JP2008056463A - シート搬送装置、画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】用紙Sの先端が第1搬送手段6を通過する前にはベルト線速v2は、ターン前線速v1よりも速くなるように制御されている。用紙Sがさらに搬送されて第1搬送手段6を通過し、搬送ベルト82の搬送面82aに用紙Sの先端が接触した時間t1後において、用紙Sの先端が第2搬送手段7のニップ部に挟持・搬送される時間t2より速いタイミングで、ベルト線速v2は瞬時に減速されターン前線速v1と等しくなるように切り替わる。
【選択図】図14
Description
このような画像形成装置におけるシート搬送装置としては、例えば特開2004−338923号公報に記載されている従来技術を挙げることができる(特許文献1参照)。すなわち、同公報の図6および図7に示されているように、画像形成手段本体の下側に、各段にそれぞれ所定のサイズや紙種のシートを所定枚数積載して収容したシート収容手段としての給紙トレイを配置し、給紙トレイと画像形成手段本体との間には、選択された段である給紙トレイの略水平方向に1枚のシートを引き出して上方の画像形成手段本体に向けて給送するシート搬送装置を設けた構成としている。
けれども、上記のように構成したシート搬送装置では、厚紙等の記録紙や封筒のような剛性が高い特殊紙のシート(P)を搬送させようとすると、搬送経路の曲率部の曲率半径が小さいため、シート(P)がその曲率に従って撓みながら搬送されるときの抵抗が複写用の普通紙のようなシートと比べて格別に大きくなるため、高剛性の記録紙や特殊紙等のシート(P)を進行させることができず、ジャムや搬送不良を生じて安定した給送動作ができないという不具合があった。
換言すれば、上記給紙装置によれば、搬送されるシート上の変形箇所を、湾曲ガイド部材による1箇所の湾曲に集中させずに、その搬送方向における直線状ガイド部材の前後端付近である2箇所での湾曲に分散でき、しかも、直線状ガイド部材を略中間角度の斜め姿勢に設置して、これらの2箇所における湾曲の程度を略均等な同程度にしているので、その搬送時には搬送負荷の急激な上昇を抑制できるとしている。すなわち、シートがその進行方向を変えるため、湾曲される箇所は、上流側のローラ対から直線状ガイド部材に受け渡す箇所と、直線状ガイド部材から下流側のローラ対に受け渡す箇所との2箇所になり、少なくとも、それぞれの湾曲の程度が小さくなり、これに伴い各箇所で湾曲させたことによって生じる抵抗力を低く保てるので、搬送負荷が急激に上昇することを回避できるというものである。
この給紙装置によれば、反転ガイド部材に用紙後端が接触するときには、用紙後端が接する方向と概略同様な方向に反転ガイド部材が変位して、この変位によって、用紙後端が接触した際のショックを吸収できるので、弾き音を低減できるとしている。
このシート給送装置によれば、高剛性のシートは、その搬送時に、搬送路上を進んで曲率半径が大きい第1の曲率部を通過する際には、普通のシートと同程度に湾曲されることなく、普通シートに比べて、十分に緩やかに湾曲されて進み続けるので、その搬送時の抵抗が少なくでき、シートの停滞や遅延を生じることなく共通搬送路に到達させ搬送できるとしている。
このシート反転手段によれば、送り込まれたシートは前記の方向変更部位でその内側の接触部位が、ローラに必ず接することになり、しかもこのローラがシートの搬送方向の進行に伴い従動回転するので、従来のガイド板に比べて、搬送抵抗を軽減でき、つまり固定されたガイド部材と移動するシートとの間に生じる摩擦抵抗を解消して、前記の方向変更部位での搬送方向を変更するガイドができるとしている。
つまり、前記従来の構成では、上記の搬送不良やジャムを回避する効果が不十分であり、直線状のガイド部材では、たとえ搬送負荷の急激な上昇を抑制できても、搬送負荷を生じることには変わりがないといえる。特に、厚紙や封筒等の剛性の高い用紙(シート)を搬送する際には、上記の搬送不良やジャムおよび用紙後端のハネ音が顕著となってしまう。
そこで、本発明は、省スペース、低コストの利点を残しながら、厚紙等の比較的剛性の高い用紙でも問題なく給送・搬送することが可能な新規なシート搬送装置および該シート搬送装置等を備えた画像形成装置を提供することを主な目的とする。
請求項1、2および13記載の発明の目的は、シート搬送経路または第1のシート搬送経路でのシートのベルトへの突入時のシートの先端部の挙動を考えたとき、シート搬送経路または第1のシート搬送経路の比較的小さな曲率半径の曲率部を経由して搬送されてくるシートの先端部は、ベルトの搬送面に対して曲がる角度の分、傾斜した角度にて進入することから、シートの先端は例えばガイド部材の外郭方向にシートの腰の強さにより曲がりながら進む分だけシートの後部よりも見かけ上の速度が速いとみなせる。そのため、シートの先端がめくれ等の問題を起こさないためにはシートの先端を搬送するベルトの第2の線速度にも第1の搬送手段による第1の線速度よりも速い搬送速度が必要となる。一方、ベルトにより搬送され第2の搬送手段の挟持部(ニップ部)によって挟持・搬送され始めた以後はシートの先端と後端の線速度は等しくなるために第2の線速度は第1の線速度と同じでよい。この際、第2の線速度の方を速くした場合、挟持部(ニップ部)等において擦れなど他の問題が発生する虞がある。そこで、第1の搬送手段による第1の線速度およびベルト搬送手段による第2の線速度の何れか一方が、相対的に可変に構成することにより、換言すれば第1の線速度と第2の線速度の相対速度をシートの進行とともに変えることで、シートの先端がベルトに対してめくれや擦れ等の問題を起こすことなく搬送することができるようにすることにある。
請求項1記載の発明は、シートを第1の線速度で搬送する第1の搬送手段と、第1の搬送手段のシート搬送方向の下流側に配置され、第1の搬送手段により搬送されてきたシートを前記第1の搬送手段のシート搬送方向と異なるシート搬送方向に搬送する第2の搬送手段とを有し、第1の搬送手段および第2の搬送手段のうちの少なくとも第2の搬送手段は、シートを挟持して搬送する挟持部を形成する挟持搬送手段であり、第1の搬送手段と第2の搬送手段との間に形成されるシート搬送経路の外郭方向に配置され、前記挟持部に向けてシートを第2の線速度で搬送するベルトを備えたベルト搬送手段を具備し、第1の線速度および第2の線速度の何れか一方の線速度が、相対的に可変であることを特徴とするシート搬送装置である。
すなわち、本発明によれば、省スペースかつ低コストでありながら、厚紙等の比較的剛性の高い用紙でも問題なく給送・搬送することが可能な新規なシート搬送装置、該シート搬送装置を備えた画像読取装置、該シート搬送装置および/または該画像読取装置を備えた画像形成装置を実現し提供することができる。
請求項1、2および13記載の発明によれば、シート搬送経路または第1のシート搬送経路でのシートのベルトへの突入時のシートの先端部の挙動を考えたとき、シート搬送経路または第1のシート搬送経路での比較的小さな曲率半径の曲率部を経由して搬送されてくるシートの先端部は、ベルトの搬送面に対して曲がる角度の分、傾斜した角度にて進入することから、シートの先端は例えばガイド部材の外郭方向にシートの腰の強さにより曲がりながら進む分だけシートの後部よりも見かけ上の速度が速いとみなせる。そのため、シートの先端がめくれ等の問題を起こさないためにはシートの先端を搬送するベルトの第2の線速度にも第1の搬送手段による第1の線速度よりも速い搬送速度が必要となる。一方、ベルトにより搬送され第2の搬送手段の挟持部(ニップ部)によって挟持・搬送され始めた以後はシートの先端と後端の線速度は等しくなるために第2の線速度は第1の線速度と同じでよい。この際、第2の線速度の方を速くした場合、挟持部(ニップ部)等において擦れなど他の問題が発生する虞がある。そこで、第1の搬送手段による第1の線速度およびベルト搬送手段による第2の線速度の何れか一方の線速度を、相対的に可変に構成することにより、換言すれば第1の線速度と第2の線速度の相対速度をシートの進行とともに変えることで、シートの先端がベルトに対してめくれや擦れ等の問題を起こすことなく搬送することができる。
