上記課題を解決するために本発明の請求項1の発明は、複数のIP機器と接続できるインターフェースと、インターフェースを介して複数のIP機器からそれぞれのIP機器へアクセスするための個別情報を取得する取得手段と、複数のIP機器から取得された個別情報に基づいて、IP機器を使用可能にするための設定情報が設定済み状態であるか否かを判別する判別手段と、設定済み状態と判別されたIP機器から設定情報を取得し、この取得された設定情報を未設定状態と判別されたIP機器へ送信する制御手段と、を有することを特徴とする端末装置である。この構成によって、個別情報を取得し、この個別情報に基づいてIP機器を使用可能にするための設定情報が設定済み状態か否かを判別して、未設定状態と判別されたIP機器に対して共通の性質をもつグループごとにそれぞれ一括して共通の設定情報を自動設定できる。
本発明の請求項2の発明は、複数のIP機器と接続できるインターフェースと、インターフェースを介して複数のIP機器からそれぞれのIP機器へアクセスするための個別情報を取得する取得手段と、複数のIP機器から取得した個別情報に基づいて、IP機器を使用可能にするための設定情報が設定済み状態であるか否かを判別する判別手段と、設定済み状態と判別されたIP機器から該IP機器が有するそのまま設定可能な共通の設定情報を取得し、この取得した共通の設定情報を未設定状態と判別されたIP機器へ送信する制御手段と、を有することを特徴とする端末装置である。この構成によって、未設定状態のIP機器に対して設定済みIP機器の共通の設定情報を設定することができるので、新しく設置したIP機器に対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、複数の未設定状態のIP機器に対して一括して簡単に設定ができる。
本発明の請求項3の発明は、請求項1または2の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、設定情報がネットワークカメラの撮像画像の送信先を示すメールアドレスであることを特徴とする端末装置である。この構成によって、ネットワークカメラの撮像画像の送信先を示すメールアドレスが自動的に未設定状態のカメラへ送信されるので、新しく設置したネットワークカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラに画像通知先の設定を簡単にすることができきる。
本発明の請求項4の発明は、請求項1または2の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、設定情報がネットワークカメラの撮像画像の送信先を示すメールアドレス、及び送信依頼をしたメールサーバのIPアドレス及びポート番号であることを特徴とする端末装置である。この構成によって、ネットワークカメラの撮像画像の送信先を示すメールアドレス、送信依頼をしたメールサーバのIPアドレス及びポート番号が自動的に未設定状態のカメラへ送信されるので、新しく設置したネットワークカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラに画像通知先の設定を簡単にすることができきる。
本発明の請求項5の発明は、請求項1または2の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、設定情報がネットワークカメラの撮像画像をファイルとしてFTPサーバへ転送するための該FTPサーバのIPアドレス及びポート番号、保存ホルダ名であることを特徴とする端末装置である。この構成によって、撮像画像を送信するために必要なFTPサーバのIPアドレス及びポート番号、保存ホルダ名が自動的に未設定状態のネットワークカメラへ送信されるので、新しく設置したネットワークカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラに撮像画像をサーバへ送信するための設定を簡単に行うことができる。
本発明の請求項6の発明は、請求項1または2の発明に従属する発明であって、制御手段が、設定済み状態と判別されたIP機器からそれぞれのIP機器毎に設定されるべきIP機器固有の設定情報を取得し、この取得したIP機器固有の設定情報を加工して未設定状態と判別されたIP機器へ送信することを特徴とする端末装置である。この構成によって、未設定状態のIP機器に対して設定済みIP機器固有の設定情報を参考にして加工生成されたIP機器固有の情報を設定することができるので、新しく設置したIP機器に対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、複数の未設定状態のIP機器に対してIP機器固有の設定情報を一括して簡単に設定できる。
