以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機(パチンコ機)1の斜視図である。
遊技機1の前面枠2は、機枠3にヒンジ4を介して開閉回動可能に組み付けられている。前面枠2の裏面には収納フレームが取り付けられ、遊技盤5が収納されている。また、前面枠2には、ガラス枠6がヒンジを介して開閉可能に取り付けられている。ガラス枠6の前面は、略円形状の開口部7が形成されている。遊技盤5の前面は、ガラス枠6の開口部7に組み込まれた前面構成部材(カバーガラス)8で覆われる。
前面枠2の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置9が設けられ、これらの装飾発光装置9は、大当り等のイベント発生時に遊技の進行に応じて発光する。前面枠2の下部には、遊技球を打球発射装置(図示省略)に案内する上皿(球供給皿)10が配設される。また、前面枠2の下部には、下皿11及び打球発射装置の発射操作部12が配設される。上皿10には球貯留部10aが設けられ、この球貯留部10aに遊技機1の背面に設けられた補給タンク13から、遊技機1に併設された図示しないカード球貸ユニット41(図3)の球貸し要求に応じた個数の遊技球が排出される。
上皿10の右上部には、球貸しを指令する球貸ボタン15、及び、遊技球の排出を指令する排出ボタン16が設けられる。これらのボタン15、16の右上方には、遊技球の残数(カードの残高)を表示する残存球表示部17が設けられる。また、下皿11の左には、音出力装置(スピーカ)18及び灰皿19が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技盤5の正面図である。
遊技盤5の表面には、ガイドレール20で囲われた略円形状の遊技領域21が形成される。遊技領域21は、遊技盤5の四方に各々設けられた樹脂製のサイドケース22及びガイドレール20によって構成される。遊技領域21の右下に設けられたサイドケース22は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート23で覆われている。また、遊技領域21の右上及び右下に設けられたサイドケース22には、遊技盤5を前面枠2に対して固定するための取付部24が設けられている。
遊技領域21には、ほぼ中央に画像表示装置(特別図柄表示装置)25が設けられるセンターケース26が配置される。画像表示装置25はセンターケース26に設けられた凹部に、センターケース26の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース26は画像表示装置25の周囲を囲い、画像表示装置25の表示領域から突出して設けられている。
画像表示装置25は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面が構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた特別図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「B」の英文字による12種類の図柄)が変動表示(可変表示)して特図変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾装置28が設けられ、これらの装飾装置28は、大当り等のイベント発生時に遊技の進行に応じて発光する。
センターケース26の左側には、方向転換部材30が配置される。また、センターケース26の下側には、普通図柄始動ゲート31、一般入賞口32、第一特図始動口33、普通変動入賞装置(普通電動役物)34を備えた第二特図始動口35、及び、大入賞口を備えた特別変動入賞装置36が配置される。特別変動入賞装置36の左側には、特図変動表示ゲームの特別図柄の変動表示を表示する特図表示器37A及び特別図柄入賞記憶数(始動記憶数)を表示する特図記憶表示器37Bよりなる特図表示器37が設けられる。
また、特別変動入賞装置36の右側には、普図変動表示ゲームが実行される普図表示器38A及び普通図柄入賞記憶数を表示する普図記憶表示器38Bよりなる普図表示器38が設けられる。
遊技機1では、打球発射装置(図示省略)から遊技領域21に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域21内の各所に配置された風車等の方向転換部材30によって転動方向を変えながら遊技領域21を流下し、一般入賞口32、第一特図始動口33、第二特図始動口35、又は、特別変動入賞装置36に入賞するか、遊技領域21の最下部に設けられたアウト口39から排出される。
なお、第二特図始動口35は、通常、第一特図始動口33と閉状態の普通変動入賞装置34とによって遊技球の入賞が妨げられている。普通図柄始動ゲート31を遊技球が通過することによって、普図変動表示ゲームが実行される。そして、普図変動表示ゲームの結果、当り状態が発生すると、普通変動入賞装置34が開状態へ変換され、第二特図始動口35は遊技球の受け入れが可能となる。
一般入賞口32への遊技球の入賞は、一般入賞口32に備えられた入賞口センサ32.1〜32.N(図3)によって検出される。
第一特図始動口33、第二特図始動口35への遊技球の入賞は、それぞれ特図始動センサ33A、特図始動センサ35A(図3)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の特図記憶領域に特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。そして、この特別図柄入賞記憶の記憶数は、特図記憶表示器37Bに表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、特図表示器37Aにて特図変動表示ゲームを行う(補助遊技が実行される)。
第一特図始動口33又は第二特図始動口35へ遊技球の入賞があると、画像表示装置25では、前述した数字等で構成される特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、画像表示装置25では、特図表示器37Aの表示に対応する特別図柄の変動表示が行われる。特図表示器37Aは、変動表示状態と変動表示結果とを遊技者に正確に知らせ、画像表示装置25は、興趣向上のために多様な表示を演出する。
第一特図始動口33又は第二特図始動口35への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当り値であるとき)には大当り状態となり、表示図柄によって特定の結果態様が導出される。具体的には、特図表示器37Aは、当り図柄である一桁の特別図柄で停止して、画像表示装置25は、三つの特別図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置36は、大入賞口ソレノイド43(図3)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な第2状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な第1状態)に変換される。すなわち、各特別変動入賞装置に備えられた大入賞口が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
特別変動入賞装置36への遊技球の入賞は、カウントセンサ36A(図3)によって検出される。
普通図柄始動ゲート31への遊技球の通過は、普図始動センサ31A(図3)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。そして、この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普図記憶表示器38Bに表示される。
普通図柄始動ゲート31を遊技球が通過すると、遊技制御装置100は普通図柄入賞記憶に基づいて普図表示器38Aで普図変動表示ゲームが開始される。すなわち、普通図柄始動ゲート31への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当り値であるときには)には当り状態となり、普図表示器38Aに表示される普通図柄が当り状態で停止する。このとき、第二特図始動口35の上部に設けられた普通変動入賞装置31は、普通電動役物ソレノイド34A(図3)への通電により、第二特図始動口35への入口が所定の時間だけ開放するように変換され、遊技球の第二特図始動口35への入賞が許容される。なお、普通変動入賞装置34の開放時間は、例えば、確率変動状態及び変動時間短縮状態では2.9秒間、通常遊技状態では0.5秒間として、遊技状態に応じて開放態様が変化するとよい。
