本発明は、面状光源装置及び液晶表示装置組立体に関する。
液晶表示装置にあっては、液晶材料それ自体は発光しない。従って、例えば、液晶表示装置の表示領域を照射する直下型の面状光源装置(バックライト)を、複数の画素から構成された表示領域の背面に配置する(例えば、文献1:日経エレクトロニクス 2004年12月20日第889号の第123〜130ページ を参照)。尚、カラー液晶表示装置において、1画素は、例えば、赤色発光副画素、緑色発光副画素及び青色発光副画素の3種の副画素から構成されている。そして、各画素あるいは各副画素を構成する液晶セルを、一種の光シャッター(ライト・バルブ)として動作させることによって、即ち、各画素あるいは各副画素の光透過率(開口率)を制御し、面状光源装置から出射された照明光(例えば、白色光)の光透過率を制御することで、画像を表示している。
従来、液晶表示装置組立体における面状光源装置は、表示領域全体を、均一、且つ、一定の明るさで照明しているが、このような面状光源装置とは別の構成、即ち、複数の面状光源ユニットから構成され、複数の表示領域ユニットにおける照度の分布を変化させる構成を有する面状光源装置が、例えば、特開2005−258403号公報から周知である。
このような面状光源装置は、以下に説明する方法に基づき制御される。即ち、面状光源装置を構成するそれぞれの面状光源ユニットの最高輝度をY1とし、表示領域ユニットにおける画素の光透過率(開口率)の最大値(具体的には、例えば100%)をLt1とする。また、面状光源装置を構成するそれぞれの面状光源ユニットが最高輝度Y1であるときに、表示領域ユニットにおける各画素の表示輝度y2を得るための各画素の光透過率(開口率)をLt2とする。すると、この場合にあっては、面状光源装置を構成するそれぞれの面状光源ユニットの光源輝度Y2を、
Y2・Lt1=Y1・Lt2
を満足するように制御すればよい。尚、このような制御の概念図を図10の(A)及び(B)に示す。ここで、面状光源ユニットの光源輝度Y2を、液晶表示装置の画像表示におけるフレーム(便宜上、画像表示フレームと呼ぶ)毎に変化させる。
そして、このような面状光源装置の制御(面状光源装置の分割駆動とも呼ばれる)によって、液晶表示装置における白レベルの増加、黒レベルの低下によるコントラスト比の増加を図ることができる結果、画像表示の品質の向上を図ることができるし、面状光源装置の消費電力の低減を図ることができる。
或る面状光源ユニットの光源から出射された光の一部は、他の面状光源ユニットに侵入する。それ故、上述したように、面状光源装置を構成するそれぞれの面状光源ユニットの光源輝度Y2を制御したとき、或る面状光源ユニットの光源輝度が他の面状光源ユニットの光源輝度に影響を与える。従って、それぞれの面状光源ユニットが他の面状光源ユニットに及ぼす影響を出来るだけ小さくするために、面状光源ユニットと面状光源ユニットとの間に隔壁を設けている。
特開2005−258403号公報
日経エレクトロニクス 2004年12月20日第889号の第123〜130ページ
ところで、面状光源ユニットと面状光源ユニットとの間の隔壁の存在に起因した輝度ムラにより、出射光の強度が不均一となる場合がある。面状光源装置の構成にもよるが、面状光源ユニットと面状光源ユニットとの境界においては、一般に出射光の強度が低下する傾向が認められる。出射光は光拡散板により拡散されるので、光拡散板上における輝度はある程度均一化される。しかし、図12に示すように、面状光源ユニットと面状光源ユニットとの境界における出射光の強度の不均一に起因して、光拡散板上においても境界に倣うように相対的に輝度の低い領域が発生する場合がある。これにより、液晶表示装置組立体の表示画像においても輝度の均一性が低下し、表示画像の質が損なわれるおそれがある。この現象は、隔壁と光拡散板との距離を離すことによりある程度緩和することができるが、隔壁と光拡散板との距離を離すことにより隣接する面状光源ユニット間における光漏れが増大し、各面状光源ユニットの輝度の調整が複雑なものとなる。
従って、本発明の目的は、隣接する面状光源ユニット間における光漏れが増大することなく、隔壁の存在に起因した輝度ムラを軽減することができる面状光源装置、及び、係る面状光源装置を組み込んだ液晶表示装置組立体を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の面状光源装置は、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置である。
また、上記の目的を達成するための本発明の液晶表示装置組立体は、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を有する透過型の液晶表示装置と、液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置とを備えた液晶表示装置組立体である。
そして、本発明の面状光源装置、及び、本発明の液晶表示装置組立体を構成する面状光源装置は、
液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときの該P×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから成り、
面状光源ユニットと面状光源ユニットは、板状の隔壁で仕切られており、
隔壁の高さ方向をZ方向としたとき、Z方向と直交する平面で隔壁の液晶表示装置側を切断したときの隔壁断面が波線状であることを特徴とする。
本発明の面状光源装置、及び、本発明の液晶表示装置組立体を構成する面状光源装置(以下、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、隔壁の側面は、面状光源ユニットに備えられた光源から出射された光を反射する光反射面となっていてもよいし、光透過面となっていてもよい。光反射面は光拡散反射面であってもよいし鏡面反射面であってもよい。光透過面は光拡散透過面であってもよい。隔壁の液晶表示装置側(以下、単に、隔壁の頂部側と呼ぶ場合がある)と反対側(隔壁の底部側)とで、側面の特性を変えた構成であってもよい。例えば、隔壁の頂部側を光拡散反射面とし、隔壁の底部側を光拡散透過面とした構成であってもよい。
上述した好ましい構成を含む本発明にあっては、少なくとも、隔壁の頂部側が波板状を呈していればよい。即ち、隔壁は高さ方向全てに亙って波板状である構成とすることもできるし、あるいは又、隔壁は頂部側のみが波板状である構成とすることもできる。後者の場合には、隔壁は、頂部側は波板状であって頂部側から離れるとともに平板状に近づくように漸次形状が変化した構成とすることもできるし、あるいは又、波板状から平板状に階段的に形状が変化した構成とすることもできる。本発明にあっては、Z方向と直交する平面で隔壁の頂部側を切断したときの隔壁断面が波線状である。従って、隔壁は頂部側において長く伸びる直線部を有さない。これにより、本発明の面状光源装置、及び、本発明の液晶表示装置組立体にあっては、隔壁の存在に起因した輝度ムラを軽減することができる。
