JP2008060227A - 面発光素子、面発光素子を用いた画像読取装置及び画像書込装置、並びに面発光素子の製造方法 - Google Patents

面発光素子、面発光素子を用いた画像読取装置及び画像書込装置、並びに面発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】面発光ダイオード、面発光サイリスタのような面発光素子において、電流を注入する電極の真下に発光中心が位置し、電極自身が遮光層となり発光効率が低下するという問題がある。また、電極と半導体層との間のオーミック接触の電気的接触抵抗による発光効率の損失という問題がある。
【解決手段】本発明の面発光素子は、半導体の基板全面への成膜化を対象とするMOCVD法やMBE法などのエピタキシャル成膜技法に加えて、半導体基板の一部分にp形半導体層又はn形半導体層として機能する高キャリア濃度領域101又は102を特定の位置に形成させる。特定の位置に形成された高キャリア濃度領域101又は102は、電極と半導体層との間のオーミック接触の電気的接触抵抗を低減させ、更に、電極87の周囲に位置する半導体基板の発光領域Lcを、電極87により遮光されない位置へと移動させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、面発光素子、面発光素子を用いた画像読取装置及び画像書込装置、並びに面発光素子の製造方法に関し、特に、発光効率を改善させる面発光素子の構造及び製造方法に関する。
従来、発光素子の代表的なものとして発光ダイオード及びレーザダイオードが知られている。特に、発光ダイオードは、化合物半導体(GaAs、GaP、GaAlAs等)のpn接合又はpin接合を形成し、これに順方向電圧を加えることにより接合内部にキャリアを注入し、その再結合の過程で生じる発光現象を利用するものである。
発光ダイオードと同じ発光メカニズムを有する発光素子として発光機能を有する負性抵抗素子(発光サイリスタ,レーザサイリスタ等)も知られている。発光サイリスタは、先に述べたような化合物半導体でpnpn構造を形成して製造され、一般的なサイリスタと同様なS字形の負性抵抗を示す電流―電圧特性(以下、サイリスタ特性と称する)を有して機能することは知られている。
また、面発光型の発光サイリスタ(以下、面発光サイリスタと称する)を用いた自己走査型発光素子アレイ(以下、SLEDとも称する)について、既に多くの出願において開示されている(例えば、特許文献1参照)。SLEDは、発光素子毎に点灯制御し、発光素子アレイの長尺方向に点灯走査させる機能を有する。図15は、面発光サイリスタを用いた発光素子アレイチップの配列状態を示す平面図である。同図において、複数の面発光サイリスタ84が複数の発光素子アレイチップ80に直線状に配列されている。複数の発光素子アレイチップ80を、略一直線状に連なるように連結させることにより、発光素子アレイを構成させる。そして、そのSLEDの長尺方向を、例えば画像書込装置の主走査方向に対応するように配置し、画像書込装置の発光手段として機能させることができる。
図16は、図15に示した発光素子アレイチップの拡大図である。並列に配線された複数の面発光サイリスタ84は、ボンディングパッド82から各々給電される。尚、このような並列配線された面発光サイリスタ84の列を複数設けることができ、ボンディングパッド82からの給電タイミングを制御することにより、多様な発光制御を行うことができる。
図17は、図16に示した1つの面発光サイリスタの拡大図である。同図において、面発光サイリスタが有するゲート電極の部分の図示を省略している。面発光サイリスタ84の中央部には電極87が設けられ、コンタクトホールChを介して配線82aと電気的に接続されている。電極87は、面発光サイリスタ84の発光部Laの中央を覆うように設けられていることが分かる。
図18は、メサ型のpnpn構造の従来の面発光サイリスタの断面図である。図18において、図17に示したA-A’方向の面発光サイリスタの断面図と考えてよい。この面発光サイリスタは、n形半導体基板92上に形成されたn形半導体層91,p形半導体層90,n形半導体層89,p形半導体層88と、p形半導体層88にオーミック接触するように形成された電極87とを備えている。面発光サイリスタ84の構造上、全体に絶縁被膜86(光透過性の絶縁材料である)が設けられ、その上にアルミニウム(Al)配線82aが設けられている。絶縁被膜86には、電極87とAl配線82aとを電気的に接続するためのコンタクトホールChが開けられている。また、n形半導体基板92の裏面には、カソード電極93が設けられており、電極87はアノード電極として構成させている。
図19は、図18に示すpnpn構造の面発光サイリスタにおいて電流の流れる様子を表す、従来の面発光サイリスタの断面図である。このようなpnpn構造の面発光サイリスタ84では、アノード電極87から流れる電流(以下、注入電流と称する)は、同図において矢印で示すように、半導体中を広がりながらカソード電極93に向かって流れる。ここで、ゲート層を構成するn形半導体層89及びp形半導体層90での発光領域Lbの発光中心(即ち、注入電流の電流密度が高い領域)は、主に電極87の真下にある。即ち、従来の面発光サイリスタは、発光領域Lbで発光した光が電極87又はAl配線82aによって遮られるような、発光効率を低下させる構造を有している。
そこで、そのような面発光サイリスタの構造を改良して発光効率を向上させるために、電極87とp形半導体層88との間で接する部分に絶縁層(図示せず)を設けることにより、その電極87の真下に向かって注入電流が流れないようにさせる構造が開示されている(例えば、特許文献2参照)。又は、電極87の周辺長を増大させることにより、注入電流を均一分布化させる構造が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
それとは別に、遮光要因となる電極構造を回避するために、アノード電極を面発光素子の発光領域外且つその発光領域の1辺近傍に配置する方法がある。例えば、面発光素子の最上層の半導体層内において、その表面側上部とアノード電極とを接続するように形成させた第1の不純物拡散層と、アノード電極の無い第1の不純物拡散層の下部、即ち面発光素子の発光領域下側に、第1の不純物拡散層と接続される第2の不純物拡散層とを有する発光素子が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第2577089号公報 特開平9-92885号公報 特開平5-145115号公報
前述したように、面発光ダイオード,面発光サイリスタのような面発光素子において、電流を注入する電極の真下に発光中心が位置し、電極自身が遮光層となり発光効率が低下するという問題がある。また、特許文献2に示すような先行技術の他に、更に発光効率を向上させる技術が望まれている。
また、図18に示す従来の発光サイリスタ84の構造では、電極87とp形半導体層88との間の接触抵抗にばらつきが生じやすいという問題がある。
一般的に、発光サイリスタのサイリスタ機能を実現するために、p形とn形の半導体層を交互に積層させる4層構造の発光サイリスタ84は、MOCVD法(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition, 有機金属化学気相蒸着法)で形成させる。MOCVD法による形成は、成膜速度が安定しており、層構造の再現性が優れている。また、成膜反応炉を大きくすることにより、一度に多くの枚数の半導体基板上に成膜させることができるため、大量生産にも向いている。
