JP2008062162A - 洗浄方法および洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】既設の構造物に保持された液体中の洗浄対象を、分解せずに洗浄できるようにする。
【解決手段】既設の原子炉容器5などの構造物に保持された水22に接触する洗浄対象表面である原子炉容器5の内面を洗浄するために、原子炉容器5に超音波6を加えて、原子炉容器を振動させ、洗浄対象表面の近傍にキャビテーション7を発生させる。キャビテーション7が消滅すると、原子炉容器5の内面に衝撃波が到達して、原子炉容器5の内面に付着したクラッド8などの不純物が除去される。
【選択図】図1
【解決手段】既設の原子炉容器5などの構造物に保持された水22に接触する洗浄対象表面である原子炉容器5の内面を洗浄するために、原子炉容器5に超音波6を加えて、原子炉容器を振動させ、洗浄対象表面の近傍にキャビテーション7を発生させる。キャビテーション7が消滅すると、原子炉容器5の内面に衝撃波が到達して、原子炉容器5の内面に付着したクラッド8などの不純物が除去される。
【選択図】図1
Description
本発明は、既設の構造物に保持された液体中の洗浄対象を洗浄する方法および洗浄装置に関する。
軽水炉などの原子力プラントの圧力容器、炉内機器、配管のように冷却水に浸漬する機器構造物においては、表面にクラッドが生じたり、冷却水内の不純物(特に放射性のもの)が付着することがあり、洗浄が必要になる。
特開平5−15860号公報
特開平6−23320号公報
特開平6−296942号公報
近年、超音波を用いた洗浄方法として、洗浄液を満たした洗浄槽に洗浄対象を浸漬し、超音波を照射してキャビテーションを発生させ、このキャビテーションが消滅する際に生じる衝撃波を用いて洗浄する方法が知られるようになった(たとえば特許文献1ないし3参照)。これらの超音波を用いた洗浄方法は、洗浄対象を洗浄槽に入れる必要があり、発電所の機器のように大型のものには適用が困難である。また、取り外しできない機器の洗浄には適用ができない。
したがって、原子力プラントの圧力容器、炉内機器、配管などを洗浄する場合には、圧力容器内に洗浄装置を持ち込んだり、炉内機器や配管内の狭隘部に洗浄装置を挿入したりする必要がある。しかし、洗浄装置を持ち込む作業は、作業員被爆の原因となる可能性がある。また、狭隘部に洗浄装置を挿入する方法は、干渉により周囲の機器構造物の破損を生じるおそれがある。
そこで、本発明は、既設の構造物に保持された液体中の洗浄対象を、分解せずに洗浄できるようにすることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、既設の構造物に保持された液体に接触する洗浄対象表面を洗浄する洗浄方法において、前記洗浄対象表面を備えた洗浄対象物に超音波を加えて、前記洗浄対象物を振動させ、消滅すると前記洗浄対象表面に衝撃波が到達するようなキャビテーションを前記液体中に発生させるキャビテーション発生工程、を有することを特徴とする。
また、本発明は、既設の構造物に保持された液体に接触する洗浄対象表面を洗浄する洗浄方法において、前記洗浄対象表面を備えた洗浄対象物以外の前記液体に接触する物体に超音波を加えて、前記液体中に疎密波を発生させ、消滅すると前記洗浄対象表面に衝撃波が到達するようなキャビテーションを前記液体中に発生させるキャビテーション発生工程、を有することを特徴とする。
また、本発明は、既設の構造物に保持された液体に接触する洗浄対象表面を洗浄する洗浄装置において、前記洗浄対象表面を備えた洗浄対象物に超音波を加えて、前記洗浄対象物を振動させ、消滅すると前記洗浄対象表面に衝撃波が到達するようなキャビテーションを前記液体中に発生させる超音波発生器、を有することを特徴とする。
また、本発明は、既設の構造物に保持された液体に接触する洗浄対象表面を洗浄する洗浄装置において、前記洗浄対象表面を備えた洗浄対象物以外の前記液体に接触する物体に超音波を加えて、前記液体中に疎密波を発生させ、消滅すると前記洗浄対象表面に衝撃波が到達するようなキャビテーションを前記液体中に発生させる超音波発生器、を有することを特徴とする。
本発明によれば、既設の構造物に保持された液体中の洗浄対象を、分解せずに洗浄できる。
