JP2008058841A - 可変形状液体型の可変焦点レンズ - Google Patents

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Shigeki Tsuchiya
茂樹 土谷
Kunitomo Kikuchi
邦友 菊地
Kinshi Azumi
欣志 安積
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Abstract

【課題】 小型でアクチュエータまで含めたレンズ全体が形状の自由度があり、しかも数V程度の低電圧で駆動可能な、可変形状液体型の可変焦点レンズを提供する。
【解決手段】
袋状の透明な可撓性膜により形成されると共に内部に透明な液体が充填されたレンズ本体50と、レンズ本体50に一体的に形成され且つ外部より電気的に駆動可能な、レンズ本体50用のアクチュエータ60として機能するイオン導電性高分子・金属接合体(IPMC)とを持つ。IPMCを外部から電気的に駆動してレンズ本体50を変形させることにより、焦点距離を変化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は可変形状液体型の可変焦点レンズに関し、さらに言えば、携帯電話など小型携帯端末機に搭載されるカメラの自動焦点機構や、人工水晶体や内視鏡などの人体内で使用される医用機器への搭載に適した、小型、低電圧駆動で形状の自由度が大きい可変焦点レンズに関する。
カメラや望遠鏡などの焦点距離調節機能を有する光学装置のレンズ系においては、多くの場合、複数のレンズ間の距離を変化させて焦点距離を変化させることが一般的である。そして、それらレンズの移動には機械機構、モータなどの機械要素機構が利用される。これに対し、レンズの位置関係を動かすことなく、例えば電気的な制御信号のみによってレンズの焦点距離を変化させることができるレンズを「可変焦点レンズ」と呼ぶ。可変焦点レンズには、可変形状液体型と可変屈折率型の2つのタイプがある。
可変形状液体型の可変焦点レンズは、レンズ状の袋の内部に液体を充填しておき、その袋の表面の曲率半径をアクチュエータを用いて変化させることによって焦点距離を変化させるものである。従来の可変形状液体型の可変焦点レンズの具体例は、非特許文献1及び非特許文献2に記載されている。非特許文献1及び2に記載された可変焦点レンズでは、PZT等の圧電性セラミックスをアクチュエータとして用いており、内部にシリコーンオイルなどの液体を封入したレンズ状の透明な袋に当該アクチュエータで力を印加して、その袋の表面の曲率半径を変えることにより、焦点距離を変化させている。
これに対し、可変屈折率型の可変焦点レンズは、電圧を印加することにより屈折率が変化する固体をレンズ状に成型し、あるいは電圧を印加することにより屈折率が変化する液体をレンズ状の空間に封入しておき、当該固体または液体に印加する電圧を変えることによって、当該レンズの焦点距離を変化させるものである。したがって、レンズ形状が同じであっても、その構成材料の屈折率が変わるとレンズの焦点距離が変化することになる。
なお、可変屈折率型の可変焦点レンズでは、焦点距離の変化は、構成材料の屈折率の電圧に対する変化の度合い(電気光学定数)によって決まるが、焦点距離の変化は可変形状液体型の可変焦点レンズに比べて小さいのが通常である。したがって、焦点距離の変化をある程度広範囲で得たい場合は、可変形状液体型の可変焦点レンズの方が好ましい。
金子卓ほか、「可変焦点レンズを用いたデジタル全焦点顕微システム」、デンソーテクニカルレビュー、第5巻第1号(2000年)、27頁−32頁 奥寛雅ほか「キロヘルツオーダで応答可能な高速ビジョンチップ用可変焦点レンズの構造」、光学、第31巻第10号(2002年)、758頁−764頁
上述した従来の可変形状液体型の可変焦点レンズでは、使用している圧電型アクチュエータの応答速度が速く発生力も大きいため、当該レンズの焦点距離の変化が高速である、という利点がある。しかし、圧電型アクチュエータの駆動電圧が100V〜200Vと高いため、電池を使用する携帯情報端末機器に使用するには適していない。また、人工水晶体や内視鏡などの体内で使用する医用機器への適用を考えると、危険が伴う。
