JP2008054380A - 永久磁石の着磁方法及び着磁装置 - Google Patents

永久磁石の着磁方法及び着磁装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低電流、低電圧での着磁が可能で、未着磁部分の幅を十分に小さくすることができ、永久磁石を高性能化することが可能な着磁方法を提供することを目的とする。また、永久磁石の着磁装置との接触状態でのスライドを回避し、微粉の発生を防止することが可能な着磁方法及び着磁装置を提供する。
【解決手段】 永久磁石1を着磁コイルが巻回された着磁ヨーク4,5で挟み込んで2極以上に着磁するに際し、第1の着磁の後、磁極間の無着磁部分8の幅WのW/3〜2W/3に相当する距離だけ永久磁石1を移動し、第2の着磁を行う。着磁装置は、着磁コイルが巻回された一対の着磁ヨーク12,13を備え、これら着磁ヨーク12,13間に永久磁石11を挟み込んで2極以上に着磁する。着磁ヨーク12,13に対して永久磁石11を相対移動させる移動ユニット(シフトユニット15,16)を備え、永久磁石11を着磁ヨーク13から離間させて移動させる機構(突き上げピン18,19)を有する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、例えばボイスコイルモータ用磁石等の永久磁石を2極以上に着磁する際に適用される永久磁石の着磁方法及び着磁装置に関する。
例えばハードディスクドライブ用ボイスコイルモータでは、ボイスコイルモータの小型化や高性能化が要求されており、組み込まれる永久磁石の性能向上が進められている。例えばネオジム鉄ボロン系焼結磁石等の希土類焼結磁石は、高い磁気特性を有することから、前記ボイスコイルモータの小型化、高性能化に寄与している。
一方で、前記ボイスコイルモータに用いる永久磁石においては、その能力を最大限に引き出すことも要求されており、例えば無着磁部分をできるだけ少なくする方法が検討されている。無着磁部分では例えばボイスコイルモータの駆動に寄与する磁力を発生せず、この部分を少なくすることができれば、その分だけ永久磁石を小型化、あるいは高性能化できることになる。
前述のように無着磁部分を狭くするためには、一般的には着磁装置の着磁電圧を上げたり、着磁装置に組み込まれる着磁コイルの巻線径を小さくする等の対策が採られている。しかしながら、いずれの場合にも着磁コイルへの負担が大きくなり、着磁コイルが電流値に耐えきれなくなって断線する等の障害が発生し、生産ラインが突発的に停止する等の不具合が生ずるおそれがある。
このような状況から、例えば着磁を2回行うことで前記無着磁部分を少なくする着磁技術が提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照)。
特許文献1記載の発明は、軸方向空隙型モータ用永久磁石の着磁方法に関するものであり、希土類金属を含んだものでNS交互に4極以上の磁極を有する外径が14mm以内で内径が4mm以上の薄いリング状軸方向空隙型永久磁石であって磁石全断面積に対する無着磁部の断面積を8%以下になるように磁石をずらしたり、着磁ヨークをずらしたりして着磁することが開示されている。
特許文献2記載の発明も永久磁石の多極着磁装置及び方法に関するものであり、平板状あるいはリング状の永久磁石を片面あたり2極以上の極数に磁化する着磁方法であって、着磁ヘッドを永久磁石をはさんで対向して設けて1度通電して初回着磁後、永久磁石を着磁磁場方向の垂直方向に初回着磁における未着磁部分の幅分だけスライドさせてもう一度通電して仕上げ着磁する永久磁石の着磁方法、着磁装置が開示されている。
特開2002−204542号公報 特許第3418083号公報