本発明に係る洗浄方法の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図2は、本発明に係る第1の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す立断面図である。
図2は、本発明に係る第1の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す立断面図である。
原子炉容器5は、支持スカート21を介してペデスタル部1に取り付けられている。原子炉容器5は、軸が鉛直方向に向いた円筒に、下に開いた半球状部分を有する蓋25をかぶせた形状をしている。原子炉容器5の内側には、軸が鉛直方向に向いた円筒形のシュラウド23が配設されている。原子炉容器5とシュラウドの間にはジェットポンプ24が配設されている。
洗浄装置は、超音波発生器4とアーム部3を有している。アーム部3は、ペデスタル部1に設置されたレール26に沿って移動可能な旋回部2で保持されていて、さらにアーム部3自体の変形によって、超音波発生器4は、原子炉容器5の外面の広い範囲に接触できるようになっている。なお、超音波発生装置を原子炉容器5の外面に接触させることが可能であれば、アーム部3以外の手段を用いてもよい。
ここでは、原子炉容器5に水22が蓄えられた状態で、ジェットポンプ24の近傍で原子炉容器5の内面に付着したクラッド8などの不純物を除去する方法について説明する。
図1は、第1の実施の形態における洗浄対象近傍の拡大立断面図である。
原子炉容器5の外面に接触させた超音波発生器4から、超音波を原子炉容器5に加える。その超音波によって、原子炉容器5の内側に蓄えられた水22には、キャビテーション7が発生する。このキャビテーション7が消滅する際には、衝撃波が生じ、その衝撃波は原子炉容器5の内面に付着したクラッド8などに到達する。この衝撃波によって、クラッド8などは、原子炉容器5の内面から除去される。
このように、原子炉容器5の外面から超音波を加えることによって、既設の原子炉容器に保持された液体中のシュラウド23を、分解せずに洗浄することができる。また、シュラウド23と原子炉容器5の間の狭隘部に洗浄装置を挿入することなく、原子炉容器5の内面を洗浄することができるため、洗浄の際に、このような狭隘部に配設されたジェットポンプ24などの機器を破損するおそれは小さい。また、原子炉容器5の蓋25をはずすことなく、原子炉容器5の内部を洗浄することができる。
なお、原子炉容器5の内面から除去されたクラッド8などを、吸い取り装置(図示せず)によって、原子炉容器5に蓄えられた水22から除去してもよい。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明に係る第2の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す立断面図である。
図3は、本発明に係る第2の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す立断面図である。
本実施の形態の洗浄装置は、第1の実施の形態の洗浄装置に、気泡供給手段9を追加したものである。
本実施の形態では、原子炉容器5の蓋25を取り外した状態で、原子炉容器の上方からキャビテーション7が発生する位置の近傍に気泡供給手段9を挿入する。キャビテーション7が発生する位置に、気泡供給手段9によって気泡10を供給すると、キャビテーション7の発生効率は向上する。これにより、洗浄効率も向上する。
[第3の実施の形態]
図4は、本発明に係る第3の実施の形態における洗浄装置を配管とともに示す側面図である。図5は、図4の要部拡大側断面図である。
図4は、本発明に係る第3の実施の形態における洗浄装置を配管とともに示す側面図である。図5は、図4の要部拡大側断面図である。
ここでは、原子炉容器に接続された給水配管などの配管14の内面に付着したクラッド8などを除去する方法を説明する。
配管14の外面には、洗浄装置が取り付けられている。洗浄装置は、移動装置16の内側に超音波発生器4を有している。移動装置16は、たとえばその内側に、配管14に接する移動用車輪15を備えていて、配管14に沿って移動できるようになっている。また、移動装置16は、配管14の周方向に回転できるようにしてもよい。