本発明の請求項7の発明は、請求項6の発明に従属する発明であって、固有の設定情報が設定済みIP機器の数字を含むホスト名の場合、制御手段がその数字をインクリメントして加工し未設定状態のIP機器へ送信することを特徴とする請求項5記載の端末装置である。この構成によって、インクリメントされた名前が自動的に未設定状態のIP機器へ送信されるので、新しく設置したIP機器に対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のIP機器に名前の設定を簡単に行うことができる。
本発明の請求項8の発明は、請求項6の発明に従属する発明であって、固有の設定情報が設定済みIP機器のIPアドレスの場合、制御手段が設定済みIP機器のIPアドレスと重複しないIPアドレスに書き換えて未設定状態のIP機器へ送信することを特徴とする端末装置である。この構成によって、書き変えられたIPアドレスが自動的に未設定状態のカメラへ送信されるので、新しく設置したカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のIP機器にIPアドレスの設定を簡単に行うことができる。
本発明の請求項9の発明は、請求項1または2の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、制御手段が設定済み状態と判別されたIP機器からカメラの機能に関する設定情報を取得し、取得したカメラの機能に関する設定情報を未設定状態と判別されたIP機器へ送信することを特徴とする端末装置である。この構成によって、未設定状態のネットワークカメラに対してカメラの機能設定情報を設定することができるので、新しく設置したネットワークカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、複数の未設定状態のネットワークカメラに対してカメラの機能に関する情報を一括して簡単にカメラ設定ができる。
本発明の請求項10の発明は、請求項9の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、カメラの機能に関する設定情報が、ネットワークカメラが有する音声入力部の設定情報であることを特徴とする端末装置である。この構成によって、ネットワークカメラからの音声情報の設定情報が自動的に未設定状態のカメラへ送信されるので、新しく設置したカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラに音声入力機能の設定を簡単に行うことができる。
本発明の請求項11の発明は、請求項9の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、カメラの機能に関する設定情報が、ネットワークカメラが有する音声出力部の設定情報であることを特徴とする端末装置である。この構成によって、ネットワークカメラから音声を得るための設定情報が自動的に未設定状態のネットワークカメラへ送信されるので、新しく設置したネットワークカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラが有する音声出力機能の設定を簡単に行うことができる。
本発明の請求項12の発明は、請求項9の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、カメラの機能に関する設定情報がネットワークカメラから取得する音声の出力ボリュームを設定する情報であることを特徴とする端末装置である。この構成によって、新しく設置したネットワークカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラに音声の出力ボリュームの設定を簡単に行うことができる。
本発明の請求項13の発明は、請求項9の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、カメラの機能に関する設定情報が、ネットワークカメラが有する撮像方向を制御するためのパン又はチルトに関する設定であることを特徴とする端末装置である。この構成によって、新しく設置したネットワークカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラに撮像方向を制御するパンはチルト機能の設定を簡単に行うことができる。
本発明の請求項14の発明は、請求項9の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、カメラの機能に関する設定情報が、ネットワークが取得した音声を出力しないよう設定する情報であることを特徴とする端末装置である。この構成によって、ネットワークカメラに設置されたマイクから取得した音声を出力しないための設定情報が自動的に未設定状態のネットワークカメラへ送信されるので、新しく設置したカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラからの音声を出力しないように簡単に設定することができる。