しかしながら、1回目の着磁で未着磁であった未着磁部分を着磁するために永久磁石をずらして2回目の着磁を行う場合、永久磁石の移動距離を適正に設定しないと、必ずしも未着磁部分を十分に少なくすることができないことがわかってきた。2極着磁(多極着磁)を行う着磁装置では、磁極間の境界領域に互いに逆方向の磁界が発生するが、例えば特許文献2記載の発明のように、未着磁部分の幅分だけスライドさせて2回目の着磁を行うと、既に着磁された部分に反対方向の磁界が作用して、この部分の磁化を弱める結果となる。これは永久磁石を着磁する上で好ましいものではなく、不完全な着磁部分が発生し、永久磁石の性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、前記特許文献1や特許文献2記載の発明では、いずれも永久磁石が着磁装置(着磁ヨークあるいは着磁ヘッド)と接した状態でスライドさせるようにしているが、異物の発生という点で大きな問題である。永久磁石を着磁装置と接触した状態でスライドさせると、永久磁石の表面が削れて微粉が発生する可能性がある。前述のハードディスクドライブでは、記録再生用ヘッドとディスクの間隔や永久磁石とアクチュエータの間隔が非常に微小なものとなっており、前記微粉が発生すると、これらの動作の障害となるおそれがある。
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、先ず第1に、低電流、低電圧での着磁が可能で、しかも未着磁部分の幅を十分に小さくすることができ、永久磁石を高性能化することが可能な着磁方法を提供することを目的とする。また、第2に、永久磁石の着磁装置との接触状態でのスライドを回避し、微粉の発生を防止することが可能な着磁方法及び着磁装置を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本願発明の着磁方法は、永久磁石を着磁コイルが巻回された着磁ヨークで挟み込んで2極以上に着磁するに際し、第1の着磁の後、磁極間の無着磁部分の幅の1/3〜2/3に相当する距離だけ永久磁石を移動し、第2の着磁を行うことを特徴とする。
従来技術では、無着磁部分の幅を狭くするために、永久磁石の着磁部分が磁気的に飽和する電圧を遙かに超える着磁電圧まで電圧を上昇させたり、巻線径を極力細くすることで着磁ヨークのN極・S極間の間隔を狭めること等の対策が採られてきた。しかしながら、いずれの場合にもコイル負荷が著しく増大し、断線等の損傷が絶えなかった。これに対し、本発明では、2回着磁としているので、着磁の際の着磁電圧や着磁電流を上げることなく無着磁部分の幅を細くすることが可能である。さらに、着磁電圧は永久磁石の着磁部分が磁気的に飽和する電圧まで下げることが可能である。
また、本発明の着磁方法では、前記2回着磁において、第1の着磁の後、磁極間の無着磁部分の幅の1/3〜2/3に相当する距離だけ永久磁石1を移動し、第2の着磁を行うようにしている。永久磁石をこれ以上の距離を移動させると、既に着磁された領域に逆方向の磁場がかかり、逆方向着磁となって着磁部分の残留磁束密度が減少する可能性がある。永久磁石の移動距離を前記範囲に限定することにより、逆方向着磁の影響が最小限に抑えられ、無着磁部分が大幅に削減されることで実効的な着磁領域が拡大され、永久磁石の高性能化が実現される。
一方、本願発明の着磁装置は、着磁コイルが巻回された一対の着磁ヨークを備え、これら着磁ヨーク間に永久磁石を挟み込んで2極以上に着磁する着磁装置であって、前記着磁ヨークに対して永久磁石を相対移動させる移動ユニットを備え、当該移動ユニットは永久磁石を着磁ヨークから離間させて移動させる機構を有することを特徴とする。
前述の通り、永久磁石を着磁装置と接触した状態でスライドさせると、永久磁石の表面が削れて微粉が発生し、永久磁石の表面にキズや微粉の付着等が発生し永久磁石の信頼性や外観を損なう可能性がある。特に、1回目の着磁後には、着磁された永久磁石と着磁ヨークとが磁気的に吸着された状態であるので、移動には過大な力が必要となり、微粉が発生する可能性が高く、永久磁石の表面にキズや微粉の付着等が発生し永久磁石の信頼性や外観を損なう可能性も高い。本発明の着磁装置では、永久磁石を着磁ヨークから離間させて移動させる構成とされているので、永久磁石の表面が削れて微粉が発生することがない。
