以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態のメダル補給装置1の概略図である。このメダル補給装置1は、スロットマシン等の遊技機2(例えば図3参照)や、その遊技機2の遊技者に遊技媒体(メダル)を貸し出すためのメダル貸機3(図3参照)が多数列設された島(以下、遊技島と記載する)に設けられ、その遊技機2やメダル貸機3にメダルを供給するためのものである。
図1において、メダル補給装置1には、遊技島(図3,9参照)に列設された遊技機2(図3参照)若しくはメダル貸機3(図3参照)或いはその遊技機2やメダル貸機3へメダルを供給するためのメダル補給コンベア41から返却されるメダルを回収するための回収コンベア47が連設される。また、その回収コンベア47を介して回収されるメダルを、メダル収納タンク18に揚送するメダル揚送コンベア48が設けられている。
メダル収納タンク18には、満タンセンサとレベルセンサと不足センサとが設けられ、そのメダル収納タンク18に貯留されているメダル量が検出される。具体的に、満タンセンサとレベルセンサと不足センサとはそれぞれ、接触抵抗の変化により、満杯状態、貯留レベル、不足状態を検出し、その検出データは、メダル補給制御基板100(図2参照)に出力される。そして例えば、貯留されているメダル量が不足していることが不足センサにより検出された場合には、メダル補給要求信号が出力される。
また、メダル収納タンク18の上方には、そのメダル収納タンク18に導かれるメダルを計数すると共に景品交換や精算のための換算計数を行うメダル計数器16が設けられている。さらに、このメダル計数器16の上方には液晶操作表示パネル12が設けられ、更にその近傍にはメダル補給制御基板100とシーケンサとリレー基板とからなるメダル補給制御部(図2参照)を有する主制御部10が設けられている。
メダル計数器16により計数されたメダルは、メダル収納タンク18に収容された後、洗浄ユニットに導かれる。
洗浄ユニットには、洗浄コンベア24と洗浄ローラー22と吸水ローラー20と、洗浄水(図示せず)の貯水量を検出する水位センサ(図示せず)と、洗浄水の貯水量を視認できるようにするための水位レベル透視窓25とが設けられている。水位センサにより貯水量が不足していることが検出されると、その旨を表す洗浄水不足信号がメダル補給制御基板100に出力される。
また、洗浄ローラー22と吸水ローラー20とには、図示はしないが、ローラー回転センサが当接されている。ローラー回転センサは、接触摩擦により回転すると共に、1回転毎にパルス波を出力する。その信号は、メダル補給制御基板100に出力される。パルス波の周期により、洗浄ローラー22若しくは吸水ローラー20の回転速度を検出することができる。
一方、洗浄ユニットのローラー回転センサと水位センサとからそれぞれメダル補給制御基板100に出力される信号に基づいて、液晶操作表示パネル12において洗浄ローラー22と吸水ローラー20とによる洗浄ユニットの動作状態が表示される。例えば、ローラー回転センサから出力される洗浄ローラー22と吸水ローラー20との回転速度に基づき、それぞれ、回転速度の低下等が検出され、汚れの程度や交換の必要性等の情報が液晶操作表示パネル12において表示される。また、例えば、汚染による化学変化、異物、或いは機械的障害等の原因によって、洗浄ローラー22又は吸水ローラー20が停止して、洗浄ユニットにおいてロック状態が発生したことも併せて液晶操作表示パネル12に表示される。
また、洗浄ユニットには、メダル収納タンク18から送られてくるメダルに洗浄水を噴射する洗浄水放射口(図示せず)が設けられている。そして、その洗浄ユニットに送られてきたメダルは、洗浄コンベア24により揚送されると共に洗浄水放射口からの洗浄水が吹き付けられた後、上下一対の洗浄ローラー22と吸水ローラー20との間に送られる。そして、その洗浄ローラー22や吸水ローラー20との間で生じる摩擦力により、洗浄作用を受ける(つまり、洗浄される)。
洗浄されたメダルは、送出機52によりメダル補給リフト42に送出された後、そのメダル補給リフト42により遊技島の上端まで揚送される。そして、メダル補給リフト42により揚送されたメダルは、図示しない振分機を介して、当該遊技島の遊技機2やメダル貸機3にメダルを供給するためのメダル補給コンベア41、若しくは隣接する遊技島にメダルを供給するための中継コンベア(図9参照)に誘導される。
振分機によりメダル補給コンベア41に振り分けられたメダルは、そのメダル補給コンベア41により、メダルの補給を要求する信号であるメダル補給要求信号を出力した遊技機2、或いはメダル貸機3に向かって搬送される。そして、その遊技機2やメダル貸機3に対応して設けられた第二メダル貯留部120(図4参照)に導かれる。
メダル補給リフト42と、メダル補給コンベア41と、メダル揚送コンベア48と、送出機52におけるメダル取込み部分(メダル入口)付近には、前記と同様なローラー回転センサが設けられていて、モータなど各駆動装置の回転速度が検出されるよう構成されている。
このローラー回転センサにより、回転速度の低下若しくはメダル補給リフト42、メダル補給コンベア41、メダル揚送コンベア48、送出機52の駆動停止が検出された場合、この検出信号はメダル補給制御基板100に送信され、メダル補給制御基板100は、メダル補給制御プログラムに基づく処理により、メダル補給リフト42、メダル補給コンベア41、メダル揚送コンベア48、又は送出機52における各駆動装置におけるメダル詰まりなどにより生じたロック状態の発生を検知する。
ロック状態は、メダル詰まりの他、異物のメダル搬送経路への侵入、メダル満杯、ブリッジの発生などを原因として発生する。また、ローラー回転センサからのパルス波が検出されないと、ロック状態が生じたと判定される。
ロック状態であると検出された駆動装置の別、つまり、メダル補給リフト42、メダル補給コンベア41、メダル揚送コンベア48、送出機52のいずれであるかは、ローラー回転センサから出力される検出信号に含まれる識別記号(アドレス)により特定される。これにより、例えばメダル補給リフト42におけるメダル取込み口でのメダル詰まりを原因としてロック状態が生じたことが、液晶操作表示パネル12に表示される。
次に、図2は、主制御部10の構成図である。
図2上方に図示した4CH中継基板110には、遊技機2の外部接続端子200(図4参照)より出力される信号であって、遊技機2のメイン制御基板145(図4参照)で生成されたその遊技機2での遊技結果を表す大当り信号(情報)や入賞(当り)信号(情報)が入力される。
4CH中継基板110に入力される信号には、遊技機2のメダル払出手段より払出されるメダル量(枚数)を表す情報が含まれている。また、4CH中継基板110には、メダル貸機3に設けられたメダル貸出しボタン(図示せず)が遊技者により操作されることにより生成される情報であって、当該メダル貸機3より遊技者に貸し出されたメダルの枚数を表す売上信号(売上金額若しくは貸し出し金額に関するデータ)を入力する信号ラインが設けられている。遊技機2に設けられたメダル投入センサ150が遊技機2へのメダル投入を検出して生成されるIN信号が4CH中継基板110に出力される。
また、第一メダル貯留部140(図4)に付設されたメダル量センサ205からのメダル量信号を入力するための信号ラインと、第二メダル貯留部120(図4)に付設された流量センサ125が検出した第一メダル貯留部140に補給されたメダル量(枚数)に関するメダル量(枚数)信号を入力するための信号ラインとが設けられている。
また、遊技機2或いはメダル貸機3に設けられた図示しない不正検出素子(例えば不正電波、不正磁力、不正扉開放を検出するリレーやフォトカプラなど)により検出された不正信号を入力する信号ラインが設けられている。
また、遊技機2に障害が生じた時に遊技場の管理者を呼び出す呼出ランプ用の信号ラインと、メダル補給コンベア41上のメダルを、当該遊技機2或いはメダル貸機3に付設された第二メダル貯留部120に取込むメダル取込み手段である取込みシャッター115(図4,9参照)を駆動するソレノイド用の信号ラインとが設けられている。尚、4CH中継基板110の各信号ラインには、コネクタ221により脱着可能に構成される通信線を介して信号が入力されるようになっている。
一つの4CH中継基板110には、メダル貸機3と遊技機2とを一組とすると、二組分が接続される。遊技島では、この4CH中継基板110が多数組み列設されており、その4CH中継基板110はそれぞれ、メダル補給制御基板100に通信可能に接続される。
4CH中継基板110には、遊技島に列設される多数のメダル貸機3と遊技機2とを他から識別するアドレスを設定するデップスイッチと、島の前後列を識別するアドレスを設定するロータリースイッチと、メダル補給制御の形態を切換え設定するデップスイッチとが設けられる。
また、4CH中継基板110には、メダル貸機3若しくは遊技機2の電気回路或いはメダル補給制御基板100の電気回路と、その4CH中継基板110との接続の有無や、当該4CH中継基板110に接続された遊技機2若しくはメダル貸機3の第二メダル貯留部120へのメダル補給動作の状態を、点滅若しくは点灯の組合せで表示する複数個のLEDと、が設けられている。また、4CH中継基板110には、当該4CH中継基板110が遊技機2やメダル貸機3若しくはメダル補給制御基板100から取得した信号に基づき当該第二メダル貯留部120へメダルを取込む取込みシャッター115の駆動や前記LEDの点滅、点灯動作を制御するとともに、メダル補給制御基板100との信号処理を司るCPU112とメモリ113,114とを有すマイクロコンピュータ111が設けられている。
4CH中継基板110は、当該遊技島の集中管理場所に設けられたメダル補給制御部のメダル補給制御基板100に通信可能に接続される。尚、メダル補給制御部のメダル補給制御基板100側には、シーケンサと称されるプログラムドコンピュータ、リレー基板などが含まれている。そして、4CH中継基板110は、メダル量センサ205がメダルの不足を検出すると出力するメダル補給要求信号が含まれるメダル補給制御情報を、メダル補給制御基板100と遊技機2もしくはメダル貸機3との間で送受信する為の遊技場島内ネットワーク手段と遊技場内ネットワーク手段とをメダル補給制御基板100とともに備えている。
メダル補給制御部においては、メダル補給制御プログラムが組み込まれている。尚、メダル補給制御プログラムとしては、前述したメダル補給制御基板100が実行する第一のメダル補給制御プログラム(第一のメダル補給制御手段)と、4CH中継基板110が実行する第二のメダル補給制御プログラム(第二のメダル補給制御手段)とがある。そして、4CH中継基板110は、その第二のメダル補給制御プログラムにおける処理を、メダル補給制御基板100が授受する信号とその信号に基づき生成されたデータとにより選定するCPUとメモリとを有するマイクロコンピュータが既述したように搭載される。メダル補給制御プログラムによっては、メダル補給装置1に設けられるコンベア(メダル補給コンベア41、中継コンベア)やリフト(メダル補給リフト42)、遊技機2やメダル貸機3の台数などの構成を設置する遊技場に対応してシステムを設定するシステム設定と、他の遊技島へのメダルの分配を設定するバランス設定と、メダルの補給方法の設定と、メダル補給管理の設定と、メダル補給要求信号の発生時に補給するメダル枚数やメダル補給動作時間の設定と、メダル補給動作を停止する態様の選択設定と、閉店モードの設定と、メダルを強制的に洗浄する強制洗浄の設定とが液晶操作表示パネル12への選択設定によって変換制御される。