配管14に、水供給手段50から水22が供給された状態で、配管14の外面に接触させた超音波発生器4から、超音波を配管14に加える。この超音波によって、配管14の内側を流れる水22には、キャビテーション7が発生する。このキャビテーション7が消滅する際に衝撃波が生じ、その衝撃波は、配管14の内面に付着したクラッド8などに到達する。この衝撃波によって、クラッド8などの不純物は配管14の内面から除去される。
このように、配管14の外面から超音波を加えることによって、既設の配管に保持された液体中の洗浄対象である配管内面を、配管を分解することなく、洗浄することができる。また、配管14の内部に洗浄装置を挿入することなく、配管14の内面を洗浄することができるため、作業が容易である。
なお、配管14の内面から除去されたクラッド8などを、配管14を流れる水22の下流側に設置したフィルタ(図示せず)によって、水22中から除去してもよい。
また、洗浄対象位置よりも上流側に、気泡供給手段9を設置してもよい。気泡供給手段9から供給された気泡10は、水22の流れにともなってキャビテーション7が発生する位置にまで流れていき、キャビテーションの発生効率を向上させる。これにより、洗浄効率も向上する。
[第4の実施の形態]
図6は、本発明に係る第4の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す立断面図である。図7は、第4の実施の形態における洗浄装置を、洗浄対象であるシュラウドとともに示す、図6におけるVII−VII矢視横断面図である。
図6は、本発明に係る第4の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す立断面図である。図7は、第4の実施の形態における洗浄装置を、洗浄対象であるシュラウドとともに示す、図6におけるVII−VII矢視横断面図である。
本実施の形態では、シュラウド23の原子炉容器5に向かう面(外面)を洗浄する方法を説明する。
洗浄装置は、超音波発生器4とアーム部3を有している。本実施の形態では、上部格子板11上に配設された旋回部2に取り付けられたアーム部3によって、超音波発生器4は、シュラウド23の内面の広い範囲に接触できるようになっている。なお、超音波発生装置をシュラウド23の内面に接触させることが可能であれば、アーム部3以外の手段を用いてもよい。
原子炉容器5に水22が蓄えられた状態で、シュラウド23の内面に接触させた超音波発生器4から、超音波をシュラウド23に加えると、この超音波によって、原子炉容器5の内側に蓄えられた水22には、キャビテーション7が発生する。このキャビテーション7が消滅する際には、衝撃波が生じ、その衝撃波はシュラウド23の外面に付着したクラッド8などに到達する。この衝撃波によって、クラッド8などは、シュラウド23の外面から除去される。
このように、シュラウド23の内面から超音波を加えることによって、既設の原子炉容器に保持された液体中のシュラウド23の外面を、分解せずに洗浄することができる。超音波を加える位置は、たとえば第1の実施の形態のように、気中でもよいし、本実施の形態のように、液体中でもよい。また、シュラウド23と原子炉容器5の間の狭隘部に洗浄装置を挿入することなく、シュラウド23の原子炉容器5に向かう面を洗浄することができるため、洗浄の際に、このような狭隘部に配設されたジェットポンプ24などの機器を破損するおそれは小さい。
[第5の実施の形態]
図8は、本発明に係る第5の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す横断面図である。
図8は、本発明に係る第5の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す横断面図である。
本実施の形態は、原子炉容器5の内面を洗浄対象とする。洗浄装置は、2つの超音波発生器4を有している。これらの超音波発生器4は、たとえば第1の実施の形態のアームなどによって原子炉容器5の外面に接触されている。