一方、発光素子として性能評価する方法の1つに発光効率がある。発光効率は、広義には、発光素子に供給した電気エネルギーが最終的に光としてどの程度利用されるかの割合を表す。従って、発光素子を商用ベースでの各種機能デバイスに利用する際には、発光効率の高い低消費エネルギーの素子が求められる。この要求に応えるための1つの手段として、外部駆動回路から半導体素子への電気エネルギーを供給するための経路に位置する電極と半導体素子との接触抵抗を小さくする技法が考えられる。接触抵抗を小さくするためには、電極と接触する半導体層において、その半導体層のp形若しくはn形を決めるためのキャリア濃度を高めればよい。
しかしながら、MOCVD法では、エピタキシャル成長の各種条件に依存するが、実現できるキャリア濃度には限界があり、一般的に現在のところ、p形で2×1018cm−3付近に上限があり、また、n型では、8×1018cm−3付近に上限がある。このキャリア濃度の限界により、電極と半導体層との間の接触抵抗の低減化にも限界が生じる。即ち、MOCVD法でのみキャリア濃度を制御して、接触抵抗を低減化することには限界がある。
実際に製作した従来の面発光サイリスタを例として説明する。図18において、p型半導体層88を2×1018cm−3付近のキャリア濃度を有するGaAs層とし、アノード電極にAuZn/Au構造を有する極めて一般的なオーミック電極を形成した場合、接触抵抗は約3×10−5Ωcm2であった。この接触抵抗は、発光効率を改善する観点からは比較的無視できない抵抗値であり、無駄な消費電力を発生させる。この接触抵抗は意図して形成されるものではなく、MOCVD法では、その抵抗値を制御することは困難である。
更に、MOCVD法でのみ形成させた面発光サイリスタを多数配置させて、発光素子アレイ(例えば、SLED)を構成させた場合、各々の面発光サイリスタにおける電極と半導体層との間の接触抵抗が様々な値を有することも避けられない。即ち、発光素子アレイの長尺方向(即ち、主走査方向)の光量分布の不均一性を増大させるという問題もある。
また、特許文献3に記載の面発光素子においては、アノード電極を面発光素子の発光領域外且つその発光領域の1辺近傍に配置しているために、第1の不純物拡散層を、第2の不純物拡散に比してかなり高濃度にしなければ、発光中心において均一な電流密度分布を得ることができない。また、そのような構造とすることは、原理的に電極間を流れる電流の経路が長くなるために高抵抗化することが考えられ、発光効率を向上させる観点からは好ましくない。
本発明は、上述の問題を改善するために、面発光素子、面発光素子を用いた画像読取装置及び画像書込装置、並びに、面発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による面発光素子の製造方法は、半導体の基板全面への成膜化を対象とするMOCVD法やMBE法(Molecular Beam Epitaxy, 分子線エピタキシー法)などのエピタキシャル成膜技法に加えて、不純物拡散法やイオン注入法を組み合わせ、高濃度のキャリア濃度領域(以下、高濃度キャリア領域とも称する)を半導体基板の一部分に形成する。これにより、半導体の基板全面を対象とする成膜技法のみでは実現できなかった高発光効率を有する面発光素子の形成を可能とする。
より具体的には、本発明による別の面発光素子は、第1の導電形の半導体層と、前記第1の導電形と異なる第2の導電形の半導体層とを交互に積層した複数の半導体層を有する半導体積層構造と、前記複数の半導体層の最上層に形成される第1の電極と、前記複数の半導体層の最下層に形成される第2の電極とを備える。前記半導体積層構造は、MOCVD法やMBE法などのエピタキシャル成膜技法により形成される。更に、本発明による面発光素子は、光出射面の領域が、前記第1の電極の周囲に位置しており、前記光出射面の領域の前記最上層内に少なくとも形成される高キャリア濃度領域を有する。前記高キャリア濃度領域は、不純物拡散法やイオン注入法により形成される。これにより、前記第1の電極の真下に位置する半導体層の領域の抵抗値より、前記第1の電極の周辺部に位置する半導体層の高キャリア濃度領域の抵抗値を小さくすることができ、遮光層となる前記第1の電極の真下の領域から、遮光層とならない領域にて電流密度を移動させる(即ち、注入電流の方向を移動させる)こともできる。従って、前記第1の電極から前記第2の電極に注入される電流によって、前記複数の半導体層の最上層の光出射側から発光する機能を有する面発光素子は、発光効率が改善される。
本発明による更に別の面発光素子は、第1の導電形の半導体層と、前記第1の導電形と異なる第2の導電形の半導体層とを交互に積層した複数の半導体層の上部に、低導電率の半導体層を有する半導体積層構造と、前記低導電率の半導体層に形成される第1の電極と、前記複数の半導体層の最下層に形成される第2の電極とを備える。前記半導体積層構造は、MOCVD法やMBE法などのエピタキシャル成膜技法により形成される。更に、本発明による面発光素子は、前記光出射面の領域が、前記第1の電極の周囲に位置しており、前記光出射面の領域の前記最上層内(前記低導電率の半導体層内)に少なくとも形成される高キャリア濃度領域を有する。前記高キャリア濃度領域は、不純物拡散法やイオン注入法により形成される。前記低導電率の半導体層を形成することにより、更に、遮光層となる前記第1の電極の真下の領域から、遮光層とならない領域にて電流密度を移動させる(即ち、注入電流の方向を移動させる)ことができる。従って、前記第1の電極から前記第2の電極に注入される電流によって、前記複数の半導体層の最上層の光出射側から発光する機能を有する面発光素子は、発光効率が改善される。
更に別の態様として、本発明の画像読取装置は、原稿台に載置された原稿に光を照射する光源と、前記光源から照射された前記原稿からの反射光を受光して前記原稿の画像情報を読み取る複数の受光素子と、前記原稿からの反射光を前記複数の受光素子に結像する正立等倍レンズアレイとを備え、前記光源が、本発明による面発光素子を有している。
更に別の態様として、本発明の画像書込装置は、複数の発光素子を有する発光素子アレイと、前記発光素子アレイの発光に基づいて画像情報が書き込まれる感光ドラムと、前記発光素子アレイの発光を前記感光ドラムに結像する正立等倍レンズアレイとを備え、前記複数の発光素子が、本発明による面発光素子を有している。
上述した態様とは別に、本発明による面発光素子を製造する方法としても、本発明を特徴づけられる。
本発明によれば、より発光効率の高い面発光素子を形成させることができる。
まず、本発明による面発光素子の構造及び機能の理解を助けるために、その構造及び機能について以下に説明する。
図1は、本発明による面発光サイリスタの一例を示す平面図である。面発光サイリスタ100の中央部には電極87が設けられ、コンタクトホールChを介して配線82aと電気的に接続されている。電極87は、面発光サイリスタ100の発光部Laの中央を覆うように設けられている。図2は、メサ型のpnpn構造の従来の面発光サイリスタの断面図である。図2において、図1に示したB-B’方向の面発光サイリスタの断面図と考えてよい。同図において、図18に示した面発光サイリスタと同様な構成要素には、同一の参照番号を付しており、同様な構成要素についての説明を省略する。図2に示す面発光サイリスタ100は、pnpn構造を有し、MOCVD法やMBE法などのエピタキシャル成膜技法により形成できる。
