JP2008055780A - 液滴吐出装置及び液体排出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズルから排出された、記録に用いられない液体によって装置内が汚染されることを防止できる液滴吐出装置及び液体排出装置の提供を課題とする。
【解決手段】搬送される記録媒体Pに液滴を吐出する液滴吐出ヘッド20と、液滴吐出ヘッド20のノズルから排出された液体を受け止める液体受け部54と、液体を排出する排出口72と、液体受け部54で受け止めた液体を、排出口72へ導く可動式の液体移送手段70と、を備えた液滴吐出装置10及び液体排出装置とする。
【選択図】図4
【解決手段】搬送される記録媒体Pに液滴を吐出する液滴吐出ヘッド20と、液滴吐出ヘッド20のノズルから排出された液体を受け止める液体受け部54と、液体を排出する排出口72と、液体受け部54で受け止めた液体を、排出口72へ導く可動式の液体移送手段70と、を備えた液滴吐出装置10及び液体排出装置とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、液滴吐出装置及び液体排出装置に関する。
インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)のノズルからインク滴を吐出して記録用紙(記録媒体)に画像を記録するインクジェット記録装置(液滴吐出装置)は、従来から知られている。そして、そのインクジェット記録装置には、ノズル面のノズル部周辺に付着したインクやゴミ等を除去するワイパーブレードが備えられていることが多い(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
特に、記録用紙の全幅に対応可能とされたフルライン型のインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置では、多数のノズルを有しているため、その吐出状態を良好に保つための回復装置が備えられている。すなわち、この回復装置には、ノズル部周辺(ノズル面)を被覆して、そのノズル部のインク乾燥を防止するキャップと、ノズル面に付着した不要インクやゴミ等を払拭して除去するワイパーブレードと、増粘したインクやノズル内の気泡を吸引除去するためにキャップを介して接続される吸引ポンプ等が備えられている。
特開平9−48134号公報
特開2004−202837号公報
本発明は、ノズルから排出された、記録に用いられない液体によって装置内が汚染されることを防止できる液滴吐出装置及び液体排出装置を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の液滴吐出装置は、搬送される記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドのノズルから排出された液体を受け止める液体受け部と、前記液体を排出する排出口と、前記液体受け部で受け止めた液体を、前記排出口へ導く可動式の液体移送手段と、を備えたことを特徴としている。
また、請求項2に記載の液滴吐出装置は、請求項1に記載の液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭する清掃部材を備え、前記液体受け部は、少なくとも前記清掃部材から流れ落ちる液体を受け止め可能に構成されていることを特徴としている。
また、請求項3に記載の液滴吐出装置は、請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置において、前記液体移送手段が、前記液体受け部の内壁面に沿って移動する移動部材を有することを特徴としている。
また、請求項4に記載の液滴吐出装置は、請求項3に記載の液滴吐出装置において、前記排出口が、液体を受ける領域よりも液体移送方向下流側に設けられていることを特徴としている。
また、請求項5に記載の液滴吐出装置は、請求項3に記載の液滴吐出装置において、前記移動部材が、往復移動し、前記排出口が、前記移動部材の移動範囲よりも、往路方向の下流側及び復路方向の下流側に、それぞれ設けられていることを特徴としている。
また、請求項6に記載の液滴吐出装置は、請求項4又は請求項5に記載の液滴吐出装置において、前記移動部材が、前記排出口より所定間隔離れ、かつ前記排出口を越えない位置で停止する構成であることを特徴としている。
また、請求項7に記載の液滴吐出装置は、請求項3乃至請求項6の何れか1項に記載の液滴吐出装置において、前記移動部材が、前記液体受け部の底面に向かって付勢される構成であることを特徴としている。
また、請求項8に記載の液滴吐出装置は、請求項3乃至請求項7の何れか1項に記載の液滴吐出装置において、前記移動部材が、前記清掃部材の移動に連動して移動する構成であることを特徴としている。
また、請求項9に記載の液滴吐出装置は、請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置において、前記液体移送手段が、前記液体受け部に沿って設けられた回転軸の外周面に螺旋状の羽根が取り付けられた構成であることを特徴としている。
また、請求項10に記載の液滴吐出装置は、請求項9に記載の液滴吐出装置において、前記排出口が、液体を受ける領域よりも液体移送方向下流側に設けられていることを特徴としている。
また、請求項11に記載の液滴吐出装置は、請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の液滴吐出装置において、前記液体受け部の底面が、前記排出口に向かって下り傾斜していることを特徴としている。
また、請求項12に記載の液滴吐出装置は、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の液滴吐出装置において、前記ノズル内の液体と前記排出口に導かれた液体とを切り換えて吸引するための切換手段を有することを特徴としている。
また、請求項13に記載の液滴吐出装置は、請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドが、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に架設されるとともに、該記録媒体の搬送方向に複数並設され、前記液体受け部が、前記複数の液滴吐出ヘッドに跨るように配置されるとともに、該液滴吐出ヘッドの架設方向に移動可能に構成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る請求項14に記載の液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、前記ノズルに向けて開口した溝部を有し、該溝部の底部に排出口が設けられた受け部材と、前記受け部材の溝部底面に沿って往復移動する移動部材と、を備えたことを特徴としている。
