JP2008058411A - 光制御素子、この光制御素子を用いたレーザ装置および光伝送装置 - Google Patents

光制御素子、この光制御素子を用いたレーザ装置および光伝送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カーボンナノチューブと、このカーボンナノチューブと異なる屈折率を有するものとの界面で生ずる反射光を抑える光制御素子およびこの光制御素子を用いた光制御装置を実現することにある。
【解決手段】光の伝播方向に対して垂直な面から傾けた方向へ端面を斜めにカットした光ファイバと、この光ファイバの斜めにカットされた端面に取り付けられ、可飽和吸収体として用いられるカーボンナノチューブとを有することを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、可飽和吸収体としてカーボンナノチューブ(Carbon Nanotube:以下CNTと略す)を用いて、このCNTの有する非線形光学機能を利用して、光を制御する光制御素子およびこの光制御素子を用いた光制御装置(レーザ装置、光伝送装置等)に関し、詳しくは、CNTと、このCNTと異なる屈折率を有するものとの界面で生ずる反射光を抑える光制御素子およびこの光制御素子を用いた光制御装置に関するものである。
可飽和吸収機能を有する材料として多重量子井戸構造の化合物半導体やCNTの一種である単層カーボンナノチューブ(Single wall carbon Nanotube:以下SWNTと略す)が一般的に知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。特にSWNTは、製造コストが安く光ファイバの端面に吹き付けたり蒸着したりすることができ、光ファイバとの接続が容易である(例えば、特許文献2、3参照)。
可飽和吸収機能とは、可飽和吸収体であるSWNTの非線形光学現象によって、SWNTに入射する光の強度に依存して、SWNTでの吸収特性が変化する現象である。すなわち、入射光強度が低い線形領域では、SWNTは入射光を吸収し、その結果、SWNTを通過した後の入射光の光強度が減少する。一方、入射光強度がより高いレベルまで上昇すると、吸収飽和が生じてSWNTによる吸収が減少し、SWNTを通過した後の入射光の光強度の減衰が低下する。
この様にSWNTによる吸収が入射光の光強度に依存するので、例えば、光パルスがSWNTに入射した場合、光パルスのピーク付近の高強度成分はSWNTを通過できるが、光パルスの裾野、ペデスタル、背景CW(連続)光などの低強度成分はSWNTを通過できない。
図5は、従来の光制御素子の構成を示した図である(例えば、特許文献3参照)。
図5において、光ファイバ1は、フェルール2によって保持され、光ファイバ1およびフェルール2が同一面上で平面研磨されており、この平面研磨された端面にSWNT3が吹きつけまたは蒸着して取り付けられている。
光ファイバ4は、フェルール5によって保持され、光ファイバ4およびフェルール5が同一面上で平面研磨されており、この平面研磨された端面に無反射膜6が蒸着されている。
レンズ7、8は、SWNT3が取り付けられた光ファイバ1の端面と、無反射膜6が蒸着された光ファイバ4の端面との間に設けられ、光ファイバ1から出射された光ビーム100を光ファイバ4に入射させ、光学的に結合するように配置される。
このような光制御素子の動作を説明する。
光ファイバ1のもう一方の端面(図示せず)に入射し、光ファイバ1によって伝播されてきた光パルスが、光ファイバ1の端面のSWNT3に入射する。そして、光パルスのうち、光パルスのピーク付近の高強度成分がSWNT3を透過し、光パルスの裾野、ペデスタル、背景CW(連続)光などの低強度成分はSWNT3で吸収され透過されない。そして、SWNT3を透過した光パルスが、レンズ7で平行光となり、レンズ8で集光され無反射膜6を介して光ファイバ4の端面から光ファイバ4に入射する。これによって、光パルスのうち光パルスのピーク付近の高強度成分だけが光ファイバ4を伝播してゆく。