画像形成装置本体2の上部であって、原稿読取装置4の下方に空間を形成するようにして、上記画像形成装置本体2を通過した用紙を排出・積載する排紙トレイ9が設置され、給紙装置3から排紙トレイ9に至るまで用紙Sを移動させる用紙搬送経路(シート搬送経路)としての用紙搬送路R1(以下、「搬送路R1」ともいう)が形成されている。この搬送路R1の大部分は、給紙装置3から画像形成装置本体2の上部に渡り、略水平線に対して略垂直上方向、すなわち略鉛直上方向に延在されていて、該搬送路R1上には、最小サイズの用紙Sに応じた所定間隔を確保して搬送ローラ対やコロ対などによって構成された幾つかのシート搬送手段としての用紙搬送手段が設けられている。これらの用紙搬送手段のうちの何れかの用紙搬送手段は、搬送路R1上の用紙Sを、挟持などによって必ず搬送し続けるように構成されている。さらに給紙装置3には、該給紙装置3の各段に収容された用紙Sを搬送路R1に給送・搬送するシート搬送装置としての用紙搬送装置5が設置されている。
感光体10Aの周囲には、図中矢印で示す回転方向に順に、現像装置12と、転写装置13と、感光体クリーニング装置18と、除電装置と、帯電装置14とが配置され、感光体10Aの反時計回りの回転方向におけるその1回転の範囲内に、これらの各装置12〜14それぞれによって、その上流から下流に渡って順次、現像位置、転写位置、クリーニング位置、除電位置、帯電位置が設定されている。
さらに、帯電位置と現像位置との間には、潜像形成位置が設定され、この潜像形成位置に所定のレーザ光を照射して、画像情報に応じた不可視の潜像を書き込むための露光装置47が、感光体ユニット10からやや離れた斜め下方に配置されている。そして、感光体10Aが所定の反時計回りに回転駆動されるとともに、この感光体10Aの回転に同期して各装置12〜14、および露光装置47が、それぞれ所定に連係した協働動作を行うことにより、一連の画像形成処理が実行される。
転写装置13は、略上下方向に所定に離間させて対向配置された2つの支持ローラ15,16と、これらの支持ローラ15,16間に張架された無端ベルトからなる転写ベルト17とで構成され、感光体10A外周表面上のトナー像を用紙Sに転写し、未定着のトナー像が転写された用紙Sを搬送路R1の下流側に搬送する。すなわち、下方の支持ローラ16は、その転写ベルト17を巻回した部分が、感光体10Aの略右斜め下方箇所に圧接されて、感光体10A表面と転写ベルト17とが接した箇所に、転写位置が設定されている。また、上方の支持ローラ15は、定着装置11の導入口の手前に配置されている。
除電装置は、所定強度の発光が可能なランプを主体に構成されており、このランプから除電位置に除電用の光を照射して、該除電位置を通過する感光体10A表面上の帯電状態を解除し、転写位置を通過した後の感光体10Aの表面電位を、初期状態に復帰させるようにしている。
なお、同図中の20は、新品・新規トナーを収容したトナーボトルなどからなるトナー収納容器であり、このトナー収納容器20から現像装置12まで、図示しないトナー搬送経路が形成されている。現像装置12が自身内のトナーを現像用に消費して不足した場合には、新規トナーがトナー収納容器20から現像装置12に補充されるようになっている。
また、原稿読取装置4には、コンタクトガラス57を覆う閉止位置と開放した開放位置とに開閉可能に構成された原稿押さえ板58が、読取装置本体4Aの上面に設置されている。すなわち、原稿押さえ板58は、コンタクトガラス57よりも大きな縦横寸法で形成され、その一端が図示しないヒンジで読取装置本体4Aの上面に開閉自在に支持されている。
他方、手差し給紙の場合には、手差しトレイ67上にセットされた用紙Sが、まず手差しトレイ用の給紙ローラ67Aの回転により繰り出され、用紙Sが複数枚積載・セットされた際には、同手差しトレイ用の分離ローラ67B,67Cによって1枚に分離されて、手差し給紙路R2に搬送され、さらに手差し給紙路R2から搬送路R1に搬送され、用紙Sの先端がレジストローラ対21に突き当たって一旦停止する。
そして、レジストローラ対21は、回転駆動された感光体10A上のトナー像の相対移動に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、一旦停止した用紙Sを転写位置に送り込む。この結果として、この用紙S上に転写装置13によりトナー像が転写される。
次に、先願発明に係るシート搬送装置を適用した用紙搬送装置5(以下、「第1の例」ともいう)の特徴的な構成を説明する。
用紙搬送装置5は、図2および図3に示すように、図1に示した給紙装置3における所定段(この例では下段)の給紙トレイ51に積載・収容された多数枚の用紙Sから1枚の用紙Sを引き出し、引き出された用紙Sの用紙搬送方向(シート搬送方向)を変更し、略鉛直上方の画像形成装置本体2へ給送するものである。
ここで、第1および第2搬送手段6,7の各用紙搬送方向を厳密に表現すると、次のようである。すなわち、図6を借りて説明すると、第1搬送手段6の用紙搬送方向は、フィードローラ61の回転中心と、リバースローラ62の回転中心と、フィードローラ61およびリバースローラ62の挟持部(ニップ部)の中心との3点を結ぶ線分におけるニップ部の中心に対して、直交する略水平方向に設定されている。
同様に、第2搬送手段7の用紙搬送方向は、グリップローラ81の回転中心と、プーリ83の回転中心と、グリップローラ81および搬送ベルト82の挟持部(ニップ部)の中心との3点を結ぶ線分におけるニップ部の中心に対して、直交する略鉛直上方向に設定されている。
ベルト搬送手段8は、第1搬送手段6により搬送されてきた用紙Sの先端が、プーリ83およびプーリ84に保持されている該搬送ベルト82部分を除く該搬送ベルト82の搬送面82aに当接(接触)するように配置することが肝要である。このように、プーリ84の軸中心(プーリ軸84aの中心)が、リバースローラ62の下端位置よりも上方であって搬送ガイド部材71の下流端の高さよりも下方に位置するようにしてベルト搬送手段8を配置することにより、用紙Sの先端が搬送ベルト82の腹の部分(いわば「有効搬送面」とも呼ぶべき部分である)に衝突することによって、搬送ベルト82の安定した適度な弾性変位・変形状態が得られ、用紙Sの先端の反発を招くことなく、用紙Sの先端が搬送ベルト82の搬送面82aに確実に当接した状態が保持されて、後述の作用効果を得ることができる。
これに対し、用紙Sの先端が、搬送ベルト82のプーリ83およびプーリ84に保持されている該搬送ベルト82部分に当接(接触)してもよいように配置すると、搬送ベルト82がプーリ83およびプーリ84に保持されている該搬送ベルト82部分は、一般的に搬送ベルト82の腹の部分よりも硬く弾性変位・変形状態も小さくなることから、用紙Sの先端が上記部分に当接した際には反発したり安定した適度な弾性変位・変形状態が得られなくなったりする点から好ましくない。これは、後述する先願発明を適用した各例等や、本願発明を適用した実施形態や変形例、実施例等でも同様である(以下、単に「以下、同様」ともいう)。
用紙Sの先端が、搬送ベルト82の搬送面82aに対して略垂直ないし直角の突入角度θaをもって進入するように配置した場合には、用紙Sの先端部の搬送ベルト82の搬送面82aへの当接状態が不安定になる、例えば搬送ベルト82の走行方向と反対の方向に折れ曲がったり、反発を招いたりする点から、好ましくない(以下、同様)。
また、給紙トレイ51の底部には、所定形状の凹部が形成され、この凹部に、上昇アーム52が格納されている。上昇アーム52は、その基端部が前記凹部内に所定の角度範囲で回動自在、すなわち揺動可能に支持された水平軸52Aに固着されるとともに、この水平軸52Aには、図示しない回転駆動源から任意の回転方向の回転駆動力が伝達されて回動されることにより、上昇アーム52が水平軸52Aを中心として所定に傾斜した位置を占めるように揺動駆動される。これにより、上昇アーム52の自由端部が底板50を押し上げて、底板50上に載置された用紙Sの最上面の片側周縁を、所定の高さ位置に保つようになっている。