このようにして、一般入賞口32、第一特図始動口33、第二特図始動口35及び特別変動入賞装置36に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から、前面枠2の上皿10又は下皿11に排出される。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置100を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ101には外部通信端子が設けられており、外部通信端子からは、遊技用マイクロコンピュータ101に一意に設定された識別番号を出力することができ、この外部通信端子に検査装置や管理用コンピュータ(いわゆる、ホールコン)を接続することで、管理用コンピュータが遊技機1を識別することができる。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(入賞口センサ32.1〜32.N、特図始動センサ33A、35A、普図始動センサ31A、及びカウントセンサ36A)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
また、遊技用マイクロコンピュータ101は、出力インターフェース103を介して遊技領域21に設けられた特図表示器37(特図表示器37A、特図記憶表示器37B)、普図表示器38(普図表示器38A、普図記憶表示器38B)に各種情報を出力する。
特図表示器37Aには、特図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、特図記憶表示器37Bには、特別図柄入賞記憶数表示を出力する。
普図表示器38Aには、普図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、普図記憶表示器38Bには、普通図柄入賞記憶数表示を出力する。
また、遊技用マイクロコンピュータ101は、出力インターフェース103を介して、各従属制御装置(表示制御装置150及び排出制御装置200)、普通電動役物ソレノイド34A、大入賞口ソレノイド43等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、遊技機1に併設されるカード球貸ユニット41からの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
また、遊技用マイクロコンピュータ101は、盤用外部情報端子40を介して、管理用コンピュータに遊技機1に関する情報を出力する。
遊技制御装置100から表示制御装置150には、表示制御指令信号として特図変動開始コマンド、変動表示コマンド、識別情報コマンド、確定コマンド、デモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、大当りコマンド、報知演出時間指定コマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、通常遊技状態、特別遊技状態、確率変動状態、変動時間短縮状態などの遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
なお、通常遊技状態とは、特別遊技が実行されておらず、かつ、確率変動状態でも変動時間短縮状態でもない状態である。特別遊技状態とは、特図変動表示ゲームの結果として大当りが発生し、特別遊技(大当り遊技)が実行されている状態である。確率変動状態とは、通常遊技状態と比較して特賞発生確率が高く、特別遊技状態の発生に対して遊技者に有利に作用する状態である。変動時間短縮状態とは、識別情報が変動表示する時間が短縮される状態である。
特図変動開始コマンドは、特図変動表示ゲームの開始を指示する。変動表示コマンドは、識別情報の変動表示態様を指示する。識別情報コマンドは、特図変動表示ゲームの結果として停止表示される識別情報を指示する。確定コマンドは、識別情報の変動表示の停止を指示する。デモ表示コマンドは、特図変動表示ゲームが所定時間なされないときに行われる表示を指示する。ファンファーレコマンドは、特別遊技状態に移行する前の状態の表示を指示する。大当りコマンドは、特別遊技状態中のラウンド表示、インターバル表示、特別遊技状態中のラウンド間表示等の特別遊技状態中の表示を指示する。エラーコマンドは、異常時の表示を指示する。報知演出時間指定コマンドは、ラウンド昇格報知又は確変突入報知の表示を指示する。
表示制御装置150は、これらの表示制御指令信号(コマンド)によって、遊技制御装置100が管理している遊技状態の遷移を把握することができる。
表示制御装置150は、CPU151、GDP(Graphics Display Processor)156、RAM153、インターフェース155、プログラムやシーケンスデータを格納した制御ROM152、画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ、テクスチャデータ等)を格納した画像ROM157、CPU151の暴走を監視し、CPU151の暴走を検知した場合はCPU151をリセットする監視回路158等から構成される。表示制御装置150には画像表示装置25、音制御装置300、装飾制御装置250が接続される。
CPU151は、制御ROM152に格納されたプログラムを実行し、インターフェース155を介して遊技制御装置100から受信する表示指令信号に基づいて所定の変動表示ゲームのための表示制御情報(スプライトデータやポリゴンデータ等で構成される図柄表示情報、背景画面情報、動画オブジェクト画面情報等)を演算して画像の生成をGDP156に指示する。
GDP156は、画像ROM157に格納された画像データ及びCPU151から出力される表示制御情報の内容に基づいて、例えば、画像のポリゴン描画(又は、通常のビットマップ描画)を行うとともに、各ポリゴンに所定のテクスチャを貼り付けてフレームバッファとしてGDP156内に設けられているVRAM(図示省略)に格納する。そして、GDP156は、VRAMの画像を所定のタイミング(垂直同期信号V_SYNC、水平同期信号H_SYNC)で画像表示装置25へ送信する。
GDP156が行うその他の描画処理としては、点描画、線描画、トライアングル描画、アルファブレンディング、シェーディング処理(グローシェーディングなど)、陰面消去(Zバッファ処理など)などもある。
ここで、フレームバッファは、複数のフレームバッファをそれぞれVRAMの所定の記憶領域などに設定しておき、GDP156は、任意の画像に重ね合わせて(オーバーレイ)出力することも可能である。
GDP156から出力されるRGB信号は、不図示のγ補正回路に入力されている。このγ補正回路は、画像表示装置25の信号電圧に対する照度の非線形特性を補正して、画像表示装置25の表示照度を調整して、画像表示装置25に対して出力するRGB信号(表示画像データ)を生成する。
また、GDP156には画像表示装置25が接続されている。画像表示装置25は、表示制御装置150からの画像表示信号に基づいて、表示領域に対応する画像を表示する。
表示制御装置150と遊技制御装置100とを接続するインターフェース155には、信号伝達方向規制手段であるバッファが設けられる。よって、遊技制御装置100と表示制御装置150との間の通信は、遊技制御装置100から表示制御装置150への信号入力のみが許容され、表示制御装置150から遊技制御装置100への信号出力は禁止されている。これにより、表示制御装置150から遊技制御装置100に不正な信号が入力されることを防止することができる。なお、遊技制御装置100と表示制御装置150との間で双方向通信を行う場合には、バッファに双方向バッファを用いることもできる。
また、インターフェース155には装飾制御装置250及び音制御装置300が接続されている。
装飾制御装置250は、表示制御装置150からの装飾制御指令信号に基づいて、前面枠2に設けられた装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置9、及び、遊技領域21内の装飾ランプ、LED等の装飾装置28を制御する。
音制御装置300は、表示制御装置150からの音制御指令信号に基づいて、スピーカ18から出力される効果音を制御する。
遊技機1の電源装置(図示省略)は、電源回路の他に、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報(特図変動表示ゲーム情報を含む))等をバックアップする。
なお、装飾制御装置250及び音制御装置300を、表示制御装置150とは別個に設けたが、従属制御装置のうち、装飾制御装置250や音制御装置300を表示制御装置150に含めて、装飾制御装置250及び/又は音制御装置300を表示制御装置150と一体に構成してもよい。