なお、光パルスが、光ファイバ4から光ファイバ1に入射する場合も同様に光制御される。光ファイバ4によって伝播され、光ファイバ4の端面から出射された光パルスが、レンズ8、7を介して光ファイバ1に結合される。この際、SWNT3によって光パルスのピーク付近の高強度成分のみが光ファイバ1に入射し、伝播していく。
図6は、従来の光制御素子のその他の構成を示した図である。図6において、レンズ7、8が取り外され、無反射膜6も外される。そして、フェルール2、5が、フォルダ9によって保持され、光ファイバ1、4を光学的に接続する。すなわち光ファイバ1、4の端面同士が接触(正確には、SWNT3と光ファイバ4の端面)される。なお、光ファイバ4の端面に無反射膜6の代わりにSWNTを取り付けてもよい。
このような光制御素子の動作を説明する。
光ファイバ1のもう一方の端面(図示せず)に入射し、光ファイバ1によって伝播されてきた光パルスが、光ファイバ1の端面のSWNT3に入射する。そして、光パルスのうち、光パルスのピーク付近の高強度成分がSWNT3を透過し、光パルスの裾野、ペデスタル、背景CW(連続)光などの低強度成分はSWNT3で吸収され透過されない。そして、SWNT3を透過した光パルスが、直接光ファイバ4の端面から光ファイバ4に入射する。これによって、光パルスのうち光パルスのピーク付近の高強度成分だけが光ファイバ4を伝播してゆく。
なお、光パルスが、光ファイバ4から光ファイバ1に入射する場合も同様に光制御される。光ファイバ4によって伝播され、光ファイバ4の端面から出射された光パルスが、光ファイバ1に直接結合されるが、SWNT3によって光パルスのピーク付近の高強度成分のみが光ファイバ1に入射し、伝播していく。
特開2003−248251号公報 特開2005−322864号公報 特表2006−511949号公報
図5、図6に示す可飽和吸収機能を有する光制御素子を1個または複数個を、例えば、レーザ装置のレーザ共振器の内部に挿入して適切な動作をさせることにより、モード同期あるいはQスイッチングが実現され、超短光パルスや光パルスが容易に得られることが一般的に知られている(例えば、特許文献2、3参照)。
また、光伝送装置では、光を強度変調することによって複数の光パルス列からなる光信号を生成し、この光信号を光ファイバで伝送してデータ通信等を行なっている。この光伝送装置に、図5、図6に示す可飽和吸収機能を有する光制御素子を1個または複数個を挿入して適切な動作をさせることにより、雑音(例えば、光増幅器によって生ずる光強度の弱いASE光)を除去したり、光信号のパルス波形の整形等、光信号の品質改善が行なわれている(例えば、特許文献1、3参照)。
しかしながら、図5、図6に示す従来の光制御素子では、平面研磨した光ファイバ1の端面にSWNT3を吹き付けたり、蒸着したりしている。SWNT3と光ファイバ1のコア・クラッドとの界面には屈折率差があるため、界面にて光パルスの反射が生ずる。特に、光の伝播方向が、光ファイバ1の端面の法線方向となるため、反射光も、光パルスの伝播方向と逆方向に効率よく光ファイバ1内を伝播する。
光信号や光パルスの伝播方向と逆に進む反射光は、この可飽和吸収機能を有する光制御素子に接続されている光制御装置(レーザ装置、光伝送装置)に対し影響を与える。例えば、装置内の他の反射点とによって多重反射を起こしたり、装置が利得機能を有する場合は、利得の低下を生ずる。特に、レーザ装置のレーザ共振器内部に、図5、図6に示す光制御素子を用いてレーザ装置を構成する場合、多重反射によって動作不安定が生じ、安定した光パルスを発生することができないという問題が生ずる。
そこで本発明の目的は、CNTと、このCNTと異なる屈折率を有するものとの界面(例えば、光ファイバの端面とCNTとの界面、CNTと空間との界面)で生ずる反射光を抑える光制御素子およびこの光制御素子を用いた光制御装置を実現することにある。
請求項1記載の発明は、
光の伝播方向に対して垂直な面から傾けた方向へ端面を斜めにカットした光ファイバと、
この光ファイバの斜めにカットされた端面に取り付けられ、可飽和吸収体として用いられるカーボンナノチューブと
