JP2008060201A - 半導体装置の製造方法、薄膜トランジスタとその製造方法、電気光学装置とその製造方法、及び電子機器 - Google Patents

半導体装置の製造方法、薄膜トランジスタとその製造方法、電気光学装置とその製造方法、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体層と電極とのオーミック接続を容易に得られ、電気的特性に優れた薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】本発明の薄膜トランジスタ(TFT)30は、半導体層35と、該半導体層35に当接する金属層63とを備えており、前記半導体層35と前記金属層63との界面に、金属層63の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層36が形成されている。
【選択図】図3A

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、薄膜トランジスタとその製造方法、電気光学装置とその製造方法、及び電子機器に関するものである。
アクティブマトリクス方式の液晶装置の製造方法としては、フォトリソグラフィとドライエッチングとを繰り返し行うことで、基板上にゲート線やソース線等の所望の配線パターンを形成するのが一般的である(特許文献1参照)。この製造方法には、材料費や管理費などのコストが高く、また歩留まりが上がりにくいという問題があった。そこで近年、材料の無駄を少なくできる液滴吐出方式を配線の形成に採用することが提案されている(特許文献2,3参照)。
特許第3261699号公報 特開平11−274671号公報 特開2000−216330号公報
ところで、液晶装置のスイッチング素子である薄膜トランジスタは、例えばパターン形成したアモルファスシリコンの半導体層と、この半導体層に対して電気的に接続されたソース電極及びドレイン電極とを備えたものである。液相法を用いてかかる配線構造を形成する場合には、半導体層上に金属微粒子を含む液体材料を配置した後、これを焼成して金属配線に変換する。このとき、金属微粒子を含む液体材料それ自体は250℃程度の加熱により低抵抗の金属配線に変換することができる。しかしながら、本発明者が検討したところ、TiやMnによりソース/ドレイン電極を形成すると、半導体層と金属配線とのコンタクトが非オーミック接続となってコンタクト抵抗が上昇することが判明した。そして、このようなスイッチング素子の抵抗上昇は、コントラスト比の低下やゴーストの発生などの不具合の原因となることがある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、半導体層と電極とのオーミック接続を容易に得られ、電気的特性に優れた半導体装置及び薄膜トランジスタを製造する方法を提供することを目的としている。
また本発明は、表示品質に優れた電気光学装置を容易に製造する方法を提供することを目的としている。
本発明の半導体装置の製造方法は、上記課題を解決するために、基板上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層と接触する電極を液相法を用いて形成する工程と、前記半導体層と電極との界面に、前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
このような製造方法によれば、前記界面に形成された金属シリサイド層の作用によりコンタクト抵抗を低減することができ、液相法を用いた半導体装置における電気特性の向上を実現することができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程と、Ni及びCoの少なくとも一方を含有する液体材料を前記基板上に塗布する工程と、前記基板上の液体材料を乾燥させて固化物とする工程とを有する工程によって前記基板上に前記半導体層と当該半導体層に当接する前記固化物とを形成する工程と、前記半導体層及び前記固化物を加熱して、前記半導体層と前記固化物との界面にNiシリサイド又はCoシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程を有することを特徴とする。
前記金属シリサイドとしてNiシリサイド又はCoシリサイドを形成する方法によれば、比較的低温でシリサイド化が可能であり、また加熱による酸化が生じにくいことから、コンタクト抵抗の低減に関して他の金属シリサイドに比して大きな効果を得ることができる。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層と接触する電極を液相法を用いて形成する工程と、を有し、前記電極の前記半導体層と当接する面に、Ni及びCoの少なくとも一方を含有する金属層を形成する工程と、前記半導体層及び前記金属層を加熱して、前記半導体層と前記金属層との界面に、Niシリサイド又はCoシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、を有することを特徴とする。このような製造方法でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
前記半導体層の前記電極と当接する面に、不純物を拡散させてなる不純物拡散層を形成する工程を有することが好ましい。このような構成とすることで、コンタクト部のオーミック接続をより容易に形成できるようになる。
前記加熱工程における加熱温度が250℃以上350℃以下であることが好ましい。このような加熱温度とすることで、インクに含まれるNiやCoを半導体層に拡散させて金属シリサイド層を形成することができ、コンタクト抵抗を低減する効果を確実に得られる。また、前記加熱温度が260℃以上320℃以下であれば、250℃の加熱条件よりも1桁程度コンタクト抵抗を低減することができる。さらに、前記加熱温度が270℃以上300℃以下であれば、250℃の加熱条件よりも2桁程度コンタクト抵抗を低減することができる。さらにまた、280℃以上300℃以下であれば、250℃の加熱条件よりも4桁程度コンタクト抵抗を低減することができる。
前記加熱工程を、水素を0.1体積%以上含む不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。このような製造方法とすれば、半導体層に含まれる水素の脱離を防止でき、加熱による半導体装置の特性変化を防止することができる。
前記液体材料として、Ni又はCoの微粒子を液体に分散させた液体材料を用いることが好ましく、前記液体材料として、Ni若しくはCoの無機塩、又はNi若しくはCoのイオンを含有する液体材料を用いてもよい。これらの液体材料を用いることで、半導体層との界面において酸化を生じさせることなくコンタクト部を形成することができる。
本発明の薄膜トランジスタは、半導体層と、該半導体層に当接する電極とを備えた薄膜トランジスタであって、前記半導体層と前記電極との界面に、前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層が形成されていることを特徴とする。このように金属シリサイド層を有する薄膜トランジスタによれば、従来に比して極めて低いコンタクト抵抗が得られ、優れた電気特性を得ることができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層と接触する電極を液相法を用いて形成する工程と、前記半導体層と電極との界面に、前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
このような製造方法によれば、前記界面に形成された金属シリサイド層の作用によりコンタクト抵抗を低減することができ、液相法を用いて製造した薄膜トランジスタにおける電気特性の向上を実現することができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程と、Ni及びCoの少なくとも一方を含有する液体材料を前記基板上に塗布する工程と、前記基板上の液体材料を乾燥させて固化物とする工程とを有する工程によって前記基板上に前記半導体層と当該半導体層に当接する前記固化物とを形成する工程と、前記半導体層及び前記固化物を加熱して、前記半導体層と前記固化物との界面にNiシリサイド又はCoシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程を有することを特徴とする。