本発明の請求項15の発明は、請求項9の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、カメラの機能に関する設定情報が、ネットワークカメラの撮像画像を拡大又は縮小するためのズームに関する設定であることを特徴とする端末装置である。この構成によって、撮像画像を拡大又は縮小するためのズームに関する設定情報が自動的に未設定状態のネットワークカメラへ送信されるので、新しく設置したカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラからの音声を出力しないように簡単に設定することができる。
本発明の請求項16の発明は、請求項2の発明に従属する発明であって、共通の設定情報がIP機器のネットワーク情報を含むことを特徴とする端末装置である。この構成によって、IP機器のネットワーク情報が自動的に未設定状態のネットワークカメラへ送信されるので、新しく設置したカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラを簡単に設定することができる。
本発明の請求項17の発明は、請求項16の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、ネットワーク情報がサブネットマスクを含むことを特徴とする端末装置である。この構成によって、サブネットマスクに関する情報が自動的に未設定状態のネットワークカメラへ送信されるので、新しく設置したネットワークカメラが接続可能か否かを簡単に判断でき、IPアドレス等を自動生成することもできる。
本発明の請求項18の発明は、請求項1または2の発明に従属する発明であって、個別情報がIP機器のネットワーク情報を含むことを特徴とする端末装置である。この構成によって、ネットワーク情報を基に個別情報を取得したIP機器が同一ネットワークに属するか否かを判定できる。
本発明の請求項19の発明は、請求項18の発明に従属する発明であって、ネットワーク情報が、IPアドレス及びサブネットマスクを含むことを特徴とする端末装置である。この構成によって、少なくともIPアドレスとサブネットマスクを取得するので、個別情報を取得したIP機器が同一ネットワークに属するか否か容易に判定できる。
本発明の請求項20の発明は、請求項1、2、18のいずれかの発明に従属する発明であって、個別情報が、IP機器が有する機能を示す機種情報を含むことを特徴とする端末装置である。この構成によって、IP機器の機種に関する設定情報を設定する対象となるIP機器と、設定しないIP機器を容易に判断できる。
本発明の請求項21の発明は、請求項1、2、18、20のいずれかの発明に従属する発明であって、個別情報がIP機器のIPアドレスと共に用いられるポート番号を含むことを特徴とする端末装置である。この構成によって、それぞれのIP機器へアクセスしてIP機器を接続し、IP機器の有する設定情報を取得することができる。
本発明の請求項22の発明は、請求項1、2、18、20、21のいずれかの発明に従属する発明であって、個別情報がIP機器のMACアドレスを含むことを特徴とする端末装置である。この構成によって、MACアドレスに基づいてそれぞれのIP機器を個々に識別することができる。
本発明の請求項23の発明は、複数のIP機器と接続できるインターフェースと、上流のネットワークと接続できる上流側インターフェースと、インターフェースを介して複数のIP機器からそれぞれのIP機器へアクセスするための個別情報を取得する取得手段と、複数のIP機器から取得された個別情報に基づいて、IP機器を使用可能にするための設定情報が設定済み状態であるか否かを判別する判別手段と、設定済み状態と判別されたIP機器から設定情報を取得し、この取得された設定情報を未設定状態と判別されたIP機器へ送信する制御手段と、を有することを特徴とする中継機器である。この構成によって、新しいIP機器が接続されると、個別情報を取得し、この個別情報に基づいてIP機器を使用可能にするための設定情報が設定済み状態か否かを判別して、未設定状態と判別されたIP機器に対して共通の性質をもつグループごとにそれぞれ一括して共通の設定情報を自動設定できる。
本発明の請求項24の発明は、請求項23の発明に従属する発明であって、制御手段が、プロトコルUPnPに準拠してIP機器の存在を検出し、検出後に、取得手段が個別情報を取得することを特徴とする中継機器である。この構成によって、物理的にIP機器を接続するだけで中継機器配下のIP機器を自動検出し、この検出を契機にして配下のIP機器に対して一括設定を行えば、自動的な一括設定が可能になる。