隔壁の頂部側を切断したときの隔壁断面形状としては、正弦波、方形波、鋸歯状波等の周期的な波線状の形状を挙げることができるが、これに限るものではない。例えば、波形を構成する凹部や凸部が非周期的に配置されている形状であってもよい。定性的には、凹部や凸部の間隔は短い程好ましく、凹部や凸部の突出高さは高い程好ましい。凹部や凸部の間隔、凹部や凸部の突出高さは、面状光源装置の設計に応じて適宜設定すればよい。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明において、隔壁を構成する材料として、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ガラス、金属等を挙げることができる。本発明にあっては、隔壁は、基本的には略直交する2方向に走る井桁状に配置される。この井桁状の構造は、例えばプラスチック成形技術等により一体構造として形成されていてもよいし、複数の隔壁が機械的に組み合わされて形成されていてもよい。更には、1つの光源ユニットに対応する4辺の隔壁を一体とした隔壁ユニットを準備し、これを市松模様状に配置することにより、井桁構造を形成する態様であってもよい。
隔壁の側面を面状光源ユニットに備えられた光源から出射された光を拡散透過する面とする方法、即ち、隔壁表面に光拡散透過機能を付与するための方法として、例えば、サンドブラスト法に基づき隔壁表面に凹凸層を形成する方法、接着剤や接着シートを用いて隔壁表面に凹凸を有するフィルム(光拡散透過フィルム)を貼り付ける方法を挙げることができる。また、隔壁の側面を面状光源ユニットに備えられた光源から出射された光を拡散反射する面とする方法、即ち、隔壁表面に光拡散反射機能を付与するための方法として、例えば、白色塗料を塗布する方法、隔壁表面に凹凸を形成した後その上にメッキ法や蒸着法により光拡散反射面を形成する方法を挙げることができるが、これに限るものではない。隔壁の仕様に応じて、周知の方法から適宜好適な方法を選択すればよい。
本発明において、1つの面状光源ユニットは、4つの隔壁によって囲まれ、あるいは又、3つの隔壁と筐体(後述する)の1つの側面によって囲まれ、あるいは又、2つの隔壁と筐体の2つの側面によって囲まれている。
本発明において、面状光源装置を構成する面状光源ユニットの光源として、発光ダイオード(LED)を挙げることができるし、あるいは又、冷陰極線型の蛍光ランプや、エレクトロルミネッセンス(EL)装置、冷陰極電界電子放出装置(FED)、プラズマ表示装置、通常のランプを挙げることもできる。光源を発光ダイオードから構成する場合、例えば波長640nmの赤色を発光する赤色発光ダイオード、例えば波長530nmの緑色を発光する緑色発光ダイオード、及び、例えば波長450nmの青色を発光する青色発光ダイオードを1組として構成して白色光を得ることができるし、白色発光ダイオード(例えば、紫外又は青色発光ダイオードと蛍光体粒子とを組み合わせて白色を発光する発光ダイオード)の発光によって白色光を得ることもできる。赤色、緑色、青色以外の第4番目の色、第5番目の色・・・を発光する発光ダイオードを更に備えていてもよい。
また、光源を発光ダイオードから構成する場合、赤色を発光する複数の赤色発光ダイオード、緑色を発光する複数の緑色発光ダイオード、及び、青色を発光する複数の青色発光ダイオードが、面状光源ユニット内に配置、配列されている。より具体的には、(1つの赤色発光ダイオード,1つの緑色発光ダイオード,1つの青色発光ダイオード)、(1つの赤色発光ダイオード,2つの緑色発光ダイオード,1つの青色発光ダイオード)、(2つの赤色発光ダイオード,2つの緑色発光ダイオード,1つの青色発光ダイオード)等の組合せから成る発光ダイオード・ユニットから、光源を構成することができる。1つの面状光源ユニットには、少なくとも1つの発光ダイオード・ユニットが備えられている。
発光ダイオードは、所謂フェイスアップ構造を有していてもよいし、フリップチップ構造を有していてもよい。即ち、発光ダイオードは、基板、及び、基板上に形成された発光層から構成されており、発光層から光が外部に出射される構造としてもよいし、発光層からの光が基板を通過して外部に出射される構造としてもよい。より具体的には、発光ダイオード(LED)は、例えば、基板上に形成された第1導電型(例えばn型)を有する化合物半導体層から成る第1クラッド層、第1クラッド層上に形成された活性層、活性層上に形成された第2導電型(例えばp型)を有する化合物半導体層から成る第2クラッド層の積層構造を有し、第1クラッド層に電気的に接続された第1電極、及び、第2クラッド層に電気的に接続された第2電極を備えている。発光ダイオードを構成する層は、発光波長に依存して、周知の化合物半導体材料から構成すればよい。発光ダイオードからの光取り出し効率を高めるために、発光ダイオードの光出射部分には、一定の大きさを有する半球状の樹脂材料を取り付けることが望ましい。尚、光を特定の方向に射出させたい等の意図がある場合には、例えば、光が水平方向に主に出射される2次元方向出射構成を配設してもよい。
面状光源装置は、更には、光拡散板、拡散シート、プリズムシート、偏光変換シートといった光学機能シート群や、反射シートを備えている構成とすることができる。光学機能シート群は、離間配置された各種シートから構成されていてもよいし、積層され一体として構成されていてもよい。光拡散板を構成する材料として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)を例示することができる。光拡散板や光学機能シート群は、面状光源装置と液晶表示装置との間に配置される。
透過型の液晶表示装置は、例えば、透明第1電極を備えたフロント・パネル、透明第2電極を備えたリア・パネル、及び、フロント・パネルとリア・パネルとの間に配された液晶材料から成る。尚、液晶表示装置は、モノクロ液晶表示装置であってもよいし、カラー液晶表示装置であってもよい。
フロント・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第1の基板と、第1の基板の内面に設けられた透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第1の基板の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。更には、透過型のカラー液晶表示装置においては、第1の基板の内面に、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層によって被覆されたカラーフィルターが設けられている。カラーフィルターの配置パターンとして、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。そして、フロント・パネルは、更に、オーバーコート層上に透明第1電極が形成された構成を有している。尚、透明第1電極上には配向膜が形成されている。一方、リア・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第2の基板と、第2の基板の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第2の基板の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。透明第2電極を含む全面には配向膜が形成されている。これらの透過型のカラー液晶表示装置を含む液晶表示装置を構成する各種の部材や液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができる。スイッチング素子として、単結晶シリコン半導体基板に形成されたMOS型FETや薄膜トランジスタ(TFT)といった3端子素子や、MIM素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。