前記金属シリサイドとしてNiシリサイド又はCoシリサイドを形成する方法によれば、比較的低温でシリサイド化が可能であり、また加熱による酸化が生じにくいことから、コンタクト抵抗の低減に関して他の金属シリサイドに比して大きな効果を得ることができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層と接触する電極を液相法を用いて形成する工程と、を有し、前記電極の前記半導体層と当接する面に、Ni及びCoの少なくとも一方を含有する金属層を形成する工程と、前記半導体層及び前記金属層を加熱して、前記半導体層と前記金属層との界面に、Niシリサイド又はCoシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、を有することを特徴とする。このような製造方法でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の電気光学装置は、基板上に、電気光学物質と、該電気光学物質に印加する電圧を制御する薄膜トランジスタとが設けられた電気光学装置であって、前記薄膜トランジスタは、半導体層と、該半導体層に当接する電極と、前記半導体層と前記電極との界面に形成されて前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層と、を備えることを特徴とする。
この電気光学装置によれば、金属シリサイド層をコンタクト部に有する薄膜トランジスタを備えているので、従来に比して極めて低いコンタクト抵抗が得られ、スイッチング素子の電気特性に優れ、表示品質において優れたものとなる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、基板上に、電気光学物質と、該電気光学物質に印加する電圧を制御する薄膜トランジスタとが設けられた電気光学装置の製造方法であって、前記薄膜トランジスタを前記基板上に形成する工程は、基板上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層と接触する電極を液相法を用いて形成する工程と、前記半導体層と電極との界面に、前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
このような製造方法によれば、前記界面に形成された金属シリサイド層の作用によりコンタクト抵抗を低減することができ、液相法を用いて製造した薄膜トランジスタにおける電気特性の向上を実現することができるので、スイッチング素子として当該薄膜トランジスタを具備した電気光学装置では、表示の高品質化を図ることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、基板上に、電気光学物質と、該電気光学物質に印加する電圧を制御する薄膜トランジスタとが設けられた電気光学装置の製造方法であって、前記薄膜トランジスタを前記基板上に形成する工程は、前記基板上に半導体層を形成する工程と、Ni及びCoの少なくとも一方を含有する液体材料を前記基板上に塗布する工程と、前記基板上の液体材料を乾燥させて固化物とする工程とを有する工程によって前記基板上に前記半導体層と当該半導体層に当接する固化物とを形成する工程と、前記半導体層及び前記固化物を加熱して前記半導体層と前記固化物との界面にNiシリサイド又はCoシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
前記金属シリサイドとしてNiシリサイド又はCoシリサイドを形成する方法によれば、比較的低温でシリサイド化が可能であり、また加熱による酸化が生じにくいことから、コンタクト抵抗の低減に関して他の金属シリサイドに比して大きな効果を得ることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、基板上に、電気光学物質と、該電気光学物質に印加する電圧を制御する薄膜トランジスタとが設けられた電気光学装置の製造方法であって、前記薄膜トランジスタを前記基板上に形成する工程は、前記基板上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層と接触する電極を液相法を用いて形成する工程とを有し、前記電極の前記半導体層と当接する面に、Ni及びCoの少なくとも一方を含有する金属層を形成する工程と、前記半導体層及び前記金属層を加熱して、前記半導体層と前記金属層との界面に、Niシリサイド又はCoシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、を有することを特徴とする。この製造方法でも上記と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の電気機器は、先に記載の薄膜トランジスタを備えたことを特徴とする。また、先に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。これらの電子機器によれば、スイッチング素子である薄膜トランジスタが電気特性に優れたものであるから、消費電力や動作速度の点で優れた電子機器記となる。
(電気光学装置及び薄膜トランジスタ)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る薄膜トランジスタを具備した液晶表示装置(電気光学装置)の等価回路図である。図2は、本実施形態に係る液晶表示装置を構成するTFTアレイ基板における1画素の平面図である。図3Aは、図2のA−A’線に沿う液晶表示装置の部分断面図である。図4は、液晶表示装置100を対向基板側から見た平面図である。
本実施形態の液晶表示装置100は、図3Aに示すように、液晶層70を挟持して対向するTFTアレイ基板10と対向基板20とを備えている。液晶層70は、初期配向が基板面に対して垂直方向とされた負の誘電率異方性を有する液晶からなる垂直配向モードの液晶層である。TFTアレイ基板10の外面側(液晶層70)と反対側には、図示略のバックライト(照明装置)が配設されている。
図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置100の画像表示領域には、互いに交差して延びる複数のゲート線40と複数のソース線42とが形成されている。ゲート線40とソース線42との交差点に対応してTFT(薄膜トランジスタ)30が設けられている。ゲート線40及びソース線42により区画された平面視マトリクス状の領域(画素領域)には画素電極45が形成されている。ソース線42はTFT30のソースと電気的に接続されている。図示略の駆動回路から出力される画像信号S1、S2、…、Snはソース線42を介してTFT30に供給される。画像信号S1〜Snはこの順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のソース線42同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートにはゲート線40が電気的に接続されており、図示略の駆動回路から所定のタイミングでゲート線40にパルス的に供給される走査信号G1、G2、…、Gmが、この順に線順次でTFT30のゲートに印加されるようになっている。画素電極45はTFT30のドレインと電気的に接続されている。スイッチング素子であるTFT30が走査信号G1、G2、…、Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、ソース線42から供給される画像信号S1、S2、…、Snが所定のタイミングで画素電極45に書き込まれるようになっている。画素電極45を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極45と液晶を介して対向する共通電極との間で一定期間保持される。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極45と共通電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量48が接続されている。蓄積容量48はTFT30のドレインと容量線46との間に設けられている。
図2に示すように、TFTアレイ基板10上には、格子状に配線されたゲート線40と、ソース線42とが形成されている。複数のゲート線40はX方向に延びて形成されている。ソース線42はY方向に延びて形成されている。ゲート線40とソース線42との交差部の近傍にTFT30が形成されている。画素領域の中央部をX方向に横断するように容量線46が形成されている。