また、本発明に係る請求項15に記載の液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、前記ノズルに向けて開口した溝部を有し、該溝部の底部に排出口が設けられた受け部材と、前記溝部に沿って設けられた回転軸の外周面に螺旋状の羽根が取り付けられた回転部材と、を備えたことを特徴としている。
また、本発明に係る請求項16に記載の液体排出装置は、搬送される記録媒体の記録に用いられる液体を付与する記録部から排出された液体を受け止める液体受け部と、前記液体を排出する排出口と、前記液体受け部で受け止めた液体を、前記排出口へ導く可動式の液体移送手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、液体受け部の占める体積の増大を抑えつつ、ノズルから排出された、記録に用いられない液体が液体受け部に残る量を抑制できる。例えば、従来のフルライン型のインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置の回復装置では、ノズル数が多いことや拭き取り面積が大きいため、ノズル面を払拭した際に除去した廃インク量が多くなり、払拭部材の下方に、その廃インクが多量に流れ落ち、インク受け部から溢れ出したり、吸収部材が飽和状態となってその吸収部材から漏れ出したりして、装置内を汚染してしまう場合があったが、請求項1に記載の発明によれば、液体の堆積や溢れ出しを防止することができる。よって、装置内が液体で汚染されることを防止できる。
請求項2に記載の発明によれば、ノズル面を払拭するときに、払拭される液体の量が多くても確実にその液体を受け止めて排出することができる。したがって、ノズル面を液体で湿潤させて払拭する場合に、特に有効となる。
請求項3に記載の発明によれば、比較的簡単な構成で液体を排出口へ導くことができる。よって、製造コストが安価で済む。
請求項4に記載の発明によれば、移動部材で移送した液体が液体受け部に残る量をより少なくすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、移動部材の往復移動で液体の排出処理ができるので、より液体の残留(移送残し)量を低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、液体受け部からの液体の排出動作終了後、その液体が液体受け部に残る量を抑えることができる。
請求項7に記載の発明によれば、移動部材の高さが可変となる。したがって、液体受け部の底面が平面でなかったり(歪みや残液等で凹凸になっていたり)、製造誤差で液体受け部の底面と移動部材の移動方向が平行でなくても、その移動部材を液体受け部の底面に追従させることができる。よって、液体受け部に堆積した液体の残留をより少なくできる。
請求項8に記載の発明によれば、受け止めた液体の粘度が乾燥によって上がらないうちに排出することができるので、液体が液体受け部に残り難い。
請求項9に記載の発明によれば、外周面に螺旋状の羽根が設けられた回転軸を回転させるだけで良いため、部品点数が少なく、構造上の信頼性が高い。
請求項10に記載の発明によれば、移送した液体が液体受け部に残らないようにできる。
請求項11に記載の発明によれば、重力を利用することができるので、液体を効率よく排出することができる。
請求項12に記載の発明によれば、部品点数及び製造コストの増加を防止することができ、装置を小型化することができる。
請求項13に記載の発明によれば、液滴吐出ヘッドが複数あっても、液体受け部の数量を少なくすることができる。したがって、部品点数及び製造コストの増加を防止することができ、装置を小型化することができる。
請求項14又は請求項15に記載の発明によれば、液体受け部の占める体積の増大を抑えつつ、ノズルから排出された、記録に用いられない液体が液体受け部に残る量を抑制できる。
請求項16に記載の発明によれば、液体受け部の占める体積の増大を抑えつつ、記録に用いられない液体が液体受け部に残る量を抑制できる。このため、例えば、大量の液体が排出された場合でも、液体の堆積や溢れ出しを防止することができる。よって、装置内が液体で汚染されることを防止できる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。図1、図2では、本発明に係る液滴吐出装置の一例としてのインクジェット記録装置10の概略構成が示されている。したがって、以下において、液滴吐出ヘッドをインクジェット記録ヘッド20とし、記録媒体を記録用紙Pとして説明をする。
図1、図2で示すように、インクジェット記録装置10は、記録用紙Pが収容される給紙部12と、この給紙部12から供給された記録用紙Pに画像を記録する画像記録部14と、画像記録部14へ記録用紙Pを搬送する搬送手段16と、画像記録部14によって画像が記録された記録用紙Pを収容する排紙部18と、を有している。
画像記録部14は、インクジェット記録ヘッド20を有している。このインクジェット記録ヘッド20は、多数のノズル(液滴の吐出口)が形成されたノズル面を有するヘッドユニット21(図5参照)が、記録用紙Pの搬送方向と交差(直交)する方向に複数(例えば8個)並設されて構成され、インクジェット記録装置10での画像記録が想定される記録用紙Pの最大幅と同程度か、又はそれ以上の記録可能領域を有している。
また、インクジェット記録ヘッド20は、記録用紙Pの搬送方向に対して、その上流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に等間隔に並設されており、サーマル方式や圧電方式等の公知の手段によって、インク滴が吐出されるように構成されている。なお、そのインクとしては、水性インク、油性インク、溶剤系インク等、各種インクが使用可能である。また、インクジェット記録装置10には、各インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kにインクを供給するインクタンク22Y、22M、22C、22Kが配設されている。