透明第1電極と透明第2電極の重複領域であって液晶セルを含む領域が、1画素(ピクセル)あるいは1副画素(サブピクセル)に該当する。そして、透過型のカラー液晶表示装置においては、各画素(ピクセル)を構成する赤色発光副画素(副画素[R]と呼ぶ場合がある)は、係る領域と赤色を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、緑色発光副画素(副画素[G]と呼ぶ場合がある)は、係る領域と緑色を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、青色発光副画素(副画素[B]と呼ぶ場合がある)は、係る領域と青色を透過するカラーフィルターとの組合せから構成されている。副画素[R]、副画素[G]及び副画素[B]の配置パターンは、上述したカラーフィルターの配置パターンと一致する。尚、画素は、副画素[R]、副画素[G]、及び、副画素[B]の3種の副画素[R,G,B]を1組として構成される構成に限定されず、例えば、これらの3種の副画素[R,G,B]に更に1種類あるいは複数種類の副画素を加えた1組(例えば、輝度向上のために白色光を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するために補色を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエローを発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエロー及びシアンを発光する副画素を加えた1組)から構成することもできる。
2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)の数M0×N0を(M0,N0)で表記したとき、(M0,N0)の値として、具体的には、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(1280,960)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。また、(M0,N0)の値と(P,Q)の値との関係として、限定するものではないが、以下の表1に例示することができる。1つの表示領域ユニットを構成する画素の数として、20×20乃至320×240、好ましくは、50×50乃至200×200を例示することができる。表示領域ユニットにおける画素の数は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。表示領域ユニットの形状は、液晶表示装置組立体の設計に応じて適宜設定すればよい。例えば、単純な矩形とすることもできるし、面状光源装置の隔壁の形状を反映させて、各辺を波状とした矩形とすることもできる。
液晶表示装置及び面状光源装置を駆動するための駆動回路は、例えば、発光ダイオード(LED)駆動回路、演算回路、記憶装置(メモリ)等から構成された面状光源装置制御回路及び面状光源ユニット駆動回路、並びに、タイミングコントローラ等の周知の回路から構成された液晶表示装置駆動回路を備えている。表示領域の部分の輝度(表示輝度)及び面状光源ユニットの輝度(光源輝度)の制御は、1画像表示フレーム毎に行われる。尚、駆動回路に電気信号として1秒間に送られる画像情報の数(毎秒画像)がフレーム周波数(フレームレート)であり、フレーム周波数の逆数がフレーム時間(単位:秒)である。
本発明の面状光源装置にあっては、Z方向と直交する平面で隔壁の頂部側を切断したときの隔壁断面が波線状(ジグザグ)である。従って、隔壁は頂部側において長く伸びる直線部を有さない。即ち、壁面近傍の輝度ムラは、直線状ではなくなる。これにより、本発明の面状光源装置、及び、本発明の液晶表示装置組立体にあっては、隔壁の存在に起因した輝度ムラを軽減することができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明の面状光源装置を説明するが、それに先立ち、実施例においての使用に適した透過型の液晶表示装置(具体的には、透過型のカラー液晶表示装置)や面状光源装置の概要を、図1の(A)及び(B)、図2、図3、図4、図5、及び、図6を参照して、説明する。
図3に概念図を示すように、透過型のカラー液晶表示装置10は、第1の方向に沿ってM0個、第2の方向に沿ってN0個の、合計M0×N0個の画素が2次元マトリクス状に配列された表示領域11を備えている。ここで、表示領域11を、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に分割したと想定する。具体的には、例えば、画像表示用解像度としてHD−TV規格を満たすものであり、2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)の数M0×N0を(M0,N0)で表記したとき、例えば、(1920,1080)である。また、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11(図3において、一点鎖線で示す)がP×Q個の仮想の表示領域ユニット12(境界を点線で示す)に分割されている。(P,Q)の値は、例えば、(19,12)である。但し、図面の簡素化のため、図3における表示領域ユニット12(及び、後述する面状光源ユニット41)の数は、この値と異なる。各表示領域ユニット12は複数(M×N)の画素から構成されており、1つの表示領域ユニット12を構成する画素の数は、例えば、約1万である。各画素は、それぞれが異なる色を発光する複数の副画素を1組として構成されている。より具体的には、各画素は、赤色発光副画素(副画素[R])、緑色発光副画素(副画素[G])、及び、青色発光副画素(副画素[B])の3種の副画素(サブピクセル)から構成されている。この透過型のカラー液晶表示装置10は、線順次駆動される。より具体的には、カラー液晶表示装置10は、マトリクス状に交差する走査電極(第1の方向に沿って延びている)とデータ電極(第2の方向に沿って延びている)とを有し、走査電極に走査信号を入力して走査電極を選択、走査し、データ電極に入力されたデータ信号(制御信号に基づく信号である)に基づき画像を表示させ、1画面を構成する。