メダル補給制御プログラムに基づくメダル補給制御の形態は、既述のデップスイッチによる切換え操作のほか、前記液晶操作表示パネル12の画面切換えと、プログラマブル表示素子を有すタッチパネルである液晶操作表示パネル12へのタッチ操作とデータ入力とによって確定される。
メダルの補給は、当該メダル補給装置1の設けられた遊技島に列設された各メダル貸機3及び各遊技機2へのメダル補給コンベア41とメダル揚送コンベア48とによるメダル搬送装置(メダル搬送手段)により実現される。また、メダル搬送装置(メダル搬送手段)による補給の経路は、メダル貸機3若しくは遊技機2へメダルを循環供給する経路と、当該遊技島に隣接した他の遊技島にメダルを分配して供給する経路との二系統で構成される。
当該遊技島と他の遊技島との間におけるメダルの分配供給は、次のように実現される。各遊技島のメダル補給装置1に設けられたメダル収納タンク18のメダルセンサ(満タン、不足、レベル)がそれぞれのメダル貯留量を検出する。メダルの不足を生じた遊技島へ、メダルに余裕のある他の遊技島からメダルが分配供給される。具体的に、メダルに余裕のある遊技島のメダル補給装置1の処理により、メダル振分装置(ソレノイドのオンオフ動作によりメダルの供給経路を切換える振分機により構成される:メダル振分手段)が制御され、また、メダル不足を生じた遊技島のメダル収納タンク18へ、そのメダルに余裕のある遊技島のメダル収納タンク18よりメダルを搬送することが指定される。そして、遊技島相互間に掛け渡されてメダルを搬送する中継コンベアの正逆回転によって、メダル不足を生じたメダル収納タンク18へメダルに余裕のある他のメダル収納タンク18からメダルの分配を行う構成のほか、メダル収納タンク18のメダル貯留量に比較に係わらず、遊技客の少ない遊技島より遊技客の多い遊技島に向けてメダルの分配を行う構成とし、或いは、メダル払出量(大当り確率)が高く設定された遊技島に向けてメダルを優先して分配する構成としてもよい。
次に、一つの遊技島におけるメダル補給動作の一例について説明する。
遊技島に列設され遊技機2に対応して設けられた第一メダル貯留部140におけるメダル量センサ205においてメダル不足が検出される。
メダル不足の判定には、まず、メダル量センサ205により、メダル有り無しの検出が三度実行される。そして、その三度の検出の内、メダル無しが二度検出された場合に、メダル不足と判定される。
更に検出動作は1msおきに繰り返され、長くても5秒が経過するまでに、メダルの有り無し、即ちメダル不足の判定を確定する。これにより、メダル補給動作の誤動作、つまりメダル不足の誤検出を防止するようにしている(メダル補給要求信号出力確定手段)。
メダル補給要求信号は、原則として設定されたメダル補給時間(10分)が経過してメダル補給コンベア41の回転搬送動作が停止すること、取込みシャッター115に対するソレノイド励磁作用が停止すること、により出力されなくなる。また、メダル補給量が設定枚数(枚数1500枚)に到達することによっても出力されなくなる。また、メダル補給動作の他の実施形態として、10分の補給時間内に1500枚のメダルが補給されることにより完了するようにしてもよい。具体的に、補給時間が10分を超えた場合、あるいは1500枚のメダルの補給が完了した場合に、強制的にメダルの補給を完了するようにしてもよい(メダル補給制御制限手段)。
これによりメダル詰まりを生じたり機械的損傷や物理的劣化を誘発し、或いはその他遊技場経営に不利益を与える障害を防止することができる。
遊技機2若しくはメダル貸機3の第一メダル貯留部140に設けられるメダル量センサ205は、接触センサによるメダルの接触の有無による電気抵抗の変化を検出し、設定された貯留量にメダル量センサ205が接触しなくなったことを検出しメダル不足信号(メダル補給要求信号)を出力する。そして、そのメダル補給要求信号は、4CH中継基板110を介してメダル補給制御基板100に送信される。さらに、そのメダル補給要求信号に基づいて、メダル補給コンベア41、振分機、メダル補給リフト42、洗浄ユニット、送出機52が、この定められた順序に従って駆動するようになっている。
まず、メダルは、メダル補給コンベア41上を、そのメダル補給コンベア41の送出機52(振分機)側から遊技場に列設された遊技機2若しくはメダル貸機3に向けて搬送される。尚、メダル補給コンベア41は、原則として予め設定された時間駆動する。そして、その予め設定された時間駆動した後、動作を停止する。また、駆動時間の設定については、後述する。
次に、4CH中継基板110のデップスイッチにより設定された識別記号(アドレス)により特定される遊技機2若しくはメダル貸機3の第二メダル貯留部120であって、メダル補給要求信号を出力した遊技機2若しくはメダル貸機3に対応して設けられている第二メダル貯留部120にメダルを取り込むための取込みシャッター115(メダル取込み手段)が、メダルの取込み動作をする。
次に、そのメダルの取込み対象の第二メダル貯留部120に設けられた流量センサ125により、第二メダル貯留部120に取込まれるメダル量が検出される。
ここで、流量センサ125は、衝撃によって圧電素子に発生する電圧波形を出力する。つまり、この流量センサ125は、取込みシャッター115により第二メダル貯留部120に取込まれるメダル量を示す信号を出力するように構成されている。
そして、取り込まれたメダル量を示す信号は、振幅の変化するアナログ波形であり、このアナログ波形が整形されてパルス波が形成され、そのパルス波数により、当該第二メダル貯留部120へ取り込まれたメダル量が計数されるようになっている。具体的に、メダル量を示す信号は、4CH中継基板110、メダル補給制御基板100に出力され、その4CH中継基板110、メダル補給制御基板100にて、信号に基づき取り込まれたメダル量が演算処理される。
流量センサ125は、メダル50枚で1カウントする(1パルス発生する)ように構成されている。
一方、メダル量センサ205からの信号に基づき、第一メダル貯留部140に貯留されたメダルが設定された量に到達したか否かが4CH中継基板110、メダル補給制御基板100にて判定される。つまり、第一メダル貯留部140に貯留されたメダルの貯留レベル、即ち蓄積量を判定することもできる。
流量センサ125からの信号により、第二メダル貯留部120に取込まれるメダル枚数(おおよその枚数である)は、第一メダル貯留部140に取り込まれるメダル枚数(メダル量センサ205からの信号に基づき検出される)よりも早く計数される。
ここで、メダル補給コンベア41が駆動する時間の設定に関して説明する。メダル補給コンベア41の駆動する時間は、(遊技島に列設され、補給要求した今回の補給対象番号N−遊技島に列設され、補給要求した前回の補給対象番号M)×A+Bなる計算式を記憶したメダル補給制御基板100の制御部(制御手段)からその計算式を読み出して演算し、駆動時間の最大値を設定する最大補給時間設定部(最大補給時間設定手段)により設定される。
ここでAについて、遊技島の両側に遊技機2若しくはメダル貸機3が設けられる場合は「1」、遊技島の片側に遊技機2若しくはメダル貸機3が設けられる場合は「0.5」の値が設定される。
Bは、遊技機2については「60」秒、メダル貸機3については「40」秒とする値が設定される。遊技機2とメダル貸機3との動作時間の相違は、メダル貸機3と遊技機2においてメダルの払出動作時に必要とするメダルの払出量即ちメダル貸機3若しくは遊技機2におけるメダル貯留部に設定されたメダル容量の差によるものである。
尚、補給対象番号は、送出機52に近いほどに少ない値になるように設定されている。
メダル補給コンベア41、メダル補給リフト42、メダル揚送コンベア48等(メダル補給駆動装置)に設けられる搬送ベルト、駆動モータ等(駆動装置)が駆動する駆動時間について、次のように設定される。送出機52(振分機)からみて遊技島のより遠方にある第二メダル貯留部120へメダルを補給するためのメダル補給駆動装置の駆動時間は長く、送出機52(振分機)のより近くにあるメダル貯留部へメダルを補給するためのメダル補給駆動装置の駆動時間は短くなるよう設定されている。駆動電力の浪費を防ぎ省電力化を図ることができる。
流量センサ125によって所定量のメダルが第二メダル貯留部120へ取込まれる(メダル量センサ205がメダル有りの判定をし、所定時間(メダル取込み時間)が経過する)と、前記した一連のメダル補給駆動装置による補給動作は終了する。メダル補給駆動装置の停止の順序は振分機、送出機52、洗浄ユニット、メダル補給リフト42、メダル補給コンベア41の順に定められている。
メダルの補給形態には、遊技機2とメダル貸機3とのそれぞれに独立して取込みシャッター115と第二メダル貯留部120とを設けることの他、遊技機2とメダル貸機3とで一つの取込みシャッター115と一つの第二メダル貯留部120を共用する構成としてもよい。
ここで、図4においては、それぞれ独立して設ける構成となっている。一方、図9の最下段に示す遊技島は、第二メダル貯留部120を共用する構成となっている。
メダルの第二メダル貯留部120への取込み機構としては、図9で示したメダル補給コンベア41上を搬送されるメダルの進行経路を取込みシャッター115により全て遮断し、一つの第二メダル貯留部120に対するメダルの供給を行う構成となっている。
当該取込みシャッター115を半開状態としてメダル補給コンベア41により搬送されるメダルの一部に作用して、他は取込み作用することなく次の第二メダル貯留部120への移動を許容させる構成としてもよい。この場合はメダル補給コンベア41を一端縁側へ傾斜させ、メダル補給コンベア41上におけるメダルの移動量に従い、メダルの自重によりコンベア一側縁へ偏心移動していく構造とする。このようにすれば補給されるメダルの一群は分離されて、一つのメダル搬送動作により複数のメダル貯留部へのメダルの補給を行うことが可能となる。
また、メダルの補給元に近い側に位置する取込みシャッター115の旋廻範囲(メダル取り込み範囲)が狭くなるものと、メダルの補給元に遠い側で取込みシャッター115の旋廻範囲(メダル取り込み範囲)を広くするものとする取込み範囲の異なる取込みシャッター115を、一のメダル補給対象(メダル貯留部)に設け、取込み範囲の狭いシャツターの部分が動作する取込みシャッター115でメダル補給元に近い補給対象へのメダルの補給と、メダルを取込み範囲の広いシャッターの部分が動作する取込みシャッター115でメダル補給元に遠い補給対象へのメダル補給とが、同時に、複数のメダル補給対象へのメダルの補給を行うことを可能とする構成となる。後述の分散補給制御手段は時間を異にして順次異なる補給対象にメダル供給するものであるので、複数補給対象同時期補給手段と定義し、同時刻に複数のメダル補給対象への補給を行うことができる上記傾斜面を有す搬送路を構成したものや、前記メダル取込み範囲が変換する取込みシャッター115を有する構成などこれらを、複数補給対象同時補給手段と定義することができる。
