き調整部203によって指定される。
(パラメータ算出処理)
加工面WS上の任意の異なる3点について基準座標が与えられれば、加工面WSの基準面BSに対するZ軸オフセット△Z、X軸回転角△θx、Y軸回転角△θyを求めることができる。これに加えて、X軸、Y軸オフセット△X、△Y及びZ軸回転角△θzが与えられれば、加工座標を基準座標に変換することが可能となる。
まず、加工面WS上の任意の3点から△Z、△θx及び△θyを求める方法について説明する。加工面WS上の任意の3点をA(Ax,Ay,Az)、B(Bx,By,Bz)、C(Cx,Cy,Cz)とすれば、加工面WSの平面方程式は、次式(1)のように表わされる。つまり、加工面WSが次式(1)で表わされる。
m×X+n×Y+k×Z+d=0 (1)
ただし
m=(Ay−By)×(Cz−Bz)−(Az−Bz)×(Cy−By)
n=(Az−Bz)×(Cx−Bx)−(Ax−Bx)×(Cz−Bz)
k=(Ax−Bx)×(Cy−By)−(Ay−By)×(Cx−Bx)
d=−(m×Ax+n×Ay+k×Az)
加工面WS上においてX、Yがともに0となる点を加工面WSの原点とすれば、この原点の基準座標は、上式(1)にX=0、Y=0を代入することによって求められ、Z=−d/kとなる。つまり、上記原点は(0,0,−d/k)であり、Z軸オフセット△Zは(−d/k)となる(ただしk≠0)。
Y軸回転角△θyは、Y=0となる加工面WS上の任意の2点間の変化量から求めることができる。加工面WS上の原点がY=0であることから、加工面WS上においてY=0となる任意の点を(p,0,q)とすれば、上式(1)から、qはpを用いて次式(2)で表わされる(ただしq>0)。
m×p+k×q+d=0
q=−(m×p+d)/k (2)
従って、Y軸回転角△θyは、次式(3)のように求めることができる。
tan(△θy)=−(q+d/k)/p
=m/k
△θy=arctan(m/k) (3)
次に、X軸回転角△θxを求めるために、Z座標からZ軸オフセット△Z=(−d/k)を引いて、加工面WSの原点を(0,0,0)へ移動させ、さらにY軸を中心として加工面WSを△θyだけ逆回転させる。このとき、上記3点A,B,Cは、それぞれA'(Ax',Ay',Az')、B'(Bx',By',Bz')、C'(Cx',Cy',Cz')に移動する。これらの移動先A',B',C'は、次式で表される。
Ax'=(Ax×cos(△θy))−((Az+d/k)×sin(△θy))
Ay'=Ay
Az'=(Ax×sin(△θy))−((Az+d/k)×cos(△θy))
Bx'=(Bx×cos(△θy))−((Bz+d/k)×sin(△θy))
By'=By
Bz'=(Bx×sin(△θy))−((Bz+d/k)×cos(△θy))
Cx'=(Cx×cos(△θy))−((Cz+d/k)×sin(△θy))
Cy'=Cy
Cz'=(Cx×sin(△θy))−((Cz+d/k)×cos(△θy))
これらの3点A',B',C'を通る平面方程式は、次式(4)のように表わされる。つまり、移動後の加工面WS'は次式(4)で表される。
m'×X+n'×Y+k'×Z=0 (4)
ただし
m'=(Ay'−By')×(Cz'−Bz')−(Az'−Bz')×(Cy'−By')
n'=(Az'−Bz')×(Cx'−Bx')−(Ax'−Bx')×(Cz'−Bz')
k'=(Ax'−Bx')×(Cy'−By')−(Ay'−By')×(Cx'−Bx')
X軸回転角△θxは、X=0となる加工面WS上の任意の2点間の変化量から求めることができる。移動後の加工面WS'は原点(0,0,0)を通ることから、移動後の加工面WS'上においてX=0となる任意の点を(0,s,t)とすれば、上式(4)から、tはsを用いて次式(5)で表わされる(ただしs>0)。
n'×s+k'×t=0
t=−n'×s/k (5)
従って、X軸回転角△θxは、次式(6)のように求めることができる。
tan(△θx)=t/s
=−n'/k'
△θx=arctan(−n'/k') (6)
次に、X軸、Y軸、Z軸オフセット△X、△X、△Zを求める方法について説明する。加工原点WOをP(Px,Py,Pz)とし(ただしPz≠0)、この点Pに対し、既に求めたZ軸オフセット△Z、X軸回転角△θx、Y軸回転角△θyを加えた点P''とすれば、点Pと点P''の差のX成分、Y成分、Z成分がそれぞれ、オフセット△X、△X、△Zとなる。
