JP2008059753A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコンを負極活物質として含む非水電解質二次電池において、サイクル特性を改善する。
【解決手段】シリコンを含む負極活物質を用いた負極と、正極と、電解質塩及び溶媒を含む非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、ホウ素及びフッ素を含む第1の電解質塩と、充放電の際の前記負極表面上での分解率が前記第1の電解質塩よりも低い第2の電解質塩とを電解質塩として用いることを特徴としている非水電解質二次電池。
【選択図】図1
【解決手段】シリコンを含む負極活物質を用いた負極と、正極と、電解質塩及び溶媒を含む非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、ホウ素及びフッ素を含む第1の電解質塩と、充放電の際の前記負極表面上での分解率が前記第1の電解質塩よりも低い第2の電解質塩とを電解質塩として用いることを特徴としている非水電解質二次電池。
【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解質二次電池に関するものであり、詳細にはシリコンを負極活物質として含む非水電解質二次電池に関するものである。
近年、携帯用電気機器の小型化・軽量化が著しく進行しており、また多機能化に伴い消費電力も増加している。このため、電源として使用されるリチウム二次電池にも軽量化及び高容量化の要望が強くなっている。
このような要望に対して、近年、炭素負極に比べて単位質量及び単位体積あたりの充放電容量に優れた材料としてシリコンなどの合金系負極が提案されている。
これらの材料を用いた負極の中でも、シリコンなどの合金系活物質をCVD法やスパッタリッング法、蒸着法、溶射法またはめっき法などにより、集電体上に薄膜として形成した負極は、高い充放電容量と優れたサイクル特性を示すものとして注目されている。特に、これらの電極において、活物質薄膜が厚み方向に形成された切れ目によって柱状に分割されており、柱状部分の底面が集電体と密着した構造を有するものは、充放電時の膨張収縮により生じる応力を、柱状部分の周囲の空隙により緩和することができるため、より優れたサイクル特性を示すことが知られている。
しかしながら、このような負極を用いた場合においても、より長期にわたる充放電サイクルや高温環境化での充放電サイクルにおいて、活物質と電解液との反応により徐々に劣化が進行する。
上記のような電極において、充放電サイクルを改善する方法として、例えば、ビニレンカーボネートなどを電解液中に添加することが提案されている(特許文献1など)。
しかしながら、初期に添加したビニレンカーボネートは速やかに消費されてしまい、その効果を継続して得ることが困難であった。
国際公開・WO2002/058182号パンフレット
本発明の目的は、シリコンを負極活物質として含む非水電解質二次電池において、サイクル特性が改善された非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明は、シリコンを含む負極活物質を用いた負極と、正極と、電解質塩及び溶媒を含む非水電解質とを備える非水電解質二次電池であり、電解質塩として、ホウ素及びフッ素を含む第1の電解質塩と、充放電の際の負極表面上での分解率が第1の電解質塩よりも低い第2の電解質塩とを用いることを特徴としている。
本発明においては、電解質塩として、ホウ素及びフッ素を含む第1の電解質塩を用いている。この第1の電解質塩を非水電解質に添加することにより、充放電サイクルにおける負極活物質の劣化を抑制することができ、良好な充放電サイクル特性を得ることができる。後述するように、この第1の電解質塩は負極表面と反応し、充放電サイクルとともに消費される。充放電サイクルの負極表面上にはホウ素及びフッ素が検出されるので、おそらく、第1の電解質塩は充放電サイクルの際負極表面と反応し、負極表面に何らかの被膜が形成されるものと思われる。このような被膜の形成により負極活物質の劣化が抑制され、良好な充放電サイクル特性が得られるものと思われる。
第1の電解質塩は充放電サイクルに伴い消費されるので、これを補うため、本発明においては、第2の電解質塩が添加されている。第2の電解質塩は、充放電の際の負極表面上での分解率が第1の電解質塩よりも低い電解質塩である。従って、第2の電解質塩を非水電解質に含有させておくことにより、電解質塩が不足することなく、充放電サイクル特性を改善することができる。