ソース線42、ゲート線40、及び容量線46は、同一の配線層に形成された信号配線である。図示Y方向に延びるソース線42は、ゲート線40との交差部に対応して形成された中継電極43aを介してゲート線40をまたいでいる。また容量線46との交差部に対応して形成された中継電極49を介して容量線46をまたいでいる。中継電極43a及び中継電極49は、ソース線42、ゲート線40,及び容量線46が形成された配線層と絶縁膜を介して隔てられた配線層に形成されており、前記絶縁膜に形成されたコンタクトホール43c、49cを介して下層側のソース線42を中継している。
TFT30は、アモルファスシリコン膜を含む半導体層35と、ゲート電極41と、ソース電極43と、ドレイン電極44とを有している。ゲート電極41はゲート線40の一部をY方向に分岐して形成されている。ソース電極43は、+X側の端部において半導体層35と平面視で重なって配置されている。ソース電極43の他端側は、ソース線42がゲート線40をまたぐ位置に形成された中継電極43aと電気的に接続されている。ドレイン電極44は、−X側の端部で半導体層35と電気的に接続されている。ドレイン電極44は半導体層35との接続位置から+Y方向に延び、容量線46をまたいだ位置まで延出されている。ドレイン電極44と容量線46とが交差する位置に当該画素の蓄積容量48が形成されている。ドレイン電極44の先端部は、ソース線42の一部をX方向に分岐してなる分岐配線部42aの先端部と平面視で重なって配置されている。この分岐配線部42aとドレイン電極44とが平面的に重なった部位は、表示動作時に蓄積容量48に貯まった電荷を解放する機能を奏するものである。つまり、TFT30のオン動作により蓄積容量48に貯まった電荷を、ソース線42aへの次の入力を直接ドレイン電極44に入力して解放するものである。
画素電極45は、ゲート線40とソース線42とに囲まれた領域に対応する矩形状に形成されている。画素電極45は、ドレイン電極44と容量線46とが交差する位置に形成された画素コンタクトホール45cを介してドレイン電極44と電気的に接続されている。画素電極45には、複数のスリット状の開口部45sが形成されている。これらの開口部45sは、垂直配向モードの液晶層70に電圧を印加する際に液晶の配向方向を規制する配向制御手段として機能する。
図3Aに示す断面図をみると、TFTアレイ基板10は、ガラスや石英、プラスチック等からなる基板Pを備えている。基板Pの液晶層70側には、絶縁性の有機樹脂からなるバンク51が形成されており、バンク51に形成された開口部内に、CuやAg等からなるゲート電極41、及びソース線42が埋設されている。ゲート電極41及びソース線42の上面には、Ni、Co、Ti、W、Mnから選ばれる1種以上の金属材料からなる金属保護膜47が形成されている。金属保護膜47の上面とバンク51の上面とはほぼ面一である。ゲート電極41及びバンク51上に、シリコン酸化物やシリコン窒化物からなる絶縁膜31が形成されている。絶縁膜31はソース線42上に開口部31aを有している。絶縁膜31を介してゲート電極41と対向する位置に、アモルファスシリコン膜からなる活性層32と、n+シリコン膜からなるコンタクト層33との積層膜からなる半導体層35が形成されている。
半導体層35のうち図示左側に位置するコンタクト層33上から絶縁膜31の開口部31a内にわたって、Ni、Coの少なくとも一方を含有する金属層63が形成されている。すなわち、金属層63,64は、Ni又はCoの単体の金属層であってもよく、Ni合金又はCo合金であってもよい。あるいは、NiとCoの双方を含有する合金であってもよい。
金属層63上にはソース電極43と中継電極43aとが形成されている。ソース電極43及び中継電極43aはいずれもCuやAg等の金属材料を用いて形成されている。本実施形態の場合、ソース線42と中継電極43aとは、金属保護膜47と金属層63とを介して電気的に接続されている。
一方、図示右側に位置するコンタクト層33上から近傍の絶縁膜31上にわたって金属層64が形成されている。金属層64上にはドレイン電極44が形成されている。ドレイン電極44もCuやAg等の金属材料を用いて形成されている。ソース電極43、中継電極43a、及びドレイン電極44は、金属材料に限られず、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料を用いて形成してもよい。透明導電材料を用いて形成することで画素の開口率を高めることが可能になり、表示を明るくすることができる。
TFT30を覆って、シリコン窒化物等からなるパッシベーション膜60が形成されている。パッシベーション膜60上には有機樹脂からなる平坦化膜65が形成されている。平坦化膜65上に、画素電極45が形成されている。画素電極45を覆って配向膜26が形成されている。基板Pの液晶層70と反対側には、偏光板14が配設されている。
対向基板20は、ガラスや石英、プラスチック等からなる基板20Aを備えている。基板20Aの液晶層70側には、カラーフィルタ22と、対向電極21と、配向膜25とが順に積層されている。基板20Aの液晶層70と反対側には、TFTアレイ基板10の偏光板14と対を成す偏光板24が配設されている。
図4に示す全体構成を見ると、液晶表示装置(電気光学装置)100は、TFTアレイ基板10と対向基板20とを、両者が対向する領域の周縁に沿って形成した光硬化性封止材であるシール材152によって貼り合わさたものである。シール材152によって区画された領域内に液晶が封入、保持されている。シール材152は、基板面内の領域において閉ざされた枠状に形成されてなり、液晶注入口を備えず、封止材にて封止された痕跡がない構成となっている。
シール材152の形成領域の内側の領域には、遮光性材料からなる周辺見切り153が形成されている。シール材152の外側の領域には、ソース線駆動回路201及び実装端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に隣接する2辺に沿ってゲート線駆動回路204が設けられている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられたゲート線駆動回路204の間を接続するための複数の配線205が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所に、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通材206が配設されている。
ソース線駆動回路201及びゲート線駆動回路204は、TFTアレイ基板10上に半導体プロセスを用いて形成してもよい。あるいは、駆動用LSIが実装されたTAB(Tape Automated Bonding)基板とTFTアレイ基板10の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。
上記構成を具備した本実施形態の液晶表示装置100は、画素スイッチング素子として本発明に係る薄膜トランジスタ(TFT)30を備えている。本発明に係るTFT30は、半導体層35と金属層63,64との界面に、金属層63,64の構成材料であるNi又はCoのシリサイド(NiSi、Ni2Si、CoSi、Co2Si等)を含む金属シリサイド層を有する点に特徴を有している。図3Bは、かかる金属シリサイド層について説明するための図3Aの一部拡大図であって、TFT30のうち、特にコンタクト層33と金属層63との界面部分を拡大して示す図である。
図3Bに示すように、金属シリサイド層36は、n+シリコン膜であるコンタクト層33の金属層63側の表層部に形成されている。すなわち、金属シリサイド層36は、金属層63の構成元素であるNi又はCoがコンタクト層33に拡散し、コンタクト層33の構成元素であるSiと結合して生じた層である。そして本発明に係るTFT30は、半導体層35と金属層63との界面に、このような金属シリサイド層36を備えていることで、半導体層35と金属層63とのコンタクト抵抗を大幅に低減することができるようになっている。
半導体層35と金属層63とのコンタクト部における抵抗は、金属/n+シリコン間のショットキー障壁の高さが大きく影響する。電気光学装置の分野において配線材料として用いられる金属材料と、n+シリコンとのショットキー障壁の高さは、n+シリコンへのPドープ濃度により多少変動はあるものの、概ね以下の通りである。