本発明の請求項25の発明は、コンピュータに、複数のIP機器と接続する第1の手順と、インターフェースを介して複数のIP機器からそれぞれのIP機器へアクセスするための個別情報を取得する第2の手順と、取得された個別情報に基づいて、各々のIP機器において使用可能にするための設定情報が設定済み状態であるか否かを判別する第3の手順と、この設定済み状態と判別されたIP機器から設定情報を取得し、取得された設定情報を未設定状態と判別されたIP機器へ送信する第4の手順と、を実行させるためのプログラムである。この構成によって、未設定状態のIP機器に対して設定済みIP機器の設定情報を設定することができるので、新しく設置したIP機器に対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、複数の未設定状態のカメラに対して一括して簡単に設定ができる。
本発明の請求項26の発明は、請求項25の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、設定情報がネットワークカメラの撮像画像の送信先を示す送信先メールアドレスであることを特徴とするプログラムである。この構成によって、新しく設置したネットワークカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラに画像通知先の設定を簡単に行うことができきる。
本発明の請求項27の発明は、請求項25の発明に従属する発明であって、IP機器がネットワークカメラの場合であって、設定情報はネットワークカメラの撮像画像をファイルとしてサーバへ転送するためのプロトコルであることを特徴とするプログラムである。この構成によって、撮像画像をサーバへ送信するために必要なプロトコルが自動的に未設定状態のネットワークカメラへ送信されるので、新しく設置したネットワークカメラに対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のネットワークカメラに撮像画像をサーバへ送信するための設定を簡単に行うことができる。
本発明の請求項28の発明は、請求項25の発明に従属する発明であって、第4の手順に代えて、設定済み状態と判別されたIP機器からそれぞれのIP機器毎に設定されるべきIP機器固有の設定情報を取得し、この取得したIP機器固有の設定情報を加工して未設定状態と判別されたIP機器へ送信する第5の手順を含むことを特徴とする請求項21記載のプログラムである。この構成によって、未設定状態のIP機器に対して設定済みIP機器固有の設定情報を参考にして加工生成されたIP機器固有の情報を設定することができるので、新しく設置したIP機器に対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、複数の未設定状態のIP機器に対してIP機器固有の設定情報を一括して簡単に設定できる。
本発明の請求項29の発明は、請求項28の発明に従属する発明であって、固有の設定情報が設定済みIP機器の数字を含むホスト名の場合、第5の手順がその数字をインクリメントして加工し未設定状態のIP機器へ送信する手順であることを特徴とするプログラムである。この構成によって、インクリメントされた名前が自動的に未設定状態のIP機器へ送信されるので、新しく設置したIP機器に対して個々に特別な設定作業を必要とせずに、未設定状態のIP機器に名前を簡単に設定することができる。
本発明の請求項30の発明は、請求項28の発明に従属する発明であって、固有の設定情報が設定済みIP機器のIPアドレスの場合、第5の手順が設定済みIP機器のIPアドレスと重複しないIPアドレスへ書き換えて未設定状態のIP機器へ送信することを特徴とするプログラムである。この構成によって、書き変えられたIPアドレスが自動的に未設定状態のIP機器へ送信されるので、新しく設置したIP機器に対して個々に特別な設定作業を必要とせずに未、設定状態のIP機器にIPアドレスを簡単に設定することができる。
本発明の請求項31の発明は、請求項25〜30のいずれかのプログラムにおいて、第1、第2、第3、第4の手順または第1、第2、第3、第5の手順のうち、第1の手順の前に、予めIP機器の存在を検出する第6の手順が設けられたことを特徴とするプログラムである。この構成によって、新しいIP機器が接続されると、IP機器の存在を自動検出し、この情報に基づいてI設定情報が設定済み状態か否かを判別して、未設定状態と判別されたIP機器に対して共通の性質をもつグループごとにそれぞれ一括して共通の設定情報を自動設定できる。
(実施例1)
本発明の実施例1における端末装置とそのプログラムについて説明する。実施例1のIP機器はネットワークカメラであって、IPネットワークに接続された中継機器に複数台のネットワークカメラが接続されている。以下の説明はIP機器としてネットワークカメラを説明するが、ネットワークに接続されてサーバとして機能する通信機器であればその他の機器であってもよい。また、実施例1のプログラムとは、端末装置に搭載されているコンピュータに、以下説明する手順を順次実行させるものである。