図1及び図2において、アノード電極87とp形半導体層88との間には、前述したように接触抵抗が存在する(図示せず)。そこで、その接触抵抗の抵抗値が低減するように、p形半導体層88の領域内で高濃度のキャリア濃度領域101を形成させる。キャリア濃度領域101は、同図においてp形である。p形半導体層88に高濃度のキャリア濃度領域101を形成するために、不純物拡散法やイオン注入法を用いることができる。これにより、アノード電極87のオーミック接触の抵抗値を小さくし、接触抵抗によって生じるエネルギー損失を低減させることができる。尚、オーミック接触の抵抗値を小さくする観点からは、アノード電極87の下部を含み、高濃度のキャリア濃度領域101を形成させることが好ましいが、より好適には、後述する理由により、アノード電極87の下部以外の、発光が遮蔽されないアノード電極87の3辺近傍(図1参照)の真下に高濃度のキャリア濃度領域101を少なくとも形成させる。
また、図1及び図2において、p形半導体層88の領域内で高濃度のキャリア濃度領域102を形成させることができる。キャリア濃度領域102は、同図においてp形である。給電されたアノード電極87からの注入電流は、キャリア濃度領域102によって電流経路が誘導され、図2に示す矢印に示すような電流経路を主に経由して、カソード電極93に到達する。従って、ゲート層を構成するn形半導体層89及びp形半導体層90での発光領域Lcの発光中心(即ち、注入電流の電流密度が高い領域)は、電極87の真下から移動した位置にある。これにより、発光領域Lcで発生した光が、アノード電極87によって遮光されることなく外部に照射されることになり、発光効率を向上させることができる。
好適には、高キャリア濃度領域101(後述する実施例1〜4においては、高キャリア濃度領域111に対応する)と高キャリア濃度領域102(後述する実施例1〜4においては、高キャリア濃度領域112に対応する)は、分離しないように形成される。更に、高キャリア濃度領域102のキャリア濃度は、高キャリア濃度領域101のキャリア濃度より高くする。更に、好適には、電極87の真下の位置以外の、電極87の3辺に近接した位置の真下に、高キャリア濃度領域101を少なくとも形成させる。即ち、高キャリア濃度領域101(及び/又は高キャリア濃度領域102)を、アノード電極87の中心位置の真下から離れた位置であって、アノード電極87の側辺近傍の真下の位置に少なくとも形成させる。これにより、電極87の真下の位置で電流密度が低くなり、且つ、電極87の側辺近傍の位置の真下で電流密度を高めることができる。また電極87の周囲に発光領域を有する構造であるため、電極87のオーミック接触による抵抗値の低減、及び、電極87による発光の遮蔽の影響を避けながら電極間に流れる電流経路の最短化を好適に実現させることができる。
ここで、アノード電極87の中心位置とは、例えば、図1に示す平面図から、矩形状のアノード電極であれば、アノード電極の矩形状において対向する2角をつなぐ線分の交点をいう。或いは又、円形状、楕円形状又は任意の形状のアノード電極であれば、その形状において重心として規定される中心をいう。高キャリア濃度領域102の中心位置についても、同様に解してよい。上述において、図1及び図2を参照して本発明の構造及び機能の理解のために説明したが、これに限定するものではない。
次に、本発明による実施例1の面発光サイリスタの製造方法及びその構造を説明する。
(実施例1)
図3は、本発明による実施例1の面発光サイリスタの製造方法を示す図である。同図において、図2に示した面発光サイリスタ100と同様な構成要素には、同一の参照番号を付している。
まず、ステップ(a)において、MOCVD法により、n形半導体基板92(不純物濃度1×1018cm−3)上に、n形半導体層91(膜厚0.5μm、不純物濃度4×1017cm−3)、p形半導体層90(膜厚0.5μm、不純物濃度1×1017cm−3)、n形半導体層89(膜厚1.0μm、不純物濃度4×1017cm−3)を成膜させる。これにより、半導体積層構造110aが形成される。
次に、ステップ(b)において、まず、n形半導体層89の上表面からZnを不純物拡散法によって拡散させることにより、高キャリア濃度領域111を形成させる。高キャリア濃度領域111をp形半導体層として機能させることにより、面発光サイリスタとして機能するpnpn構造を形成させる。
より具体的には、まず、所望の領域に高キャリア濃度領域111を形成するために、半導体積層構造110a上にSiNの膜を用いて所望の形状での拡散窓(図示せず)を形成する。次に、石英アンプル(以下、単にアンプルと称し、図示せず)内に半導体積層構造110aと拡散源となる0.5g のZn3As2粒を入れて、アンプル内部を1×10−6Torr(=0.133322mPa)に真空引きした状態でアンプル管を溶接封止する。次に、570℃の拡散炉で1時間熱処理する。熱処理後に1時間の冷却後、アンプル内から半導体積層構造110aを取り出す。その後、拡散窓を形成するために使用したSiNをCF4ガスによるドライエッチングで除去する。最終的にステップ(b)では、ステップ(a)で形成された半導体積層構造110aにアノード電極87を形成させる。尚、この条件で拡散処理した半導体積層構造110aをへき開して、その拡散部分をSEM(Scanning Electron Microscope,走査型電子顕微鏡)で観察した結果、表面から深さ0.3μmまでの部分に高キャリア濃度領域111ができていることを確認している。
高キャリア濃度領域111の表層部分は高濃度であり、アノード電極87との接触抵抗を好適に低減させる。一方、高キャリア濃度領域111の拡散深さが増大するにつれて濃度が低減するため、n形半導体層89と高キャリア濃度領域111との接合付近において、サイリスタ機能を発揮させるために好適な濃度が得られる。即ち、この高キャリア濃度領域111は、p形半導体層として機能する。Znの拡散後、高キャリア濃度領域111上にAuZn/Anのアノード電極87を、n形半導体層89上にAuGe/Ni/Auのゲート電極94を形成する。尚、オーミック接触の抵抗値を小さくする観点からは、アノード電極87の下部を含み、高濃度のキャリア濃度領域111を形成させることが好ましいが、より好適には、後述する実施例3で説明するように、アノード電極87の下部以外の、発光が遮蔽されないアノード電極87の3辺近傍(図1参照)の真下に、高濃度のキャリア濃度領域111を少なくとも形成させる。
次に、ステップ(c)において、半導体積層構造110a裏面にカソード電極93、Si02絶縁膜86、アノード電極用の配線82a及びゲート電極用の配線82bを形成させる。これにより、本実施例の面発光サイリスタを製造することができる。
図3に従って製造された面発光サイリスタは、MOCVD法のみでアノード層を形成した従来の面発光サイリスタと比較して、サイリスタ特性は同等であった。一方、アノード電極87と高キャリア濃度領域111との間の接触抵抗が低減することは、発光効率の改善として確認されており、従来の面発光サイリスタと比較して、本実施例では1.25倍になることを確認できている。
本実施例の製造プロセスでは、従来の製造プロセス(例えば、MOCVD法)に拡散プロセス(例えば、不純物拡散法)を加えることになる。しかしながら、本実施例の製造プロセスにおいては、ゲートを構成するn形半導体層89の上にゲート電極94を形成することができる。つまり、図19を参照して、pnpn構造では必要とされる、ゲート電極94とのオーミック接触のためのp形半導体層88のエッチング(以下、ゲート出しエッチングと称する)が必要ない。従って、製造プロセスの負荷を低減させることができる。
また、図3に示す構造の場合には、ゲート出しエッチングを必要としないために、半導体積層構造110a上の段差(以下、メサエッチング段差と称する)が生じていない。これにより、従来のpnpn構造よりも平坦な面での絶縁膜86の形成や配線82a及び82bの形成が可能となり、欠損などの欠点がないマスクの転写性として良好な配線パターンを形成できる。更に、絶縁膜や配線材の成膜時に生じる段差部でのカバレッジの悪化も生じなくなり、面発光サイリスタとしてのデバイス機能の長期信頼性が期待できる。