本発明において用いる第1の電解質塩は、ホウ素及びフッ素を含むものであり、代表的なものとしてLiBF4が挙げられる。また、LiBF4のフッ素原子の一部をパーフルオロアルキル基で置換した、Li〔B(CF3)4〕、Li〔BF(CF3)3〕、LiBF2
(CF3)2、LiBF3(CF3)、LiB(C2F5)4、LiBF(C2F5)3、LiBF2(C2F5)2、LiBF3(C2F5)等のホウ素含有フッ化物塩が挙げられる。また、L
iBFm(C6H5・nFn)4-m(mは0〜3の整数、nは1〜5の整数)、LiBF2(C2O4)、リチウム・ビス〔5−フロオロ−2−オレートベンゼンスルホネート(2−)O
,O´〕ボレートなどが挙げられる。
(CF3)2、LiBF3(CF3)、LiB(C2F5)4、LiBF(C2F5)3、LiBF2(C2F5)2、LiBF3(C2F5)等のホウ素含有フッ化物塩が挙げられる。また、L
iBFm(C6H5・nFn)4-m(mは0〜3の整数、nは1〜5の整数)、LiBF2(C2O4)、リチウム・ビス〔5−フロオロ−2−オレートベンゼンスルホネート(2−)O
,O´〕ボレートなどが挙げられる。
本発明において用いる第2の電解質塩は、充放電の際の負極表面上での分解率が第1の電解質塩よりも低いものであれば特に限定されるものではないが、LiPF6、LiAs
F6、LiAlF4等の無機フッ化物塩、LiClO4、LiBrO4、LiIO4等の過ハ
ロゲン酸塩や、LiCF3SO3等の有機スルホン酸塩、LiN(CF3SO2)2、LiN
(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のパーフルオロアルキルス
ルホン酸イミド、LiC(CF3SO2)3等のパーフルオロアルキルスルホン酸メチド塩
、LiPF3(CF3)3、LiPF2(C2F5)4、LiPF3(C2F5)3等の、フッ素原
子の一部をパーフルオロアルキル基で置換した無機フッ化物塩等の含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。
F6、LiAlF4等の無機フッ化物塩、LiClO4、LiBrO4、LiIO4等の過ハ
ロゲン酸塩や、LiCF3SO3等の有機スルホン酸塩、LiN(CF3SO2)2、LiN
(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のパーフルオロアルキルス
ルホン酸イミド、LiC(CF3SO2)3等のパーフルオロアルキルスルホン酸メチド塩
、LiPF3(CF3)3、LiPF2(C2F5)4、LiPF3(C2F5)3等の、フッ素原
子の一部をパーフルオロアルキル基で置換した無機フッ化物塩等の含フッ素有機リチウム塩などが挙げられる。
本発明において、電池組立時における非水電解質中の第1の電解質塩の含有量は、0.1〜2.0モル/リットルの範囲内であることが好ましい。0.1モル/リットル未満であると、活物質の劣化を抑制し、充放電サイクル特性を改善する効果が十分に得られない場合がある。2.0モル/リットルを超えると、非水電解質の粘度が上昇し、電極内に非水電解質を十分に含浸させることが困難になり、電池特性が低下する場合がある。さらに好ましい含有量は、0.5〜1.5モル/リットルの範囲内である。
電池組立時における非水電解質中の第2の電解質塩の含有量は、0.1〜1.5モル/リットルの範囲内であることが好ましい。0.1モル/リットル未満であると、充放電サイクルの経過により消費される第1の電解質塩を補うのに不十分となる場合があり、非水電解質のイオン伝導度が十分に得られず、電池特性が低下する場合がある。また、1.5モル/リットルを超えると、非水電解質の粘度が上昇し、電極内に十分に含浸させることが困難になり、電池特性が低下する場合がある。より好ましい第2の電解質塩の含有量は、0.1〜1.0モル/リットルの範囲内である。
電池組立時における第1の電解質塩と第2の電解質塩の混合比は、重量比(第1の電解質塩:第2の電解質塩)で、1:20〜20:1の範囲内であることが好ましい。第1の電解質塩が相対的に多くなりすぎると充放電サイクルとともにイオン伝導度が低下するため、電池特性が低下する場合がある。また、第2の電解質塩の割合が相対的に多くなると、第1の電解質塩の含有量は相対的に少なくなるため、充放電サイクルを改善する効果が十分に得られない場合がある。
本発明において用いる非水電解質の溶媒としては、非水電解質二次電池に一般的に用いられている非水系溶媒を用いることができる。例えば、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、ラクトン化合物(環状カルボン酸エステル)類、鎖状カルボン酸エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、含硫黄有機溶媒等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、総炭素数が3〜9である環状カーボネート、鎖状カーボネート、ラクトン化合物(環状カルボン酸エステル)、鎖状カルボン酸エステル、環状エーテル類、鎖状エーテルが挙げられ、特に総炭素数が3〜9である環状カーボネート及び鎖状カーボネートの一方または両方を溶媒として用いることが好ましい。
