JP2008060315A - Euv露光用ステンシルマスク、euv露光装置、およびeuv露光方法 - Google Patents

Euv露光用ステンシルマスク、euv露光装置、およびeuv露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光精度の向上を図ることができるEUV露光用ステンシルマスクを提供する。
【解決手段】EUV露光用ステンシルマスク19の少なくともEUV光が照射される側にEUV光を反射する多層膜反射層6を設ける。
【選択図】 図9

Description

本発明は、半導体装置の製造工程のうちリソグラフィ工程に用いられる露光用マスク、露光装置、および露光方法に係り、特に露光光源としてEUV(Extreme Ultra Violet)光を用いるリソグラフィ工程に用いられるEUV露光用ステンシルマスク、EUV露光装置、およびEUV露光方法に関する。
トランジスタなどの各種半導体素子を多数備える半導体デバイスの製造技術には、集積度を高めるためのパターンの微細化技術が必要不可欠である。今日、パターンのさらなる微細化に向けて、各種のリソグラフィ技術の開発が熱心に進められている。このようなリソグラフィ技術の中には、EUV光を露光光として用いる露光技術がある。開発が進められているEUV露光技術に用いられる露光光の波長は、およそ13.5nmと極めて短い。このため、EUVリソグラフィ技術は、50nm以下の極めて微細なパターンを解像するリソグラフィ技術として位置付けられている。
しかしながら、この波長領域ではEUV光が透過可能な材料や透明材料が存在しないため、EUV露光装置の光学系やマスクは、透過材料を用いて構成することができない。このため、EUV露光装置には、透過光学系ではなく、反射光学系が採用されている。同様に、EUV露光用のマスクについても、透過型マスクではなく、多層膜からなる反射層を備える反射型マスクの開発が進められている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
EUV露光用反射型マスクは、これが備える多層膜反射層で露光光を反射する。EUV露光用反射型マスクの多層膜反射層は、一般的に、モリブデン(Mo)の薄膜とシリコン(Si)の薄膜とを交互に数十層積層することにより反射面が構成されている。そして、多層膜反射層上に遮光パターンを形成することによりEUV露光用反射型マスクが作製される。EUV露光技術をデバイス製造に用いるためには、無欠陥のマスクを作成する技術が不可欠である。しかしながら、EUV露光用反射型マスクは、その構成に起因する技術的な課題を幾つか抱えている。
課題の一つとして、先ず、EUV光の波長が短いために、位相干渉により暗部が容易に形成されてしまう、という問題がある。これは、多層膜反射層の微細な凹凸が反射光の位相差を増大させるために生じる。具体的には、波長が約13.5nmのEUV光では、Mo−Siの多層膜上に高さの違いが僅か約3.5nmの段差部があるだけで反射光に位相差πが生じてしまう。この結果、その段差部のエッジからの反射光の強度が大幅に低下する、という現象が起こる。なお、そのような反射光の位相差を生じさせる凹凸や段差部が生じる原因としては、例えば下地基板の凹凸、多層膜上に付着したパーティクル、あるいは成膜時の雰囲気中に存在するパーティクルの介入等の異常が挙げられる。
また、マスクの欠陥の修正についても課題がある。例えば、一旦損われた多層膜反射層の反射率を回復する修正技術は、今のところ無い。また、マスクの計測技術にも課題があり、これがマスクの欠陥の低減に困難さを加えている。例えば、ブランクスの多層膜反射層の品質管理には、反射異常の測定、欠陥の検出、あるいは3.5nm以下の微小な段差の検出等を、露光光と同様に13.5nmの波長からなる光線を用いて効率よく行うことができる計測技術が不可欠である。ところが、現状の計測技術は、その結果の信頼性をマスク全面について保証できるレベルには無い。また、現状の計測技術では、多層膜反射層の上に遮光膜が成膜された状態では、多層膜反射層の反射率異常や位相欠陥を検出することもできない。
また、欠陥を作らずに50nm以下のパターンを作成するためには、ごく微細なサイズの欠陥まで含めた保証が求められる。それにも拘らず、たとえ多層膜反射層上に付着した物体の厚さが高々数nm程度であってもEUV光が付着物に吸収されて反射率が低下する、というEUV露光用反射型マスク固有の問題も未だ解消されていない。
また、通常のフォトマスクでは一般的に用いられているペリクルが、EUV露光用反射型マスクでは開発されていないことも問題である。前述したように、13.5nmの波長領域には透明材料が存在しないので、従来の概念のペリクル膜を作成することができない。このため、EUV露光用反射型マスクを露光工程で使用を開始した後でも、パターンの反射部への微小な付着物が直ちに欠陥となってしまう。しかし、この問題も未だ解消されていない。
また、反射型マスクを用いるEUV反射光学系では、照明光学系と結像光学系との干渉を避けるためにマスクに対して斜入射の照明系が採用されている。このため、レジスト膜などに転写されるパターンには、マスクに形成されているパターンのエッジの方向に依存する解像性あるいは解像度の差が発生する。この解像性の差は、マスクの遮光パターンの高さおよび断面形状に依存しており、マスクパターンの配置方向に依存した転写パターンの形状の差や転写位置のずれとなって現れる。そして、このような転写パターンの解像性の差等を適正に補正するためには、パターンデータの複雑で微妙な補正処理が必要不可欠となる。
また、一般的な多層膜反射層におけるEUV光の反射率は、その最高値が理論値でさえも70%程度が限界である。当然、実際の反射効率はもっと低い。このため、マスクに入射するEUV光の高々2/3程度しか結像光学系に利用することができず、出力の大きな光源が必要となる。この結果、照明光学系などにおける熱負荷が大きくなったり、あるいはEUV光の照射にともなう反射面の損傷などが発生し易くなったりする。また、多層膜反射層において反射されなかった残りのEUV光は、マスク基板に吸収されてマスク基板に熱歪が生じる原因となる。そして、このマスク基板の熱歪も転写精度の低下を招くことが知られている。
さらに、EUV光源は、単色光源ではなく、赤外線まで含む広い波長領域からなる光源であり、照明光学系でフィルタリングを行っても光線を完璧に選択することはできない。このため、EUV露光を行う際には、露光波長領域外の波長からなる紫外線や赤外線などが反射型マスクで反射されて投影光学系や被転写基板であるウェーハに吸収される、という現象も生じてしまう。このような現象も、投影光学系やウェーハに熱歪を生じさせたり、あるいはレジスト膜を感光させたりするなどして、転写精度の低下を招く原因となっている。