を有することを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、
光の伝播方向に対して垂直な面から傾けた方向へ端面を斜めにカットした第1の光ファイバと、
この第1の光ファイバの斜めにカットされた端面に取り付けられ、可飽和吸収体として用いられるカーボンナノチューブと、
第2の光ファイバと
を有し、前記第1の光ファイバの斜めにカットされた端面から出射された光を前記第2の光ファイバの一方の端面から入射させ、または、前記第2の光ファイバの一方の端面から出射された光を前記第1の光ファイバの斜めにカットされた端面から入射させることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、
第2の光ファイバの一方の端面は、光の伝播方向に対して垂直な面から傾けた方向へカットされ、可飽和吸収体として用いられるカーボンナノチューブが取り付けられることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、
前記第1、第2の光ファイバの端面間を光学的に結合させるレンズを設けたことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、
カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであることを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、
光共振器を用いて光パルスを出射するレーザ装置において、
請求項1〜5に記載の光制御素子のうちのいずれか1種類または複数種類を組み合わせたものを、前記光共振器内に設けたことを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、
光信号を光ファイバによって伝送する光伝送装置において、
請求項1〜5に記載の光制御素子のうちのいずれか1種類または複数種類を組み合わせたものを、前記光ファイバに設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、以下のような効果がある。
請求項1〜5によれば、光ファイバの一方の端面を、光ファイバ内の光パルスの伝播方向に対して垂直な面に対して斜めにカットし、この斜めにカットされた端面にカーボンナノチューブを取り付けるので、光ファイバの斜め端面とカーボンナノチューブの界面等で反射された反射光がほとんど光ファイバに結合しない。これにより、光パルスの伝播方向と逆方向に伝播する反射光を抑圧することができる。
請求項6によれば、レーザ装置のレーザ共振器に請求項1〜5に示す光制御素子を挿入するので、装置内の他の反射点とによって多重反射を防ぐことができる。また、利得機能を有する素子の利得の低下を防ぐことができる。これにより、安定した光パルスを発生することができる。
請求項7によれば、光伝送装置の光ファイバ上に請求項1〜5に示す光制御素子を挿入するので、装置内の他の反射点とによって多重反射を防ぐことができる。また、利得機能を有する素子の利得の低下を防ぐことができる。これにより、多重反射による雑音が除去でき、光信号のパルス波形の整形等をより良好に行なえ、光信号の品質改善を行うことができる。
以下図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施例]
図1は、本発明の第1の実施例を示した構成図である。光ファイバ10は、断面が略円形のコア10aと、このコア10aの外周を包むクラッド10bとで構成される。なお、(コアの屈折率)>(クラッドの屈折率)>(光ファイバ10の設置される空間の媒質(例えば、窒素、空気等)の屈折率)である。また、光ファイバ10の一方の端面は、光ファイバ10内を伝播する光パルスの伝播方向(コア10aの長手方向)に対して垂直な面から傾けた方向に斜めにカット(いわゆる斜め研磨)されている。傾きは、一般的な斜め研磨であれば約8度である。なお、斜めにカットされた端面を、以下斜め端面と呼ぶ。
