JP2008055708A - 加熱放電型印字ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】地汚れの発生を防止することができる加熱放電型印字ヘッドを提供する。
【解決手段】マイナスイオンを照射する加熱放電型印字ヘッド1に係る高圧基板9aを、次に示す制御内容を具備するものとした。すなわち、駆動信号を負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負実効最小電圧印加時間bを、直前に印加した負の実効最大電圧v2に係る負実効最大電圧印加時間aより長くならないようにする制御内容である。
【選択図】図6

Description

本発明は、静電潜像形成方式の印刷や複写に利用される加熱放電型印字ヘッドに関する。
近年、静電潜像形成方式の印刷が開発されてきている。さらに詳述すると、この静電潜像形成方式は、イオンの照射を利用する構成であり、イオン生成可能な雰囲気中(大気中)において、放電電極から電子を放電し、大気中に生成されたイオンを絶縁体の静電潜像担持体に照射することにより当該静電潜像担持体上に静電潜像を形成することができるものである(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、水平プリンタ対応型のイオン照射型印字ヘッドの具体的な形状、及びそれを備えた画像形成装置が開示されている。
ここで、特許文献1及び特許文献2に示される加熱放電方式は、放電電極に所定の放電制御電圧を印加した状態で該放電電極への加熱の有無を制御することによりイオンの発生制御を行うものであるため、放電電極に印加する電圧の制御が不要となる。その結果、発熱抵抗体等による加熱の制御に使用する5V駆動のような低耐電圧対応のドライバICで放電の発生を制御することができる。
さらに、国際出願番号PCT/JP2006/304572には、加熱放電型印字ヘッドの駆動方法が示されている。さらに詳述すると、当該出願明細書には、加熱放電型印字ヘッドの放電電極と、記録媒体の裏面側に形成或いは接触又は近接して配設された対向電極と、の間に放電制御電圧に相当する電位差を設定して電界を形成し、発熱抵抗体やレーザ照射部等を備えた加熱手段により放電電極を選択的に加熱し、対向して配置された放電電極と対向電極との間で放電を発生させ、さらに電界によって放電電極から放出させた電子やイオンを記憶媒体の記録面(表面)に移動させることで、その電荷の作用により画像の書き込みや消去を行うことができる、と記載されている。さらに、放電電極に放電制御電圧以下の駆動信号電圧を印加するタイミングと、画像情報に基づいて加熱手段で放電電極を選択的に加熱するタイミングとを同期させた加熱放電側印字ヘッドの駆動方法も示されている。そして、かかる構成の作用として、(1)高電圧の制御が不要となる、(2)イオン発生量のばらつきが低減される、ということが記載されている。なお、放電制御電圧とは、その電位差だけでは加熱放電型印字ヘッドの放電電極と記録媒体側の対向電極との間で放電は起こらないが、放電電極を加熱することにより放電が起こる電圧域をいう。また、放電とは、放電電極から電子が放出されることをいう。
特開2003−326756号公報 WO2005/056297号公報
しかしながら、上述の特許文献1、特許文献2、及び国際出願番号PCT/JP2006/304572に示される構成にあっては、製品化の過程に於いて検討不充分な点がいくつかあり、印画精度が低く、安定した印刷ができない場合があった。例えば、印刷時において、何らかの原因で地汚れが生じて画像が乱れることがあった。そこで、本発明者は、前記の国際出願番号PCT/JP2006/304572で示されている技術内容(装置)に基づき、地汚れが生じない構成を見出した。ここで、地汚れとは、印刷媒体に意図しない印刷が行われてしまう現象をいう。
本発明は、地汚れを防止することができる加熱放電型印字ヘッドを提供することを目的とするものである。
本発明は、電圧印加により発熱する発熱用電極と、該発熱用電極にストローブ電圧を印加するストローブ電圧印加手段と、前記発熱用電極上に配設された絶縁層と、該絶縁層上に配設され、前記発熱用電極によって加熱される放電電極と、交流電圧に負の直流電圧を重畳して生成される駆動信号電圧を、放電電極に印加制御する駆動信号電圧制御手段とを備え、放電電極に対して駆動信号電圧が印加されると共に、発熱用電極に対してストローブ電圧が印加されると、当該発熱用電極により前記放電電極が加熱され、当該放電電極に対置された印刷媒体に向けて当該放電電極の表面からマイナスイオンが照射されて前記印刷媒体に画像が形成されることとなる加熱放電型印字ヘッドにおいて、前記駆動信号電圧制御手段は、負の実効最大電圧と負の実効最小電圧とを備える交流電圧で構成される駆動信号を発信するものであると共に、前記駆動信号を負の実効最大電圧から印加開始されるように発信開始すると共に、前記負の実効最小電圧が印加される負実効最小電圧印加時間を、直前に印加した負の実効最大電圧の負実効最大電圧印加時間より長くならないようにする制御内容を具備するものであることを特徴とする加熱放電型印字ヘッドである。
ここで本発明者は、印刷精度の向上を図るべく実験を幾度も重ねた結果、地汚れに関して次に示すような傾向を見出した。