点PをX軸を中心としてX軸回転角θxだけ回転させた点を点P’(Px',Py',Pz')とすると、点P'は、次式のように表すことができる。
Px'=Px
Py'=Py×cosθx
Pz'=Py×sinθx
この点P'をY軸を中心としてY軸回転角θyだけ回転させた後、さらにZ軸オフセット△Zを加えた点を点P''(Px'',Py'',Pz'')とすると、点P''は、次式のように表すことができる。
Px''=(Px'×cosθy)+(Pz'×sinθy)
Py''=Py'
Pz''=(Px'×sinθy)+(Pz'×cosθy)+(−d/k)
従って、各オフセット△X、△Y、△Zは、次式のように求めることができる。
△X=Px''−Px
△Y=Py''−Py
△Z=Pz''
(サンプル印字)
サンプル印字は、ワークWの加工面上に、印字条件を段階的に異ならせた複数のサンプルパターンを印字し、印字状態が最適であったサンプルパターンをユーザに選択させることによって、最適な印字条件を決定する方法である。その際、サンプルパターンごとにレーザ光の焦点距離を段階的に異ならせれば、これらのサンプルパターンが印字された領域までの距離が得られる。更に、同じ加工面WS上の異なる3つの印字領域のそれぞれについて、このようなサンプル印字を行えば、それぞれの印字領域までの距離が得られ、マーキングヘッド110に対する加工面WSの傾きが得られる。
図24は、サンプル印字についての説明図である。加工面WS内には、サンプル印字のための3つの印字領域G1〜G3が設けられている。これらの印字領域G1〜G3は、少なくとも一直線上に並ばないように配置されており、できるだけ離れた位置に配置されていることがより望ましい。ここでは、矩形からなる印字可能領域の3つの頂点付近に各印字領域G1〜G3が配置されているものとする。
各印字領域G1〜G3内には、複数のサンプルパターンSPが配置されている。同一の印字領域内に印字される各サンプルパターンは、どのパターンであるのかが識別可能となるようにパターン自体を互いに異ならせている。ここでは、一部の文字が共通で、かつ、一部の文字がユニークな「A0」〜「A8」がサンプルパターンとして印字される。
図25は、サンプル印字結果の一例を示した図である。同一の印字領域G1〜G3内に印字されるサンプルパターンSPは、レーザ光Lの焦点位置を段階的に異ならせて印字される。ただし、その他の印字条件、例えばレーザパワーやスキャン速度は全てのサンプルパターンSPについて一致させておく。例えば、A0〜A8の順で、レーザ照射時の焦点距離が0.5mmずつ長くなるように変化させてレーザ光Lが照射される。この場合、各サンプルパターンSPごとにフォーカス状態が異なり、印字品質も異なる。図25では、印字領域G1では、パターン「A4」が最も良好に印字されている。また、印字領域G2、G3では、パターン「A6」「A1」がそれぞれ最も良好に印字されていることがわかる。これらの結果から各印字領域G1〜G3への焦点距離が得られ、加工面WSの傾きが得られる。
(機器設定ダイアログ)
図26は、レーザ加工条件設定装置130のディスプレイ上に表示される機器設定ダイアログ300が示されている。この機器設定ダイアログ300は、コントローラ120について様々な初期設定を行うためのユーザインターフェースであり、ユーザが選択可能な複数のタブを備えている。この図では、機器設定タブが選択されている状態が示されている。この機器設定タブには、オフセット値を指定してレーザ強度を調整するパワーオフセット設定部301や、オフセット値を指定してレーザ光Lの走査速度を調整するスキャンスピードオフセット設定部302や、設置位置補正を行うための設置位置補正欄303が設けられている。
設置位置補正欄303には、設定モード選択部304、ダイアログ起動ボタン305、パラメータ入力部306が設けられている。パラメータ入力部306は、設置位置補正のための6個のパラメータを指定するための入力手段であり、図23のパラメータ入力部201に相当する。すなわち、「X座標」欄においてX軸オフセット△X、「Y座標」欄においてY軸オフセット△Y、「Z座標」欄においてZ軸オフセット△Z、「θ角度」欄においてZ軸回転角△θz、「回転角度X」欄においてX軸回転角△θx、「回転角度Y」欄においてY軸回転角△θyがそれぞれ指定される。なお、各パラメータの指定は、数値入力によって行われ、あるいは、表示値を増減させるアップ/ダウンボタンの操作によって行われる。