更に、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kには、回復装置としてのメンテナンスユニット40が備えられている。このメンテナンスユニット40は、ラック・ピニオン等の移動手段(図示省略)により、印刷時における待機位置(図1参照)と、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kをメンテナンスする実行位置(図2参照)とに移動可能に構成されている。
メンテナンスユニット40は、図4の平面視で矢印W方向に1列に並んだ各色毎のキャップ44Y、44M、44C、44Kと、そのキャップ44Y〜44Kを一体的に支持するキャップユニット42Y、42M、42C、42Kと、各色毎にインクジェット記録ヘッド20Y〜20Kのノズル面を払拭(ワイピング)する清掃部材としてのワイパーブレード50と、キャップユニット42Y〜42K内を負圧にする吸引ポンプ48等を有している。
各インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kをメンテナンスする際には、各インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kが一体となって所定高さ上昇し、メンテナンスユニット40が記録用紙Pの搬送方向と反対の方向に移動して、各インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kのノズル面に対して、キャップ44Y〜44Kをそれぞれ対向配置させるようになっている。このように、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kは、回復動作等を実行可能なように、上下方向に移動可能に構成されている。
一方、給紙部12中の記録用紙Pは、ピックアップローラー24によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラー対25によって画像記録部14へ送られるようになっている。インクジェット記録装置10に設けられる搬送手段16は、記録用紙Pの印刷面をインクジェット記録ヘッド20に対面させるための搬送ベルト30を有しており、この搬送ベルト30は、用紙搬送方向下流側に配置された駆動ローラー26と、用紙搬送方向上流側に配置された従動ローラー28とに張架されて、図1で示す矢印A方向(図示の反時計回り方向)に循環駆動(回転)するように構成されている。
また、従動ローラー28の上部には、搬送ベルト30の表面側から、その搬送ベルト30に従動する帯電ローラー32が配設されている。この帯電ローラー32によって搬送ベルト30が帯電される(電荷が与えられる)ことにより、記録用紙Pが搬送ベルト30に静電吸着されて搬送される構成である。なお、搬送ベルト30は、記録用紙Pを静電吸着して保持する構成に限定されるものではなく、記録用紙Pとの摩擦により、あるいは記録用紙Pを吸引や粘着などの非静電的手段によって保持する構成にしてもよい。
また、搬送ベルト30の下方には、反転部34が設けられており、両面印刷するときには、複数の搬送ローラー対36により、記録用紙Pが搬送されて、再度インクジェット記録ヘッド20へ供給されるようになっている。そして、排紙部18への搬送路の所定位置にも、複数の搬送ローラー対38が配設されている。なお、図示しないが、このインクジェット記録装置10には、画像信号に応じてインク滴の吐出タイミングと使用するノズルを決定し、そのノズルに駆動信号を印加するインクジェット記録ヘッド20の制御手段と、インクジェット記録装置10全体の動作を制御するシステム制御手段が備えられている。
次に、メンテナンスユニット40の第1実施例について、図3〜図14を基に詳細に説明する。なお、図4において、矢印W方向を幅方向とし、矢印W1方向をワイパーブレード50のワイピング方向、矢印W2方向をワイパーブレード50の復帰方向とする。更に、搬送方向(矢印A方向)と反対の方向である矢印B方向を進行方向とする。また、ヘッドユニット21は、図5において示し、それ以外では簡略化する。
図5で示すように、インクジェット記録ヘッド20は、多数のノズルを有するヘッドユニット21が、記録用紙Pの搬送方向と交差する方向(幅方向)に複数(例えば8個)並べられて構成されており、キャップ44Y〜44Kは、各色毎にヘッドユニット21の数量と同数(この場合は8個)設けられている。すなわち、メンテナンスユニット40は、上方が開口した筐体41内に、平板状とされたキャップステージ43を備えており、キャップステージ43上には、矩形箱状に形成されたキャップユニット42Y〜42Kが、各色毎に設けられている。
各キャップユニット42Y〜42Kの上面には、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kのノズル面(ノズル)を各ヘッドユニット21毎に被覆(キャッピング)し、ノズル内におけるインクの乾燥を防止したり、ノズル面(ノズル)を保護するキャップ44Y〜44Kが、一体的に設けられている。そして、図6で示すように、キャップ44Y〜44Kの周縁部は、弾性体で構成されたリブ部46とされており、キャップ44Y〜44Kのキャッピング時には、このリブ部46がノズル周りのノズル面に密着することにより、密閉空間を形成するようになっている。
また、各キャップ44Y〜44Kの底部は開口しており、例えば4室に区切られた各キャップユニット42Y〜42Kの内部空間と繋がっている。そして、各キャップユニット42Y〜42Kの4室に区切られた内部空間は、それぞれ制御弁45を備えたチューブ49によって、各色毎の減圧タンク51に接続されており、各減圧タンク51は、フレキシブルチューブ47を介して、各色毎の吸引ポンプ48に接続されている。したがって、吸引回復動作を実行する場合には、吸引ポンプ48により減圧タンク51内を負圧にし、所定の制御弁45を開放することで、所定のヘッドユニット21のノズル内からインクを吸引できる構成である。
また、図4、図6で示すように、キャップステージ43の進行方向上流側には、矩形板状の係合部60が幅方向に所定間隔を隔てて2個一対で突設されており、各色のインクジェット記録ヘッド20Y〜20Kを一体的に保持するヘッドホルダー64の搬送方向下流側の下面に突設された矩形板状の被係合部66に係合可能とされている。なお、係合部60と被係合部66との配設位置に誤差があっても係合可能となるように、係合部60の幅が、被係合部66の幅よりも大きく形成されている。また、係合部60及び被係合部66を設ける位置や形状等は、図示のものに限定されるものではなく、設計変更可能なものである。