すなわち、発信した駆動信号の波形が地汚れの発生の有無に影響を及ぼすことがわかった。そして、負の実効最小電圧が印加されている負実効最小電圧印加時間が、直前に印加された負の実効最大電圧の負実効最大電圧印加時間より長くなると地汚れが発生し、これに対し負実効最小電圧印加時間が直前の負実効最大電圧印加時間より長くならないようにすると地汚れが発生しないという傾向性を発見した。ここで、このような地汚れの傾向性について、次のように考察した。
駆動信号の発信を契機に負の実効最大電圧と負の実効最小電圧とを備えた駆動信号電圧(交流電圧)が放電電極に印加されると、特に負実効最大電圧印加時間中に、当該放電電極下に配設された絶縁層に対極の正電荷が当該放電電極に沿って蓄積されると考えられる。一方、上記のような負電圧が印加されている放電電極の表面では、マイナスイオンが発生している状態が生成されていると考えられる。そして、該マイナスイオンが離間して配置された印刷媒体へ到達すると地汚れが発生すると推察できる。
このような地汚れの発生原理にあって、負実効最小電圧印加時間が、直前に印加された負の実効最大電圧に係る負実効最大電圧印加時間より長くなった場合、換言すれば、負実効最大電圧に係る負実効最大電圧印加時間が、直後に印加された負実効最小電圧に係る負実効最小電圧印加時間より短くなった場合、絶縁層に十分な正電荷を蓄積する時間が確保されず、これにより絶縁層に蓄積される正電荷の大きさに制限が生じると考えられる。このため、放電電極上で発生したマイナスイオンと当該絶縁層の正電荷との間で生ずるクーロン力が弱く、マイナスイオンが該クーロン力に抗して印刷媒体に容易に到達してしまい、地汚れが発生してしまうと推察される。
一方、負実効最小電圧印加時間が、直前に印加された負実効最大電圧に係る負実効最大電圧印加時間より長くならなかった場合、換言すれば、負実効最大電圧に係る負実効最大電圧印加時間が、直後に印加された負実効最小電圧に係る負実効最小電圧印加時間より短くならなかった場合、絶縁層に十分な正電荷を蓄積する時間が確保され、これにより絶縁層に蓄積される正電荷が上記例に比して大きくなると考えられる。このため、放電電極上のマイナスイオンと当該絶縁層の正電荷との間で生ずるクーロン力が上記の例に比して強くなり、マイナスイオンがクーロン力に抗して印刷媒体に到達することが困難となって、地汚れが発生しないと推察される。
なお、駆動信号を発信する際には、放電電極に対して負の実効最大電圧から印加開始されるようにする必要がある。かかる構成とすることにより、少なくとも駆動信号の発信直後にあって、負実効最小電圧印加時間が負実効最大電圧印加時間より長くなることがない。
以上のような背景に鑑み、上述した本発明に係る構成とすることにより、地汚れの発生を解消することができる。なお、本発明(請求項1)は、マイナスイオンを照射する構成であって、交流電圧に負の直流電圧を重畳して駆動信号電圧を生成するものであるが、マイナスイオン照射可能な駆動信号電圧における「負の実効最小電圧」は、負の値に限定されない。すなわち、「負の実効最小電圧」がたとえ正の値であっても、「負の実効最大電圧」がマイナスイオン照射可能な程度に十分大きいものであれば良く、このような構成も本発明の範囲に含まれる。例えば、負の実効最大電圧が−100Vで、負の実効最小電圧が+1V(=−(−1V))である構成が挙げられる。ここでは、100>(−1)の大小関係が成立する。
また本発明は、電圧印加により発熱する発熱用電極と、該発熱用電極にストローブ電圧を印加するストローブ電圧印加手段と、前記発熱用電極上に配設された絶縁層と、該絶縁層上に配設され、前記発熱用電極によって加熱される放電電極と、交流電圧に正の直流電圧を重畳して生成される駆動信号電圧を、放電電極に印加制御する駆動信号電圧制御手段とを備え、放電電極に対して駆動信号電圧が印加されると共に、発熱用電極に対してストローブ電圧が印加されると、当該発熱用電極により前記放電電極が加熱され、当該放電電極に対置された印刷媒体に向けて当該放電電極の表面からプラスイオンが照射されて前記印刷媒体に画像が形成されることとなる加熱放電型印字ヘッドにおいて、前記駆動信号電圧制御手段は、正の実効最大電圧と正の実効最小電圧とを備える交流電圧で構成される駆動信号を発信するものであると共に、前記駆動信号を正の実効最大電圧から印加開始されるように発信開始すると共に、前記正の実効最小電圧が印加される正実効最小電圧印加時間を、直前に印加した正の実効最大電圧の正実効最大電圧印加時間より長くならないようにする制御内容を具備するものであることを特徴とする加熱放電型印字ヘッドである。
ここで本発明者は、上述のマイナスイオンを照射する構成に加えて、プラスイオンを照射する構成につき次に示すような傾向を見出した。
すなわち、正の実効最小電圧が印加されている正実効最小電圧印加時間が、直前に印加された正の実効最大電圧に係る正実効最大電圧印加時間より長くなると地汚れが発生し、これに対し正実効最小電圧印加時間が直前の正実効最大電圧印加時間より長くならないと地汚れが発生しないという傾向性を発見した。このような傾向性につき、発明者は次のように考察した。