設定モード選択部304は、基本設定及び詳細設定のいずれか一方をユーザが選択するための選択手段である。詳細設定が選択されている場合、パラメータ入力部306において6個のパラメータの全てを指定することができる。一方、基本設定は簡易的な設定モードであり、基本設定が選択されている場合には、「回転角度X」欄及び「回転角度Y」欄がグレーアウトし、X軸回転角△θx及びY軸回転角△θyの指定が禁止されるとともに、これらのパラメートはリセットされる。
ダイアログ起動ボタン305は、次に説明する設置位置調整ダイアログ320を起動するための操作ボタンである。なお、設置位置調整ダイアログ320においてパラメータを変更した後、設置位置調整ダイアログ320を閉じれば、上記変更が、パラメータ入力部306に反映される。
(設置位置調整ダイアログ)
図27は、設置位置調整ダイアログ320の一例を示した図である。この設置位置調整ダイアログ320は、ユーザが選択可能な焦点距離調整タブ330と、傾き調整タブ340と、面内位置調整タブ350とを備えている。なお、設定モード選択部304において基本設定が選択されている場合には、傾き調整タブ340の選択が禁止される。また、設置位置調整ダイアログ320は、いずれのタブ330〜350が選択されている場合であっても、3D表示部321及び補正結果表示部325が表示されている。
3D表示部321には、加工面WS及び基準面BSが、基準原点BOで交差するX、Y及びZの各軸とともに3次元表示されている。ここでは、基準面BSが、均一に塗りつぶされた半透過性の平面として表示され、加工面WSが、多数の透過部を有するメッシュ形状の平面として表示されている。
この3D表示部321は、3次元表示の視点を移動させる3つの視点移動手段322〜324を有している。視点移動手段322は、上下方向に移動可能なスライド操作部であり、基準原点BOを通る画面左右方向の回転軸(不図示)を中心として、視点をリニアに360度回転させることができる。一方、視点移動手段323は、左右方向に移動可能なスライド操作部であり、基準原点BOを通る画面上下方向の回転軸(不図示)を中心として、視点をリニアに360度回転させることができる。つまり、3D表示部321は、3次元空間内の同じ点(基準原点BO)を通り、かつ、ともに画面に平行な直交する2つの回転軸によって視点を回転させることができる。従って、視点移動手段322及び323を組み合わせて用いれば、基準原点BOを中心として、3次元表示の視点を全方位に変化させることができ、加工面WS及び基準面BSがどのような位置関係であっても分かりやすく表示させることができる。
図28〜図30は、視点移動手段324を用いて視点を移動させた状態を示した図である。視点移動手段324は、予め定められた方向に視点を移動させる手段である。ここでは、XY平面、YZ平面及びZX平面のいずれかを選択できるものとする。視点移動手段322、323は、リニアに視点を移動させる手段であるため、任意の方位を選択できる反面、視点を特定方位に移動させようとすれば、両視点移動手段322、323を用いた微調整が必要となり煩雑である。このような場合には、視点移動手段324を用いることによって、視点をプリセットされた方向に簡単に移動させることができる。
図28には、視点移動手段324を用いてXY平面を指定した状態が示されている。XY平面を指定した場合、3D表示部321には、Z軸方向を視点とする3次元表示が行われる。同様にして、図29、図30には、視点移動手段324を用いてYZ平面、ZX平面を指定した状態が示されている。YZ平面、ZXを指定した場合、3D表示部321には、X軸方向、Y軸方向を視点とする3次元表示がそれぞれ行われる。なお、図28に示した通り、視点がZ軸近傍にある場合には、3D表示部321内にマーキングヘッド110が表示される。その際、陰面処理などによって、マーキングヘッド110と基準面BSの前後関係が識別可能となるように表示される。ここでは、基準面BSを半透過面とすることにより、マーキングヘッド110と基準面BSの前後関係を識別可能に表示している。
補正結果表示部325には、設置位置補正のための各パラメータの現在値が表示されている。すなわち、設置位置調整ダイアログ320の起動直後は、その起動前にパラメータ入力部306によって指定されたパラメータが表示されている。また、設置位置調整ダイアログ320の起動後に、いずれかのタブ内においてパラメータを変更した場合には、変更後のパラメータが表示される。