"EUVL Masks: Paving the Path for Commercialization", (invited paper) Pawitter J. S. Mangt and Scott D. Hector, SPIE Vol 4409 (2001) Photomask and Next-Generation Lithography Mask Technology VIII, page 669 - "Stencil Masks for Electron-Beam Projection Lithography", Kenji Kurihara, et al., SPIE Vol 4409 (2001) Photomask and Next-Generation Lithography Mask Technology VIII, page 726 - "Efficient Simulation of Light Diffraction for 3-Dimensional EUV-Masks using Field Decomposition Techniques", Andreas Erdmann, et al., SPIE Vol 5037(2003) page 482 -
本発明では、露光精度の向上を図ることができるEUV露光用ステンシルマスク、ならびにこのEUV露光用ステンシルマスクを用いることにより露光精度の向上を図ることができるEUV露光装置およびEUV露光方法を提供する。
前記課題を解決するために、本発明の一態様に係るEUV露光用マスクは、少なくともEUV光が照射される側に前記EUV光を反射する多層膜反射層を具備することを特徴とするものである。
また、前記課題を解決するために、本発明の他の態様に係るEUV露光装置は、EUV光源、照明光学系、マスクステージ、投影光学系、ウェーハステージ、および制御システムを具備するとともに、本発明に係る前記EUV露光用ステンシルマスクを用いて透過型の照明を行うことにより、前記ウェーハステージに保持された被露光体に露光を行うことを特徴とするものである。
さらに、前記課題を解決するために、本発明のまた他の態様に係るEUV露光方法は、本発明に係る前記EUV露光装置を用いて前記ウェーハステージに保持された前記被露光体に露光を行うことを特徴とするものである。
本発明によれば、露光精度の向上を図ることができるEUV露光用ステンシルマスク、ならびにこのEUV露光用ステンシルマスクを用いることにより露光精度の向上を図ることができるEUV露光装置およびEUV露光方法を提供することができる。
以下、本発明に係る各実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
先ず、本発明に係る第1実施形態について図1〜図10を参照しつつ説明する。図1〜図9は、本実施形態に係るEUV露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図である。図10は、本実施形態に係るEUV露光装置およびEUV露光方法を模式的に示す図である。
本実施形態においては、EUV(Extreme Ultra Violet)光を用いるリソグラフィ工程に用いられる露光マスク、露光装置、および露光方法であって、露光精度の向上を図り得るEUV露光用ステンシルマスク、EUV露光装置、およびEUV露光方法について説明する。具体的には、いわゆるステンシルマスクにEUV光に対する反射機能を付加してEUV光の吸収の低減を図る。これにより、高精度の露光工程を実現することができるEUV露光用ステンシルマスク、ならびにこのEUV露光用ステンシルマスクを用いるEUV露光装置およびEUV露光方法について説明する。以下、詳しく説明する。
先ず、図1〜図9を参照しつつ、本実施形態に係るEUV露光用ステンシルマスクおよびその製造方法について説明する。
先ず、図1に示すように、シリコン基板1の一方の主面上にシリコン酸化膜(SiO2 膜)2およびシリコン膜(Si膜)3が積層されて設けられている、いわゆるSOI(Silicon on Insulator)基板4を用意する。このSOI基板4のうち、シリコン基板1およびシリコン酸化膜2は、本実施形態に係るEUV露光用ステンシルマスク19のマスク支持枠5に加工される。また、シリコン膜3は、後述する反射層6を支持する支持層となり、ステンシルマスクパターンの主体に加工される。以下の説明においては、SOI基板4のシリコン酸化膜2およびシリコン膜3が設けられている側の主面をSOI基板4の表面とする。
このSOI基板4は、その直径が約8インチの円盤形状、すなわち直径が約200mmの円盤形状に形成されている。また、図示は省略するが、SOI基板4にはノッチと呼ばれる切り欠きが形成されている。そして、SOI基板4のうちシリコン基板1は、その厚さが約1mmに設定されている。また、シリコン酸化膜2はその膜厚を約0.1μmに設定されている。さらに、シリコン膜3はその膜厚を約1μmに設定されている。
次に、図2に示すように、シリコン膜3上に多層膜の反射層6を形成する。この多層膜反射層6は、シリコン膜3の表面上にモリブデン(Mo)の膜7とシリコン(Si)の膜8とを交互に40層に積層することにより形成される。また、本実施形態においては、多層膜反射層6の反射率のピークの波長は約13.5nmに設定される。
具体的には、先ず、シリコン膜3の表面上にモリブデン膜7をスパッタイオンビーム法により成膜する。続けて、このモリブデン膜7の表面上にシリコン膜8を同じくスパッタイオンビーム法により成膜する。このような処理を40回繰り返すことにより、合計の積層数が40層のモリブデン膜7およびシリコン膜8からなる多層膜反射層6を成膜する。この際、多層膜反射層6の繰り返し単位である1層のモリブデン膜7と1層のシリコン膜8との合計の膜厚が約7nmとなるように成膜される。これにより、厚さが約300nmの多層膜反射層6がシリコン膜3の表面上に設けられる。この多層膜反射層6は、後述するように、リソグラフィ工程を用いて支持層であるとシリコン膜3ともに加工され、ステンシルパターンの一部を構成する。
続けて、図2に示すように、多層膜反射層6の表面である最上層のシリコン膜8の表面上にキャッピング層9を設ける。
次に、図3に示すように、マスクパターンを形成するリソグラフィ工程を開始するのに先立って、キャッピング層9の表面上にポジ型電子ビームレジスト膜10を塗布法により設ける。続けて、レジスト膜10に対して所定のベーキング処理を施した後、図示しない電子ビーム露光装置を用いて露光処理を行う。これにより、図3においては図示を省略するが、後述する被露光体28に露光される露光パターン11の原版となるパターン12がレジスト膜10に露光される。