図1は本発明の実施例1におけるネットワークカメラシステムのネットワーク構成図、図2は本発明の実施例1におけるネットワークカメラの構成図、図3は本発明の実施例1における端末装置のネットワークカメラに対して一括設定を行うときのメインシーケンス説明図、図4は本発明の実施例1における端末装置の内部構成図、図5は本発明の実施例1における端末装置の一覧テーブル生成のシーケンス説明図、図6はパケットのフォーマット説明図、図7は本発明の実施例1における端末装置のネットワークカメラに対する設定変更のシーケンス説明図、図8は本発明の実施例1における端末装置の一覧テーブルを使ってネットワークカメラ設定情報を取得するシーケンス説明図、図9は本発明の実施例1における端末装置の一括設定のシーケンス説明図である。
図1において、1はインターネットやイントラネットなどのようにTCP/IPで通信するIPネットワーク(本発明のネットワーク)、2は画像取込部(後述)で撮影した画像を録画して送信するネットワークカメラ(本発明のIP機器)、3はIPネットワーク1を介してネットワークカメラ2にアクセスすることができる端末装置である。ネットワークカメラ2はウェブサーバを搭載しており、通常はプロトコルHTTPで画像を配信するが、例えばFTPやSMTPなど所定のプロトコルによって画像を配信することもできる。
4は複数のネットワークカメラ2に対して設定を行うことができる設定のための端末装置、5は複数のネットワークカメラ2と端末装置4を配下とし上流側をIPネットワーク1に接続したルータである。また、6はネットワークカメラ2がHTTP以外のプロトコルを使って画像を配信するときに使われるFTPサーバやメールサーバなどの第2のサーバである。
続いて、図2に基づいてネットワークカメラ2の内部構成について説明する。図2において、11は画像取込部であって、12はレンズである。画像取込部11はレンズ12を透過した受光した光を光電変換する。そして画像取込部11には次の構成が搭載される。13はレンズ4を透過した光を受光するCCD、CMOS等の受光セルである。さらに14は電子シャッタや露光時間制御を行って受光セル13からR,G,B信号または補色信号を出力する制御回路、15は制御回路14から出力された信号を基に輝度信号Yと色差信号Cr,Cb信号を発生し、輪郭補正、γ補正処理等を行う画像データ制御部である。
15aはこの出力信号を所定のタイミングでキャプチャーし、この信号をJPEGフォーマット、特にMotionJPEGフォーマット等に圧縮する画像圧縮部である。画像圧縮部15aは離散コサイン(以下、DCT)変換処理して符号化し、JPEGフォーマット等のデータとして出力する。そして、16は画像取込部11に設けられたレンズ駆動部、17はレンズ駆動部16を制御して光学ズームを行う光学ズーム制御部である。光学ズーム制御部17はレンズ駆動部16をズーム制御やフォーカス制御して様々の被写体距離の画像を取り込む。
なお、実施例1のように光学系の制御でなく、画像処理で見掛け上のズームを行うデジタルズーム処理を行う場合は、画像データ制御部15に図示はしないが、取り込んだ画像の解像度を切換えて出力する複数の解像度出力手段を設ければよい。これにより受光セル13から出力される信号を例えば320×240pixelの低解像度で出力したり、640×480pixelの高解像度で出力したりし、見掛け上ズームを実現できる。
続いて、図2において、18は音声通信部であり、19はネットワークカメラ2の前の音声を入力できるマイク(音声入力部)、20はIPネットワーク1を介して端末装置3から着信した音声受信データを音声化して出力するスピーカ(音声出力部)である。そして、21は音声入力と音声出力の各出力調整を行うための制御回路、22はネットワークカメラ2が受信した音声受信データ(PCMデータ)をデコードし、マイク19から入力された音声をコード化する音声データ制御部である。デコードした出力信号はデジタル信号(PAM信号)であるため、音声データ制御部22にはこれをDA変換してアナログ信号に変換するDA変換部が設けられている。同様に、音声データ制御部22には、制御回路21からの出力がアナログ信号であるため、これをデジタル信号にAD変換するAD変換部が設けられている。
23はIPネットワーク1との間でHTTP等のプロトコルで通信制御を行う通信制御部である。HTTPに代えて、このほか例えばFTP、SMTPで通信することもできる。通信制御部23にはウェブサーバが搭載されており、端末装置3に搭載されたブラウザからの要求を受信し、ネットワークカメラ2で撮像した若しくは録画している画像データを送信する。24はTCP/IP,UDPなどプロトコルで通信制御を行う回線インターフェースである。