(焦点距離調整タブ)
図31は、焦点距離調整タブ330の一例を示した図である。焦点距離調整タブ330では、ディスタンスポインタを用いて確認しながら、Y軸上における基準面BSから加工面WSまでの距離(加工面距離)を指定する距離調整手段であり、図23の焦点距離調整部202に相当する。この焦点距離調整タブ330内には、3D表示部321及び補正結果表示部325に加えて、点灯指示部331、ダイアログ起動ボタン332及び加工面距離表示部333が設けられている。点灯指示部331は、ユーザ操作によって、ディスタンスポインタの点灯及び消灯を切り替えることができるトグルスイッチである。ダイアログ起動ボタン332は、ディスタンスポインタ設定ダイアログを起動するための起動ボタンである。加工面距離表示部333には、加工面距離が表示される。
図32は、ディスタンスポインタ設定ダイアログ400の一例を示した図である。このディスタンスポインタ設定ダイアログ400は、焦点距離調整タブ330内のダイアログ起動ボタン332を操作することによって起動される。ディスタンスポインタ設定ダイアログ400内には、ディスタンスポインタの照射距離を指定するための数値指定部401及びスライド手段402が設けられている。数値指定部401を用いれば、ディスタンスポインタの照射距離を数値指定することができる。スライド手段402は、スライドハンドル部を上下方向に移動させることによって、照射距離をリニアに変化させることができるので、ディスタンスポインタの照射距離を簡便に指定し、調整することができる。なお、ディスタンスポインタ設定ダイアログ400において指定するディスタンスポインタの照射距離は、基準原点BOを基準とするY軸上の距離である。
図33は、ディスタンスポインタ設定後における焦点距離調整タブ330の状態が示されている。ディスタンスポインタの照射距離を設定して、ディスタンスポインタ設定ダイアログ400を閉じると、この照射距離が、加工面距離として加工面距離表示部333に表示される。また、Y軸上における加工面WSまでの距離が、この加工面距離となるように、3D表示部321が再表示され、補正結果表示部325には修正されたパラメータが表示される。
なお、加工面距離表示部333に表示されている加工面距離と、補正結果表示部325に表示されているZ軸オフセット△Zとは、必ずしも一致しない(図27参照)。ディスタンスポインタの照射位置は常にZ軸上にあり、ディスタンスポインタの照射距離はそのZ座標に相当する。従って、加工面距離表示部333に表示される値は、Y軸及び加工面WSが交差する交点のZ座標となる。これに対し、Z軸オフセット△Zは、加工原点WOのZ座標であり、両者が一致するのは、X軸オフセット△X及びY軸オフセット△Yが共にゼロである場合となる。
(傾き調整タブ)
図34〜図38は、傾き調整タブ340の一例を示した図である。傾き調整タブ340では、サンプル印字又は調整値入力によって、加工面の傾きを指定する傾き調整手段であり、図23の傾き調整部203に相当する。傾き調整タブ340内には、3D表示部321及び補正結果表示部325に加えて、調整モードを切り替え選択するための調整方法選択部341と、傾き調整を行うための傾き調整部342とが配置されている。調整方法選択部341では、サンプル印字モードと、調整値入力モードのいずれかを選択することができる。また、傾き調整部342内の構成は、調整モードの選択結果によって異なり、図34、図35には、調整値入力モードが選択された場合、図36〜38には、サンプル印字モードが選択された場合がそれぞれ示されている。
(調整値入力モード)
調整値入力モードでは、ともに加工面WS上にある基準軸Rと調整点Pjをユーザが指定するとともに、この基準軸Rを中心として加工面WSを回転させたときの上記調整点Pjにおける高さ(Z座標)の変動量を調整値としてユーザが指定することによって、加工面WSの傾きが指定される。一般に、加工面WSの傾きを指定する際、加工面WSの角度を指定するよりも、加工面WS上の任意の点における高さを指定する方が、ユーザにとって理解しやすく調整作業が容易となる。このため、調整値入力モードでは、加工面WSの傾きをユーザに指定させるために、加工面WSの傾きによって生ずる調整点Pjの高さの変動量を調整値として入力させている。