次に、図4に示すように、パターン12が露光されたレジスト膜10を現像する。これにより、パターン12がレジスト膜10に形成される。続けて、パターン12が形成されたレジスト膜10に対してポストベーク処理を施す。
次に、図5に示すように、キャッピング層9、多層膜反射層6、およびシリコン膜3に対してドライエッチング処理を連続して施す。これにより、キャッピング層9、多層膜反射層6、およびシリコン膜3をそれらの厚さ方向に沿って貫通してなる所望の形状の露光パターン11が形成される。続けて、プラズマアッシング処理によりキャッピング層9の表面上からレジスト膜10を除去した後、洗浄処理を行う。
次に、図6に示すように、キャッピング層9、多層膜反射層6、およびシリコン膜3に形成された露光パターン11を埋めるとともにキャッピング層9の表面を覆って保護膜13を設ける。続けて、シリコン基板1の他方の主面である裏面を覆って、厚肉のフォトレジスト膜14を塗布法により設ける。
次に、図7に示すように、レジスト膜10にパターン12を形成したのと同様の工程により、フォトレジスト膜14に後述する開口パターン17の基礎となる開口パターン15を形成するための露光処理を行う。具体的には、フォトレジスト膜14のうち多層膜反射層6などのパターン11が形成されている領域16aおよびこの露光パターン形成領域16の外側の約5mmの周辺領域16bに対向する領域を開口するパターン15を、フォトレジスト膜14に形成する。これにより、シリコン基板1の裏面のうち、露光パターン形成領域16aおよびその周辺領域16bに対向する領域がフォトレジスト膜14から露出される。
次に、図8に示すように、シリコン基板1の裏面側からシリコン基板1の露出部分に対して連続してドライエッチング処理を施す。これにより、シリコン基板1のうち露光パターン形成領域16aおよびその周辺領域16bに対向する部分を除去する。この結果、シリコン酸化膜2の裏面のうち、露光パターン形成領域16aおよびその周辺領域16bに対向する領域がシリコン基板1から露出される。続けて、同じくマスク支持枠5の裏面側から、シリコン酸化膜2の露出部分に対してドライエッチング処理を施して除去する。これらの結果、シリコン基板1内の露光パターン形成領域16aおよびその周辺領域16bに対向する領域に開口パターン17が形成される。
次に、図9に示すように、開口パターン17が形成されたマスク支持枠5の裏面上からフォトレジスト膜14を除去する。それとともに、露光パターン11の原版となるパターン12が形成された多層膜反射層6およびSOI基板4から保護膜13およびキャッピング層9を除去する。これにより、多層膜反射層6およびシリコン膜3をそれらの厚さ方向に沿って貫通して、所望の形状からなる露光パターン11が形成される。この後、所定の洗浄処理を行う。
これまでの工程により、図9に示す所望の構造からなる本実施形態に係るEUV露光用ステンシルマスク19を得る。すなわち、約1μmの厚さを有するステンシルパターン領域を構成する露光パターン形成領域16aおよびその周辺領域16bが、約1mmの厚さのマスク支持枠5により補強されているEUV露光用ステンシルマスク19が得られる。
なお、本実施形態においては、EUV光は、ステンシルマスク19の表面側であるステンシルマスク19の多層膜反射層6が設けられている側に向けて照射される。照射された光は、露光パターン11の貫通部を通過する。EUV光は、後述する投影光学系を介して、後述する被露光体28に結像される。これに対して、照射された光のうち露光パターン11の貫通部に入射しなかった残りの光は、多層膜反射層6により吸収または反射される。本発明者等が行った実験によれば、多層膜反射層6における波長約13.5nmのEUV光の反射率は、約65%であることが確認された。すなわち、多層膜反射層6においては、入射するEUV光の約2/3が反射され、約1/3が吸収されていると考えられる。
次に、図10を参照しつつ、本実施形態に係るEUV露光装置20およびEUV露光方法について説明する。本実施形態のEUV露光装置20およびEUV露光方法は、具体的には前述したEUV露光用ステンシルマスク19を用いるEUV露光装置20およびEUV露光方法である。先ず、図10を参照しつつ、EUV露光装置20について説明する。
図10に示すように、EUV露光装置20は、ステンシルマスク19を位置決めするマスクステージ25、照明光学系21、投影光学系22、シリコンウェーハなどの被露光体28を保持し位置決めする被露光体ステージ31、図示しない制御システム、および露光光源としてのEUV光源32などから構成されている。照明光学系21は、ステンシルマスク19の多層膜反射層9が設けられている側の主面であるステンシルマスク19の表面に対向して設けられている。そして、照明光学系21は、EUV光源32から発せられたEUV光23を、照明用ミラー24によりステンシルマスク19の表面側からステンシルマスクパターン18に向けて照射する。
ステンシルマスク19は、前述したように、その多層膜反射層9が設けられている側の主面である表面を照明光学系21に対向させられて保持されている。そして、ステンシルマスク19は、そのマスク支持枠5を六軸制御されているマスクステージ25に保持されて位置決めされる。EUV光23は、照明光学系21により所定の光線形状に成形された後、ステンシルマスク19の表面に達してステンシルマスク19の一部を照明する。そして、ステンシルマスクパターン18の開口部を透過したEUV光23は、後述する投影光学系22に入射する。
投影光学系22は、ステンシルマスク19を間に挟んで照明光学系21の反対側に設けられている。投影光学系22は、第1〜第6の6枚の投影用ミラー27a,27b,27c,27d,27e,27fにより、ステンシルマスクパターン18を通過したEUV光23からなる露光パターン11の像を被露光体28の表面に向けて投影する。
被露光体28は、例えばシリコン基板29、シリコン基板29の主表面に設けられた図示しない少なくとも一層の薄膜、およびシリコン基板29の主表面上に設けられたレジスト膜30などから構成されているものとする。レジスト膜30には、EUV光23からなる露光パターン11の像が投影される。そして、被露光体28は、その裏面をウェーハステージ31に吸着されて保持されるとともに、位置決めされる。