また、装飾制御装置250及び音制御装置300を、表示制御装置150に接続せずに、遊技制御装置100に直接接続してもよい。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御のメイン処理のフローチャートであり、遊技制御装置100で実行される。
遊技機への電源が投入されると、遊技用マイクロコンピュータ101は、各種制御パラメータに初期値を設定する初期化処理を実行し(S11)、遊技機を初期状態に設定する。続いて攪拌用乱数更新処理(S12)を行う。以後、この攪拌用乱数更新処理を繰り返し行う。
この攪拌用乱数更新処理(S12)は、後述する図5のS25における乱数更新処理の初期値を更新する処理である。この処理について説明すると、遊技制御装置100で実行される処理の中には、普通図柄始動ゲート31や第一特図始動口33、第二特図始動口35へ遊技球が入賞したときに、対応する遊技の結果態様を導き出すための抽選を行ったり、この抽選結果に基づいて特図変動表示ゲームを進行させる際の演出あるいは装飾にランダム性を付与したりするために行われる、いくつかの乱数処理が含まれる。これらの乱数処理の一例としては、0から316の間でカウンタの値を所定の時間周期、たとえば1ミリ秒周期で1ずつ増加させ、値が316を越したときに再び0に戻す処理がある。この乱数値の更新処理は、S25で実行される。
このカウンタ値は、前述した遊技球の入賞等の事象を遊技制御装置100が認識した時点で抽出され、そのときの乱数値となる。しかし、乱数とはいっても、前述した処理を繰り返すと、317ミリ秒周期で抽出される乱数値は周期性をもってしまい、乱数性が低下する。そこで、攪拌用乱数更新処理でカウンタ値を攪乱することによって更に乱数性を付与している。
前述した例におけるカウンタ値の変動を毎回0から開始するのではなく、攪拌用乱数更新処理で求められた値をカウンタ値の初期値として変動させる。いわば一回転の変動を終えた時点で、攪拌用乱数更新処理により得られた新たな値を次のカウンタの初期値に設定する。
そしてまた、一回転のカウンタ値の変動をする処理が行われ、カウンタ値変動時の初期値が次々と更新されてゆく。攪拌用乱数更新処理における乱数更新の周期は、S25の乱数更新処理における乱数更新の周期に比してかなり短いので、前述したカウンタのランダム性を増すことができる。
図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御のタイマ割込処理のフローチャートであり、遊技制御装置100で実行される。
遊技機への電源が投入された後、遊技制御メイン処理が実行される、そして、所定時間周期(例えば、1ミリ秒毎に)タイマ割り込みが発生すると、タイマ割込処理が繰り返し実行される。ただし、これらのS21〜S31の処理は、割り込み発生毎に必ずしもすべて行なわれるとは限られない。例えば、入力処理S22は毎回入力信号を監視するが、出力処理S23は割り込みの発生1回おきに実行されてもよい。つまり、1回の割込処理で一通りの処理すべてを完了するのではなく、この割込処理が複数回繰り返し実行されて一連の遊技制御処理が完了する場合がある。
まず、割り込み禁止の設定と、レジスタ退避の処理を行う(S21)。
その後、入力インターフェース102を介して入力される各種センサやスイッチ等からの信号にチャタリング除去等の処理をし、入力情報を確定する入力処理を行う(S22)。
その後、出力インターフェース103を介して、遊技制御に関するデータを所定の出力先(普通電動役物ソレノイド34A、大入賞口ソレノイド43、盤用外部情報40等)に出力する出力処理を行う(S23)。
その後、表示制御指令信号を表示制御装置150に出力したり、排出制御装置200に賞球指令信号を出力したりするコマンド送信処理を行う(S24)。
その後、普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲームが当りか否かを決定するための各乱数カウンタ、及び特図変動表示ゲームを進行させる際の演出あるいは装飾(変動表示パターンや停止図柄等)にランダム性を付与するための各乱数カウンタの値を一ずつ増す乱数更新処理を行う(S25)。
その後、遊技機の球詰まりや各種スイッチ、センサ等の異常などを監視するエラー監視処理を行う(S26)。
その後、特図始動センサ33A、35A、普図始動センサ31A、カウントセンサ36A等の入力の有無を検出し、その結果に応じて特別図柄入賞記憶、普通図柄入賞記憶、大入賞口への入賞カウント数等を更新するスイッチの監視処理を行う(S27)。このとき、特図始動センサ33A又は35Aにより遊技球が検出されれば、特図乱数カウンタ値(特図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が特図始動記憶に記憶され、普図始動センサ31Aによる遊技球の検出があれば、普図乱数カウンタ値(普図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が普図始動記憶に記憶される。
その後、特図変動表示ゲームの進行を制御する特図変動表示ゲーム処理(S28)、普図変動表示ゲーム処理(S29)を行う。特図変動表示ゲーム処理については、図6を用いて後述する。
普図変動表示ゲーム処理(S29)は、普図始動センサ31Aで検出された普通図柄始動ゲート31への遊技球の通過に基づいて抽出され、普通図柄始動記憶に記憶された普通図柄乱数カウンタ値(S27で抽出・記憶した普図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が当りか否か判定し、普図表示器38Aで実行される普図変動表示ゲームのための処理を行う。普図乱数カウンタ値が所定の値であれば、普図変動表示ゲームは当り状態となり、普通図柄の変動表示が当り図柄で停止する。また、当り状態になると普通電動役物ソレノイド34Aを駆動して普通変動入賞装置34を開放し、第二特図始動口35への入賞が許容される。
その後、盤用外部情報端子40を介して接続される管理用コンピュータに遊技機1の状態を出力するための盤用外部情報を編集する外部情報編集処理を行う(S30)。盤用外部情報には、図柄が確定したか、大当りであるか、確率変動中であるか、変動時間短縮(時短)であるか等、特図変動表示ゲームの進行状態に関連する情報が含まれる。
その後、一時退避していたレジスタの復帰処理および禁止設定されていた割り込みの許可設定をする処理を行い(S31)、タイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。そして、次のタイマ割り込みが発生するまで攪拌用乱数更新処理を繰り返す。
図6は、本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲーム処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
遊技機1で遊技が開始されると、実行中の遊技状態に基づいて、遊技用マイクロコンピュータ101のRAMに、特図変動表示ゲーム処理の内容を決定する処理番号0〜6のいずれかが記憶される。
処理番号0は、「変動待ち」の処理であり、変動表示ゲーム中及び特別遊技中のいずれでもないときに設定される番号である。処理番号1は、「変動中」の処理であり、特図変動表示ゲームが開始し、特別図柄の変動表示が停止するまでに設定される。処理番号2は、「大当り判定待ち」の処理であり、特別図柄の変動表示の停止後に設定される。処理番号3〜6は、「大当り動作中」の処理であり、特別遊技の実行中に設定される。なお、処理番号の初期値は「0」である。なお、処理番号3〜6については、図8及び図9において後述する。
特図変動表示ゲーム処理では、まず、遊技制御装置100のRAMに記憶されている処理番号を特定する(S41)。そして、記憶されている処理番号に従って、以下の処理を実行する。
処理番号が0の場合、変動表示ゲーム中及び特別遊技中のいずれでもないので、遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶数が0でないか否かを判定する(S42)。特別図柄入賞記憶数が0の場合、つまり、第一特図始動口33又は第二特図始動口35への遊技球の入賞に基づいて、保留されている変動表示ゲームがない場合は、メイン処理へ復帰する。
一方、特別図柄入賞記憶数が0より大きい場合は、第一特図始動口33又は第二特図始動口35への遊技球の入賞に基づく変動表示ゲームが保留されているので、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームを開始するための処理を行う(S43)。