さらに図2に戻ってネットワークカメラ2の内部構成の説明を続けると、25はネットワークカメラ2のシステムを制御するネットワークカメラ制御部である。ネットワークカメラ制御部25はハードウェアとしてのCPU(中央処理装置)にプログラムを読み込んで各機能を奏する。また、26は制御プログラムや各種データをメモリする内蔵の記憶部であり、26aはネットワークカメラ2の各種設定値(本発明の設定情報)を記憶した設定部である。
さて、本発明の実施例1のネットワークカメラ2はルータ5に接続されたとき、このルータ5の接続された端末装置4から一括して設定情報を設定することができる。そこで、以下、本発明の実施例1の端末装置4について説明する。端末装置4はIPネットワーク1に接続して少なくともプロトコルTCP/IP,UDPで通信が行えるコンピュータであればよい。図3はこの一括設定を行うときのメインシーケンスを示し、図4は端末装置4の内部構成を示す。
実施例1の端末装置4とネットワークカメラ2との一連動作を示すメインシーケンスを説明すると、図3に示すように、まず、端末装置4はネットワークカメラ2との間でカメラ情報要求を送信し、これによりカメラ情報(本発明の個別情報)を収集し、所定のネットワークカメラ2と接続可能な状態にする(step1)。このstep1の機能を実行するのが図3,図4に示す一覧テーブル生成手段33a(後で詳述する)である。
その後、1つのネットワークカメラ2を選んで(図3の場合カメラNo1)これにアクセスし、このネットワークカメラ2を設定変更する(step2)。なお、このstep2は、予め設定済みのネットワークカメラ2を準備しておけばstep2は省略することができる。この設定を実行するのが通常設定手段33b(後で詳述する)であり、このstepで行うのは1つのネットワークカメラ2であり、通常の設定を行う。
次に、設定済みのネットワークカメラ2から設定情報を取得してこれを端末装置4内の記憶部に保存する(step3)。これを実行するのが図3,図4に示した設定データ保存手段33c(後で詳述する)である。
そして、step3で収集したカメラ情報の設定項目の中で、全部に共通する共通設定項目、機種毎に共通する機種依存設定項目、ネットワークカメラ2毎に異なる固有のユニーク設定項目をグルーピングし、一括して設定できるグループの範囲で一括設定手段33d(後で詳述する)が一括設定を行う(step4)。
なお、一括設定手段33dは、ユーザが入力を行うモードにおいては設定済みのネットワークカメラ2の設定情報を基にユーザからの指示を待って一括設定するが、自動設定モードを選択すれば、自動設定手段33e(後で詳述する)が自動的に一括設定を行う。このとき、機種依存設定値に関しては機種依存設定値設定手段33f(後で詳述する)が一括設定を行い、ユニーク設定値に関してはユニーク設定値設定手段33g(後で詳述する)が一括設定を行う。
以下図4に基づいて、各動作を実行する端末装置4の内部構成について詳細に説明する。なお、本発明の実施例1のプログラムが実行する機能は、制御部に搭載された以下説明する機能実現手段が実行するものである。
図4において、31はプロトコルTCP/IP,UDPなどのプロトコルで通信することができる回線インターフェース、32はプロトコルHTTPやFTP,SMTPなどのプロトコルで通信することができる通信制御部である。また、33は端末装置4のシステムを制御する制御部、34は記憶部、34aは記憶部34に設けられた設定情報を保存する設定情報部、35はマークアップ言語等で記述された文書を図示しないディスプレーに表示できる表示制御部である。
制御部33はハードウェアとしてのCPU(中央処理装置)にプログラムを読み込んで各種機能実現手段を構成して様々の機能を奏する。実施例1においては、この制御部33に複数のネットワークカメラ2の設定を一括して行うための以下の機能実現手段が設けられている。従って、実施例1のプログラムとは、端末装置4の制御部33を構成するコンピュータに、以下説明する手順を実行させるものである。
図4において、33aが複数のネットワークカメラ2にカメラ情報(個別情報)を要求して全ネットワークカメラの一覧テーブルを生成する一覧テーブル生成手段(本発明の取得手段)である。図5は一覧テーブル生成手段33aと複数のネットワークカメラ2間で行われる上記step1のシーケンス、及び、このとき一覧テーブル生成手段33aによって生成される一覧テーブルの一例を示している。収集される設定項目は、複数のネットワークカメラ2を識別するためのMACアドレス、設定データ保存手段33cによって設定情報取得するための接続で必要なIPアドレス、サブネットマスク、ポート番号、パン機能の有無、チルト機能の有無、光学ズーム機能の有無項目、音声機能の有無を判断するために必要な機種情報、設定済みか未設定かなどを判定するための機器状態などがある。