(1)Ti:0.48eV
(2)Mn:0.49eV
(3)C :0.55eV
(4)Co:0.60eV
(5)Ni:0.63eV
(6)W :0.65eV
(7)Ta:0.66eV
(8)Mo:0.67eV
(9)Al:0.72eV
(10)Au:0.80eV
一般に、ショットキー障壁の高さが0.5eVを超えると、金属/n+シリコン間のコンタクトは非オーミック接続となり、コンタクト抵抗は急増する。そうすると、Ti、Mn以外の金属材料を用いてコンタクト部を形成した場合には、低抵抗のコンタクトができず、Ni、Coについても、コンタクト層33上に単に成膜しただけではコンタクト抵抗が高くなってしまう。
またショットキー障壁の問題からすれば、Ti、Mnを金属層63に用いればよいとも考えられる。確かにこれらの材料をスパッタ法等の気相成膜法を用いて形成すれば、低抵抗のコンタクト部を形成できる。しかしながら、液相法による金属層の形成を前提にすると、Ti、Mnは半導体層とコンタクトする電極を形成するのには不向きである。これは、TiやMnを液相法によって形成すると、分散媒等の液体成分を除去する際にTiOやMnO等の酸化物を形成しやすく、そのためにコンタクト抵抗が上昇してしまうからである。
これに対して本発明のTFT30では、液相法によって成膜しても酸化されにくいNi又はCoを用いて金属層63を形成するので、TiやMnのような酸化の問題は生じない。さらに、コンタクト層33と金属層63との界面に、これらNi又はCoのシリサイドを含む金属シリサイド層36を形成することで、ショットキー障壁の問題を解決し、低抵抗のコンタクトを実現している。詳細は後述の実施例にも記載しているが、金属層63をNi又はCoの微粒子を分散させた液体材料を用いた液相法により形成した場合にも、スパッタ法を用いて形成したTiのコンタクト電極と同等のオーミック接続が得られることが確認されている。
また、本発明に係るTFT30を具備した本実施形態の液晶表示装置100は、コンタクト抵抗の低いTFT30を用いているので、スイッチング素子の抵抗上昇によることラスト比の低下やゴーストの発生を効果的に防止でき、表示品質に優れた液晶表示装置となる。また、TFT30が液相法を用いた製造に好適なものであることから、安価に製造可能である。
なお、本実施形態では、コンタクト層33上に、Ni、Coの少なくとも一方を含有する金属層63を形成することとしているが、ソース電極43及びドレイン電極44を、Ni、Coの少なくとも一方を含有する材料により形成してもよいのは勿論である。あるいは、コンタクト層33上に、Niシリサイド及びCoシリサイドの少なくとも一方を含有する材料の薄膜を形成し、これを金属シリサイド層としてもよい。
また本実施形態では、アモルファスシリコンを半導体層とするTFT30について説明したが、薄膜トランジスタを構成する半導体層は、高温ポリシリコン膜や低温ポリシリコン膜であってもよい。また、薄膜トランジスタの構造についても、本実施形態のボトムゲート構造に限定されず、トップゲート構造も採用でき、複数のゲートを備えた構造であってもよい。
本実施形態では、垂直配向方式の液晶表示装置100について説明しているが、TN方式、STN方式のほか、IPS、FFS等の横電界方式などの動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモード等の表示モードを変更してもよいのは勿論である。
また、本実施形態では、本発明に係る薄膜トランジスタを液晶表示装置に適用した場合について説明しているが、電気光学装置としては、例えば、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に応用が可能である。
有機EL表示装置は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して励起させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが再結合する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。
そして、本発明の薄膜トランジスタが形成されたTFTアレイ基板上に、有機EL表示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤、緑および青色の各発光色を呈する材料すなわち発光層形成材料及び正孔注入/電子輸送層を形成する材料をインクとし、各々をパターニングすることで、自発光フルカラー有機EL表示装置を製造することができる。
さらに、本発明の薄膜トランジスタは、PDP(プラズマディスプレイパネル)や、基板上に形成された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用する表面伝導型電子放出素子等にも適用可能である。
(電気光学装置及び薄膜トランジスタの製造方法)
次に、液晶表示装置100及びTFT30の製造方法について図面を参照して説明する。
TFTアレイ基板10は、基板P上に配線及び半導体層を形成してTFT30を作製する工程と、TFT30を覆う平坦化膜65を形成する工程と、画素電極45等を形成する工程とにより製造することができる。
図5から図17は、液晶表示装置100のうちTFTアレイ基板10の製造工程を示す工程図である。各図において、(b)図又は(c)図に示す断面図は、対応する(a)図に付されたA−A’線、又はB−B’線に沿う断面図である。
ゲート線40やソース線42等の格子パターンの配線が形成される基板Pとしては、ガラス、石英ガラス、プラスチックフィルムなど各種の材料を用いることができる。また、これら各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されたものも含む。
まず、図5に示すように、基板P上に絶縁性の有機樹脂からなるバンク(隔壁)51を形成する。バンク51は、ゲート線40やソース線42を基板Pの所定位置に配置するためのものである。具体的には、図5(a)に示すように、洗浄した基板Pの上面に、格子パターンの配線の形成位置に対応した複数の開口部52,53,54,55,57を有するバンク51をフォトリソグラフィ法に基づいて形成する。
なお、バンク51の形成に先立って、後述するCuめっき工程のために基板Pの表面に触媒を付与しておくことが好ましい。すなわち、パラジウム等のCuめっき前駆体(触媒)を含有する溶液内に基板Pを浸漬し、触媒を基板Pの表面に付与(吸着)しておく。この溶液としては、例えば塩酸系の溶液にパラジウム(場合によっては錫も)溶解しているものを用いることができる。
バンク51の材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂、メラミン樹脂などの高分子材料が用いられる。また、感光剤であるレジストを用い、塗布したレジストを露光、現像することによりパターニングすることでバンク51を形成することもできる。バンク51には、開口部52,53,54,55,57内に配線形成用の材料を良好に配置するために、撥液性処理が施される。撥液性処理としては、CF4プラズマ処理等(フッ素成分を有するガスを用いたプラズマ処理)を例示できる。なお、CF4プラズマ処理等に代えて、バンク51の素材自体に予め撥液成分(フッ素基等)を含有させておいてもよい。
バンク51により形成される開口部52,53,54,55は、ゲート線40やソース線42等の格子パターンの配線に対応している。すなわち、バンク51の開口部52,53,54,55に配線形成用の材料を配置することにより、ゲート線40やソース線42等の格子パターンの配線が形成される。
具体的には、図示X方向に延びるように形成された開口部52,53は、ゲート線40、容量線46の形成位置に対応する。ゲート線40の形成位置に対応する開口部52には、ゲート電極41の形成位置に対応する開口部54が接続されている。一方、Y方向に延びるように形成された開口部55は、ソース線42の形成位置に対応する。開口部55には、分岐配線部42aの形成位置に対応する開口部57が接続されている。Y方向に延びる開口部55は、X方向に延びる開口部52,53と交差しないように、交差部56において分断されている。