さらに、圧電型アクチュエータを用いていることから、レンズ本体は柔軟性を有するが当該アクチュエータまで含めたレンズ全体では形状の自由度はなく、したがって人工水晶体として人体に使用するには無理がある。
本発明は、上述した従来の可変形状液体レンズにおけるこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、小型でアクチュエータまで含めたレンズ全体に形状の自由度があり、しかも数V程度の低電圧で駆動可能な、可変形状液体型の可変焦点レンズを提供することにある。
本発明の他の目的は、携帯情報端末機器への搭載が可能であると共に、人工水晶体として人体に装着したり内視鏡などの医用機器に搭載する場合にも危険が少ない、可変形状液体型の可変焦点レンズを提供することである。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかであろう。
(1) 本発明の可変焦点レンズは、袋状の透明な可撓性膜により形成されると共に内部に透明な液体が充填されたレンズ本体と、前記レンズ本体に一体的に形成され且つ外部より電気的に駆動可能な、前記レンズ本体用のアクチュエータとして機能するイオン導電性高分子・金属接合体とを備え、前記イオン導電性高分子・金属接合体を外部から駆動して前記レンズ本体を変形させることにより、焦点距離を変化させることを特徴とするものである。
(2) 本発明の可変焦点レンズでは、上述した構成を持つレンズ本体にイオン導電性高分子・金属接合体を一体的に形成し、当該イオン導電性高分子・金属接合体を外部より電気的に駆動することによって、前記レンズ本体を変形させて焦点距離を変化させている。前記レンズ本体は、可撓性膜を袋状に形成したものであるから、形状の自由度がある。また、前記レンズ本体に一体的に形成された前記イオン導電性高分子・金属接合体は、形状の自由度があり、しかも2〜3V程度の電圧の印加で駆動可能である。したがって、本発明の可変焦点レンズは、小型でアクチュエータまで含めたレンズ全体について形状の自由度があり、また数V程度の低電圧で駆動可能である。
よって、本発明の可変焦点レンズは、携帯情報端末機器への搭載が可能であり、しかも、人工水晶体として人体に装着したり内視鏡などの医用機器に搭載する場合にも危険が少なくてすむ。
(3) 本発明の可変焦点レンズの好ましい例では、前記可撓性膜がイオン交換膜であり、前記イオン導電性高分子・金属接合体が前記レンズ本体の内面と外面にそれぞれ形成された一対の可撓性電極を有しており、前記透明な液体が極性分子からなる液体とされる。
本発明の可変焦点レンズの他の好ましい例では、前記イオン導電性高分子・金属接合体を形成するイオン交換膜によって、前記レンズ本体が形成される。この場合、好ましくは、前記レンズ本体が、前記イオン導電性高分子・金属接合体を形成する2枚のイオン交換膜を袋状に接合して形成され、それらイオン交換膜の各々の内外両面に前記一対の可撓性電極が装着される。
本発明の可変焦点レンズの他の好ましい例では、前記イオン導電性高分子・金属接合体が、前記レンズ本体とは別体に形成されていて、前記イオン導電性高分子・金属接合体が前記レンズ本体に接着されて一体化される。この例では、好ましくは、前記イオン導電性高分子・金属接合体が前記レンズ本体の内部に配置され、前記イオン導電性高分子・金属接合体への電圧の供給は、前記レンズ本体を貫通して装着された導通部材を介して行われる。また、前記イオン導電性高分子・金属接合体が、イオン交換膜と、そのイオン交換膜の両面に形成された一対の駆動電極とを備えており、前記一対の駆動電極のいずれか一方が前記レンズ本体に接触せしめられてもよい。
本発明の可変焦点レンズのさらに他の好ましい例では、前記イオン導電性高分子・金属接合体が、前記レンズ本体に一体的に形成された一対の可撓性電極を有しており、当該一対の可撓性電極は透明であって、当該可変焦点レンズの瞳部分の全面を少なくとも覆うように形成される。
本発明の可変焦点レンズのさらに他の好ましい例では、前記極性分子から成る液体が水とされる。
本発明の可変焦点レンズでは、(a)小型でアクチュエータまで含めたレンズ全体に形状の自由度があり、しかも数V程度の低電圧で駆動可能である、(b)携帯情報端末機器への搭載が可能であると共に、人工水晶体として人体に装着したり内視鏡などの医用機器に搭載する場合にも危険が少ない、という効果がある。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る可変焦点レンズの構成を示す断面図、図2はその平面図である。