SWNT11は、可飽和吸収体として用いられ、光ファイバ10の斜め端面に吹きつけ、蒸着、塗布などによって取り付けられる。なお、SWNT11の屈折率は、コア10a、クラッド10b、空間の媒質それぞれの屈折率とは異なる値である。
このような素子の動作を説明する。
光ファイバ10のもう一方の端面(図示せず)に入射し、光ファイバ10によって伝播されてきた光パルス(図1中、紙面の左側から右側方向)が、光ファイバ10の斜め端面からSWNT11に入射する。そして、光パルスのうち、光パルスのピーク付近の高強度成分がSWNT11を透過し、光パルスの裾野、ペデスタル、背景CW(連続)光などの低強度成分はSWNT11で吸収され透過されない。そして、SWNT11を透過した光パルスが、空間に出射される。これによって、光パルスのうち光パルスのピーク付近の高強度成分だけが光ファイバ10の斜め端面から空間に出射される。
一方、光ファイバ10を伝播してきた光パルスが、光ファイバ10の斜め端面とSWNT11の界面およびSWNT11と空間との界面で反射を生ずる。しかし、それぞれどちらの界面も、光ファイバ10内で光パルスが伝播される方向に対し垂直な面から傾いている。従って、界面で反射した光パルスの反射光が、光ファイバ10のコア10aへ効率よく結合せず、光ファイバ10によって光パルスの伝播方向の逆方向へは伝播されない。もしくは、光ファイバ10に結合したとしても、伝播する成分が極めて小さくなる。
このように、光ファイバ10の一方の端面を、光ファイバ10内の光パルスの伝播方向に対して垂直な面に対して斜めにカットし、この斜めにカットされた端面にSWNT11を取り付けるので、光ファイバ10の斜め端面とSWNT11の界面およびSWNT11と空間との界面で反射された反射光がほとんど光ファイバ10のコア10aに結合しない。これにより、光パルスの伝播方向と逆方向に伝播する反射光を抑圧することができる。例えば、光制御装置に光制御素子を接続しても、装置内の多重反射や、反射光による装置への影響を抑えることができる。
[第2の実施例]
図2は、本発明の第2の実施例を示した構成図である。ここで、図1と同一のものには同一符号を付し、説明を省略する。図2において、フェルール12は、光ファイバ10を保持する。なお、光ファイバ10のコア10a、クラッド10bの図示は省略する。
このような素子の製造方法を説明する。
光ファイバ10の被覆(図示せず)を除去し、被覆を除去してコア、クラッドとした部分をフェルール12の中空部に一方の端面から挿入し、他方の端面から少し突き出させ、接着剤等で、光ファイバ10とフェルール12を接着、固定する。そして、研磨器などを用いて、フェルール12と共に光ファイバ10の端面を研磨して、図1に示すのと同様に光の伝播方向に垂直な面に対して斜めにする。さらに、光ファイバ10およびフェルール12の斜め端面にSWNT11を取り付ける。
なお、光パルスで伝播されて空間に出射される動作、および界面で生ずる反射光の動作等は、図1に示す素子と同様なので説明を省略する。
このように、光ファイバ10をフェルール12で保持し、端面を斜めにカットしてSWNT11を取り付けるので、製造方法が容易となり、量産性があり、コストを抑えることができる。
[第3の実施例]
図3は、本発明の第3の実施例を示した構成図である。ここで、図2と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図3において、光ファイバ13、フェルール14、フォルダ15が新たに設けられる。なお、光ファイバ10は第1の光ファイバであり、光ファイバ13は第2の光ファイバである。
光ファイバ13は、フェルール14によって保持され、光ファイバ10、フェルール12と同様に、光ファイバ13、フェルール14の一方の端面が、斜め端面になっている。傾きは、光ファイバ10の傾きと同じである。なお、光ファイバ13のコア、クラッドの図示は省略している。