本発明によれば、着磁電圧を抑える等、着磁装置の負荷を最小限に抑え、例えば着磁コイルの長寿命化を図りながら、性能に寄与しない無着磁部分を大幅に削減することができ、実効的な着磁領域を拡大して永久磁石の高性能化を実現することができる。また、本発明によれば、永久磁石の着磁装置とが接触状態でスライドさせることがなく、微粉の発生、及び永久磁石の表面にキズや微粉の付着等が発生することによる永久磁石の信頼性や外観の劣化を防止することが可能であり、性能ばかりでなく信頼性の点でも優れた永久磁石を提供することが可能である。
以下、本発明を適用した着磁方法及び着磁装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下においては、ボイスコイルモータ用の永久磁石の着磁に適用した場合を例にして説明するが、本発明がこれに限られるものでないことは言うまでもなく、種々の用途の永久磁石の多極着磁にも適用することが可能である。
(着磁の基本概念)
先ず、2回着磁の基本概念について説明する。例えば図1(a),(b)に示すように、板状の永久磁石1を、上面がN極となるN極領域2とS極となるS極領域3に2極着磁する場合、図2に示すように、永久磁石1の上下を着磁ヨーク4,5で挟み込み、これら着磁ヨーク4,5に巻回した着磁コイル(図示は省略する。)に電流を流すことで磁界を発生させ、着磁を行う。
前記着磁ヨーク4,5においては、図3に示すように、巻線コイル6が巻回されるが、巻線7は中央を境に巻回方向が反転され、いわゆる8の字形に巻回されている。したがって、着磁ヨーク4,5により発生する磁界の方向は、中心線を境に図中左右で反転し、永久磁石1に対して前記2極着磁を一括して行うことが可能になる。すなわち、図2に示すように、例えば永久磁石1の右半分(前記S極領域3)には、図中下向きの磁界が印加され、上面がS極、下面がN極となるように着磁される。左半分(前記N極領域2)には、図中上向きの磁界が印加され、上面がN極、下面がS極となるように着磁される。
ただし、1回の着磁では、前記N極領域2とS極領域3の間に無着磁領域(未着磁領域)8が形成される。これは、前記磁界が反転する境界部分に巻線7が存在し、磁界が有効に発生しない領域があるからである。図4は、着磁ヨーク4,5間で発生する磁界の強度分布を模式的に示すものである。前述の通り、反転磁界の境界領域には、ほとんど磁界が発生しない領域があり、前記無着磁領域8の形成は避けられない。
ここで、永久磁石1の高性能化を考えた場合、無着磁領域8の幅を極力小さくすることが望まれる。無着磁領域8の幅を小さくするには、例えば着磁コイルに供給する着磁電圧を永久磁石1が磁気的に飽和する電圧を遙かに超える電圧まで上げることが考えられる。しかしながら、この場合には、着磁コイルに対する負荷が著しく、着磁コイルにダメージを与える結果になる。あるいは、着磁コイルを構成する巻線の線径を極力細くすることで着磁ヨークのN極・S極間の間隔を狭めることも考えられるが、この場合も着磁コイルに対する負荷が大きく、着磁コイルの損傷が絶えない。
そこで、本発明においては、着磁ヨーク4,5に対して永久磁石1を相対的に移動させ、前記無着磁領域8に対して再度磁界を印加することでこれを解消することとする。具体的には、永久磁石1に対して着磁ヨーク4,5の磁界反転境界線(着磁コイルの中央巻線位置)Cが図5(a)に示す位置となるように設定して第1回目の着磁を行う。これにより無着磁領域8(幅W)が形成されるが、次に、永久磁石1を移動し、図5(b)に示すように前記磁界反転境界線Cの位置をずらして2回目の着磁を行う。着磁ヨーク4,5においては、着磁コイルに1回目の着磁電流を流す工程の後、着磁ヨーク4,5に対して永久磁石1の相対位置がシフトし、2回目の着磁電流を流す工程があることになる。これにより、無着磁部分8に対して有効に着磁が行われ、無着磁部分8の寸法(幅)を大幅に削減することができる。
ただし、この場合、永久磁石1の移動距離(すなわち、図5において、磁界反転境界線Cの1回目の着磁の際の位置と2回目の着磁の際の位置との間の距離)Lを適正に設定する必要がある。具体的には、1回目の着磁の際の前記無着磁領域8の幅Wに対して、前記移動距離LがW/3〜2W/3となるように設定する。これ以上永久磁石1を移動させると、既に着磁された領域に逆方向の磁界が印加されることになり、この部分の残留磁束密度が減少して却って永久磁石1の性能を損なうことになるからである。