具体的には、まず既に記憶されている始動記憶数から1の記憶数を減ずる。次に、第一特図始動センサ33A又は第二特図始動センサ35Aへの遊技球の通過タイミングで抽出された乱数カウンタ値が、当り値であるか外れ値であるかを判定する。次に、さらに別の乱数を用いた抽選によって特別図柄の停止図柄を決定する。なお、この停止図柄は、前述した乱数カウンタ値の判定結果に整合するように決定される。
次に、処理タイマに時間T1を設定する。時間T1は、特図変動表示ゲームが開始してから特別図柄が停止するまでの時間である。次に、処理番号を1に設定する。これによって、次に特図変動表示ゲーム処理が実行されるときには、「変動中」の処理に分岐される。次に、特図表示器37Aで特別図柄の変動表示が開始する。次に、特図変動開始コマンドを、表示制御装置150に出力する。これによって、画像表示装置25においても、特図変動表示ゲームの演出が開始する。
処理番号が1の場合、変動表示ゲームが開始しているので、遊技制御装置100は、ステップS43で処理タイマに設定された時間T1がタイムアップしたか否かを判定する(S44)。
処理タイマT1がタイムアップしていない場合は、特別図柄の変動表示時間が経過していないので、特別図柄の変動表示を維持しつつ、タイマ割込処理へ復帰する。
一方、処理タイマT1がタイムアップした場合は、特別図柄の変動表示時間が終了しているので、処理タイマに時間T2を設定する。時間T2は、特別図柄の変動表示が停止してから、特別遊技又は次の変動表示ゲームに移行するまでの時間であり、確定した特別図柄(大当り図柄又は外れ図柄)を遊技者に認識させるための時間である。次に、処理番号を2に設定し、特図変動停止コマンドを、表示制御装置150に出力して、特別図柄の変動を停止させる(S45)。
処理番号が2の場合、特別図柄の変動表示は終了しているので、遊技制御装置100は、ステップS45で処理タイマに設定された時間T2がタイムアップしたか否かを判定する(S46)。
処理タイマT2がタイムアップしていない場合は、タイマ割込処理へ復帰する。一方、処理タイマT2がタイムアップした場合は、ステップS43における乱数カウンタ値の判定結果に基づいて特図変動表示ゲームの結果が大当りか否かを判定し、次の処理を決定する(S47)。
特図変動表示ゲームの結果が大当りではなかった場合、つまり、外れであった場合は、処理番号を0に設定する(S48)。これによって、次に特図変動表示ゲーム処理が実行されるときには、「変動待ち」の処理に分岐される。
特図変動表示ゲームの結果が大当りであった場合は、大当り発生処理を実行する(S49)。大当り発生処理については、詳しくは図7において後述するが、処理タイマに時間T3が設定され、処理番号が3に設定される。時間T3では、画像表示装置25にファンファーレ表示がなされる。また、処理番号が3となることによって、次に特図変動表示ゲーム処理が実行されるときには、「大当り動作中」の処理に分岐される。
処理番号が3〜6の場合、遊技制御装置100は、特別遊技処理を実行する(S50)。特別遊技処理については、詳しくは図8において後述するが、具体的には、まず特別遊技処理では、ステップS49の大当り発生処理(図7)で処理タイマに設定された時間T3がタイムアップしたか否かによって、ファンファーレ表示が終了したか否かを判定する。処理タイマT3がタイムアップし、ファンファーレ表示が終了していれば、ステップS43において決定された停止図柄に基づいて、特別変動入賞装置36のいずれを開くかを決定する。
そして、その結果に基づいて、大入賞口ソレノイド43のいずれかを駆動して、特別変動入賞装置36を所定の時間だけ開放して、遊技球を受け入れやすい状態とする。そして、所定時間の経過後、又は、所定個数の遊技球が作動中の変動入賞装置に入賞すると、特別変動入賞装置36は閉状態へ変換する。
そして、この所定時間又は所定個数の遊技球の入賞を1ラウンドとして、図11において後述する当りの種別に応じたラウンド(例えば、4ラウンド、10ラウンド及び15ラウンドのいずれか)の特別遊技を実行すると、特別遊技処理は終了する。特別遊技処理が終了すると、処理番号は0に設定される。
図7は、本発明の第1の実施の形態の大当り発生処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
大当り発生処理では、遊技制御装置100は、まず、ステップS43で大当り判定を行った特別図柄乱数カウンタ値を大当り乱数として抽出し、抽出された大当り乱数の値によって演出フラグを決定し(S51)、次に、ステップS51によって抽出された大当り乱数の値によってラウンド数の最大値MAX(最大継続回数)を決定する(S52)。ここで、演出フラグ及びラウンド数の最大値MAXは、詳しくは図11において後述するが、当りの種別に応じて(演出フラグは、例えば、A、B及びCのいずれかに、ラウンド数の最大値MAXは、例えば、4ラウンド、10ラウンド及び15ラウンドのいずれかに)決定される。
そして、大当り経過タイマを初期化する(S53)。ここで、大当り経過タイマは、大当りが発生してからの経過時間を測定するタイマである。そして、処理タイマに時間T3を設定し、処理番号を3に設定し、ラウンド数に0をセットする(S54)。ここで、時間T3は、特別遊技の開始を演出するファンファーレ表示が開始してから終了するまでの時間である。
そして、表示制御装置150を介して、音制御装置300に対して大当りを演出する大当り中の音楽の出力の開始を指令する(S55)。これに基づいて、スピーカ18から大当り中の音楽が出力される。なお、大当り中の音楽は、所定の長さであり、大当りの終了まで繰り返し出力される。その後、特図変動表示ゲーム処理に復帰する。
図8及び図9は、本発明の第1の実施の形態の特別遊技処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
特別遊技処理では、遊技制御装置100は、まず、報知タイミング判定処理を実行する(S61)。報知タイミング判定処理については、詳しくは図10において後述する。
次に、遊技制御装置100のRAMに記憶されている処理番号を特定する(S62)。そして、記憶されている処理番号に従って、以下の処理を実行する。
処理番号が3の場合、遊技制御装置100は、特別遊技開始の表示を実行し(S63)、ステップS54(図7)で処理タイマに設定された時間T3がタイムアップしたか否かを判定する(S64)。これによって、ファンファーレ表示が終了したか否かを判定する。
処理タイマT3がタイムアップしていない場合は、ファンファーレ表示の表示時間が経過していないので、特別遊技開始の表示を維持しつつ、特図変動表示ゲーム処理へ復帰する。
一方、処理タイマT3がタイムアップした場合は、ファンファーレ表示の表示時間が終了しているので、ステップS84(図9参照)に処理を進める。
処理番号が4の場合、遊技制御装置100は、特別変動入賞装置36が備える大入賞口を開放し(S65)、ステップS83で処理タイマに設定された時間T4がタイムアップしたか否かを判定する(S66)。
処理タイマT4がタイムアップしていない場合は、カウント数が10以上であるか否かを判定する(S67)。カウント数が10未満であった場合は、特図変動表示ゲーム処理へ復帰する。一方、カウント数が10以上であった場合は、ステップS68に処理を進める。
一方、処理タイマT4がタイムアップした場合は、ステップS68に処理を進める。
ステップS68では、ステップS83で開始した開放時間の計測を終了し、計測結果を格納する。そして、ラウンド数がMAXであるか否かを判定する(S69)。
ラウンド数がMAXでない場合は、特別遊技を継続するので、処理タイマに時間T5を設定する。時間T5は、あるラウンドが開始してから、そのラウンドにおけるカウント数が10に達したか否かにかかわらず、強制的に次のラウンドに移行するまでの時間である。そして、処理番号を5に設定する(S70)。これによって、次に特別遊技処理が実行されるときには、「大入賞口閉止」の処理に分岐される。その後、特図変動表示ゲーム処理へ復帰する。
一方、ラウンド数がMAXであった場合は、特別遊技を終了するので、処理タイマに時間T6を設定する。時間T6は、特別遊技の終了を演出するエンディング表示が開始してから終了するまでの時間である。そして、処理番号を6に設定する(S71)。これによって、次に特別遊技処理が実行されるときには、「特別遊技終了」の処理に分岐される。その後。特図変動表示ゲーム処理へ復帰する。
処理番号が5の場合、遊技制御装置100は、特別変動入賞装置36が備える大入賞口を閉止し(図9のS81)、ステップS70で処理タイマに設定された時間T5がタイムアップしたか否かを判定する(S82)。