カラー液晶表示装置10は、図6に模式的な一部断面図を示すように、透明第1電極24を備えたフロント・パネル20、透明第2電極34を備えたリア・パネル30、及び、フロント・パネル20とリア・パネル30との間に配された液晶材料13から成る。
フロント・パネル20は、例えば、ガラス基板から成る第1の基板21と、第1の基板21の外面に設けられた偏光フィルム26とから構成されている。第1の基板21の内面には、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層23によって被覆されたカラーフィルター22が設けられ、オーバーコート層23上には、透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)24が形成され、透明第1電極24上には配向膜25が形成されている。一方、リア・パネル30は、より具体的には、例えば、ガラス基板から成る第2の基板31と、第2の基板31の内面に形成されたスイッチング素子(具体的には、薄膜トランジスタ、TFT)32と、スイッチング素子32によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)34と、第2の基板31の外面に設けられた偏光フィルム36とから構成されている。透明第2電極34を含む全面には配向膜35が形成されている。フロント・パネル20とリア・パネル30とは、それらの外周部で封止材(図示せず)を介して接合されている。尚、スイッチング素子32は、TFTに限定されず、例えば、MIM素子から構成することもできる。また、図面における参照番号37は、スイッチング素子32とスイッチング素子32との間に設けられた絶縁層である。
これらの透過型のカラー液晶表示装置を構成する各種の部材や、液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができるので、詳細な説明は省略する。
直下型の面状光源装置(バックライト)40は、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に対応したP×Q個の面状光源ユニット41から成り、各面状光源ユニット41は、面状光源ユニット41に対応する表示領域ユニット12を背面から照明する。面状光源ユニット41に備えられた光源は、個別に制御される。尚、カラー液晶表示装置10の下方に面状光源装置40が位置しているが、図3においては、カラー液晶表示装置10と面状光源装置40とを別々に表示した。面状光源装置40における隔壁や発光ダイオード等の配置、配列状態の模式的な平面図を図1の(A)に示す。また、実施例の液晶表示装置組立体の模式的な端面図を、図1の(B)に示す。尚、図1の(B)にあっては、主要な部材を記載するとともに、筐体51、カラー液晶表示装置10、光拡散板61等のハッチングを省略し、拡散板20の一部を切り欠いた状態とした。図2に、実施例の面状光源装置に用いられる隔壁の模式的な斜視図を示す。更に、カラー液晶表示装置10及び面状光源装置40から成る液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を図5に示す。尚、便宜のため、図5においては隔壁の表示を省略した。光源は、パルス幅変調(PWM)制御方式に基づき駆動される発光ダイオード42(42R,42G,42B)から成る。
図5に液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を示すように、面状光源装置40は、外側フレーム53と内側フレーム54とを備えた筐体51から構成されている。そして、透過型のカラー液晶表示装置10の端部は、外側フレーム53と内側フレーム54とによって、スペーサ55A,55Bを介して挟み込まれるように保持されている。また、外側フレーム53と内側フレーム54との間には、ガイド部材56が配置されており、外側フレーム53と内側フレーム54とによって挟み込まれたカラー液晶表示装置10がずれない構造となっている。筐体51の内部であって上部には、光拡散板61が、スペーサ55C、ブラケット部材57を介して、内側フレーム54に取り付けられている。また、光拡散板61の上には、拡散シート62、プリズムシート63、偏光変換シート64といった光学機能シート群が積層されている。
筐体51の内部であって下部には、反射シート65が備えられている。ここで、この反射シート65は、その反射面が光拡散板61と対向するように配置され、筐体51の底面52Aに図示しない取付け用部材を介して取り付けられている。反射シート65は、例えば、シート基材上に、銀反射膜、低屈折率膜、高屈折率膜を順に積層された構造を有する銀増反射膜から構成することができる。反射シート65は、複数の発光ダイオード42(光源42)から出射された光や、筐体51の側面52B、あるいは、図1の(A)及び(B)に示す隔壁43によって反射された光を反射する。こうして、赤色を発光する複数の赤色発光ダイオード42R(光源42R)、緑色を発光する複数の緑色発光ダイオード42G(光源42G)、及び、青色を発光する複数の青色発光ダイオード42B(光源42B)から出射された赤色光、緑色光及び青色光が混色され、色純度の高い白色光を照明光として得ることができる。この照明光は、光拡散板61、拡散シート62、プリズムシート63、偏光変換シート64といった光学機能シート群を通過し、カラー液晶表示装置10を背面から照射する。
発光ダイオード42R,42G,42Bの配列状態は、例えば、赤色(例えば、波長640nm)を発光する赤色発光ダイオード42R、緑色(例えば、波長530nm)を発光する緑色発光ダイオード42G、及び、青色(例えば、波長450nm)を発光する青色発光ダイオード42Bを1組とした発光ダイオード・ユニットを水平方向及び垂直方向に複数、並べる配列とすることができる。尚、この場合、1つの面状光源ユニット41に1つの発光ダイオード・ユニットが配置されており、発光ダイオード・ユニットの中心が光源の中心に相当する。
面状光源装置40を構成する面状光源ユニット41と面状光源ユニット41とは、隔壁43(43A,43B)で仕切られている。図1の(A)及び(B)に示した例では、全ての面状光源ユニット41は、4つの隔壁43によって囲まれている。尚、筐体51の内周に沿って配置した4辺の隔壁43Aと43Bとを省略した態様であってもよい。この場合には、4つの隔壁43によって囲まれた面状光源ユニット41、3つの隔壁43と筐体51の1つの側面52Bによって囲まれた面状光源ユニット41、2つの隔壁43と筐体51の2つの側面52Bによって囲まれた面状光源ユニット41とが存在する。隔壁43は、筐体51の底面52Aに図示しない取付け用部材を介して取り付けられている。面状光源装置40の隔壁の詳細については、後述する実施例において説明する。