なお、1回目の着磁の際の着磁電圧(着磁コイルに印加する電圧)と、2回目の着磁の際の着磁電圧とは、同じ電圧に設定することが好ましい。1回目の着磁の際の着磁電圧が2回目の着磁の際の着磁電圧より高いと、2回目の着磁の効果が現れにくくなる可能性がある。逆に、1回目の着磁の際の着磁電圧より2回目の着磁の際の着磁電圧が高いと、2回着磁の効果は得られ易いものの、着磁コイルの負担が大きくなってしまう。
前述の2回着磁に際しては、着磁電圧(着磁コイルに印加する電圧)を最小限に抑えることができる。例えば、前記着磁電圧を永久磁石1が磁気的に飽和する最低限の電圧(飽和着磁電圧)程度にまで下げることが可能であり、設定電圧を飽和着磁電圧の1.0倍から1.1倍として着磁を行えばよい。着磁電圧を低く設定することができれば、着磁コイルを細線で構成することもできる。例えば、着磁コイルを構成する巻線の巻線径を0.8mm〜2.5mm程度に設定することが可能である。前記巻線径を小さくすることができれば、2回着磁との相乗効果により無着磁部分8の幅をさらに減少させることが可能である。
また、前述の2回着磁を行う場合、永久磁石1を所定の距離だけシフト(移動)させる必要があるが、永久磁石1が着磁ヨーク4,5と接触した状態(吸着した状態)で前記移動を行うと、摩擦等により永久磁石1の表面が削られ微粉が発生するおそれがある。また、削り取られた部分がキズになり永久磁石1の外観を損なうことになる。したがって、前記永久磁石1の移動に際しては、永久磁石1を着磁ヨーク4,5から離間させた状態で移動(シフト)を行うことが好ましい。永久磁石1を着磁ヨーク4,5から離間させて移動を行えば、永久磁石1の表面が削れることはなく、微粉の発生や外観の劣化を確実に回避することが可能である。
着磁対象となる永久磁石1としては、例えばR−T−B系の希土類焼結磁石等を挙げることができる。R−T−B系の希土類焼結磁石は、希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素を主成分とするものであるが、磁石組成は特に限定されず、用途等に応じて任意に選択すればよい。例えば、希土類元素Rとは、具体的にはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuのことをいい、これらから1種又は2種以上を用いることができる。中でも、資源的に豊富で比較的安価であることから、希土類元素Rとしての主成分をNdとすることが好ましい。また、遷移金属元素Tは、従来から用いられている遷移金属元素をいずれも用いることができ、例えばFe、Co、Ni等から1種又は2種以上を用いることができる。その他、永久磁石1は、例えばSmCo系焼結磁石等であってもよく、永久磁石1が前記R−T−B系の希土類焼結磁石等に限定されるものでないことは言うまでもない。
永久磁石1の形状は、例えば矩形板状等、任意であり、ボイスコイルモータ用の永久磁石の場合には、円弧形状とされる。永久磁石1の厚さも任意であるが、厚さが厚い永久磁石の方が無着磁領域の寸法(幅)が広くなり易い。これは、着磁ヨーク4,5間の距離が拡がり、着磁時の着磁ヨーク4,5間の磁界が弱まるためである。したがって、前記2回着磁はより厚い永久磁石の着磁に対して効果的である。具体的には、永久磁石1の厚さが1mm以上である場合、あるいは永久磁石1がヨーク板(支持板)に接着固定されている場合にはその合計の厚さが1mm以上である場合に効果的である。
(着磁装置の構成例)
次に、前記2回着磁を行うための着磁装置の構成について説明する。図6及び図7に本実施形態の着磁装置の概略構成を示す。