メインシーケンスのstep1を実行する一覧テーブル生成手段33aの詳細、またその手順について説明すると、図5に示すように一覧テーブル生成手段33aがカメラ情報要求をブロードキャストし(sq1)、これを受信したエリア内の複数のネットワークカメラ2(カメラNo1,カメラNo2,カメラNo3)がそれぞれカメラ情報をプロトコルUDPで端末装置4にユニキャストする(sq2,sq3,sq4)。このカメラ情報にはMACアドレス、IPアドレス、サブネットマスク、ポート番号、パン/チルト/ズームなどの機種情報、設定済みか未設定かなどの機器状態情報が含まれている。なお、機器状態情報は、設定済みか、未設定かをフラグによって表示する。設定済みか、未設定かの判定は制御部33によって行われ、制御部33のこの機能手段が本発明の判別手段(図示しない)となる。一覧テーブル生成手段33aはカメラ情報を取得すると一覧テーブルを生成して(sq5)、記憶部34の設定情報部34aに保存する(sq6)。
ここで、図6は端末装置4とネットワークカメラ2間の通信で送受信されるUDPパケットのフォーマットを示す。図6に示すように、送信元やプロトコルを収めたヘッダ部分と、可変長のデータ域と、チェックサム、終端符号とから構成され、ヘッダ部分にはこのシーケンスで使う、情報要求またはデータ送付を示すオペレーションコードが収められる。従って、カメラ情報を要求するsq1のヘッダ部分には情報要求のオペレーションコードが収められ、ネットワークカメラ2から送信するsq2,sq3,sq4のヘッダ部分にはデータ送付である旨のオペレーションコードが収められる。また、このデータ域には実体としてのデータがコードを付してそのデータ長と共に収められて送信される。
さらに図4に基づいて内部構成の説明を続けると、33bはネットワークカメラ2と端末装置4が通信可能なときにネットワークカメラ2の設定を変更するために使用される通常設定手段である。図7は通常設定手段33bと複数のネットワークカメラ2間で行われる上記メインシーケンスにおけるstep2の詳細なシーケンスを示している。
このstep2のシーケンスを実行する通常設定手段33bの詳細、またその手順について説明すると、図7に示すように、まず端末装置4側でどのネットワークカメラ2を設定済みのカメラとするか、設定対象のカメラを選択する(sq11)。そして、端末装置4とネットワークカメラ2が接続可能なためには、端末装置4のネットワーク環境と対象カメラのIPアドレス、サブネットマスクを照合する必要があり、両者が接続可能であるか否かを判定する(sq12)。
例えば、図5(a)の手順で生成された図5(b)の一覧テーブルによれば、カメラNo1はIPアドレス「192.168.0.251」、サブネットマスク「255.255.255.0」であるから、そのネットワークアドレス部は「192.168.0」、ホストアドレス部「251」であり、端末装置4が接続可能なネットワークアドレス部を有しているか否かを判定することで、カメラNo1に接続可能か否か判定できる。
sq12で接続可能な場合、そのままsq15に進み、例えば出荷時の初期設定のまま、例えばIPアドレス「192.168.1.1」であって接続不能の場合、カメラNo1のネットワーク設定を接続可能なIPアドレス「192.168.0.251」に変更し(sq13)、このネットワーク設定をUDPでユニキャストする(sq14)。このような設定で端末装置4とこのネットワークカメラ2が通信可能になったら、設定対象のネットワークカメラ2であるカメラNo2にアクセスして設定変更を行う(sq15)。このsq15で設定される設定情報には、例えばパン設定、チルト設定、光学ズーム設定などであり、それぞれホーム位置(ポジション)や駆動範囲などが設定される。
さらに端末装置4の内部構成について説明を続ける。図4に示す33cは設定データ保存手段である。図8は端末装置4と複数のネットワークカメラ2間で行われるネットワークカメラ設定情報を取得するまでの動作のシーケンスを示している。まず、メインシーケンスにおけるsq3の動作を実行する設定データ保存手段33cの詳細、またその手順について説明する。
sq2において一括設定のため共通の設定情報が設定されたネットワークカメラ2が準備されているから、step3では制御部33が設定情報部34aから一覧テーブルを読み出し、図5(b)の一覧テーブル中のネットワークカメラ2を1台取り出して(sq21)、設定済みのカメラか否かを照会する(sq22)。