本発明の第1実施形態に係る可変焦点レンズは、図1に示すように、透明なフッ素系イオン交換膜1及び2の周辺部を接合して袋状に形成されたレンズ本体50と、このレンズ本体50を駆動するためのアクチュエータ60とを備えている。
レンズ本体50は、円環状の鍔部と、鍔部の内側にある球面状の湾曲部から構成されている。湾曲部の内部の空洞には、水7が充填されていて、それによって全体が凸レンズの形状を保持している。
レンズ本体50の湾曲部の外面及び内面には、湾曲部と鍔部の境界に近い箇所において、円環状の金(Au)または白金(Pt)等の貴金属からなる一対の駆動電極3がそれぞれ形成されている。換言すれば、レンズ本体50を構成する上側のイオン交換膜1の外面と内面に、円環状の駆動電極3がそれぞれ形成されており、イオン交換膜1はその両側から一対の円環状の駆動電極3によって挟まれている。同様に、レンズ本体50を構成する下側のイオン交換膜2の外面と内面にも、円環状の駆動電極4がそれぞれ形成されており、イオン交換膜2はその両側から一対の円環状の駆動電極4によって挟まれている。
レンズ本体50の鍔部の一面(図1では上面)には、電極パッド5が設けられており、イオン交換膜1の外面にある駆動電極3に接続されている。電極パッド5は、駆動電極3に外部から電圧を引加するための端子である。同様に、レンズ本体50の鍔部の他面(図1では下面)には、電極パッド6が設けられており、イオン交換膜2の外面にある駆動電極4に接続されている。電極パッド6は、駆動電極4に外部から電圧を引加するための端子である。
イオン交換膜1とイオン交換膜2は、必ずしも同じ曲率半径で形成される必要はない。イオン交換膜1とイオン交換膜2は、周辺部で接着剤を用いて互いに接着され、内部に凸レンズ状の空洞が形成されていればよい。
駆動電源8は、イオン交換膜1及び2に設けた駆動電極3及び4の間に所定の電圧を供給するためのものである。
イオン交換膜1及び2としては、例えばフッ素系のナフィオン(デュポン社の登録商標)、アシプレックス(旭化成の登録商標)またはフレミオン(旭硝子の登録商標)を使用するのが好ましい。この場合、対イオンは陽イオンで、リチウムイオンやナトリウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオンやテトラメチルアンモニウムイオンなどのアルキルアンモニウムイオンなどにイオン置換を行って使用する。
図1に示す形状(中央に球面状の窪みを有する)のイオン交換膜1または2は、例えば顆粒状のイオン交換樹脂を鋳型に入れ、加熱しながら加圧することにより得られる。また、イオン交換膜1または2への駆動電極3または4の形成は、金や白金などの貴金属を無電解めっきすることによって行う。この無電解めっきは、例えば次のようにして行うことができる。まず、駆動電極3または4用の金属の錯体水溶液(白金アンミン錯体、金フェナントロリン錯体)中にイオン交換膜1または2を一昼夜以上、浸し、イオン交換によって錯体をイオン交換膜1または2内に吸着させる。その後、適当な還元剤水溶液中で還元する。還元条件を適当に設定すれば、イオン交換膜1または2の表面に適当に食い込んだ形の接合強度の強い金属層が還元析出し、駆動電極3または4が形成される。その際に、イオン交換膜1または2の一部をマスクでカバーした状態で無電解めっきを行えば、図1に示したパターンを持つ駆動電極3または4が得られる。
電極バッド5または6についても、駆動電極3または4と同様にして形成することができる。通常、駆動電極3または4は、電極バッド5または6と同じ材料で形成されるから、無電解めっきの際に使用するマスクの形状を変えれば、駆動電極3または4と同時に電極バッド5または6も形成することができる。
上述した構成を持つ可変焦点レンズの動作原理は次の通りである。