ここで、図4に、本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの断面図を示す。同図において、面発光サイリスタが有するゲート電極94の周辺部分の図示を省略している。図4において、図3に示した面発光サイリスタ100と同様な構成要素には、同一の参照番号を付しており、同様な構成要素の説明は省略する。図4に示すように、メサエッチング段差を有する面発光サイリスタでも、図3に示す製造プロセスにより形成された面発光サイリスタと同様に、発光効率の改善が得られることはいうまでもない。
次に、本発明による実施例2の面発光サイリスタの製造方法及びその構造を説明する。
(実施例2)
図5は、本発明による実施例2の面発光サイリスタの製造方法を示す図である。同図において、図3に示した面発光サイリスタの半導体積層構造110aと同様な構成要素には、同一の参照番号を付している。本実施例において、実施例2の面発光サイリスタを製造するために、図5に示すステップ(a)、(b)及び(c)のプロセスを必要とするが、図5に示すステップ(a)及び(c)は、図3に示すステップ(a)及び(c)と同様であり、相違点について説明する。
本実施例においても、まず、n形半導体層89の上表面からZnを不純物拡散法によって拡散させることにより、高キャリア濃度領域111を形成させる。高キャリア濃度領域111をp形半導体層として機能させることにより、面発光サイリスタとして機能するpnpn構造を形成させる。更に、高キャリア濃度領域111の一部分と重なるように、再度高キャリア濃度領域112を形成する。高キャリア濃度領域112も、p形半導体層として機能させることにより、高キャリア濃度領域111と共に、面発光サイリスタとして機能するpnpn構造を形成させる。
より具体的には、ステップ(b)において、まず、図3に示すステップ(a)と同様なプロセスにより、半導体積層構造110bを得る。次に、図3に示すステップ(b)と同様に、半導体積層構造110bのn形半導体89に高キャリア濃度領域111を形成させる。次に、本実施例で特有なプロセスとして、高キャリア濃度領域111の一部分と重なるように、再度高キャリア濃度領域112を形成する。高キャリア濃度領域112の形成方法は、Zn拡散時間を除き、高キャリア濃度領域111のZnの拡散方法と同じである。高キャリア濃度領域112の形成に用いられるZn拡散時間は、2.5時間とした。尚、この条件で拡散処理した半導体積層構造をへき開して、拡散部分をSEM観察した結果、高キャリア濃度領域111の拡散処理で、表面から深さ0.3μmまでの部分に高キャリア濃度領域ができており、高キャリア濃度領域112の拡散処理で表面から約0.6μmまでの部分に高キャリア濃度領域ができていることを確認している。
高キャリア濃度領域111の表層部分は高濃度であり、アノード電極87との接触抵抗を好適に低減させる。一方、高キャリア濃度領域111の拡散深さが増大するにつれて濃度が低減するため、n形半導体層89と高キャリア濃度領域111との接合付近において、サイリスタ機能を発揮させるために好適な濃度が得られる。即ち、この高キャリア濃度領域111は、p形半導体層として機能する。高キャリア濃度領域111の一部分と重なるように形成された高キャリア濃度領域112も同様に、p形半導体層として機能する。
図5に従って製造された面発光サイリスタは、MOCVD法のみでアノード層を形成した従来の面発光サイリスタと比較して、サイリスタ特性は同等であった。一方、アノード電極87と高キャリア濃度領域111との間の接触抵抗が低減することは、発光効率の改善として確認されている。更に、高キャリア濃度領域111よりも高キャリア濃度領域112は、カソード電極93の方向に伸長しており、アノード電極87からの注入電流は、キャリア濃度が高く低抵抗値である高キャリア濃度領域112へ誘導されてカソード電極93へと達する。従って、発光中心も、アノード電極87の真下から、電流密度の高い高キャリア濃度領域112の方向へと移動する。
これにより、本実施例によれば、キャリア濃度の高い部分にアノード電極を形成することによる接触抵抗の抵抗値の低減と、アノード電極87による遮光が生じることの無い領域へと発光中心が移動することから、相乗的に発光効率が改善する。従来の面発光サイリスタと比較して、本実施例では1.5倍になることを確認できている。また、好適には、高キャリア濃度領域111よりも高キャリア濃度領域112は、分離しないように形成される。更に、好適には、アノード電極87の中心位置を、高キャリア濃度領域112の中心位置から離れた位置に形成する。即ち、アノード電極87の中心位置と厚さが小さい高キャリア濃度領域111の中心位置との間の距離が、アノード電極87の中心位置と厚さが大きい高キャリア濃度領域112の中心位置との間の距離より短くなる位置に、アノード電極87を形成させることが好ましく、これにより、図2を参照して説明したような高発光効率を有する面発光サイリスタを構成させることができる。
また、好適には、高キャリア濃度領域111の不純物濃度よりも、高キャリア濃度領域112の不純物濃度を高くすることにより、より発光効率を改善することができる。
また、本実施例においては、実施例1で説明した利点は全て包含する。例えば、実施例2の構造では、ゲート出しエッチングを必要としないために、メサエッチング段差が生じていない。これにより、従来のpnpn構造よりも平坦な面での絶縁膜86の形成や配線82a及び82bの形成が可能となり、欠損などの欠点がないマスク転写性の良好な配線パターンを形成できる。更に、絶縁膜や配線材の成膜時に生じる段差部でのカバレッジの悪化も生じなくなり、面発光サイリスタとしてのデバイス機能の長期信頼性が期待できる。
図6A及びBは、図5に示す構造とは別の態様としての、メサ型のpnpn構造を有する面発光サイリスタの断面図である。図6Aにおいて、図5に示した面発光サイリスタと同様な構成要素には、同一の参照番号を付しており、同様な構成要素の説明は省略する。図5では、高キャリア濃度領域112を高キャリア濃度領域111の内側に形成するように示したが、図6Aのように、発光領域Lcの発光中心(図2を参照)がアノード電極87に遮光されなければ、高キャリア濃度領域112を高キャリア濃度領域111の外側にまで形成させてもよい。或いは又、図6Bのように、アノード電極87で完全に発光領域Lcの発光中心(図2を参照)がアノード電極87に遮光されなければ、高キャリア濃度領域112をアノード電極87の下部に一部形成したとしても、同様に発光効率の改善が得られることは言うまでもない。
更に別の態様として、図7に、本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの断面図を示す。図7において、図5に示した面発光サイリスタと同様な構成要素には、同一の参照番号を付しており、同様な構成要素の説明は省略する。図7に示すように、従来のゲート出しエッチングプロセスを経た構造でも同様に発光効率の改善の効果が得られることは言うまでもない。
更に別の態様として、図8に、本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの断面図を示す。図8において、図7に示した面発光サイリスタと同様な構成要素には、同一の参照番号を付しており、同様な構成要素の説明は省略する。図8では、p形半導体層として機能する高キャリア濃度領域111を形成する最上層を、図7に示したp形半導体層88の代わりにアンドープの半導体層114(以下、アンドープ半導体層と称する)を形成する。更に、高キャリア濃度領域112をn形半導体層89に到達するように形成する。