EUV露光装置20は、ステンシルマスク19上に約104mm×約10mmのスリット形状の照明領域を有しており、走査型の露光処理を行う。すなわち、マスクステージ25およびウェーハステージ31は、ステンシルマスク19および被露光体28が互いに4対1の縮小倍率を反映した位置関係を維持しつつ被露光体28が適正な焦点位置に位置するように制御されている。それとともに、マスクステージ25およびウェーハステージ31は、互いに同期された相対速度で走査露光を繰り返すことができるように設定されている。具体的には、マスクステージ25およびウェーハステージ31は、幅が最大で約26mmかつ長さが最大で約33mmのパターン露光を、被露光体28の表面上で一回の走査で行うことができるように設定されている。さらに、以上説明した照明光学系21、ステンシルマスク19、マスクステージ25、投影光学系22、ウェーハステージ31、EUV光源32は、図示しない真空容器からなる鏡筒の内部に格納されている。
次に、図10を参照しつつ、本実施形態のEUV露光方法について簡潔に説明する。本実施形態のEUV露光方法は、具体的には前述したEUV露光装置20を用いる露光方法である。
先ず、EUV光源32から発せられたEUV光23を、照明光学系21の照明用ミラー24を用いてマスクステージ25上に保持されたステンシルマスク19の表面側からステンシルマスクパターン18に向けて照射する。ステンシルマスク19に照射されたEUV光23の一部は、ステンシルマスクパターン18の開口部で構成される露光パターン11の形状に成形された後、投影光学系22に入る。また、ステンシルマスクパターン18に向けて照射されたEUV光23のうち露光パターン11の開口部に入射しなかった残りのEUV光23は、多層膜反射層6により吸収あるいは反射されて投影光学系22には到達しない。
次に、ステンシルマスク19を通過して投影光学系22に入った露光パターン11の像を、第1〜第6の各投影用ミラー27a,27b,27c,27d,27e,27fを用いて順番に反射して、ウェーハステージ31上に保持された被露光体28の表面に導く。これにより、被露光体28のシリコン基板29の表面上に設けられているレジスト膜30の表面に露光パターン11の像を投影する。レジスト膜30の表面に投影された露光パターン11の像は、ステンシルマスク19に形成されている露光パターン11の約1/4の大きさに縮小されている。以後、マスクステージ25およびウェーハステージ31を互いに同期された所定の位置関係で移動させつつ、同様の走査露光を繰り返す。これにより、ステンシルマスク19に形成されている露光パターン11の像をレジスト膜30の表面に縮小投影しつつ露光する。以上で、本実施形態の露光方法の説明を終了する。
次に、本実施形態に係るEUV露光装置20およびEUV露光方法に関して、本発明者等が行った実験およびその結果について説明する。
先ず、本発明者等は、図示は省略するが、約193nmの波長からなる露光光を用いる通常の露光装置および露光方法を用いて下地パターンの準備を行った。露光ショットサイズは、約26mm×32mmとした。そして、レジスト膜に形成されたレジストパターンをマスクとしてレジスト膜の下地であるシリコン酸化膜を加工して、下地パターンを形成した。続けて、シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を積層した。
続けて、シリコン窒化膜上にレジスト膜30を積層し、EUV露光装置20を用いて前述したEUV露光方法を実行した。続けて、図示は省略するが、レジスト膜30を現像することにより、レジスト膜30に露光パターン11の転写レジストパターンを得た。この後、レジストパターンの寸法および重ね合わせ精度の測定を行い、転写精度を確認した。
重ね合わせ精度は、図示しない重ね合わせ精度測定用パターンを用いて下地パターンに対する転写パターンの位置精度を測定することにより測定された。重ね合わせ精度の測定は、50枚連続して露光処理した基板のうち、2番目、22番目、および42番目の3枚の基板に対して実施した。この際、各基板においては、x方向、およびx方向に直交するy方向にそれぞれ奇数のショットを配置した。そして、このような露光配置に対して、ウェーハノッチを下側にして、ウェーハの中心ショット、x方向、y方向、それぞれの外側から2番目のショットに対して重ね合わせ精度の測定を実施した。すなわち、各基板についてそれぞれ合計で5ショットずつ重ね合わせ精度の測定を実施した。また、この重ね合わせ精度の測定は、各ショットの略四隅に配置された重ね合わせ精度測定用パターンを用いて実施された。
この測定の結果、重ね合わせ精度は、測定したそれぞれのショットについて最大で約15nmずれていたことが分かった。また、測定した3枚のウェーハについて、各ウェーハ内あるいは各ウェーハ間で露光順序に依存すると考えられるパターンやショットの変動は観察されなかった。すなわち、本実施形態に係るEUV露光装置20およびEUV露光方法によれば、露光工程においてステンシルマスク19にEUV光23が照射されたことによりステンシルマスク19に生じる熱歪に起因すると考えられるパターンやショットのずれ、差異、あるいは誤差は、殆ど生じていなかったことが確認された。
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図示を省略しつつ簡潔に説明する。本実施形態の半導体装置の製造方法は、具体的には前述したEUV露光装置20およびEUV露光方法を用いてレジストパターンが形成されたシリコン基板を利用する半導体装置の製造方法である。
前述したように、本実施形態のEUV露光装置20およびEUV露光方法を用いて、レジストパターンをシリコン基板等の表面上に設けられたレジスト膜に形成する。この後、形成されたレジストパターンに基づいて、シリコン基板等にエッチング処理などを施して加工する。続けて、シリコン基板等に各種の配線や各種半導体素子を形成する。この後、樹脂封止工程やダイシング工程などを経ることにより、本実施形態に係る図示しない半導体装置を得る。それとともに、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を終了とする。
以上説明したように、この第1実施形態によれば、EUV光23の吸収、ひいてはEUV光23の照射による熱歪が低減もしくは抑制されており、露光精度の向上を図ることができるEUV露光用ステンシルマスク19を提供することができる。それとともに、EUV露光用ステンシルマスク19を用いることにより、露光精度の向上を図ることができるEUV露光装置20およびEUV露光方法を提供することができる。