図6及び図7に示す着磁装置は、着磁対象となる永久磁石11の上下に配置される着磁ヨーク12,13と、永久磁石11の位置決めを行う着磁位置決めプレート14、前記着磁位置決めプレート14の移動(シフト)を行うシフトユニット15,16とから構成されている。永久磁石11は、ボイスコイルモータ用の永久磁石であって、円弧形状を呈しており、金属製のヨーク板(支持板)17に接着固定され、さらに当該ヨーク板17が前記着磁位置決めプレート14によって支持されている。前記着磁位置決めプレート14には、前記永久磁石11の平面形状に概ね対応するように貫通孔14aが形成されており、前記永久磁石11が着磁ヨーク13に接するようにその厚さが設定されている。また、着磁ヨーク12,13には、磁界を発生するための着磁コイル(図示は省略する。)が巻回されており、図中下方向の磁界を印加する第1着磁領域12a,13aと、図中上方向の磁界を印加する第2着磁領域12b、13bとを有している。さらに、上側の着磁ヨーク12は、上下動可能とされており、図示は省略するが、上下動を行うためのシリンダや上下動をガイドするガイド等が設けられている。
着磁位置決めプレート14は、前記シフトユニット15,16によって着磁ヨーク12,13に対して位置決めされるとともに、シフト量が設定される。すなわち、例えば下側の着磁ヨーク13と各シフトユニット15,16間の距離を検出するセンサが設けられており、シフトユニット15,16が図中左方向に移動した場合、右側のシフトユニット15がセンサの検出位置まで移動した時点で停止し、着磁位置決めプレート14の図中左方向における移動量が決まる。同様に、シフトユニット15,16が図中右方向に移動した場合、左側のシフトユニット16がセンサの検出位置まで移動した時点で停止し、着磁位置決めプレート14の図中右方向における移動量が決まる。これら動作により着磁位置決めプレート14の移動量(すなわち永久磁石11の移動量)が決まり、前記センサの位置を調整することで移動量を設定することが可能とされている。
一方、下側の着磁ヨーク13には、永久磁石11を突き上げる一対の突き上げピン18,19が内蔵されている。永久磁石11はヨーク板17に接着固定されており、このヨーク板17が支持される着磁位置決めプレート14を含むシフトユニット15,16を上下動させることで下側の着磁ヨーク13から離間させることが可能であるが、1回目の着磁後の永久磁石11は着磁ヨーク13に対して磁気的に強固に吸着されるため、永久磁石11に過剰な力が加わってヨーク板17から剥がれたり、ヨーク板17や着磁位置決めプレート14を損傷するおそれがある。前記突き上げピン18,19は、前記永久磁石11の着磁ヨーク13からの離間をサポートするものであり、シフトユニット15,16を上方に移動し永久磁石11を着磁ヨーク13から離間する際に、同時に上昇して永久磁石11の下面を押し上げ、永久磁石11の離間を円滑に行わせる役割を果たす。
次に、前述の着磁装置における着磁動作について説明する。当該着磁装置においては、永久磁石をシフトさせて2回着磁を行うが、その過程は以下の通りである。
永久磁石11を着磁する際には、図8(a)に示すように、着磁位置決めプレート14を含むシフトユニット15,16を図中左側に寄せた1回目着磁位置まで移動し、上側の着磁ヨーク12を下降させ、永久磁石11を上下の着磁ヨーク12,13で挟み込む。この時、シフトユニット15,16は、右側のシフトユニット15がセンサの検出位置まで移動し、着磁位置決めプレート14の前記1回目着磁位置を位置決めする。また、永久磁石11の下面には直接下側の着磁ヨーク13が接触するとともに、永久磁石11の上側にはヨーク板17を介して上側の着磁ヨーク12が当接される。
前述の状態で1回目の着磁を行うが、この時、着磁ヨーク12,13の第1着磁領域12a,13aでは図中上向きの磁界が印加され、永久磁石11の上面がN極、下面がS極となるように着磁される。着磁ヨーク12,13の第2着磁領域12b,13bでは図中下向きの磁界が印加され、永久磁石11の下面がN極、上面がS極となるように着磁される。これにより2極着磁が一括して行われるが、これだけでは永久磁石11に無着磁領域が形成されてしまう。
そこで次に、永久磁石11を着磁ヨーク12,13に対して相対移動(シフト)させ、2回目の着磁を行う。ここで、永久磁石11をシフトするには、図8(b)に示すように、上側の着磁ヨーク12を上昇させ、それとともに着磁位置決めプレート14を含むシフトユニット15,16を上昇させ、ヨーク板17に接着固定された永久磁石11を下側の着磁ヨーク13から離間させる。永久磁石11の着磁ヨーク13からの離間に際しては、前記突き上げピン18,19を上昇して永久磁石11の下面を押し上げ、永久磁石11の離間を円滑に行わせる。