本発明における非水電解質には、ビニレンカーボネートが含有されていることが好ましい。ビニレンカーボネートが含有されることにより、サイクル特性をさらに改善することができる。ビニレンカーボネートの含有量は、非水電解質中において0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましい。ビニレンカーボネートの含有量が0.1重量%未満であると、ビニレンカーボネート添加によるサイクル特性向上の効果を十分に得ることができない場合がある。また、10重量%を超えると、含有量増加による効果が比例して得られないため、経済的に不利なものとなる。
非水電解質中にビニレンカーボネートが含有されることにより、非水電解質中のLiBF4の消費を抑制することができ、充放電サイクル特性を高めることができる。特に、非水電解質にビニレンカーボネートが含有されている場合において、充放電サイクルにより放電容量が初期の80%まで低下したとき、すなわち容量維持率が80%まで低下したときの非水電解質中のLiBF4の濃度が、充放電サイクル前の濃度の10%よりも高いことが好ましく、さらに好ましくは20%以上である。また、このときのLiBF4の濃度は、0.05モル/リットルよりも高いことが好ましく、さらに好ましくは0.1モル/リットル以上である。サイクル経過後のLiBF4の濃度を上記のように維持することにより、良好な充放電サイクル特性を得ることができる。
本発明における負極は、シリコンを含む負極活物質を用いた負極であり、このような負極としては、銅箔などの金属箔などからなる負極集電体の上に、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、溶射法、またはめっき法などにより、非晶質シリコン薄膜、非結晶シリコン薄膜などのシリコンを含む薄膜を堆積させて形成させたものを好ましく用いることができる。シリコンを含む薄膜としては、シリコンと、コバルト、鉄、ジルコニウムなどとの合金薄膜であってもよい。これらの負極の作製方法は、特許文献1などに詳細に開示されている。
上記負極において、薄膜は、その厚み方向に形成された切れ目によって柱状に分離されており該柱状部分の底部が負極集電体と密着している。このような電極構造をとることにより、柱状部分の周囲の空隙で、充放電サイクルに伴う活物質の膨張・収縮の体積変化を受け入れることができ、充放電反応により生じる応力を緩和して、良好な充放電サイクル特性を得ることができる。厚み方向の切れ目は、一般に充放電反応で形成される。
また、シリコン薄膜またはシリコン合金薄膜を活物質として用いる場合、薄膜形成時に酸素を導入することにより、酸素を含有させたシリコン薄膜またはシリコン合金薄膜としてもよい。酸素を導入したシリコン薄膜またはシリコン合金薄膜を用いることにより、さらに充放電サイクル特性を高めることができる。酸素の含有量としては、10〜30重量%の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の負極は、シリコンを含む活物質粒子から形成されたものであってもよい。このような活物質粒子とバインダーを含むスラリーを集電体上に塗布して、負極を形成することができる。このような活物質粒子としては、ケイ素粒子、ケイ素合金粒子などが挙げられる。
本発明において用いられる正極活物質は、非水電解質二次電池に用いることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物等を挙げることができる。これらの酸化物は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明によれば、シリコンを負極活物質として含む非水電解質二次電池において、充放電サイクルによる活物質の劣化を抑制し、サイクル特性を大幅に改善することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
<実験1>
(実施例1)
〔負極の作製〕
厚み18μm、表面粗さRa0.188μmの電解銅箔の上に、スパッタガス(Ar)流量:100sccm、基板温度:室温(加熱なし)、反応圧力:0.133Pa、高周波電力:200Wの条件で、RFスパッタリング法により、厚み5μmの非晶質シリコン薄膜を形成した。これを負極として用いた。
