JP2008059991A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導波管の外周部及び中央部の表面波電界強度を強化して径方向の分布を調整し、表面波電界強度の高度の均一性を実現するプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】プラズマ処理室101を真空に排気して処理用ガスを導入した後、マイクロ波をプラズマ処理室101に導入してプラズマを発生し被処理基体102を処理するプラズマ処理装置(プラズマ処理方法)において、スロット付無終端環状導波管(導波管)108の内側円弧状スロット114aの中心線と外側円弧状スロット114bの中心線との間隔Lsを誘電体窓107の表面を伝播するマイクロ波の表面波の半波長の偶数倍にする。外側円弧状スロット114bの中心線と誘電体窓107の外周との間隔Leをマイクロ波の表面波の半波長の奇数倍にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波を用いてプラズマを発生させるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関し、さらに詳しくは、基板近傍のプラズマ均一性を向上させたプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
近年、各種電子デバイス製造工程における低温化の要求に応えるため、プロセシングプラズマ技術が益々重要になってきている。
とりわけ、ラジオ波よりも高い周波数をもつ電磁波であるマイクロ波を励起源として用いるマイクロ波プラズマは、1e12cm−3以上の高密度、かつ、1eV以下の低電子温度プラズマをも得ることができる。
さらに、マイクロ波を励起源として用いるマイクロ波プラズマは、低ダメージ・高品質で高速な処理が可能であるため、今後、さらなる発展が期待されている。
マイクロ波プラズマを用いるプラズマ処理装置は、CVD、エッチング、アッシング、窒化・酸化、クリーニング等のプロセスに実用されている。
マイクロ波を処理用ガスの励起源として使用するプラズマ処理装置においては、電子を高い周波数をもつ電界により加速でき、ガス分子を効率的に励起、電離、分解させることができる。
それゆえに、マイクロ波プラズマは、ガスの励起効率、電離効率及び分解効率が高く、高密度のプラズマを比較的容易に形成し得るので、低温で高速に処理できるという利点を有する。
また、マイクロ波プラズマは、カットオフ密度以上の高密度プラズマ発生によりバルクプラズマ中にマイクロ波電界が浸透せず、電子温度が緩和するので、低ダメージで高品質な処理が可能であるという利点もある。
また、マイクロ波が誘電体を透過する性質を有することから、プラズマ処理装置を無電極放電タイプのものとして構成でき、これがゆえに金属汚染の少ない清浄なプラズマ処理を行うことができる。
特開2000−138171号公報(特許文献1)により、マイクロ波の均一で効率的な導入装置として複数の円弧状スロットがH面に形成された無終端環状導波管を用いたプラズマ処理装置が提案されている。
図5(a)は、上記従来のマイクロ波プラズマ処理装置の構成を模式的に説明する説明図であり、図5(b)は、上記従来のマイクロ波プラズマ処理装置の強干渉型二重円弧状スロットの構成を説明する説明図を示す。
また、図6は、上記従来のマイクロ波プラズマ処理装置におけるプラズマ発生機構の構成を説明する説明図を示す。
プラズマ処理室501は壁体で囲まれており、後述する排気手段506により内部空間を真空にすることが可能である。
被処理基体502は、プラズマ処理室501内に設置された支持体503上に保持されるものであり、半導体基板等の種々の任意の基体(基板)である。
基板温度調整手段504は、支持体503において例えば被処理基体502の付近の位置に設置したヒータ等であり、ヒータの加熱で被処理基体502の温度を調整する。
ガス導入手段505は、プラズマ処理室501の周辺に設けらて処理用ガスを所定の流量でプラズマ処理室501内に導入する。
排気手段506は、プラズマ処理室501内の気体を排気してプラズマ処理室501内を所定の圧力に維持する。
誘電体窓507は、プラズマ処理室501を大気側と分離する平板状の誘電体窓である。
スロット付無終端環状導波管(強干渉型二重円弧状スロット)508は、内側円弧状スロット514a、外側円弧状スロット514bを有する。
スロット付無終端環状導波管508は、内側円弧状スロット514a、外側円弧状スロット514bからマイクロ波を誘電体窓507を通してプラズマ処理室501に導入する。
導入E分岐511は、環状導波路512を介してマイクロ波をスロット付無終端環状導波管508へ導入する。
一方、スロット付無終端環状導波管508の内側円弧状スロット514a、外側円弧状スロット514bは、図6に示すように誘電体窓507表面を伝搬する表面波515を発生させる。
また、図6に示すように隣接する上記スロット514a、514bからの表面波515同士の干渉は、表面定在波516を発生させる。
表面定在波516は、発生プラズマ517を生成し、発生プラズマ517は、その拡散によりプラズマバルク518を生成する。
一方、上記導波管508の中心から内側円弧状スロット514aの中心線までの間隔をLc、各円弧状スロット514a,514bの双方の中心線との間の間隔をLsとする。
また、外側円弧状スロット514bの中心線と上記導波管508外周(誘電体窓507外周)との間隔をLeとする。
ここで、各円弧状スロット514a,514bの中心線の間の間隔Lsは次の式1の関係を有する。
Ls=(2n+1)λs/2 …式1
ここに、nは整数であり、λsは表面波515の波長である。
プラズマ処理は以下のようにして行なう。不図示の排気系(例えば排気手段506)を介してプラズマ処理室501内を真空排気する。
続いて処理用ガスをプラズマ処理室501の周辺に設けられたガス導入手段505を介して所定の流量でプラズマ処理室501内に導入する。
次いで排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室501内を所定の圧力に保持する。
次いでマイクロ波電源(不図示)より所望の電力をスロット付無終端環状導波管508を介してプラズマ処理室501内に供給する。
この際、スロット付無終端環状導波管508内に導入されたマイクロ波は、導入部の導入E分岐511で左右に二分配され、無終端環状導波路512内で干渉し、管内波長の1/2毎に管内定在波の“腹”を生じる。
この定在波の腹の中心から外れた導波管内壁表面に流れる電流が強くなる位置に設置された円弧状スロット514a及び514bを介しプラズマ処理室501にプラズマが発生する。
即ち、スロット付無終端環状導波管508の円弧状スロット514a及び514bを介し誘電体窓507を透過してプラズマ処理室501に導入されたマイクロ波によりプラズマが発生する。
プラズマの電子密度がカットオフ密度(周波数2.45GHzのマイクロ波の場合、7.5×1010cm−3)を超えると、誘電体窓507とプラズマの界面に入射したマイクロ波は、プラズマ中には伝搬できない。
その結果、誘電体窓507とプラズマの界面に入射したマイクロ波は、誘電体窓507の表面を表面波515として伝搬する。
より明確にはプラズマの電子密度が表面波モード発生しきい密度(石英窓使用の場合、3.4×1011cm−3)を超えると、上記マイクロ波は、誘電体窓507の表面を表面波515として伝搬する。
また、隣接する円弧状スロット514a及び514bから導入された表面波515同士は相互干渉し、表面波515の波長の1/2毎に腹をもつ表面定在波516が生じる。
誘電体窓507表面近傍に局在した表面定在波516によって誘電体窓507近傍に超高密度高電子温度の発生プラズマ517が生成される。
発生プラズマ517は被処理基体502方向に純粋拡散して緩和し、被処理基体502近傍に高密度低電子温度のプラズマバルク518を生成する。
処理用ガスは発生した高密度プラズマにより励起され、支持体503上に載置された被処理基体502の表面を処理する。
このようなマイクロ波プラズマ処理装置を用いることにより、マイクロ波パワー1kW以上で、直径300mm程度の大口径空間に±5%程度の均一性をもって、高密度低電子温度プラズマが発生する。
即ち直径300mm程度の大口径空間に±5%程度の均一性をもって、電子密度1011cm−3以上、電子温度1.5eV以下、プラズマ電位7V以下の高密度低電子温度プラズマが発生する。