軸指定方法選択部410では、基準軸Rの指定方法として、基準軸選択及び基準点入力のいずれかを選択することができる。基準軸選択は、基準軸選択部411内の選択肢から基準軸を選択する方法であり、基準点入力は、基準点入力部412内において2つの任意の基準点Pr1,Pr2を指定し、両基準点を通る軸を基準軸Rとして指定する方法である。このため、軸指定方法選択部410において、基準軸選択が選択された場合には、基準点入力部412がグレーアウトして基準点Pr1,Pr2の入力が禁止される一方、基準点入力が選択された場合には、基準軸選択部411がグレーアウトして基準軸Rの選択が禁止される。
図34は、軸指定方法選択部410において基準軸選択が選択された場合のダイアログが示されている。基準軸選択部411には、基準軸の選択肢として、「X軸」、「Y軸」、「対角1」、「対角2」が示されている。対角1、対角2は、基準面BS上の印字可能領域の対角線である。ここでは、印字可能領域が正方形であるため、対角1、対角2は、XY平面上でX軸と±45度の角度で交差する各軸に相当する。これら4つの軸はいずれも基準面BS上の軸であり、ユーザによって選択された軸が基準軸Rとなる。3D表示部321内の表示は、基準軸選択部411における軸選択操作によって更新され、基準軸Rが、3D表示部321に3次元表示される。
図35は、軸指定方法選択部410において基準点入力が選択された場合のダイアログが示されている。基準点入力部412には、2つの基準点Pr1、Pr2ごとにXY座標を入力するための数値入力部及びアップ/ダウンボタンが設けられている。この基準点入力部412で指定された各基準点Pr1,Pr2は、3D表示部321に×印として表示され、この表示は、基準点入力部412における入力操作によって更新される。また、2つの基準点が同一であった場合には、ポップアップウィンドウ等によるエラー表示が行われる。このようにして、各基準点Pr1,Pr2として任意の2点を指定することによって、これらの基準点Pr1,Pr2を通るXY平面上の任意の軸が基準軸Rとして指定される。
調整点指定部413は、XY座標を入力して調整点Pjを指定する入力欄である。調整値入力部414及び調整用スライド手段415は、ともに調整値を指定するための手段であり、互いに連動している。調整値入力部414は、調整値をユーザが数値入力するための入力部及びアップ/ダウンボタンからなる。調整用スライド手段415は、上下方向に移動可能なスライドハンドル部を操作することによって、大まかな調整値の入力や調整を簡便に行うための手段である。調整点指定部413において指定された調整点Pjは、調整値入力部414又は調整用スライド手段415によって指定された調整量をZ座標として、3D表示部321に×印で表示される。この表示は、調整点指定部413、調整値入力部414及び調整用スライド手段415の操作によって更新される。また、調整点Pjが基準軸R上にある場合には、ポップアップウィンドウ等によるエラー表示が行われる。適用ボタン416は、基準軸、調整点、調整値の指定後にユーザによって操作される。適用ボタン416が操作されると、加工面WSの傾きが求められ、3D表示部321には傾けられた加工面WSが3次元表示され、補正結果表示部325には、加工面WSの傾きを反映させたパラメータが表示される。
(サンプル印字モード)
図36は、調整方法選択部341でサンプル印字モードを選択した場合のダイアログが示されている。ダイアログ起動ボタン421は、サンプル印字設定ダイアログを起動するためのダイアログ起動ボタンである。トリガボタン422は、レーザ光Lの照射を開始するための操作ボタンであり、印字中断ボタン423は、レーザ光Lの照射を停止させるための操作ボタンである。印字モード選択部424は、ガイド光G及びレーザ光Lのいずれかを選択するための選択手段である。印字モード選択部424でガイド光Gを選択すれば、レーザ光Lの照射時と全く同様にしてガイド光Gが照射される。このため、レーザ光Lの照射前に、ガイド光Gによって加工位置を事前に確認することができる。印字結果入力部425は、サンプル印字後に、その結果を入力するための入力欄である。サンプル印字の実行前はグレーアウトされており、印字結果の入力が禁止されている。
