JP2008056852A - アセトアセトキシ基を有するビニルエーテル化合物、その重合体及びそれらの製造方法 - Google Patents

アセトアセトキシ基を有するビニルエーテル化合物、その重合体及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カチオン重合により重合可能で、キレート樹脂として有用な新規なアセトアセトキシ基含有ビニルエーテル化合物、その重合体又は共重合体の提供。
【解決手段】次の式(1)

で表される2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル。
【選択図】なし

Description

本発明は、キレート樹脂として有用なアセトアセトキシ基を有する新規なビニルエーテル化合物、その重合体及びそれらの製造方法に関する。
2−アセトアセトキシエチルメタクリレート及びその(共)重合体は、キレート剤やハイブリッド材料として知られている有用な化合物である。しかしながら、この化合物の重合は、アニオン重合又はラジカル重合に限られておりカチオン重合では重合体を製造できないため、カチオン重合系モノマーであり、カチオン重合でのみ重合体を製造できるアルケニルエーテルとの共重合体を製造することは困難であった。
一方、アセトアセトキシ基を有するビニルエーテル類は、これらの化合物が反応性メチレン基を有し、さらにケトーエノール互変異性を示して副反応を引き起こすため、これまで見出されているビニルエーテル類ではカチオン重合法により重合体又は共重合体を製造することは困難であった。
カチオン重合法のうち、特にリビングカチオン重合と呼ばれる方法は、得られるポリマーの分子量分布が比較的狭く、また重合度を任意に調整可能なため、目的とする重合体又は共重合体を収率よく製造する上で有利な方法である。また、アルケニルエーテルは高感度な刺激応答能やゲル化能といった特異的な機能を有するため、これらと共重合可能な金属キレート能を有するカチオン重合性モノマーが求められていた。
本発明の目的は、カチオン重合により重合可能で、キレート樹脂として有用な新規なアセトアセトキシ基含有ビニルエーテル化合物、その重合体又は共重合体を提供することにある。
本発明者は、新規なアセトアセトキシ基を有するビニルエーテル類について種々検討したところ、tert−ブチルアセトアセテートと2−ヒドロキシエチルビニルエーテルを反応させることで、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルを製造できることを見出した。そして、さらに検討したところ、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルにはケト−エノール互変異性体が存在するものの溶媒中ではケト形として安定に存在するため、これを用いれば副反応を起こすことなく、カチオン重合により重合体又は共重合体を定量的に高収率で製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の式(1)
で表される2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルを提供するものである。
また、本発明は、次の式(2)
で表される繰り返し単位を有する重合体又は共重合体を提供するものである。
また、本発明は、tert−ブチルアセトアセテートと2−ヒドロキシエチルビニルエーテルを反応させることを特徴とする2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルを、ルイス酸の存在下にリビングカチオン重合することを特徴とする2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル重合体の製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルと、該2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルとカチオン重合可能な他の単量体とを、ルイス酸の存在下にリビングカチオン重合することを特徴とする2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル共重合体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、カチオン重合により、キレート樹脂として有用なアセトアセトキシ基含有ビニルエーテル化合物の重合体又は共重合体を定量的に収率よく製造することができる。また、本発明化合物はアルケニルエーテルモノマーと共重合可能であり、アルケニルエーテルが有する高感度な刺激応答能やゲル化能に加え、更に金属的性質や金属触媒回収能等を有するアルケニルエーテル共重合体を得ることができる。
上記式(1)で表される2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルは、ケトーエノール互変異性を含むため、次の式(4)で表される異性体が存在する。
また、上記式(2)で表される構造単位を含有する重合体又は共重合体も、ケトーエノール互変異性を含むため、次の式(5)で表される異性体が存在する。
しかしながら、後記実施例から明らかなように、本発明化合物は上記式(1)及び(2)として示すようにケト形として安定に存在するため、副反応を起こすことなく、カチオン重合により重合可能である。