処理タイマT5がタイムアップしていない場合は、特図変動表示ゲーム処理へ復帰する。
一方、処理タイマT5がタイムアップした場合は、ステップS83に処理を進める。
ステップS83では、大入賞口を開放するために、処理タイマに時間T4を設定し、処理番号を4に設定する。そして、カウント数を0に設定し、ラウンド数を1増加し、開放時間の計測を開始する。これによって、次に特別遊技処理が実行されるときには、「大入賞口開放」の処理に分岐される。その後、特図変動表示ゲーム処理へ復帰する。
処理番号が6の場合、遊技制御装置100は、特別変動入賞装置36が備える大入賞口を閉止し(図9のS84)、ステップS71で処理タイマに設定された時間T6がタイムアップしたか否かを判定する(S85)。
処理タイマT6がタイムアップしていない場合は、特図変動表示ゲーム処理へ復帰する。
一方、処理タイマT6がタイムアップした場合は、処理番号を0に設定する(S86)。これによって、次に特図変動表示ゲーム処理が実行されるときに、「変動待ち」の処理に分岐される。そして、大当り乱数により確変フラグを設定する(S87)。確変については、図11において後述する。そして、表示制御装置に対して通常画面への表示の切り替えを指令し、さらに表示制御装置150を介し音制御装置300に対して、大当り音楽の停止を指令する(S88)。その後、特図変動表示ゲーム処理へ復帰する。
図10は、本発明の第1の実施の形態の報知タイミング判定処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
ここで、大当り発生時に表示される停止図柄、最大継続回数、演出フラグ、及び大当り終了後の遊技状態に関する関係について簡単に説明する。なお、この関係についての詳細な説明は、図11を用いて後述する。
本実施形態の遊技機では、変動表示ゲームの実行の結果として画像表示装置25に「777」の図柄が停止すると、最大継続回数が15ラウンドの大当りが発生し、大当り終了後も確変状態に突入することが確定する。この場合、演出フラグを「D」とする。
また、変動表示ゲームの実行の結果として画像表示装置25に「7」又は「3」以外のゾロ目の図柄が停止すると、最大継続回数が4ラウンドの大当りが発生し、大当り終了後も確変状態に突入しないことが確定する。この場合、演出フラグを「D」とする。
一方、変動表示ゲームの実行の結果として画像表示装置25に「333」の図柄が停止すると、最大継続回数は15ラウンド又は10ラウンドの大当りが発生するが、大当り開始時点では、遊技者にはどちらのラウンドになるのかが判明しない。さらに、大当り終了後も確変状態に突入するか否かについても、大当り開始時点では、遊技者にはわからない。
但し、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの実行の結果として画像表示装置25に「333」の図柄が停止した場合でも、最大継続回数と大当り終了後の遊技状態とを大当り開始時点にて決定している。このとき、最大継続回数は15ラウンドで大当り終了後は確変状態に突入することが決定されていれば、演出フラグを「A」とする。また、最大継続回数は15ラウンドで大当り終了後は確変状態に突入しないことが決定されていれば、演出フラグを「B」とする。また、最大継続回数は10ラウンドで大当り終了後は確変状態に突入しないことが決定されていれば、演出フラグを「C」とする。
図10に戻って、報知タイミング判定処理では、遊技制御装置100は、まず、演出フラグが「D」であるか否かを判定する(S91)。演出フラグについては、図11において後述する。
演出フラグが「D」であれば、ラウンド昇格及び確変突入の是非の結果が確定しているので(図11参照)、ラウンド昇格報知及び確変突入報知は不要であって実行しないため、特別遊技処理へ復帰する。一方、演出フラグが「D」でなければ、遊技制御装置100は、大当り経過タイマ(図7のステップS53)をチェックし、ラウンド昇格報知の実行を開始するタイミング(例えば、第7ラウンド開始時)であるか否かを判定する(S92)。
ラウンド昇格報知の実行を開始を決定するタイミングでなければ、ステップS95に処理を進める。一方、ラウンド昇格報知の実行を開始を決定するタイミングであれば、遊技制御装置100は、ラウンド昇格報知の実行時間を決定する(S93)。そして、決定されたラウンド昇格報知の実行時間に対応するラウンド昇格報知実行指令を送信し(S94)、ステップS95に処理を進める。
ここで、ラウンド昇格報知の実行時間とは、ラウンド昇格報知(図13参照)が実行され続ける時間であり、特別遊技処理(ステップS83及びS68)によって計測された大入賞口の当該大当りにおける第1ラウンドから直前のラウンド(例えば、第6ラウンド)までの開放時間の平均値に基づいて決定される。
本実施の形態では、例えば、計測(計時)された開放時間の平均値が10秒であったときは、ラウンド同士の間に設けられたインターバル時間(例えば、2秒)を考慮すれば、第7ラウンドを含む残り4ラウンド(第7〜第10ラウンド)が終了するまでの所要時間は、「残りラウンド数×計測された開放時間の平均値+(残りラウンド数−1)×インターバル時間」、すなわち、10×4+2×3=46秒であると推定される。そして、ラウンド昇格するか否かの結果に応じた内容の演出パターンのうち、推定された所要時間の46秒に収まる範囲で、最も近い演出時間を指定する報知演出時間指定コマンドが選択される。
例えば、演出フラグが「A」又は「B」のときは、最大継続回数は15ラウンドであるので、図12において、ラウンドが昇格する報知を「40秒」かけて行うコード「02H」のコマンドが選択される。また、演出フラグが「C」のときは、最大継続回数は10ラウンドであるので、図12において、ラウンドが昇格しない報知を「40秒」かけて行うコード「12H」のコマンドが選択される。
そして、選択された報知演出時間指定コマンドが、遊技制御装置100から表示制御装置150に送信される。なお、選択された報知演出時間指定コマンドを受信した表示制御装置150は、指定された演出時間を持つラウンド昇格報知画像を画像表示装置25に表示させる。
ステップS95では、遊技制御装置100は、演出フラグが「C」であるか否かを判定する。
本実施の形態では、ラウンド昇格の後に確変突入が発生するが、演出フラグが「C」である場合は、ラウンド昇格が発生しないので確変突入が発生せず(図11参照)、確変突入報知は常に実行されずに、特別遊技処理へ復帰する。
一方、演出フラグが「C」でない場合は、遊技制御装置100は、大当り経過タイマをチェックし、確変突入報知の実行を開始するタイミング(例えば、第13ラウンド開始時)であるか否かを判定する(S96)。確変突入報知の実行を開始するタイミングでなければ、特別遊技処理へ復帰する。一方、確変突入報知の実行を開始するタイミングであれば、遊技制御装置100は、確変突入報知の実行時間を決定する(S97)。そして、決定された確変突入報知の実行時間に対応する確変突入報知実行指令を送信し、特別遊技処理へ復帰する。
ここで、確変突入報知の実行時間とは、確変突入報知(図14参照)が実行され続ける時間であり、ラウンド昇格報知の場合と同様に、特別遊技処理によって計測された大入賞口の当該大当りにおける第1ラウンドから直前のラウンド(例えば、第12ラウンド)までの開放時間の平均値に基づいて決定される。
本実施の形態では、例えば、抽選結果が確変突入する場合であって、計測された開放時間の平均値が10秒であったときは、ラウンド同士の間に設けられたインターバル時間(例えば、2秒)を考慮すれば、第13ラウンドを含む残り3ラウンド(第13〜第15ラウンド)が終了するまでの所要時間は、10×3+2×2=34秒であると推定される。そして、確変状態に突入するか否かに応じた内容の演出パターンのうち、推定された所要時間の34秒に収まる範囲で、最も近い演出時間を指定する報知演出時間指定コマンドが選択される。
例えば、演出フラグが「A」のときは、大当り終了後に確変状態へ突入するので、図12において、確変突入となる報知を「30秒」かけて行うコード「21H」のコマンドが選択される。また、演出フラグが「B」のときは、大当り終了後に確変状態へ突入しないので、確変突入とならない報知を「30秒」かけて行うコード「31H」のコマンドが選択される。
そして、選択された報知演出時間指定コマンドが、遊技制御装置100から表示制御装置150に送信される。なお、選択された報知演出時間指定コマンドを受信した表示制御装置150は、指定された演出時間を持つ確変突入報知画像を画像表示装置25に表示させる。