図8には、原子炉容器5に発生する定在波31も模式的に示している。超音波発生器4は、たとえば、いずれも定在波31の腹17の位置で原子炉容器5に接触している。また、超音波発生器4が発生する超音波は、それぞれが原子炉容器5に生じさせる定在波を互いに強めあうように制御されている。たとえば、図8の状態では、2つの超音波発生器4は、定在波31の隣り合う腹17の位置を加振しているので、これらの超音波発生器4が発生する超音波の位相は180度ずれている。
このように、2つの超音波発生器4が発生する超音波によって原子炉容器5に生じた定在波31は互いに強めあい、キャビテーションの発生効率は向上する。原子炉容器5に生じる定在波31は、予め有限要素法などを用いた振動解析によって求めておくことができる。
また、本実施の形態では、超音波を加える位置だけではなく、定在波31の腹17の位置でも、原子炉容器5は大きく振動するため、キャビテーションが発生しやすい。このため、たとえば図8のように、腹が8つの定在波31を発生させる場合には、超音波発生器41,42を周方向に45度の範囲で移動させて洗浄することにより、原子炉容器5の周方向全体を洗浄することができる。
キャビテーションが発生する位置の水圧が高くなると、キャビテーションを発生させるために必要なエネルギーは大きくなる。したがって、超音波発生器4を一つだけ用いる場合には、たとえば原子炉容器5の下部では、上部に比べて超音波発生器4が発生する超音波のエネルギーを高める必要がある。本実施の形態の洗浄方法では、2つの超音波発生器4が発生する超音波によって生じる定在波31が、互いに強めあうようにするため、それぞれの超音波発生器4が発生する超音波のエネルギーは、超音波発生器4を一つだけ用いる場合に比べて、小さくて済む。
[第6の実施の形態]
図9は、本発明に係る第6の実施の形態における洗浄装置を配管とともに示す側面図である。図10は、第6の実施の形態における洗浄装置を配管とともに示す、図9におけるX−X矢視拡大断面図である。
図9は、本発明に係る第6の実施の形態における洗浄装置を配管とともに示す側面図である。図10は、第6の実施の形態における洗浄装置を配管とともに示す、図9におけるX−X矢視拡大断面図である。
本実施の形態の洗浄装置は、配管14に接触する2つの超音波発生器41,42と、振動検出器28、および、制御器29を有している。超音波発生器41,42および振動検出器28は、配管に接する移動用車輪15を備えた移動装置16により、配管14に沿って移動可能である。この洗浄装置は、第3の実施の形態の洗浄装置に、超音波発生器、振動検出器28および制御器29を追加したものである。
図9には、配管14に発生する定在波31も模式的に示している。第1の超音波発生器41が発生する超音波によって配管14に生じた定在波31は、振動検出器28によって検出される。振動検出器28によって検出された配管14の定在波31の情報は制御器29に伝達され、制御器29は、第2の超音波発生器42が、その定在波31を強めるような超音波を発生するように第2の超音波発生器42を制御する。
また、第2の超音波発生器42は、配管14の周方向に移動可能としてもよい。第2の超音波発生器42を、第1の超音波発生器41が加えた超音波によって生じた定在波31の腹17の部分に移動させることにより、より効果的に定在波31を強めることができる。
このように、2つの超音波発生器41,42が発生する超音波によって配管14に生じた定在波31は、互いに強めあい、キャビテーション7の発生効率は向上する。
[第7の実施の形態]
図11は、本発明に係る第7の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す拡大横断面図である。
図11は、本発明に係る第7の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す拡大横断面図である。
ここでは、原子炉容器5とシュラウド23の間に配設されたジェットポンプ24の洗浄方法を説明する。
本実施の形態の洗浄装置は、2つの超音波発生器4を有している。これらの超音波発生装置4は、原子炉容器5の外面の異なる位置に取り付けられている。
図11には、それぞれの超音波発生器4によって原子炉容器5に加えられた超音波によって、原子炉容器5に貯えられた水22に発生した疎密波30を模式的に示している。なお、水22中には、反射などによっても疎密波が発生するが、図示は省略している。