具体的には、本実施形態によれば、EUV露光用ステンシルマスク19におけるEUV光などの熱光線の吸収が約1/3程度に低減されている。これにより、ステンシルル型マスクをEUV露光に採用する上で問題であった熱問題を著しく低減することができる。また、本実施形態のEUV露光装置20においては、照明光23の光軸をEUV露光用ステンシルマスク19に対して略垂直とすることができる。これにより、照明光学系21および投影光学系22のデザインの設計および製作において、自由度を大きくすることができる。その上、従来の反射型マスクや露光装置で生じていた斜入射に伴う解像力の低下などが殆ど発生しないので、解像力を向上させることができる。
また、本実施形態のEUV露光用ステンシルマスク19の製造方法によれば、従来の反射型露光用マスクでは解消し切れなかった技術的な障壁であった欠陥の発生の問題も略解決することができる。すなわち、前述したように、従来の反射型EUVマスクでは、多層膜反射層を有するブランクスの欠陥制御の困難性、およびマスク欠陥修正の困難性が大きな問題であった。これに対して、本実施形態に係るEUV露光用ステンシルマスク19では、たとえ多層膜反射層6に欠陥が生じたとしても、その欠陥が被露光体28に転写されるおそれは殆どない。その上、EUV露光用ステンシルマスク19では、たとえ多層膜反射層6に欠陥が生じたとしても、既存の技術を用いることによりその欠陥を比較的容易に修正することができる。
また、本実施形態に係るEUV露光用ステンシルマスク19では、その照明光学系21と対向する側に多層膜反射層6が設けられている。これにより、EUV露光用ステンシルマスク19は、EUV光23の吸収率および吸収量が低減もしくは抑制されている。ひいては、EUV露光用ステンシルマスク19は熱歪が低減もしくは抑制されており、露光精度が向上されている。また、EUV露光用ステンシルマスク19においては、その開口部を透過するEUV光23の損失は殆ど皆無なので、反射型EUVマスクに比べて約50%以上の露光量の増大を図ることができる。これによっても、EUV光源32の光量を増大させる必要が無くなるので、EUV露光用ステンシルマスク19に熱歪が発生するおそれがより低減もしくは抑制されている。この結果、EUV露光用ステンシルマスク19を用いる本実施形態に係るEUV露光装置20およびEUV露光方法では、露光精度を向上させることができるのみならず、露光時間を短縮させて露光工程の効率を上げることができるとともに、露光工程の省エネルギー化を図って露光工程の低コスト化を実現することができる。
さらに、本実施形態に係るEUV露光装置20、EUV露光方法、および半導体装置の製造方法によれば、EUV露光用ステンシルマスク19の熱歪に起因すると考えられる誤差が殆ど生じていない高精度のレジストパターンに基づいて、被露光体28等を高い精度で加工することができる。さらに、前述したように、本実施形態に係るEUV露光装置20およびEUV露光方法では、前述したようにEUV光源32の光量を増大させる必要が無いので、被露光体としてのシリコンウェーハ28などに熱や光に起因するダメージが発生するおそれを、従来のEUV露光装置およびEUV露光方法に比べて抑制もしくは低減させることができる。したがって、本実施形態に係るEUV露光装置20、EUV露光方法、および半導体装置の製造方法により処理された被露光体28は、その性能、品質、および信頼性などが向上されている。ひいては、そのような被露光体28を備える本実施形態に係る半導体装置は、その品質や信頼性が向上されている。
さらに、本実施形態に係るEUV露光装置20およびEUV露光方法では、前述したように露光時間を短縮させて露光工程の効率を上げることができるとともに、露光工程の省エネルギー化を図って露光工程の低コスト化を実現することができる。このため、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、性能、品質、および信頼性などが向上された半導体装置を効率よく低コストで、かつ容易に製造することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について図11〜図15を参照しつつ説明する。図11および図12は、本実施形態に係る一つのEUV露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図である。図13および図14は、本実施形態に係る他のEUV露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図である。図15は、本実施形態に係る露光装置および露光方法を模式的に示す断面図である。なお、前述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付して、それらの詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、第1実施形態で用いたEUV露光用ステンシルマスク19と同様の構成からなるEUV露光用ステンシルマスクを少なくとも1枚含む複数枚のEUV露光用ステンシルマスクを用いる露光装置および露光方法について説明する。また、当然のことながら、本実施形態に係る露光装置および露光方法に用いられるEUV露光用ステンシルマスクについても説明する。以下、詳しく説明する。
先ず、本実施形態に係る第1のEUV露光用ステンシルマスクを製造する。具体的には、図11に示すように、第1実施形態と同様に、SOI基板4が有するシリコン膜3の露光パターン形成領域41に既存のリソグラフィ技術等を用いて露光パターン42の基礎となる部分を形成する。この露光パターン42の基礎となる部分は、図示は省略するが、ゲート層のパターンデータに基づいて形成される。それとともに、シリコン基板1およびシリコン酸化膜2からなるマスク支持枠5の内部に、既存のリソグラフィ技術等を用いて露光パターン22の基礎部分に連通する開口パターン43を形成する。これにより、SOI基板4の内部に、露光パターン42および開口パターン43からなるステンシルマスクパターン44の主要部が形成される。なお、シリコン膜3の裏面側に設けられているシリコン酸化膜(SiO2 膜)2のうち、露光パターン形成領域41内のシリコン酸化膜2は、マスク支持枠5の内部に開口パターン43を形成する際のエッチング工程によりシリコン基板1とともに除去される。また、本実施形態においては、シリコンパターンとなるシリコン膜3の膜厚は、約0.6μmに設定されている。