このように、大当りの残りラウンド数の推定された所要時間に収まる範囲であって、最も近い演出時間を持つ報知画像が画像表示装置25に表示されるので、大当り状態の終了間際、すなわち、既に決定されている遊技者に付与される特典の大きさ(ラウンド昇格)が現実に遊技者に享受されるラウンド続行の時点の直前のタイミング又は既に決定されている新たな遊技状態(確変状態)に実際に移行する確変突入の時点の直前のタイミングにおいて、報知結果を遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を高めることができる。
特に、ラウンドの継続が実行される第10ラウンドの終了時の直前のタイミングにおいて、ラウンド昇格報知によってラウンド昇格するか否かを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を高めることができる。
また、確変突入が実行される大当り終了の直前のタイミングにおいて、確変突入報知によって確変突入するか否かを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を高めることができる。
また、複数種類の実行時間を持つ報知画像を備えるので、報知の実行時間が一定ではなく、遊技者に付与される利益(ラウンド昇格及び確変突入)が判明する時点を多様にすることができ、遊技の興趣性を高めることができる。
また、本実施の形態は、ラウンド数の最大値MAXが、4、10及び15(ラウンド)と3種類設けられているが、いずれの値が選択された場合でも、ラウンドが終了する条件であるカウント数は10で同一である。従って、最大値MAXが異なる大当りにおいて計測された開放時間も、共通して開放時間の平均値の算出に用いることができる。これによって、開放時間のサンプル数が大きくなるので、開放時間の誤差が少なくなり、報知時間の決定の精度を高めることができるとともに、開放時間の計測が開始されてから未だに発生してない最大値MAXを持つ大当りが発生した場合にも、他の最大値MAXを持つ大当りで計測された開放時間を用いて、報知の実行時間を決定することができる。
なお、本実施の形態では、計測された開放時間の平均値を算出する際に、当該大当りの第1ラウンドから直前のラウンドにおいて計測された開放時間を用いるが、これに限らず、過去に実行された大当りにおいて計測された開放時間を含めてもよい。例えば、当該営業日の電源投入時から実行された全ての大当りにおいて計測された開放時間を集計して算出された平均値を用いることができる。
これによって、開放時間のサンプル数が大きくなるので、開放時間の誤差が少なくなり、報知時間の決定の精度を高めることができる。
この場合、計測された開放時間を、バックアップ電源部によってバックアップされた遊技制御装置100が備えるRAMに記憶してもよい。これによって、落雷等によって電源がオフになっても、それまでに計測された開放時間が失われない。
なお、本実施の形態では、ラウンド昇格及び確変突入の報知の実行時間の決定は、計測された開放時間の平均値から前述したようにして算出した値を用いたが、これに限らず、例えば、この算出した値を「残りラウンド数×計測された開放時間の平均値+(残りラウンド数−1)×インターバル時間+α」のように算出し、さらにαを「計時された開放時間の平均値が長くなれば長くなるほど、短くなる変数」としてもよい。これによって、変動入賞装置への球の寄り具合がわかりにくくなり、釘調整結果が遊技者に把握されにくくなる。
また、このαを、乱数カウンタから取得した乱数値に基づいて決定し、報知の実行時間をランダムにすることができる。これによって、報知の実行時間が一定でなく、遊技者に付与される利益の大きさ(ラウンド昇格の有無及び確変突入の有無)が判明する時期が多様となり、遊技の興趣を高めることができる。
図11は、本発明の第1の実施の形態の当りの種別の説明図である。
図に示す「乱数」は、各当りの種別と対応する入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が属する範囲(例えば、R1〜R5)を表す。「名称」は、各当りの種別の名称を表す。
「図柄表示」は、演出表示において、各当りの種別に当選したことを表示する停止図柄の表示内容を表す。「演出フラグ」は、各当りの種別に当選した場合に、ラウンド昇格報知及び確変突入報知を行うか否かを決定する演出フラグのうち、オンになる演出フラグを表す。「ラウンド数」は、各当りの種別の特別遊技状態が実行されるラウンド数を表す。「当り動作終了後」は、各当りの種別に基づく特別遊技状態終了後に確変状態に突入するか否かを表す。
例えば、大当り発生処理(図7)のステップS51において抽出された特別図柄乱数カウンタ値が、「乱数」のR1の範囲に含まれる場合には、「優等大当り」が当選となる。そして、この優等大当りは、図に示すように「ラウンド数」は「15R」のみであり、「当り動作終了後」は「確変」(確変状態に突入)のみであるので、ラウンド昇格報知及び確変突入報知は必要がない。従って「演出フラグ」は、ラウンド昇格報知及び確変突入報知のいずれも実行されない(図10のステップS91)「D」に設定される。
抽出された特別図柄乱数カウンタ値が、R5に含まれる場合には、「小当り」が当選となる。この小当りも、図に示すように、「ラウンド数」は「4R」のみであり、「当り動作終了後」は「確変」のみであるので、「演出フラグ」は、「D」に設定される。
一方、抽出された特別図柄乱数カウンタ値が、R2〜R4に含まれる場合には、発展大当りが当選となる。この発展大当りには、「発展大当りA」、「発展大当りB」及び「発展大当りC」の3種類がある。
発展大当りAは、ラウンド昇格によって「ラウンド数」が「15R」となり、「当り動作終了後」は「確変」状態となる。発展大当りBは、ラウンド昇格によって「ラウンド数」が「15R」となり、「当り動作終了後」は「通常」状態となる。発展大当りCは、ラウンド昇格せずに「ラウンド数」が「10R」となり、「当り動作終了後」は「通常」状態となる。
ここで、発展大当りの実行開始時には、遊技者は発展大当りA〜Cのいずれに当選したのかを知ることができない。遊技者は、ラウンド昇格報知及び確変突入報知によって初めて、ラウンド昇格の有無及び確変突入の有無を知ることができる。
発展大当りCに当選した場合には、図に示すように、ラウンド昇格報知は行うが(但し、報知内容は、ラウンド昇格せず10Rで終了)、確変突入報知は行わないので、「演出フラグ」は、「C」に設定される。
一方、発展大当りA及び発展大当りBに当選した場合は、図に示すように、ラウンド昇格報知及び確変突入報知を、ともに行うので、「演出フラグ」は、それぞれ「A」又は「B」に設定される(なお、発展大当りAの当選時の確変突入報知の報知内容は、「確変」であり、発展大当りBの当選時の確変突入報知の報知内容は、「通常」である。)。
このようにして、図7の大当り発生処理のステップS51において決定された演出フラグによって、図10の報知タイミング判定処理で、それぞれの当りの種別に対応した報知が実行される。
図12は、本発明の第1の実施の形態の報知演出時間指定コマンドの説明図である。
遊技制御装置100は、図10の報知タイミング判定処理のステップS94及びS98において、表示制御装置150に対して報知演出時間指定コマンドを送信知ることによって、報知の内容、報知結果及び報知時間を指定する。
「コード」は、各報知演出時間指定コマンドのコードを表す。「機能」は、各報知演出時間指定コマンドの機能であり、遊技制御装置100が表示制御装置150に対して報知演出の演出表示を指定する内容を表す。なお、「コード」の末尾の“H”は、各コードが16進数で表されていることを意味している。
「機能」が示す報知の内容は、例えば、ラウンド昇格又は確変突入等の、遊技者に付与される利益の種類である。報知結果は、例えば、ラウンド昇格するか否か又は確変突入するか否か等、遊技者に利益が付与されるか否かの報知である。報知時間は、例えば、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、90秒、100秒、110秒又は120秒等、報知が実行され続ける時間を指定する。
図13及び図14は、本発明の第1の実施の形態の画像表示装置25の表示領域の表示例である。
図13は、ラウンド昇格報知画面の表示例である。ラウンド昇格報知表示画面は、図10の報知タイミング判定処理におけるステップS92のラウンド昇格報知タイミング(例えば、第7ラウンド開始時)において、ラウンド昇格が行われるか否かを報知するアニメーション画像であり、画像表示装置25に表示される。ここでは、画像表示装置25の表示領域の左上に停止している識別情報が表示され、表示領域の上部には、現在のラウンド数が表示されている。
また、画像表示装置25の表示領域の左側に女性キャラクタが表示され、表示領域の右側に甲冑を身に着けた戦士キャラクタが表示されている。そして、表示領域に女性キャラクタと、戦士キャラクタとが剣で戦うアニメーション画像が表示される。そして、ラウンド昇格報知画面が表示されてから所定時間の経過後に、女性キャラクタ及び戦士キャラクタのいずれかが勝利するアニメーション画像が表示される。