(実施例1)
〔負極の作製〕
厚み18μm、表面粗さRa0.188μmの電解銅箔の上に、スパッタガス(Ar)流量:100sccm、基板温度:室温(加熱なし)、反応圧力:0.133Pa、高周波電力:200Wの条件で、RFスパッタリング法により、厚み5μmの非晶質シリコン薄膜を形成した。これを負極として用いた。
また、厚み18μm、表面粗さRa=0.188μmの電解銅箔上の両面に、Arのイオンビームを圧力0.05Pa、イオン電流密度0.27mA/cm2で照射した後、1
×10-3Pa以下に排気し、蒸着材料に単結晶シリコンを用い、基板温度:室温(加熱なし)、投入電力:3.5kWの条件で、電子ビーム蒸着法により薄膜を形成した。これを負極として用いた。
×10-3Pa以下に排気し、蒸着材料に単結晶シリコンを用い、基板温度:室温(加熱なし)、投入電力:3.5kWの条件で、電子ビーム蒸着法により薄膜を形成した。これを負極として用いた。
〔正極の作製〕
正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電助剤としてケッチェンブラックと、結着剤としてのフッ素樹脂とを重量比で90:5:5の割合で混合し、これをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解してペーストとした。
正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電助剤としてケッチェンブラックと、結着剤としてのフッ素樹脂とを重量比で90:5:5の割合で混合し、これをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解してペーストとした。
このペーストをドクターブレード法により、厚み20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布した。次に、加熱した乾燥機中で、100〜150℃の温度で真空熱処理して、NMPを除去した後、厚みが0.16mmになるようにロールプレス機により圧延して正極を作製した。
〔リチウム二次電池の作製〕
上記の方法で作製した正極及び負極を所定の大きさに切り出し、集電体である金属箔に集電タブを取付け、ポリオレフィン系微多孔膜からなる厚さ20μmのセパレータをこれらの電極の間に挟んで積層し、これを巻き取り、最外周をテープで止めて、渦巻状電極体とした後、偏平に押しつぶして渦巻状電極体とした。
上記の方法で作製した正極及び負極を所定の大きさに切り出し、集電体である金属箔に集電タブを取付け、ポリオレフィン系微多孔膜からなる厚さ20μmのセパレータをこれらの電極の間に挟んで積層し、これを巻き取り、最外周をテープで止めて、渦巻状電極体とした後、偏平に押しつぶして渦巻状電極体とした。
この渦巻状電極体を、PET(ポリエチレンテレフタレート)及びアルミニウムを積層して作製したラミネート材からなる外装体中に挿入し、開口部から集電タブが外部に突き出る状態とした。
次に、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7となるように混合した溶媒に、電解質塩としてLiBF4とLiPF6をそれぞれ0.5モル/リットル(M)となるように溶解して電解液を作製した。
上記の外装体の開口部から、この電解液5mlを注入し、その後、開口部を封止することにより、リチウム二次電池を作製した。作製した電池は、放電容量250mAhであった。
(実施例2)
負極の作製において、RFスパッタリング法に代えて電子ビーム法によりシリコン薄膜を形成する以外は同様にして負極を作製した。
負極の作製において、RFスパッタリング法に代えて電子ビーム法によりシリコン薄膜を形成する以外は同様にして負極を作製した。
(実施例3)
電解液としてさらに2重量%のビニレンカーボネート(VC)を添加した電解液を用いる以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
電解液としてさらに2重量%のビニレンカーボネート(VC)を添加した電解液を用いる以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(比較例1)
電解液の電解質塩として、LiPF6を1モル/リットルとなるように用い、LiBF4を添加しない以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
電解液の電解質塩として、LiPF6を1モル/リットルとなるように用い、LiBF4を添加しない以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(比較例2)