これにより、面発光サイリスタとして機能するpnpn構造を形成することができる。図8に示す構造では、アンドープ半導体層114の導電性が低いために、注入電流を確実に高キャリア濃度領域111及び112を介して流すことができる。従って、図7に示す構造と比較して、更に発光効率を高めることができる。
更に別の態様として、図9に、本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの断面図を示す。図9において、図8に示した面発光サイリスタと同様な構成要素には、同一の参照番号を付しており、同様な構成要素の説明は省略する。図8に示す構造では、所望のサイリスタ特性を得るために、高キャリア濃度領域112を形成する拡散条件を調整しなければならない。しかしながら、図9に示す構造では、まず、前述したMOCVD法などで所望のサイリスタ特性を得られるpnpn構造を予め形成し、次に、そのpnpn構造の上層にアンドープ半導体層116を形成する。
これにより、所望のサイリスタ特性を得られるpnpn構造を有しながら、図7に示す構造と比較して、更に発光効率を高めることができる。ここで、アンドープ半導体層116は、サイリスタ特性とは無関係に電流の通電を阻害する層として機能すればよく、アンドープ半導体層の代わりに、高キャリア濃度領域111及び112とは逆形の半導体層(同図において、高キャリア濃度領域111はp形半導体層として機能するため、n形半導体層)とすることができる。
更に別の態様として、図10に、本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの断面図を示す。図10において、図9に示した面発光サイリスタと同様な構成要素には、同一の参照番号を付しており、同様な構成要素の説明は省略する。図9に示す構造では、サイリスタ特性とは直接関係しない最上層の領域(即ち、高キャリア濃度領域116周辺のアンドープ半導体層116の領域)を通して光を外部に放出しなければならない。そのため、この領域で光吸収が生じ、発光効率の損失が生じる。しかしながら、図10に示す構造では、まず、前述したMOCVD法などで所望のサイリスタ特性を得られるpnpn構造を予め形成し、次に、そのpnpn構造の上層にアンドープ半導体層117を形成させる。次に、光を取り出す部分でサイリスタ機能とは関係のない部分をエッチングで除去した後に、不純物拡散法などで高キャリア濃度領域111(同図において、高濃度のp形半導体層)を形成する。
これにより、所望のサイリスタ特性を得られるpnpn構造を有しながら、図7に示す構造と比較して、更に発光効率を高めることができる。ここで、アンドープ半導体層117は、サイリスタ特性とは無関係に電流の通電を阻害する層として機能すればよく、アンドープ半導体層の代わりに、高キャリア濃度領域111とは逆形の半導体層とすることができ、或いは又、低濃度のp形半導体層とすることができる。又、図10では、高キャリア濃度領域111を得るために、拡散プロセスを1回で良いという利点も有するが、所望であれば、高キャリア濃度領域112を前述のように形成することもできる。
本実施例2において、好適には、高キャリア濃度領域111と高キャリア濃度領域112は、分離しないように形成される。更に、高キャリア濃度領域112のキャリア濃度は、高キャリア濃度領域111のキャリア濃度より高くする。好適には、高キャリア濃度領域111は、電極87の3辺に近接する位置の真下で少なくとも形成される。これにより、電極87の真下の位置で電流密度が低くなり、且つ、電極87の側辺近傍の位置の真下で電流密度を高めることができる。また電極87の周囲に発光領域を有する構造であるため、電極87のオーミック接触による抵抗値の低減、及び、電極87による発光の遮蔽の影響を避けながら電極間に流れる電流経路の最短化を好適に実現させることができる。
次に、本発明による実施例3の面発光サイリスタの製造方法及びその構造を説明する。
(実施例3)
本実施例では、実施例1及び2と異なり、アノード電極87の真下に高濃度の半導体層を形成せずに、発光効率を改善する面発光サイリスタの製造方法及びその構造を説明する。
図11は、本発明による実施例3の面発光サイリスタの製造方法を示す図である。同図において、図4に示した面発光サイリスタと同様な構成要素には、同一の参照番号を付している。
まず、ステップ(a)において、MOCVD法により、n形半導体基板92(不純物濃度1×1018cm−3)上に、n形半導体層91(膜厚0.5μm、不純物濃度4×1017cm−3)、p形半導体層90(膜厚0.5μm、不純物濃度1×1017cm−3)、n形半導体層89(膜厚1.0μm、不純物濃度4×1017cm−3)、及びp形半導体層88(膜厚1.0μm、不純物濃度1×1018cm−3)を成膜させる。これにより、半導体積層構造110bが形成される。更に、アノード電極87を半導体積層構造110bに、蒸着及びリフトオフ法により形成する。
次に、ステップ(b)において、まず、アノード電極87を拡散マスクとして、半導体積層構造110bの表面全面にZnを拡散させ、高濃度のp形半導体層として機能する高キャリア濃度領域118を形成する。より具体的には、石英アンプル内に半導体積層構造110bと拡散源となる0.5g のZn3As2粒を入れて、アンプル内部を1×10−6Torr(=0.133322mPa)に真空引きした状態でアンプル管を溶接封止する。次に、570℃の拡散炉で1時間熱処理する。熱処理後に1時間の冷却後、アンプル内から半導体積層構造110bを取り出す。これにより、高キャリア濃度領域118が形成される。この拡散プロセス後においても、サイリスタ特性は、拡散プロセスを実施していない時の特性値と変化がなかったことから、pnpn基本構造の破壊は生じていない。
次に、ステップ(c)において、従来の製造プロセスと同様に、ゲート出しエッチングの後にゲート電極94を形成する。尚、ステップ(c)を示す右図には、左図に示す図示C-C’の断面と対応する、面発光サイリスタの発光部Laの平面図を示している。同図から、アノード電極87以外の面発光サイリスタの発光部全面に高キャリア濃度領域118が形成されていることが分かる。
次に、ステップ(d)において、従来の製造プロセスと同様に、絶縁膜86を成膜し、コンタクトホールChとAl配線82a及び82bを形成する。これにより、本実施例の面発光サイリスタを製造することができる。尚、ステップ(d)を示す右図には、左図に示す図示D-D’の断面と対応する、面発光サイリスタの発光部Laの平面図を示している。同図から、アノード電極87及び配線82aにより、面発光サイリスタの発光部Laからの光が遮光される領域が分かる。
本実施例の条件で拡散処理した半導体積層構造110bをへき開して、その拡散部分をSEM観察した結果、表面から深さ0.3μmまでの部分に高キャリア濃度領域118ができていることを確認している。
ここで、高キャリア濃度領域118は、アノード電極87の下部の方向へも0.2〜0.5μmの距離だけ高キャリア濃度領域の領域が進入する。従って、アノード電極87と高キャリア濃度領域118との電気的接合は極めて良好である。高キャリア濃度領域118の形成により、拡散プロセス前と比較して、アノード電極87とp形半導体層88との間の接触抵抗を低下させることができる。また、アノード電極87からの注入電流は、アノード電極87の真下の領域から高キャリア濃度領域118の領域に誘導され、カソード電極93へ到達する。即ち、高キャリア濃度領域118を経由してカソード電極93へ到達する経路が、注入電流の主たる通電経路となる。