駆動信号の発信を契機に正の実効最大電圧と正の実効最小電圧とを備えた駆動信号電圧(交流電圧)が放電電極に印加されると、特に正実効最大電圧印加時間に、当該放電電極下に配設された絶縁層に対極の負電荷が当該放電電極に沿って蓄積されると考えられる。一方、上記のような正電圧が印加されている放電電極の表面では、プラスイオンが発生している状態が生成されていると考えられる。そして、該プラスイオンが印刷媒体に到達すると地汚れとして問題となると推察できる。
さらに詳述すると、正実効最小電圧印加時間が、直前に印加された正の実効最大電圧に係る正実効最大電圧印加時間より長くなった場合、換言すれば、正実効最大電圧に係る正実効最大電圧印加時間が、直後に印加された正実効最小電圧に係る正実効最小電圧印加時間より短くなった場合、絶縁層に十分な負電荷を蓄積する時間が確保されず、これにより絶縁層に蓄積される負電荷の大きさに制限が生じると考えられる。このため、放電電極上で発生したプラスイオンと当該絶縁層の負電荷との間で生ずるクーロン力が弱く、プラスイオンが該クーロン力に抗して印刷媒体に容易に到達してしまい、地汚れが発生してしまうと推察される。
一方、正実効最小電圧印加時間が、直前に印加された正実効最大電圧に係る正実効最大電圧印加時間より長くならなかった場合、換言すれば、正実効最大電圧に係る正実効最大電圧印加時間が、直後に印加された正実効最小電圧に係る正実効最小電圧印加時間より短くならなかった場合、絶縁層に十分な負電荷を蓄積する時間が確保され、これにより絶縁層に蓄積される負電荷が上記例に比して大きくなると考えられる。このため、放電電極上のプラスイオンと当該絶縁層の負電荷との間で生ずるクーロン力が上記の例に比して強くなり、プラスイオンが該クーロン力に抗して印刷媒体に到達することが困難となって、地汚れが発生しないと推察される。
なお、駆動信号を発信する際には、放電電極に対して正の実効最大電圧から印加開始されるようにする必要がある。かかる構成とすることにより、少なくとも駆動信号の発信直後にあって、正実効最小電圧印加時間が正実効最大電圧印加時間より長くなることがない。
以上のような背景に鑑み、上述した本発明(請求項2)に係る構成とすることにより、地汚れの発生が解消されることとなる。なお、本発明(請求項2)は、プラスイオンを照射する構成であって、交流電圧に正の直流電圧を重畳して駆動信号電圧を生成するものであるが、かかる駆動信号電圧における「正の実効最小電圧」は、負の値となる場合も含まれる。すなわち、「正の実効最小電圧」がたとえ負の値であっても、「正の実効最大電圧」がプラスイオン照射可能な程度に十分大きいものであれば実施可能であり、このような構成も本発明の範囲に含まれる。
なお、駆動信号の信号波としては、従来から良く知られた矩形波、三角波、台形波、又は正弦波等が適用されうる。
本発明に係るマイナスイオンを照射する加熱放電型印字ヘッドは、駆動信号を負の実効最大電圧から印加開始されるように発信開始すると共に、負実効最小電圧印加時間を、直前の負実効最大電圧印加時間より長くならないようにしたため、国際出願番号PCT/JP2006/304572で開示される構成にあって、地汚れを生じさせることなく適正な印刷が可能となる効果がある。
また、本発明に係るプラスイオンを照射する加熱放電型印字ヘッドは、駆動信号を正の実効最大電圧から印加開始されるように発信開始すると共に、正実効最小電圧印加時間を、直前の正実効最大電圧印加時間より長くならないようにしたため、国際出願番号PCT/JP2006/304572で開示される構成にあって、地汚れを生じさせることなく適正な印刷が可能となる効果がある。
加熱放電型印字ヘッド1は、図1a又は図1bに示されるように、ほぼ箱型に成型加工されたアルミニウム製の放熱板2と、この放熱板2の下端に接続されたヘッド基板4とを備えている。このヘッド基板4は、その下端が湾曲状に折り返し加工されており、その湾曲部に放電電極5が配設されている。
前記放電電極5は、図1bに示されるように、ヘッド基板4の下端縁に沿って梯子型に形成された複数の電子放出部位5aと、各電子放出部位5aの端部に連成した帯状の共通電極5bとで構成されている。なお、後述するように、各電子放出部位5aからは、所定条件下でそれぞれイオンが照射されることとなる。
また、ヘッド基板4の上方には、ほぼ箱形のICカバー9が装着されていると共に、このICカバー9と放熱板2との間に、薄板状のプリント基板8が介装されている。かかる構成により、プリント基板8がICカバー9によって保護されている。また、このプリント基板8の上端部には、外部の制御部(図示省略)に接続されるコネクタ8aが、放熱板2の直上に配置されるようにして取り付けられている。
また、ICカバー9の表面には、放電電極5の共通電極5bに対して電気的に接続された高圧基板9aが設けられている。この高圧基板9aは、共通電極5b(放電電極5)に駆動信号を発信して、電子放出部位5aに高電圧の駆動信号電圧を印加するものである。なお、前記高圧基板9aにより、本発明に係る駆動信号電圧制御手段が構成される。
一方、ICカバー9内であって、ヘッド基板4上には、ドライバIC6が実装されている。このドライバIC6は、後述する発熱用電極11,12の発熱を制御するものであり、ストローブ信号を発信して該発熱用電極11,12に対してストローブ電圧を印加する。なお、上述のヘッド基板4とドライバIC6とにより、放電制御装置7が構成される。また、ドライバIC6により本発明に係るストローブ電圧印加手段が構成される。