本発明において、化合物(1)と共重合させる単量体としては、化合物(1)とカチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば次の一般式(A)で表されるアルケニルエーテルが好ましい。
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は1価の有機基を示す。)
2で示される1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基;ハロゲン化アルキル基;アルコキシアルキル基;アルコキシアルコキシアルキル基;ヒドロキシアルキル基;シリロキシアルキル基;アリールアルキル基;アリールオキシアルキル基;ハロゲン原子又はアルコキシ基で置換されていてもよいアリールカルボニルアルキル基;アリールオキシカルボニルアルキル基;アリール基;ハロゲン原子で置換されていてもよいアリールオキシ基;アミン、アミド、イミド、ウレタン又は尿素結合を有するアルキル基;ヒドロキシ基にアルキル基、アリール基を有していてもよいカルボン酸又はリン酸を有するアルキル基;(メタ)アクリルカルボニルオキシエチル基、スチリルカルボニルオキシエチル基、ソルビンカルボニルオキシエチル基等が挙げられる。ここで、上記の有機基におけるアルキル基又はアルコキシ基は炭素数1〜20のものが好ましく、アリール基は炭素数6〜14のものが好ましい。
具体的には、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、n−ヘキサデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシエトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシ−2−エトキシエトキシエチルビニルエーテル、フェノキシエチルビニルエーテル、p−クロロフェノキシビニルエーテル、2−ビニロキシエチルベンゾエート、2−ビニロキシエチル−p−メトキシベンゾエート、2−ビニロキシエチル−p−クロロベンゾエート、2−ビニロキシエチルメタクリレート、2−ビニロキシエチルアクリレート、2−ビニロキシエチルシナメート、ビニロキシエチルソルベート、ジエチルビニロキシエチルマロネート、ジフェニルビニロキシエチルマロネート、2−ビニロキシエチルフタルイミドなどのビニルエーテル;メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル、イソプロピルプロペニルエーテル、n−ブチルプロペニルエーテル、イソブチルプロペニルエーテル、シクロヘキシルプロペニルエーテル、n−ヘキサデシルプロペニルエーテル、2−クロロエチルプロペニルエーテル、ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、ベンジルプロペニルエーテル、エトキシエチルプロペニルエーテル、2−エトキシエトキシエチルプロペニルエーテル、2−エトキシ−2−エトキシエトキシエチルプロペニルエーテル、フェノキシエチルプロペニルエーテル、2−プロペニロキシエチルアセテート、2−プロペニロキシエチルベンゾエート、2−プロペニロキシエチル−p−メトキシベンゾエート、2−プロペニロキシエチル−p−クロロベンゾエート、2−プロペニロキシエチルメタクリレート、2−プロペニロキシエチルアクリレート、2−プロペニロキシエチルシナメート、プロペニロキシエチルソルベート、ジエチルプロペニロキシエチルマロネート、ジフェニルプロペニロキシエチルマロネート、2−プロペニロキシエチルフタルイミドなどのプロペニルエーテルなどが挙げられる。
本発明化合物(1)は、以下の反応式に示すように、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルとt−ブチルアセトアセテートとを反応させることにより製造することができる。
2−ヒドロキシエチルビニルエーテルとt−ブチルアセトアセテートとの反応は溶媒中で行われる。反応で用いる溶媒としては、特に限定されず、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などを例示できる。これらのうち、トルエンが好ましい。
2−ヒドロキシエチルビニルエーテルとt−ブチルアセトアセテートの使用割合は、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル1モルに対し、t−ブチルアセトアセテートを0.5〜1モル用いるのが好ましい。
反応温度及び反応時間は、特に限定されないが、90〜150℃で4〜8時間、好ましくは90〜120℃で4〜5時間である。反応中、生成するt−ブチルアルコールを逐次除去しながら行うのが好ましい。
本発明化合物(1)の重合体又は共重合体は、適当な溶媒中、ルイス酸の存在下にリビングカチオン重合することにより得られる。
反応で用いる溶媒としては、特に制限されないが、酢酸エチル等のエステル系溶媒が好ましい。エステル系溶媒を用いることで、重合系を安定化させ、リビング重合反応を制御することができる。
本発明において、ルイス酸は開始剤であり、アセトアセトキシ基と反応しないことが必要である。斯かるルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ素エーテル錯体、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、四塩化スズ、二塩化亜鉛等が挙げられる。このうち、いわゆる半金属といわれるホウ素を用いるのが好ましく、特に三フッ化ホウ素エーテル錯体を用いるのが好ましい。