尚、メダル補給要求信号の発生に基づいて複数の第二メダル貯留部120へのメダル供給時において、異常時に異常停止ボタン(リセットボタン)が操作されることにより、異常の検出された第二メダル貯留部120へのメダルの補給を停止する一方、メダル補給要求信号を出力している他の第二メダル貯留部120へのメダル補給動作は継続するようにするのが好ましい。
また、メダル詰まりなどによりメダルの補給異常が発生したことが、ローラー回転センサなどからの信号に基づき、3回以上メダル補給制御基板100において検出されると、メダル補給対象とされた第二メダル貯留部120へのメダルの補給が全ての取込みシャッター115におけるメダル解放動作とメダル補給コンベア41の停止を含んで全て停止されると共に、全てのメダル補給装置1即ちメダル補給コンベア41、メダル補給リフト42、送出機52、洗浄ユニットなどのメダル補給駆動装置の駆動が停止される。
これらメダル補給装置1がメダルの補給を停止する場合には、メダル補給コンベア41に残留するメダルをメダル補給コンベア41から取り除き、メダル補給リフト42に残留するメダルが取り除かれるまで、メダルの搬送と揚送とを継続した後停止するメダル除去機構(メダル除去手段)を設ける構成とするのが好ましい。
この様にすればメダルの搬送経路上に残留したメダルが不正に抜き取られたり、残留メダルによりメダルの補給起動時に過負荷が加わりメダル補給装置1が故障したり、そのメダル補給装置1の寿命が短くなるといった不具合がともに解消できる。
尚、ここで、図19のS0200からS0225の処理はメダルクリア処理手段と定義することができ、S0230及びS0235の処理はシャッタクリア処理手段と定義することができ、S0240及びS0245の処理はリフトクリア処理手段と定義することができる。また、図19のS0250及びS0255の処理はコンベアクリア処理手段と定義することができ、これらメダルクリア処理手段、シャッタクリア処理手段及びコンベアクリア処理手段を合わせたものをメダル除去処理手段と定義することができる。
また、メダル補給装置1においては、メダル補給リフト42上のメダルを取り除く時間、メダル補給リフト42を駆動するメダル補給リフタクリア時間と、メダル補給コンベア41上のメダルを取り除く時間、メダル補給コンベア41を駆動するメダル補給コンベア41クリア時間とを設定するメダル補給駆動時間遅延機構(メダル補給駆動時間遅延手段)を有する構成とするのが好ましい。
また、メダル補給装置1は、メダル取込み用の取込みシャッター115を駆動した後、一定時間を経過しても設定されたメダル枚数の計数が完了されない場合(流量センサ125によるメダル通過判定、メダル量センサ205による貯留レベル検出、メダル払出手段の動作データ、払出センサ215からのメダル枚数計数、4CH中継基板110に設けられたマイクロコンピュータ111、メダル補給制御基板100側第一のメダル補給制御プログラムにおけるメダル枚数演算ステップなど何れの構成に基づく計数の完了判定でもよい)は、不正と判定するメダル不正補給判定機構(メダル不正補給判定手段)を有している。
この実施形態におけるメダル不正補給判定機構によりメダルの不正補給が判定された場合には、メダル補給動作が停止されると共に、不正補給が発生した旨がメダル補給制御部に設けられた液晶操作表示パネル12に表示される。
メダル補給装置1は、メダル詰まりなどを原因として当該メダル補給装置1においてロック状態が発生したと判定された時に、補給対象となっている第二メダル貯留部120のメダル枚数を記憶装置に一時退避させるメダル補給枚数転送機構(メダル補給枚数転送手段)を有する。後述するメダル補給制御バックアップ手段111,116によって実行されるメダル補給枚数データの転送は、メダル補給制御をリセット処理する場合に実行され、当該メダル補給枚数転送手段によるメダル枚数の待避と読出しは、メダル補給制御のリセット処理に係わりなく実行することができる。
メダル補給装置1におけるロック状態が、故障修理、メダルの取り除き作業などの復旧処理により解除された場合には、液晶操作表示パネル12へのリセット操作によりメダル補給装置1の動作が再開され、記憶装置に一時退避されたメダル枚数のデータが読み出され、読み出されたメダル枚数に基づいて、メダル補給装置1によるメダル補給動作が継続実施される。
次に、遊技場における異常なメダル補給動作(不正なメダルの抜き取り行為を含む)を有効に阻止するメダル補給制御機能(メダル補給制御手段)が設けられた制御形態について説明する。
この制御形態においては、第一メダル貯留部140に設けられたメダル量センサ205によりメダルの不足が検出されることにより、メダル補給要求信号が外部接続端子200から出力されると共に、4CH中継基板110を介してメダル補給制御基板100に入力される。その後、メダル補給制御基板100を有すメダル補給制御部に組み込まれたメダル補給制御プログラムが実行されることにより、メダル補給駆動装置が起動される。少なくとも、送出機52とメダル補給リフト42と振分機とメダル補給コンベア41と、当該メダル補給要求信号を出力した4CH中継基板110に接続された取込みシャッター115とが駆動する。一方、メダル不足が発生した第一メダル貯留部140に、常に、メダル補給要求信号に応じたメダルが供給されるわけではない。
即ち、メダル補給制御プラグラムによれば、第一メダル貯留部140におけるメダルの不足が検出された後、メダルの不足理由が正当なものであることが判明した場合にのみ、メダル補給要求信号を出力した第一メダル貯留部140に対してメダルを供給する(メダル補給判定手段)メダル補給演算処理が実行される。
詳しくは、遊技機2に設けられた第一メダル貯留部140でメダル不足がメダル量センサ205により検出され、遊技機2の外部接続端子200と遊技島に設置された4CH中継基板110とを介してメダル補給制御基板100にメダル補給要求信号が入力されたことが、メダル補給制御部により判定されると、そのメダル補給制御部において、遊技機2のメイン制御基板145からの大当り信号が、外部接続端子200及び4CH中継基板110を介してメダル補給制御基板100に入力されているか否かが判定される。
メダル補給制御部において、遊技機2の大当り信号が入力されていない(遊技機2において大当たりが成立していない)と判定された場合には、メダル補給駆動装置の駆動が禁止される。
なお、大当たり信号や入賞信号の外部接続端子200より4CH中継基板110を介したメダル補給制御基板100への入力系統については、遊技機2に設けられた外部接続端子200に直接接続するものとせず、遊技島(島幕板)に各遊技機2に対応して設けられる遊技データ表示装置などの端末装置に、脱着可能に接続する通信系統を設ける構成としても良い。このようにすれば遊技場の新装開店に伴って交換される遊技機2の機種に係わりなく通信系統が維持でき、通信系統を配線し直す不具合も解消することができる。
一方、遊技機2の大当り信号が入力された(遊技機2において大当たりが成立している)と判定された場合には、メダル補給駆動装置を駆動してメダル補給要求信号を出力した遊技機2に対応する第二メダル貯留部120に向けて、送出機52とメダル補給リフト42と振分機とメダル補給コンベア41とその第二メダル貯留部120に対応する取込みシャッター115とを駆動して、メダルの補給を実行する。
また同様にして、遊技機2に設けられた第一メダル貯留部140でメダル不足がメダル量センサ205からの信号に基づき検出され、外部接続端子200と4CH中継基板110とを介してメダル補給制御基板100にメダル補給要求信号が入力されたことをメダル補給制御部が判定すると、続いて、メダル補給制御部は、遊技機2のメイン制御基板145からの入賞(当り)信号が外部接続端子200及び4CH中継基板110を介してメダル補給制御基板100に入力されているか否かを判定する。
メダル補給制御部が遊技機2の入賞信号が入力されていない(遊技機2において入賞が成立していない)と判定した場合には、メダル補給駆動装置の駆動は禁止される。
一方、メダル補給制御部は、入賞信号が入力された(遊技機2において入賞が成立している)と判定すると、メダル補給駆動装置を駆動してメダル補給要求信号を出力した遊技機2に対応する第二メダル貯留部120に向けて、送出機52とメダル補給リフト42と振分機とメダル補給コンベア41とその第二メダル貯留部120に対応する取込みシャッター115とを起動して、メダルの補給を実行する。
この場合、入賞の発生に対応して遊技機2より遊技者に払出されるメダル数は予め設定されているものである。そして、メダル補給制御部は、入賞の数と入賞の成立に対応して払出されたメダル枚数とを演算する。その結果、入賞回数以上の枚数のメダルが遊技機2より払出されことが、メダル払出手段に付設された払出センサの検出結果に基づいて計数されると共に、さらに、第一メダル貯留部140においてメダル不足が生じたことがそのメダル補給制御部により検出されると、メダル補給制御部は、メダルの補給を禁止する。
一方、入賞に対応した枚数のメダルが遊技機2のメダル払出手段により払出されてメダル不足が生じ、メダル補給要求信号が出力されたものであるとメダル補給制御部が判定した場合には、そのメダル補給制御部は、メダル補給要求信号を出力した遊技機2のメダル貯留部へのメダルの補給を実行する。
同様に、メダル補給制御基板100が、既述した大当り信号を伴うメダル補給要求信号を受信した場合であっても、遊技機2における大当たり発生回数と、大当たりの成立に基づくメダル補給要求回数とが、予め設定した大当り回数に一致しないものとメダル補給制御部が判定した場合には、当該メダル補給要求信号を出力した遊技機2へのメダルの供給を禁止する。一方、大当たりの成立に基づくメダル補給要求回数が、予め設定したメダル補給回数内であるとメダル補給制御部が判定した場合には、そのメダル補給制御部は、当該メダル補給要求信号を出力した遊技機2に設けられた第二メダル貯留部120へのメダルの補給を実行する。
次に、メダル貸機3の第一メダル貯留部140に設けられたメダル量センサ205がメダル不足を検出した場合には、メダル補給要求信号が外部接続端子200と4CH中継基板110を介してメダル補給制御基板100に入力される。
メダル貸機3の紙幣投入口(有価媒体投入口)より投入された紙幣(有価媒体)の金額に応じたメダルの枚数(売上金額、貸出金額)分の売上パルスが、当該メダル貸機3より4CH中継基板110を介してメダル補給制御基板100に入力されていないとメダル補給制御部が判定すると、メダル補給制御部は、当該メダル貸機3の第二メダル貯留部120に向けたメダルの補給動作を禁止する。
一方、投入された紙幣(有価媒体)の金額に応じたメダルの枚数(売上金額、貸出金額)分の売上パルスが、当該メダル貸機3より4CH中継基板110を介してメダル補給制御基板100に入力されたとメダル補給制御部が判定した場合には、メダル補給制御部は、当該メダル貸機3の第二メダル貯留部120へのメダルの補給動作を実行させる。
なお、メダル補給制御基板100側で主として制御されるメダル補給コンベア41は、メダル要求信号の出力に係わりなくメダルの補給を継続して行い、メダル補給要求信号を出力する当該メダル量センサ205が設けられる第一メダル貯留部140に連係される第二メダル貯留部120に対設させる取込みシャッター115のみを、メダル補給要求信号の出力時に対応して起動する構成としてもよく、或いはメダル補給コンベア41と当該取込みシャッター115とを共に、メダル補給要求信号出力に応じて間欠的に起動する構成としてもよい。