このため、処理用ガスを充分に反応させ活性な状態で被処理基体502に供給でき、かつ入射イオンによる被処理基体502の表面ダメージも低減するので、低温でも高品質で均一かつ高速な処理が可能になる。
しかしながら、上述のマイクロ波プラズマ処理装置を用いて±2%以下の高度の均一性の高密度低電子温度プラズマを得ようとした場合、表面波515はスロットに垂直な方向、即ち、径方向に誘電体窓507表面を伝播する。
即ち表面波515は、径方向に誘電体窓507表面を伝播するため、内側と外側の円弧状スロット514a及び514b間で強く干渉し、それ以外の領域である外周部や中央部のプラズマ処理速度が不十分になる場合がある。
特開2000−138171号公報
そこで、本発明は、外周部及び中央部の表面波電界強度を強化して径方向の分布を調整し、表面波電界強度の高度の均一性を実現できるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のプラズマ処理装置は、マイクロ波発生手段からマイクロ波を導入するマイクロ波導入手段と、一部が誘電体窓で形成され、前記誘電体窓により大気側と分離されるプラズマ処理室と、前記プラズマ処理室内に設置された被処理基体を支持する基体支持手段と、前記プラズマ処理室内へ処理用ガスを導入するガス導入手段と、前記プラズマ処理室内を排気する排気手段と、前記誘電体窓に接して前記大気側に配置され、前記マイクロ波導入手段から前記誘電体窓を通して前記マイクロ波を前記プラズマ処理室内へ導入するスロットを有する導波管と、を有し、前記スロットは径の異なる二種の同心円上に配置された内側円弧状スロット及び外側円弧状スロットから構成されるプラズマ処理装置であって、前記内側円弧状スロットの中心線と前記外側円弧状スロットの中心線との間隔は前記誘電体窓の表面を伝播する前記マイクロ波の表面波の半波長の偶数倍であることを特徴とする。
さらに、本発明のプラズマ処理装置は、前記外側円弧状スロットの中心線と前記誘電体窓の外周との間隔は前記マイクロ波の表面波の半波長の奇数倍であることを特徴とする。
さらに、本発明のプラズマ処理装置は、互いに軸対称の位置にある前記内側円弧状スロット同士の中心線の間隔が前記マイクロ波の表面波の半波長の整数倍であることを特徴とする。
さらに、本発明のプラズマ処理装置は、前記外側円弧状スロットの開口角は前記内側円弧状スロットの開口角の1.1から1.5倍の範囲であることを特徴とする。
さらに、本発明のプラズマ処理装置は、前記誘電体窓と前記基体支持手段との距離は30から120mmであることを特徴とする。
さらに、本発明のプラズマ処理装置は、前記内側円弧状スロットの中心線と前記外側円弧状スロットの中心線との間において、プラズマの電子密度が低くなり、前記内側円弧状スロットの中心線の内側及び前記外側円弧状スロットの中心線の外側において、前記プラズマの電子密度が高くなるように、前記内側円弧状スロットの中心線と前記外側円弧状スロットの中心線との前記間隔を調整することを特徴とする。
さらに、本発明のプラズマ処理方法は、上記プラズマ処理装置を用いるプラズマ処理方法において、前記プラズマ処理室を真空に排気し、処理用ガスを前記プラズマ処理室に導入し、マイクロ波発生手段からマイクロ波を前記プラズマ処理室に導入し、プラズマを発生し、前記プラズマにより前記被処理基体を処理することを特徴とする。
本発明のプラズマ処理装置によれば、前記内側円弧状スロットの中心線と前記外側円弧状スロットの中心線との間隔は前記誘電体窓の表面を伝播する前記マイクロ波の表面波の半波長の偶数倍である。
このため、前記導波管の外周部及び中央部の表面波電界強度を強化し、前記導波管の径方向の電子密度分布を最適化して、被処理基体付近の電子密度分布の高度の均一性を実現でき、高精度で安定したプラズマ処理を実現できる。
さらに、本発明のプラズマ処理装置によれば、前記外側円弧状スロットの中心線と前記誘電体窓の外周との間隔は前記マイクロ波の表面波の半波長の奇数倍である。
このため、同じく前記導波管の外周部及び中央部の表面波電界強度を強化し、前記導波管の径方向の電子密度分布を最適化して、被処理基体付近の電子密度分布の高度の均一性を実現でき、高精度で安定したプラズマ処理を実現できる。
さらに、本発明のプラズマ処理装置によれば、互いに軸対称の位置にある前記内側円弧状スロット同士の中心線の間隔が前記マイクロ波の表面波の半波長の整数倍である。
このため、同じく前記導波管の外周部及び中央部の表面波電界強度を強化し、前記導波管の径方向の電子密度分布を最適化して、被処理基体付近の電子密度分布の高度の均一性を実現でき、高精度で安定したプラズマ処理を実現できる。
さらに、本発明のプラズマ処理装置によれば、前記外側円弧状スロットの開口角は前記内側円弧状スロットの開口角の1.1から1.5倍の範囲である。
このため、同じく前記導波管の外周部及び中央部の表面波電界強度を強化し、前記導波管の径方向の電子密度分布を最適化して、被処理基体付近の電子密度分布の高度の均一性を実現でき、高精度で安定したプラズマ処理を実現できる。
さらに、本発明のプラズマ処理装置によれば、前記誘電体窓と前記基体支持手段との距離は30から120mmであるため、上述の効果をより効率的に的確に現すことができる。
さらに、本発明のプラズマ処理装置によれば、前記内側外側円弧状スロット間のプラズマの電子密度を低く、前記内側円弧状スロット内側及び前記外側円弧状スロット外側のプラズマの電子密度を高くすべく、前記内側外側円弧状スロット間の前記間隔を調整する。
このため、同じく前記導波管の外周部及び中央部の表面波電界強度を強化し、前記導波管の径方向の電子密度分布を最適化して、被処理基体付近の電子密度分布の高度の均一性を実現でき、高精度で安定したプラズマ処理を実現できる。
さらに、本発明のプラズマ処理方法によれば、上記プラズマ処理装置を用いて前記プラズマ処理室に真空排気の後、処理用ガスを導入し、かつマイクロ波発生手段からのマイクロ波を導入してプラズマを発生し、前記プラズマにより前記被処理基体を処理する。
この方法は上記プラズマ処理装置を用いるため、前記導波管の外周部及び中央部の表面波電界強度を強化し、前記導波管の径方向の電子密度分布を最適化し、被処理基体付近の電子密度分布の高度の均一性を実現し、高精度で安定したプラズマ処理を実現できる。
以下、本発明を、その実施例に基づいて、図面を参照して説明する。
図1(a)は、実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置の構成を模式的に説明する説明図であり、図1(b)は、実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置の弱干渉型二重円弧状スロットの構成を説明する説明図である。
また、図2は、実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置におけるプラズマ発生機構の構成を説明する説明図である。
プラズマ処理室101は壁体で囲まれており、後述する排気手段106により内部空間を真空にすることが可能である。
被処理基体102は、プラズマ処理室101内に設置された支持体(基体支持手段)103上に保持されるものであり、半導体基板等の種々の任意の基体(基板)である。
基板温度調整手段104は、支持体103において例えば被処理基体102の付近の位置に設置したヒータ等であり、ヒータの加熱で被処理基体102の温度を調整する。以下ヒータ104と記す。
ガス導入手段105は、プラズマ処理室101の周辺の一部に設けられ処理用ガスを所定の流量でプラズマ処理室101内に導入する。
排気手段106は、プラズマ処理室101内の気体を排気してプラズマ処理室101内を所定の圧力に維持する。
誘電体窓107は、プラズマ処理室101を大気側(プラズマ発生機構側)と分離する平板状の誘電体窓である。
スロット付無終端環状導波管(プラズマ発生機構)108は、径の異なる二種の同心円上に配置された内側円弧状スロット114a、外側円弧状スロット114bを有し、マイクロ波を誘電体窓107を通してプラズマ処理室101に導入する。
導入E分岐111は、環状導波路112を介してマイクロ波をスロット付無終端環状導波管108へ導入する。
一方、スロット付無終端環状導波管108の内側円弧状スロット114a、外側円弧状スロット114bは、図2に示すように誘電体窓107表面を伝搬するマイクロ波の表面波115を発生させる。