本実施例の面発光サイリスタによれば、アノード電極87の真下の領域からアノード電極87によって遮光されない領域へ、発光中心を移動させることができる。また、従来の面発光サイリスタと比較して、本実施例では1.25倍になることを確認できている。
次に、本発明による実施例4の面発光サイリスタの製造方法及びその構造を説明する。
(実施例4)
本実施例では、実施例1及び2と異なり、アノード電極87の真下に高濃度の半導体層を形成せずに、実施例3とは別の発光効率を改善する面発光サイリスタの製造方法及びその構造を説明する。
実施例3では、従来の製造プロセスに拡散プロセス(図11に示すステップ(b))の1つの工程を追加させただけの極めて簡単な製造方法、即ち、アノード電極87の周囲に高いキャリア濃度を有する面発光サイリスタの製造方法を示した。実施例3の製造方法で形成された面発光サイリスタは、一方では製造プロセスの面では極めて簡便であるという長所を有するが、他方では電流の注入されるアノード電極87の真下以外の表層に全面的に高濃度高キャリア濃度領域が形成されるため、配線82aの真下においても注入電流が誘導されてしまい、発光効率の増大という観点からは更に改善の余地がある。
そこで、実施例4では、より発光効率を改善させる面発光サイリスタの製造方法及びその構造を説明する。図12は、本発明による実施例4の面発光サイリスタの製造方法を示す図である。同図において、図11に示した面発光サイリスタと同様な構成要素には、同一の参照番号を付しており、同様な構成要素についての説明は省略する。
まず、ステップ(a)において、実施例3のステップ(a)と同様であり、アノード電極87を有する半導体積層構造110bが形成される。
次に、ステップ(b)において、まず、アノード電極87の周囲で部分的に高濃度のp形半導体層として機能する高キャリア濃度領域119を形成するために、SiNで拡散マスク120をパターニングする。ここで、後述する高キャリア濃度領域119を形成するための拡散窓Dcは、後に配線82aで被覆される部分を除きながら、矩形状のアノード電極87の3辺に接するように形成される(図12のステップ(b)に示す右図参照)。次に実施例3と同様な手法で、高キャリア濃度領域119を形成する。この拡散プロセス後においても、サイリスタ特性は、拡散プロセスを実施していない時の特性値と変化がなかったことから、pnpn基本構造の破壊は生じていない。
次に、ステップ(c)において、拡散窓Dcを形成するために使用したSiNをCF4ガスによるドライエッチングで除去する。
次に、ステップ(d)において、従来の製造プロセスと同様に、ゲート出しエッチングの後にゲート電極94を形成する。尚、ステップ(d)を示す右図には、左図に示す図示E-E’の断面と対応する、面発光サイリスタの発光部Laの平面図を示している。同図から、矩形状のアノード電極87の3辺に接するように高キャリア濃度領域119を形成したことが分かる。
次に、ステップ(e)において、従来の製造プロセスと同様に、絶縁膜86を成膜し、コンタクトホールChとAl配線82a及び82bを形成する。これにより、本実施例の面発光サイリスタを製造することができる。尚、ステップ(e)を示す右図には、左図に示す図示F-F’の断面と対応する、面発光サイリスタの発光部Laの平面図を示している。同図から、少なくともアノード電極87及び配線82aにより面発光サイリスタの発光部Laからの光が遮光される領域には、高キャリア濃度領域119が形成されないことが分かる。
本実施例の条件で拡散処理した半導体積層構造110bをへき開して、その拡散部分をSEM観察した結果、表面から深さ0.3μmまでの部分に高キャリア濃度領域118ができていることを確認している。
本実施例の面発光サイリスタによれば、発光中心を光の出射を妨げる電極直下から、遮光されない高キャリア濃度領域の方向へ移動させることができる。また、実施例3と異なり、配線82aの真下に高キャリア濃度領域119が形成されないので、実施例3の面発光サイリスタよりも更に発光効率を改善することができる。従来の面発光サイリスタと比較して、本実施例では1.5倍になることを確認できている。
実施例4では、矩形状のアノード電極87の3辺に接するように高キャリア濃度領域119を形成するように説明したが、矩形状のアノード電極87の1辺又は2辺に接するように高キャリア濃度領域119を形成することもできることは言うまでもない。即ち、所望の幅及び位置で高キャリア濃度領域119を形成させることにより、要求に応じて発光中心を好適に移動させることができる。
上述した実施例1〜4では、高キャリア濃度領域を形成するための不純物としてZnを使用したが、Be、Mg、Mnなどでも同様の効果を得ることができる。また、少なくとも1つの種類の不純物を順次拡散するような複数回の拡散プロセスとすることもできる。
上述した実施例1〜4では、高キャリア濃度領域の形成方法として、熱拡散法を用いたが、イオン注入法を用いてもよい。
上述した実施例1〜4では、pnpn構造の面発光サイリスタを説明したが、npnp構造の面発光サイリスタとすることもできる。npnp構造の面発光サイリスタでは、最上層のn形の半導体層に高キャリア濃度領域を形成し、高キャリア濃度領域のための不純物としてSi、Ge、Sn、S、Se、Teなどを用いる。また、少なくとも1つの種類の不純物を順次拡散するような複数回の拡散プロセスとすることもできる。この場合、高キャリア濃度領域の形成方法として熱拡散法を利用する代わりに、イオン注入法を用いることもできる。
上述した実施例1〜4においては、各技術要素を好適に組み合わせることができる。例えば、実施例2で説明したような複数の高キャリア濃度領域111及び112を、他の実施例において説明した面発光サイリスタにも適用できる。
更に、本発明は、面発光サイリスタのみならず、面発光ダイオードにも適用でき、面発光素子に一般的に適用できる。
本発明は、発光効率の改善のための電極の接触抵抗を低減する目的のみならず、その他、サイリスタ特性を保持するために必要とされる電極の接触抵抗を低減する目的をも包含するものとして理解されるべきである。従って、面発光サイリスタの安定動作の向上のための用途にも適用できる。
次に、本発明による面発光素子を用いた画像読取装置の実施例について説明する。
(画像読取装置)
図13は、本発明による面発光素子を用いた、画像読取装置の概略図である。画像読取装置の1つであるイメージスキャナ200は、原稿台50に載置された原稿Gに光を照射する本発明による面発光素子100を複数有する光源51と、原稿Gの反射光によって原稿の画像情報を読み取るイメージセンサ30と、原稿を走査させる駆動源230と、イメージスキャナを制御する制御回路部208とを備える。
イメージセンサ30は、原稿からの反射光を受光素子アレイ20に結像する正立等倍レンズアレイを有する。光源51は、本発明による面発光素子を有する発光素子アレイにより構成されている。
制御回路部208は、駆動源230の駆動を制御する走査制御部201と、イメージセンサ30内の光源51の発光を制御する点灯制御部202と、イメージセンサ30内のイメージセンサ基板20に備えられる受光素子アレイ20によって原稿Gからの反射光を受光し、光電変換する処理部を制御するセンサ駆動制御部203と、センサ駆動制御部203によって得られる光電変換された画像情報を処理する画像処理部204と、画像処理された画像情報を外部機器などへ出力するインターフェース部205と、画像処理、インターフェース、及び各種制御に必要なプログラムを格納するメモリ部207と、走査制御部201、点灯制御部202、センサ駆動制御部203、画像処理部204、インターフェース部205、及びメモリ207を制御する中央演算処理装置(CPU)206とを有する。