メダルの補給動作が一旦禁止されると、その後、補給対象への補給動作が実行されないように構成してもよい。この場合、このような処理が実現されるプログラムを、メダル補給制御プログラムに組み込むようにすればよい。
尚、ここで、入賞に対応して出力されるメダルの払出信号をOUT信号と定義する。メダル貸機3にあっては貸し出し要求によって払い出されるメダルの払出し信号をOUT信号とする。また、遊技機2に貨幣やプリペイカード若しくはICカード、ICコインなどのメダルに換算可能な有価媒体が投入された際に出力される投入信号や、遊技機2に直接メダルが投入された際に出力される投入信号をIN信号として定義付ける。
メダル補給要求信号と取込みシャッター115とメダル補給コンベア41とにおける制御タイミングは、図10(A)の通りである。図10(B)には、補給についての異常が発生した場合のタイミングチャートを示す。
以上説明した実施形態の記載に基づき、メダル貸機3におけるメダルの貸出動作が判定された場合若しくは遊技機2における大当り動作が判定された場合と大当りを含む入賞の成立に対応したメダルの払出し動作が判定された場合の何れかにおいてメダル量センサ205からのメダル要求信号の出力に対応しメダル補給装置1によるメダルの補給動作を許容する遊技場におけるメダル補給制御制限手段(220,145,215,205,115,111)、を発明の構成とすることができる。
この構成によって、メダル補給装置1に設定される補給許可条件が厳しく限定され、多様な外部状況によって生じるメダル補給装置1の脆弱性を、補強することができる効果を生じる。
また、前記メダルの貸出動作の判定が、売上金額を示す売上パルス数を確認して判定するものであることを特徴とするメダル補給制御制限手段(111)と、前記大当り動作の判定が、遊技機2のメイン制御基板145で生成される大当り信号を確認して判定するものであることを特徴とするメダル補給制御制限手段(111)と、前記入賞の成立に対応したメダルの払出し動作の判定が、遊技機2のメイン制御基板145で生成される入賞信号若しくは及び払出し手段に基づく払出し信号を確認して判定するものであることを特徴とするメダル補給制御制限手段(111)として限定した構成を発明に加えることができる。更に、前記売上パルス数を切換え設定可能とする設定売上切換え操作手段を設け、該設定売上切換え操作手段は実施例に記載した液晶操作表示パネル12とすることかできる。また、前記大当り動作の回数を選択して切換え設定する大当り回数切換え操作手段を設け、大当り回数切換え操作手段を液晶操作表示パネル12とすることができる。また更に、前記した設定される払出し信号の判定を、払出されるメダル枚数を選択して切換え可能とする操作手段を設け、この操作手段を液晶操作表示パネル12とすることもできる。なお、メダル補給制御制限手段は少なくとも取込みシャッター115を連繋する4CH中継基板110側で構成し、前記した各操作手段はメダル補給制御基板100に設ける構成とするものとしてもよい。
次に、いくつかの異常なメダル補給及び払出し態様の判別形態を説明する。
図31(A)は、遊技の進行により入賞の発生やメダルの投入に基づき算出されるメダル量よりも、メダル量センサ205により検出される実際のメダル量が少ない場合、その差分(網掛け図示部分)は、不正に抜き取られたことが考えられ、この場合不正と判定する。
また、図31(B)は、メダルの補給中の場合である。メダルの補給中において、IN信号に基づき算出されるメダル量が、実際のメダル量よりも多い場合、メダルの補給が異常、例えば、なんらかの不正な信号が外部から入力されていることが考えられ、不正が判別される(斜線図示部分)。
図31(A),(B)で表わした実施形態に関して説明する。
当該図に関する第一の実施形態において、正常なメダルの払出しが行われて第一メダル貯留部140におけるメダル量が減少するとメダル量センサ205がこれを検出してメダル補給要求信号が出力されて、メダル量センサ205がメダル検出するまでメダルを補給する。
この状態において、不正な行為によりメダルが抜き取られると、第一メダル貯留部140で貯留された事実上のメダル量は、正常な状態におけるメダル量より少なくなってメダル不足による異常信号を出力することができる共に、メダル不足で遊技機2は異常停止する。
当該遊技機2の異常なメダル不足に基づく異常停止若しくは及び異常表示により不正なメダル抜き取り行為を判別することができる。
当該図に関する第二の実施形態において、IN信号に基づきマイクロコンピュータ111で演算記憶したメダル量が、メダル量センサ205から検出する実際のメダル貯留量より多いと第二メダル補給制御プログラムが不正を判定することができる。さらに、IN信号に基づきマイクロコンピュータ111で演算記憶されたメダル量が、メダル量センサ205が検出した実際のメダル貯留量より多い状態が更に増幅されたと第二メダル補給制御プログラムの判定により不正の持続が判別される。
また、メダル量センサ205に基づくメダルの増加が検出されない場合に、IN信号の入力が異常に増加した場合には、第二メダル補給制御プログラムは不正を判定することができる。
第三の実施形態において、正規のメダル払出でOUT信号を伴うメダル払出手段によるメダル減少が確認された場合には、第二メダル補給制御プログラムは該当する箇所の取込みシャッター115を起動してメダル補給を実行する。
以上の実施形態において、第二メダル補給制御プログラムによる制御に連係して、外部よりの不正なIN信号がメダル投入センサ150や外部接続端子200若しくはコネクタ221などから4CH中継基板110に向かう信号線上や端子より侵入され、或いは第一メダル貯留部140におけるメダルの不正な抜き取り行為により、真正な若しくは不正なメダル量と、第一メダル貯留部140に貯留された事実上のメダル量が対応しないことを判別する構成として、メダル量センサ205を基本とする構成として遊技機2をメダル不足により停止し、4CH中継基板110がメダル補給制御基板100に異常信号を出力することにより不正行為の判別が行え、異常なメダルの補給が開始されないようにすることが可能となる。
以上実施形態に記載した技術手段から、メダルの貸出若しくはメダル遊技の進行に伴ってメダル貯留部より真正に減少するべきメダル量に対して、メダル抜き取りによりメダル貸機3若しくは遊技機2から減少して不正となり、実際に貯留されているメダル量が少なくなった結果、真正な時期より早くメダル量センサ205がメダル要求信号を出力した場合に、メダル補給異常信号を出力するメダル補給異常信号出力回路(111)が設けられたメダル補給装置1に関する発明を構成することができ、また、メダル遊技の進行に伴って真正に減少したメダル貯留データより、不正なメダル投入信号(IN信号)により遊技機2のメダル貯留部で実際に貯留されているメダル量よりIN信号に基づくメダル貯留データが多いものと判定した場合には、不正判定信号を報知手段若しくは監視手段に出力するメダル投入不正判定信号出力回路(111)が設けられたことを特徴とするメダル補給装置1を構成することもできる。
この他の実施形態として、外部接続端子200若しくはコネクタ221より入力されたOUT信号の計数が設定された所定数以上なったと4CH中継基板110のマイクロコンピュータ111が判定した場合には、取込みシャッター115による補給動作を駆動する構成。外部接続端子200若しくはコネクタ221より入力されたOUT信号からIN信号を減算した値が設定された数以上プラスと4CH中継基板110のマイクロコンピュータ111が判定した場合は、取込みシャッター115による補給動作を駆動する構成。外部接続端子200若しくはコネクタ221より入力されたOUT信号からIN信号を減算した値が設定した数以上マイナスと4CH中継基板110のマイクロコンピュータ111が判定した場合には、4CH中継基板110がメダル補給制御基板100に異常信号を出力して液晶操作表示パネル12や遊技場島に設けられた図示しない警報ランプなどの表示手段で不正の発生を報知する構成を、メダル補給装置1に設けるものとしてもよい。
以上、不正なメダル抜き取りや、不正なIN信号によって異常なメダル補給が実行されようとしメダルの払出しが行われようとする場合にも、メダル量センサ205からの信号を基準として、メダルの補給を制限することができ、効率的で適正な遊技場のメダル補給装置1におけるメダルの補給管理が実現できる効果を生じる。
ところで、これらの実施形態においては、第一メダル貯留部140に貯留されるメダル量のデータ(以下、貯留メダルレベルデータという)が、4CH中継基板110に搭載されたマイクロコンピュータのメモリに記憶されるようになっていると共に、そのメモリに記憶された貯留メダルレベルデータは、初期化されるようにもなっている。この点について、以下説明する。
まず、図32に示すように、4CH中継基板110と遊技機2及びメダル貸機3との通信は、コネクタ221により、接続/非接続が可能なように構成されている。
また、4CH中継基板110は、CPU112と、ROM113と、RAM114とを有する周知のマイクロコンピュータ111を備えている。
次に、図33(A),(B)は4CH中継基板110の構成の一部を表す構成図である。ここで、図33(A)示すように、4CH中継基板110は、リセット回路116も備えている。
このリセット回路116は、外部から、電源の投入/遮断の信号や、リセット信号が入力されると、その入力された信号に基づき、マイクロコンピュータ111に貯留メダルレベルデータを初期化するためのリセット信号を出力するようになっている。尚、リセット信号は、コネクタ221が着脱された場合や、図示しないリセットスイッチが操作された場合に、リセット回路116に入力されるようになっている。
また、マイクロコンピュータ111は、第1〜第4ポートを備えている。マイクロコンピュータ111は、第1ポート(出力ポート)から、取込みシャッター115(図4参照)を駆動させるための信号を出力する。また、第2ポート(入力ポート)には、メダル量センサ205(図4参照)からの信号が入力され、第3ポート(入力ポート)には、流量センサ125(図4参照)からの信号が入力される。
次に、図33(B)は、リセット回路116の機能を説明する説明図である。リセット回路116は、例えば、コネクタ221と、抵抗R1,R2,R3、R4及びコンデンサC1とを有している。また、コネクタ221とマイクロコンピュータ111との間の回路には、5Vの電圧が印加されるようになっている。ここで、抵抗R1は10kオームであり、抵抗R2は10kオームであり、抵抗R3は100オームであり、抵抗R4は10kオームである。また、コンデンサC1は0.01μFである。
コネクタ221が接続された状態では、5Vの電圧を分圧した2.6Vの電圧が、図示しないA/D変換器によりA/D変換される。そして、その変換後の信号が、マイクロコンピュータ111に入力される。
一方、コネクタ221が接続されていない状態では、5Vの電圧がA/D変換される。そして、その変換後の信号が、マイクロコンピュータ111に入力される。マイクロコンピュータ111は、2.6Vの電圧をA/D変換した信号が入力されると、コネクタ221が接続されていると判定し、5Vの電圧をA/D変換した信号が入力されると、コネクタ221が接続されていないと判定する。