原子炉容器5に加えられた超音波によって発生した疎密波30は、洗浄対象であるジェットポンプ24の近傍の黒丸●(符号51)で示す位置で強め合って、キャビテーションを発生する。このキャビテーションが消滅する際に生じる衝撃波によって、ジェットポンプ24に付着したクラッド8などが除去される。
このように、既設の原子炉容器に保持された液体中のジェットポンプ24を、分解せずに、洗浄対象を直接加振することなく、洗浄することができる。また、シュラウド23と原子炉容器5の間の狭隘部に洗浄装置を挿入することなく、ジェットポンプ24を洗浄することができるため、洗浄の際に、このような狭隘部に配設されたこれらの機器などを破損するおそれが低減する。
このような洗浄を行うにあたっては、予め、境界要素法や有限要素法などを用いた音響解析によって、超音波発生器4を接触させる位置、および、超音波の位相などを変化させた場合の疎密波30が強めあう位置を評価しておくことが好ましい。この音響解析によって、特定の洗浄対象に対して、超音波発生器4を接触させる適切な原子炉容器5の位置、および、超音波の位相などを求めることができる。
なお、用いる超音波発生器4は、2つに限定されるものではない。
[第8の実施の形態]
図12は、本発明に係る第7の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す横断面図である。
図12は、本発明に係る第7の実施の形態における洗浄装置を原子炉容器とともに示す横断面図である。
ここでは、第7の実施の形態と同様に、原子炉容器5とシュラウド23の間に配設されたジェットポンプ24の洗浄方法を説明する。
第1の超音波発生器41は水22の中に位置し、シュラウド23の内面に接触している。第2の超音波発生器42は、原子炉容器5の外面に接触している。原子炉容器5に水22を貯えた状態で、これらの超音波発生器41,42から超音波を発生させ、シュラウド23の外面と原子炉容器5の内面の間に疎密波30を発生させると、洗浄対象であるジェットポンプ24の近傍の黒丸●(符号51)で示す位置で強め合って、キャビテーションを発生する。このキャビテーションが消滅する際の衝撃波によって、ジェットポンプ24を洗浄することもできる。
洗浄対象は、ジェットポンプ24に限定されるものではなく、超音波発生器4を接触できる構造物から発生する疎密波30が伝わる位置に配置されるものであれば、何でもよく、たとえば、燃料支持金具の洗浄にも適用できる。
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形を採ることができる。たとえば、上述の第1ないし第8の実施の形態の特徴を任意に組み合わせたところの洗浄装置の構成であってもよい。
上述の各実施の形態は、原子力発電プラントを例にして説明したが、超音波によってキャビテーションが発生するような液体を用いているものであれば何にでも適用できる。火力発電プラントや各種製造プラントにおける液体を用いる機器や、ビルの屋上などに設置されている貯水槽、水道の配管などにも適用できる。
また、上述の通り、液体の圧力が高くなると、キャビテーションは発生しにくくなるため、水深が深い海中の機器の除染には、2つ以上の超音波発生器を用いる方法が有効である。
1…ペデスタル部、2…旋回部、3…アーム部、4,41,42…超音波発生器、5…原子炉容器、6…超音波、7…キャビテーション、8…クラッド、9…気泡供給手段、10…気泡、11…上部格子板、14…配管、15…移動用車輪、16…移動装置、17…定在波の腹、21…支持スカート、22…水、23…シュラウド、24…ジェットポンプ、25…蓋、26…レール、28…振動検出器、29…制御器、30…疎密波、31…定在波、50…水供給手段
Claims (15)
- 既設の構造物に保持された液体に接触する洗浄対象表面を洗浄する洗浄方法において、
前記洗浄対象表面を備えた洗浄対象物に超音波を加えて、前記洗浄対象物を振動させ、消滅すると前記洗浄対象表面に衝撃波が到達するようなキャビテーションを前記液体中に発生させるキャビテーション発生工程、