フォルダ15は、光ファイバ10と一体化したフェルール12と、光ファイバ13と一体化したフェルール14とを固定および保持するが、光ファイバ10、光ファイバ13の斜め端面同士を対向させ、光ファイバ10、13間で光を伝播させる。なお、光ファイバ10の斜め端面と、光ファイバ13の斜め端面を平行とし、光ファイバ13の斜め端面が、光ファイバ10の斜め端面に取り付けられたSWNT6に密着またはごくわずかに隙間(〜数十[μm])を開けて配置する。
このような素子の動作を説明する。
光ファイバ10のもう一方の端面(図示せず)に入射し、光ファイバ10によって伝播されてきた光パルス(図3中、紙面の左側から右側方向)が、光ファイバ10の斜め端面からSWNT11に入射する。そして、光パルスのうち、光パルスのピーク付近の高強度成分がSWNT11を透過し、光パルスの裾野、ペデスタル、背景CW(連続)光などの低強度成分はSWNT11で吸収され透過されない。そして、SWNT11を透過した光パルスが、光ファイバ13の斜め端面から入射し、光ファイバ13内を伝播してもう一方の端面(図示せず)から外部へ出力される。これによって、光パルスのうち光パルスのピーク付近の高強度成分だけが光ファイバ10の斜め端面から光ファイバ13へと伝播される。
なお、光パルスが、光ファイバ13から光ファイバ10に伝播される場合も、SWNT11の可飽和吸収機能によって同様に光制御される。光ファイバ13の斜め端面から出射された光パルスが、光ファイバ10に結合される。この際、SWNT11によって、光パルスのうち光パルスのピーク付近の高強度成分だけが光ファイバ13から光ファイバ10に入射して伝播され、光ファイバ10のもう一方の端面(図示せず)から外部に出射される。
一方、光ファイバ10を伝播してきた光パルスが、光ファイバ10の斜め端面とSWNT11の界面およびSWNT11と光ファイバ13の斜め端面との界面で反射を生ずる。しかし、それぞれどちらの界面も、光ファイバ10内で光パルスが伝播される方向に対し垂直な面から傾いている。従って、界面で反射した光パルスの反射光が、光ファイバ10のコア10aへ効率よく結合せず、光ファイバ10によって光パルスの伝播方向の逆方向へは伝播されない。もしくは、光ファイバ10に結合したとしても、伝播する成分が極めて小さくなる。
なお、光パルスが、光ファイバ13から光ファイバ10へと伝播される場合も同様に、界面での反射による伝播方向と逆方向へ伝播する反射光は抑圧される。
このように、光ファイバ10の一方の端面を、光ファイバ10内の光パルスの伝播方向に対して垂直な面に対して斜めにカットし、この斜めにカットされた端面にSWNT11を取り付け、光ファイバ10から光ファイバ13へ、または、光ファイバ13から光ファイバ10へと光パルスを伝播するので、光ファイバ10の斜め端面とSWNT11の界面や、SWNT11と光ファイバ13の端面との界面で反射された反射光がほとんど光ファイバ10のコア10a、光ファイバ13のコアに結合しない。これにより、光パルスの伝播方向と逆方向に伝播する反射光を抑圧することができる。例えば、光制御装置に光制御素子を接続しても、装置内の多重反射や、反射光による装置への影響を抑えることができる。、
[第4の実施例]
図4は、本発明の第4の実施例を示した構成図である。ここで、図3と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。図4において、フォルダ15が取り外され、レンズ16、17が設けられる。レンズ16、17は、光ファイバ10の斜め端面に取り付けられたSWNT11と、光ファイバ13の斜め端面の間に設けられ、一方の光ファイバ10(または光ファイバ13)から出射された光パルスを、他方の光ファイバ13(または光ファイバ10)に入射させるように配置され、光ファイバ10、13の端面間を光学的に結合させる。また、光ファイバ13の斜め端面に無反射膜18が取り付けられる。
このような素子の動作を説明する。