ルイス酸の使用割合は、モノマー1モルに対し、1/200〜1/20モルが好ましい。
なお、三フッ化ホウ素化合物を用いたビニル化合物のカチオン重合の中で、特にリビング重合と呼ばれるものは、特開2000−319312に記載されているが、ビニルエーテル系ではない。
重合反応は開始種を添加して行うのが好ましい。用いられる開始種としては、水、アルコール、プロトン酸等のプロトンを生成する化合物、又はハロゲン化アルキル等のカルボカチオンを生成する化合物が挙げられる。このようなカルボカチオンを生成する化合物としては、例えば、1−イソブトキシエチルアセテート等の1−アルコキシエチルアセテートが挙げられる。
開始種の使用割合は、モノマー1モルに対し、1/50〜1/600モルが好ましい。
本発明の重合条件としては、反応温度が−70〜60℃、好ましくは−30〜40℃であり、反応時間が1分〜1時間、好ましくは5分〜30分である。
また、重合系内の2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルの濃度としては、一般に10〜30重量%、好ましくは10重量%である。一方、2−アセトアセトキシビニルエーテルの量が30重量%を超えると、分子量の制御が難しくなる。
重合の停止は、メタノール等の低級アルコール、必要に応じてアンモニアやアミン等の塩基性化合物を極少量加えた低級アルコール溶液を添加することにより行う。生成物はそのまま、あるいはメタノール等再沈殿法、薄膜蒸発法等によって未反応モノマーや溶媒を除くことにより、重合体又は共重合体が得られる。
重合体又は共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量(数平均分子量)は、1,000〜20,000が好ましく、特に5,000〜20,000が好ましい。また、GPCで測定した分子量分布の指標である重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は1.1〜1.6であることが好ましい。
かくして得られる本発明化合物(2)を繰り返し単位として有する重合体又は共重合体は、アセトアセトキシ基を有するため、様々な金属とキレートを形成することが可能であり、キレート樹脂として有用である。本発明のキレート樹脂は、例えば有機溶媒中に含まれる微量の金属の回収に用いる金属イオン捕捉剤として、あるいは金属ゲル化剤、金属を含む溶液の分散剤、インク・塗料、架橋剤等として用いることができる。対象となる金属は、周期律表中の金属に分類されるものであれば種類を問わないが、例えば、銀、銅、白金、亜鉛、水銀、鉛、錫、鉄、タリウム、セシウム、コバルト、マグネシウム、カドミウム、ニッケル、パラジウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、セレン、タンタル、チタン、ネオジム、サマリウム、バナジウム、クロム、マンガン、ルテニウム、モリブデン、アンチモン等が挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の実施例において各測定法は次の方法に従った。
(1)重量平均分子量、数平均分子量及び重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ポリスチレンゲル換算のゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で測定した[RI検出器、カラム(東ソー(株)製TSKgelカラムGMHHR−M×2)、溶離液はテトラヒドロフラン]。
実施例1
乾燥した滴下ロート付きフラスコにtert−ブチルアセトアセテート(以下tBAA)と略す)90mLと溶媒のトルエン242mLを、滴下ロートに2−ヒドロキシルエチルビニルエーテル(以下HOVEと略す)44mLを入れ、フラスコの内の温度が90〜120度になった時点で、HOVEを滴下した。反応中tBAAを常時蒸留除去しながら、目的のアセトアセトキシエチルビニルエーテルを合成した(原料HOVEに対し収量62.3mL、収率79.5%)。合成した2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルは減圧蒸留によって精製した。沸点は2mmHgで76℃であった。
合成した2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルを重クロロホルムに溶解し、テトラメチルシランを基準に、1H−NMR測定(JEOL JNM AL−300)を行った。挿入図に示した構造の数字に対応するシグナルが検出され、構造が同定された。ケトーエノールの平衡が存在し、平衡定数は9.0x10-2であった。
図1に得られた2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルの1H−NMR測定結果を示す。
実施例2
三方活栓をつけたガラス反応容器を窒素ガス気流下で加熱し、容器内を十分乾燥させた。窒素雰囲気下、容器内に2−アセとアセトキシエチルビニルエーテル(0.8モーラー(以下Mと略す))、1−イソブトキシエチルアセテート4.0mM、及び酢酸エチルを入れ全体を4.5mLとし、0℃に冷却した後、三フッ化ホウ素エーテル錯体200mMの酢酸エチル溶液0.5mL(20mM)を加えて重合を開始した。同じ重合を残り3本行い、順次所定時間に、極少量のアンモニア水を含むメタノール5mLを加え重合を停止し、メタノール中に再沈し、開始剤残渣を除去した。反応液を除去後、減圧乾燥することにより種々の分子量のポリ(2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル)を得た。