を有することを特徴とする洗浄方法。 - 前記超音波は、前記洗浄対象物に定在波を生じさせることを特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
- 前記超音波は、前記洗浄対象物の2箇所以上から加えられるものであり、
前記超音波によって前記洗浄対象物に生じる定常波が互いに強めあうように、それぞれの超音波を制御する制御工程、を有することを特徴とする請求項2記載の洗浄方法。 - 前記超音波には、少なくとも第1および第2の超音波があって、
前記制御工程は、
第1の超音波によって前記構造物に生じる定在波を、解析によって求める工程と、
前記定在波を強めるように、第2の超音波の加振位置、振動数および位相の少なくとも一つを決定する工程と、
を有することを特徴とする請求項3記載の洗浄方法。 - 前記超音波には、少なくとも第1および第2の超音波があって、
前記制御工程は、
第1の超音波によって前記構造物に生じた定在波を検出する工程と、
前記定在波を強めるように、第2の超音波の加振位置、振動数および位相の少なくとも一つを決定する工程と、
を有することを特徴とする請求項3記載の洗浄方法。 - 前記キャビテーションが発生する位置に気泡を供給する気泡供給工程、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の洗浄方法。 - 既設の構造物に保持された液体に接触する洗浄対象表面を洗浄する洗浄方法において、
前記洗浄対象表面を備えた洗浄対象物以外の前記液体に接触する物体に超音波を加えて、前記液体中に疎密波を発生させ、消滅すると前記洗浄対象表面に衝撃波が到達するようなキャビテーションを前記液体中に発生させるキャビテーション発生工程、
を有することを特徴とする洗浄方法。 - 前記超音波は、前記物体の2箇所以上から加えられるものであり、
前記キャビテーションを発生させる位置で、前記超音波によって前記液体中に生じる疎密波が互いに強めあうように、それぞれの超音波を制御する制御工程、
を有することを特徴とする請求項7記載の洗浄方法。 - 前記制御工程は、
前記物体の2箇所以上から加えられる前記超音波によって前記液体中に生じる疎密波を解析によって求める工程、
を有することを特徴とする請求項8記載の洗浄方法。 - 既設の構造物に保持された液体に接触する洗浄対象表面を洗浄する洗浄装置において、
前記洗浄対象表面を備えた洗浄対象物に超音波を加えて、前記洗浄対象物を振動させ、消滅すると前記洗浄対象表面に衝撃波が到達するようなキャビテーションを前記液体中に発生させる超音波発生器、
を有することを特徴とする洗浄装置。 - 前記超音波発生器には、少なくとも第1および第2の超音波発生器があって、
前記第2の超音波発生器が前記洗浄対象物に加える超音波が、前記第1の超音波発生器によって前記構造物に生じる前記定在波を強めるように、前記第2の超音波発生器を制御する制御器、
を有することを特徴とする請求項10記載の洗浄装置。 - 前記第1の超音波発生器によって前記構造物に生じる定在波を検出する検出器と、
を有することを特徴とする請求項11記載の洗浄装置。 - 前記キャビテーションが発生する位置に、気泡を供給する気泡供給手段をさらに有することを特徴とする請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の洗浄装置。
- 既設の構造物に保持された液体に接触する洗浄対象表面を洗浄する洗浄装置において、
前記洗浄対象表面を備えた洗浄対象物以外の前記液体に接触する物体に超音波を加えて、前記液体中に疎密波を発生させ、消滅すると前記洗浄対象表面に衝撃波が到達するようなキャビテーションを前記液体中に発生させる超音波発生器、
を有することを特徴とする洗浄装置。 - 前記超音波発生器には、少なくとも第1および第2の超音波発生器があって、
前記第2の超音波発生器が前記洗浄対象物に加える超音波が、前記キャビテーションを発生させる位置で、前記第1の超音波発生器によって前記液体中に生じる疎密波を強めるように、前記第2の超音波発生器を制御する制御器、
を有することを特徴とする請求項14記載の洗浄装置。
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