次に、マイクロコンピュータ111は、図34の処理を実行する。図34は、貯留メダルレベルデータを初期化する処理の流れを表すフローチャートである。
まず、S4105では、コネクタ221が接続されているか否かを判定する。
そして、この場合、コネクタ221が接続されていると判定する(S4115)。
次に、S4120では、マイクロコンピュータ111がメダル補給制御に係わる初期化処理を行う。
続くS4125では、メダル要求があるか否か、つまり、メダル量センサ205から、メダルを要求する信号が入力されたか否かを判定する。
メダル要求があると判定すると、S4130へ移行し、ここでは、メダルの補給時間を10秒に設定する。
次に、S4135では、取込みシャッター115を駆動させる。これにより、メダルが所定の第二メダル貯留部120、第一メダル貯留部140に取り込まれる。そして、その後、再びS4125へ戻る。S4125において、メダル要求がないと判定した場合には、そのまま当該処理を終了する。
一方、S4105において、コネクタ221が接続されていない場合には、その後、当該処理を終了する。
また、マイクロコンピュータ111は、図35の処理を実行する。図35は、マイクロコンピュータ111の初期化処理、及びデータのバックアップ処理の流れを表すフローチャートである。
この処理では、まず、S4205にて、コネクタ221の着脱動作があるか否かを判定する。コネクタ221の着脱動作がないと判定すると、再びこのS4205の判定処理を繰り返す。
一方、S4205にて、コネクタ221の着脱があると判定すると、S4210へ移行し、貯留メダルレベルデータのバックアップの為の割り込み制御を実行して、貯留メダルレベルデータを、所定のバックアップ領域に記憶させる。
次に、S4215へ移行し、コネクタ221の着脱の判定を行う。コネクタ221が装着されたと判定すると、S4220へ移行し、バックアップ領域に記憶した貯留メダルレベルデータ消去すると共に、その貯留メダルレベルデータを、所定の実行領域に記憶させる。
次に、S4225では、実行領域に記憶された貯留メダルレベルデータに基づいて、メダルの補給制御を開始する。そしてその後、当該処理を終了する。
また、この実施例においては、コネクタ221の脱着に基づいて初期化のためのリセット信号を形成するものとしているが、4CH中継基板110に搭載するマイクロコンピュータ111の電源リセット、電源遮断、或いはリセットスイッチへの操作に基づきメダル貯留部におけるメダル量を初期化するメダル貯留量初期化手段とするものとしてもよい。
リセット信号の入力されたマイクロコンピュータ111は第2ポートよりメダル量センサ205よりのメダル量データを取得する。メダル量センサ205からメダル要求信号を取得すると、マイクロコンピュータ111は第1ポートを介して取込みシャッター115を駆動する。取込みシャッター115の駆動により当該メダル要求信号を出力した遊技機2にメダルが補給される。メダル貯留部に初期のメダル貯留レベル(充満した状態)までメダルを補給して当該遊技機2におけるメダル補給体制が初期状態として設定される。
以上説明した実施形態の技術手段により、メダル補給制御制限手段が設けられたメダル補給装置1に、初期化手段への初期化処理によりメダル貯留部で貯留するメダル量を予め定められ(充満し)た初期の貯留メダル量にする貯留メダル量初期化手段(221,111)となる発明を構成することができる。
これにより、メダル補給装置1におけるメダルの補給制御が開始される初期の時期にメダル貯留部におけるメダルの貯留量を基準とすべき状態に設定することが可能で、的確かつ適正なメダルの補給制御を開始させることができる効果を生じる。
また、前記初期化手段が電源リセット手段であることを特徴とする構成を限定することができる。更に、前記初期化手段が遊技機2若しくはメダル貸機3と4CH中継基板110とを電気的に脱着可能に接続するコネクタ221であるものと発明の構成を特定することができる。一方、コネクタ221の脱着、リセットスイッチへのリセット操作、電源リセットなど開示したリセット回路116に関する実施形態に記載した発明の構成から、メダル補給制御の中断時においてメダル貯留部140で貯留するメダル貯留データをバックアップ領域(113,114)に格納すると共に、バックアップしたメダル貯留データをメダル補給制御の実行領域(113,114)にリストアして、バックアップデータに基づきメダル補給の中断前におけるメダル貯留量をメダル貯留部140に復元してメダルの補給制御を実行するメダル補給制御バックアップ手段(111,116)を設けたことを特徴とするメダル補給装置1を構成した。
これにより、リセット処理や、イニシャライズによる初期化処理に伴う不必要なメダルの補給制御が実行されて生じる障害を回避することができる効果を生じる。
なお、具体的な一つの実施形態として、例えばメダル量センサ205と取込みシャッター115の駆動若しくは払出し手段の駆動に基づいてのメダル貯留部140におけるメダル貯留量が復元される構成が例示できる。
次に、遊技機2とメダル貸機3とが列設された遊技島における複数箇所より、メダル補給要求信号がメダル補給制御基板100に入力された場合の補給方法について説明する。
本実施形態にあっては、順番方法、分散方法の二種類のメダル補給方法の何れかを切換え設定することができるように構成されている。
まず、順番方法によれば、メダル補給要求信号を出力した遊技機2のうち、メダル補給リフト42に最も近い遊技機2から優先的にメダルを補給する。
メダル補給制御部において異常が発生した場合には、図5のタイミングチャートの回復処理が実行される。
複数の補給対象へメダルを補給する場合、図8のタイミングチャートのように制御が実行される。
分散方法では、同時に複数の補給対象へメダルを補給する。具体的に、まず、一つの第二メダル貯留部120に対して、満杯状態に至らない一定のレベルまでメダルを補給した後、他の第二メダル貯留部120に対してメダルの補給を開始する。図6は、分散方法による補給の態様を表す図である。
順番方法によるメダルの補給の形態と、分散方式によるメダルの補給の形態とは、液晶操作表示パネル12に設けられたプログラマブル表示素子へのタッチ操作により選択設定することができる。
分散方法が選択設定されると、同時期に複数箇所の補給対象よりメダル補給要求信号が出力された場合、メダル補給要求信号を出力してメダルの補給が開始された第二メダル貯留部120に、メダルが完全には充足されなくても、一定レベルまで補給されれば、一旦、その第二メダル貯留部120へのメダルの補給は停止される。そして、他のメダル補給要求信号を出力した第二メダル貯留部120に対し、メダルの補給が開始される。
さらに、分散方法において、第一メダル貯留部に設けられたメダル量センサ205がメダルの不足を検出し、メダル補給要求信号が4CH中継基板110を介してメダル補給制御基板100に出力されると、メダル補給制御部が、取込みシャッター115、送出機52、メダル補給リフト42、振分機、メダル補給コンベア41、を駆動する。
メダル補給コンベア41により搬送されたメダルは、メダル補給要求信号を出力した第一メダル貯留部140に対応する取込みシャッター115の取込み動作によって、対応する第二メダル貯留部120へ供給される。当該第二メダル貯留部120へのメダル補給コンベア41などによる補給動作は、予め設定された量(枚数)のメダルが供給されると、停止される。メダル貯留部に供給されるメダルの量(枚数)は、流量センサ125からの信号に基づき算出される。
尚、メダル補給コンベア41などの動作は、第一メダル貯留部140に設けられたメダル量センサ205からの信号に基づき、メダルの不足が検出されなくなった場合に停止するものとしてもよい。
尚、メダル補給コンベア41などの動作は、流量センサ125からの信号に基づき予め設定されたメダル枚数が計数された後、メダル補給リフト42におけるメダルの搬送開始点より、メダルの搬送終了点(取込みシャッター115によりメダルが取り込まれる位置)に至る距離分を移動する時間の経過後、停止するものとしてもよい。
或いは、メダル補給コンベア41などの動作は、メダル補給要求信号が出力されなくなった場合(メダル不足信号が検出されなくなった場合)において、メダルの補給経路(メダル補給コンベア41上)で残留するメダルが、そのメダル補給コンベア41上より取り除かれるまでの予め設定された時間が経過した後、停止する構成としてもよい。
第二メダル貯留部120に取込まれたメダル枚数は、衝撃センサから構成される流量センサ125からの信号に基づき計数される。具体的に、メダルの通過によってその流量センサ125で生成された振動波がパルス波に整形され、そのパルス波が計数されるという既述した構成にて計数される。
メダル量センサ205からの信号に基づき、第一メダル貯留部140に、予め設定された量のメダルが補給されたと判定されると(メダル補給制御部を構成するメダル補給制御基板100と4CH中継基板110との内、4CH中継基板110側において判定)、メダル補給制御部は、他にメダル補給要求信号を出力しているメダル貯留部(第一メダル貯留部140、第二メダル貯留部120の何れかである)が有るか否かを判定し、メダル補給要求信号を出力しているメダル貯留部が有ると判定すれば、その対象のメダル貯留部に対するメダル補給動作を準備する。
次に、メダル補給コンベア41によるメダルの搬送動作を維持した状態で、メダル補給要求信号を出力しているメダル貯留部に対応する取込みシャッター115を駆動すると共に、先に実行していた取込みシャッター115によるメダル取込み動作を終了させる。
これにより、二番目にメダル補給要求信号を出力したメダル貯留部に対応する取込みシャッター115が駆動し、メダル補給コンベア41上を移動するメダルは、その二番目にメダル補給要求信号を出力したメダル貯留部に取り込まれる。
この二番目のメダル貯留部に取込まれたメダルの枚数は、流量センサ125からの信号に基づき算出される。
二番目にメダル補給要求信号を出力したメダル貯留部に付設されたメダル量センサ205からの信号に基づき、対応するメダル貯留部が満杯に達しないレベルのメダル量であって予め設定された枚数のメダルが補給されたと判定された場合には(メダル補給制御部が判定する)、メダル補給制御部は、二番目にメダル補給要求信号を出力したメダル貯留部へのメダルの供給動作を停止させる。
同時に、メダル補給制御部は、その他にメダル補給要求信号を出力している第三のメダル貯留部が有るか否かについて判定する。具体的に、メダル補給制御部は、問合せ信号なるものを、メダル補給制御基板100から、4CH中継基板110を介して、遊技島に列設された遊技機2若しくはメダル貸機3に設けられたメダル貯留部に対し出力して検索する。
メダル補給要求信号を出力している三番目のメダル貯留部を、メダル補給制御部が検索して認識した場合には、メダル補給制御部は、当該三番目のメダル貯留部に対応する取込みシャッター115を駆動する。
同様にして、三番目にメダル補給要求信号を出力したメダル貯留部に供給されるメダル量を、三番目にメダル補給要求信号を出力したそのメダル貯留部に設けられた流量センサ125からの信号に基づき算出する。