イオン交換膜1及び2は、レンズ本体50の空洞部に満たされた水7を吸収して膨潤する。このとき、イオン交換膜1及び2の内側の対イオンの周囲には、極性(正と負に分極した)分子である水分子が、対イオンの作る静電気力で多数引き付けられて水和し、水和イオンを形成する。イオン交換膜1及び2の両面に設けた電極3及び4の間に電圧を引加しない状態では、これらの水和イオンはイオン交換膜1及び2の内部に均一に分布するが、両電極3及び4の間に電圧を印加すると、電界の方向に正の電荷をもつ水和イオンが移動する。その結果、水和イオンが集まった側のイオン交換膜1及び2の面は水で膨潤して伸び、反対側の面は水分子の濃度が減少して収縮する。つまり、イオン交換樹脂膜1及び2の内部で含水率に偏りが生じることにより、含水率の高い部分は膨潤し、含水率の低い部分は収縮する。このため、両側から電極3または4で挟まれたイオン交換膜1及び2は、バイメタル効果によって屈曲動作をする。屈曲した時の状態は図3(b)のようになる。電圧の印加を停止すると、元の状態に戻り、図3(a)のようになる。この際、イオン交換膜1または2の両面に印加する電圧は1.5〜3V程度でよい。このように、イオン交換膜1及び2の屈曲動作により、レンズ本体50の内部の水圧が変化し、それによってイオン交換膜1及び2の曲率半径が変化して、焦点距離が変わるのである。
本第1実施形態に係る可変焦点レンズでは、以上説明したように、内部に水1を充填したレンズ本体50の曲率半径を、高分子アクチュエータの一種であるイオン導電性高分子・金属接合体(Ionic Polymer-Metal Composite:以下IPMCともいう)を用いて変化させるものである。一般に、IPMCは、フッ素系イオン交換樹脂膜の両面に金や白金などの貴金属を接合して電極を形成したもので、両電極間に1〜2V程度の電圧を加えることで100Hz程度までの応答速度で屈曲動作をする。本第1実施形態では、アクチュエータとしてIPMCを用いると同時に、IPMCを構成するフッ素系イオン交換樹脂膜1及び2自体をレンズ本体50の袋状に成型し、その内部にIPMCを駆動する水7を封入している。しかし、イオン交換膜1と2とで形成される空洞内には、イオン交換膜1及び2中の対イオンのまわりに配向可能な極性分子で構成される液体を封入すればよい。なお、この液体としては、水以外に、アルコール、エチレングリコールやグリセリンが使用可能である。
本第1実施形態に係る可変焦点レンズは、レンズ本体50をIPMCの構成要素であるイオン交換膜1及び2により形成していて、そのレンズ本体50(イオン交換膜1及び2)の一部に駆動電極3及び4と電極パッド5及び6を一体的に形成することにより、アクチュエータ60となるIPMCを構成しているため、小型であると共にアクチュエータ60まで含めたレンズ全体に形状の自由度がある。また、アクチュエータ60としてIPMCを用いているため、数V程度の低電圧で駆動可能である。よって、携帯情報端末機器への搭載が可能であると共に、人工水晶体として人体に装着したり内視鏡などの医用機器に搭載する場合にも危険が少ない可変焦点レンズが得られる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る可変焦点レンズの断面図である。
上述した第1実施形態では、アクチュエータ60となるIPMCを構成するイオン交換膜1及び2により構成しているが、本第2実施形態では、これとは異なり、レンズ本体50それ自体にはアクチュエータ機能を設けていない。本第2実施形態では、凸レンズ状の透明な袋10によりレンズ本体50を構成すると共に、レンズ本体50とは別体として円環状のIPMC9を形成し、そのIPMC9を袋10の内面の周辺部に接着剤で接着している。こうして、レンズ本体50にアクチュエータ60の機能を付与している。
袋10は、シリコンゴム、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどからなる可撓性を有する高分子膜で構成している。アクチュエータ60としてのIPMC9は、この可変焦点レンズの中心軸に対して対称に設けられているので、IPMC9に電圧を印加すれば、袋10はその中心軸に対して対称に変形する。袋10の内部には、IPMC9を駆動するのに必要な極性分子から成る液体11、例えば水またはアルコール、エチレングリコール、グリセリンを封入している。袋10の外部に引き出された電線13及び14の一端は、導電性の導通部材12を介して袋10の内部にあるIPMC9に電気的に接続されている。IPMC9を駆動する際には、電線13及び14を介して外部からIPMC9に電圧を供給する。