次に、図2又は図3に従って、ヘッド基板4について詳述する。
ヘッド基板4は、基板本体を構成する薄板状のフレキシブル基板10を具備している。このフレキシブル基板10は、耐熱性及び絶縁性を有するガラス,ポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂で形成されている。
また、このフレキシブル基板10の上面には、図2又は図3aに示されるように、櫛形状の櫛形発熱用電極11と、細棒状の個別発熱用電極12とが形成されている。さらに詳述すると、図2に示されるように、櫛形発熱用電極11は、狭幅で櫛歯状の櫛歯発熱用電極11aと、当該櫛歯発熱用電極11aの各基端に接続された倒コ字形で広幅の共通発熱用電極11bとで構成されている。そしてさらに、図2又は図3bに示されるように、各櫛歯発熱用電極11aの間には、前記個別発熱用電極12が、各櫛歯発熱用電極11aと平行に配置されている。すなわち、フレキシブル基板10上には、櫛歯発熱用電極11aと個別発熱用電極12とが交互に配設されている。なお、櫛歯発熱用電極11a、共通発熱用電極11b、及び個別発熱用電極12は、平面状に形成されたフレキシブル基板10の表面に金ペースト等の導体を印刷した後、エッチングにより形成される。
また、フレキシブル基板10には、加熱装置13が配設されている。さらに詳述すると、図2又は図3aに示されるように、加熱装置13は、櫛歯発熱用電極11a及び個別発熱用電極12上であって、該電極11a,12に対して横断状に形成された帯状の発熱抵抗体13aにより構成されている。この発熱抵抗体13aは、櫛歯発熱用電極11a及び個別発熱用電極12上に形成されることにより、該電極11a,12と電気的に接続されている。なお、この発熱抵抗体13aは、櫛歯発熱用電極11a及び個別発熱用電極12の上部にTaSiO、RuO等を印刷する等して形成される。
また、図2又は図3aに示されるように、フレキシブル基板10上であって、発熱抵抗体13a、個別発熱用電極12の各一端部、及び各櫛歯発熱用電極11aの上面には、発熱部絶縁膜13bが覆設され、絶縁層13cが形成されている。この発熱部絶縁膜13bは、共通発熱用電極11b等を除いて、フレキシブル基板10の表面に300℃程度の耐熱性及び絶縁性を有するポリイミド,アラミド,ポリエーテルイミド等の薄膜樹脂を印刷する等して形成される。
また、前記発熱部絶縁膜13b上には、放電電極5が配設される。したがって、放電電極5は、発熱部絶縁膜13bにより加熱装置13と絶縁されることとなる。なお、放電電極5の電子放出部位5aは、図3bに示されるように、個別発熱用電極12の直上方に配置されており、個別発熱用電極12を介して発熱した発熱抵抗体13aの熱が効率良く電子放出部位5aに伝達される構成となっている。この電子放出部位5a及び共通電極5bは、金,銀,銅,アルミニウム等の金属を、蒸着,スパッタ,印刷,又はメッキで形成した後、エッチングしてパターン形成して得られる。
なお、発熱抵抗体13aは、ドライバIC6がストローブ信号を発信して櫛形発熱用電極11(すなわち、櫛歯発熱用電極11a及び個別発熱用電極12)に対してストローブ電圧を印加することにより発熱する。さらに詳述すると、発熱抵抗体13aの加熱は、24Vの低電圧で行い、前記ドライバIC6は、5V駆動の低耐電圧対応のものが採用される。また、ドライバIC6は、加熱装置13から伸びるリードパターンに金線でワイヤボンディングされた後に、エポキシ樹脂等のIC保護用の樹脂で封止される。
また、図2に示されるように、共通電極5bの表面一部には、導電材層16が帯状に形成されている。この導電材層16は、導電性に優れた銀ペーストや銀メッキ等で形成されている。かかる構成とすることにより、共通電極5bの抵抗値を低下させることができ、各電子放出部位5a間に生じる電位差を確実に低減できる。
次に、上記加熱放電型印字ヘッド1を備えた放電装置30について、図4に従って説明する。
放電装置30は、加熱放電型印字ヘッド1、印刷媒体(記録媒体)20、及び対向電極21とで構成されている。前記印刷媒体20は、電荷の作用により繰返し画像の書き込みや消去が可能な静電現像方式のもので、加熱放電型印字ヘッド1の電子放出部位5aにおけるイオン放出方向に配置されている。さらに、この印刷媒体20の裏面には、印刷媒体20に接触又は近接させて対向電極21が配設されている。
次に、放電装置30の駆動方法について説明する。
上記構成にあって、対向電極21と放電電極5との間に放電制御電圧Eに相当する電位差を設定して電界を形成する。ここで、放電制御電圧とは、放電電極5に対して印加しただけでは放電が起こらないが、加熱することによりイオンの放電が起こる電圧域をいう。
次に、前記の放電制御電圧Eが印加された状態で、ドライバIC6を駆動させてストローブ信号を発信し、加熱装置13に係る発熱抵抗体13aの任意の箇所を選択的に発熱させる。これにより、電子放出部位5aを選択的に閾値温度以上に加熱する。ここで、閾値温度とは、イオン照射が可能となる電子放出部位5a(放電電極5)の温度である。したがって、電子放出部位5aが閾値温度以上となれば、イオン照射が可能となる。また、本構成は、有効とする個別発熱用電極12を選定可能とすることにより、加熱装置13による加熱箇所を選定可能としているため、後述のように、任意の電子放出部位5aから選択的に電子を放出させることができる。