光ファイバ10のもう一方の端面(図示せず)に入射し、光ファイバ10によって伝播されてきた光パルス(図4中、紙面の左側から右側方向)が、光ファイバ10の斜め端面からSWNT11に入射する。そして、光パルスのうち、光パルスのピーク付近の高強度成分がSWNT11を透過し、光パルスの裾野、ペデスタル、背景CW(連続)光などの低強度成分はSWNT11で吸収され透過されない。そして、SWNT11を透過した光パルスが空間に出射される。さらに、レンズ16が、空間に出射された光ビーム100を平行光にし、レンズ17が、平行光を集光して光ファイバ13の無反射膜18を介して光ファイバ13の斜め端面から入射する。そして、光パルスが、光ファイバ13内を伝播してもう一方の端面(図示せず)から外部へ出力される。これによって、光パルスのうち光パルスのピーク付近の高強度成分だけが光ファイバ10の斜め端面からレンズ16、17、無反射膜18を介して光ファイバ13へと伝播される。
なお、光パルスが、光ファイバ13から光ファイバ10に伝播される場合も、SWNT11の可飽和吸収機能によって同様に光制御される。光ファイバ13の斜め端面から出射された光パルスが、無反射膜18、レンズ17、16、SWNT11を介して光ファイバ10に結合される。この際、SWNT11によって、光パルスのうち光パルスのピーク付近の高強度成分だけが光ファイバ13から光ファイバ10に入射して伝播され、光ファイバ10のもう一方の端面(図示せず)から外部に出射される。
一方、光ファイバ10を伝播してきた光パルスが、光ファイバ10の斜め端面とSWNT11の界面およびSWNT11と空間との界面で反射を生ずる。しかし、それぞれどちらの界面も、光ファイバ10内で光パルスが伝播される方向に対し垂直な面から傾いている。従って、界面で反射した光パルスの反射光が、光ファイバ10のコア10aへ効率よく結合せず、光ファイバ10によって光パルスの伝播方向の逆方向へは伝播されない。もしくは、光ファイバ10に結合したとしても、伝播する成分が極めて小さくなる。
なお、光パルスが、光ファイバ13から光ファイバ10へと伝播される場合も同様に、界面での反射による伝播方向と逆方向へ伝播する反射光は抑圧される。
このように、光ファイバ10の一方の端面を、光ファイバ10内の光パルスの伝播方向に対して垂直な面に対して斜めにカットし、この斜めにカットされた端面にSWNT11を取り付け、光ファイバ10、光ファイバ13間をレンズ16、17で光学的に結合させて光パルスを伝播するので、光ファイバ10の斜め端面とSWNT11の界面や、SWNT11と空間との界面で反射された反射光がほとんど光ファイバ10のコア10a、光ファイバ13のコアに結合しない。これにより、光パルスの伝播方向と逆方向に伝播する反射光を抑圧することができる。例えば、光制御装置に光制御素子を接続しても、装置内の多重反射や、反射光による装置への影響を抑えることができる。、
[第5の実施例]
レーザダイオードとレーザ共振器(光共振器)を組み合わせて、光パルスを発生するレーザ装置(例えば、特許文献2、3参照)に本装置を適用してもよい。すなわち、図1〜図4に示す光制御素子のいずれか1個または複数種類を組み合わせて複数個にしたものを、レーザ装置のレーザ共振器の光路上に挿入し、モード同期やQスイッチングを行なわせて光パルスを発生するとよい。
このようにレーザ装置のレーザ共振器に図1〜図4に示す光制御素子を挿入するので、装置内の他の反射点とによって多重反射を防ぐことができる。また、利得機能を有する素子(レーザダイオード)の利得の低下を防ぐことができる。これにより、安定した光パルスを発生することができる。
[第6の実施例]
光伝送装置では、光を強度変調することによって複数の光パルス列からなる光信号を生成し、この光信号を光ファイバで伝送してデータ通信等を行なっているが(例えば、特許文献1、3参照)、図1〜図4に示す光制御素子のいずれか1個または複数種類を組み合わせて複数個にしたものを、光伝送装置の光ファイバ上に設けてもよい。
このように光伝送装置の光ファイバ上に図1〜図4に示す光制御素子を挿入するので、装置内の他の反射点とによって多重反射を防ぐことができる。また、利得機能を有する素子の利得の低下を防ぐことができる。これにより、多重反射による雑音が除去でき、光信号のパルス波形の整形等をより良好に行なえ、光信号の品質改善を行うことができる。