電解液の電解質塩として、LiPF6を1モル/リットルとなるように用い、LiBF4を添加しない以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
電解液の電解質塩として、LiPF6を1モル/リットルとなるように用い、LiBF4を添加しない以外は、実施例2と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜2において用いた、電解質塩、電極作製方法、及び添加剤を表1にまとめて示す。
〔充放電サイクル試験〕
上記のようにして作製した実施例1〜3及び比較例1〜2の各電池をそれぞれ充電電流250mAで電池電圧が4.2Vとなるまで充電し、その後4.2Vの定電圧で電流値が13mAになるまで充電した後、250mAの電流値で電池電圧が2.75Vになるまで放電させ、これを1サイクルとして充放電サイクルを100サイクル繰り返した。1サイクル目の放電容量に対する各サイクルの放電容量の割合を容量維持率(%)とし、容量維持率が60%に到達するサイクル数を表2に示した。
上記のようにして作製した実施例1〜3及び比較例1〜2の各電池をそれぞれ充電電流250mAで電池電圧が4.2Vとなるまで充電し、その後4.2Vの定電圧で電流値が13mAになるまで充電した後、250mAの電流値で電池電圧が2.75Vになるまで放電させ、これを1サイクルとして充放電サイクルを100サイクル繰り返した。1サイクル目の放電容量に対する各サイクルの放電容量の割合を容量維持率(%)とし、容量維持率が60%に到達するサイクル数を表2に示した。
また、サイクル数と各サイクルにおける容量維持率との関係を図1に示す。
表2及び図1から明らかなように、薄膜をスパッタリング法により形成した実施例1及び比較例1を比較すると、電解質塩としてLiBF4を用いた実施例1は、比較例1に比
べ、優れたサイクル特性が得られている。また、蒸着法により薄膜を形成した実施例2及び3と比較例2を比較すると、電解質塩としてLiBF4を用いた実施例2及び3は、比
較例2に比べ、優れたサイクル特性が得られている。これらのことから、LiBF4を用
いることにより、サイクル特性が改善されることがわかる。
べ、優れたサイクル特性が得られている。また、蒸着法により薄膜を形成した実施例2及び3と比較例2を比較すると、電解質塩としてLiBF4を用いた実施例2及び3は、比
較例2に比べ、優れたサイクル特性が得られている。これらのことから、LiBF4を用
いることにより、サイクル特性が改善されることがわかる。
また、実施例2と実施例3を比較すると、ビニレンカーボネートを添加した実施例3の方が良好なサイクル特性が得られている。このことから、ビニレンカーボネートを添加することにより、サイクル特性がさらに改善されることがわかる。
〔LiBF4の消費の確認〕
上記の実施例2の電池を容量維持率が30%になるまで上記と同じ条件で充放電サイクル試験を行い、充放電サイクル前と充放電サイクル後におけるLiBF4の含有割合を測
定した。
上記の実施例2の電池を容量維持率が30%になるまで上記と同じ条件で充放電サイクル試験を行い、充放電サイクル前と充放電サイクル後におけるLiBF4の含有割合を測
定した。
電池内の電解液はセパレータや電極内部に浸透しており、通常開封したのみでは電解液を採取することができないので、ラミネート外装体の一部を開封し、開封部から1mlのDECを注入し、10分間放置した後、DEC添加後の電解液を採取した。この採取した電解液をイオンクロマトグラフィーを用いて分析し、電解液中の電解質塩の濃度を測定した。測定結果を表3に示す。なお、表3において相対比として示しているのは、LiPF6の濃度を100%として規格化した値である。
表3から明らかなように、電池作製時に添加したLiPF6とLiBF4は、初期の状態ではほとんど同程度の割合であったのに対し、サイクル後においては、LiBF4の割合
が大きく低下し、LiPF6の1/50以下まで低下していた。このことから、LiBF4は、充放電サイクルにより消費されることがわかった。
が大きく低下し、LiPF6の1/50以下まで低下していた。このことから、LiBF4は、充放電サイクルにより消費されることがわかった。
次に、サイクル試験後の負極表面についてホウ素及びリンの定量を行なった。その結果、サイクル試験において消費された、すなわち、分解したと考えられるLiBF4の70
%に相当するホウ素が負極表面上において検出された。同様の定量方法により測定したリンと比較すると、非常に多量のホウ素が負極表面に存在することが確認された。