当該三番目にメダル補給要求信号を出力したメダル貯留部に取込まれたメダル枚数が、予め設定された枚数に達したと判定された場合には、その三番目にメダル補給要求信号を出力したメダル貯留部に対応する取込みシャッター115の駆動を停止させる。
このメダル補給制御部は、メダル補給要求信号を出力しているメダル貯留部の数を計数するカウンタを有している。また、同時にメダルの補給対象にできるメダル貯留部を適数箇所(本実施形態にあっては3ヶ所)までと制限する補給対象数制限部(補給対象数制限手段)が設けられている。
従って、本実施形態においては、制限された3ヶ所の補給対象に対して順次メダルを供給し、一つのメダル貯留部に対してメダルを補給し、そのメダル貯留部が満タン状態に達した場合には、他にメダル補給要求信号を出力している補給対象を検索する。そして、メダル補給要求信号を出力しているメダル貯留部が検索された場合には、そのメダル貯留部を新たなメダル補給対象群に加え、この新たに組み込まれたメダル貯留部を含む3ヶ所のメダル貯留部に対するメダルの補給を併行して実行する。
一つのメダル貯留部に対して満タンに満たない一定レベルまでメダルを補給した後、一旦、その一つのメダル貯留部へのメダルの補給を中断する。続いて、他のメダル貯留部へメダル補給を行ってゆく。先に満タンに達したメダル貯留部に対しては補給を停止すると共に、メダル補給対象群から除外する。そして、新たなメダル貯留部をメダル補給対象群に加える。
遊技島に列設された複数の遊技機2及びメダル貸機3よりメダル補給要求が同時に発生した場合に、同時期に当該複数の補給対象へのメダル補給を実行する複数補給対象同時補給機能(複数補給対象同時補給手段)を本実施例に記載のメダル補給装置1は有する。
図20、図21、図22のフローチャートにて、分散補給制御処理(分散補給手段)、及び複数補給対象同時補給機能(複数補給対象同時補給手段)の一実施例を示した。
この分散補給制御処理では、満タン状態となった補給対象を補給対象群から除き、新たな補給対象を順次補給対象群に加えるようになっていて、この機能は、補給対象の一部について更新する補給対象一部更新機能(補給対象一部更新手段)と定義することもできる。
別の見方をすれば、グループ単位(補給対象群)ごとに補給を行う構成となっているものであるので、このような点を、補給対象グループ一括補給機能(補給対象グループ一括補給手段)、補給グループ更新機能(補給グループ更新手段)、と定義することができる。また、補給対象の一群を捉えて補給するものであるので、群管理補給機能(群管理補給手段)と定義することができる。
メダル補給要求信号が複数のメダル貯留部において出力された場合にも、その複数のメダル貯留部へ、メダル補給が同時に早い時期に開始されるので、メダルが補給されない不都合を解消することができる。特に、続いてメダル補給要求信号を出力したメダル貯留部に対するメダルの補給が、一つのメダル貯留部が満杯状態に達した後にする開始されるため、メダル補給動作が遅延して、当該メダル貯留部に対応する遊技機2においては遊技が中断され、メダル貸機3にあってはメダルの貸出を行うことができない不都合を解消することができる。
以上の実施例は、メダルをベルトコンベアで搬送する構成を考慮したものであるが、パチンコ球の搬送が、搬送路の下り傾斜を利用したものでなく、上り傾斜や、殆ど傾斜が形成できない所謂ダウン島と称させる島構造を有す遊技島で行われる場合には、既述の分散補給機能(分散補給手段)を採用することにより、極めて効率的且つ合理的なパチンコ球を含む遊技媒体の補給管理を実現することができる。
ところで、遊技機2が一時に要求するメダル枚数とメダル貸機3が要求するメダル枚数とを比較した場合には、大当りの際に要求されるメダル枚数が多いものとなる。このため、遊技機2に対応するメダル貯留部には、メダル貸機3に対応するメダル貯留部より、多量にメダルが補給されるように設定するのが好ましい。
ここで、図3について説明する。図3は、本実施形態における通信方法を表す概略図であり、ここでは、メダル補給装置1のメダル補給制御基板100(図3では、制御局と記載)と4CH中継基板110との通信方法が表されている。
メダル補給制御基板100と4CH中継基板110との間では、ポーリング/セレクティング方式により通信が行われる。4CH中継基板110には、メダル補給制御基板100に近い方から(図面の左側から)順に、局番号が割り振られる。
メダル補給制御基板100は、局番号順にコマンドを送出する。コマンドを受け取った4CH中継基板110は、そのコマンドに従い所定の処理を実行すると共に、メダル補給制御基板100にレスポンスを送り返す。ここで、コマンドのデータ構成を図16の上段に示す。また、レスポンスのデータ構成を図16の下段に示す。
メダル補給制御基板100から4CH中継基板110に応答を求めるコマンドデータには、4CH中継基板110のアドレス(識別記号アドレス)と、リセット指示信号(判定リセット指示)と、大当り管理データに関して大当り管理時における設定された補給要求回数についてのフラグ(大当たり管理時補給許可回数)と、売上管理データに関する売上管理に設定するパルス数を示すフラグ(売上管理データ、売上管理パルス数)と、入賞(OUT)払出管理データに関して設定するメダル枚数を示すフラグ(入賞OUT払出管理データ)とが含まれると共に、このコマンドデータの送信対象とされる4CH中継基板110に接続された取込みシャッター115を駆動するソレノイドについての駆動指示フラグ(ソレノイド駆動指示)と、メダル流量センサ205でカウントされるメダル量の確認を要求するフラグ(メダル流量センサカウント数確認)とが少なくとも含まれる。
一方、応答が要求された4CH中継基板110からメダル補給制御基板100に送信されるレスポンスデータには、その応答する4CH中継基板110のアドレス(識別記号アドレス)と、当該4CH中継基板110が確認したエラー情報と、4CH中継基板110に接続される取込みシャッター115と流量センサ125と呼出ボタン130と不正センサ135と、遊技機2に設けられるメダル量センサ205と大当出力及び入賞出力と払出センサ215と売上出力と、メダル貸機3に接続される売上出力220とメダル量センサ205と払出センサ215との接続の有無を確認する接続情報と、メダル貸機3若しくは遊技機2の機種を識別する機種情報と、メダル補給を要求する信号に関するフラグを有するとともに、当該4CH中継基板110に接続されるメダル貸機3若しくは遊技機2の各2台、計4台におけるメダル詰まりの有無を示すフラグ(要求信号)と、入賞OUT払出管理に関する状態を示すフラグ(入賞OUT払出し管理)と、売上管理に関する状態を示すフラグ(売上管理)と、大当りに関する状態を示すフラグ(大当り管理)と、不正管理に関する状態を示すフラグ(不正管理)とを有し、さらにメダル量センサ205により取得したメダルの流量情報に関するフラグとの他、メダルの貯留量を示すフラグが含まれる。これによりメダル補給制御基板100よりコマンドデータが4CH中継基板110に送信されない限りは、遊技機2若しくはメダル貸機3におけるメダル補給制御に関する情報が通信経路を流れることが無く、メダルの補給も開始されないので不正なメダル補給が実行されるという問題が生じることを防止することができる。
次に、図11〜図15は、液晶操作表示パネル12の画面を表す図面である。尚、図30は、各画面のリンク(相関関係)を表す図面である。
即ち、図30で示す実施例においては、数字は画面番号を示し、例えば図11の画面(1)より(2)(3)(23)(8)の各画面に展開表示され、画面(23)より(25)(24)(28)の各画面が順次展開表示され、画面(8)より(9)が展開表示され、さらに(9)より(10)の画面が展開表示され、画面(10)より(4)(13)の何れかが選択表示できるようになっている。また、画面(4)よりは順次、画面(5)(6)(7)を表示することができるものとなっている。
各画面は、3分経過すると、一覧画面(図11の(1))に切り換えられるようになっている。
図11(1)は、運転中画面の例であり、現在補給が実行されている台の識別番号(アドレス)と補給を要求している台数とが表示されると共に、設定画面と、情報画面と閉店モードと、エラーの一覧表と、運転中画面とが切換え表示可能に構成されている。
図11(2)は、図11(1)の運転中画面が選択された場合の画面(第二の運転中画面)の例である。この第二の運転中画面によれば、台1012が補給中であって、1013ほか4台が補給待ちであること、当該メダル補給装置1のメダル収納タンク18における貯留レベルが不足予告状態となっていること、などが分かる。
図11(3)では、エラー発生時刻と、当該時刻に発生したエラーの種別がエラーコードにより表示される(この例では4件)。尚、タスクバーの操作によって、続いて発生したエラーの種別とエラー発生時刻が順次表示されるようになっている。
図11(4)〜(7)は、順番方法と分散方法のメダル補給方法のうち、順番方法が選択された場合の各種設定を行うための画面であり、この画面を形成する液晶操作表示パネル12を有すプログラマブル表示デバイスをメダル補給方法詳細設定部(メダル補給方法詳細設定手段)と定義できる。この例では、メダル補給を行う際のメダル補給装置1の駆動時間についての設定、メダルの補給を行う際の所定枚数(補給するメダルの枚数)の設定を受付ける画面(図11(4))が現されている。
図12において、(8)は、メダル補給を停止する停止パターンについての設定、強制洗浄についての設定、或いは隣接する遊技島へメダルを分配補給するバランス制御を停止する設定とを受付ける設定画面を示している。
図12(9)の画面では、入賞信号に基づくメダルの補給管理と、大当り信号に基づくメダルの補給管理と、売上信号に基づくメダルの補給管理とを設定するメダル補給管理設定画面と、閉店モードを設定する画面と、当該メダル補給装置1における基準の日付を設定する日付設定画面との何れかに切換え可能となっている。
図12(10)の画面では、補給方法を順番方式と分散方式との何れかに切り換え設定するための補給方法設定画面、遊技島に列設する遊技機2若しくはメダル貸機3を識別する識別番号(アドレス)を設定する画面に切換え可能となっている。この点について、補給方法設定画面を形成する液晶操作表示パネル12を有すプログラマブル表示デバイスをメダル補給方法切換設定部(メダル補給方法切換設定手段)と定義できる。
図12(11),(12)は、補給を停止する停止対象の遊技機2若しくはメダル貸機3を選択したりする画面である。
図12(14)の画面では、分散方法の内容の詳細を設定する設定画面(図13(16))と、分散方法の補給方法が選択されたメダル補給装置1の稼動下において、一時的にメダルの補給方法を順番方法に切換える、という設定を行うための設定画面と、メダルの供給カウント監視時間を設定するための設定画面とに切換え可能となっている。
図13(16)は、分散方法でメダルの補給が行われる場合のメダルの補給時間と、メダル枚数(補給するメダル枚数)と、補給回数とを設定するための画面である。
図13(17)は、補給するメダル枚数の上限を設定するための画面である。この画面では、メダル貸機3と、遊技機2とのそれぞれについて、メダル枚数の上限を設定できる。
図13(18)は、メダルの補給を停止する際の条件として、カウント監視時間(補給を開始してから停止するまでの時間の上限)を設定する画面である。