次に、図12に示すように、開口パターン43が形成されたマスク支持枠5の内部に、第1実施形態と同様の工程により、複数枚のシリコン膜7とモリブデン膜8とを交互に複数層に積層して設ける。先ず、露光パターン形成領域41内に残されたシリコン膜3の裏面上に、シリコン膜7およびモリブデン膜8が交互に積層されてなる多層膜反射層45をイオンビームスパッタ法により設ける。続けて、同じく第1実施形態と同様の工程により、シリコン膜3の表面上に多層膜反射層6を設ける。したがって、本実施形態の第1のEUV露光用ステンシルマスクに係る露光パターン42は、シリコン膜3および多層膜反射層6からなる第1実施形態の露光パターン11と異なり、多層膜反射層45、シリコン膜3、および多層膜反射層6より形成されている。
これまでの工程により、図12に示す所望の構造からなる本実施形態に係る第1のEUV露光用ステンシルマスク46が作製される。すなわち、シリコン膜7およびモリブデン膜8が交互に複数層に積層されてなる多層膜反射層6がマスク支持枠5の表面側に設けられているのみならず、多層膜反射層6と同様の構成からなる多層膜反射層45がマスク支持枠5の裏面側にも設けられており、かつ、多層膜反射層6、シリコン膜3、および多層膜反射層45をそれらの厚さ方向に沿って貫通して形成された高精細な露光パターン42とマスク支持枠5の裏面側に開口された大径の開口パターン43とがマスク46の内部において互いに連通されてなるステンシルマスクパターン44が形成されているEUV露光用ステンシルマスク46を得る。
本発明者等は、表面側の多層膜反射層6および裏面側の多層膜反射層45のそれぞれに対して、波長が約13.5nmのEUV光を略垂直に入射させた場合の反射率を計測する実験を行った。この実験の結果によれば、EUV露光用ステンシルマスク46においては、表面側の多層膜反射層6および裏面側の多層膜反射層45ともに約65%という高い反射率を得られることが確かめられた。
また、本発明者等は、EUV露光用ステンシルマスク46の平坦度を測定する実験を行った。具体的には、EUV露光用ステンシルマスク46のマスク面のうち、有効なパターン領域として約104mm×132mmのパターン形成領域41の平坦度を測定するとともに、最大のずれが最も小さくなるように選択した仮想平面からの前記領域の平坦度のずれを測定した。この実験の結果によれば、EUV露光用ステンシルマスク46においては、実際の露光精度に関与するおそれのある仮想平面からのマスク面の平坦度のずれは、約0.25μmと極めて小さいことが分かった。すなわち、EUV露光用ステンシルマスク46の反りや凹凸などの歪みは、十分に許容誤差の範囲内であり、実際の露光工程には実質的に殆ど影響を及ぼさないことが確かめられた。
さらに、本発明者等は、作製したEUV露光用ステンシルマスク46を用いて試験的に露光処理を実施した。この露光処理試験を実施するに当たって、本発明者等は、EUV露光用ステンシルマスク46とレジスト膜30との間のフォーカスが走査時に最適となるように、マスクステージ25およびウェーハステージ31の相対的な焦点位置関係を走査中においても制御した。具体的には、露光パターン42をネガレジスト膜30の表面に露光する処理を、25枚のウェーハ28に対して連続して実施した。この後、最初のウェーハ28と最後のウェーハ28との間における露光パターン42の重ね合わせ精度の差を評価した。
この評価に当たっては、図示は省略するが、3つのチップで構成されているショット内において各チップの外周部の12点を測定するとともに、ウェーハ28ごとに5つのショットを選択した。そして、ネガレジスト膜28に転写された露光パターン42のマークに対して、図示しない下地マークとの相対的な位置関係を測定した。この測定の結果、比較した2枚のウェーハ28同士の間においては、約15nmの露光パターン42のマークのシフトが発生していたことが確認された。ただし、EUV露光用ステンシルマスク46の歪が時間の経過とともに発生していることに起因すると考えられる縮小倍率の変化の如き成分は、殆ど発生していないことが確認された。
次に、本実施形態に係る第2のEUV露光用ステンシルマスクを製造する。具体的には、図13に示すように、本実施形態に係る第1のEUV露光用ステンシルマスク46の場合と同様に、SOI基板4が有するシリコン膜3の露光パターン形成領域41に既存のリソグラフィ技術等を用いて露光パターン47の基礎となる部分を形成する。それとともに、シリコン基板1およびシリコン酸化膜2からなるマスク支持枠5の内部に、既存のリソグラフィ技術等を用いて露光パターン47の基礎部分に連通する開口パターン43を形成する。これにより、SOI基板4の内部に、露光パターン47および開口パターン43からなるステンシルマスクパターン48の主要部が形成される。
次に、図14に示すように、シリコン膜3の表面上にルテニウム金属膜49を設ける。続けて、第1実施形態と同様の工程により、ルテニウム金属膜49の表面上にシリコン膜7とモリブデン膜8とを交互に複数層に積層して多層膜反射層6を設ける。ルテニウム金属膜49および多層膜反射層6は、ともに予めシリコン膜3により形成された露光パターン47の基礎部分に沿って設けられる。したがって、本実施形態の第2のEUV露光用ステンシルマスクに係る露光パターン47は、シリコン膜3、および多層膜反射層6からなる第1実施形態の露光パターン11と異なり、シリコン膜3、ルテニウム金属膜49、および多層膜反射層6により形成されている。
これまでの工程により、図14に示す所望の構造からなる本実施形態に係る第3のEUV露光用ステンシルマスク50が作製される。すなわち、シリコン膜7およびモリブデン膜8が交互に複数層に積層されてなる多層膜反射層6が、シリコン膜3およびルテニウム金属膜49上に積層されてステンシルパターン部を構成しているとともにシリコン基板1およびシリコン酸化膜2からなるマスク支持枠5に保持されており、かつ、多層膜反射層6の表面側に開口された高精細な露光パターン47とマスク支持枠5の裏面側に開口された大径の開口パターン43とがマスク50の内部において互いに連通されてなるステンシルマスクパターン48が形成されているEUV露光用ステンシルマスク50を得る。
本発明者等は、この第3のEUV露光用ステンシルマスク50についても、露光処理試験の一種であるパターン転写試験を実施した。この第3のEUV露光用ステンシルマスク50を用いた露光処理試験は、具体的には、図15に示すように、第3のEUV露光用ステンシルマスク50の露光パターン面あるいはマスクパターン面となるマスク50の表面に、温度制御部としての恒温プレート51を対向配置させつつ行われた。この恒温プレート31は、EUV光23が照射されることに起因するEUV露光用ステンシルマスク50の温度上昇の抑制もしくはEUV露光用ステンシルマスク50の温度の均一化を行うために用いられる。恒温プレート51を第3のEUV露光用ステンシルマスク50に近接させて配置することにより、露光処理に伴うEUV露光用ステンシルマスク50の熱歪を低減させたり、あるいはEUV露光用ステンシルマスク50の熱歪の一様化を図ったりする。