給紙トレイ51は、上述したように、給紙装置3の本体に対して着脱・挿脱自在に構成されている。すなわち、給紙トレイ51は、図1に示すように給紙装置3の本体内に挿入・装着されることで給紙可能となる装着位置と、給紙装置3の本体から図1において紙面の手前側に引き出され・離脱されることで、用紙Sの補充や用紙Sのサイズ交換等が可能となる離脱位置とを選択的に占めることが可能に構成されている。
また、少なくとも第1搬送手段6、第2搬送手段7、第1搬送手段6と第2搬送手段7との間に配置される用紙搬送経路(搬送路)は、給紙トレイ51を引き出したときに本体に残される。よって、本例では胴内排紙型の画像形成装置であるが、移動案内手段を設けることにより、上記搬送路を従来と同様の曲率またはそれ以下の曲率で搬送できるので、装置の幅方向を大きくすることなく、胴内排紙型の利点を減殺することを防ぐことができる。
ピックアップローラ60は、図3に詳しく示すように、図示しない芯金と一体的に形成された軸60aの周りに一体的に固着されていて、軸60aとともに回転自在になされた周知のもの、あるいは軸60aと前記芯金との間にワンウェイクラッチ(図示せず)を設けて、非駆動時には軸60aに対してフリーに回転するように支持されているものである。ピックアップローラ60の外周表面を含む外周部には、用紙Sと接触したときに容易にピックできるように用紙Sに対して摩擦係数の高いゴム等の軟質の高摩擦材料が用いられている。また、ピックアップローラ60の外周表面部は、適宜、摩擦抵抗を増大するために略鋸刃状の突起が全周に形成される場合もある。
フィードローラ61は、図示しない芯金と一体的に形成された軸61aの周りに一体的に固着されていて、軸61aとともに回転自在になされているか、あるいはピックアップローラ60と同様の支持方法を取られる場合もある。フィードローラ61の外周表面を含む外周部には、ピックアップローラ60と同様に用紙Sと接触したときにこれを容易に用紙搬送方向に送り出すことができるように用紙Sに対して摩擦係数の高いゴム等の軟質の高摩擦材料が用いられている。また、フィードローラ61の外周表面部は、適宜、摩擦抵抗を増大するために略鋸刃状の突起が全周に形成される場合もある。
リバースローラ62は、図示しない芯金と一体的に形成されていて、前記トルクリミッタを介して、リバースローラ駆動軸62aとともにハウジング80に回動自在に支持されている。
従って、リバースローラ62から該リバースローラ62に接した用紙Sに対して供給される搬送力は、用紙Sを元の積載位置に戻せる程度には十分な逆方向の搬送力を確保しながら、用紙Sを順方向に進めるためのフィードローラ61から用紙Sに供給される搬送力よりも、所定に小さく設定され、フィードローラ61による順方向の用紙搬送を妨げないようにしている。このため、謂わば、フィードローラ61から用紙Sに供給される搬送力は、リバースローラ62からの逆搬送力によって、減殺されている。
グリップローラ81の近傍には、このローラ81の外周面に搬送ベルト82を介して接するようにハウジング80に回転自在に軸支され、かつ、グリップローラ81の水平方向に対向して前記したプーリ83が配置されている。
プーリ83は、プーリ軸83aと一体的に形成されていて、プーリ軸83aとともにハウジング80に回転自在に支持されている。プーリ83の左斜め下方には、ハウジング80に回転自在に軸支された前記したプーリ84が配置されている。プーリ84は、プーリ軸84aと一体的に形成されていて、プーリ軸84aとともにハウジング80に回転自在に支持されている。プーリ83,84は、搬送ベルト82を走行・回転自在に支持するベルト保持回転部材としての機能を有する。
このような開閉ガイド79を有する場合、プーリ83およびプーリ84は、各プーリ軸83a,84aとともに開閉ガイド79側に回転自在に支持される。
搬送ベルト82は、弾性部材である例えばゴム部材で形成されていて、その表面には、該ベルト自体の材質によって、または適宜の表面処理が施されて、使用される用紙S(シート)に対して所定の摩擦係数が設定されている。すなわち、搬送ベルト82は、用紙Sに対面して該用紙面に接する、その搬送面としてのベルト表面が、用紙面とベルト表面との間のすべり接触を回避して、ベルト表面から用紙面に搬送推進力を確実に伝達できる摩擦係数が設定されている。
給紙モータ23は、ハウジング80に固定されている。アイドラギヤ25,26,65は、それぞれハウジング80に回転自在に支持されている。
上述したとおり、本例においては、コンパクトで省スペースである用紙搬送装置5として構成、すなわち後述する図6および図7等に示す実施例1に例示するように第1搬送路Aが曲率半径の比較的小さな曲率部で構成されている関係上、給紙モータ23は、単一であり、第1搬送手段6および第2搬送手段7の駆動手段を兼用していて、装置のコンパクト化に寄与している。
なお、リバースローラ62の駆動は、例えばフィードローラ61に対する圧解除等を行うソレノイド等を備えていて別系統である。図4において、62bは、図1〜図5に示した例において、図示しないトルクリミッタと説明したものを表している。
実際の駆動機構22では、給紙モータ23ないしフィードローラ61間にはより多くのギヤおよびタイミングベルト等の駆動力伝達部材が適宜配設されているが、ここではグリップローラ81が回転搬送駆動部材であることを明示するためその一例を両図に簡略的に示した。
この利点・効果は、次のような技術内容を考察すれば容易に理解できる。すなわち、グリップローラ81を駆動する場合、グリップローラ81の線速度はグリップローラ81自身の外径と回転数とによってのみ決まる。これに対して、搬送ベルト82側を駆動する場合を考えると、搬送ベルト82を駆動する場合、搬送ベルト82の内側に設けたローラ状のプーリ83(ベルト駆動ローラ、主プーリ)によって搬送ベルト82を駆動するのが一般的である。
この場合、搬送ベルト82の線速度は、搬送ベルト82の内側に設けたプーリ83の外径および回転数以外に、構成部品バラツキによる搬送ベルト82の厚さのばらつき、搬送ベルト82の磨耗による厚さの影響、あるいは搬送ベルト82とプーリ83との間のスリップの影響を受ける。このため、搬送ベルト82側を駆動するよりグリップローラ81側を駆動した方が、搬送ベルト82の線速度のばらつきを小さくできる。
なお、上述したほどの効果をそれ程望まなくても良いのであれば、例えば駆動機構22からグリップローラ81を駆動する駆動系を除去してグリップローラ81を従動側とし、かつ、搬送ベルト82側を図示しない駆動機構で駆動するようにしてもよい。
図2および図3において、72は、第2搬送手段7を起点として略鉛直上方への縦搬送路における外郭側の位置に設けられた搬送ガイド部材であり、73は、給紙トレイ51からフィードローラ61とリバースローラ62との挟持部(ニップ部)へ到る用紙搬送経路を形成するとともに、同ニップ部に用紙Sを案内・進入させる導入口を形成した搬送ガイド部材である。また、搬送ガイド部材70は、第1搬送手段6および第2搬送手段7のニップ部同士を結ぶ線上を横切って略下方(外郭に設けられている搬送ガイド部材71側)に膨出した湾曲面(ガイド面70a)を備えており、その膨出の程度は、用紙Sの先端を必ずベルト搬送面に到達させるように、用紙Sを緩やかに湾曲させる程度に設定されている。