さらに、図5、図6に示されるように、駆動信号電圧を印加するための駆動信号(交流信号)を高圧基板9aが発信している状態で、ストローブ電圧が印加されると、互いに対向して配設された対向電極21と、放電電極5の電子放出部位5aとの間で放電が発生する。すなわち、電子放出部位5aから電子が放出される。ここで、大気中に放出された電子は、酸素や窒素をイオン化することとなる。
そして、電子放出部位5aから照射されたイオンを印刷媒体20の表面(記録面)に移動させて、当該印刷媒体20に電荷を付与し、画像を形成する。なお、放電電極5に駆動信号電圧として交流電圧を印加すると共に、負の直流電圧を重畳することにより、電子放出部位5aからマイナスイオンを照射することができる。
次に、加熱放電型印字ヘッド1の制御内容について説明する。
図5に示されるように、加熱放電型印字ヘッド1は、n箇所の電子放出部位5aに対応した発熱箇所R1〜Rnを有する発熱抵抗体13aと、該発熱抵抗体13aと電気的に接続され発熱抵抗体13aの発熱を制御するドライバIC6とを備えている。
ドライバIC6は、シフトレジスタ部、ラッチ部、出力ゲート部及び出力トランジスタQ1〜Qnを有している。そして、各部には、外部の制御部(図示省略)からコネクタ8aに接続されるケーブルを介して信号が入力される。
また、発熱抵抗体13aの発熱箇所R1〜Rnに対して共通に設けられた共通発熱用電極11bには、発熱抵抗体13aの駆動用の直流電源電圧VHDが印加される。
また、画像データは、パラレルデータではなく、1ラインのシリアルデータとして、所定のクロック信号と同期したシフトレジスタ部へ入力される。これらの画像データは、ラッチ信号のタイミングでラッチ部へ転送される。また、出力ゲート部は、ラッチ部の出力レベルがHレベルの発熱箇所R1〜Rnに対して、ストローブ信号がLレベルの時間だけ、出力トランジスタQ1〜Qnをオンにする。これにより、画像データのHレベルに対応して発熱箇所R1〜Rnが発熱する。さらに、このストローブ信号に対応して駆動信号が発信されると、放電電極5に駆動信号電圧が印加される。
次に、本発明の要部を説明する。
本発明者は、マイナスイオンを照射する加熱放電型印字ヘッド1において、地汚れの発生防止を図るべく、種々の実験を行った。そして、駆動信号の波形が地汚れの発生の有無に影響を及ぼすことがわかった。以下、実験内容について説明する。
本実験は、次に示す三つの構成について地汚れの有無を対比した。
一つ目の構成は、図6aに示されるように、駆動信号を負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負の実効最小電圧v1が印加されている負実効最小電圧印加時間bを、直前に印加された負の実効最大電圧v2に係る負実効最大電圧印加時間aより短くした構成である。
二つ目の構成は、図6bに示されるように、駆動信号を負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負実効最大電圧印加時間aと負実効最小電圧印加時間bとを等しくした構成である。
三つ目の構成は、図6cに示されるように、負実効最小電圧印加時間bを、直前に印加された負実効最大電圧印加時間aより長くなるようにした構成である。
なお、負実効最大電圧印加時間aは、負実効最大電圧v2が印加されている時間に相当し、負実効最小電圧印加時間bは、負の実効最小電圧v1が印加されている時間に相当する。
そして、駆動信号を負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負の実効最小電圧v1が印加されている負実効最小電圧印加時間bを、直前に印加された負の実効最大電圧v2に係る負実効最大電圧印加時間aより短くした場合は(図6a参照)、図8aに示されるように、印刷媒体20の非印刷部位Pに地汚れが現れなかった。また、印刷部位Qには適正にドットyが印刷された。ここで、非印刷部位Pに表示されているドットxは、印刷媒体20自体の素地表面を現しているものである。
また、駆動信号を負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負実効最大電圧印加時間aと負実効最小電圧印加時間bとを等しくした場合も(図6b参照)、図8bに示されるように、印刷媒体20の非印刷部位Pに地汚れが現れなかった。また、印刷部位Qにも適正に印刷が実行された。なお、図8bにおいても、非印刷部位Pに表示されているドットxは、印刷媒体20自体の素地表面を現しているものであり、印刷部位Qに表示されているドットyは、適正に印刷されたものである。
また、負実効最小電圧印加時間bを、直前に印加された負実効最大電圧印加時間aより長くなるようにした場合は(図6c参照)、図8cに示されるように、非印刷部位P(及び印刷部位Q)に地汚れが現れた。すなわち、非印刷部位Pには、ドットXと、地汚れに起因するドットzが現れている。