また、図2に示すように隣接する内側円弧状スロット(スロットアンテナ)114a、及び外側円弧状スロット(スロットアンテナ)114bからのマイクロ波の表面波115同士の干渉は表面定在波116を発生させる。
表面定在波116は、発生プラズマ117を生成し、発生プラズマ117は、その拡散によりプラズマバルク118を生成する。
尚、マイクロ波発生手段は、不図示の例えばマグネトロン及びスロットアンテナからなり、マイクロ波のスロット付無終端環状導波管108に至る導波経路には、アイソレーターやインピーダンス整合器、導入E分岐111等のマイクロ波導入手段を備える。
一方、上記スロット付無終端環状導波管108の中心から内側円弧状スロット114aの中心線までの間隔をLcとし、上記内側、外側円弧状スロット114a,114bの双方の中心線の間の間隔をLsとする。
また、外側円弧状スロット114bの中心線から上記導波管108外周(誘電体窓107外周)までの間隔をLeとし、内側円弧状スロット114aの開口角をAiとし,外側円弧状スロット114bの開口角をAoとする。
ここで、本発明の実施例1では、実施例1における本発明の特徴として、上記間隔Lc、間隔Ls、間隔Le、開口角Ai、及び開口角Aoの各々が次の関係を有する。
即ち、第1に、内側円弧状スロット114aの中心線と外側円弧状スロット114bの中心線との間隔Lsは、誘電体窓107の表面を伝播するマイクロ波の表面波115の半波長の偶数倍である。
外側円弧状スロット114bの中心線と誘電体窓107の外周との間隔Leは、マイクロ波の表面波115の半波長の奇数倍である。
互いに軸対称の位置にある内側円弧状スロット114a同士の中心線の間隔は、マイクロ波の表面波115の半波長の整数倍である。
外側円弧状スロット114bの開口角Aoは、内側円弧状スロット114aの開口角Aiの1.1から1.5倍の範囲である。
また、本発明の実施例1では、誘電体窓107と支持体103との間の距離は、例えば30mmから120mmに設定する。
さらに、内側円弧状スロット114aの中心線と外側円弧状スロット114bの中心線との間の間隔Lsは、プラズマの電子密度が低くなるように例えば間隔を広げて調整する。
さらに、内側円弧状スロット114aの中心線の内側の領域、及び外側円弧状スロット114bの中心線の外側の領域においては、プラズマの電子密度が高くなるように例えば間隔を狭めて調整する。
一方、内側、外側円弧状スロット114a,114bは、環状導波路112内の定在波の腹の位置を挟むように環状導波路112の一周長/管内半波長の数だけ等角度の間隔に形成される。
ここで、上記間隔Lsは次の式2の関係を有し、上記間隔Leは次の式3の関係を有し、上記間隔Lcは次の式4の関係を有する。
Ls=nλs …式2
Le=(2m+1)λs/2 …式3
Lc=lλs/4 …式4
各式2から式4で、n,m,lは整数であり、λsは表面波515の波長である。
また、表面波115の波長λは、次の式5から求められる。
λs=λε −1/2{1−(εω/e1/2} …式5
ここに、λは自由空間におけるマイクロ波波長、εは誘電体窓107の比誘電率、εは真空の誘電率、mは電子の質量、ωはマイクロ波の角周波数、eは電気素量、nは電子密度である。
上記プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理(プラズマ処理方法)は以下のようにして行われる。即ち、まず、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気する。
続いて処理用ガスをプラズマ処理室101の周辺に設けられたガス導入手段105を介して所定の流量でプラズマ処理室101内に導入する。
次に排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を所定の圧力に保持する。
次いでマイクロ波電源(不図示)より所望の電力をスロット付無終端環状導波管108の内側円弧状スロット114a及び外側円弧状スロット114bを介してプラズマ処理室101内に供給する。
この際、スロット付無終端環状導波管108内に導入されたマイクロ波は、導入E分岐111で左右に二分配され、自由空間よりも長い管内波長をもって伝搬する。
分配されたマイクロ波同士が干渉し、管内波長の1/2毎に“腹”を有する表面定在波116を生じる。
その結果、表面電流を横切るように設けられた内側円弧状スロット114a及び外側円弧状スロット114bを介し誘電体窓107を透過してプラズマ処理室101にマイクロ波が導入される。
プラズマ処理室101に導入されたマイクロ波により内側状スロット114a及び外側円弧状スロット114b近傍に初期高密度プラズマが発生する。
初期高密度プラズマの電子密度がカットオフ密度(周波数2.45GHzのマイクロ波の場合、7.5×1010cm−3)を超えると、初期高密度プラズマの界面に入射したマイクロ波は、初期高密度プラズマ中には伝搬できない。
即ち電子密度がカットオフ密度を超えると、誘電体窓107と初期高密度プラズマの界面に入射したマイクロ波は、誘電体窓107と初期高密度プラズマとの界面を表面波115として伝搬する。
より明確には電子密度が表面波モード発生しきい密度(石英窓使用の場合、3.4×1011cm−3)を超えると、誘電体窓107と初期高密度プラズマの界面に入射したマイクロ波は、初期高密度プラズマ中には伝搬できない。
このため、誘電体窓107と初期高密度プラズマの界面に入射したマイクロ波は、誘電体窓107と初期高密度プラズマとの界面を表面波115として伝搬する。
また、複数の内側円弧状スロット114aから導入された表面波115同士は相互干渉し、外側円弧状スロット114bから導入された表面波115は誘電体窓107の外周端からの反射波と干渉する。
即ち表面波115同士の相互干渉、及び外側円弧状スロット114bから導入された表面波115の誘電体窓107の外周端からの反射波との干渉は、表面波115の波長の1/2毎に“腹”を有する表面定在波116を生じる。
これらの表面定在波116によって外周部と中央部に超高密度高電子温度の発生プラズマ117が生成される。
これに対して、内側円弧状スロット114aと外側円弧状スロット114bとの間では、双方のスロット114a,114bから導入された表面波115同士が弱め合うので、表面波115の電界及び発生プラズマ117は弱くなる。
その結果、発生プラズマ117の拡散・緩和により高密度低電子温度のプラズマバルク118が生成される。
処理用ガスは高密度低電子温度プラズマにより励起・分解して活性化し、支持体103上に載置された被処理基体102の表面をプラズマ処理する。
図3(a)は、従来の強干渉型二重円弧状スロット(スロット付無終端環状導波管508:図5参照)を使用した場合のスロットアンテナ近傍と被処理基体102近傍の電子密度分布を示す。
図3(b)は、本発明の弱干渉型二重円弧状スロット(スロット付無終端環状導波管108)を使用した場合のスロットアンテナ近傍と被処理基体102近傍の電子密度分布を示す。
尚、図3(a)、(b)は、双方ともに、ガスHe,圧力0.5Torr,マイクロ波パワー3kWの条件で放電した場合のスロットアンテナ近傍と被処理基体102近傍の電子密度分布を示す。
図3(a)に示すように、従来の強干渉型二重円弧状スロットを使用した場合、内側、外側円弧状スロット514a,514b間に強いリング上のプラズマが発生して、スロットアンテナ付近の電子密度分布(表面波電界強度)に変化が現れた。
また、従来の強干渉型二重円弧状スロットを使用した場合、被処理基体102近傍の電子密度分布にも、スロットアンテナ付近の上記電子密度分布(表面波電界強度)の変化の影響が観られ、±5%程度のばらつきが測定された。
これは従来の強干渉型二重円弧状スロット自体にプラズマの電子密度分布を均一化する構成が存在しなかったために生じた現象である。
これに対して図3(b)に示すように、本発明の弱干渉型二重円弧状スロット(上記本発明のスロット(スロットアンテナ)114a,114b)を用いた場合、その中央と外周部の電子密度分布(表面波電界強度)が拡散して均一化された。
これは例として内側、外側円弧状スロット114a,114bの間隔Lsの電子密度を低くする調整と、内側円弧状スロット114aの内側及び外側円弧状スロット114bの外側の電子密度を高くする調整で得られた現象である。
このため、被処理基体102近傍においても、スロットアンテナ付近の上記電子密度分布の均一性(最適性)により、電子密度分布が±2%程度のばらつきに改善されているという電子密度分布の高度な均一性が測定された。