次に、所定温度に加温した無電解Cuめっき浴中に基板Pを浸漬することで、開口部52〜55及び開口部57内にCu配線を形成する。具体的には、バンク51をマスクとして、図6(b)に示すように、開口部52〜55、57(開口部52、53、57は、図4では図示せず)から露出する基板Pに付与された触媒(Pd核)上にCu膜を約0.5〜1μmめっき形成する。これにより、ゲート線40、ゲート電極41、ソース線42、分岐配線部42a、容量線46が、Cuめっき膜にて成膜される(図6(b)では、ゲート電極41、ソース線42のみ図示)。
また、ゲート線40やソース線42等の配線上には、金属保護膜47を成膜しておく。金属保護膜47は、AgやCuからなる導電膜の(エレクトロ)マイグレーション現象等を抑制するための薄膜である。金属保護膜47を形成する材料としては、ニッケルが好ましい。なお、ニッケルからなる金属保護膜47も上記めっき処理や、後述する液滴吐出法によって基板P上に選択的に形成することができる。また、金属保護膜47を含むゲート線40、ゲート電極41、ソース線42、分岐配線部42a、容量線46は、後工程で各種膜が成膜された際の平坦性を確保するために、バンク51と表面が面一になるように形成しておく。
次に、図7に示すように、ゲート線40、ソース線42等が形成された基板P上に、プラズマCVD法を用いて、絶縁膜31、活性層32、及びコンタクト層33の連続成膜を行う。絶縁膜31としてはシリコン窒化物膜、活性層32としてアモルファスシリコン膜、コンタクト層33としてn+型シリコン膜を原料ガスやプラズマ条件を変化させることにより連続して形成する。これにより、絶縁膜31と半導体層35(活性層32、コンタクト層33)とが積層形成される。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて、基板P上に図8(a)に示す平面パターンを有するレジスト58(58a、58b)を形成する。本実施形態では、レジストを露光する際のマスクにハーフトーンマスクを用いて、図8(b)に示すような厚さの異なるレジスト58a、58bを形成する。レジスト58aは露光光の一部のみを透過するハーフトーンマスクを介して露光され、現像処理により部分的に除去されたものである。レジスト58bはマスクにより露光光を遮断されたレジストの未露光部分であり、レジスト58aよりも厚く形成されている。
図8(a)に示す平面パターンを具体的に説明すると、基板P上には、それぞれ電極が形成されるべき領域に対応する第1の平面領域78a、第2の平面領域78b、及び第3の平面領域78cとが形成されている。これらの平面領域を除く基板P上の領域にはハーフ露光により形成されたレジスト58aが形成されている。
第1の平面領域78aは、図2に示したソース電極43及び中継電極43aが形成される領域に対応する。第1の平面領域78aを取り囲む枠状にレジスト58bが形成されている。レジスト58bに囲まれた領域内には、レジスト58aが部分的に形成されている。すなわち、ソース電極43と、半導体層35とのコンタクト部が形成されるソースコンタクト領域68aと、中継電極43aとソース線42とを接続するコンタクトホール43cが形成される配線コンタクト領域68cではレジスト58aが除去されて半導体層35が露出している。
第2の平面領域78bは、図2に示したドレイン電極44が形成される領域に対応する。第2の平面領域78bを取り囲む枠状にレジスト58bが形成されている。レジスト58bに囲まれた領域のうち、ドレイン電極44と半導体層35とのコンタクト部が形成されるドレインコンタクト領域68bを除く領域に、レジスト58aが形成されている。ドレインコンタクト領域68bには半導体層35が露出している。
第3の平面領域78cは、図2に示した中継電極49が形成される領域に対応する。第3の平面領域78cを取り囲む枠状にレジスト58bが形成されている。レジスト58bに囲まれ領域のうち、中継電極49とソース線42とを接続する配線コンタクト領域68cを除く領域にレジスト58aが形成されている。配線コンタクト領域68cには半導体層35が露出している。
レジスト58を形成したならば、次に、ソースコンタクト領域68a及びドレインコンタクト領域68bに、半導体層35とのコンタクト部を構成する金属層63,64を形成する。これらの金属層63,64の形成にはかかる金属層の形成材料を含むインクを液滴として吐出する液滴吐出法が用いられる。インクとしては、Ni微粒子やCo微粒子、あるいはNi,Coの合金微粒子を分散媒に分散させた分散液や、Ni又はCoの無機塩の溶液を用いることができる。
インクに含まれる金属微粒子としては、例えば、上記金属材料の単体微粒子のほか、金属粒子の表面に分散性を向上させるためのコーティングを施して使うこともできる。ただし、通常はコーティング剤に有機物が含まれており、基板上に吐出されたインクを導電膜に変換する際に、この有機物が蒸発して半導体層35の表面を酸化させる可能性がある。したがって、コーティング剤に含まれる有機物はできる限り少なくするのがよい。また、半導体層35表面の酸化防止の観点から、NiやCoの有機化合物を溶解させたインクは、金属層63,64の形成には不向きである。
例えばNi微粒子やCo微粒子を分散させたインクを用いる場合、金属微粒子の粒径は1nm以上50nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下とする。このような範囲に制御された金属微粒子を用いることで、半導体層35の表層部に対するNiやCoの拡散を均一なものとすることができる。
インクに用いる分散媒としては、上記の金属微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
金属微粒子の分散液の表面張力は、例えば0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や、吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。
分散液の粘度は、例えば1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。液滴吐出法を用いてインクを液滴として吐出する際、粘度が小さすぎることによってノズル周辺部がインクの流出により汚染されるのを防止することができ、また粘度が大きすぎることによるノズル孔での目詰まりを防止することができる。
図9(a)は、液滴吐出装置の一例を示す斜視図である。液滴吐出装置(インクジェット装置)IJは、液滴吐出ヘッドから基板Pに対して液滴を吐出(滴下)するものであって、液滴吐出ヘッド301と、X方向駆動軸304と、Y方向ガイド軸305と、制御装置CONTと、ステージ307と、クリーニング機構308と、基台309と、ヒータ315とを備えている。
ステージ307は、この液滴吐出装置IJによりインクを設けられる基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド301は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、その長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド301の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルからは、ステージ307に支持されている基板Pに対して、上述した金属微粒子等を含むインクが吐出される。
X方向駆動軸304には、X方向駆動モータ302が接続されている。X方向駆動モータ302はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX方向の駆動信号が供給されると、X方向駆動軸304を回転させる。X方向駆動軸304が回転すると、液滴吐出ヘッド301はX軸方向に移動する。Y方向ガイド軸305は、基台309に対して動かないように固定されている。ステージ307は、Y方向駆動モータ303を備えている。Y方向駆動モータ303はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY方向の駆動信号が供給されると、ステージ307をY方向に移動する。