キャップステージ43の進行方向下流側の壁面には、付勢部材としての引っ張りコイルバネ62の一端が取り付けられており、そのコイルバネ62の他端は、筐体41の進行方向下流側の側壁41Aに取り付けられている。これにより、キャップステージ43は、筐体41内において、常に進行方向下流側へ付勢される構成である。なお、キャップステージ43は、進行方向上流側(搬送方向下流側)の壁面に、付勢部材としての圧縮コイルバネ(図示省略)を設けて、進行方向に付勢される構成にしても構わない。また、キャップステージ43の下面には、筐体41に対して移動可能となるように、複数(例えば4個)の車輪39が設けられている。
また、キャップ44Y〜44Kの上方で、筐体41の幅方向における側壁41B、41C間には、進行方向に所定間隔を隔てて一対のシャフト52が軸架されている。そして、各色のインクジェット記録ヘッド20Y〜20Kのノズル面を同時に払拭(ワイピング)できるように、ワイパーブレード50が複数枚(この場合は4枚)取り付けられたインク受け部54(後述)が、そのシャフト52に沿って幅方向に往復移動可能となるように構成されている。
ワイパーブレード50は、ゴム等の板状弾性体で構成されており、インク受け部54の幅方向における一方(図4において下側)の壁面に、各色毎のインクジェット記録ヘッド20Y〜20Kに対応可能なように、進行方向に所定の間隔を隔てて4枚配設されている。そして、各ワイパーブレード50は、インク受け部54の移動に伴って、各色毎のインクジェット記録ヘッド20Y〜20Kのノズル面に対して所定の圧力で摺接(払拭)し、ノズル面に付着しているインクやゴミ(異物)等を除去(清掃)できるようになっている。
インク受け部54は、ノズル面を払拭した際に、ワイパーブレード50を伝って流れ落ちたインクや、予備吐出によって噴射されたインクや、ヘッド内を加圧することでノズル部から排出されるインク等の記録に用いられない廃インク(不要インク)を受け止められるように、上部が開放された矩形箱状に形成されており、その進行方向両端部には一対のシャフト52が挿通されて、そのシャフト52に支持されている。インク受け部54の内部には、進行方向にボールネジ55が軸架されており、進行方向下流側のボールネジ55の端部がインク受け部54の壁面から突出している。そして、その突出したボールネジ55の端部にピニオン56の中心が固着されている。
また、筐体41の進行方向下流側の側壁41Aの内側にはラック58が幅方向に架設されており、ピニオン56が、そのラック58に噛合されている。したがって、インク受け部54が、図示しない駆動源により幅方向に移動すると、ラック58に噛合するピニオン56が回転し、ボールネジ55が回転する構成である。そして、図7で示すように、そのボールネジ55には、移動部材としてのスクレーパー70の連結部70Aが取り付けられており、ボールネジ55が回転すると、スクレーパー70がインク受け部54の内壁面に沿って(進行方向と平行な方向に)往復移動可能となるように構成されている。
なお、インク受け部54は、シャフト52が挿通された方向に配設されたベルト(図示省略)と結合されており、モーター等の駆動源(図示省略)で、プーリー(図示省略)を介してベルトを動作させることで、インク受け部54を幅方向に往復動作させている。また、ベルトの代わりに、シャフト52の1つをボールネジとするとともに、インク受け部54にボールネジと噛合する雌ネジ部を設け、そのボールネジをモーター等の駆動源で回転動作させることで、インク受け部54を往復動作させることも可能である。
図8、図9で示すように、インク受け部54が幅方向上流側から下流側へ(図示の矢印W1方向へ)移動してワイパーブレード50がノズル面をワイピング(払拭)すると、ラック58とピニオン56によってボールネジ55が回転し、図10で示すように、スクレーパー70が進行方向へ往路移動する。そして、図11、図12で示すように、インク受け部54が幅方向下流側から上流側へ(図示の矢印W2方向へ)復帰移動すると、ラック58とピニオン56によってボールネジ55が逆回転し、図13で示すように、スクレーパー70が搬送方向へ復路移動する。これにより、ワイパーブレード50を伝って流れ落ち、インク受け部54で受け止められた廃インク等が所定位置まで移送される構成である。
なお、スクレーパー70は、連結部70Aに、NBRやシリコーン、EPDMなどのゴム部材やスチレン系、オレフィン系、ポリエステル系などの熱可塑性エラストマー等の弾性体で構成された払拭部70Bが取り付けられて構成されており、その払拭部70Bが少なくともインク受け部54の底面54Aに接触(圧接)することで、インク受け部54で受け止めた廃インク等を掻き集められるようになっている。また、インク受け部54の幅方向の移動により、スクレーパー70がインク受け部54の進行方向上流側の端部から進行方向下流側の端部まで移動できるように、各部の寸法等が規定されていることは言うまでもない。
また、インク受け部54の底面54Aで、進行方向上流側の端部には、インク受け部54で受け止め、スクレーパー70で掻き集めた廃インク等を排出するための排出口72が形成されている。この排出口72には、図14で示すように、排出チューブ74の一端が接続されており、その他端は吸引ポンプ48に接続されている。メンテナンスユニット40には、インク受け部54のスクレーパー70で掻き集められた廃インクを排出口72から排出するため、減圧タンク51を介してキャップ44Y〜44Kと接続された吸引ポンプ48を利用して吸引を行う。よって、減圧タンク51側と排出口72側のどちらか一方に吸引圧力の伝達がなされるように、その接続を切り換え可能な制御弁等の切換手段(図示省略)が設けられている。なお、排出チューブ74には、インク受け部54の移動に応じて変形可能な弾性を有するチューブが用いられている。
また、第1実施例のメンテナンスユニット40において、スクレーパー70は、ノズル面に対するワイパーブレード50のワイピング動作前では、進行方向上流側に配置されて待機する。そして、このスクレーパー70は、進行方向に往路移動し、搬送方向(進行方向と逆方向)に復路移動することにより、インク受け部54で受け止めた廃インク等を掻き集める。そのため、排出口72は、進行方向上流側(搬送方向下流側)の端部に設けられる。なお、スクレーパー70の待機位置が反対側(進行方向下流側)であってもよく、この場合には、排出口72も反対側(進行方向下流側)に設けられる。