底板50上に積載された用紙Sは、図2に示すように、上昇アーム52の揺動・上昇動作によりその最上面が所定の高さになるよう持ち上げられ、先ず、ピックアップローラ60の回転によって最上面の用紙Sが引き出され、フィードローラ61とリバースローラ62とからなる給紙分離機構に搬送される。そして、前記給紙分離機構において、フィードローラ61とリバースローラ62とによる協働作用により最上面の1枚のみが分離され、この分離された1枚の用紙Sが用紙搬送経路の下流側へとさらに搬送されて、図2に示すように用紙Sの先端が搬送ベルト82のベルト搬送面に接触しつつ、搬送ベルト82の矢印方向の走行によって案内移動され、グリップローラ81と搬送ベルト82とのニップ部に到ると、グリップローラ81と搬送ベルト82とによって用紙Sが挟持搬送されつつさらに鉛直上方に搬送され、最終的に用紙Sは垂直姿勢にして送り出される。
他方、搬送ベルト81の搬送面82aはそのまま第2搬送手段7の挟持部(ニップ部)に連続して延びているので、ベルト搬送面に接した用紙Sの先端部は、確実かつスムーズに安定して挟持部に到達することになる。換言すれば、まず高剛性の用紙Sでもその先端部が必ずベルト搬送面に接する程度に緩やかに湾曲させながら用紙Sを第1搬送手段6によって搬送し、その用紙Sの先端部がベルト搬送面に接して該ベルト搬送面による能動的な搬送ガイド作用によって、該ベルト搬送面から用紙Sにその用紙搬送方向に進めるいわば第2の搬送推進力を得てから、該用紙Sの先端を第2搬送手段7の挟持部に到達させるように、より深く用紙Sを湾曲させるようにしている。
そして、本例では、移動案内手段としてのベルト搬送手段8は、搬送ベルト82により、第2搬送手段7の挟持部(ニップ部)に向かう方向に用紙Sの搬送方向を変えて移動・案内する機能も有する。
搬送ベルト82の材質:エチレン・プロピレンゴム(EPDM)
搬送ベルト82の硬度:JIS A 40度
搬送ベルト82の摩擦係数:2.6(用紙に対する)
搬送ベルト82の肉厚:1.5mm
プーリ83の直径:13mm
プーリ84の直径:7mm
プーリ83,84の間隔:13mm(プーリ軸83a,84aの軸間距離)
搬送ベルト82の伸張率:7%
各ローラ60,61,62,81の直径:全て20mm
用紙搬送装置5の第1搬送手段6と第2搬送手段7との間の湾曲した用紙搬送経路(第1搬送路A)中心での曲率半径は、従来方式およびベルト方式ともに約20mm一定にして実施した。
ここで、「メートル秤量」とは、紙、板紙(用紙)の重量を表示するとき、1平方メートル当たりの用紙1枚の重さをグラムで表したものに相当する。一般的に、秤量の少ない用紙は「軽い紙」あるいは「薄い紙」であり、秤量の多い用紙は「重い紙」あるいは「厚い紙」であるといえる。
表1の試験結果において、○印で示した「通紙良好」とは、給紙センサ88がオンして用紙(シート)の先端が検出されてから所定時間内に縦搬送センサ89に到達したこと、すなわち搬送良好であることを、×印で示した「通紙不可」とは、給紙センサ88がオンして用紙の先端が検出されてから所定時間内に縦搬送センサ89に到達しなかったこと、すなわち搬送不良であることを、それぞれ表している。
通紙・搬送状況の対比観察により、従来方式ではメートル秤量が256g/m2以上になると、用紙の腰が強くなって、前記湾曲した用紙搬送経路に沿って湾曲するのが難しくなり、図1〜図6を借りて説明すると、その用紙の先端がグリップローラ81に対向接触するローラ状のプーリ83に付き当たってしまうことが分かった。
また、紙種として、メートル秤量が256g/m2以上の用紙において、その表面部をコート処理したものと、コート未処理のものとを用いて、通紙・搬送状況の対比観察も行ったが、表1の試験結果以外の特筆する有意差は認められなかった。
それ故に、比較的剛性の高い用紙Sだけを用いて搬送する用紙搬送装置の場合、その必須の構成となるのは、上記した第1搬送手段6と、第2搬送手段7と、第1および第2搬送手段6,7の間に形成される第1搬送路A(この場合はガイド部材が不要)の外郭方向に配置され、用紙Sの先端と接触した状態を保持しつつ第2搬送手段7に向けて用紙Sを移動・案内するベルト搬送手段8(移動案内手段)とである。
上述のことから、第1搬送路Aを形成する上記各種ガイド部材は、比較的剛性の低い、例えば普通紙やPPC等の用紙Sを搬送する場合、その剛性の低い用紙Sの直進性の弱さ(厚紙等の比較的剛性の高い用紙Sと比べた場合の直進性である)を補い、搬送ベルト82の搬送面82aに導き・案内するために必要であると言える。別言すれば、用紙Sの剛性が低くなるほどその直進性の低下を補って、用紙Sの先端を搬送ベルト82の搬送面82aの腹の部分に確実に当接させるために、第1搬送路Aを形成する上記各種ガイド部材のガイド面の形状を設定する必要性があると言える。
換言すれば、その剛性が高くなる用紙S(メートル秤量が大きくなる用紙S)を用いる場合ほど、上述した比較的曲率半径の小さい曲率部の用紙搬送経路を構成する際に使用する種々のガイド部材の形状・配置等の設計に、自由度を持たせることが可能となる。
なお、搬送ベルト82の材質は、上記比較試験に用いたものに限らず、例えばクロロプレンゴムや、ウレタンゴム、あるいはシリコンゴムでもよい。また、搬送ベルト82の各ゴム硬度は、JIS A 40〜60度でもよい。
従って、たとえ用紙Sの剛性が高くても、この剛性に打ち勝って、用紙Sを適宜、その厚さ方向に変形つまり湾曲させながら、用紙Sを下流の第2搬送手段の挟持部に向けて確実かつ安定して搬送できる。このように用紙Sが高剛性であることに起因した主要な搬送不良の要因に対処できるので、用紙Sの先端が第2搬送手段の挟持部に到達した以降の用紙搬送も確実かつ安定して持続できる。この結果、用紙搬送装置として、多種多様な紙種に対応することが可能となり、その搬送対応能力を拡充でき、高い用紙搬送性能が得られる。
図8〜図10を参照して、先願発明を適用した第2の例を説明する。なお、図1〜図6に示した用紙搬送装置5と同一の構成要素・部材には、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化することにする。特に記載しないが、本例で説明しない構成、つまり用紙搬送装置や他の構成およびその動作などは、図1〜図6に示した第1の例および実施例1の用紙搬送装置5と同様である。
そこで、図9に示すように、給紙分離機構による用紙Sの1枚ずつの分離後、1枚の用紙Sは、搬送抵抗が少なくて済むよう緩やかな屈曲で搬送され、その先端が搬送ベルト82に当接する。
搬送ベルト82は、図9中の矢印a方向で示される略鉛直上(略真上)方向に向けて進むように走行しているため、搬送ベルト82に当接した用紙Sの先端は、図10に示すように、グリップローラ81と搬送ベルト82との挟持部(ニップ部)へと搬送され、グリップローラ81と搬送ベルト82との対により略鉛直上方向の下流側へと挟持搬送される。この際、上記したように用紙Sに対しては、搬送ベルト82からその搬送方向に進める搬送推進力が伝達され作用するとともに、搬送ベルト82によりグリップローラ81と搬送ベルト82とのニップ部に向かって方向が変えられるので、高剛性の用紙Sでも搬送不良を生じることなく、安定して搬送できる。
図11〜図14を参照して、第1の実施形態の用紙搬送装置5Aを説明する。図11〜図14に示す第1の実施形態の用紙搬送装置5Aは、図8〜図10に示した第2の例の用紙搬送装置5と比較して、図4および図5に示した単一の給紙モータ23を備えた駆動機構22に代えて、ピックアップローラ60および第1搬送手段6のフィードローラ61をして第1の線速度(以下、「ターン前線速」ともいう)で回転駆動させる第1の搬送駆動手段としての第1搬送モータ29と、第1搬送手段7のグリップローラ81の回転駆動を介して搬送ベルト82を第2の線速度(以下、「ベルト線速」ともいう)で従動回転させる第2の搬送駆動手段としての第2搬送モータ30とを用いた駆動機構である点、第1の線速度(ターン前線速)を検出する第1の線速度検出手段としての用紙線速検知センサ39を付設した点、第2の線速度(ベルト線速)を検出する第2の線速度検出手段としてのベルト線速検知センサ40を付設した点、用紙線速検知センサ39およびベルト線速検知センサ40等からの出力信号に基づいて、第1搬送モータ29および第2搬送モータ30を後述のように制御する制御手段としての制御装置43を用いる点が主に相違する。