図13に示す画像読取装置では、イメージセンサ30を固定し、原稿G自体を走査させることにより、原稿の画像情報の読み取りを可能としているが、原稿Gを固定し、イメージセンサ30を副走査方向(図示Y方向)に走査させることにより、原稿の画像情報を読み取ることもできる。
次に、本発明による面発光素子を用いた画像書込装置の実施例について説明する。
(画像書込装置)
図14は、本発明による面発光素子を用いた、画像書込装置の1つである複写機の概略図である。図13と同一の構成要素には、同一の参照番号を付して示してあり、同様な説明は省略する。
図14に示す複写機において、光書込みヘッド40は、本発明による面発光素子100を複数有する発光素子アレイ41を備える。イメージセンサ30からの画像情報に基づいて、光書込みヘッド40内の発光素子アレイ41が点灯し、感光ドラム302に照射される。円筒形の感光ドラム302の表面には、アモルファスSiなどの光導電性を持つ材料(感光体)が形成されている。この感光ドラムはプリントの速度で回転している。回転している感光ドラムの感光体表面を、帯電器304で一様に帯電させる。そして、光書き込みヘッド40で、印字するドットイメージの光を感光体上に照射し、光の当たったところの帯電を中和する。続いて、現像器306で感光体上の帯電状態にしたがって、トナーを感光体上につける。そして、搬送される用紙312上に、転写器308でトナーを転写する。用紙312は、定着器314にて熱等を加えられ定着され、最終的に原稿Gの画像情報が、用紙312上に複写される。一方、転写の終了した感光ドラム302は、消去ランプ318で帯電が全面にわたって中和され、清掃器320で残ったトナーが除去される。
図14は、複写機として説明したが、その装置の構成は、ファクシミリ又はマルチファンクションプリンタなどの複合機についてもほぼ同様である。
上述した実施例において、代表的な例として本発明を説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換することができることは当業者に明らかである。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
本発明によれば、面発光素子の発光効率を更に改善させることができ、面発光素子を有するイメージセンサを用いた、イメージスキャナ、ファクシミリ、複写機、又は、マルチファンクションプリンタなどの複合機を含む画像読取装置、又は面発光素子を有する光書き込みヘッドを備える画像書込装置において有用である。
本発明による面発光サイリスタの一例を示す平面図である。 メサ型のpnpn構造の従来の面発光サイリスタの断面図である。 本発明による実施例1の面発光サイリスタの製造方法を示す図である。 本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの一例を示す断面図である。 本発明による実施例2の面発光サイリスタの製造方法を示す図である。 本発明によるメサ型のpnpn構造を有する面発光サイリスタの一例を示す断面図である。 本発明によるメサ型のpnpn構造を有する面発光サイリスタの一例を示す断面図である。 本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの一例を示す断面図である。 本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの一例を示す断面図である。 本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの一例を示す断面図である。 本発明による拡散プロセスと、ゲート出しエッチングのエッチングプロセスと含む製造プロセスにより形成させた面発光サイリスタの一例を示す断面図である。 本発明による実施例3の面発光サイリスタの製造方法を示す図である。 本発明による実施例4の面発光サイリスタの製造方法を示す図である。 本発明による面発光素子を用いた、画像読取装置の概略図である。 本発明による面発光素子を用いた、画像書込装置の1つである複写機の概略図である。 面発光サイリスタを用いた発光素子アレイチップの配列状態を示す平面図である。 面発光サイリスタを用いた発光素子アレイチップの拡大図である。 発光素子アレイチップにおける1つの面発光サイリスタの拡大図である。 メサ型のpnpn構造の従来の面発光サイリスタの断面図である。 pnpn構造の面発光サイリスタにおいて電流の流れる様子を表す、従来の面発光サイリスタの断面図である。
符号の説明
41 発光素子アレイ
51 光源
80 発光素子アレイチップ
82 配線
82a 配線
82b 配線
86 絶縁膜
87 アノード電極
88 p形半導体層
89 n形半導体層
90 p形半導体層
91 n形半導体層
92 n形半導体基板
93 カソード電極
94 ゲート電極
100 面発光サイリスタ
111 高キャリア濃度領域
112 高キャリア濃度領域
114 高キャリア濃度領域
116 高キャリア濃度領域
117 高キャリア濃度領域
118 高キャリア濃度領域
119 高キャリア濃度領域

Claims (26)

  1. 第1の導電形の半導体層と、前記第1の導電形と異なる第2の導電形の半導体層とを交互に積層した複数の半導体層を有する半導体積層構造と、
    前記複数の半導体層の最上層に形成される第1の電極と、
    前記複数の半導体層の最下層に形成される第2の電極とを備え、
    前記第1の電極から前記第2の電極に注入される電流によって、前記複数の半導体層の最上層の光出射面から光を発光する面発光素子であって、
    前記光出射面の領域が、前記第1の電極の周囲に位置しており、
    前記光出射面の領域の前記最上層内に少なくとも形成される高キャリア濃度領域を有する面発光素子。
  2. 前記高キャリア濃度領域が、前記第1の電極の中心位置の真下から離れた位置であって、前記第1の電極の側辺近傍の真下の位置に少なくとも形成されている請求項1に記載の面発光素子。
  3. 前記高キャリア濃度領域が、複数の高キャリア濃度領域からなり、前記複数の高キャリア濃度領域の各々が分離しないように形成されている請求項1又は2に記載の面発光素子。
  4. 前記複数の高キャリア濃度領域が、第1の高キャリア濃度領域と第2の高キャリア濃度領域とを有し、
    前記第1の高キャリア濃度領域が、前記半導体構造の最上層と前記第1の電極との間でオーミック接触する面側に形成されており、且つ、前記第2の高キャリア濃度領域が、前記第1の高キャリア濃度領域の下層側に形成されており、
    前記第2の高キャリア濃度領域のキャリア濃度が、前記第1の高キャリア濃度領域のキャリア濃度より高い請求項3に記載の面発光素子。
  5. 前記複数の高キャリア濃度領域の各々が、異なる厚さの高キャリア濃度領域として形成されており、
    前記異なる厚さの高キャリア濃度領域のうち、厚さが大きい高キャリア濃度領域の不純物濃度が、厚さが小さい高キャリア濃度領域の不純物濃度より高く、
    前記第1の電極の中心位置と前記厚さが小さい高キャリア濃度領域の中心位置との間の距離が、前記第1の電極の中心位置と前記厚さが大きい高キャリア濃度領域の中心位置との間の距離より短くなる位置に、前記第1の電極が形成されている請求項3に記載の面発光素子。
  6. 第1の導電形の半導体層と、前記第1の導電形と異なる第2の導電形の半導体層とを交互に積層した複数の半導体層の上部に、低導電率の半導体層を有する半導体積層構造と、
    前記低導電率の半導体層に形成される第1の電極と、
    前記複数の半導体層の最下層に形成される第2の電極とを備え、
    前記第1の電極から前記第2の電極に注入される電流によって、前記複数の半導体層の最上層の光出射面から光を発光する面発光素子であって、