また、スクレーパー70の移動範囲は、払拭部70Bが排出口72を越えない範囲とすることが好ましい。すなわち、図13の仮想線で示すように、排出口72は、スクレーパー70の払拭部70Bで掻き集めた廃インク等を確実に排出できるようにするため、その払拭部70Bの移動範囲の外側(移動方向下流側)に設けられることが好ましい。但し、スクレーパー70の払拭部70Bの一部が排出口72を越えてしまっても、完全に越えない範囲内であれば、インク受け部54に廃インク等を残留させることなく、排出口72から排出することが可能である。
次に、第1実施例のメンテナンスユニット40を備えたインクジェット記録装置10の作用について説明する。まず、ピックアップローラー24及び搬送ローラー対25により、記録用紙Pを搬送ベルト30上に供給する。搬送ベルト30上に供給され、その搬送ベルト30に吸着保持された記録用紙Pは、インクジェット記録ヘッド20の記録位置へ供給され、その印刷面に画像が記録される。そして、その画像記録終了後、記録用紙Pは搬送ベルト30から剥離され、搬送ローラー対38によって排紙部18へ搬送される。
ここで、回復動作実施指令がなされ、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kをメンテナンス(吸引回復動作)する際には、図3で示すように、まず、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kが、矢印H方向へ所定高さ上昇移動し、搬送手段16(搬送ベルト30の上面)から離隔する。これにより、搬送ベルト30の上面とインクジェット記録ヘッド20Y〜20Kのノズル面との間に、メンテナンスユニット40が進入可能な空隙が形成される。
その後、メンテナンスユニット40を、その空隙に進入させるように、矢印B方向(進行方向)に所定量移動させる。そして、メンテナンスユニット40が、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kと対向する吸引回復動作位置に達する直前のタイミングで一旦停止し、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kがメンテナンスユニット40に接近する方向に所定量下降移動する。これにより、キャップステージ43に突設されている係合部60と、各色のインクジェット記録ヘッド20Y〜20Kを一体的に保持しているヘッドホルダー64に突設されている被係合部66とが係合可能な位置関係となり、キャップユニット42Y〜42Kが位置決め可能となる状態を得る。
その後、更にメンテナンスユニット40が、進行方向(矢印B方向)へ所定量移動すると、キャップステージ43に突設されている係合部60が、ヘッドホルダー64に突設されている被係合部66に係合し、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kとキャップユニット42Y〜42Kとの位置決めが精度よく行われつつ、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kが更に所定量下降することにより、各キャップ44Y〜44Kのリブ部46がインクジェット記録ヘッド20Y〜20Kのノズル面に密着し、そのノズル面に形成されているノズル全体を被覆(キャッピング)する。
こうして、キャップ44Y〜44Kがノズル全体にキャッピングされたら、インク吸引等の回復動作を実行する。すなわち、キャップ44Y〜44K及びキャップユニット42Y〜42K等を介して、吸引ポンプ48により、ノズル内のインクを吸引する。なお、吸引回復動作が終了したら、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kが再び上昇し、キャップ44Y〜44Kがノズル面から離隔する(キャッピングが解除される)。
続いて、メンテナンスユニット40がワイパーブレード50によるワイピング可能位置へ移動し、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kがワイピング可能な高さ位置まで下降する。そして、ワイパーブレード50によるワイピング動作が実施される。すなわち、図8〜図10で示すように、インク受け部54が図示しない駆動源によって、図示の矢印W1方向へ移動することにより、ワイパーブレード50が、各ヘッドユニット21のノズル面に所定の圧力で圧接しつつ、ノズル面に残留しているインク(気泡を抱き込んでいるインクも含む)やゴミ(異物)等を払拭・除去する。
また、このとき、筐体41の幅方向に架設されたラック58に、インク受け部54に軸架されたボールネジ55の端部に固着されたピニオン56が噛合しているので、インク受け部54の移動に伴ってピニオン56が回転し、ボールネジ55が回転する。そして、これにより、スクレーパー70が進行方向へ移動する。ワイパーブレード50によるワイピング動作が終了したら、図11〜図13で示すように、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kが、ワイパーブレード50に接触しない所定位置まで上昇し、インク受け部54が図示しない駆動源によって、図示の矢印W2方向へ移動する。つまり、ワイパーブレード50が元の待機位置まで復帰移動する。
このときも、ラック58にピニオン56が噛合しているので、ボールネジ55が逆回転し、スクレーパー70が搬送方向へ移動する。これにより、ノズル面から払拭・除去され、インク受け部54で受け止められて堆積(貯留)した廃インク等が、スクレーパー70の払拭部70Bによって強制的に搬送方向下流側(進行方向上流側)の端部へ移送される。そして、スクレーパー70の払拭部70Bが排出口72を越えない位置で停止することにより、それよりも搬送方向(インク移送方向)下流側に形成されている排出口72から廃インク等が排出される。また、これに連動して切換手段が切り換えられて吸引ポンプ48が駆動し、排出口72周辺の廃インク等が廃インクタンク76へ排出される。