本実施形態の用紙搬送装置5Aの最大の特徴は、制御装置43によって、ターン前線速およびベルト線速の何れか一方を、相対的に可変とする点、換言すれば制御装置43によって、ターン前線速とベルト線速の相対速度を変える点にある。
まず、図13(a)〜(c)に示すように、図9や図10等に示した曲率半径の小さい第1搬送路A(以下、「ターン部」ともいう)を搬送・進行中の用紙(シート)Sが搬送ベルト82の搬送面82aに対して突入角度θaをもって突入した時の用紙先端部の挙動を考えたとき、厚紙等の比較的剛性の高い用紙S(例えば上述した実施例1のメートル秤量256g/m2や300g/m2のような紙種)の先端Sfは、搬送ベルト82の搬送面82aに対してターン部において曲がる角度の分、傾斜した角度にて進入することから、用紙Sの先端Sfは搬送ガイド部材71(図13には図示せず、図9等参照)をターン後の方向に紙の腰により曲がりながら進む分だけ用紙Sの後部よりも見かけ上の速度が速くなっている(図3(c)、(d)参照)。
すなわち、図13(d)に示すように、ターン前線速v1で搬送されていた厚紙等の比較的剛性の高い用紙Sの先端Sfが搬送ベルト82に突き当り・当接した後の用紙Sの先端Sfの線速v1’とすると、厚紙等の比較的剛性の高い用紙Sの先端Sfはその先端Sfの線速v1’とターン前線速v1(図13(d)に破線で示す比較的剛性の低い普通紙等の用紙Sの先端Sfのターン前線速v1でもある)とのベクトルの大きさの差分だけ搬送ベルト82の走行方向aの下流側に先に進んでいることとなり、見かけ上の線速度(搬送速度)が速い。この現象は、搬送ベルト82がゴムで形成されていて用紙Sに対する摩擦係数が大きく設定されているため、特に厚紙等の比較的剛性の高い用紙Sの先端Sfの保持力が大きく突っ張りに対して有効に働くことから、スリップ等を起こさないで搬送されるためと考えられる。
上述したように、本実施形態では、搬送ベルト82のベルト線速(第2の線速度)と第1搬送手段6のターン前線速(第1の線速度)の相対速度を用紙Sの進行とともに変える制御が必要であるため、これらの制御を現在の技術水準では図4に示した単一の給紙モータ23だけで行うことは容易ではない。そこで、本実施形態では相対速度の可変制御を容易にするとともに理解しやすくするために、2つの第1および第2搬送モータ29,30を設けて、それぞれ独立した第1および第2の線速度(周速度もしくは搬送速度でもある)の制御を行うこととした。
第1搬送モータ29は、ギヤ列等の駆動力伝達手段を介して、フィードローラ61の軸61aおよびピックアップローラ60の軸60aに連結されていて、フィードローラ61およびピックアップローラ60を回転駆動する。第2搬送モータ30も、ギヤ列等の駆動力伝達手段を介して、グリップローラ81の回転駆動軸81aに連結されていて、グリップローラ81を回転駆動するとともに搬送ベルト82を従動回転させる。第1および第2搬送モータ29,30は、回転速度の変更が容易で制御しやすく小型で比較的安価なステッピングモータからなる。
ベルト線速検知センサ40は、下側のプーリ84に対向する搬送ベルト82の外周近傍に設けられていて、搬送ベルト82の第2の線速度(ベルト線速)を検出するためのセンサである。用紙線速検知センサ39およびベルト線速検知センサ40は、レーザドップラやレーザスペックルなどのセンサからなる。
ベルト線速検知センサ40は、上記センサに限らず、上側のプーリ83にフォトロータリエンコーダ等を用いることで第2の線速度(ベルト線速)を検出するものであってもよい。この場合、上側のプーリ83とともに回転するフォトロータリエンコーダの単位時間当たりの光パルス数をフォトロータリエンコーダ・センサが検出することで出力信号を生成するため、その出力信号に基づいて制御装置43内のCPU44の計算によって第2の線速度(ベルト線速)を知ることができる。
CPU44は、上記入力ポートおよび各センサ入力回路等を介して、操作部としての操作パネル95の上記スタートスイッチや各種キー(図示せず)、用紙線速検知センサ39およびベルト線速検知センサ40と電気的に接続されている。
CPU44は、操作パネル95に配設されている前記高剛性用紙選択キーからの出力信号に基づいて、例えば上述の実施例1で述べたようなメートル秤量が256〜300g/m2の厚紙等の比較的剛性の高い用紙Sが収納されている給紙段の給紙トレイ51から該用紙Sを給送・搬送させるように用紙搬送装置5Aの各駆動手段を起動制御する機能を有する。本実施形態を含め、以下の各実施形態や変形例等では何れも比較的剛性の高い用紙Sを給送・搬送するときの制御に関するものであるため、「CPU44は、操作パネル95に配設されている前記高剛性用紙選択キーからの出力信号に基づいて、例えば上述の実施例1で述べたようなメートル秤量が256〜300g/m2の厚紙等の比較的剛性の高い用紙Sが収納されている給紙段の給紙トレイ51から該用紙Sを給送・搬送させるように用紙搬送装置5Aを起動制御する」という説明は省略する。
また、CPU44は、前記出力ポートおよび図示しないモータ駆動回路を介して、第1搬送モータ29および第2搬送モータ30に電気的に接続されていて、これらのモータ29,30を駆動制御する指令信号を前記各モータ駆動回路に送信する。
ROM45には、CPU44が後述する制御機能を発揮するための、「図示しない各モータ駆動回路を介して第1搬送モータ29および第2搬送モータ30に供給するパルス数の関係データ」、「図示しない各モータ駆動回路を介して第1または第2の線速度(ターン前線速またはベルト線速)を変えるための第1搬送モータ29または第2搬送モータ30に供給するパルスの周波数との関係データ」や「各図に示されている第1または第2の線速度(ターン前線速またはベルト線速)を変えるためのプログラム」、あるいは「後述する関係式や条件式等に関する関係データ」等が予め記憶されている。前記タイマは、時間を計時する計時手段としての機能を有する。
また、CPU44は、第1の制御機能に加えて、第1搬送手段6により搬送されてきた用紙Sの先端が搬送ベルト82の搬送面82aに接触した時から第2搬送手段7のニップ部により挟持・搬送され始める前までは、ターン前線速v1が一定となるように第1搬送モータ29を制御し、かつ、少なくとも第2搬送手段7のニップ部により挟持・搬送され始める直前までにはベルト線速v2が瞬時に減速し切り替えられてターン前線速v1と等しくなるように第2搬送モータ30を制御する第2の制御機能を有する。
なお、用紙Sの先端が第1搬送手段6を通過する前のターン前線速v1の具体的な設定速度に関しては、2枚目以降の用紙Sの先端が先に搬送されている1枚目の用紙Sの後端と接触しない適正な紙間距離(シート間距離)を保持するような速度に適宜設定されることは無論である(以下、同様)。
第3に、ターン前線速とベルト線速の相対速度を変える方法として、ベルト線速を瞬時に減速するように切り替える構成を有することにより、相対速度を簡単な構成にて変化させることが可能となり、それにより省スペース、コスト安などの利点・効果を奏する。
図15を参照して、第2の実施形態を説明する。図15に示す第2の実施形態は、図11〜図14に示した第1の実施形態の用紙搬送装置5Aと比較して、図12に示した制御装置43のCPU44の一部制御機能およびROM45の記憶内容を変更して図15に示した線速度線図を得られるように構成した点が主に相違する。第2の実施形態は、前記相違点以外は、第1の実施形態の用紙搬送装置5Aの制御構成と同様である。
図16を参照して、第1の実施形態の変形例1を説明する。図16に示す第1の実施形態の変形例1(以下、「変形例1」ともいう)は、図11〜図14に示した第1の実施形態の用紙搬送装置5Aと比較して、図12に示した制御装置43のCPU44の一部制御機能およびROM45の記憶内容を変更して図16(a)、(b)に示した線速度線図を得られるように構成した点が主に相違する。変形例1は、前記相違点以外は、第1の実施形態の用紙搬送装置5Aの制御構成と同様である。