ここで、ラウンド昇格しない場合には、戦士キャラクタが勝利するアニメーション画像が表示される。これによって、ラウンド昇格しないことが遊技者に報知される。このことから、大当り状態がラウンド昇格する場合に比較して、ラウンド数が延長されずに短く打ち切られるので、ラウンド昇格する場合に比較して、得られる利益が少なく、遊技者にとって好ましくない結果になったことが遊技者に認識される。
また、ラウンド昇格する場合には、女性キャラクタが勝利するアニメーション画像が表示される。これによって、ラウンド昇格によって大当り状態が継続されることが遊技者に報知される。このことから、ラウンド昇格しない場合に比較して、より多い利益が得られ、遊技者に取って好ましい結果になったことが遊技者に認識される。
図14は、確変突入報知画面の表示例である。確変突入報知表示画面は、図10の報知タイミング判定処理におけるステップS96の確変突入報知タイミング(例えば、第13ラウンド開始時)において、確変状態に突入するか否かを報知するアニメーション画像であり、画像表示装置25に表示される。本実施の形態では、報知画像表示装置25の表示領域の左上に停止した識別情報が表示され、表示領域の上部には、現在のラウンド数が表示されている。
また、画像表示装置25の表示領域の略中央下部には、楕円形を4等分した形状の表示領域が4個表示されている。なお、4個の表示領域のうち、左上の領域及び右下の領域は、確変状態に突入することを報知する「○」が表示されている。また、左下の領域及び右下の領域には、確変状態に突入しないことを報知する「×」が表示されている。
そして、確変突入報知が開始され、アニメーション画像が動作を開始すると、4個の表示領域のうちの一つの表示領域(図14においては、左上の表示領域)は、他の表示領域と異なる配色で表示され、他の表示領域と異なる配色で表示された領域が、ルーレットのように時計回りで交代して表示されていく。そして、確変突入報知画面が表示されてから所定時間の経過後に、いずれかの表示領域で停止する画像が表示される。
ここで、確変状態に突入しない場合には、確変突入報知のアニメーション画像が「×」の領域(左下の領域又は右上の領域)が異なる配色の状態で停止表示される。これによって、確変状態に突入しないことが遊技者に報知される。このことから、確変状態に突入する場合に比較して、大当り状態が発生する確率が増加しないので、得られる利益が少なく、遊技者にとって好ましくない結果になったことが遊技者に認識される。
また、確変状態に突入する場合には、確変突入報知のアニメーション画像が「○」の領域(左上の領域又は右下の領域)が異なる配色の状態で停止表示される。これによって、確変状態に突入することが遊技者に報知される。このことから、確変状態に突入しない場合に比較して、大当り状態が発生する確率が増加するので、より多い利益が得られ、遊技者に取って好ましい結果になったことが遊技者に認識される。
なお、確変突入報知のアニメーション画像として図13のアニメーションを用い、ラウンド昇格報知のアニメーション画像として図14のアニメーションを用いるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態によれば、ラウンド昇格報知及び確変突入報知が、特典が確定する直前に適切に行うことができるため、遊技者の興趣を高めることができる。また、報知が中断せずに最後まで実行されるので、設計時に想定した報知による演出効果が十分発揮される。
特に、特別遊技状態中の特定の時点(例えば、10ラウンド)で終了する短期の特別遊技状態(遊技者にとって価値の小さい特典)と、ラウンド昇格によって特定の時点の後も継続する(例えば、15ラウンドで終了する)長期の特別遊技状態(遊技者にとって価値の大きい特典)とがあり、特定の時点よりも前に、特別遊技状態が長期となるか否かを認識させるように、ラウンド昇格報知によって大当りが実行されるラウンド数を報知するので、報知結果が遊技者に認識されるタイミングを、特別遊技状態が短期となるか長期となるかが、実際に短期の特別遊技状態であれば終了し又は長期の特別遊技状態であれば継続するタイミング(特定の時点)まで近づけることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
ちなみに、この特定の時点(10ラウンド終了時点)以降でも大当りが継続しているのであれば、大当りが15ラウンドまで継続することが確定しているので、この特定の時点(10ラウンド終了時点)を過ぎてラウンド昇格報知を行っても、遊技者は報知の結果に興味を示さない。従って、この特定の時点(10ラウンド終了時点)までに、可能であればこの特定の時点(10ラウンド終了時点)のできるだけ直前にラウンド昇格報知を行うことで、遊技者の興趣を最も高めることができる。
また、特別遊技状態の終了する時点よりも前に、大当り終了後の遊技状態を知らせる報知(大当り終了後が確変状態になるか否かの報知)を行うので、報知結果が遊技者に認識されるタイミングを、特別遊技状態の終了間際、即ち、できるだけ遊技状態が実際に変化する直前となるタイミングまでその報知を継続することができ、遊技者の興趣を高めることができる。なお、この場合の遊技状態は、確変状態(確率変動状態)に限定されず、前述した変動時間短縮状態などが含まれていてもよい。要するに、遊技者に付与される特典の価値の大きさと関連する遊技状態であればよい。
ちなみに、この特別遊技状態の終了する時点以降になって既に確変状態へ突入した後では、確変突入報知を行っても、遊技者は報知の結果に興味を示さない。従って、この特別遊技状態が終了する時点までに、可能であれば特別遊技状態が終了する時点のできるだけ直前に確変突入報知を行うことで、遊技者の興趣を最も高めることができる。
言い換えれば、大当り中に遊技が進行していく過程で、前述の特定の時点(10ラウンド終了時点)に到達することになり、この時点でもって、大当りが10ラウンドで終了するのか15ラウンドまで継続するのかが判明(特典の価値の大きさが判明)してしまうので、その時点よりも前に、ラウンド昇格報知(特典の価値の大きさの報知)を行うことを意図しているのである。
同様に、大当り中に遊技が進行していくと、最後は大当りが終了する時点に到達することになり、この時点でもって、確変突入するか否かが(特別遊技状態後の遊技状態がどうなるのかが)判明してしまうので、その時点よりも前に、確変突入報知(特典の価値の大きさの報知)を行うことを意図しているのである。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と異なり、報知タイミング判定処理において、ラウンド昇格報知及び確変突入報知の実行時間の長さが一定であり、一方、ラウンド昇格報知及び確変突入報知の開始タイミングが変化する。
ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成及び処理のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図15は、本発明の第2の実施の形態の報知タイミング判定処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
本実施の形態の報知タイミング判定処理では、遊技制御装置100は、まず、演出フラグが「D」であるか否かを判定する(S101)。
演出フラグが「D」であれば、ラウンド昇格及び確変突入の是非の結果が確定しているので(図11参照)、ラウンド昇格報知及び確変突入報知は不要であって実行しないため、特別遊技処理へ復帰する。一方、演出フラグが「D」でなければ、遊技制御装置100は、大当り経過タイマ(図7のステップS53)をチェックし、ラウンド昇格報知の開始タイミングを決定するタイミング(例えば、第7ラウンド開始時)であるか否かを判定する(S102)。
ラウンド昇格報知の開始タイミングを決定するタイミングでなければ、ステップS104に処理を進める。一方、ラウンド昇格報知の開始タイミングを決定するタイミングであれば、遊技制御装置100は、ラウンド昇格報知の開始タイミングを決定する(S103)。ここでは、大当り発生処理(図7)のステップS53で初期化した大当り経過タイマが何秒になったときにラウンド昇格報知を開始するかを決定する。
次に、遊技制御装置100は、大当り経過タイマとステップS103の決定結果とを比較し、ラウンド昇格報知の開始タイミングであるか否かを判定する(S104)。
ラウンド昇格報知の開始タイミングでなければ、ステップS106に処理を進める。一方、ラウンド昇格報知の開始タイミングであれば、遊技制御装置100は、報知内容に対応するラウンド昇格報知実行指令を送信し、ステップS106に処理を進める。