図4(a)は、内側円弧状スロット114aの開口角(Ai)と外側円弧状スロット114bの開口角(Ao)の角度比率に対応する本発明のスロット付無終端環状導波管108付近の電子密度分布(表面波電界強度)を示す。
図4(b)は、内側円弧状スロット114aの開口角(Ai)と外側円弧状スロット114bの開口角(Ao)の角度比率に対応する被処理基体102近傍の電子密度分布を示す。
尚、図4(a)、(b)は、ガスHe,圧力0.5Torr,マイクロ波パワー3kWの条件で放電した場合の上記各電子密度分布を測定した結果を示す。
図4(a)に示すように、本発明のスロット付無終端環状導波管108付近の電子密度分布(表面波電界強度)は、開口角(Ai)に対し開口角(Ao)が0.9の場合、及び1.7の場合にその変化が大きかった。
即ち、本発明のスロット付無終端環状導波管108付近の電子密度分布(表面波電界強度)は、開口角(Ai)に対し開口角(Ao)が1.1以下では外周部が弱くなりすぎ、1.5以上では中央部が弱くなりすぎ、電子密度分布の変化が大きかった。
これに対して本発明のスロット付無終端環状導波管108付近の電子密度分布(表面波電界強度)は、開口角(Ai)に対し開口角(Ao)が1.1又は1.3若しくは1.5の場合にその変化が最も少なく良好な電子密度分布が得られた。
一方、図4(b)に示すように、被処理基体102付近の電子密度分布も、同じく開口角(Ai)に対し開口角(Ao)が0.9の場合、及び1.7の場合にその変化が大きかった。
即ち、被処理基体102付近の電子密度分布は、開口角(Ai)に対し開口角(Ao)が1.1以下では外周部が弱くなり、1.5以上では中央部が弱くなり、電子密度分布の変化が大きかった。
これに対して被処理基体102付近の電子密度分布は、開口角(Ai)に対し開口角(Ao)が1.1又は1.3若しくは1.5の場合にその変化が最も少なく好ましい均一性を得ることができた。
(実施例1の概要の補足)
一方、本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置に用いられるマイクロ波の周波数は、300MHzから3THzまでが適用可能であるが、波長が誘電体窓107の寸法と同程度になる、1から10GHzが特に有効である。
本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置に用いられる誘電体窓107の材質は、機械的強度が充分でマイクロ波の透過率が充分高くなるように誘電欠損の小さなもが好適である。
誘電体窓107の材質には、例えば石英やアルミナ(サファイア),窒化アルミニウム,弗化炭素ポリマ(テフロン(登録商標))等が最適である。
本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置に用いられるスロット付き無終端環状導波管108の材質は、導電体であれば使用可能であるが、マイクロ波の伝搬ロスをできるだけ抑えるため、導電率の高いものが好ましい。
スロット付き無終端環状導波管108の材質には、例えばAl、Cu、Ag/CuメッキしたSUS等が最適である。
本発明の実施例1に用いられるスロット付無終端環状導波管108の導入口の向きは、スロット付無終端環状導波管108内のマイクロ波伝搬空間に効率よくマイクロ波を導入できる向きが好ましい。
即ち、スロット付無終端環状導波管108の導入口の向きは、例えば、H面に平行でも垂直でも、伝搬空間の接線方向でも伝搬空間の左右方向に二分配する方向でもよい。
本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法においては、より低圧で処理するために、磁界発生手段を用いてもよい。
即ち実施例1のプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法において用いられる磁界としては、スロットの幅方向に発生する電界に垂直な磁界であれば適用可能である。
磁界発生手段としては、コイル以外でも、永久磁石でも使用可能である。コイルを用いる場合には過熱防止のため水冷機構や空冷等他の冷却手段を用いてもよい。また、紫外光を被処理基体102表面に照射してもよい。
光源としては、被処理基体102もしくは基体上に付着したガスに吸収される光を放射するものなら適用可能で、エキシマレーザ、エキシマランプ、希ガス共鳴線ランプ、低圧水銀ランプ等が適当である。
本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理方法におけるプラズマ処理室101内の圧力は0.1mTorr乃至10Torrの範囲、より好ましくは、10mTorrから3Torrの範囲が適当である。
本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理方法による堆積膜の形成は、使用するガスを適宜選択することで形成することができる。
堆積膜の形成では、例えば、第1に、Si、SiO、SiOF,Ta、TiO、TiN、Al、AlN、MgF、HfSiO、HfAlO等の絶縁膜を形成することが可能である。
第2に、例えば、a−Si、poly−Si、SiC、SiGe、GaAs等の半導体膜や、Al、W、Mo、Ti、Ta等の導電膜やカーボン膜等、各種の堆積膜を効率よく形成することが可能である。
本発明の実施例1のプラズマ処理方法により処理する被処理基体102は、半導体であっても、導電性のものであっても、あるいは電気絶縁性のものであってもよい。
導電性基体としては、Fe,Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pb等の金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレス鋼等が挙げられる。
絶縁性基体としては、第1に、SiO系の石英や各種ガラス、Si,NaCl,KCl,LiF,CaF,BaF,Al,AlN,MgO等の無機物が挙げられる。
第2に、ポリエチレン,ポリエステル,ポリカーボネート,セルロースアセテート,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド等の有機物のフィルム、シート等が挙げられる。
本発明の実施例1のプラズマ処理装置に用いられるガス導入手段105の向きは、ガスが誘電体窓108近傍に発生するプラズマ領域を経由した後、中央付近に十分に供給されられる向きが好ましい。
ガス導入手段105は、ガスが、そのように中央付近に十分に供給されられてから被処理基体102表面を中央から周辺に向かって流れるように、誘電体窓108に向けてガスを吹き付けられる構造を有することが最適である。
一方、CVD法により被処理基体102上に薄膜を形成する場合に用いられるガスとしては、一般に公知のガスが使用できる。
a−Si、poly−Si、SiC等のSi系半導体薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段105を介してプラズマ処理室101へ導入するSi原子を含有する原料ガスとしては、次のものがある。
例えば、SiH,Si等の無機シラン類がある。
また、テトラエチルシラン(TES),テトラメチルシラン(TMS),ジメチルシラン(DMS),ジメチルジフルオロシラン(DMDFS),ジメチルジクロルシラン(DMDCS)等の有機シラン類がある。
また、SiF,Si,Si,SiHF,SiH,SiCl,SiCl,SiHCl,SiHCl,SiHCl,SiCl等のハロゲン化シラン類等がある。
さらに、常温常圧でガス状態であるもの又は容易にガス化し得るものが挙げられる。
また、その場合のSi原料ガスと混合して導入してもよい添加ガス又はキャリアガスとしては、例えば、H、He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn等が挙げられる。
一方、Si,SiO 等のSi化合物系薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段105を介して導入するSi原子を含有する原料としては、第1に、SiH、Si等の無機シラン類がる。
第2に、テトラエトキシシラン(TEOS),テトラメトキシシラン(TMOS),オクタメチルシクロテトラシラン(OMCTS)等の有機シラン類がある。
第3に、ジメチルジフルオロシラン(DMDFS),ジメチルジクロルシラン(DMDCS)等の有機シラン類がある。