こうして、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kに対するメンテナンスが終了したら、メンテナンスユニット40を元の待機位置まで移動させ、インクジェット記録ヘッド20Y〜20Kを印字可能な位置まで搬送手段16(搬送ベルト30の上面)に向かって下降移動させる。これにより、印字開始までの動作が全て完了し、再度印刷可能状態となる。
次に、メンテナンスユニット40の第2実施例について説明する。なお、第1実施例と同等の構成及び作用については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。図15〜図19で示すように、第2実施例のメンテナンスユニット40では、排出口72が進行方向下流側(搬送方向上流側)にも設けられている。つまり、この第2実施例のメンテナンスユニット40では、排出口72がインク受け部54の両端部にそれぞれ設けられている。
これによれば、まず、ワイパーブレード50によるワイピング動作によってノズル面を払拭・除去しつつ、インク受け部54によって受け止められた廃インク等が、スクレーパー70の払拭部70Bによって速やかに(乾燥によって粘度が上がらないうちに)掻き集められ、進行方向下流側に形成された排出口72から排出される。そして、ワイパーブレード50によるワイピング動作が終了した後も、インク受け部54に残留している廃インク等が、スクレーパー70の払拭部70Bによって掻き集められて、搬送方向下流側(進行方向上流側)に形成された排出口72から排出される。なお、インクの排出量に応じて、スクレーパー70の移動範囲内に排出口72を追加してもよい。
次に、メンテナンスユニット40の第3実施例について説明する。なお、第1実施例及び第2実施例と同等の構成及び作用については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。図20〜図22で示すように、この第3実施例のメンテナンスユニット40では、インク受け部54で受け止めた廃インク等が排出口72へ流れやすいように、インク受け部54の底面54Aが、進行方向中央部から進行方向下流側端部及び搬送方向下流側(進行方向上流側)端部に行くに従って下降する傾斜面とされている。そして、スクレーパー70の払拭部70Bの高さが、インク受け部54の底面54Aの形状に沿って可変とされている。
すなわち、連結部70Aと払拭部70Bとの間に、圧縮コイルバネ78等の付勢手段が配置されており、払拭部70Bが常時インク受け部54の底面54Aへ付勢される構成になっている。したがって、インク受け部54の底面54Aの形状が平面でなかったり(例えば、その底面54Aに歪みや残留した廃インク等によって凹凸があったり)、製造誤差でインク受け部54の底面54Aとスクレーパー70の移動方向とが平行でなくても、スクレーパー70の払拭部70Bは、その底面54Aの形状に追従して移動可能となるため、インク受け部54内に受け止められた廃インク等は、重力も作用して排出口72から確実に排出される。
次に、メンテナンスユニット40の第4実施例について説明する。なお、第1実施例〜第3実施例と同等の構成及び作用については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。図23、図24で示すように、この第4実施例のメンテナンスユニット40では、ボールネジ55をラック58とピニオン56とで回転させるのではなく、モーター68等の駆動源によって回転させている。つまり、ボールネジ55の進行方向下流側の端部にモーター68を取り付け、そのモーター68の回転駆動力でボールネジ55を回転させてスクレーパー70を移動させている。
ここで、スクレーパー70の払拭部70Bの変形例を図25〜図27を基に説明する。図7で示すように、スクレーパー70の払拭部70Bは、廃インク等を移送したときに、その移送残しが発生しないように、インク受け部54の底面54A及び側面54Bに連続して接触する構成であることが好ましいが、図25、図26で示すように、インク受け部54の側面54Bに接触する部分が少なくても構わない。
つまり、スクレーパー70は、廃インク等の移送残しが発生しない範囲内で、インク受け部54の内壁面に接触していればよく、インク受け部54の少なくとも底面54Aに接触していることが好ましい。なお、図27で示すように、スクレーパー70を底面54A及び側面54Bに非接触状態に配設しても、インク受け部54に貯留した廃インク等を排出口72へ移送することは可能である。
次に、メンテナンスユニット40の第5実施例について説明する。なお、第1実施例〜第4実施例と同等の構成及び作用については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。図28〜図30で示すように、第5実施例のメンテナンスユニット40におけるインク移送手段は、ボールネジ55が回転することによって往復移動するスクレーパー70ではなく、回転軸80Aに螺旋状の羽根(以下「スクリュー部」という)80Bが取り付けられて構成されたオーガースクリュー80とされている。
すなわち、インク受け部54の内部には、進行方向にオーガースクリュー80が架設され、その回転軸80Aの進行方向下流側端部がインク受け部54の壁面から突出している。そして、その突出している回転軸80Aの端部にピニオン56の中心が固着され、そのピニオン56にラック58が噛合している。したがって、インク受け部54の移動に伴い、オーガースクリュー80が回転する構成であり、インク受け部54で受け止めた廃インク等が排出口72へ移送される構成である。なお、その排出口72は、オーガースクリュー80の廃インクを受ける領域(インクジェット記録ヘッド20のノズル直下の領域)よりもインク移送方向下流側に設けられることは言うまでもない。また、移送する廃インク量に応じて、インク受け部54の廃インクを受ける領域内に、排出口72を追加してもよい。
また、インク受け部54の底面54Aは幅方向の断面視で半円形状とされている。オーガースクリュー80のスクリュー部80Bの外周面は、この半円形状とされた底面54Aに必ずしも接触させなくてもよいが、廃インク等をすり抜けさせない程度に接触させる構成とした方が好ましい。このように、オーガースクリュー80とされたインク移送手段によっても、インク受け部54に堆積(貯留)した廃インク等を排出口72へ移送することが可能である。