ここで、ラウンド昇格報知の開始タイミングとは、ラウンド昇格報知(図13)が開始されるタイミングであり、特別遊技処理(ステップS83及びS68)によって計測された大入賞口の当該大当りにおける第1ラウンドから直前のラウンド(例えば、第6ラウンド)までの開放時間の平均値に基づいて決定される。
本実施の形態では、例えば、計測された開放時間の平均値が10秒であったときは、ラウンド同士の間に設けられたインターバル時間(例えば、2秒)を考慮すれば、第7ラウンドを含む残り4ラウンド(第7〜第10ラウンド)が終了するまでの所要時間は、「残りラウンド数×計測された開放時間の平均値+(残りラウンド数−1)×インターバル時間」、すなわち、10×4+2×3=46秒であると推定される。そして、本実施の形態では、ラウンド昇格報知の演出時間は一定(例えば、30秒)であるので、第7ラウンド開始時点から、46−30=16秒後にラウンド昇格報知を開始すれば、第10ラウンドが終了すると同時に、ラウンド昇格報知が終了することになる。
これに基づいて、ラウンド昇格するか否かの結果に応じた内容の演出パターンの報知演出を実行させる演出コマンド(図示省略)が、決定された開始タイミング(例えば、第7ラウンド開始から16秒後)において、遊技制御装置100から表示制御装置150に送信される。なお、演出コマンドを受信した表示制御装置150は、指定されたラウンド昇格報知画像を画像表示装置25に表示させる。
ステップS106では、遊技制御装置100は、演出フラグが「C」であるか否かを判定する。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様、ラウンド昇格の後に確変突入が発生するが、演出フラグが「C」である場合は、ラウンド昇格が発生しないので確変突入が発生せず(図11)、確変突入報知は常に実行されずに、特別遊技処理へ復帰する。
一方、演出フラグが「C」でない場合は、遊技制御装置100は、大当り経過タイマをチェックし、確変突入報知の開始タイミングを決定するタイミング(例えば、第13ラウンド開始時)であるか否かを判定する(S107)。確変突入報知の開始タイミングを決定するタイミングでなければ、ステップS109に処理を進める。一方、確変突入報知の開始タイミングを決定するタイミングであれば、遊技制御装置100は、確変突入報知の開始タイミングを決定する(S108)。ここでは、大当り発生処理(図7)のステップS53で初期化した大当り経過タイマが何秒になったときに確変突入報知を開始するかを決定する。
そして、遊技制御装置100は、大当り経過タイマとステップS108の決定結果とを比較し、確変突入報知の開始タイミング(例えば、第13ラウンド開始時)であるか否かを判定する(S109)。確変突入報知の開始タイミングでなければ、特別遊技処理へ復帰する。一方、確変突入報知の開始タイミングであれば、遊技制御装置100は、報知内容に対応する確変突入報知実行指令を送信し、特別遊技処理へ復帰する。
ここで、確変突入報知の開始タイミングとは、確変突入報知(図14)が開始されるタイミングであり、ラウンド昇格報知の場合と同様に、特別遊技処理によって計測された大入賞口の当該大当りにおける第1ラウンドから直前のラウンド(例えば、第12ラウンド)までの開放時間の平均値に基づいて決定される。
本実施の形態では、例えば、抽選結果が確変突入する場合であって、計測された開放時間の平均値が10秒であったときは、ラウンド同士の間に設けられたインターバル時間(例えば、2秒)を考慮すれば、第13ラウンドを含む残り3ラウンド(第13〜第15ラウンド)が終了するまでの所要時間は、10×3+2×2=34秒であると推定される。そして、本実施の形態では、ラウンド昇格報知の演出時間は一定(例えば、30秒)であるので、第13ラウンド開始時点から、34−30=4秒後に確変突入報知を開始すれば、第15ラウンドが終了すると同時に、確変突入報知が終了することになる。
これに基づいて、確変突入するか否かの結果に応じた内容の演出パターンの報知演出を実行させる演出コマンド(図示省略)が、決定された開始タイミング(例えば、第13ラウンド開始から4秒後)において、遊技制御装置100から表示制御装置150に送信される。なお、演出コマンドを受信した表示制御装置150は、指定された確変突入報知画像を画像表示装置25に表示させる。
このように、大当りの残りラウンド数の推定された終了時に、報知画像が画像表示装置25に表示されるので、大当り状態の終了間際、すなわち、既に決定されている遊技者に付与される特典の大きさ(ラウンド昇格)が現実に享受されるラウンド続行の時点の直前のタイミング又は既に決定されている新たな遊技状態(確変状態)に実際に移行する確変突入の時点の直前のタイミングにおいて、報知結果を遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を高めることができる。
特に、ラウンド昇格する場合にはラウンドの継続が実行される第10ラウンドの終了時の直前のタイミングにおいて、ラウンド昇格報知によってラウンド昇格するか否かを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を高めることができる。
また、報知の開始タイミングが選択可能であるので、報知の開始時点が一定ではなく、遊技者に付与される利益(ラウンド昇格及び確変突入)が判明する時点を多様にすることができ、遊技の興趣性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、報知の開始タイミングを、所定のラウンド(例えば、ラウンド昇格報知は第7ラウンド、確変突入報知は第13ラウンド)の開始時点から、推定された残りラウンドの所要時間が経過した時点として決定するが、これに限らず、所定のラウンド以降のラウンド開始時点(及び/又はラウンド終了時点)のうち、推定された残りラウンドの所要時間経過後の最初の時点として決定してもよい。
また、本実施の形態では、ラウンド昇格及び確変突入の報知の開始タイミングは、計測された開放時間の平均値から前述したようにして算出した値を用いたが、これに限らず、例えば、「残りラウンド数×計測された開放時間の平均値+(残りラウンド数−1)×インターバル時間+α」とし、さらにαを「計時された開放時間の平均値が長くなれば長くなるほど、短くなる変数」としてもよい。これによって、変動入賞装置への球の寄り具合がわかりにくくなり、釘調整結果が遊技者に把握されにくくなる。
また、このαを、乱数カウンタから取得した乱数値に基づいて決定し、報知の開始タイミングをランダムにすることができる。これによって、報知の開始タイミングが一定でなく、遊技者に付与される利益の大きさ(ラウンド昇格の有無及び確変突入の有無)が判明する時期が多様となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、報知の開始タイミングと、大当りを演出する大当り中の音楽との関係によって、特別変動入賞装置36への球の寄り具合を把握されてしまうことを防ぐことができる。
すなわち、大当り中のラウンドの進行の早さは、特別変動入賞装置36への球の寄り具合によって左右される。釘調整によって球の寄り具合を良く設定すれば、特別変動入賞装置36に球が多く集まるので、カウント数(図8のステップS67)の増加が早くなるので、大当り状態のラウンドの進行が早まる。一方、球の寄り具合を悪く設定すれば、特別変動入賞装置36に球が集まり難いので、カウント数が増加し難くなり、ラウンドの進行が遅くなる。
ここで、所定の長さの大当り中の音楽を、大当り発生から大当り終了まで繰り返し出力すると、第1の実施の形態のように、報知の開始タイミングが、所定のラウンドの開始時(例えば、第7ラウンド又は第13ラウンド)のように一定に定められている場合、遊技者は、音楽が出力された回数や音楽中の特定の位置とラウンド昇格報知及び確変突入報知の開始タイミングとの相対的な関係によって、ラウンドの進行の早さを把握することが可能となる。また、遊技者が大当り発生から報知の開始タイミングまでの経過時間を計時することによっても同様である。そして、遊技者に、このラウンド進行の早さに基づき、特別変動入賞装置36への球の寄り具合を推定されてしまうおそれが生じることになる。
しかし、ラウンド昇格報知及び確変突入報知の開始タイミングが変化することによって、遊技者にとってラウンド昇格報知及び確変突入報知の開始タイミングに基づいてラウンドの進行の早さを把握することが困難になり、これによって、球の寄り具合が把握されることを防止することができる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。