具体的には、恒温プレート51は、そのEUV露光用ステンシルマスク50と対向する側の主面とEUV露光用ステンシルマスク50の多層膜反射層6の表面との間隔を、約1.5μmの距離に保たれて配置される。また、恒温プレート51は、その温度が約23℃で安定するように温度制御されている。さらに、図15に示すように、恒温プレート51には、その中央部を厚さ方向に沿って貫通してEUV光23が通過可能な通過部52が開口形成されている。これにより、露光処理を行う際にEUV光23が恒温プレート51により遮られるおそれはない。図15においては、EUV光23が通過する領域であるEUV光23の照明領域を仮想線としての二点鎖線で囲んで示す。また、図15中白抜きの両方向矢印は、マスクステージ25の上に載置されたEUV露光用ステンシルマスク50がマスクステージ25とともに移動する方向の一部を示すものである。
このような設定の下、本発明者等は第2のEUV露光用ステンシルマスク50を用いて露光処理試験を行った。具体的には、前述した第1のEUV露光用ステンシルマスク46を用いた露光処理試験と同様に、第2のEUV露光用ステンシルマスク50を用いてレジスト膜30に図示しないポジレジストにコンタクトホールパターンを焼き付けた。そして、そのコンタクトホールパターンについて、同一のウェーハ28において同一のチップを測定することにより、コンタクトホールパターンの重ね合わせ精度のデータを取得した。この測定の結果、比較した2枚のウェーハ28同士の間においては、下地パターンに対して平均で約12nmの位置ずれが発生していたことが確認された。それとともに、露光装置20のアライメント工程に起因すると思われるウェーハ28内におけるずれの回転成分が、最大のチップで約8nm認められた。ただし、EUV露光用ステンシルマスク46の熱歪に起因すると考えられるずれや誤差のデータは確認されなかった。
以上説明したように、この第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1のEUV露光用ステンシルマスク46のようにマスク支持枠5の表裏両面に多層膜反射層6,25を設けることにより、第1のEUV露光用ステンシルマスク46のEUV光23の吸収、ひいてはEUV光23の照射による第1のスEUV露光用ステンシルマスク46の熱歪をより低減もしくは抑制することができる。あるいは、第2のEUV露光用ステンシルマスク50を用いた露光試験のように露光処理を行う際に恒温プレート51を多層膜反射層6に近接させて配置することによっても、熱歪をより低減もしくは抑制することができる。すなわち、本実施形態によれば、第1のEUV露光用ステンシルマスク46や第2のEUV露光用ステンシルマスク50、および恒温プレート51を用いることにより、露光装置20およびこれを用いる露光方法の露光精度をより向上させることができる。
また、図示は省略するが、この第2実施形態によれば、第1のEUV露光用ステンシルマスク46や第2のEUV露光用ステンシルマスク50の熱歪に起因すると考えられる誤差が殆ど生じていない高精度のレジストパターンに基づいて、被露光体28を高い精度で加工することができる。したがって、そのような高精度で加工された被露光体28を備える本実施形態に係る半導体装置は、その品質や信頼性が向上されている。また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、品質や信頼性が向上された半導体装置を容易にかつ迅速に製造することができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について図16を参照しつつ説明する。図16は、本実施形態に係る露光装置および露光方法を模式的に示す断面図である。なお、前述した第1および第2の各実施形態と同一部分には同一符号を付して、それらの詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、EUV露光用ステンシルマスクの歪みをさらに抑制もしくは低減する技術について簡潔に説明する。
本実施形態においては、図16に示すように、第1実施形態に係るEUV露光用ステンシルマスク19とマスクステージ25との間にマスク保持部材61を配置する。このマスク保持部材61は、EUV露光用ステンシルマスク19のマスク本体5よりも大きく形成されている。それとともに、マスク保持部材61には、EUV露光用ステンシルマスク19の裏面側に形成されている開口パターン17に対向する位置に、開口パターン17と略同じ大きさおよび形状からなる開口部62が形成されている。これにより、マスク保持部材61は、ステンシルマスクパターン18の形成領域16を覆うことなく、EUV露光用ステンシルマスク19のマスク本体5をその裏面側から全面的に支持することができる。したがって、露光パターン11を通過したEUV光23による露光パターン11の像がマスク保持部材61により遮られるおそれはない。なお、図16においては、図面を見易くするために、シリコン膜7およびモリブデン膜8をまとめて多層膜反射層6として示すとともに、シリコン基板1、シリコン酸化膜2、およびシリコン膜3をまとめてSOI基板4として示す。
以上説明したように、この第3実施形態によれば、前述した第1および第2の各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態によれば、第1実施形態に係るEUV露光用ステンシルマスク19のマスク本体5をその裏面側からマスク保持部材61を用いて全面的に支持することができる。この結果、EUV露光用ステンシルマスク19に対する軟X線23の照射の有無やEUV露光用ステンシルマスク19の温度などに拘らず、EUV露光用ステンシルマスク19の歪を機械的な作用によって抑制したり、あるいは低減したりすることができる。
なお、本発明に係るEUV露光用ステンシルマスク、EUV露光装置、およびEUV露光方法は、前述した第1〜第3の各実施形態には制約されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、それらの構成、あるいは製造工程などの一部を種々様々な設定に変更したり、あるいは各種設定を適宜、適当に組み合わせて用いたりして実施することができる。