図37は、サンプル印字設定ダイアログ430の一例を示した図である。サンプル印字設定ダイアログ430内には、印字領域設定部431〜433、フォーカス調整条件設定部434が配置されている。印字領域設定部431〜433は、3つの印字領域をそれぞれの始点及び終点のXY座標によって指定するための入力手段である。フォーカス調整条件設定部434は、同じ印字領域内のサンプルパターンについて段階的に異ならせるように焦点距離を指定する入力手段である。ここでは、最大値、最小値及び間隔を指定することによって、段階的な焦点距離が指定されるとともに、サンプルパターンの数も同時に指定される。例えば、9段階の焦点距離を指定すれば、1つの印字領域内に9個のサンプルパターン「A0」〜「A8」が印字される。なお、サンプル印字設定ダイアログ430内には、各サンプルパターンに共通の印字条件として、文字サイズ、レーザパワー、スキャンスピードなどを設定する入力部も設けられている。
図38は、サンプル印字設定後のダイアログの一例が示されている。サンプル印字設定ダイアログ430においてサンプル印字条件を設定すれば、3D表示部321内に印字領域G1〜G3が表示される。その後に、トリガボタン422を操作してレーザ光Lを照射すれば、サンプル印字が行われ、印字結果入力部425への入力が可能になる。
印字結果入力部425には、3つの印字領域G1〜G3ごとに、パターン選択部426及び焦点距離表示部427が配置されており、さらに適用ボタン428が配置されている。ユーザは、パターン選択部426によって各印字領域G1〜G3ごとに、印字状態が最も良好であったサンプルパターンを選択する。ここでは、ユーザが、プルダウンメニュー内の選択肢「A0」〜「A8」から最適な印字状態のパターンを選択して印字結果を入力する。パターン選択部426でパターンが選択されると、焦点距離表示部427に選択されたパターンに対応する焦点距離が表示される。この様にして、全ての印字領域G1〜G3について印字結果が入力された後に、適用ボタン428が操作されると、加工面WSの傾きが求められ、3D表示部321には傾けられた加工面WSが3次元表示され、補正結果表示部325には、加工面WSの傾きを反映させたパラメータが表示される。
(面内位置調整タブ)
図39は、面内位置調整タブ350の一例を示した図である。面内位置調整タブ350では、基準面上の位置と加工面上の位置とを対応づける面内位置調整を行う面内位置調整手段であり、図23の面内位置調整部204に相当する。面内位置調整タブ350内には、3D表示部321及び補正結果表示部325に加えて、パラメータ入力部351〜353と、適用ボタン354が設けられている。
パラメータ入力部351〜353は、加工面WS上の2次元位置を調整するための3つのパラメータを指定するための入力手段である。すなわち、パラメータ入力部351においてX軸オフセット△X、パラメータ入力部352においてY軸オフセット△Y、パラメータ入力部353においてZ軸回転角△θがそれぞれ指定される。これらのパラメータ入力部351〜353はいずれも、パラメータを数値入力するための数値入力部と、数値入力部の表示値を増減させるアップ/ダウンボタンで構成されている。
適用ボタン354は、各パラメータ入力部351〜353での入力操作を3D表示部321及び補正結果表示部325に反映させるための操作手段である。ユーザが、パラメータ入力部351〜353でパラメータを変更した後に適用ボタン354を操作すれば、3D表示部321の再描画が行われ、変更後のパラメータによって求められる加工面WSが表示される。また、補正結果表示部325には、パラメータ△X、△Y、△θzとして、パラメータ入力部351〜353で入力された値が表示される。
本発明の実施の形態によるレーザ加工装置100の一構成例を示したブロック図である。 図1の励起光発生部23の内部の一例を示した斜視図である。 図1のレーザ発振部10の一構成例を示した図である。 図1のビームエキスパンダ11の一構成例を示した図である。 図1の走査部12の一構成例を示した斜視図である。 ビームエキスパンダ11を用いたZ軸方向のスキャン動作に関する説明図であり、レンズ間距離Rd1が短い場合が示されている。 ビームエキスパンダ11を用いたZ軸方向のスキャン動作に関する説明図であり、レンズ間距離Rd1が長い場合が示されている。 レーザ加工装置100の光学系を示した斜視図である。 レーザ加工装置100の光学系を図8とは逆方向から見た斜視図である。 レーザ加工装置100の光学系の集光レンズ13の光軸を含む切断面による断面図である。 