図3及び図4に示すように、外部(ディスプレイ回路)からの入力信号に基づき面状光源装置40及びカラー液晶表示装置10を駆動するための駆動回路は、パルス幅変調制御方式に基づき、面状光源装置40を構成する赤色発光ダイオード42R、緑色発光ダイオード42G及び青色発光ダイオード42Bのオン/オフ制御を行う面状光源装置制御回路70及び面状光源ユニット駆動回路80、並びに、液晶表示装置駆動回路90から構成されている。面状光源装置制御回路70は、演算回路71及び記憶装置(メモリ)72から構成されている。一方、面状光源ユニット駆動回路80は、演算回路81、記憶装置(メモリ)82、LED駆動回路83、FETから成るスイッチング素子84R,84G,84B、発光ダイオード駆動電源(定電流源)85から構成されている。面状光源装置制御回路70及び面状光源ユニット駆動回路80を構成するこれらの回路等は、周知の回路等とすることができる。一方、カラー液晶表示装置10を駆動するための液晶表示装置駆動回路90は、タイミングコントローラ91といった周知の回路から構成されている。カラー液晶表示装置10には、液晶セルを構成するTFTから成るスイッチング素子32を駆動するための、ゲート・ドライバ、ソース・ドライバ等(これらは図示せず)が備えられている。ここで、図4には、発光ダイオード駆動電源(定電流源)85を1つで描写しているが、実際には、発光ダイオード42R,42G,42Bのそれぞれを駆動するための発光ダイオード駆動電源85が配されている。
2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域がP×Q個の表示領域ユニットに分割されているが、この状態を、「行」及び「列」で表現すると、Q行×P列の表示領域ユニットに分割されていると云える。また、表示領域ユニット12は複数(M×N)の画素から構成されているが、この状態を、「行」及び「列」で表現すると、N行×M列の画素から構成されていると云える。更には、赤色発光副画素(副画素[R])、緑色発光副画素(副画素[G])、及び、青色発光副画素(副画素[B])を一括して纏めて『副画素[R,G,B]』と呼ぶ場合があるし、副画素[R,G,B]の動作の制御(具体的には、例えば、光透過率(開口率)の制御)のために副画素[R,G,B]に入力される赤色発光副画素・制御信号、緑色発光副画素・制御信号、及び、青色発光副画素・制御信号を一括して纏めて『制御信号[R,G,B]』と呼ぶ場合があるし、表示領域ユニットを構成する副画素[R,G,B]を駆動するために駆動回路に外部から入力される赤色発光副画素・入力信号、緑色発光副画素・入力信号、及び、青色発光副画素・入力信号を一括して纏めて『入力信号[R,G,B]』と呼ぶ場合がある。
各画素は、前述したように、赤色発光副画素(赤色発光サブピクセル,副画素[R])、緑色発光副画素(緑色発光サブピクセル,副画素[G])、及び、青色発光副画素(青色発光サブピクセル,副画素[B])の3種の副画素(サブピクセル)を1組として構成されている。以下の実施例の説明においては、副画素[R,G,B]のそれぞれの輝度の制御(階調制御)を8ビット制御とし、0〜255の28段階にて行うとする。従って、各表示領域ユニット12を構成する各画素における副画素[R,G,B]のそれぞれを駆動するために液晶表示装置駆動回路90に入力される入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBのそれぞれは、28段階の値をとる。また、各面状光源ユニットを構成する赤色発光ダイオード42R、緑色発光ダイオード42R及び青色発光ダイオード42Bのそれぞれの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBも、0〜255の28段階の値をとる。但し、これに限定するものではなく、例えば、10ビット制御とし、0〜1023の210段階にて行うこともでき、この場合には、8ビットの数値での表現を、例えば4倍すればよい。
画素のそれぞれに、画素のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号が駆動回路から供給される。具体的には、副画素[R,G,B]のそれぞれに、副画素[R,G,B]のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号[R,G,B]が液晶表示装置駆動回路90から供給される。即ち、液晶表示装置駆動回路90においては、入力された入力信号[R,G,B]から制御信号[R,G,B]が生成され、この制御信号[R,G,B]が副画素[R,G,B]に供給(出力)される。尚、面状光源ユニット41の輝度である光源輝度Y2を1画像表示フレーム毎に変化させるので、制御信号[R,G,B]は、基本的に、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBを2.2乗した値に対して、光源輝度Y2の変化に基づく補正(補償)を行った値XR-corr,XG-corr,XB-corrを有する。そして、液晶表示装置駆動回路90を構成するタイミングコントローラ91から、カラー液晶表示装置10のゲート・ドライバ及びソース・ドライバに、制御信号[R,G,B]が周知の方法で送出され、制御信号[R,G,B]に基づき各副画素を構成するスイッチング素子32が駆動され、液晶セルを構成する透明第1電極24及び透明第2電極34に所望の電圧が印加されることで、各副画素の光透過率(開口率)Ltが制御される。ここで、制御信号[R,G,B]の値XR-corr,XG-corr,XB-corrが大きいほど、副画素[R,G,B]の光透過率(開口率)Ltが高くなり、副画素[R,G,B]に対応する表示領域の部分の輝度(表示輝度y)の値が高くなる。即ち、副画素[R,G,B]を通過する光によって構成される画像(通常、一種、点状である)は明るい。
表示輝度y及び光源輝度Y2の制御は、カラー液晶表示装置10の画像表示における1画像表示フレーム毎、表示領域ユニット毎、面状光源ユニット毎に行われる。また、1画像表示フレーム内におけるカラー液晶表示装置10の動作と面状光源装置40の動作とは同期させられる。尚、駆動回路に電気信号として1秒間に送られる画像情報の数(毎秒画像)がフレーム周波数(フレームレート)であり、フレーム周波数の逆数がフレーム時間(単位:秒)である。
実施例は、本発明の面状光源装置、及び、本発明の液晶表示装置組立体に関する。上述したように、図1の(A)は、実施例の面状光源装置における隔壁や発光ダイオード等の配置、配列状態を模式的に示す平面図であり、図1の(B)は、実施例の液晶表示装置組立体の模式的な端面図である。