ここで、オーガースクリュー80の変形例を図31、図32を基に説明する。図31、図32で示すインク受け部54の底面54Aは、排出口72に向かって下り傾斜している。そして、図31で示すオーガースクリュー80は、その傾斜面(底面54A)に合わせて傾いて配置され、回転軸80Aのスクリュー部80Bが形成されている部分と、ピニオン56が固着されている部分の間に、フレキシブルなジョイント部(図示省略)が設けられている。また、図32で示すオーガースクリュー80は、底面54Aの傾斜角度に合わせて、排出口72に向かうに従って径が大きくなる円錐形状とされている。これらの変形例によれば、重力の作用と共に廃インク等を排出口72へ移送することが可能となる。
また、インク受け部54で受け止める廃インクとしては、ワイピング時にワイパーブレード50から流れ落ちるインクの他、予備吐出としてノズルから噴射されるインクや、ヘッド内部の増粘インクや気泡を排出するため、或いはノズル面を湿潤させるために、インクジェット記録ヘッド20のヘッド内のインクを加圧して溢れ出させる際の排出インクがある。
予備吐出やノズルからインクを正圧排出(加圧排出)する場合は、インク受け部54の移動に応じて、かつ、そのインク受け部54でインクを受け止められるタイミングで、ヘッドユニット21毎にインクの排出圧力を制御すればよい。特に、長尺状とされたインクジェット記録ヘッド20では、排出されるインク量が多いので、上記構成のメンテナンスユニット40は有効となる。
なお、上記実施の形態では、インクジェット記録装置10の場合について説明したが、必ずしもインクジェット記録装置10に限られず、例えば印刷装置など、インクなどの液体を用いて記録を行う記録装置であっても、本発明に含まれる。本発明の液体受け部は、液体を一時的に受け止めるとともに、受け止めた液体を排出口に排出する機能を備えていればよい。
液体を一時的に受け止めるためには、鉛直上方に開いた開口を有する凹部(溝部)を有し、重力を利用して液体を受け止めてもよいし、液体をはじく性質の表面で囲まれた領域を形成して、表面エネルギーの差を利用して液体を受け止めるなどの他の方法を用いてもよい。また、液体受け部は、液体を受け止めるために移動可能であってもよいが、固定されていても構わない。
本発明の液体移送手段は、液体受け部で受け止めた液体に対して、排出口の方向に力を及ぼす可動式の部材であれば足り、上記実施の形態に挙げたスクレーパー70やオーガースクリュー80に限られない。また、液体受け部と排出口とは1体の部材として形成されていてもよいが、これに限らず、各々を別部材として形成した上で、組み合わせて構成しても構わない。
ところで、上記実施の形態では、搬送される記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドのノズルから排出された液体を受け止めるとともに、該液体を排出する排出口が設けられた液体受け部と、前記液体受け部で受け止めた液体を、前記排出口へ導く可動式の液体移送手段と、を備えた液滴吐出装置において説明した。
ここで、(A)前記液体移送手段が、前記液体受け部の内壁面に沿って移動する移動部材で構成された場合に、前記移動部材を、少なくとも前記液体受け部の底面に接しているように構成してもよい。この場合には、液体受け部に残る液体の量をより少なくすることができる。また、移動部材が接触する範囲を低減させることができるので、移動部材の移動時に発生する負荷を低減させることができ、移動部材を動かす駆動手段を小型化及び低コスト化することができる。
これとは別に、(B)前記液体移送手段が、前記液体受け部の内壁面に沿って移動する移動部材で構成された場合に、前記移動部材を、前記液体受け部の底面及び側面に連続して接しているように構成してもよい。この場合にも、液体受け部に残る液体の量をより少なくすることができる。
これとは別に、(C)前記液体移送手段が、前記液体受け部の内壁面に沿って移動する移動部材で構成された場合に、前記液体受け部と接触する前記移動部材の払拭部を、弾性体で形成してもよい。この場合には、液体受け部の内壁面に対する密着性が良好となるため、廃インク等が液体受け部に残り難い。
更に、これとは別に、(D)前記液体移送手段が、前記液体受け部に沿って設けられた回転軸の外周面に螺旋状の羽根が取り付けられた構成とした場合に、前記螺旋状の羽根を、少なくとも前記液体受け部の底面に接しているように構成してもよい。この場合には、液体受け部に残る液体の量をより少なくすることができる。
また、これとは別に、(E)前記液体移送手段が、前記液体受け部に沿って設けられた回転軸の外周面に螺旋状の羽根が取り付けられた構成とした場合に、前記液体受け部の底面の断面形状を半円形状とし、前記螺旋状の羽根を、前記液体受け部の断面が半円形状の底面に接しているように構成してもよい。この場合には、廃インク等の移送残しを低減化できる。
10 インクジェット記録装置(液滴吐出装置)
20 インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
40 メンテナンスユニット
42 キャップユニット
44 キャップ
48 吸引ポンプ(吸引手段)
50 ワイパーブレード(清掃部材)
52 シャフト
54 インク受け部(液体受け部/受け部材)
55 ボールネジ(液体移送手段)
56 ピニオン
58 ラック
60 係合部
66 被係合部
68 モーター
70 スクレーパー(移動部材/液体移送手段)
70A 連結部
70B 払拭部
72 排出口
74 排出チューブ
76 廃インクタンク
78 圧縮コイルバネ
80 オーガースクリュー(回転部材/液体移送手段)
80A 回転軸(液体移送手段)
80B スクリュー部(液体移送手段)
P 記録用紙(記録媒体)
20 インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
40 メンテナンスユニット
42 キャップユニット
44 キャップ
48 吸引ポンプ(吸引手段)
50 ワイパーブレード(清掃部材)
52 シャフト
54 インク受け部(液体受け部/受け部材)
55 ボールネジ(液体移送手段)
56 ピニオン
58 ラック
60 係合部
66 被係合部
68 モーター
70 スクレーパー(移動部材/液体移送手段)
70A 連結部
70B 払拭部
72 排出口
74 排出チューブ
76 廃インクタンク
78 圧縮コイルバネ
80 オーガースクリュー(回転部材/液体移送手段)
80A 回転軸(液体移送手段)
80B スクリュー部(液体移送手段)
P 記録用紙(記録媒体)
Claims (16)
- 搬送される記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドのノズルから排出された液体を受け止める液体受け部と、