なお、図8は、市販ソフト〔Adobe社:Photoshop(登録商標)〕を用いて、印刷後の印刷媒体20を写したグレースケールの各写真を、エッジのポスタリゼーションを施した後、50%を基準に白黒二階調に分けて得た図である。ところで、図8bにおいて、非印刷部位Pにドットx以外に横線又は縦線の印刷が散見されるが、これは装置のキズ等に起因するものであり、地汚れの有無を検討する際には無視できるものである。
以上より、マイナスイオンを照射する構成にあっては、駆動信号を負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負実効最小電圧印加時間bを、直前の負実効最大電圧印加時間aより長くならないようにすると、地汚れが発生しないという結論を得た。
このような結論に基づき、地汚れの有無について次のように考察した。
マイナスイオンを照射する構成にあって、負の実効最大電圧v2と負の実効最小電圧v1とを備えた駆動信号電圧(交流電圧)を放電電極5に印加すると、放電電極5表面でマイナスイオンの発生状態が生成されると共に、少なくとも負実効最大電圧印加時間aに、当該放電電極5下にある絶縁層13cに正電荷が蓄積されることとなる(図7a又は図7b参照)。このとき、放電電極5上のマイナスイオンと絶縁層13cの正電荷との間には、クーロン力が発生していると考えられる。そして、放電電極5と絶縁層13cとの間に発生したクーロン力に抗してマイナスイオンが印刷媒体20に到達すると、地汚れとなる。
このような地汚れの発生原理にあって、図6aに示された、駆動信号を負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負実効最小電圧印加時間bを、直前の負実効最大電圧印加時間aより短く設定した場合、並びに、図6bに示された、駆動信号を負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負実効最大電圧印加時間aと負実効最小電圧印加時間bとを等しくした場合は、図7aに示されるように、絶縁層13cに帯電する正電荷が十分に大きく、クーロン力により、マイナスイオンが放電電極5から印刷媒体20へ移動することが抑制されるものと考えられる。したがって、非印刷部位P(及び印刷部位Q)への意図しない印刷が回避され、地汚れの発生が防止されると推察される。
これに対し、図6cに示された、負実効最小電圧印加時間bを、負実効最大電圧印加時間aより長くなるようにした場合は、図7bに示されるように、絶縁層13cに十分な正電荷が蓄積されず、該正電荷と放電電極5上のマイナスイオンとの間で生ずるクーロン力が図6a及び図6bに示す構成に比して弱いと考えられる。したがって、マイナスイオンが容易に印刷媒体20に到達し、非印刷部位P(及び印刷部位Q)に地汚れが発生すると推察される。
したがって、高圧基板9aが、駆動信号を負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負実効最小電圧印加時間bを、直前の負実効最大電圧印加時間aより長くならないようにする制御内容を具備するものとすると、地汚れの発生を防止できる加熱放電型印字ヘッド1とすることができる。
なお、図6a及び図6bに示す構成にあっては、負の実効最小電圧v1は負の値であるが、正の値であっても良い。ただし、かかる構成の場合は、全体としてマイナスイオンが照射可能となるように、負の実効最大電圧v2を適宜調整する必要がある。
ところで本発明者は、上記マイナスイオンを照射する構成における地汚れの傾向性に基づき、プラスイオンを照射する構成における地汚れの傾向性についても考察した。
すなわち、駆動信号を正の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、正の実効最小電圧v1が印加される正実効最小電圧印加時間bを、直前の前記正の実効最大電圧v2が印加される正実効最大電圧印加時間aより短くなるようにする(図9a参照)、並びに、駆動信号を正の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、正実効最大電圧印加時間aと正実効最小電圧印加時間bとを等しくする(図9b参照)と、地汚れの発生が防止されると考えた。一方、正実効最小電圧印加時間bを、直前の正実効最大電圧印加時間aより長くすると(図9c参照)、地汚れが発生すると考えた。
さらに詳述すると、図9a、図9bに示された、駆動信号を正の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、正実効最小電圧印加時間bを、直前の前記正の正実効最大電圧印加時間aより長くならないように設定した場合は、図10aに示されるように、絶縁層13cに帯電する負電荷が十分大きく、クーロン力によって、放電電極5上のプラスイオンが印刷媒体20に移動することが抑制されるものと考えられる。したがって、非印刷部位P(及び印刷部位Q)への意図しない印刷が回避され、地汚れの発生が防止されると推察される。
これに対し、正実効最小電圧印加時間bを正実効最大電圧印加時間aより長くなるように設定した場合は、図10bに示されるように、絶縁層13cの負電荷が小さく、該負電荷と放電電極5上のプラスイオンとの間で生ずるクーロン力が図10aに対応する構成に比して弱くなると考えられる。これにより、プラスイオンが放電電極5から印刷媒体20へ移動することが容易となり、非印刷部位P(及び印刷媒体Q)へ意図しない印刷が実行されて地汚れが発生すると推察される。