%に相当するホウ素が負極表面上において検出された。同様の定量方法により測定したリンと比較すると、非常に多量のホウ素が負極表面に存在することが確認された。
また、サイクル試験後の負極表面に存在するフッ素の定量を行なったところ、ホウ素が全てLiBF4の分解により生成したと仮定した場合に生じるフッ素量の88%に相当す
るフッ素が負極表面上に存在することが判明した。この量は、LiPF6単独を電解質塩
として用いた場合に検出されるフッ素量に比べ、非常に高い割合である。
るフッ素が負極表面上に存在することが判明した。この量は、LiPF6単独を電解質塩
として用いた場合に検出されるフッ素量に比べ、非常に高い割合である。
以上の結果から、LiBF4を電解質塩として含有するリチウム二次電池においては、
充放電サイクルに伴いシリコン負極の表面でLiBF4が分解し、その分解生成物が負極
表面に付着するものと考えられる。LiBF4を電解質塩として添加することにより、充
放電サイクル特性が大幅に改善しており、このような充放電サイクル特性の改善は、負極表面にLiBF4の分解生成物が付着することによりもたらされると推測される。
充放電サイクルに伴いシリコン負極の表面でLiBF4が分解し、その分解生成物が負極
表面に付着するものと考えられる。LiBF4を電解質塩として添加することにより、充
放電サイクル特性が大幅に改善しており、このような充放電サイクル特性の改善は、負極表面にLiBF4の分解生成物が付着することによりもたらされると推測される。
<実験2>
(実施例4〜9及び比較例3〜4)
表3に示す電解質塩の濃度となるように調製した非水電解質を用い、リチウム二次電池を上記と同様にして作製した。なお、負極の作製において、非晶質シリコン薄膜はスパッタリング法により作製した。
(実施例4〜9及び比較例3〜4)
表3に示す電解質塩の濃度となるように調製した非水電解質を用い、リチウム二次電池を上記と同様にして作製した。なお、負極の作製において、非晶質シリコン薄膜はスパッタリング法により作製した。
表4において、「酸素含有」の欄に「あり」としたものは、RFスパッタリング法による薄膜形成の際、スパッタガス中に酸素ガスを流量10sccmとなるように流入させた雰囲気下で薄膜を形成したものである。
「酸素含有なし」と「酸素含有あり」で作製したそれぞれのシリコン薄膜について、XPSにより酸素濃度を測定したところ、「酸素含有なし」の条件で作製した薄膜においては、酸素の含有量が約2重量%以下であったのに対し、「酸素含有あり」の条件で作製したものは、シリコン薄膜中に約20重量%の酸素が導入されていた。
〔充放電サイクル試験〕
上記の実験1と同様にして充放電サイクル試験を行なった。容量維持率が50%に到達するまでのサイクル数を求め、表5に示した。
上記の実験1と同様にして充放電サイクル試験を行なった。容量維持率が50%に到達するまでのサイクル数を求め、表5に示した。
また、サイクル数と各サイクルにおける容量維持率の関係を図2に示す。
表5及び図2から明らかなように、「酸素含有なし」の条件で作製した実施例4〜5と比較例3において、LiBF4を電解質塩として含有する実施例4及び5は、比較例3よ
りも良好な充放電サイクル特性を示している。また、「酸素含有あり」の条件で作製した実施例6〜9と比較例4において、LiBF4を電解質塩として含有させた実施例6〜9
は、比較例4に比べ、良好な充放電サイクル特性が得られている。
りも良好な充放電サイクル特性を示している。また、「酸素含有あり」の条件で作製した実施例6〜9と比較例4において、LiBF4を電解質塩として含有させた実施例6〜9
は、比較例4に比べ、良好な充放電サイクル特性が得られている。
また、「酸素含有なし」で作製した実施例4〜5と、「酸素含有あり」で作製した実施例6〜9を比較すると、「酸素含有あり」で作製した実施例6〜9では良好な充放電サイクル特性が得られている。このことから、酸素含有させたシリコン薄膜を用いることにより充放電サイクル特性をさらに向上できることがわかる。
また、ビニレンカーボネートを含有させた実施例9が最も良好な充放電サイクル特性を示しており、ビニレンカーボネートを含有させることにより、さらに充放電サイクル特性を向上できることがわかる。
<実験3>
図3は、実験1における実施例2及び実施例3の各電池の300サイクルまでの容量維持率を示す図である。
図3は、実験1における実施例2及び実施例3の各電池の300サイクルまでの容量維持率を示す図である。
図4は、実施例2及び実施例3の各電池における非水電解質中のLiBF4とLiPF6のモル比(LiBF4/LiPF6)と、容量維持率の関係を示す図である。