例えば、第2実施形態で用いた恒温プレート51と第2実施形態で用いたマスク保持部材61とを併用しても構わないのはもちろんである。これにより、第1実施形態に係るEUV露光用ステンシルマスク19の歪をさらに抑制したり、あるいは低減させたりすることができる。ひいては、露光処理の精度をさらに向上させて、品質や信頼性がさらに向上された半導体装置を容易にかつ迅速に製造することができる。
また、恒温プレート51やマスク保持部材61に第2実施形態に係る第1のEUV露光用ステンシルマスク46や第2のEUV露光用ステンシルマスク50を組み合わせて用いても構わないのはもちろんである。これにより、それら各マスク46,50の歪を大幅に抑制したり、あるいは低減させたりすることができるのはもちろんである。とうぜん、品質や信頼性が大幅に向上された半導体装置を容易にかつ迅速に製造することができるのはもちろんである。
また、前述した各実施形態においては、ステンシルマスクパターン18,44,48としてのデバイスパターンを1つのマスクパターン形成領域16a,41に形成するとともに、ウェーハ28に1対1の対応で転写パターンを形成する方法について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、転写するステンシルマスクパターン18,48を複数の領域に分割してEUV露光用ステンシルマスク19,46,50に形成する。そして、それら複数の領域をウェーハ28上で逐次接続させつつ、あるいは重複させて露光することによりステンシルマスクパターン18,44,48全体をウェーハ28に転写しても構わない。すなわち、本発明によれば、2つの露光パターンを重ねて露光する二重露光などの、いわゆる重ね合わせ露光を行うことにより、より複雑なパターンを形成することもできるのはもちろんである。
また、第1〜第3の各実施形態においては、EUV露光用ステンシルマスク19,46,50の母材となる膜として、シリコンを用いると設定としたが、これに限定されるものではない。セラミック材料、金属材料であっても本発明の主旨を逸脱しない。
また、ステンシルパターンの貫通部の形状は、垂直壁である必要は無い。すなわち、転写パターンサイズを決める遮光性を有する部分に比べて、支持部が後退する、あるいはテーパーを有することも本発明の主旨を逸脱しない。
また、ステンシルパターンの貫通部の内壁に例えばRuやWやSiの薄膜を設け、EUV光の吸収を低減することも本発明の主旨を逸脱しない。
また、ステンシル構造の補強のために、極薄膜で構成されたメンブレン部を少なくとも一部のパターン領域に設けることも本発明の主旨を逸脱しない。
さらに、第1〜第3の各実施形態においては、最終的には品質や信頼性が向上された半導体素子や半導体装置を製造する技術を提供することを目的として説明を行ってきたが、これに限定されるものではない。本発明は、半導体素子や半導体装置以外にも、その他の広範かつ種々様々な微細デバイスを製造する場合にも適用可能であるのは勿論である。
第1実施形態に係る露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第1実施形態に係る露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第1実施形態に係る露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第1実施形態に係る露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第1実施形態に係る露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第1実施形態に係る露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第1実施形態に係る露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第1実施形態に係る露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第1実施形態に係る露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第1実施形態に係る露光装置および露光方法を模式的に示す図。 第2実施形態に係る一つの露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第2実施形態に係る一つの露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第2実施形態に係る他の露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第2実施形態に係る他の露光用ステンシルマスクの製造方法を示す工程断面図。 第2実施形態に係る露光装置および露光方法を模式的に示す断面図。 第3実施形態に係る露光装置および露光方法を模式的に示す断面図。
符号の説明
1…シリコン基板、2…シリコン酸化膜、3…シリコン膜、5…マスク本体、7…シリコン膜、8…モリブデン膜、6,45…多層膜反射層(反射層)、11,42,47…露光パターン、17,43…開口パターン、19,46,50…EUV露光用ステンシルマスク、30…EUV露光装置、21…照明光学系、22…投影光学系、28…シリコン基板(シリコンウェーハ、被露光体)、30…レジスト膜(被露光体)、32…EUV光源(露光光源)、51…恒温プレート(温度制御部)、52…通過部

Claims (5)

  1. 少なくともEUV光が照射される側に前記EUV光を反射する多層膜反射層を具備することを特徴とするEUV露光用ステンシルマスク。
  2. 前記多層膜反射層が、モリブデンの薄膜とシリコンの薄膜とを交互に複数回積層してなる多層膜により構成されていることを特徴とする請求項1記載のEUV露光用ステンシルマスク。
  3. EUV光源、照明光学系、マスクステージ、投影光学系、ウェーハステージ、および制御システムを具備するとともに、
    請求項1または2に記載の前記EUV露光用ステンシルマスクを用いて透過型の照明を行うことにより、前記ウェーハステージに保持された被露光体に露光を行うことを特徴とするEUV露光装置。
  4. 前記EUV露光用ステンシルマスクの温度の均一化を図る温度制御部が、前記EUV露光用ステンシルマスクのパターン面に近接して設けられていることを特徴とする請求項3に記載のEUV露光装置。
  5. 請求項3または4に記載の前記EUV露光装置を用いて前記ウェーハステージに保持された前記被露光体に露光を行うことを特徴とするEUV露光方法。
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