図5は、袋10を導通部材12と電線13及び14が貫通する部分の詳細構成を示す部分拡大断面図である。
図5に示すように、袋10と、袋10の内部に接着されたIPMC9の一部には、両者を貫通する小孔が形成されており、その小孔に導通部材12が挿通されている。導通部材12は、ボルト及びナットと類似の構造を有している。導通部材12の中心部には、円柱状の導電性部材15が形成されており、その導電性部材15は円筒状の絶縁部材16で囲まれている。絶縁部材16の外周面にはネジ山が形成されている。導電性部材15の一端(袋10の内部にある)には、導電性部材15と同じ材料で頭部が一体形成されていて、全体がボルト状になっている。導体からなる締付部材17は、絶縁部材16のネジ山と螺合するネジ山を内周面に有している。絶縁部材16に締付部材17を差し込んで回すと相互に螺合するので、締付部材17を締め付けることにより、導通部材12を袋10及びIPMC9に対して固定することができる。
袋10の内面に接着されたIPMC9は、上述した第1実施形態と同様に、イオン交換膜1aと、イオン交換膜1aの内外両面にそれぞれ形成された駆動電極18及び19とを備えている。そして、駆動電極18及び19の間に電圧を印加することにより、屈曲動作をする。
導通部材12の頭部(これは導電性部材15と一体形成されている)は、IPMC9の内側の駆動電極18に接触している。導体からなる締付部材17は、IPMC9の外側の駆動電極19に接触している。電線13は、導体15の他端(袋10の外側にある)にハンダなどで接続されている。電線14は、締付部材17にハンダなどで接続されている。したがって、電線13及び14を介して外部から電圧を供給すれば、その電圧はIPMC9の駆動電極18及び19の間に印加され、IPMC9はその電圧によって駆動される。
図5に示した構成は一例であり、IPMC9に外部から電圧を供給する構成はこれ以外であってもよいことは言うまでもない。
本第2実施形態の可変焦点レンズは、例えば次のようにして製作することができる。すなわち、図4に示した袋10を二つの部分に(例えば上下二つに)分けて、円環状のIPMC9の外周面に接着する。この場合、継目はIPMC9の外周面上に来るから、継目による影響は抑制される。これら二つの部分に第1実施形態のような鍔部を設けて、それらの鍔部を接着するようにしてもよい。
袋10の内部に充填されている液体11は、例えば注射器を用いて注入する。注入時に袋10に空ける微細孔は、公知の方法で後から塞げばよい。この微細孔を設ける位置は、当該可変焦点レンズの瞳以外の場所であれば、任意の位置に設定することができる。
上述したように、本第2実施形態の可変焦点レンズでは、レンズ本体50を構成する袋10の内面の周辺部に、レンズ本体50とは別体に製作したIPMC9を接着している。このため、上述した第1実施形態のように、レンズ本体50を構成する袋10をIPMC9を構成するイオン交換膜1aと同一の材料で形成する必要がなくなる。よって、上述した第1実施形態と同じ効果に加えて、袋10を構成する材料の選択の自由度が大きく、力学的特性および光学的特性を考慮して最適の材料を選ぶことができる、という利点がある。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態の可変焦点レンズは、図示はしていないが、光学的に透明で可撓性の駆動電極をイオン交換膜の球面状曲面(レンズ状局面)の両面全体にわたって設けることにより、IPMCを構成したものである。具体的に言えば、例えば、上述した第1実施形態における袋1、または上述した第2実施形態における袋10の内面全体と外面全体に、それぞれ、透明で可撓性の駆動電極を形成したものである。このように構成しても、上述した第1実施形態と同じ効果が得られることは明らかである。
本第3実施形態で使用する透明で可撓性を持つ駆動電極は、公知の電子電導性高分子を使用して形成する。例えば、ポリチオフェン系導電性ポリマーをベースとした水系コーティング材を用いることができる。この水系コーティング材は、プラスチックやガラスに対する密着性が良好で、いったん乾燥させると耐水性がある。また、この導電性ポリマーは、写真フィルムの帯電防止層用にも使用され、全光線透過率80%、表面抵抗率300Ω/□の高導電タイプが開発されている。したがって、本発明の第3実施形態では、このような水系コーティング材が有効に利用できる。