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド301に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X方向駆動モータ302に液滴吐出ヘッド301のX方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y方向駆動モータ303にステージ307のY方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構308には、図示しないY方向の駆動モータが備えられている。このY方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y方向ガイド軸305に沿って移動する。クリーニング機構308の移動も制御装置CONTにより制御される。ヒータ315は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布されたインクに含まれる液体成分の蒸発及び乾燥を行う。ヒータ315の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド301と基板Pを支持するステージ307とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。図示X方向がヘッドの走査方向であり、X方向と直交するY方向は非走査方向である。液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルは、非走査方向であるY方向に一定間隔で並んで設けられている。
なお、図9(a)では、液滴吐出ヘッド301は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド301の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。液滴吐出ヘッド301の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することができる。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節できるようにしてもよい。
図9(b)は、液滴吐出ヘッド301の断面図である。液滴吐出ヘッド301にはインクを収容する液体室321に隣接してピエゾ素子322が設置されている。液体室321には、インクを収容する材料タンクを含む液体材料供給系323を介してインクが供給される。ピエゾ素子322は駆動回路324に接続されている。駆動回路324を介してピエゾ素子322に電圧を印加し、ピエゾ素子322を変形させることにより、液体室321が変形し、ノズル325からインクが吐出される。この場合に、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み速度が制御される。
なお、液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。液滴吐出法により吐出されるインクの一滴の量は、例えば1〜300ナノグラムである。
次に、液滴吐出装置IJを用いて金属層63,64を形成するには、図10に示すように、第1の平面領域78aに形成されたソースコンタクト領域68aと、第2の平面領域78bに形成されたドレインコンタクト領域68bとに選択的にインクを配置し、その後、乾燥工程、焼成工程を実施することで、インクを導電膜に変換する。乾燥・焼成処理により、インクに含まれる金属微粒子間の電気的接触が確保され、導電膜に変換される。乾燥・焼成処理は、液滴吐出装置IJに備えられたヒータ315による加熱のほか、ホットプレートや恒温槽を用いた加熱により実施することができる。
本実施形態の場合、金属層63及び金属層64の形成に際して、焼成時の加熱温度を250℃以上350℃以下とすることが好ましい。加熱温度をこのような範囲とすることで、インクに含まれるNiやCoをコンタクト層33の表層部に拡散させることができる。そして、かかる拡散領域においてコンタクト層33に含まれるSiとNi,Coとの化合物(Niシリサイド、Coシリサイド)を形成し、これが図3Bに示した金属シリサイド層36となる。加熱の上限温度については、基板Pやバンク51、レジスト58の耐熱温度により規定される。また上記加熱温度を260℃以上320℃以下とすれば、250℃の加熱条件に比してコンタクト抵抗を1桁程度低減することができる。さらに、上記加熱温度を270℃以上とすれば、コンタクト抵抗を250℃の加熱条件に比して2桁程度以上低減することができる。また、上述した基板Pやバンク51等の耐熱温度を考慮すれば、加熱温度は300℃以下とすることが好ましい。またさらに、加熱温度を280℃以上300℃以下とすれば、250℃の加熱条件に比してコンタクト抵抗を4桁程度低減することができ、スパッタ法により形成したTi膜を半導体層にコンタクトさせた場合と同等のコンタクト抵抗を得ることができる。
また上記乾燥・焼成処理において、基板Pを水素ガスを0.1体積%以上含有する不活性ガス(N2ガス、Arガス等)雰囲気に保持することが好ましい。加熱によってNi微粒子やCo微粒子の表面や、半導体層35の表面が酸化されてしまうのを防止し、さらに半導体層35の結晶欠陥等に終端された水素の脱離を防止することができるからである。水素脱離が生じると半導体層35の特性が変化して所望の電気特性を得られなくなるおそれがあるが、本実施形態のように水素ガスを含有する雰囲気下で加熱することにより、250℃を超える温度に加熱した場合にも良好に水素脱離を防止することができる。
以上の工程により金属層63,64を形成したならば、次に、図10(c)に示すように、ドライエッチング処理による異方性エッチングによって、レジスト58の開口部に露出している半導体層35を除去し、さらに半導体層35の除去により露出する絶縁膜31も除去する。図9に示した状態では、半導体層35はソースコンタクト領域68a、ドレインコンタクト領域68b、及び配線コンタクト領域68cにおいて露出している。これらのうち、ソースコンタクト領域68aとドレインコンタクト領域68bについては、図10(b)に示した工程で金属層63,64が形成されているため、上記異方性エッチングにより半導体層35が除去されるのは配線コンタクト領域68cのみである。
次に、図11に示すように、基板Pに対して異方性のアッシング処理を施すことにより、レジスト58を部分的に除去する。レジスト58は、膜厚の薄い部分(レジスト58a)と、厚い部分(レジスト58b)とを有している。そのため、異方性アッシング処理によって薄いレジスト58aが選択的に除去され、基板P上には厚さの減少したレジスト58bのみが残留する。図11(a)に示すように、この工程によって第1の平面領域78a、第2の平面領域78b、及び第3の平面領域78cを取り囲むレジスト58bのみが残留し、レジスト58aが除去された領域には半導体層35が露出する。
次に、レジスト58aの除去により半導体層35が露出した基板Pの表面に対して異方性エッチング処理を施す。このとき、基板P上のレジスト58bと、金属層63,64がエッチングマスクとして機能し、基板上に露出している半導体層35が選択的に除去される。半導体層35が除去されることで、図12に示すように、基板P上に絶縁膜31が露出する。
次に、図13に示す工程では、ソース電極43(中継電極43a)、ドレイン電極44、及び中継電極49を形成する。まず、図13(b)に示すように、第1の平面領域78a、及び第2の平面領域78bに、液滴吐出法を用いて、Ni膜やCo膜を形成することで、ソースコンタクト領域68a及びドレインコンタクト領域68bにのみ形成されていた金属層63、64を、それぞれ第1の平面領域78aの全体、第2の平面領域78bの全体に拡大する。この工程により、図13(b)に示すように、第1の平面領域78aの全域に拡大された金属層63が、半導体層35から絶縁膜31の開口部31aにわたって形成され、半導体層35とソース線42とが電気的に接続された状態となる。
また、この工程で、第3の平面領域78cについても、Ni膜又はCo膜からなる金属層73を形成しておく。これらの金属層を形成しておくことで、ソース電極43、ドレイン電極44を構成するCuやAg等が半導体層35に拡散するのを防止することができる。
本工程で成膜される金属層は、図10に示した金属層63,64と同一のインクを用いた同様の工程で形成することができる。図10に示した工程と異なるインクを用いて異なる材質の金属層を形成してもよいが、その場合であっても、バリア層として機能させるために、Ni,Co,Ti,W,Mnから選択される1種以上の金属材料を用いて形成することが好ましい。