ここで、「ベルト線速v2を連続的に変化させる」とは、図16(a)に示すようにベルト線速v2を用紙Sの搬送に伴う時間とともに連続した値をとることに加え、図16(b)に示すようにベルト線速v2をある時間間隔ごとに段階的に切り替えていくことも含むことを意味する。
図17を参照して、第2の実施形態の変形例2を説明する。図17に示す第2の実施形態の変形例2(以下、「変形例2」ともいう)は、図15に示した第2の実施形態と比較して、図12に示した制御装置43のCPU44の一部制御機能およびROM45の記憶内容を変更して図17(a)、(b)に示した線速度線図を得られるように構成した点が主に相違する。変形例2は、前記相違点以外は、第2の実施形態の用紙搬送装置5Aの制御構成と同様である。
ここで、「ターン前線速を連続的に変化させる」とは、図17(a)に示すようにターン前線速v1を用紙Sの搬送に伴う時間とともに連続した値をとることに加え、図17(b)に示すようにターン前線速v1をある時間間隔ごとに段階的に切り替えていくことも含むことを意味する。
図18および図19を参照して、第3の実施形態を説明する。両図に示す第3の実施形態は、図11〜図14に示した第1の実施形態の用紙搬送装置5Aと比較して、図12に示した制御装置43のCPU44の一部制御機能およびROM45の記憶内容を変更して図19に示した線速度線図を得られるように構成した点が主に相違する。第3の実施形態は、前記相違点以外は、第1の実施形態の用紙搬送装置5Aの制御構成と同様である。
ここで、進入角度θ0とは、図8〜図10に示した用紙搬送装置5や図11に示した用紙搬送装置5Aのように、厚紙等の比較的剛性の高い用紙の他に普通紙や薄紙等も用いて搬送する装置にあっては、図18および図21(a)に示すように、第1搬送手段6のニップ部中心と、第1搬送手段6と第2搬送手段7との用紙搬送経路(第1搬送路A)の外郭方向であって、かつ、ベルト搬送手段8の最も近傍に配置されている搬送ガイド部材71の下流端(図において上端)とを通る直線状の用紙Sの先端部が、搬送ベルト82の搬送面82aに接触し始める時(t=0=t1のとき、θ=θ0)に、第1搬送手段6のニップ部中心を通り搬送ベルト82の搬送面82aに下した垂線kと平行な垂線k’とのなす角を意味する。以下、θ0を、用紙Sの先端部の搬送ベルト82の搬送面82aに対する進入角度という。
進入角度θとは、用紙Sの先端が搬送ベルト82の搬送面82aに接触した以後に時間tとともに変化する場合の角度である。
図18において、用紙Sの先端がめくれを起こさないための一般条件は、v1≦v2…(A1)で与えられる。l(エル)を、第1搬送手段6のニップ部中心から垂線kが搬送ベルト82の搬送面82aと接する接点までの距離とした場合の、第1搬送手段6により搬送される用紙Sの先端の速度vを求める。
v1dt+l×1/cosθ=l×1/cos(θ+dθ)…(1)
dx+ltanθ=ltan(θ+dθ)…(2)
(1)と(2)とから、
(dx+ltanθ)2=v1 2dt2+2v1ldt/cosθ+l2tan2θこれより、
dx2+2dxltanθ+l2tan2θ=v1 2dt2+2v1ldt/cosθ+l2tan2θ
2dxltanθ=2v1ldt/cosθ
∴v=dx/dt=v1/sinθ
これより、条件式(A2)は次のように求まる。
v1/sinθ≦v2…(A2)が求まる。これよりt=0(t1)のとき、θ=θ0であるから、v2≧v1/sinθ0となる。
第2に、ターン前線速とベルト線速の相対速度を変える方法として、ベルト線速を瞬時に減速するように切り替える構成を有することにより、相対速度を簡単な構成にて変化させることが可能となり、それにより省スペース、コスト安などの利点・効果を奏する。
図18および図20を参照して、第4の実施形態を説明する。両図に示す第4の実施形態は、図18および図19に示した第3の実施形態の用紙搬送装置5Aと比較して、図12に示した制御装置43のCPU44の一部制御機能およびROM45の記憶内容を変更して図20に示した線速度線図を得られるように構成した点が主に相違する。第4の実施形態は、前記相違点以外は、第3の実施形態の用紙搬送装置5Aの制御構成と同様である。
第2に、ターン前線速とベルト線速の相対速度を変える方法として、ターン前線速を瞬時に増速するように切り替える構成を有することにより、相対速度を簡単な構成にて変化させることが可能となり、それにより省スペース、コスト安などの利点・効果を奏する。
図21および図22を参照して、第3の実施形態の変形例3を説明する(以下、「変形例3」ともいう)。両図に示す変形例3は、図18および図19に示した第3の実施形態における用紙搬送装置5Aの制御構成と比較して、図12に示した制御装置43のCPU44の一部制御機能およびROM45の記憶内容を変更して図22(a)、(b)に示した線速度線図を得られるように構成した点が主に相違する。変形例3は、前記相違点以外は、図18および図19を用いて説明した第3の実施形態における用紙搬送装置5Aの制御構成と同様である。
図18および図21(a)において、用紙Sの先端が搬送ベルト82の搬送面82aに接触する前までは、v2>v1/sinθ0…(B1)で与えられる。
図18および図21(b)において、用紙Sの先端が搬送ベルト82の搬送面82aに接触後から第2搬送手段7のニップ部に挟持・搬送される前までは、
v2>v1/sinθ0…(B2)
この際、θ=cos−1{1/(v1×t/l+1/cosθ0)}となることを求める。図18において、l/cos(θ+dθ)=l/cosθ+vdt
これより、dθ/dt=v×cos2θ/l×sinθ
1/cosθ=v×t/l+C t=0のとき、θ=θ0
∴θ=cos−1{1/(v1×t/l+1/cosθ0)}
図21(c)において、用紙Sの先端が第2搬送手段7のニップ部に挟持された以後は、v2=v1…(B3)
v2≧v1/sinθ0もしくはv2≒v1/sinθ0の関係式(但し、θ0:用紙Sの先端部の搬送ベルト82の搬送面82aに対する進入角度)を満足する線速となるように、用紙Sの先端が搬送ベルト82の搬送面82aに接触した後、第2搬送手段7のニップ部により挟持・搬送され始める前までは、
v2≧v1/sinθもしくはv2≒v1/sinθ、
但し、θ=cos−1{1/(v1×t/l+1/cosθ0)}の関係式を満足する線速となるように、用紙Sの先端が第2搬送手段7のニップ部により挟持・搬送され始めた時以後は、v2=v1の関係式を満足する線速となるように、第1搬送モータ29および第2搬送モータ30を制御する第1の制御機能を有することが主に相違する。
ここで、「ベルト線速v2を連続的に変化させる」とは、図22(a)に示すようにベルト線速v2を用紙Sの搬送に伴う時間とともに連続した値をとることに加え、図22(b)に示すようにベルト線速v2をある時間間隔ごとに段階的に切り替えていくことも含むことを意味する。
v2≧v1/sinθもしくはv2≒v1/sinθ、
但し、θ=cos−1{1/(v1×t/l+1/cosθ0)}の関係式を満足する線速となるように、ベルト線速v2は徐々に減速され、用紙Sの先端が第2搬送手段7のニップ部に挟持・搬送される時間t2より速いタイミングで、ベルト線速v2はターン前線速v1と等しくなるように、連続的に変化し切り替わる。
なお、図22(a)、(b)に破線で示す減速曲線は、v=v1/sinθ、
θ=cos−1{1/(v1×t/l+1/cosθ0)}の場合を示している。
そして、用紙Sの先端が第2搬送手段7のニップ部により挟持・搬送され始めた時以後は、「ベルト線速v2=ターン前線速v1」とすることで、用紙Sの先端のニップ部での擦れなどの問題も起こすことなく搬送することができるという効果を奏する。