実施例の面状光源装置40は、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11を有する透過型のカラー液晶表示装置10を背面から照明する面状光源装置である。そして、面状光源装置40とカラー液晶表示装置10との間には、カラー液晶表示装置10と対面する光拡散板61が配置されており、カラー液晶表示装置10の表示領域11をP×Q個の仮想の表示領域ユニット12に分割したと想定したときのこれらのP×Q個の表示領域ユニット12に対応したP×Q個の面状光源ユニット41から成る。ここで、面状光源ユニット41に備えられた光源42(42R,42G,42B)は、個別に制御される。但し、隔壁41が光透過性である場合には、面状光源ユニット41の光源輝度は、他の面状光源ユニット41に備えられた光源42(42R,42G,42B)の発光状態等による影響を受けるので、この影響を考慮した上で、光源42の発光状態を制御することが望ましい。
既に説明したように、面状光源装置40を構成する面状光源ユニット41と面状光源ユニット41とは、隔壁43(43A,43B)で仕切られている。図1の(A)に示した例では、各面状光源ユニット41は、4つの隔壁43によって囲まれている。隔壁43(43A,43B)は、筐体の底面52Aと光拡散板61との間に配置されている。
実施例では、図1の(A)に示すように、隔壁43の高さ方向(図においてZ方向)と直交する平面(即ち、X−Y平面)で隔壁43のカラー液晶表示装置10側(頂部側)を切断したときの隔壁断面が波線状、より具体的には、正弦波状の形状とした。尚、実施例においては、図2に示すように、隔壁断面の形状は、X−Y平面のZ方向の位置に関わらず同一とした。即ち、隔壁43を、高さ方向(図1の(A)においてZ方向)全てに亙って正弦波状の波板としたが、これに限るものではない。
実施例においては、隔壁43(43A,43B)をポリカーボネート樹脂から形成し、隔壁43の壁面にサンドブラスト法に基づき隔壁表面に凹凸層を形成して光拡散透過面としたが、これに限るものではない。尚、実施例においては、隔壁43A,43Bをそれぞれ個別の部材として形成し、それぞれ4つの隔壁43A,43Bを井桁状に組み合わせたが、これに限るものではない。井桁状に一体化して成形することもできる。
実施例においては、隔壁43のカラー液晶表示装置10側(頂部側)を切断したときの隔壁断面を正弦波状の形状とした。従って、隔壁43は頂部側において長く伸びる直線部を有さない。壁面近傍の輝度ムラは、直線状ではなくなる。これにより、本発明の面状光源装置、及び、本発明の液晶表示装置組立体にあっては、隔壁の存在に起因した輝度ムラを軽減することができる。尚、実施例の変形例として、図7に示すように、隔壁43の頂部側のみ正弦波状の形状としてもよい。更には、図8に示すように、隔壁43の隔壁断面を方形波状の形状としてもよい。
以下、実施例における液晶表示装置組立体の駆動方法を、図3、図4及び図9を参照して説明する。尚、図9は、実施例における液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するための流れ図である。ここで、画素あるいは副画素の光透過率(開口率とも呼ばれる)Lt、画素あるいは副画素に対応する表示領域の部分の輝度(表示輝度)y、及び、面状光源ユニットの輝度(光源輝度)Yを、以下のとおり、定義する。
Y1・・・・光源輝度の、例えば最高輝度であり、以下、光源輝度・第1規定値と呼ぶ場合がある。
Lt1・・・表示領域ユニットにおける画素あるいは副画素の光透過率(開口率)の、例えば最大値であり、以下、光透過率・第1規定値と呼ぶ場合がある。
Lt2・・・表示領域ユニットを構成する全ての画素を駆動するために駆動回路に入力される入力信号の値の内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素あるいは副画素に供給されたと想定したときの画素あるいは副画素の光透過率(開口率)であり、以下、光透過率・第2規定値と呼ぶ場合がある。尚、0≦Lt2≦Lt1
y2・・・・光源輝度が光源輝度・第1規定値Y1であり、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)が光透過率・第2規定値Lt2であると仮定したときに得られる表示輝度であり、以下、表示輝度・第2規定値と呼ぶ場合がある。
Y2・・・・表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素あるいは副画素に供給されたと想定し、しかも、このときの画素あるいは副画素の光透過率(開口率)が光透過率・第1規定値Lt1に補正されたと仮定したとき、画素あるいは副画素の輝度を表示輝度・第2規定値(y2)とするための面状光源ユニットの光源輝度。
実施例にあっては、画素のそれぞれに、画素のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号が駆動回路から供給される。より具体的には、各画素を構成する副画素[R,G,B]のそれぞれに、副画素[R,G,B]のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号[R,G,B]が駆動回路90から供給される。そして、面状光源ユニット41のそれぞれにおいて、各表示領域ユニット12を構成する全ての画素(副画素[R,G,B])を駆動するために駆動回路70,80,90に入力される入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBの内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素に供給されたと想定したときの画素(副画素[R,G,B])の輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が得られるように、この表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット41を構成する光源42の輝度を、面状光源装置制御回路70及び面状光源ユニット駆動回路80によって制御する。具体的には、例えば、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)を、例えば光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度y2が得られるように、光源輝度Y2を制御すればよい(例えば、減少させればよい)。即ち、例えば、以下の式(1)を満足するように、画像表示フレーム毎に面状光源ユニットの光源輝度Y2を制御すればよい。尚、Y2≦Y1の関係にある。
Y2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
[ステップ−100]
スキャンコンバータ等の周知のディスプレイ回路から送出された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]及びクロック信号CLKは、面状光源装置制御回路70及び液晶表示装置駆動回路90に入力される(図3参照)。尚、入力信号[R,G,B]は、例えば撮像管への入力光量をy’としたとき、撮像管からの出力信号であり、例えば放送局等から出力され、画素の光透過率Ltを制御するために液晶表示装置駆動回路90にも入力される入力信号であり、入力光量y’の0.45乗の関数で表すことができる。そして、面状光源装置制御回路70に入力された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBは、面状光源装置制御回路70を構成する記憶装置(メモリ)72に、一旦、記憶される。また、液晶表示装置駆動回路90に入力された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBも、液晶表示装置駆動回路90を構成する記憶装置(図示せず)に、一旦、記憶される。