第4に、SiF,Si,Si,SiHF,SiH,SiCl,SiCl,SiHCl,SiHCl,SiHCl,SiCl等のハロゲン化シラン類等がある。
さらに、常温常圧でガス状態であるもの又は容易にガス化し得るものが挙げられる。
また、その場合の同時に導入する窒素原料ガス又は酸素原料ガスとしては、N、NH、N、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、O、O、HO、NO、NO、NO等が挙げられる。
Al、W、Mo、Ti、Ta等の金属薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段105を介して導入する金属原子を含有する原料としては、第1に、トリメチルアルミニウム(TMAl)等の有機金属がある。
第2に、トリエチルアルミニウム(TEAl)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)、タングステンカルボニル(W(CO))等の有機金属がある。
第3に、モリブデンカルボニル(Mo(CO))、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)、テトライソプロポキシチタン(TIPOTi)、ペンタエトキシタンタル(PEOTa)等の有機金属がある。
第4に、AlCl、WF、TiCl、TaCl等のハロゲン化金属等が挙げられる。
また、この場合のSi原料ガスと混合して導入してもよい添加ガス又はキャリアガスとしては、H、He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn等が挙げられる。
Al、AlN、Ta、TiO、TiN、WO等の金属化合物薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段105を介して導入する金属原子を含有する原料としては、次のものがある。
第1に、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMAlH)等の有機金属がある。
第2に、タングステンカルボニル(W(CO))、モリブデンカルボニル(Mo(CO))、トリメチルガリウム(TMGa)等の有機金属がある。
第3に、トリエチルガリウム(TEGa)、テトライソプロポキシチタン(TIPOTi)、ペンタエトキシタンタル(PEOTa)等の有機金属があり、AlCl、WF、TiCl、TaCl等のハロゲン化金属等がある。
また、その場合の同時に導入する酸素原料ガスまたは窒素原料ガスとしては、O、O、HO、NO、NO、NO、N、NH、N、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等が挙げられる。
グラファイト、カーボンナノチューブ(CNT)、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、ダイアモンド等のカーボン系薄膜を形成する場合の処理用ガス導入手段105を介して導入する原料としては、次のものがある。
第1に、炭素原子を含めば可能であるが、CH、CH6、C等の飽和炭化水素、C、C、C、C等の不飽和炭化水素、C等の芳香族炭化水素等ある。
第2に、COH、COH等のアルコール類、(CHCO等のケトン類、CHCHO等のアルデヒド類、HCOOH、CHCOOH等のカルボン酸類等が適当である。
基体表面をエッチングする場合の処理用ガス導入口105から導入するエッチング用ガスとしては、F、CF、CH、C、C、C、CFCl、SF、NF、Cl、CCl、CHCl、CCl等がある。
フォトレジスト等基体表面上の有機成分をアッシング除去する場合の処理用ガス導入口105から導入するアッシング用ガスとしては、O、O、HO、NO、NO、NO、N、H等が挙げられる。
また、本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置及び処理方法を表面改質にも適用する場合、使用するガスを適宜選択することにより次の処理が可能である。
即ち、例えば基体もしくは表面層としてSi、Al、Ti、Zn、Ta等を使用してこれら基体もしくは表面層の酸化処理あるいは窒化処理、さらにはB、As、P等のドーピング処理等が可能である。
さらに本発明において採用する成膜技術はクリーニング方法にも適用できる。その場合酸化物あるいは有機物や重金属等のクリーニングに使用することもできる。
基体を酸化表面処理する場合の処理用ガス導入口を介して導入する酸化性ガスとしては、O、O、HO、NO、NO、NO等が挙げられる。
また、基体を窒化表面処理する場合の処理用ガス導入口を介して導入する窒化性ガスとしては、N、NH、N、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等が挙げられる。
基体表面の有機物をクリーニングする場合、又はフォトレジスト等基体表面上の有機成分をアッシング除去する場合のガス導入口から導入するクリーニング/アッシング用ガスとしては、O、O、HO、NO、NO、NO、N、H等が挙げられる。
また、基体表面の無機物をクリーニングする場合のプラズマ発生用ガス導入口から導入するクリーニング用ガスとしては、F、CF、CH、C、C、CFCl、SF、NF等が挙げられる。
以上本発明の実施例1においては、内側、外側円弧状スロット114a,104bの中心線の間隔Lsを表面波115の半波長の偶数倍にし、外側円弧状スロット114bの中心線と誘電体窓107の外周との間隔Leを表面波115の半波長の奇数倍に設定した。
また、互いに軸対称の位置にある内側円弧状スロット114a同士の中心線の間隔を表面波115の半波長の整数倍とし、外側円弧状スロット114bの開口角Aoを内側円弧状スロット114aの開口角Aiの1.1から1.5倍の範囲とした。
さらに、誘電体窓107と支持体103との間の距離は30mmから120mmとし、内側、外側円弧状スロット114a,114bの間隔Lsはプラズマの電子密度を低く、上記スロット114aの内側及び上記スロット114bの外側は電子密度を高くした。
以上の構成により、スロット付無終端環状導波管108の周辺部及び中央部の表面波電界強度を強化し、スロット付無終端環状導波管108の径方向の電子密度分布の最適化を図ることができた。
このため、プラズマ処理中の被処理基体102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、被処理基体102に高精度で良好に均一のプラズマ処理を施すことが可能となった。その結果、プラズマ処理の品質信頼性を向上させた。
次に、本発明の実施例2を説明する。
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシングを行った。
被処理基体102としては、層間SiO膜をエッチングし、ビアホールを形成した直後のシリコン(Si)基板(φ300mm)を使用した。以下Si基板102と記す。
まず、Si基板102を支持体103上に設置した後、ヒータ104を用いて250℃まで加熱し、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、10−4Torrまで減圧させた。
プラズマ処理用ガス導入口105を介して酸素ガスを2slmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。ついで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、処理室101内を1.5Torrに保持した。
次いでプラズマ処理室101内に、2.45GHzのマイクロ波電源より2.5kWの電力をスロット付無終端環状導波管108を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。
この際、プラズマ処理用ガス導入手段105を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解、反応して酸素原子となり、Si基板102の方向に輸送されてSi基板102上のフォトレジストを酸化し、気化・除去された。
アッシング後、ゲート絶縁破壊評価、アッシング速度と基板表面電荷密度等について評価した。
得られたアッシング速度の均一性は、±2.4%(6.1μm/min)と極めて良好で、表面電荷密度も0.6×1011cm−2と充分低い値を示し、ゲート絶縁破壊も観測されなかった。