図21および図23を参照して、第4の実施形態の変形例4を説明する(以下、「変形例4」ともいう)。両図に示す変形例4は、図18および図20に示した第4の実施形態における用紙搬送装置5Aの制御構成と比較して、図12に示した制御装置43のCPU44の一部制御機能およびROM45の記憶内容を変更して図23(a)、(b)に示した線速度線図を得られるように構成した点が主に相違する。変形例4は、前記相違点以外は、図18および図20を用いて説明した第4の実施形態における用紙搬送装置5Aの制御構成と同様である。
v2≧v1/sinθ0もしくはv2≒v1/sinθ0の関係式(但し、θ0:用紙Sの先端部の搬送ベルト82の搬送面82aに対する進入角度)を満足する線速となるように、用紙Sの先端が搬送ベルト82の搬送面82aに接触した後、第2搬送手段7のニップ部により挟持・搬送され始める前までは、
v2≧v1/sinθもしくはv2≒v1/sinθ、
但し、θ=cos−1{1/(v1×t/l+1/cosθ0)}の関係式を満足する線速となるように、用紙Sの先端が第2搬送手段7のニップ部により挟持・搬送され始めた時以後は、v2=v1の関係式を満足する線速となるように、第1搬送モータ29および第2搬送モータ30を制御する第1の制御機能を有することが主に相違する。
ここで、「ターン前線速v1を連続的に変化させる」とは、図23(a)に示すようにターン前線速v1を用紙Sの搬送に伴う時間とともに連続した値をとることに加え、図23(b)に示すようにターン前線速v1をある時間間隔ごとに段階的に切り替えていくことも含むことを意味する。
v2≧v1/sinθもしくはv2≒v1/sinθ、
但し、θ=cos−1{1/(v1×t/l+1/cosθ0)}の関係式を満足する線速となるように、ターン前線速v1は徐々に増速され、用紙Sの先端が第2搬送手段7のニップ部に挟持・搬送される時間t2より速いタイミングで、ターン前線速v1はベルト線速v2と等しくなるように、連続的に変化し切り替わる。
なお、図23(a)、(b)に破線で示す減速曲線は、v=v1/sinθ、
θ=cos−1{1/(v1×t/l+1/cosθ0)}の場合を示している。
そして、用紙Sの先端が第2搬送手段7のニップ部により挟持・搬送され始めた時以後は、「ベルト線速v2=ターン前線速v1」とすることで、用紙Sの先端のニップ部での擦れなどの問題も起こすことなく搬送することができるという効果を奏する。
図24を参照して、第5の実施形態を説明する。同図に示す第5の実施形態は、例えば図18および図19に示した第3の実施形態における用紙搬送装置5Aの制御構成と比較して、図12に示した制御装置43のCPU44の一部制御機能およびROM45の記憶内容を変更して図24に示した線速度線図を得られるように構成した点が主に相違する。第5の実施形態は、前記相違点以外は、図18および図19を用いて説明した第3の実施形態における用紙搬送装置5Aの制御構成と同様である。
なお、第5の実施形態は、別言すれば、例えば図14を用いて説明した第1の実施形態における用紙搬送装置5Aの制御構成と比較して、図12に示した制御装置43のCPU44の一部制御機能およびROM45の記憶内容を変更して図24に示した線速度線図を得られるように構成したとみなすこともできる。
上記例や上記実施形態等では、図4および図5に示した駆動機構22や、図11に示した駆動機構のようにグリップローラ81側を駆動側に設定したことにより、次の利点が得られる。すなわち、ベルト搬送手段8の搬送ベルト82は、駆動機構22や図11に示した駆動機構により回転駆動されるグリップローラ81(回転搬送駆動手段・回転搬送駆動部材)と直接接触して連れ回る構成であるので、搬送ベルト82側を駆動する場合よりもグリップローラ81側を駆動した方が、搬送ベルト82の線速度のばらつきを小さくできる。これにより、第1搬送路A(用紙搬送経路)のターンの外側(外郭方向)に第2搬送手段7の挟持部に向けて回転する搬送ベルト82を配置することで、第1搬送路Aのターン部での厚紙等の比較的剛性の高い用紙搬送性の向上を可能とし、搬送ベルト82と対向し直接接触するグリップローラ81を駆動し、搬送ベルト82を連れ回りさせることで、安定した線速度で用紙を第2搬送手段7以降に搬送させることが可能となる。
この場合、搬送ベルト82の線速度は、搬送ベルト82の内側に設けたプーリ83の外径および回転数以外に、構成部品バラツキによる搬送ベルト82の厚さのばらつき、搬送ベルト82の磨耗による厚さの影響、あるいは搬送ベルト82とプーリ83との間のスリップの影響を受ける。このため、搬送ベルト82側を駆動するよりグリップローラ81側を駆動した方が、搬送ベルト82の線速度のばらつきを小さくできる。
なお、上述したほどの効果をそれ程望まなくても良いのであれば、例えば駆動機構22や図11に示した駆動機構からグリップローラ81を駆動する駆動系を除去してグリップローラ81を従動側とし、かつ、搬送ベルト82側を図示しない駆動機構で駆動するようにしてもよい。
すなわち、上記の実施形態や変形例等では、その互いに異なる用紙(シート)搬送方向として、略水平方向からこれに対する垂直方向の上向き(略鉛直上方向)に変更する例を説明したが、これに限られることなく、略水平方向から垂直方向の下向き(略鉛直下方向)に変更したり、垂直方向の下向きか、上向きの何れかから略水平方向に変更したり(例えば、図25(a)参照)、あるいは両方が斜め方向等であったりしてもよい。
また、ローラ部材やコロ部材を配置していない前記のいくつかの間隔に、それぞれ上記した各実施形態における外郭方向および内郭方向のいくつかのガイド部材が形成したガイド面を位置させた構成としてよい。これらのガイド面としては、搬送方向の搬送中心線に対して適宜の規則的な対称に配置されていれば、用紙(シート)搬送方向に帯状のガイド面を形成したり、略線状のガイド面を形成したり、適宜、これらを混在させてもよい。
カラー複写機では、転写体で用紙(シート)を搬送しながら順次転写して重ね合わせる直接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置や、中間転写体としての無端状の中間転写ベルトに転写した後、用紙に一括転写するタンデム型の画像形成装置においても同様に適用し実施することができる。無論、無端ベルト状の感光体が単一の画像形成装置においても同様に適用し実施することができる。
本発明は、孔版印刷機等を含む印刷装置において、シート収容手段(給紙トレイ)やシート積載手段(給紙台)からシート(用紙)を印刷部本体に搬送して供給するシート搬送装置にも適用してもよい。
さらには、画像形成装置として、複写機に限られることなく、ファクシミリ、プリンタ、インクジェット記録装置、印刷装置、原稿から画像を読み取るスキャナを有し画像読取機能を主体にした画像読取装置等またはそれらのうちの少なくとも二つを組み合わせた複合機等に適用してもよい。何れにしても、多種多様な紙種としてのシート種類を搬送対象にして、このシートの搬送経路上で省スペース化を図りながら、そのシート搬送方向を変更する必要がある機器や装置において、最適なシート搬送装置とすることができる。
2 画像形成装置本体
3 給紙装置
4 原稿読取装置
5A 用紙搬送装置(シート搬送装置)
6 第1搬送手段(第1搬送手段6)
7 第2搬送手段(第2の搬送手段)
8 ベルト搬送手段(移動案内手段)
9 排紙トレイ
10 感光体ユニット
10A 感光体
11 定着装置
12 現像装置
13 転写装置
21 レジストローラ対
29 第1搬送モータ(駆動手段)
30 第2搬送モータ(駆動手段)
39 用紙線速検知センサ(第1の線速度検出手段)
40 ベルト線速検知センサ(第2の線速度検出手段)
43 制御装置(制御手段)
44 CPU(制御手段の制御構成)
45 ROM(制御手段の制御構成)
50 底板(シート積載手段)
51 給紙トレイ(シート収容手段)
60 ピックアップローラ
61 フィードローラ(第1搬送手段6の対向対の一方)
62 リバースローラ(第1搬送手段6の対向対の他方)
67 手差しトレイ
70 搬送ガイド部材(内郭側、ガイド部材)
71 搬送ガイド部材(外郭側、ガイド部材)