ディスタンスポインタの一例を示した図である。 XY軸スキャンと焦点距離との関係を示した説明図であり、Z軸を含む面内におけるレーザ光の光路の一例が模式的に描かれている。 加工面WS上の異なる位置における印字状態の一例が示されている。 ワークの表面形状に応じてレーザ光の焦点位置を調整する様子を示した説明図である。 加工領域内の位置に応じて焦点位置が変化する様子を示した説明図である。 レーザ加工装置のマーキングヘッド110を設置する際の様子を示した図である。 設置位置補正処理についての説明図であり、レーザ加工装置100の基準面BSと、ワークWの加工面WSが一致していない場合の一例が示されている。 設置位置補正のためのパラメータ(Z軸オフセット△Z)を示した図である。 設置位置補正のためのパラメータ(X軸回転角△θx)を示した図である。 設置位置補正のためのパラメータ(Y軸回転角△θy)を示した図である。 設置位置補正のためのパラメータ(X軸オフセット△X、Y軸オフセット△Y、Z軸回転角△θz)を示した図である。 3次元印字可能なレーザマーカのシステム構成例を示した図である。 レーザ加工条件設定装置130の要部について一構成例を示した図である。 サンプル印字についての説明図である。 サンプル印字結果の一例を示した図である。 レーザ加工条件設定装置130のディスプレイ上に表示される機器設定ダイアログ300を示した図である。 設置位置調整ダイアログ320の一例を示した図である。 視点移動手段324を用いてXY平面を指定した状態が示されている。 視点移動手段324を用いてYZ平面を指定した状態が示されている。 視点移動手段324を用いてZX平面を指定した状態が示されている。 焦点距離調整タブ330の一例を示した図である。 ディスタンスポインタ設定ダイアログ400の一例を示した図である。 ディスタンスポインタ設定後における焦点距離調整タブ330の状態が示されている。 調整値入力モード及び基準軸選択が選択された傾き調整タブ340の一例を示した図である。 調整値入力モード及び基準点入力が選択された傾き調整タブ340の一例を示した図である。 サンプル印字モードが選択された傾き調整タブ340の一例を示した図である。 サンプル印字設定ダイアログ430の一例を示した図である。 サンプル印字設定後のダイアログの一例が示されている。 面内位置調整タブ350の一例を示した図である。
符号の説明
1 レーザ出力部
2 レーザ制御部
3 入力部
10 レーザ発振部
11 ビームエキスパンダ
12 走査部
14a X軸スキャナ(ガルバノミラー)
14b Y軸スキャナ(ガルバノミラー)
100 レーザ加工装置
110 マーキングヘッド
120 コントローラ
130 レーザ加工条件設定装置
200 調整量入力部
201 パラメータ入力部
202 焦点距離調整部
203 傾き調整部
204 位置オフセット調整部
210 パラメータ算出部
220 3D表示制御部
230 ディスタンスポインタ制御部
240 サンプル印字制御部
250 ガイド光表示制御部
260 印字パターン生成部
270 座標変換部
300 機器設定ダイアログ
303 設置位置補正欄
304 設定モード選択部
305 ダイアログ起動ボタン
306 パラメータ入力部
320 設置位置調整ダイアログ
321 3D表示部
322〜324 視点移動手段
325 補正結果表示部
330 焦点距離調整タブ
331 点灯指示部
332 ダイアログ起動ボタン
333 加工面距離表示部
340 傾き調整タブ
341 調整方法選択部
342 傾き調整部
350 面内位置調整タブ
351〜353 パラメータ入力部
354 適用ボタン
400 ディスタンスポインタ設定ダイアログ
401 数値指定部
402 スライド手段
410 軸指定方法選択部
411 基準軸選択部
412 基準点入力部
413 調整点指定部
414 調整値入力部
415 調整用スライド手段
416 適用ボタン
421 ダイアログ起動ボタン
422 トリガボタン
423 印字中断ボタン
424 印字モード選択部
425 印字結果入力部
426 パターン選択部
427 焦点距離表示部
428 適用ボタン
430 サンプル印字設定ダイアログ
434 フォーカス調整条件設定部
BO 基準原点
BS 基準面
G ガイド光
G1〜G3 印字領域
GP ガイドパターン
L レーザ光
Ld1,Ld2 焦点距離
P ポインタ光