永久磁石11を下側の着磁ヨーク13から離間させた後、この状態で着磁位置決めプレート14を含むシフトユニット15,16を水平方向(図中右方向)に移動させ、着磁位置決めプレート14とともに永久磁石11を移動する。この時、移動距離は左側のシフトユニット16がセンサの検出位置まで移動することで決まり、前述の通り、1回目の無着磁領域の幅Wに対して移動距離LがW/3〜2W/3となるように設定する。永久磁石11の移動を着磁ヨーク13と非接触状態で行うことにより、着磁ヨーク13に接触させたままスライドした時に発生する永久磁石11表面の損傷や、金属系のコンタミネーションの発生を防止することが可能である。
前述のように永久磁石11をシフトさせた後、図8(c)に示すように、着磁位置決めプレート14を含むシフトユニット15,16を下降して永久磁石11を下側の着磁ヨーク13と接触させ、上側の着磁ヨーク12を下降して着磁ヨーク12,13間に永久磁石11を挟み込む。この状態で再度磁界を印加して2回目の着磁を行う。本実施形態の着磁装置では、以上の動作で2回着磁が行われ、永久磁石11の無着磁部分の幅が大幅に削減される。
また、前述の2回着磁により、着磁電圧(着磁コイルに印加する電圧)を最小限に抑えることができ、例えば、前記着磁電圧を永久磁石11が磁気的に飽和する最低限の電圧(飽和着磁電圧)程度にまで下げることが可能である。具体的には、着磁コイルに印加する設定電圧を飽和着磁電圧の1.0倍から1.1倍として着磁を行えばよく、その結果、着磁コイルを細線で構成することもできる。すなわち、本実施形態の着磁装置では、着磁ヨーク12,13に巻回される着磁コイルの巻線径を0.8mm〜2.5mm程度に設定することが可能である。
以下、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
比較例
厚さ1.5mm永久磁石に対して1回着磁により2極着磁を行った。使用した着磁装置における着磁コイル(銅線)の巻線径は1.8mm、巻回数は4ターンとした。1回着磁における着磁電圧と、その時の無着磁部分の幅を表1に示す。
Figure 2008054380
1回着磁の場合、無着磁部分の幅を1mm以下とするためには、着磁電圧を1400V以上としなけらばならない。この時、着磁コイルにかかる負担はかなり大きく、しばしば着磁コイルの破損(断線)が起こった。着磁コイルが断線すると、永久磁石の生産(着磁)を中止しなければならず、作業性や生産性を大きく低下する要因となった。
実施例
先に説明した通り、図6及び図7に示す着磁装置を用い、永久磁石の移動量を0.6mmとして2回着磁を行った。この時の着磁電圧と無着磁部分の幅の関係を表2に示す。
Figure 2008054380
本実施例では、無着磁部分の幅を1mm以下とするには着磁電圧を1000Vとすればよく、1回着磁の場合に比べて着磁電圧を約29%低減することができる。前記着磁電圧の低減は着磁コイルの長寿命化に繋がり、実際、1回着磁の場合に約30万回着磁可能であったものがおおよそ600万回以上の着磁が可能となり、着磁コイルの破損による生産ラインの突発的な停止を防ぐことができた。
永久磁石のシフト量に関する検討
実施例と同様の着磁装置、着磁方法により、永久磁石に対して2回着磁を行った。着磁電圧は、永久磁石の着磁部分が磁気的に飽和する着磁電圧よりも若干高い1000Vに設定し、永久磁石のシフト量を変更して2回目の着磁を行った。永久磁石のシフト量とその時の無着磁部分の幅の関係について、表3に示す。
Figure 2008054380
この結果から、2回目着磁の際のシフト量が同条件での1回目着磁による無着磁部分の幅の2/3までであれば、シフトした分だけ無着磁部分の幅を減らすことができ、シフト量が1回目着磁の無着磁部分の幅の2/3〜同幅まででは、シフト量から期待されるほど無着磁部分の幅が狭くならない。これは、シフト量が大きくなり過ぎると1回目の着磁で既に着磁されている部分にまで逆方向の磁場がかかり、逆方向に着磁する結果となるからである。