72 搬送ガイド部材(縦方向搬送路の外郭側、ガイド部材)
73 搬送ガイド部材(給紙トレイから搬送経路への導入口形成用)
79 開閉ガイド(シート搬送装置本体)
80 ハウジング(シート搬送装置本体)
81 グリップローラ(第2の搬送手段の対向対の一方、回転搬送駆動手段、回転搬送駆動部材)
81a グリップローラの回転駆動軸
82 搬送ベルト(第2の搬送手段の対向対の他方としてのベルト)
82a 搬送ベルトの搬送面
83 プーリ(第1搬送手段6の対向対の一方としてのベルト搬送手段の構成部材、第1のベルト保持回転部材)
83a プーリ軸(ベルト保持回転部材の下流側の軸)
84 プーリ(第1搬送手段6の対向対の一方としてのベルト搬送手段の構成部材、第2のベルト保持回転部材)
84a プーリ軸
A 第1搬送路(シート搬送経路)
B 第2搬送路(シート搬送経路)
R1 搬送路
R2 手差給紙路
R3 反転搬送路
S 用紙(シート・シート状記録媒体、被画像形成媒体)
Y 用紙幅方向(シート幅方向)
v1 ターン前線速(第1の線速度)
v2 ベルト線速(第2の線速度)
t1 搬送ベルトの搬送面に用紙の先端が接触した時間
t2 第2搬送手段のニップ部に用紙の先端が挟持・搬送され始めた時間
θ、θ0 進入角度
θa 突入角度
Claims (16)
- シートを第1の線速度で搬送する第1の搬送手段と、
第1の搬送手段のシート搬送方向の下流側に配置され、第1の搬送手段により搬送されてきたシートを前記第1の搬送手段のシート搬送方向と異なるシート搬送方向に搬送する第2の搬送手段とを有し、
第1の搬送手段および第2の搬送手段のうちの少なくとも第2の搬送手段は、シートを挟持して搬送する挟持部を形成する挟持搬送手段であり、
第1の搬送手段と第2の搬送手段との間に形成されるシート搬送経路の外郭方向に配置され、前記挟持部に向けてシートを第2の線速度で搬送するベルトを備えたベルト搬送手段を具備し、
第1の線速度および第2の線速度の何れか一方の線速度が、相対的に可変であることを特徴とするシート搬送装置。 - シートを第1の線速度で搬送する第1の搬送手段と、
第1の搬送手段のシート搬送方向の下流側に配置され、第1の搬送手段により搬送されてきたシートを前記第1の搬送手段のシート搬送方向と異なるシート搬送方向に搬送する第2の搬送手段と、
第1の搬送手段と第2の搬送手段との間に形成される第1のシート搬送経路と、
第2の搬送手段の上流から第2の搬送手段に至って形成され、第1のシート搬送経路と異なる第2のシート搬送経路と、
第1のシート搬送経路と第2のシート搬送経路とが、第2の搬送手段の上流側で合流する合流搬送経路とを有し、
第1の搬送手段および第2の搬送手段のうちの少なくとも第2の搬送手段は、シートを挟持して搬送する挟持部を形成する挟持搬送手段であり、
前記合流搬送経路の外郭方向に配置され、前記挟持部に向けてシートを第2の線速度で搬送するベルトを備えたベルト搬送手段を具備し、
第1の線速度および第2の線速度の何れか一方の線速度が、相対的に可変であることを特徴とするシート搬送装置。 - 第1の搬送手段により搬送されてきたシートの先端が前記ベルトの搬送面に接触する前から接触した後であって前記挟持部により挟持・搬送され始める前までは、第2の線速度が第1の線速度よりも速い線速度でシートを搬送し、
シートの先端が前記挟持部により挟持・搬送され始めた時以後は、第2の線速度が第1の線速度と等しい線速度でシートを搬送することを特徴とする請求項1または2記載のシート搬送装置。 - 第1の線速度をv1とし、第2の線速度をv2とし、シートの先端部の前記ベルトの搬送面に対する進入角度をθ0とした場合、第1の搬送手段により搬送されてきたシートの先端が前記ベルトの搬送面に接触する前から接触した後であって前記挟持部により挟持・搬送され始める前までは、
v2≧v1/sinθ0もしくはv2≒v1/sinθ0の関係式を満足する線速度で、
シートの先端が前記挟持部により挟持・搬送され始めた時以後は、
v2=v1の関係式を満足する線速度で、シートを搬送することを特徴とする請求項1または2記載のシート搬送装置。 - 第1の線速度をv1とし、第2の線速度をv2とし、シートの先端部の前記ベルトの搬送面に対する進入角度をθ0とした場合、シートの先端が前記ベルトの搬送面に接触する前までは、
v2≧v1/sinθ0もしくはv2≒v1/sinθ0の関係式を満足する線速度で、
シートの先端が前記ベルトの搬送面に接触した後の任意の時間をtとし、時間t以後の変化する進入角度をθとし、第1の搬送手段の挟持部中心から前記ベルトの搬送面に下した垂線と前記搬送面との接点までの距離をlとした場合、シートの先端が前記ベルトの搬送面に接触した後、前記挟持部により挟持・搬送され始める前までは、
v2≧v1/sinθもしくはv2≒v1/sinθ、但し、θ=cos−1{1/(v1×t/l+1/cosθ0)}の関係式を満足する線速度で、
シートの先端が前記挟持部により挟持・搬送され始めた時以後は、
v2=v1の関係式を満足する線速度で、シートを搬送することを特徴とする請求項1または2記載のシート搬送装置。 - 第1の搬送手段により搬送されてきたシートの先端が前記ベルトの搬送面に接触した時から前記挟持部により挟持・搬送され始める前までは、第2の線速度を一定として、第1の線速度を変えることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一つに記載のシート搬送装置。
- 第1の線速度を、増速するように変えることを特徴とする請求項6記載のシート搬送装置。
- 第1の搬送手段により搬送されてきたシートの先端が前記ベルトの搬送面に接触した時から前記挟持部により挟持・搬送され始める前までは、第1の線速度を一定として、第2の線速度を変えることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一つに記載のシート搬送装置。
- 第2の線速度を、減速するように変えることを特徴とする請求項8記載のシート搬送装置。
- 第1の線速度または第2の線速度を連続的に変えることを特徴とする請求項3ないし9の何れか一つに記載のシート搬送装置。
- 第1の搬送手段により搬送されてきたシートの先端が前記ベルトの搬送面に接触する前までは、第2の線速度が第1の線速度よりも速い線速度で、シートを搬送し、
第1の搬送手段により搬送されてきたシートの先端が前記ベルトの搬送面に接触した後であって前記挟持部により挟持・搬送され始める前までは、第1の線速度が第2の線速度よりも一時的に速い線速度でシートを搬送し、
シートの先端が前記挟持部により挟持・搬送され始めた時以後は、第2の線速度が第1の線速度と等しい線速度でシートを搬送することを特徴とする請求項1または2記載のシート搬送装置。 - 第1の線速度を検出する第1の線速度検出手段および第2の線速度を検出する第2の線速度検出手段のうちの少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1ないし11の何れか一つに記載のシート搬送装置。
- シートは、比較的剛性の高いシートであることを特徴とする請求項1ないし12の何れか一つに記載のシート搬送装置。
- 請求項1ないし13の何れか一つに記載のシート搬送装置を有することを特徴とする画像読取装置。
- 請求項1ないし13の何れか一つに記載のシート搬送装置および/または請求項14記載の画像読取装置を有することを特徴とする画像形成装置。
- 前記画像形成装置は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機およびインクジェット記録装置の何れか一つ、またはそれらの少なくとも二つを組み合わせた複合機であることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
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