    前記光出射面の領域が、前記第1の電極の周囲に位置しており、
    前記光出射面の領域の前記低導電率の半導体層内に少なくとも形成される高キャリア濃度領域を有する面発光素子。
  7. 前記高キャリア濃度領域が、前記第1の電極の中心位置の真下から離れた位置であって、前記第1の電極の側辺近傍の真下の位置に少なくとも形成されている請求項6に記載の面発光素子。
  8. 前記低導電率の半導体層が、アンドープの半導体層である請求項6に記載の面発光素子。
  9. 前記複数の半導体層のうちの最上層の半導体層が、前記第1の導電形の半導体層であり、
    前記低導電率の半導体層が、前記第1の導電形と同一の導電形の半導体層であり、且つ、前記最上層の半導体層のキャリア濃度より低いキャリア濃度からなる請求項6に記載の面発光素子。
  10. 前記複数の半導体層のうちの最上層の半導体層が、前記第1の導電形の半導体層であり、
    前記低導電率の半導体層が、前記第1の導電形と異なる導電形の半導体層である請求項6に記載の面発光素子。
  11. 前記低導電率の半導体層の少なくとも一部が、光出射側の位置での光の吸収を低減するようにエッチングにより除去されている請求項6に記載の面発光素子。
  12. 前記高キャリア濃度領域が、複数の高キャリア濃度領域からなり、前記複数の高キャリア濃度領域の各々が分離しないように形成されている請求項6又は7に記載の面発光素子。
  13. 前記複数の高キャリア濃度領域が、第1の高キャリア濃度領域と第2の高キャリア濃度領域とを有し、
    前記第1の高キャリア濃度領域が、前記半導体構造の最上層と前記第1の電極との間でオーミック接触する面側に形成されており、且つ、前記第2の高キャリア濃度領域が、前記第1の高キャリア濃度領域の下層側に形成されており、
    前記第2の高キャリア濃度領域のキャリア濃度が、前記第1の高キャリア濃度領域のキャリア濃度より高い請求項12に記載の面発光素子。
  14. 前記複数の高キャリア濃度領域の各々が、異なる厚さの高キャリア濃度領域として形成されており、
    前記異なる厚さの高キャリア濃度領域のうち、厚さが大きい高キャリア濃度領域の不純物濃度が、厚さが小さい高キャリア濃度領域の不純物濃度より高く、
    前記第1の電極の中心位置と前記厚さが小さい高キャリア濃度領域の中心位置との間の距離が、前記第1の電極の中心位置と前記厚さが大きい高キャリア濃度領域の中心位置との間の距離より短くなる位置に、前記第1の電極が形成されている請求項12に記載の面発光素子。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の面発光素子からなる面発光サイリスタ。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の面発光素子からなる面発光ダイオード。
  17. 原稿台に載置された原稿に光を照射する光源と、
    前記光源によって照射された前記原稿からの反射光を受光して前記原稿の画像情報を読み取る複数の受光素子と、
    前記原稿からの反射光を前記複数の受光素子に結像する正立等倍レンズアレイとを備え、
    前記光源が、請求項1〜14のいずれかに記載の面発光素子を有する画像読取装置。
  18. 複数の発光素子を有する発光素子アレイと、
    前記発光素子アレイの発光に基づいて画像情報が書き込まれる感光ドラムと、
    前記発光素子アレイの発光を前記感光ドラムに結像する正立等倍レンズアレイとを備え、
    前記複数の発光素子が、請求項1〜14のいずれかに記載の面発光素子を有する画像書込装置。
  19. 第1の電極から第2の電極に注入される電流によって、複数の半導体層の最上層の光出射面から光を発光する面発光素子の製造方法であって、
    (a) 第1の製造プロセスとして、第1の導電形の半導体層と、前記第1の導電形と異なる第2の導電形の半導体層とを交互に積層し、前記複数の半導体層からなる半導体構造を形成するステップと、
    (b) ステップ(a)により形成された前記複数の半導体層の最上層に前記第1の電極を形成するステップと、
    (c) ステップ(a)により形成された前記複数の半導体層の最下層に前記第2の電極を形成するステップと、
    (d) 前記第1の製造プロセスとは異なる第2の製造プロセスとして、ステップ(a)により形成された複数の半導体層の最上層に高キャリア濃度領域を形成するステップとを含み、
    前記光出射面の領域が、前記第1の電極の周囲に位置しており、
    前記ステップ(d)により形成された前記高キャリア濃度領域が、前記光出射面の領域の前記低導電率の半導体層内に少なくとも形成される面発光素子の製造方法。
  20. 前記ステップ(d)により形成された前記高キャリア濃度領域が、前記第1の電極の中心位置の真下から離れた位置であって、前記第1の電極の側辺近傍の真下の位置に少なくとも形成される請求項19に記載の面発光素子の製造方法。
  21. 第1の電極から第2の電極に注入される電流によって、複数の半導体層の最上層の光出射面から光を発光する面発光素子の製造方法であって、
    (a) 第1の製造プロセスとして、第1の導電形の半導体層と、前記第1の導電形と異なる第2の導電形の半導体層とを交互に積層し、前記複数の半導体層を形成するステップと、
    (b) ステップ(a)により形成された前記複数の半導体層の上部に低導電率の半導体層を形成し、前記複数の半導体層と低導電率の半導体層からなる半導体構造を形成するステップと、
    (c) ステップ(b)により形成された前記低導電率の半導体層に前記第1の電極を形成するステップと、
    (d) ステップ(a)により形成された前記複数の半導体層の最下層に前記第2の電極を形成するステップと、
    (e) 前記第1の製造プロセスとは異なる第2の製造プロセスとして、ステップ(b)により形成された前記低導電率の半導体層に高キャリア濃度領域を形成するステップとを含み、
    前記光出射面の領域が、前記第1の電極の周囲に位置しており、
    前記ステップ(e)により形成された前記高キャリア濃度領域が、前記光出射面の領域の前記低導電率の半導体層内に少なくとも形成される面発光素子の製造方法。
  22. 前記ステップ(e)により形成された前記高キャリア濃度領域が、前記第1の電極の中心位置の真下から離れた位置であって、前記第1の電極の側辺近傍の真下の位置に少なくとも形成される請求項21に記載の面発光素子の製造方法。
  23. 前記第1の製造プロセスが、MOCVD法又はMBE法である請求項19〜22のいずれかに記載の面発光素子の製造方法。
  24. 前記第2の製造プロセスが、不純物拡散法又はイオン注入法である請求項19〜22のいずれかに記載の面発光素子の製造方法。
  25. 前記第2の製造プロセスが、同一の種類の不純物を順次拡散する複数回の拡散プロセスからなり、前記複数回の拡散プロセスにより形成される高キャリア濃度領域の各々が、分離しないように形成される請求項19〜22のいずれかに記載の面発光素子の製造方法。
  26. 前記複数回の拡散プロセスにより、第1の高キャリア濃度領域と第2の高キャリア濃度領域とを形成し、
    前記第1の高キャリア濃度領域が、前記半導体構造の最上層と前記第1の電極との間でオーミック接触する面側に形成されており、且つ、前記第2の高キャリア濃度領域が、前記第1の高キャリア濃度領域の下層側に形成されており、
    前記第2の高キャリア濃度領域のキャリア濃度が、前記第1の高キャリア濃度領域のキャリア濃度より高い請求項25に記載の面発光素子の製造方法。
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