即ち、プラズマ処理に際してSi基板102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、Si基板102に高精度で良好なアッシングを施すことができた。
次に、本発明の実施例3を説明する。
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、フォトレジストのアッシングを行った。
被処理基体102としては、層間SiO膜をエッチングし、ビアホールを形成した直後のシリコン(Si)基板(φ12インチ)を使用した。以下Si基板102と記す。
まず、Si基板102を支持体103上に設置した後、ヒータ104を用いて250℃まで加熱し、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、10−5Torrまで減圧させた。
プラズマ処理用ガス導入手段105を介して酸素ガスを2slmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を2Torrに保持した。
プラズマ処理室101内に、2.45GHzのマイクロ波電源より2.5kWの電力をスロット付無終端環状導波管108を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。
この際、プラズマ処理用ガス導入手段105を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解、反応して酸素原子となり、Si基板102の方向に輸送され、Si基板102上のフォトレジストを酸化し、気化・除去された。
アッシング後、ゲート絶縁評価、アッシング速度と基板表面電荷密度等について評価した。
得られたアッシング速度均一性は、 ±3.1%(7.9μm/min)と極めて大きく、表面電荷密度も1.0×1011cm−2と充分低い値を示し、ゲート絶縁破壊も観測されなかった。
即ち、プラズマ処理に際してSi基板102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、Si基板102に高精度で良好なアッシングを施すことができた。
次に、本発明の実施例4を説明する。
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、極薄酸化膜の表面窒化を行った。
被処理基体102としては、16A厚表面酸化膜付きシリコン(Si)基板(φ8インチ)を使用した。以下Si基板102と記す。
まず、Si基板102を支持体103上に設置した後、ヒータ104を用いて150℃まで加熱し、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、10−3Torrまで減圧させた。
プラズマ処理用ガス導入手段105を介して窒素ガスを50sccm、ヘリウムガスを450sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。
次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を0.2Torrに保持した。
プラズマ処理室101内に、2.45GHzのマイクロ波電源より1.5kWの電力をスロット付無終端環状導波管108を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。
この際、プラズマ処理用ガス導入手段105を介して導入された窒素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解、反応して窒素イオンや原子となり、Si基板102の方向に輸送され、Si基板102上の酸化膜表面を室化した。
窒化後、ゲート絶縁評価、窒化速度と基板表面電荷密度等について評価した。
得られた窒化速度均一性は、 ±1.5%と極めて良好で、表面電荷密度も0.9×1011cm−2と充分低い値を示し、ゲート絶縁破壊も観測されなかった。
即ち、プラズマ処理に際してSi基板102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、Si基板102に高精度で良好な極薄酸化膜の表面窒化を行うことができた。
次に、本発明の実施例5を説明する。
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、シリコン基板の直接窒化を行った。
被処理基体102としては、ベアシリコン(Si)基板(φ8インチ)を使用した。以下Si基板102と記す。
まず、Si基板102を支持体103上に設置した後、ヒータ104を用いて150℃まで加熱し、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、10−3Torrまで減圧させた。
プラズマ処理用ガス導入手段105を介して窒素ガスを500sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を0.1Torrに保持した。
次いで、プラズマ処理室101内に、2.45GHzのマイクロ波電源より1.5kWの電力をスロット付無終端環状導波管108を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。
この際、プラズマ処理用ガス導入手段105を介して導入された窒素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解、反応して窒素イオンや原子となり、Si基板102の方向に輸送され、Si基板102の表面を直接室化した。
窒化後、ゲート絶縁評価、窒化速度と基板表面電荷密度等について評価した。
得られた窒化速度均一性は、±1.1%と極めて良好で、表面電荷密度も1.7×1011cm−2と充分低い値を示し、ゲート絶縁破壊も観測されなかった。
即ち、プラズマ処理に際してSi基板102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、高精度で良好なSi基板102の直接窒化を行うことができた。
次に、本発明の実施例6を説明する。
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子保護用窒化シリコン膜の形成を行った。
被処理基体102としては、Al配線パターン(ラインアンドスペース0.5μm)が形成された層間SiO膜付きφ300mmP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。以下Si基板102と記す。
まず、Si基板102を支持体103上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、10−7Torrの値まで減圧させた。続いてヒータ104に通電し、Si基板102を300℃に加熱し、前記基板をこの温度に保持した。
プラズマ処理用ガス導入手段105を介して窒素ガスを600sccmの流量で、また、モノシランガスを200sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。
次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を20mTorrに保持した。
次いで、2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)より3.0kWの電力をスロット付無終端環状導波管108を介して供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。
この際、プラズマ処理用ガス導入口105を介して導入された窒素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解されて窒素原子となり、Si基板102の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜をSi基板102上に形成した。
特に、Si基板102上に形成する窒化シリコン膜は1.0μmの厚さで形成した。成膜後、ゲート絶縁破壊評価、成膜速度、応力等の膜質について評価した。
応力は成膜前後の基板の反り量の変化をレーザ干渉計Zygo(商品名)で測定して求めた。得られた窒化シリコン膜の成膜速度均一性は±2.6%(530nm/min)と極めて大きかった。
また、膜質も、応力0.9×10dyne・cm−2(圧縮)、リーク電流1.1×10−10A・cm−2、絶縁耐圧10.7MV/cmという極めて良質な膜であることが確認された。しかもゲート絶縁破壊も観測されなかった。