得られたポリマーの重合率(即ち、モノマーの転化率)は重量法により求めた。重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、ポリスチレンゲルを用いたゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)を使用し、THFを溶離液とし、温度:38℃で測定した。更に、得られたMwとMnの比を算出し、分子量分布の指標とした。
各サンプルの転化率、Mw、Mn及びMw/Mnは表1に示す通りであった。
合成したポリ(2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル)を重クロロホルムに溶解し、テトラメチルシランを基準に、1H-NMR測定(JEOL JNM AL−300)を行った。図1のシグナルの6.5ppm付近に検出された4本のピークが無くなり、新しく、1.7ppm付近に線幅の広いシグナルが確認されたことから、一般式(2)の構造のポリマーであることが確認できた。
図2に得られたポリ(2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル)の1H−NMR測定結果を示す
実施例3
合成したポリ(2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル)をアセトン溶液15重量%とし、40mM の塩化亜鉛トルエン溶液を加え攪拌したところ、瞬時に系の一部がゲル化した。ICP発光分析法(HORIBA)によって、ポリマー中に亜鉛を含んでいることがわかった。
ゲル化の様子を図3に示す。図3から明らかなように、本発明の重合体は金属イオン捕捉性を有することが確認された。
実施例4
合成したポリ(2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル)をテトラヒドロフラン溶液5.8×10-2g/mLとし、同じ5.8×10-2g/mLの塩化鉄(III)水和物のテトラヒドロフラン溶液を加えたところ、系全体が薄茶色に呈色し、鉄をキレート化した。
図4には、その紫外可視分光計(JASCO V−550)測定による吸収スペクトルを示す。
図1は、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルの構造と1H−NMR測定結果を示す図である。 図2は、ポリ(2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル)の1H−NMR測定結果を示す図である。 図3は、ポリ(2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル)の亜鉛によるゲル化を示す図である。左側が塩化亜鉛を加える前、右側が塩化亜鉛を加えてゲル化した部分を取り出して撮影したものである。 図4は、ポリ(2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル)と鉄のキレート形成時の紫外可視分光計(JASCO V−550)測定による吸収スペクトルを示す図である。

Claims (7)

  1. 次の式(1)
    で表される2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル。
  2. 次の式(2)
    で表される繰り返し単位を有する重合体又は共重合体。
  3. 請求項1記載の2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルと次の一般式(A)
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は1価の有機基を示す。)
    で表されるアルケニルエーテルモノマーとの共重合体である、請求項2記載の共重合体。
  4. 請求項2又は3記載の重合体又は共重合体を含有するキレート樹脂。
  5. tert−ブチルアセトアセテートと2−ヒドロキシエチルビニルエーテルを反応させることを特徴とする2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルの製造方法。
  6. 2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルを、ルイス酸の存在下にリビングカチオン重合することを特徴とする2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル重合体の製造方法。
  7. 2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルと、該2−アセトアセトキシエチルビニルエーテルとカチオン重合可能な他の単量体とを、ルイス酸の存在下にリビングカチオン重合することを特徴とする2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル共重合体の製造方法。
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