前記液体を排出する排出口と、
前記液体受け部で受け止めた液体を、前記排出口へ導く可動式の液体移送手段と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭する清掃部材を備え、
前記液体受け部は、少なくとも前記清掃部材から流れ落ちる液体を受け止め可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。 - 前記液体移送手段は、前記液体受け部の内壁面に沿って移動する移動部材を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置。
- 前記排出口は、液体を受ける領域よりも液体移送方向下流側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。
- 前記移動部材は、往復移動し、
前記排出口は、前記移動部材の移動範囲よりも、往路方向の下流側及び復路方向の下流側に、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。 - 前記移動部材は、前記排出口より所定間隔離れ、かつ前記排出口を越えない位置で停止する構成であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の液滴吐出装置。
- 前記移動部材は、前記液体受け部の底面に向かって付勢される構成であることを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
- 前記移動部材は、前記清掃部材の移動に連動して移動する構成であることを特徴とする請求項3乃至請求項7の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
- 前記液体移送手段は、前記液体受け部に沿って設けられた回転軸の外周面に螺旋状の羽根が取り付けられた構成であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出装置。
- 前記排出口は、液体を受ける領域よりも液体移送方向下流側に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出装置。
- 前記液体受け部の底面は、前記排出口に向かって下り傾斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
- 前記ノズル内の液体と前記排出口に導かれた液体とを切り換えて吸引するための切換手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
- 前記液滴吐出ヘッドは、前記記録媒体の搬送方向と交差する方向に架設されるとともに、該記録媒体の搬送方向に複数並設され、
前記液体受け部は、前記複数の液滴吐出ヘッドに跨るように配置されるとともに、該液滴吐出ヘッドの架設方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の液滴吐出装置。 - 液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、
前記ノズルに向けて開口した溝部を有し、該溝部の底部に排出口が設けられた受け部材と、
前記受け部材の溝部底面に沿って往復移動する移動部材と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 液滴を吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、
前記ノズルに向けて開口した溝部を有し、該溝部の底部に排出口が設けられた受け部材と、
前記溝部に沿って設けられた回転軸の外周面に螺旋状の羽根が取り付けられた回転部材と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 搬送される記録媒体の記録に用いられる液体を付与する記録部から排出された液体を受け止める液体受け部と、
前記液体を排出する排出口と、
前記液体受け部で受け止めた液体を、前記排出口へ導く可動式の液体移送手段と、
を備えたことを特徴とする液体排出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006236127A JP2008055780A (ja) | 2006-08-31 | 2006-08-31 | 液滴吐出装置及び液体排出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006236127A JP2008055780A (ja) | 2006-08-31 | 2006-08-31 | 液滴吐出装置及び液体排出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008055780A true JP2008055780A (ja) | 2008-03-13 |
Family
ID=39239080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006236127A Pending JP2008055780A (ja) | 2006-08-31 | 2006-08-31 | 液滴吐出装置及び液体排出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008055780A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104401128A (zh) * | 2009-07-31 | 2015-03-11 | 扎姆泰科有限公司 | 具有固定打印头和活动真空压印板的打印系统 |
US10457052B2 (en) | 2017-09-08 | 2019-10-29 | Ricoh Company, Ltd. | Liquid discharge apparatus and image forming apparatus |
-
2006
- 2006-08-31 JP JP2006236127A patent/JP2008055780A/ja active Pending
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