なお、図9a及び図9bに示す構成にあっては、駆動信号電圧の正の実効最小電圧v1は正の値であるが、負の値であっても良い。ただし、このような場合は、正の実効最大電圧v2がプラスイオン照射可能な程度に十分大きい値とする必要がある。
なお、放電電極5からプラスイオンを照射する場合にあっては、放電電極5に駆動信号電圧として交流電圧を印加すると共に、正の直流電圧を重畳することにより、当該放電電極5からプラスイオンを生成することができる。
なお、マイナスイオンを照射するための駆動信号は、図11に示されるような、電圧変化の時間推移につきランダムな波形としても良い。すなわち、
負実効最大電圧印加時間a1≠負実効最大電圧印加時間a2
負実効最小電圧印加時間b1≠負実効最小電圧印加時間b2
であっても良い。ただし、当該駆動信号は、負の実効最大電圧v2から印加開始されるように発信開始すると共に、負実効最小電圧印加時間bが直前の負実効最大電圧印加時間aより長くならないようにする必要はある。具体的には、
負実効最大電圧印加時間a1>負実効最小電圧印加時間b1、かつ
負実効最大電圧印加時間a2>負実効最小電圧印加時間b2
の関係が成立している必要がある。なお、負実効最小電圧印加時間b1の直前の負実効最大電圧印加時間は、負実効最大電圧印加時間a1であり、負実効最小電圧印加時間b2の直前の負実効最大電圧印加時間は、負実効最大電圧印加時間a2である。したがって、図11に示す駆動信号にあっては、
負実効最大電圧印加時間a1<負実効最小電圧印加時間b2
の関係となっているが、負実効最大電圧印加時間a1は負実効最小電圧印加時間b2の直前の負実効最大電圧印加時間ではないため、地汚れは発生しない。なお、かかる構成の駆動信号は、勿論、プラスイオンを照射する構成にも適用可能である。
また、駆動信号としては、図12aに示されるような三角波、又は図12bに示されるような正弦波により構成されたものとしても良い。このような波形を採用した場合は、負実効最大電圧印加時間a及び負実効最小電圧印加時間bの特定に際し、いわゆる実効値が考慮される。例えば、マイナスイオンを照射する構成にあって、図12aに示されるような三角波で構成される駆動信号の場合は、
負実効最小電圧印加時間b=負実効最大電圧印加時間a×(1/√3)
の関係が成立する。また、マイナスイオンを照射する構成にあって、図12bに示されるような正弦波で構成される駆動信号の場合は、
負実効最小電圧印加時間b=負実効最大電圧印加時間a×(1/√2)
の関係が成立する。したがって、上述のような波形の駆動信号を採用しつつ、地汚れの発生を防止するためには、前記の関係式を考慮して、波形制御すれば良い。なお、かかる構成の駆動信号は、勿論、プラスイオンを照射する構成にも適用可能である。
なお、これまでに述べた実施例にあって、放電電極5は、例えば、複数の電子放出部位5aの一端部を共通電極5bで接続して櫛形に形成することもできる。また、電子放出部位5aは、長方形状や正方形状等の一枚の平板状に形成することもできる。ここで、放電電極5を櫛形に形成した場合は、電子放出部位5aをほぼ矩形状、台形状、半円形状、砲弾状或いはこれらを組み合わせた形状等とすることができる。また、電子放出部位5aの一部をスリット等で分割したり、周縁部に凹凸を形成して、電子放出部位5aの周長を増加させることもできる。
また、放電電極5は、その他の形成手段として、ステンレス,銅,アルミニウム等の金属の少なくとも一部をエッチングや切削等により薄肉化した後、必要に応じてエッチングやレーザ加工等によりパターン形成しても良い。
また、放電電極5は、カーボン等の導電材料を用いて形成しても良い。
また、加熱装置13は、放電電極5と櫛形発熱用電極11とが離間した構成でも良いし、密着していても良い。なお、前記離間した構成にあっては、レーザ光や赤外線を用いた構成が好適である。また、加熱装置13は、上記構成に限定されることなく、電子放出部位5aを選択的に加熱できる構成であれば良い。また、加熱装置13は、厚膜型であっても薄膜型であっても良い。
また、上記構成にあって(図2又は図3参照)、放電電極5と加熱装置13との絶縁性をさらに確保するために、発熱部絶縁膜13bの両面のうちの少なくとも一方の面に絶縁膜を形成しても良い。絶縁膜は、SiON,SiO 等の無機質やその他の絶縁性を有する材質(有機・無機を問わず)で薄膜状に形成することができる。特に、発熱抵抗体13aの熱を効率良く電子放出部位5aに伝達することができる高熱伝導性のものが好ましい。また、発熱部絶縁膜13bは、ポリイミドやアラミド等の耐熱性及び絶縁性を有する樹脂の溶液をスクリーン印刷等で塗布して形成しても良いし、同様の樹脂で形成された薄膜シートを覆設して形成しても良い。
また、導電材層16は、共通電極5bの表面全部に形成しても良い。また、導電材層16は、放電電極5の電子放出部位5aを除く箇所に形成しても良い。
なお、実効最大電圧印加時間a(負実効最大電圧印加時間又は正実効最大電圧印加時間)及び、実効最小電圧印加時間b(負実効最小電圧印加時間又は正実効最小電圧印加時間)の長短は、適宜調整可能である。