Pj 調整点
PP ポインタパターン
Pr1,Pr2 基準点
R 基準軸
Rd1,Rd2 レンズ間距離
SP サンプルパターン
W ワーク
WO 加工原点
WS 加工面
△X X軸オフセット
△Y Y軸オフセット
△Z Z軸オフセット
△θx X軸回転角
△θy Y軸回転角
△θz Z軸回転角

Claims (8)

  1. 焦点距離を調整可能なレーザ光を2次元走査させて加工面に照射するレーザ加工装置のためのパラメータを決定するレーザ加工用パラメータ調整装置において、
    上記レーザ加工装置の3次元設置位置を補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定するパラメータ指定手段と、
    上記レーザ加工装置を基準とする2次元走査のための基準面、及び、上記補正演算用パラメータに基づいて求められる加工面を3次元表示する表示手段とを備え、
    上記パラメータ指定手段は、上記基準面に対する上記加工面の傾きを補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定する傾き調整手段からなることを特徴とするレーザ加工用パラメータ調整装置。
  2. 上記傾き調整手段が、
    上記加工面上の基準軸、上記加工面上の調整点、及び、上記調整点における調整量をユーザが指定するユーザ指定手段と、
    上記基準軸を中心として上記加工面を傾けて、上記調整点の高さを上記調整量だけ変動させる補正演算用パラメータを求めるパラメータ算出手段とを有し、
    上記表示手段が、上記基準面及び加工面とともに、上記基準軸及び調整点を3次元表示することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工用パラメータ調整装置。
  3. 上記基準面上の点を中心として、上記表示手段の視点を全方位に変更可能な第1の視点制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工用パラメータ調整装置。
  4. 上記表示手段は、上記基準面及び加工面とともに、上記レーザ加工装置の設置位置を3次元表示することを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工用パラメータ調整装置。
  5. 予め定められた2以上の方位のいずれかをユーザに選択させる方位選択手段と、
    上記表示手段の視点を上記方位選択手段によって選択された方位へ移動させる第2の視点制御手段とを備えたことを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工用パラメータ調整装置。
  6. 上記パラメータ指定手段が、
    上記加工面までの距離をユーザが指定するための距離調整手段と、
    ユーザによって指定された上記加工面までの距離に基づいて、補正演算用パラメータを求めるパラメータ算出手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工用パラメータ調整装置。
  7. 上記パラメータ指定手段が、上記基準面上の位置及び上記加工面の位置を対応づける補正演算用パラメータをユーザが指定するための面内位置調整手段からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工用パラメータ調整装置。
  8. 焦点距離を調整可能なレーザ光を2次元走査させて加工面に照射するレーザ加工装置のためのパラメータを決定するパラメータ調整装置用のコンピュータプログラムであって、
    上記レーザ加工装置の3次元設置位置を補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定するパラメータ指定ステップと、
    上記レーザ加工装置を基準とする2次元走査のための基準面、及び、上記補正演算用パラメータに基づいて求められる加工面を3次元表示する表示ステップとを実行するための手順であって、
    上記パラメータ指定ステップは、上記基準面に対する上記加工面の傾きを補正するための補正演算用パラメータをユーザが指定する傾き調整ステップからなることを特徴とするコンピュータプログラム。
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