[ステップ−110]
次いで、面状光源装置制御回路70を構成する演算回路71においては、記憶装置72に記憶された入力信号[R,G,B]の値を読み出し、第(p,q)番目[但し、先ず、p=1,q=1]の表示領域ユニット12において、この第(p,q)番目の表示領域ユニット12を構成する全ての画素における副画素[R,G,B]を駆動するための入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBの内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、演算回路71において求める。そして、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、記憶装置72に記憶する。このステップを、m=1,2,・・・,M、n=1,2,・・・,Nの全てに対して、即ち、M×N個の画素に対して、実行する。
例えば、xRが「110」に相当する値であり、xGが「150」に相当する値であり、xBが「50」に相当する値である場合、xU-maxは「150」に相当する値である。
この操作を、(p,q)=(1,1)から(P,Q)まで繰り返し、全ての表示領域ユニット12における表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、記憶装置72に記憶する。
そして、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号[R,G,B]に相当する制御信号[R,G,B]が副画素[R,G,B]に供給されたと想定したときの輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が面状光源ユニット41によって得られるように、表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット41の光源輝度Y2を、面状光源ユニット駆動回路80の制御下、増減する。具体的には、以下の式(1)を満足するように、1画像表示フレーム毎、1面状光源ユニット毎に光源輝度Y2を制御すればよい。より具体的には、光源輝度制御関数g(xnol-max)である式(2)に基づき光源42の輝度を制御し、且つ、式(1)を満足するように光源輝度Y2を制御すればよい。このような制御の概念図を、図10の(A)及び(B)に示す。尚、光源輝度Y2の制御に関するこれらの関係、即ち、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-max、この最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号の値、このような制御信号が画素(副画素)に供給されたと想定したときの表示輝度・第2規定値y2、このときの各副画素の光透過率(開口率)[光透過率・第2規定値Lt2]、各副画素の光透過率(開口率)を光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度・第2規定値y2が得られるような面状光源ユニットにおける輝度制御パラメータの関係等を、予め求めておき、記憶装置72等に記憶しておけばよい。
Y2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
g(xnol-max)=a1・(xnol-max)2.2+a0 (2)
ここで、画素(あるいは、画素を構成する副画素[R,G,B]のそれぞれ)を駆動するために液晶表示装置駆動回路90に入力される入力信号(入力信号[R,G,B])の最大値をxmaxとしたとき、
xnol-max≡xU-max/xmax
であり、a1,a0は定数であり、
a1+a0=1
0<a0<1,0<a1<1
で表すことができる。例えば、
a1=0.99
a0=0.01
とすればよい。また、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBのそれぞれは、28段階の値をとるので、xmaxの値は「255」に相当する値である。
そして、記憶装置72に記憶された変換テーブルに基づき、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBのそれぞれを、0〜255の範囲内の対応する整数(パルス幅変調出力信号の値)に変換する。こうして、面状光源装置制御回路70を構成する演算回路71において、面状光源ユニット41における赤色発光ダイオード42Rの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SR、緑色発光ダイオード42Gの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SG、青色発光ダイオード42Bの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SBを得ることができる。
[ステップ−120]
次に、面状光源装置制御回路70を構成する演算回路71において得られたパルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBは、面状光源ユニット41に対応して設けられた面状光源ユニット駆動回路80の記憶装置82に送出され、記憶装置82において記憶される。また、クロック信号CLKも面状光源ユニット駆動回路80に送出される(図4参照)。
[ステップ−130]
そして、パルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBに基づき、面状光源ユニット41を構成する赤色発光ダイオード42Rのオン時間tR-ON及びオフ時間tR-OFF、緑色発光ダイオード42Gのオン時間tG-ON及びオフ時間tG-OFF、青色発光ダイオード42Bのオン時間tB-ON及びオフ時間tB-OFFを演算回路81は決定する。尚、
tR-ON+tR-OFF=tG-ON+tG-OFF=tB-ON+tB-OFF=一定値tConst
である。また、発光ダイオードのパルス幅変調に基づく駆動におけるデューティ比は、
tON/(tON+tOFF)=tON/tConst
で表すことができる。