金属層63,64,67の形成が終了したならば、次に、図13(a)及び図13(c)に示すように、第1の平面領域78aにソース電極43及び中継電極43aを形成する。また同様に、第2の平面領域78bにドレイン電極44を形成し、さらに第3の平面領域78cに中継電極49を形成する。ソース電極43、ドレイン電極44、及び中継電極49の形成には、例えば、ゲート線40、ソース線42、容量線46等の形成工程と同様のCuめっき法が適用できる。無電解めっきによる場合には、めっき処理に先立って、第1の平面領域78a、第2の平面領域78b、及び第3の平面領域78cに対して、液滴吐出法を用いて選択的に触媒を塗布しておく。また、図13に示す状態において、金属層63,64,73は、ソース線42とコンタクト層33とを介して互いに電気的に接続されているため、電解めっきによりソース電極43、ドレイン電極44等を形成することもできる。
あるいは、Ag微粒子やCu微粒子を分散させた分散液をインクとして用いた液滴吐出法によりソース電極43、ドレイン電極44、及び中継電極49を形成することもできる。上記いずれの場合にも、第1の平面領域78a、第2の平面領域78b、及び第3の平面領域78cをそれぞれ取り囲んでレジスト58bが形成されているので、これをバンクとして用いることができる。
次に、図14に示す工程では、レジスト58bを除去する。この工程により、レジスト58bが除去された領域には、図14(a)に示すように、半導体層35が露出し、第1の平面領域78a、第2の平面領域78b、及び第3の平面領域78cをそれぞれ取り囲んだ状態となる。
次に、図15に示す工程では、異方性エッチングにより基板P上に露出しているコンタクト層(n+シリコン膜)33を除去する。これにより、図15(b)に示すように、金属層63と金属層64との間の領域のコンタクト層33が選択的に除去され、当該位置がTFT30のチャネル領域32aとなる。またこの工程では、第1の平面領域78a、第2の平面領域78b、及び第3の平面領域78cをそれぞれ取り囲んでいる半導体層35の上層側に位置するコンタクト層33が除去されて、活性層32(アモルファスシリコン膜)のみとなる。これにより、コンタクト層33を介して導通状態とされていたソース電極43とドレイン電極44とが絶縁される。
上記コンタクト層33の選択除去が終了したならば、図15(c)に示すように、基板Pの全面にプラズマCVD法等を用いてシリコン窒化膜を成膜し、TFT30を覆うパッシベーション膜60を形成しておく。
次に、図16に示す工程では、スピンコート法等を用いて、基板P上の全面にレジストなどの感光性樹脂からなる平坦化膜65を形成する。また平坦化膜65の表面にCF4プラズマ処理等の撥液処理を施して撥液面65fを形成する。ここで図16(c)は、図16(a)に示すB−B’線に沿う断面図である。図16(c)に示す断面では、並んで配置された中継電極49とドレイン電極44とが、容量線46と絶縁膜31を介して対向している。ドレイン電極44と容量線46とが対向する平面領域に、両者を電極とし、絶縁膜31を誘電体膜とする蓄積容量48が形成されている。
次に、図17に示す工程では、感光性樹脂からなる平坦化膜65を、露光、現像処理に供する。この工程により、図17(a)及び図17(b)に示す画素コンタクトホール45cを平坦化膜65に形成する。また露光処理時に、画素電極45の形成領域となる領域をハーフ露光することで平坦化膜65を部分的に除去する。これにより、画素電極45の形成領域に対応するハーフ露光部65aと、ハーフ露光部65aよりも膜厚の大きい未露光部65bが形成される。未露光部65aは、ハーフ露光部65aを取り囲む枠状に画素の周縁に沿って形成され、液滴吐出法におけるバンクとして利用できるようになっている。また、未露光部65bは、画素電極45のスリット状の開口部45sを形成するのにも用いられる。
なお、露光、現像処理に先立って平坦化膜65の表面には撥液面65fが形成されているので、未露光部65bの上面は撥液面65fとなっている。また平坦化膜65の現像処理後には、画素コンタクトホール45c内に露出しているパッシベーション膜60も選択的に除去しておく。
次に、例えばITO微粒子を分散させた分散液をインクとする液滴吐出法により、透明導電膜である画素電極45を形成する。図17(c)に示すように、画素コンタクトホール45c内に画素電極45の一部が形成されることで、ドレイン電極44と画素電極45とが接触して電気的に接続される。また、画素領域内に形成された複数の未露光部65bにより、画素電極45に開口部45sが形成される。
その後、画素電極45を覆って配向膜を形成することで、TFTアレイ基板10を作製することができる。
以上説明した工程により、TFTアレイ基板10を製造することができる。そして、別途公知の製造方法により作成した対向基板20を用意し、TFTアレイ基板10上にシール材152を描画した後、シール材152に囲まれる領域に液晶を配置してTFTアレイ基板10と対向基板20を貼り合わせる。その後シール材152を硬化させれば、液晶表示装置100を製造することができる。
本実施形態の製造方法によれば、半導体層35上に金属層63,64を形成する工程において、金属層63,64を構成するNi又はCoを半導体層35の表層部に拡散させ、当該拡散領域に金属シリサイド層36を形成するので、金属層63,64と半導体層35とのコンタクト抵抗を低減し、良好な電気特性を有するTFT30を作製することができる。
また、良好なコンタクト抵抗を得られる金属シリサイド層36を形成するために比較的高温の加熱が必要な場合にも、本実施形態では当該加熱処理を水素を含む不活性ガス雰囲気において行うようにすることで、半導体層35における水素脱離を効果的に防止でき、加熱によるTFT30の特性変化を防止できるようになっている。
また、上記実施形態では、ドライプロセスとフォトリソエッチングを組み合わせた処理を減らすことができる。すなわち、ゲート線40及びソース線42を同時に形成するようにしたので、ドライプロセスとフォトリソエッチングを組み合わせた処理を1回減らすことができる。
さらに、部分的なハーフ露光処理によって部位により異なる膜厚のレジスト58を形成するようにしたことで、ソース電極43及びドレイン電極44のパターニングと、半導体層35のパターニングとを、共通のレジスト58をマスクとして用いて行えるようにしたので、レジストマスクの形成プロセスをさらに減らすことができる。
またさらに、平坦化膜65を部分的にハーフ露光して部位により異なる膜厚に形成しているので、画素電極45を形成するためのバンクを形成する工程と、画素コンタクトホール45cを開口する工程とを一括に行うことができる。したがって、画素電極45の形成工程においても、レジストマスクの形成プロセスを減らすことができる。このように本実施形態によれば、フォトリソエッチングの回数を最小限に抑えることができるので、工数を減らして安価に製造でき、また製造歩留まりも向上させることができる。
(薄膜トランジスタの特性評価)
本発明者は、上述した製造方法を適用して実際に半導体装置のコンタクト部を作製した。また比較のために、製造条件の一部を変更して半導体装置のコンタクト部を作製した。そして、これらのこれらのコンタクト部についてコンタクト抵抗を測定して比較を行った。本例で用いた半導体装置の試料は、基板上にn+シリコン膜を含む半導体層を形成し、n+シリコン膜上にコンタクト電極としての金属層を形成したものである。また、金属層の成膜条件を変えて複数種の試料を作製した。作製条件とコンタクト抵抗の測定結果を以下の表1に示す。
Figure 2008060201
表1に示すように、本発明に係る製造方法を用いて作製した実施例1〜5の試料では、同一の焼成温度、焼成雰囲気で作製した比較例1〜3の試料に比して、コンタクト抵抗が2桁以上低くなっている。実施例1〜5の試料では、いずれもn+シリコン膜と金属層との界面にNiシリサイドを含む金属シリサイド層が形成されていたのに対して、比較例1〜3の試料では、n+シリコン膜と金属層との界面に金属シリサイド層は形成されていなかった。このことから、コンタクト抵抗の低減には界面における金属シリサイド層の形成が極めて有効であることが確認された。
なお、有機Ni溶液をインクに用いた比較例1〜3で金属シリサイド層が形成されなかったのは、有機Ni溶液を加熱した際に生じる有機分解ガス(CO2やH2O等)によりn+シリコン膜の表面が酸化され、シリコン膜へのNi拡散が阻害されたためであると考えられる。
また、実施例1〜5の試料のうちでも、焼成温度を270℃とした実施例2の試料では、焼成温度250℃の実施例1比して2桁程度の低抵抗化を実現している。さらに、焼成温度を280℃以上とした実施例3,4では、実施例1に比して4桁程度の低抵抗化を実現している。実施例3,4では、参考例として示しているスパッタ法を用いて成膜したTi膜と同程度のコンタクト抵抗が得られており、液相法を用いた半導体装置の製造に極めて有用であることが確認された。