なお、透明で可撓性を持つ駆動電極は、当該可変焦点レンズの瞳部分の全面を少なくとも覆っていれば足り、当該可変焦点レンズの全面を覆っていなくてもよい。
(変形例)
上述した第1〜第3の実施形態は本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、レンズ本体150を構成する袋1及び10の形状は、任意であり、図1及び図2に示した形状、あるいは図4に示した形状に限定されるものではない。これは、駆動電極3及び4、駆動電極18及び19についても同様であり、図1及び図2あるいは図5に示した形状に限定されず、必要に応じて任意の形状とすることができる。使用する材料についても同様である。
本発明の第1実施形態に係る可変焦点レンズの断面図である。 本発明の第1実施形態を係る可変焦点レンズの平面図である。 本発明の第1実施形態に係る可変焦点レンズの動作を示す図であり、(a)は駆動電極間に電圧を印加しない時の状態を、(b)は駆動電極間に電圧を印加した時の状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る可変焦点レンズの断面図である。 本発明の第2実施形態に係る可変焦点レンズの電線貫通部分を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
1、1a イオン交換膜
2 イオン交換膜
3 駆動電極
4 駆動電極
5 電極パッド
6 電極パッド
7 水
8 駆動電源
9 IPMC(イオン導電性高分子・金属接合体)
10 レンズ状の袋
11 極性分子から成る液体
12 導通部材
13 電線
14 電線
15 導電性部材
16 絶縁部材
17 締付部材
18 駆動電極
19 駆動電極
50 レンズ本体
60 アクチュエータ

Claims (9)

  1. 袋状の透明な可撓性膜により形成されると共に内部に透明な液体が充填されたレンズ本体と、
    前記レンズ本体に一体的に形成され且つ外部より電気的に駆動可能な、前記レンズ本体用のアクチュエータとして機能するイオン導電性高分子・金属接合体とを備え、
    前記イオン導電性高分子・金属接合体を外部から駆動して前記レンズ本体を変形させることにより、焦点距離を変化させることを特徴とする可変焦点レンズ。
  2. 前記可撓性膜がイオン交換膜であり、前記イオン導電性高分子・金属接合体が前記レンズ本体の内面と外面にそれぞれ形成された一対の可撓性電極を有しており、前記透明な液体が極性分子からなる液体とされている請求項1に記載の可変焦点レンズ。
  3. 前記イオン導電性高分子・金属接合体を形成するイオン交換膜によって、前記レンズ本体が形成されている請求項2に記載の可変焦点レンズ。
  4. 前記レンズ本体が、前記イオン導電性高分子・金属接合体を形成する2枚のイオン交換膜を袋状に接合して形成され、それらイオン交換膜の各々の内外両面に前記一対の可撓性電極が装着されている請求項1に記載の可変焦点レンズ。
  5. 前記イオン導電性高分子・金属接合体が、前記レンズ本体とは別体に形成されていて、前記イオン導電性高分子・金属接合体が前記レンズ本体に接着されて一体化されている請求項1に記載の可変焦点レンズ。
  6. 前記イオン導電性高分子・金属接合体が前記レンズ本体の内部に配置され、前記イオン導電性高分子・金属接合体への電圧の供給は、前記レンズ本体を貫通して装着された導通部材を介して行われる請求項5に記載の可変焦点レンズ。
  7. 前記イオン導電性高分子・金属接合体が、イオン交換膜と、そのイオン交換膜の両面に形成された一対の駆動電極とを備えており、前記一対の駆動電極のいずれか一方が前記レンズ本体に接触している請求項5または6に記載の可変焦点レンズ。
  8. 前記イオン導電性高分子・金属接合体が、前記レンズ本体に一体的に形成された一対の可撓性電極を有しており、当該一対の可撓性電極は透明であって、当該可変焦点レンズの瞳部分の全面を少なくとも覆うように形成されている請求項1に記載の可変焦点レンズ。
  9. 前記透明な液体が水である請求項1〜8のいずれか1項に記載の可変焦点レンズ。
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