即ち、プラズマ処理に際してSi基板102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、高精度で良好な半導体素子保護用窒化シリコン膜の形成を行うことができた。
次に、本発明の実施例7を説明する。
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、プラスチックレンズ反射防止用酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の形成を行った。
被処理基体102としては、直径50mmプラスチック凸レンズを使用した。以下レンズ102と記す。
まず、レンズ102を支持体103上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、10−7Torrの値まで減圧させた。
プラズマ処理用ガス導入手段105を介して窒素ガスを150sccmの流量で、また、モノシランガスを70sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。
次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を5mTorrに保持した。
次いで、2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)より3.0kWの電力をスロット付無終端環状導波管103を介してプラズマ処理室101内に供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。
この際、プラズマ処理用ガス導入手段105を介して導入された窒素ガスは、プラズマ処理室101内で励起、分解されて窒素原子等の活性種となり、レンズ102の方向に輸送され、モノシランガスと反応し、窒化シリコン膜がレンズ102上に形成された。
特に、レンズ102上に形成する窒化シリコン膜は20nmの厚さで形成した。次にプラズマ処理用ガス導入手段105を介して酸素ガスを200sccmの流量で、また、モノシランガスを100sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。
次いで排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を2mTorrに保持した。
次いで2.45GHzのマイクロ波電源(不図示)より2.0kWの電力をスロット付無終端環状導波管108を介してプラズマ発生室101内に供給した。かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。
この際、プラズマ処理用ガス導入手段105を介して導入された酸素ガスは、プラズマ処理室101内で励起、分解されて酸素原子等の活性種となり、レンズ102の方向に輸送される。
そして、酸素ガスは、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がレンズ102上に85nmの厚さで形成された。成膜後、ゲート絶縁破壊評価、成膜速度、反射特性について評価した。
得られた窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜の成膜速度均一性はそれぞれ±2.7%(380nm/min)、±2.9%(410nm/min)と良好で、膜質も、500nm付近の反射率が0.14%と極めて良好な光学特性であることが確認された。
即ち、プラズマ処理に際してレンズ102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、高精度で良好なプラスチックレンズ反射防止用酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の形成を行うことができた。
次に、本発明の実施例8を説明する。
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子層間絶縁用酸化シリコン膜の形成を行った。
被処理基体102としては、最上部にAlパターン(ラインアンドスペース0.5μm)が形成されたφ300mmP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。以下Si基板102と記す。
まず、Si基板102を支持体103上に設置した。排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、10−7Torrの値まで減圧させた。
続いてヒータ104に通電し、Si基板102を300℃に加熱し、Si基板102をその温度に保持した。
プラズマ処理用ガス導入手段105を介して酸素ガスを400sccmの流量で、また、モノシランガスを200sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。
次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を20mTorrに保持した。
次いで、2MHzの高周波印加手段を介して300Wの電力を支持体103に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.5kWの電力をスロット付無終端環状導波管103を介してプラズマ処理室101内に供給した。
かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガス導入手段105を介して導入された酸素ガスはプラズマ処理室101内で励起、分解されて活性種となり、Si基板102の方向に輸送される。
酸素ガスは、モノシランガスと反応し、酸化シリコン膜がSi基板102上に0.8μmの厚さで形成された。このとき、イオン種はRFバイアスにより加速されてSi基板102に入射しパターン上の膜を削り平坦性を向上させる。
処理後、成膜速度、均一性、絶縁耐圧、及び段差被覆性について評価した。段差被覆性は、Al配線パターン上に成膜した酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、ボイドを観測することにより評価した。
得られた酸化シリコン膜の成膜速度均一性は±2.8%(310nm/min)と良好で、膜質も絶縁耐圧10.1MV/cm、ボイドフリーであって良質な膜であることが確認され、ゲート絶縁破壊も観測されなかった。
即ち、プラズマ処理に際してSi基板102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、高精度で良好な半導体素子層間絶縁用酸化シリコン膜の形成を行うことができた。
次に、本発明の実施例9を説明する。
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子層間SiO膜のエッチングを行った。
被処理基体102としては、Alパターン(ラインアンドスペース0.35μm)上に1μm厚の層間SiO膜が形成されたφ300mmP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。以下Si基板102と記す。
まず、Si基板102を支持体103上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、10−7Torrの値まで減圧させた。
プラズマ処理用ガス導入手段105を介してCを80sccm、Arを120sccm、Oを40sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。
次いで、排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を5mTorrの圧力に保持した。
次いで、2MHzの高周波印加手段を介して280Wの電力を支持体103に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より3.0kWの電力をスロット付無終端環状導波管103を介してプラズマ処理室101内に供給した。
かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガス導入手段105を介して導入されたCガスはプラズマ処理室101内で励起、分解されて活性種となり、Si基板102の方向に輸送される。