そして、面状光源ユニット41を構成する赤色発光ダイオード42R,緑色発光ダイオード42G、青色発光ダイオード42Bのオン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONに相当する信号が、LED駆動回路83に送られ、このLED駆動回路83から、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONに相当する信号の値に基づき、スイッチング素子84R,84G,84Bが、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONだけオン状態となり、発光ダイオード駆動電源85からのLED駆動電流が、各発光ダイオード42R,42G,42Bに流される。その結果、各発光ダイオード42R,42G,42Bは、1画像表示フレームにおいて、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONだけ発光する。こうして、各表示領域ユニット12を、所定の照度において照明する。
こうして得られた状態を、図11の(A)及び(B)に実線で示すが、図11の(A)は、副画素を駆動するために液晶表示装置駆動回路90に入力される入力信号の値を2.2乗した値(x’≡x2.2)とデューティ比(=tON/tConst)との関係を模式的に示す図であり、図11の(B)は、副画素の光透過率Ltを制御するための制御信号の値Xと表示輝度yとの関係を模式的に示す図である。
[ステップ−140]
一方、液晶表示装置駆動回路90に入力された入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBはタイミングコントローラ91へ送られ、タイミングコントローラ91にあっては、入力された入力信号[R,G,B]に相当する制御信号[R,G,B]を、副画素[R,G,B]に供給(出力)する。液晶表示装置駆動回路90のタイミングコントローラ91において生成され、液晶表示装置駆動回路90から副画素[R,G,B]に供給される制御信号[R,G,B]の値XR,XG,XBと、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBとは、以下の式(3−1)、式(3−2)、式(3−3)の関係にある。但し、b1_R,b0_R,b1_G,b0_G,b1_B,b0_Bは定数である。また、面状光源ユニット41の光源輝度Y2を画像表示フレーム毎に変化させるので、制御信号[R,G,B]は、基本的に、入力信号[R,G,B]の値を2.2乗した値に対して、光源輝度Y2の変化に基づく補正(補償)を行った値を有する。即ち、実施例にあっては、1画像表示フレーム毎に光源輝度Y2が変化するので、光源輝度Y2(≦Y1)において表示輝度・第2規定値y2が得られるように制御信号[R,G,B]の値XR,XG,XBを決定、補正(補償)して、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)Ltを制御している。ここで、式(3−1)、式(3−2)、式(3−3)の関数fR,fG,fBは、係る補正(補償)を行うための予め求められた関数である。
XR=fR(b1_R・xR 2.2+b0_R) (3−1)
XG=fG(b1_G・xG 2.2+b0_G) (3−2)
XB=fB(b1_B・xB 2.2+b0_B) (3−3)
こうして、1画像表示フレームにおける画像表示動作が完了する。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した透過型のカラー液晶表示装置や面状光源装置、面状光源ユニット、液晶表示装置組立体、駆動回路の構成、構造は例示であるし、これらを構成する部材、材料等も例示であり、適宜、変更することができる。発光ダイオードの温度を温度センサーで監視し、その結果を、面状光源ユニット駆動回路80にフィードバックすることで、面状光源ユニット41の輝度補償(補正)や温度制御を行ってもよい。実施例においては、液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定して説明を行ったが、場合によっては、透過型の液晶表示装置は、P×Q個の実際の表示領域ユニットに分割された構造を有していてもよい。
図1の(A)は、実施例の面状光源装置における隔壁や発光ダイオード等の配置、配列状態を模式的に示す平面図であり、図1の(B)は、実施例の液晶表示装置組立体の模式的な端面図である。
図2は、実施例の面状光源装置に用いられる隔壁の模式的な斜視図である。
図3は、実施例での使用に適したカラー液晶表示装置及び面状光源装置から成る液晶表示装置組立体の概念図である。
図4は、実施例での使用に適した駆動回路の一部分の概念図である。
図5は、カラー液晶表示装置及び面状光源装置から成る液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図である。
図6は、カラー液晶表示装置の模式的な一部断面図である。
図7は、隔壁の変形例の模式的な斜視図である。
図8は、実施例の面状光源装置の変形例を模式的に示す平面図である。
図9は、実施例における液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するための流れ図である。
図10の(A)及び(B)は、面状光源装置の光源輝度と、画素の光透過率(開口率)と、表示領域における表示輝度との関係を説明するための概念図である。
図11の(A)は、副画素を駆動するために液晶表示装置駆動回路に入力される入力信号の値を2.2乗した値(x’≡x2.2)とデューティ比(=tON/tConst)との関係を模式的に示す図であり、図11の(B)は、副画素の光透過率Ltを制御するための制御信号の値Xと表示輝度yとの関係を模式的に示す図である。
図12は、隔壁の存在に起因した輝度ムラを説明するための模式的な正面図である。
符号の説明
10・・・カラー液晶表示装置、11・・・表示領域、12・・・表示領域ユニット、13・・・液晶材料、20・・・フロント・パネル、21・・・第1の基板、22・・・カラーフィルター、23・・・オーバーコート層、24・・・透明第1電極、25・・・配向膜、26・・・偏光フィルム、30・・・リア・パネル、31・・・第2の基板、32・・・スイッチング素子、34・・・透明第2電極、35・・・配向膜、36・・・偏光フィルム、37・・・絶縁層、40・・・面状光源装置、41・・・面状光源ユニット、42,42R,42G,42B・・・発光ダイオード(光源)、43,43A,43B・・・隔壁、51・・・筐体、52A・・・筐体の底面、52B・・・筐体の側面、53・・・外側フレーム、54・・・内側フレーム、55A,55B・・・スペーサ、56・・・ガイド部材、57・・・ブラケット部材、61・・・光拡散板、62・・・拡散シート、63・・・プリズムシート、64・・・偏光変換シート、65・・・反射シート、70・・・面状光源装置制御回路、71・・・演算回路、72・・・記憶装置(メモリ)、80・・・面状光源ユニット駆動回路、81・・・演算回路、82・・・記憶装置(メモリ)、83・・・LED駆動回路、84R,84G,84B・・・スイッチング素子、85・・・発光ダイオード駆動電源、90・・・液晶表示装置駆動回路、91・・・タイミングコントローラ