(a)は加熱放電型印字ヘッド1の模式側面図であり、(b)は加熱放電型印字ヘッド1の模式外観斜視図である。 ヘッド基板4の平面図である。 (a)は図2のA−A線断面図であり、(b)は図2のB−B線断面図である。 放電装置30の模式側面図である。 加熱放電型印字ヘッド1のブロック図である。 マイナスイオンを照射する構成における駆動信号のタイミングチャート図であり、(a)は負実効最小電圧印加時間bが直前の負実効最大電圧印加時間aより短い場合、(b)は負実効最大電圧印加時間aと負実効最小電圧印加時間bとが等しい場合、(c)は負実効最小電圧印加時間bが直前の負実効最大電圧印加時間aより長い場合を示している。 マイナスイオンを照射する構成における絶縁層13cの帯電状態を模式的に示す説明図であり、(a)は負実効最小電圧印加時間bが直前の負実効最大電圧印加時間aより長くならないようにした場合、(b)は負実効最小電圧印加時間bが直前の負実効最大電圧印加時間aより長い場合を示している。 印刷状態を示す説明図であり、(a)は負実効最小電圧印加時間bが直前の負実効最大電圧印加時間aより短い場合、(b)は負実効最大電圧印加時間aと負実効最小電圧印加時間bとが等しい場合、(c)は負実効最小電圧印加時間bが直前の負実効最大電圧印加時間aより長い場合を示している。 プラスイオンを照射する構成における駆動信号のタイミングチャート図であり、(a)は正実効最小電圧印加時間bが直前の正実効最大電圧印加時間aより短い場合、(b)は正実効最大電圧印加時間aと正実効最小電圧印加時間bとが等しい場合、(c)は正実効最小電圧印加時間bが直前の正実効最大電圧印加時間aより長い場合を示している。 プラスイオンを照射する構成における絶縁層13cの帯電状態を模式的に示す説明図であり、(a)は正実効最小電圧印加時間bが直前の正実効最大電圧印加時間aより長くならないようにした場合、(b)は正実効最小電圧印加時間bが直前の正実効最大電圧印加時間aより長い場合を示している。 変形例に係る駆動信号を示すタイミングチャート図である。 (a)は三角波で構成される駆動信号を示すタイミングチャート図であり、(b)は正弦波で構成される駆動信号を示すタイミングチャート図である。
符号の説明
1 加熱放電型印字ヘッド
5 放電電極
5a 電子放出部位
6 ドライバIC(ストローブ電圧印加手段)
9a 高圧基板(駆動信号電圧制御手段手段)
11 発熱用電極
12 個別発熱用電極
a 実効最大電圧印加時間
b 実効最小電圧印加時間

Claims (2)

  1. 電圧印加により発熱する発熱用電極と、
    該発熱用電極にストローブ電圧を印加するストローブ電圧印加手段と、
    前記発熱用電極上に配設された絶縁層と、
    該絶縁層上に配設され、前記発熱用電極によって加熱される放電電極と、
    交流電圧に負の直流電圧を重畳して生成される駆動信号電圧を、放電電極に印加制御する駆動信号電圧制御手段と
    を備え、放電電極に対して駆動信号電圧が印加されると共に、発熱用電極に対してストローブ電圧が印加されると、当該発熱用電極により前記放電電極が加熱され、当該放電電極に対置された印刷媒体に向けて当該放電電極の表面からマイナスイオンが照射されて前記印刷媒体に画像が形成されることとなる加熱放電型印字ヘッドにおいて、
    前記駆動信号電圧制御手段は、
    負の実効最大電圧と負の実効最小電圧とを備える交流電圧で構成される駆動信号を発信するものであると共に、
    前記駆動信号を負の実効最大電圧から印加開始されるように発信開始すると共に、前記負の実効最小電圧が印加される負実効最小電圧印加時間を、直前に印加した負の実効最大電圧の負実効最大電圧印加時間より長くならないようにする制御内容を具備するものであることを特徴とする加熱放電型印字ヘッド。
  2. 電圧印加により発熱する発熱用電極と、
    該発熱用電極にストローブ電圧を印加するストローブ電圧印加手段と、
    前記発熱用電極上に配設された絶縁層と、
    該絶縁層上に配設され、前記発熱用電極によって加熱される放電電極と、
    交流電圧に正の直流電圧を重畳して生成される駆動信号電圧を、放電電極に印加制御する駆動信号電圧制御手段と
    を備え、放電電極に対して駆動信号電圧が印加されると共に、発熱用電極に対してストローブ電圧が印加されると、当該発熱用電極により前記放電電極が加熱され、当該放電電極に対置された印刷媒体に向けて当該放電電極の表面からプラスイオンが照射されて前記印刷媒体に画像が形成されることとなる加熱放電型印字ヘッドにおいて、
    前記駆動信号電圧制御手段は、
    正の実効最大電圧と正の実効最小電圧とを備える交流電圧で構成される駆動信号を発信するものであると共に、
    前記駆動信号を正の実効最大電圧から印加開始されるように発信開始すると共に、前記正の実効最小電圧が印加される正実効最小電圧印加時間を、直前に印加した正の実効最大電圧の正実効最大電圧印加時間より長くならないようにする制御内容を具備するものであることを特徴とする加熱放電型印字ヘッド。
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