なお、無着磁部分の幅自体は、例えばシフト量を1回目着磁による無着磁部分の幅と同等(1.6mm)とした場合に最も小さな値となっているが、実際には前記逆方向の着磁の結果、着磁されていた部分に逆方向にフルに着磁できていない着磁量の低い領域が形成され、無着磁部分と判断されてしまっている。特に、着磁電圧が低い場合には、磁極間の磁界反転領域での印加磁界の傾斜が緩やかであり、前記傾向が著しい。したがって、シフト量を1回目着磁による無着磁部分の幅と同等にすることにより、1回目の無着磁部分と判断される部分の幅は小さくなっている(着磁される)ものの、実際には着磁量の低い部分(無着磁部分と判断される部分)が新たに発生しており、実効的に無着磁部分が減少できていないことになる。着磁電圧が高い場合には、前記磁極間の磁界反転領域での印加磁界の傾斜が急峻であるため着磁量の低い領域の形成が小さく抑えられるが、コイルの長寿命化等のために着磁電圧を低くするという要求を考慮すると、前記シフト量の制限が有効である。すなわち、前述の2回着磁を行う場合、永久磁石のシフト量は1回着磁した際の無着磁部分の幅の1/3〜2/3とすることが望ましい。
永久磁石の着磁の様子を示す模式的な図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 2極着磁を行う際の着磁ヨークの配置例を示す模式図である。 2極着磁を行う着磁ヨークに巻回される着磁コイルの巻回状態を示す模式図である。 着磁ヨークにより発生する磁界の様子を示す図である。 2回着磁の際の永久磁石のシフト量を説明する図であり、(a)は1回目着磁の平面図、(b)は2回目着磁の平面図である。 着磁装置の一構成例を示す概略平面図である。 図6に示す着磁装置の概略側面図である。 図6及び図7に示す着磁装置における着磁動作を示す概略側面図であり、(a)は1回目着磁状態、(b)は永久磁石のシフト状態、(c)は2回目着磁状態を示す。
符号の説明
1,11 永久磁石、4,5,12,13 着磁ヨーク、8 無着磁部分、14 着磁位置決めプレート、15,16 シフトユニット、17 ヨーク板(支持板)、18,19 突き上げピン

Claims (9)

  1. 永久磁石を着磁コイルが巻回された着磁ヨークで挟み込んで2極以上に着磁するに際し、第1の着磁の後、磁極間の無着磁部分の幅の1/3〜2/3に相当する距離だけ永久磁石を移動し、第2の着磁を行うことを特徴とする永久磁石の着磁方法。
  2. 第1の着磁の後、着磁ヨークから永久磁石を離間させた状態で前記移動を行い、第2の着磁を行うことを特徴とする請求項1記載の永久磁石の着磁方法。
  3. 前記着磁コイルの設定電圧を飽和着磁電圧の1.0倍〜1.1倍とすることを特徴とする請求項1または2記載の永久磁石の着磁方法。
  4. 前記永久磁石の厚さが1mm以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の永久磁石の着磁方法。
  5. 前記永久磁石がヨーク板に固定されており、永久磁石とヨーク板を合わせた厚さが1mm以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の永久磁石の着磁方法。
  6. 前記永久磁石がボイスコイルモータ用の永久磁石であることを特徴とする請求項4または5記載の永久磁石の着磁方法。
  7. 着磁コイルが巻回された一対の着磁ヨークを備え、これら着磁ヨーク間に永久磁石を挟み込んで2極以上に着磁する着磁装置であって、
    前記着磁ヨークに対して永久磁石を相対移動させる移動ユニットを備え、当該移動ユニットは永久磁石を着磁ヨークから離間させて移動させる機構を有することを特徴とする永久磁石の着磁装置。
  8. 前記永久磁石を前記着磁ヨークから離間させる突き上げピンを備えることを特徴とする請求項7記載の着磁装置。
  9. 前記着磁コイルの巻線径が0.8mm以上、2.5mm以下であることを特徴とする請求項7または8記載の永久磁石の着磁装置。
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