さらに、焼成雰囲気については、実施例4,5の比較から分かるように、焼成雰囲気に水素を添加することで、コンタクト抵抗が著しく低下している。シリコン膜を300℃程度に加熱すると、シリコン膜に含まれる水素の脱離が生じてシリコン膜が変質してしまうが、上記結果から、水素を含む雰囲気下で加熱を行うことによりこの水素脱離を効果的に防止できることが推測される。
(電子機器)
次に、本発明の電子機器の具体例について説明する。
図18(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。符号600は携帯電話本体を示し、符号601は上記実施形態の液晶表示装置100を備えた表示部を示している。
図18(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。符号700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は上記実施形態の液晶表示装置100を備えた表示部を示している。
図18(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。符号800は時計本体を示し、符号801は上記実施形態の液晶表示装置100を備えた表示部を示している。
図18(a)〜(c)に示した電子機器は、上記実施形態の液晶表示装置100を備えたものであるので、低消費電力かつ高性能であり、安価に製造可能な表示部を備えたものとなる。また、テレビやモニター等の大型表示部についても上記実施形態の液晶表示装置100は好適に用いることができる。
実施形態に係る液晶表示装置の等価回路図。 液晶表示装置の1画素の平面図。 図3のA−A’線に沿う断面図。 図3Aの要部を拡大して示す断面図。 液晶表示装置の全体構成を示す平面図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 液滴吐出装置の一例を示す図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 液晶表示装置の製造工程図。 電子機器を例示する斜視図。
符号の説明
100 液晶表示装置(電気光学装置)、10 TFTアレイ基板、20 対向基板、30 TFT(薄膜トランジスタ)、31 絶縁膜、32 活性層(シリコン膜)、33 コンタクト層(不純物拡散層)、35 半導体層、36 金属シリサイド層、40 ゲート線、41 ゲート電極、42 ソース線、43 ソース電極、44 ドレイン電極、43a,49 中継電極、45 画素電極、45s 開口部、46 容量線、48 蓄積容量、51 バンク、58 レジスト、60 パッシベーション膜、63,64 金属層、65 平坦化膜、68a ソースコンタクト領域、68b ドレインコンタクト領域、68c 配線コンタクト領域、70 液晶層、78a 第1の平面領域、78b 第2の平面領域、78c 第3の平面領域、IJ 液滴吐出装置。

Claims (15)

  1. 基板上に半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層と接触する電極を液相法を用いて形成する工程と、
    前記半導体層と電極との界面に、前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 基板上に半導体層を形成する工程と、Ni及びCoの少なくとも一方を含有する液体材料を前記基板上に塗布する工程と、前記基板上の液体材料を乾燥させて固化物とする工程とを有する工程によって前記基板上に前記半導体層と当該半導体層に当接する前記固化物とを形成する工程と、
    前記半導体層及び前記固化物を加熱して、前記半導体層と前記固化物との界面にNiシリサイド又はCoシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記半導体層の前記電極と当接する面に、不純物を拡散させてなる不純物拡散層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記加熱工程における加熱温度が250℃以上350℃以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記加熱温度が260℃以上320℃以下であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記加熱温度が270℃以上300℃以下であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記加熱工程を、水素を0.1体積%以上含む不活性ガス雰囲気で行うことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 半導体層と、該半導体層に当接する電極とを備えた薄膜トランジスタであって、
    前記半導体層と前記電極との界面に、前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層が形成されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  9. 基板上に半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層と接触する電極を液相法を用いて形成する工程と、
    前記半導体層と電極との界面に、前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 基板上に半導体層を形成する工程と、Ni及びCoの少なくとも一方を含有する液体材料を前記基板上に塗布する工程と、前記基板上の液体材料を乾燥させて固化物とする工程とを有する工程によって前記基板上に前記半導体層と当該半導体層に当接する前記固化物とを形成する工程と、
    前記半導体層及び前記固化物を加熱して、前記半導体層と前記固化物との界面にNiシリサイド又はCoシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 基板上に、電気光学物質と、該電気光学物質に印加する電圧を制御する薄膜トランジスタとが設けられた電気光学装置であって、
    前記薄膜トランジスタは、半導体層と、該半導体層に当接する電極と、前記半導体層と前記電極との界面に形成されて前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層と、
    を備えることを特徴とする電気光学装置。
  12. 基板上に、電気光学物質と、該電気光学物質に印加する電圧を制御する薄膜トランジスタとが設けられた電気光学装置の製造方法であって、
    前記薄膜トランジスタを前記基板上に形成する工程は、
    基板上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層と接触する電極を液相法を用いて形成する工程と、前記半導体層と電極との界面に、前記電極の構成材料のうち少なくとも1種類の金属材料のシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  13. 基板上に、電気光学物質と、該電気光学物質に印加する電圧を制御する薄膜トランジスタとが設けられた電気光学装置の製造方法であって、
    前記薄膜トランジスタを前記基板上に形成する工程は、
    前記基板上に半導体層を形成する工程と、Ni及びCoの少なくとも一方を含有する液体材料を前記基板上に塗布する工程と、前記基板上の液体材料を乾燥させて固化物とする工程とを有する工程によって前記基板上に前記半導体層と当該半導体層に当接する固化物とを形成する工程と、
    前記半導体層及び前記固化物を加熱して前記半導体層と前記固化物との界面にNiシリサイド又はCoシリサイドを含む金属シリサイド層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  14. 請求項8に記載の薄膜トランジスタを備えたことを特徴とする電子機器。
  15. 請求項10に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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