図13(20)は、メダル補給管理パターンを設定する画面である。遊技機2における大当り信号の出力に基づいて成立する大当り時補給要求回数(大当たり成立時の、メダル補給要求信号の出力回数)の設定と、メダル貸機3における貸出要求操作に基づいて出力される売上(貸出)信号の売上パルス数(売上信号を構成するパルス数)の設定と、入賞(当り)「OUT」信号に基づいて遊技機2の払出し手段により払い出されるメダル枚数(入賞成立時に払い出されるメダル枚数)の設定と、ができる。
尚、大当りの判定に基づいて遊技機2より払出されるメダル枚数と、売上パルス数に対応してメダル貸機3より払出されるメダル枚数と、入賞に対応して遊技機より払い出されるメダル枚数(OUT数)と、をそれぞれ設定できる。
この設定されたメダル枚数と、大当り時補給要求回数、売上げパルス数、若しくは入賞回数(払出しメダル枚数)(OUT数)が対応していないことをメダル補給制御部が判定した場合には、既述した如く、補給対象へのメダル補給動作が停止される。
ここで、図26及び図27に、メダル補給演算処理プログラム(メダル補給禁止条件詳細設定手段)の一例を示す。なおこの実施形態、特に図26、図27に係わって説明する「補給動作の停止」には、補給制御を制限すること、補給を禁止すること、補給の開始を阻止すること、補給を阻止すること、補給動作を抑制するものを含むものとする。この処理は、プログラマブル表示デバイスを介して入力される情報に基づき実行され、また、処理内容等はそのプログラマブル表示デバイスに表示される。この実施例にあっては、遊技機2で大当りが発生してメダルが複数回払出されると共にその遊技機2にメダルが複数回補給される場合において、1回目の払出量及び補給量について、両者が一致するか否かを判定し、一致していないと判定した場合に、メダルの補給を停止する制御形態と、2回目の払出量及び補給量について、両者が一致するか否かを判定し、一致していないと判定した場合に、メダルの補給を停止する制御形態との何れかを選択設定できるようになっている。
また、メダル貸機3からは、売上パルス(貸出パルス数)に応じたメダルが払い出されるが、売上パルス(貸出パルス数)が10である場合のメダルの払出量及び補給量について、両者が一致するか否かを判定し、一致していないと判定した場合に、メダルの補給を停止する制御形態と、売上パルス(貸出パルス数)が20である場合のメダルの払出量及び補給量について、両者が一致するか否かを判定し、一致していないと判定した場合に、メダルの補給を停止する制御形態と、売上パルス(貸出パルス数)が30である場合のメダルの払出量及び補給量について、両者が一致するか否かを判定し、一致していないと判定した場合に、メダルの補給を停止する制御形態との何れかを選択設定をすることができる。
さらに遊技機2において(入賞)当りが成立した場合に払出(OUT)されるメダル枚数と補給されたメダル枚数とが一致するか否かを判定し、対応しないと判定した場合に異常と判定し((OUT)払出枚数について、200枚を基準とし、(OUT)払出枚数が200枚を超えた場合に異常と判定する)、補給を停止する制御形態と、その制御態様において(OUT)払出枚数の基準を300枚とした制御態様との何れかに切換設定をすることができる。
これにより遊技場システムや遊技場の経営管理に逐一適応させることのできるメダル補給の禁止管理を実現することできる。例えば補給要求回数を少なく、売上げパルスを少なく、さらに(OUT)払出枚数の設定を共に少なく設定することによって、セキュリティ機能を高めることができる一方、共に多数に設定することによって、メダルの補給停止が頻発する不具合を解消したメダル補給管理を実現することが可能となる。
なお、図29は、メダル補給禁止条件詳細設定手段となるメダル補給演算処理プログラムの変更例を示したものであり、遊技機2へのメダルの入数と出数とを加減算し、その加減算結果に基づいたメダル補給禁止管理をする構成である。この場合には、加減算結果の閾値を小さく設定すれば(400よりは200で設定)、不正なメダル抜き取りに対するセリティ機能の高いメダル補給管理を実現することができる。
図14(24),(25),(28) は、エラー回数を表示する画面である。(28)においては、大当り補給管理に関するエラーと、売上管理に関するエラーと、入賞払出管理に関するエラーとが、遊技機2若しくはメダル貸機3毎に設定した識別番号順に表示されるようになっている。なお、スクロールボタンを操作することにより、一画面では表示することのできない台についてのエラー状況を表示することができる。
図14(26),(27)は、メダル貸機3若しくは遊技機2におけるメダルの補給枚数を表示する画面である。所定の期間内におけるメダル補給枚数を、全台について表示できる。尚、画面はスクロールさせることができる。
図15(31)は、メダル補給装置1における現在時の設定内容を表示する画面である。例えば、洗浄ユニットにおける強制洗浄機能をON(有効)にし、バランス補給の機能をOFF(停止)にし、補給停止の機能を、「個別」と設定すると、図15(31)においては以下のようになる。
強制洗浄 ON
バランス停止 OFF
補給停止 個別
一方、図15(31)では、メダル補給管理における大当り管理は無しと設定され(つまり実行されない)、売上管理に係る売上パルス数は20回と設定されている。入賞払出し(OUT)管理は一時停止中である。
図15(32)では、洗浄ユニットに設けられた回転ローラセンサが検出した洗浄ローラー22の回転速度と吸水ローラー20の回転速度とが表示される。また、この例では、吸水ローラー20が交換時期に近いことが表示されている。また、当該メダル補給装置1ではメダルと洗浄水は満杯状態にあるということが、その画面に表示されている。さらに、当該メダル補給装置1におけるメダルの貯留容量の拡大を図るためのメダル補助タンクと、メダル補給装置1に取り外し可能な給水タンクカセットとのそれぞれついて、当該メダル補給装置1に装着されているか否かが表示される。
液晶操作表示パネル12においては、このほか、設定された条件下でのみ補給を許可することを設定するための補給管理設定画面が表示される(メダル補給許可手段、メダル補給禁止制御手段)。
補給管理設定画面では、補給の許可、不許可を設定できる。遊技機2において大当りが成立した際、大当り回数に対応するメダル補給要求回数を超えない範囲において、メダルの補給が実行されることを許可するよう設定できる。一方、大当り回数に対応するメダル補給要求回数を超えてメダルの補給が実行されることを禁止するよう設定できる(大当り管理設定手段)。
また、遊技機2において当り(入賞)が成立し、その結果払出されたメダル枚数を演算し、その演算で算出したメダル枚数が設定値を超えた場合には、その遊技機2へのメダルの補給を禁止するように設定できる。(当り(OUT)管理設定手段)。
一方、メダル貸機3へのメダルの貸出要求に対応して設定されたメダル枚数に応じた売上(貸出)信号が、予め設定した売上(貸出)信号となっていない場合には、当該貸出要求信号を出力したメダル貸機3へのメダルの補給を禁止するよう設定できる(売上管理設定手段)。
また、メダル補給制御基板100に接続された液晶操作表示パネル12へのタッチ操作によっては、補給動作の開始時に補給対象とするメダル枚数を設定する画面(補給枚数制限設定手段)と、メダル補給装置1が駆動する時間を設定する画面(メダル補給動作時間制限手段)とが少なくとも表示される。
このほか、遊技島若しくは隣接する他の遊技島に列設された補給対象とする遊技機2若しくはメダル貸機3の補給優先順位の切換え設定や選択などを設定する画面(メダル補給順位切換え手段)が設けられている。
尚ここで優先順位の設定には、同時にメダル補給要求信号を出力したメダル貯留部のうち、遊技島の遠方(メダル補給リフト42と反対側)に設置されたメダル貯留部に優先してメダルを補給する設定、遊技機2における遊技結果(例えば大当り)に対応したメダル補給を優先して補給する設定、若しくはメダル貸機3に対応するメダル貯留部より遊技機2に対応するメダル貯留部に優先して補給するか否かについての設定などが含まれる。
この場合、メダル貯留部の遠近の度合いの判断や、遊技機2とメダル貸機3との識別は、4CH中継基板110で設定されるメダル貯留部のアドレスに基づき、メダル補給制御部が行う。
遊技島の何れかの遊技機2で発生した大当たり動作や入賞動作は、各遊技機2に設けられた外部出力端子からの信号を入力した4CH中継基板110のアドレスにより、当該遊技機2若しくはメダル貸機3を多数台より識別することができる。
液晶操作表示パネル12の表示画面は、メダルの補給待ちの状態であるメダル貸機3若しくは遊技機2の台番号(アドレス)を表示する画面(補給待ち番号表示手段)、メダル貯留部におけるメダルの残量を表示する画面(メダル残量表示手段)、隣接する遊技島へのメダルの分配補給(バランス補給)に関する設定画面(バランス動作表示手段)、メダル補給装置1の何れかにおいて異常が検出された場合に異常の種別をキャラクタなどを含むコード化記号により表示する画面(エラー表示手段)、補給動作によって補給されたメダル枚数を表示する画面(補給枚数表示手段)、過去判定された異常を過去に遡って確認させる画面(エラー履歴表示手段)等から構成される。
メダル補給制御基板100には着脱可能なフラッシュメモリ(CFカード)を有すバックアップ回路が接続されていて(図2参照)、少なくとも当該メダル補給装置1が補給したメダル枚数を表すデータとエラーの履歴を表すデータとが定期的にバックアップされるよう構成されている。尚、バックアップされたデータは、最長3日間保持される。
また、メダル補給制御基板100は、メダル補給コンベア41、メダル補給リフト42、振分機、洗浄ユニット(メダル洗浄部)、送出機52などの駆動制御を司るシーケンサと接続され、そのシーケンサは、リレー基板に接続される。リレー基板は、メダル補給制御部の演算処理(CPUによる演算処理)と回路動作の結果によってオンオフするようになっている。これにより、洗浄ユニット、メダル補給リフト42、送出機52、振分機等の駆動電源がオンオフする構成となっている。
図2において、リレー基板を介して駆動する洗浄ユニット、メダル補給リフト42、送出機52、振分機よりメダル補給制御基板100に対して出力される信号には、例えばメダル補給リフト42による揚送動作を検出する回転ローラセンサからのパルス信号などが含まれている。メダル補給制御基板100においては、そのパルス信号に基づき、回転ローラセンサが検出対象とする回転ローラーの回転速度が検出される。
図2に示すように、リレー基板とメダル収納タンク18とが接続された構成となっている。また、メダル補給タンクカセット44(予備タンク、図1参照)のメダルをメダル収納タンク18に搬送するコンベアの駆動電源回路と、メダル収納タンク18に収容されたメダルが満杯であることを検出する満タンセンサと、メダル収納タンク18内のメダルが不足したことを検出する不足センサと、メダル収納タンク18内におけるメダルの貯留レベルを検出するレベルセンサからの検出信号が、メダル補給制御基板100へ送信されるようになっている。
駆動装置について、メダル補給コンベア41や中継コンベア及びメダルを遊技島の末端より回収するメダル揚送コンベア48を、リレー基板とは異なる別の電源回路により駆動する構成としてもよい。