なお、LiBF4及びLiPF6の濃度測定は、特にサイクルが長期経過した時点では、分析に必要な電解液量が十分に得られなかったため、電池内にDECを添加して電解液を抽出し、この抽出液を用いてイオンクロマトグラフィ測定により実施した。このため、サイクル経過時点での各電池内のLiPF6及びLiBF4の濃度を直接測定するのではなく、LiPF6及びLiBF4とも同じ割合で希釈された抽出液中の各濃度を測定することにより、各電池内の濃度比を求めている。
図4から明らかなように、ビニレンカーボネートを含有していない実施例2においては、容量維持率が80%に低下するまでの間にLiBF4が多量に消費され、その濃度が急激に減少している。これに対し、ビニレンカーボネートを含有させた実施例3においては、LiBF4の濃度の減少が緩やかである。従って、ビニレンカーボネートを含有させることにより、充放電サイクルに伴うLiBF4の濃度の減少を抑制することができ、これによって充放電サイクル特性が高められるものと考えられる。
また、ここで詳細は示さないが、非水電解質中のLiPF6の濃度は、電池内の電解液を抽出した液のイオンクロマトグラフィや、電極表面の分解生成物の分析から、充放電サイクルによりほとんど変化しないことが確認されている。
図5は、LiBF4/LiPF6のモル比と、充放電サイクル数との関係を示す図である。ビニレンカーボネートを含有している実施例3の電池においては、ビニレンカーボネートを含有していない実施例2の電池に比べ、充放電サイクルに伴うLiBF4の消費が抑制されていることがわかる。
また、実施例2及び実施例3の電池において、充放電サイクル開始前のLiBF4の濃度(初期濃度)、並びに充放電サイクルの経過により容量維持率が80%に到達したときのLiBF4の濃度及び初期濃度に対するLiBF4残存量は表6に示す通りである。
図6は、負極表面におけるF含有生成物の量と、容量維持率との関係を示す図である。負極表面でのF含有生成物の量は、電池から負極を取り出し、負極に付着している生成物を水で抽出し、Fをイオンクロマトグラフィ法で測定して求めた。なお、F含有生成物の量は、容量維持率が30%のときの値を100%として示した相対値である。図6から明らかなように、ビニレンカーボネートを含有していない実施例2においては、容量維持率が80%に到達するまでの間に多量のF含有生成物が負極表面上に生成していることがわかる。これに対し、ビニレンカーボネートを含有している実施例3においては、容量維持率が50%に到達するまでF含有生成物が単調に増加していることがわかる。
実施例2及び実施例3においては、負極活物質としてSiを用いており、負極表面でLiBF4が分解し、その分解生成物が負極表面に付着し、これによって負極表面と電解液との副反応が抑制され、サイクル特性の劣化が抑制されるものと思われる。その分解生成物について詳細は明らかではないが、例えば、LiFが考えられる。しかしながら、LiBF4の分解がサイクル特性の劣化の抑制に必要な量以上に進行した場合には、LiFに代表される生成物が負極表面に過剰に存在することになり、負荷特性の低下などを引き起こすものと思われる。
負極活物質としてSiを用いた場合、充放電反応によりSiが膨張伸縮し、これによって新たな活物質表面が生成する。このようにして生成した活物質の表面は活性が高いものと思われる。活性な活物質表面が生成したときに、LiBF4が充分に電解質中に存在していないと、LiBF4の分解による負極表面の被覆が不十分となるため、長期のサイクルにおいて良好なサイクル特性が得られなくなる。
電解質中にビニレンカーボネートが存在することにより、Si活物質表面でのLiBF4とビニレンカーボネートの分解反応が並行して進行し、LiBF4の分解反応が必要最低限な量に制限されながら、充放電サイクルが進行するものと思われる。このため、長期の充放電サイクルにおいて、電解液中にLiBF4が充分な量存在し、長期にわたって良好なサイクル特性が得られるものと思われる。
<実験4>
(実施例10)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7となるように混合した溶媒に、LiPF6が0.5モル/リットル、LiBF4が0.7モル/リットルとなるようにこれらを溶解して電解液を作製する以外は、実施例2と同様にして実施例10の電池を作製した。従って、実施例10の電池においては、電解質中のLiBF4の濃度が実施例2よりも0.2モル/リットル高くなっている。
(実施例10)
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比3:7となるように混合した溶媒に、LiPF6が0.5モル/リットル、LiBF4が0.7モル/リットルとなるようにこれらを溶解して電解液を作製する以外は、実施例2と同様にして実施例10の電池を作製した。従って、実施例10の電池においては、電解質中のLiBF4の濃度が実施例2よりも0.2モル/リットル高くなっている。