Si基板102の方向に輸送されたプラズマ処理用ガス(Cガス)は、自己バイアスによって加速されたイオンによって層間SiO膜をエッチングした。
静電チャック付クーラによりSi基板102の温度は30℃までしか上昇しなかった。エッチング後、ゲート絶縁破壊評価、エッチング速度、選択比、及びエッチング形状について評価した。
エッチング形状は、エッチングされた酸化シリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
エッチング速度均一性と対ポリシリコン選択比は±2.7%(580nm/min)と良好で、エッチング形状もほぼ垂直で、マイクロローディング効果も少ないことが確認され、ゲート絶縁破壊も観測されなかった。
即ち、プラズマ処理に際してSi基板102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、高精度で良好な半導体素子層間SiO膜のエッチングを行うことができた。
次に、本発明の実施例10を説明する。
図1、図2に示したマイクロ波プラズマ処理装置を使用し、半導体素子ゲート電極間ポリシリコン膜のエッチングを行った。
被処理基体102としては、最上部にポリシリコン膜が形成されたφ300mmP型単結晶シリコン基板(面方位〈100〉,抵抗率10Ωcm)を使用した。以下Si基板102と記す。
まず、Si基板102を支持体103上に設置した後、排気系(不図示)を介してプラズマ処理室101内を真空排気し、10−7Torrの値まで減圧させた。
プラズマ処理用ガス導入手段105を介してCFガスを300sccm、酸素を20sccmの流量でプラズマ処理室101内に導入した。
次いで排気系(不図示)に設けられたコンダクタンスバルブ(不図示)を調整し、プラズマ処理室101内を2mTorrの圧力に保持した。
次いで2MHzの高周波電源(不図示)からの高周波電力300Wを支持体103に印加するとともに、2.45GHzのマイクロ波電源より2.0kWの電力をスロット付無終端環状導波管103を介してプラズマ処理室101内に供給した。
かくして、プラズマ処理室101内にプラズマを発生させた。プラズマ処理用ガス導入手段105を介して導入されたCFガス及び酸素はプラズマ処理室101内で励起、分解されて活性種となり、シリコン基板102の方向に輸送される。
CFガス及び酸素は、自己バイアスにより加速されたイオンによりポリシリコン膜をエッチングした。
静電チャック付クーラにより、Si基板102の温度は30℃までしか上昇しなかった。エッチング後、ゲート絶縁破壊評価、エッチング速度、選択比、及びエッチング形状について評価した。
エッチング形状は、エッチングされたポリシリコン膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観測し、評価した。
エッチング速度均一性と対SiO選択比はそれぞれ±2.8%(740nm/min)と良好で、エッチング形状も垂直で、マイクロローディング効果も少ないことが確認され、ゲート絶縁破壊も観測されなかった。
即ち、プラズマ処理に際してSi基板102近傍のプラズマの電子密度分布の高度の均一性を実現し、高精度で良好な半導体素子ゲート電極間ポリシリコン膜のエッチングを行うことができた。
図1(a)は、本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置の構成を模式的に説明する説明図である。図1(b)は、本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置の弱干渉型二重円弧状スロットの構成を説明する説明図である。 本発明の実施例1のマイクロ波プラズマ処理装置におけるプラズマ発生機構の構成を説明する説明図である。 図3(a)は、従来の強干渉型二重円弧状スロット(スロット付無終端環状導波管を使用した場合のスロットアンテナ近傍と被処理基体近傍の電子密度分布を示すグラフ図である。図3(b)は、本発明の実施例1の弱干渉型二重円弧状スロット(スロット付無終端環状導波管108)を使用した場合のスロットアンテナ近傍と被処理基体102近傍の電子密度分布を示すグラフ図である。 図4(a)は、本発明の実施例1の内側円弧状スロットの開口角(Ai)と外側円弧状スロットの開口角(Ao)の角度比率に対応する本発明のスロット付無終端環状導波管付近の電子密度分布(表面波電界強度)を示すグラフ図である。図4(b)は、本発明の実施例1の内側円弧状スロットの開口角(Ai)と外側円弧状スロットの開口角(Ao)の角度比率に対応する被処理基体近傍の電子密度分布を示すグラフ図である。 図5(a)は、従来のマイクロ波プラズマ処理装置の構成を模式的に説明する説明図である。図5(b)は、従来のマイクロ波プラズマ処理装置の強干渉型二重円弧状スロットの構成を説明する説明図である。 従来のマイクロ波プラズマ処理装置におけるプラズマ発生機構の構成を説明する説明図である。
符号の説明
101、501 プラズマ処理室
102、502 被処理基体
103、503 支持体
104、504 基板温度調整手段(ヒータ)
105、505 ガス導入手段
106、506 排気手段
107、507 誘電体窓
108、508 スロット付き無終端環状導波管
111、511 導入E分岐
112、512 環状導波路
114a、514a 内側円弧状スロット
114b、514b 外側円弧状スロット
115、515 表面波
116、516 表面定在波
117、517 発生プラズマ
118、518 プラズマバルク
Ls、Le、Lc 間隔
Ai、Ao 開口角

Claims (7)

  1. マイクロ波発生手段からマイクロ波を導入するマイクロ波導入手段と、
    一部が誘電体窓で形成され、前記誘電体窓により大気側と分離されるプラズマ処理室と、
    前記プラズマ処理室内に設置された被処理基体を支持する基体支持手段と、
    前記プラズマ処理室内へ処理用ガスを導入するガス導入手段と、
    前記プラズマ処理室内を排気する排気手段と、
    前記誘電体窓に接して前記大気側に配置され、前記マイクロ波導入手段から前記誘電体窓を通して前記マイクロ波を前記プラズマ処理室内へ導入するスロットを有する導波管と、を有し、
    前記スロットは径の異なる二種の同心円上に配置された内側円弧状スロット及び外側円弧状スロットから構成されるプラズマ処理装置であって、
    前記内側円弧状スロットの中心線と前記外側円弧状スロットの中心線との間隔は前記誘電体窓の表面を伝播する前記マイクロ波の表面波の半波長の偶数倍であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記外側円弧状スロットの中心線と前記誘電体窓の外周との間隔は前記マイクロ波の表面波の半波長の奇数倍であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 互いに軸対称の位置にある前記内側円弧状スロット同士の中心線の間隔が前記マイクロ波の表面波の半波長の整数倍であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記外側円弧状スロットの開口角は前記内側円弧状スロットの開口角の1.1から1.5倍の範囲であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記誘電体窓と前記基体支持手段との距離は30から120mmであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記内側円弧状スロットの中心線と前記外側円弧状スロットの中心線との間において、プラズマの電子密度が低くなり、
    前記内側円弧状スロットの中心線の内側及び前記外側円弧状スロットの中心線の外側において、前記プラズマの電子密度が高くなるように、
    前記内側円弧状スロットの中心線と前記外側円弧状スロットの中心線との前記間隔を調整することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用いるプラズマ処理方法において、
    前記プラズマ処理室を真空に排気し、
    処理用ガスを前記プラズマ処理室に導入し、
    マイクロ波発生手段からマイクロ波を前記プラズマ処理室に導入し、プラズマを発生し、
    前記プラズマにより前記被処理基体を処理することを特徴とするプラズマ処理方法。
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