液晶操作表示パネル12の画面に表示される閉店モード設定画面(図13の(22))により、閉店モードを設定することができるよう構成されている。閉店モードを有効にすれば、遊技場における営業が終了し閉店する際には、図7で示す閉店モードのメダル配給動作が実行される。
即ち、遊技場の閉店時においては、遊技者が遊技を終了してメダル補給装置1に組み込まれているメダル計数器16にメダルを投入して清算処理を行うことが頻発する。このため、メダル収納タンク18をはじめとして当該メダル補給装置1で蓄積されるメダル量が急激に増大し、メダル補給装置1の許容容量を超える可能性が高くなる。
遊技場の閉店時におけるメダル詰まりやオバーフロー等により、メダル補給リフト42などが異常停止してメダル補給装置1によるメダル補給制御に障害が発生することを防止するために、当該メダル補給装置1で蓄積されたメダルを、隣接する遊技島に向けて搬送するか否かを選択設定できる。尚、液晶操作表示パネル12に表示される閉店モードボタンを操作することにより、設定することができる。また、振分機と中継コンベアとの機能により(振分搬送手段)、当該メダル補給装置1から隣接する遊技島のメダル補給装置1へメダルが搬送される。
閉店モードボタンが操作されると、中継コンベアによるメダルの搬送方向が切り換えられると共に、振分機の振り分け先が切り換えられる。そして、メダル補給装置1の相互間において、メダル収納タンク18で貯留するメダルの多いメダル補給装置1から、貯留するメダルの少ないメダル補給装置1へメダルを分配供給する機能(バランス補給)が停止する。
次に、閉店モードボタンの操作により閉店モードが有効にされたメダル補給装置1から、他のメダル補給装置1に向けて、振分機による振分動作と中継コンベアによる搬送動作とによって、メダルの搬送が開始される。
搬送先のメダル補給装置1におけるメダル収納タンク18が満杯となったことが、メダル収納タンク18に設けられた満タンセンサからの信号に基づき検出されると、そのメダル補給装置1へのメダルの搬送は停止される。
尚、例えば一つのメダル補給装置1にはメダル計数器16が設けられ、他のメダル補給装置1にはメダル計数器16が組み込まれていない構成においては、閉店時には、遊技者は皆、メダル計数器16にメダルを投入すると考えられ、このため、メダルはそのメダル計数器16の設けられたメダル補給装置1に多く集まることとなる。そして、このような場合に閉店モードを活用すれば、そのメダル計数器16が設けられたメダル補給装置1に許容量以上のメダルが蓄積してしまうことを防止できる。尚、図17のS0060及び図18のS0150からS0195の処理をメダル補給制御プログラムにおける閉店処理((閉店処理手段)と定義することができる。
尚、図17〜19に、メダル補給制御プログラムに基づく処理の流れを表すフローチャートである。
図20〜22に、分散補給制御処理の流れを表すフローチャートを示す。
図26、図27、図29に、メダル補給演算処理プログラムに基づく処理の流れを表すフローチャートを示す。
ところで、本実施形態において、メダル補給駆動手段として、洗浄ユニット、メダル補給リフト42、及びメダル補給コンベア41からなる第一のメダル補給駆動手段と、遊技機2若しくはメダル貸機3にメダルを導き入れる取込みシャッター115からなる第二のメダル補給駆動手段とがある。このうち、第一のメダル補給駆動手段は、メダル補給装置1の動作中に常時駆動し、第二のメダル補給駆動手段は、駆動/停止がメダル補給制御基板100により制御されるようになっている。
大当り情報には、少なくとも、遊技機2で生成される大当り信号、大当り発生回数、大当りの成立に基づいてメダルの払出し(補給)を要求する信号、大当りの成立に基づいてメダルの払出し(補給)を要求する回数、大当りの発生時に対応し払出される設定メダル枚数などがある。
入賞情報には、少なくとも、遊技機2で生成される入賞(当り)信号、入賞発生回数、入賞の成立に基づいてメダルの払出し(補給)を要求する信号、入賞の発生に対応して払出される設定メダル枚数、などがある。
売上情報には、遊技者がメダル貸機3(遊技機2に設けられる構成も想定する)に対してメダルの貸出し操作をすると、そのメダル貸機3で生成される売上信号(売上パルス)、貸出信号(貸出しパルス)などがある。
メダル補給禁止指令手段は、メダル補給制御プログラム及びメダル補給制御プログラムを搭載したメダル補給制御基板より4CH中継基板110に至る通信路と、取込みシャッター115とにより構成される。
メダル補給制御プログラムには、分散補給制御処理に関するルーチンや、メダル補給管理プログラム若しくはメダル補給演算処理プログラムが含まれる。
尚、本実施形態においては、4CH中継基板110が判定手段及びメダル補給禁止手段に相当し、液晶操作表示パネル12が不正報知手段に相当している。
以上説明したように、本実施形態においては、メダルの投入に基づいて生成されるIN信号に基づき、第一メダル貯留部140に貯留されたとされるメダル量が、メダル量センサ205で検出された実際のメダル量より多い場合、不正を周囲に報知する。つまり、IN信号とメダル量センサ205からの信号とから不正の有無を判定するというより簡単な構成で、効果的に不正の発生を防止できるようにしている。
また、例えば図29に示すように、遊技機2に投入されるメダル枚数を示す信号をIN信号とし、大当りを含む、入賞、当りによって払出されるメダル枚数を示す信号をOUT信号として、なお、OUT信号の遊技機2からの取得は、払出センサ215によるメダル検出信号のほか、メダル払出し手段の動作信号や、メイン制御基板145によって生成される当り信号や大当り信号によっても4CH中継基板110に入力できる。OUT信号のメダル貸機3からの取得は、払出センサ215によるメダル検出信号のほか、メダル払出し手段の動作信号によって4CH中継基板110に入力できる。OUT信号よりIN信号を減算したデータが、予め設定した値以上と判定した場合、正常であると判定して、メダルの補給を開始する。一方、OUT信号よりIN信号を減算したデータが、予め設定した値以下と判定した場合、不正であると判定して、不正を報知する。つまり、OUT信号とIN信号とから不正の有無を判定するというより簡単な構成で、効果的に不正の発生を防止できるようにしている。
また、実際には遊技機2にメダルが投入されていないのに、不正な手段により、不正なIN信号(メダル投入信号)が遊技機2に入力された結果、OUT信号と不正なIN信号とに基づいて加減算された貯留メダル枚数(OUT信号−不正なIN信号)が、メダル貯留部における実際のメダル枚数より多いと判定すると、不正を報知する。これによれば、より確実に不正を発見することができる。
また、本実施形態においては、遊技機2或いはメダル貸機3(以下、遊技用装置と記載する)から払い出されるメダル量と、その遊技用装置に補給されるメダル量とを算出し、両者が対応しない場合に、その遊技用装置へのメダルの補給が停止されるようになっている。例えば、遊技用装置へ補給されるメダル量よりも多量のメダルが、その遊技用装置から払い出されている場合には、その遊技用装置へのメダルの補給は停止される。このため、遊技用装置にメダルが不合理に補給されることを確実に防止することができる。尚、このような場合、その遊技用装置から、不正にメダルが払い出されていることが考えられる。そして、遊技用装置にメダルが補給されなくなり、遊技用装置におけるメダルの貯留量がゼロとなれば、その遊技用装置からメダルは払い出されなくなる。よって、遊技用装置から不正にメダルが払い出され続けることを確実に防止することができる。
本実施形態のメダル補給装置1においては、遊技機2で生成される大当たり情報或いは入賞情報に含まれるメダルの払出量と、メダル貯留部から遊技機2に補給されるメダルの補給量とが対応しない場合には、メダル貯留部へのメダルの補給が停止される。例えば、遊技機2から、その遊技機2への補給量以上のメダルが不正に払い出されている場合には、その遊技機2に対応するメダル貯留部には、メダルは補給されないこととなる。そして、メダル貯留部にメダルが無くなれば、遊技機2にメダルが補給されることはない。
また、メダル貸機3についても同様である。つまり、メダル貸機3で生成される売上情報に含まれるメダルの払出量と、メダル貯留部からメダル貸機3に補給されるメダルの補給量とが対応しない場合には、メダル貯留部へのメダルの補給が停止される。例えば、メダル貸機3から、そのメダル貸機3への補給量以上のメダルが不正に払い出されている場合には、そのメダル貸機3に対応するメダル貯留部には、メダルは補給されないこととなる。そして、メダル貯留部にメダルが無くなれば、メダル貸機3にメダルが補給されることはない。
このため、遊技機2及びメダル貸機3に、例えば不正によりメダルが補給され続けることを防止することができる。尚、メダルの「不正な払出し」には、メダルの払出しのための機構が不正に駆動してメダルが払い出される態様の他、物理的な破壊行為等によりメダルを抜き取られるような態様を含む。
なお、説明した実施形態に記載した発明は、遊技機2若しくは/及びメダル貸機3においてメダル不足が検出された場合に、当該遊技機2若しくはメダル貸機3への遊技島におけるメダル補給装置1によるメダルの補給動作を開始させた状態において、該遊技機2若しくはメダル貸機3におけるメダルの減少が当該遊技機2において生成された大当り情報若しくは当り情報若しくはメダル貸機3における売上情報に対応していないと判定した場合には、遊技島よりの当該遊技機2若しくは/及びメダル貸機3へのメダル補給装置1によるメダルの補給動作を実施させない遊技島におけるメダル補給停止方法となるものでもあり、遊技機2、メダル貸機3の何れに対する不正なメダル抜き取りにも、同時に対応してこれを抑制する効果を有するものでもある。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内で種々の形態をとることができる。
上記実施形態の記載においては、メダルを補給制御する対象として説明したが、遊技場で使用されるパチンコ球を含む遊技媒体を補給制御の対象にするものとして、実施形態に記載した多数の発明のそれぞれを構成するものとしてよいことは勿論である。
つまり、メダルに限らず、パチンコ球等の他の遊技媒体を使用する場合でも、本発明を適用することができる。
また、実施形態に記載した、複数の関連する発明にあっては、遊技島における効率的かつ合理的なメダルの補給制御を実現することのできる目的、効果を有する。
なお、メダル貸機3に設けられるメダル投入センサ150などの構成については、独立したメダル貸機3をメダル補給装置1に設けるものとせず、遊技機2にこれ(メダル貸機)を搭載したものとして構成してもよいことは勿論である。
1…メダル補給装置、2…遊技機、3…メダル貸機、10…主制御部、12…液晶操作表示パネル、16…メダル計数器、18…メダル収納タンク、20…吸水ローラー、22…洗浄ローラー、24…洗浄コンベア、25…水位レベル透視窓、41…メダル補給コンベア、42…メダル補給リフト、44…メダル補給タンクカセット、47…回収コンベア、48…メダル揚送コンベア、52…送出機、100…メダル補給制御基板、110…4CH中継基板、111…マイクロコンピュータ、112…CPU、113…ROM、114…RAM、116…リセット回路。