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、以下に示すようなものでもよい。
図1〜図4に示す素子において、伝播される光の一例として光パルスで説明したが、時間軸上に複数の光パルスを並べた光パルス列からなる光信号であってもよい。
図1〜図4に示す装置において、SWNTを用いる構成を示したが、単層でなく多層のカーボンナノチューブや単層と多層を組み合わせたタイプのカーボンナノチューブを用いてもよい。
図3に示す装置において、光ファイバ10の斜め端面にSWNT11を取り付ける構成を示したが、光ファイバ13の斜め端面にSWNTを取り付けてもよく、光ファイバ10、13の斜め端面両方にSWNTを取り付けてもよい。
図3に示す装置において、フェルール12、14をフォルダで保持する構成を示したが、スリーブ等で保持してもよい。または、フェルール12、14を光コネクタ(例えば、FCコネクタ,SCコネクタ、MUコネクタ、LCコネクタ等)に組み込み、コネクタをアダプタで接続してもよい。
図4に示す素子において、光ファイバ13の斜め端面に無反射膜18を設ける構成を示したが、設けなくともよい。または、無反射膜18の代わりにSWNTを取り付けてもよい。
図4に示す素子において、光ファイバ10のSWNT11から出射された光が、2個のレンズ16、17によって光ファイバ13のコアに結合される構成を示したが、レンズを1個にして光ファイバ10,13を光学的に結合してもよく、3個以上で結合してもよく、さらに、レンズでなく凹面鏡、放物面鏡等でもよい。
本発明の第1の実施例を示した構成図である。 本発明の第2の実施例を示した構成図である。 本発明の第3の実施例を示した構成図である。 本発明の第4の実施例を示した構成図である。 従来の光制御素子の構成を示した図である。 従来の光制御素子のその他の構成を示した図である。
符号の説明
10、13 光ファイバ
11 SWNT
16、17 レンズ

Claims (7)

  1. 光の伝播方向に対して垂直な面から傾けた方向へ端面を斜めにカットした光ファイバと、
    この光ファイバの斜めにカットされた端面に取り付けられ、可飽和吸収体として用いられるカーボンナノチューブと
    を有することを特徴とする光制御素子。
  2. 光の伝播方向に対して垂直な面から傾けた方向へ端面を斜めにカットした第1の光ファイバと、
    この第1の光ファイバの斜めにカットされた端面に取り付けられ、可飽和吸収体として用いられるカーボンナノチューブと、
    第2の光ファイバと
    を有し、前記第1の光ファイバの斜めにカットされた端面から出射された光を前記第2の光ファイバの一方の端面から入射させ、または、前記第2の光ファイバの一方の端面から出射された光を前記第1の光ファイバの斜めにカットされた端面から入射させることを特徴とする光制御素子。
  3. 第2の光ファイバの一方の端面は、光の伝播方向に対して垂直な面から傾けた方向へカットされ、可飽和吸収体として用いられるカーボンナノチューブが取り付けられることを特徴とする請求項2記載の光制御素子。
  4. 前記第1、第2の光ファイバの端面間を光学的に結合させるレンズを設けたことを特徴とする請求項2または3記載の光制御素子。
  5. カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光制御素子。
  6. 光共振器を用いて光パルスを出射するレーザ装置において、
    請求項1〜5に記載の光制御素子のうちのいずれか1種類または複数種類を組み合わせたものを、前記光共振器内に設けたことを特徴とするレーザ装置。
  7. 光信号を光ファイバによって伝送する光伝送装置において、
    請求項1〜5に記載の光制御素子のうちのいずれか1種類または複数種類を組み合わせたものを、前記光ファイバに設けたことを特徴とする光伝送装置。
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