図7は、実施例10の充放電サイクル数と容量維持率との関係を示す図である。図7には実施例2及び実施例3も示している。図7から明らかなように、実施例10は、実施例2よりも幾分容量維持率が高くなっているが、実施例3に比べると充放電サイクル特性は悪くなっている。
図8は、実施例10、実施例2及び実施例3における充放電サイクル数と、電解質中のLiBF4/LiPF6のモル比との関係を示す図である。図9は、実施例10、実施例2及び実施例3における容量維持率と、電解質中のLiBF4/LiPF6のモル比との関係を示す図である。図8及び図9に示すように、実施例10においてはLiBF4が実施例2及び実施例3よりも多く含まれているが、充放電サイクルの進行に伴い、実施例2と同様に急激にLiBF4の濃度が低下している。実施例10における容量維持率80%のときのLiBF4の濃度は、0.14モル/リットル(M)であり、初期濃度に対する残存量は、20%である。
従って、LiBF4の初期の濃度を高くしても、充放電サイクルの進行に伴いLiBF4は、実施例2と同様に急激に低下し、このため図7に示すように、充放電サイクル特性としては実施例3よりも悪くなることがわかる。従って、充放電サイクルによるLiBF4の消費を補うために、初期に電解質中に多量のLiBF4を添加するよりも、電解質中にビニレンカーボネートを添加する方が有効であり、良好なサイクル特性が得られることがわかる。電解質中にLiBF4とビニレンカーボネートを共存させておくことにより、特異的に相乗効果が生じ、サイクル特性が向上するものと思われる。
Claims (11)
- シリコンを含む負極活物質を用いた負極と、正極と、電解質塩及び溶媒を含む非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、
ホウ素及びフッ素を含む第1の電解質塩と、充放電の際の前記負極表面上での分解率が前記第1の電解質塩よりも低い第2の電解質塩とを前記電解質塩として用いることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記第1の電解質塩として、LiBF4が前記非水電解質中に含まれることを特徴とす
る請求項1に記載の非水電解質二次電池。 - 前記第2の電解質塩として、LiPF6、LiN(SO2C2F5)2、及びLiN(SO2CF3)2のうちの少なくとも1種が前記非水電解質中に含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記負極が、負極集電体上に、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、溶射法、またはめっき法によりシリコンを含む薄膜を堆積させて形成させたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記薄膜が、その厚み方向に形成された切れ目によって、柱状に分離されており、該柱状部分の底部が前記負極集電体と密着していることを特徴とする請求項4に記載の非水電解質二次電池。
- 電池組立時における前記非水電解質中の前記第1の電解質塩の含有量が、0.1〜2.0モル/リットルの範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 電池組立時における前記非水電解質中の前記第2の電解質塩の含有量が、0.1〜1.5モル/リットルの範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記非水電解質中に、ビニレンカーボネートが含有されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記非水電解質中におけるビニレンカーボネートの含有量が、0.1〜10重量%の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の非水電解質二次電池。
- 充放電サイクルにより放電容量が初期の80%まで低下したときの非水電解質中のLiBF4の濃度が、充放電サイクル前の濃度の10%よりも高いことを特徴とする請求項8または9に記載の非水電解質二次電池。
- 充放電サイクルにより放電容量が初期の80%まで低下したときの非水電解質中のLiBF4の濃度が、0.05モル/リットルよりも高いことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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