取り出した1台が設定済みのネットワークカメラ2の場合はsq25に進み、設定済みでなければ一覧テーブルから取り出すべき次のネットワークカメラ2があるかを判定し(sq23)、次のネットワークカメラ2がある場合はsq21に戻って繰返す。sq23において次のネットワークカメラ2がない場合は異常終了する(sq24)。設定済みのネットワークカメラ2を1つ取り出すとき、設定済みのカメラが2つ以上あるなら、複数ある設定済みネットワークカメラ2の中からユーザの指示で1つを選択する。この場合、端末装置4の表示制御部35は複数の設定済みネットワークカメラ2の情報をディスプレーに表示し、ユーザがポインティングデバイス(図示しない)を使い、グラフィックユーザインターフェース(GUI)によって選択する。
sq25においては、取り出したネットワークカメラ2が設定済みのカメラであるので、設定データ保存手段33cがその機種情報を記憶部34に保存する。一覧テーブルの設定済みのフラグが設定された(設定済み状態の)ネットワークカメラ2の一覧テーブルの設定情報を上書きするのでもよい。
端末装置4とネットワークカメラ2が接続可能でなければ各ネットワークカメラ2の設定情報は収集できないので、通信制御部32がネットワークカメラ2に接続可能か否かを判定する(sq26)。
sq26で接続可能な場合、そのままsq29に進み、接続不能の場合ネットワーク設定を変更し(sq27)、このネットワーク設定をUDPでユニキャストする(sq28)。この設定で端末装置4とネットワークカメラ2が通信可能になったら、後述する一括設定手段33がネットワークカメラ2にHTTPでアクセスしてカメラ情報を要求し(sq29)、設定対象であるネットワークカメラ2から設定情報を取得する(sq30)。得られた設定情報は設定データ保存手段33cが設定情報部34aに保存する(sq31)。なお、設定値の保存はデータサイズが大きくなる可能性があり、UDPによる設定情報の取得とは一線を画すのが望ましく、一覧テーブルの保存と設定値の保存とは区別し、設定情報は新たに設定情報部34aに保存する。
また、図4の33dは一括設定手段(本発明の制御手段)である。一括設定手段33は設定済み状態と判別されたネットワークカメラ2からカメラ情報を取得し、このカメラ情報を未設定状態と判別されたネットワークカメラ2へ送信する。図9は実施例1における一括設定手段33dと複数のネットワークカメラ2間で行われる動作のシーケンスを示している。以下図3で説明したメインシーケンスにおけるstep4の動作を実行する一括設定手段33dの詳細、またその手順について説明する。
上記step3のシーケンスで、既に設定済みのネットワークカメラ2から設定情報を取得して設定情報部34aに保存されているから、一括設定手段33dはこれを呼び出して(sq41)、一覧テーブルを構成する複数の設定項目のタイプ(属性)でグルーピングを行う(sq42)。実施例1のグルーピングは3種類のタイプに分けるもので、第1のタイプは共通設定値に関する設定項目、第2のタイプは機種依存設定値に関する設定項目、第3のタイプの設定項目はユニーク設定値に関する設定項目である。
このうち共通設定値は、すべてのネットワークカメラ2で共通して共通の設定値を設定可能なもので、例えば複数台のネットワークカメラ2全体で共通のサーバを使用するFTPの設定やSMTPの設定等がこれに該当する。また、機種依存設定値は同一機能を有するネットワークカメラ2に設定する共通の設定値であって、例えばホーム位置(ポジション)と駆動範囲を決めるパン設定やチルト設定、光学ズーム設定などがある。さらに、ユニーク設定値はIPアドレスやホスト名等の各ネットワークカメラ2に固有の値である。
一括設定手段33dが3種類のタイプに設定項目をグルーピングすると、設定項目は図9の中央に示した設定項目1〜Mの一覧のいずれかとなる。従って設定項目1〜Mはネットワークカメラ2の個別情報を収集した一覧テーブルの各カメラに対する設定項目のどれかであり、また、その種類は共通設定値、機種依存設定値、ユニーク設定値のいずれかとなる。例えば、図9の設定項目1がIPアドレスであれば、これはユニーク設定値と判定され、設定項目2がFTP設定なら共通設定値、設定項目3がパン設定なら機種依存設定値と判定されて、設定項目Mまで3種類にタイプ分けして設定項目1〜Mのタイプが指定される。
そこで、一括設定手段33dは図5(b)の一覧テーブルのネットワークカメラ2を1台ずつ照会する(sq43)。その際、ネットワークカメラ2の機器状態のフラグを参照する。このフラグによってネットワークカメラ2の機器状態が未設定か、あるいは設定済みかが判別され(sq44)、未設定であれば一括設定手段33dは共通設定値の設定項目には設定情報部34aに保存された全部に共通する共通設定値を設定する。また、機種依存設定値の設定項目に対しては、設定情報部34aに保存された該当する設定項目の機種依存設定値を設定する。
ユニーク設定値を設定する場合は、GUIによりユーザからの入力を待って設定する。例えば、IPアドレスやホスト名を端末装置4のキーボード等の入力装置(図示しない)を使って入力する。
このように実施例1の端末装置とプログラムは、収集したIP機器情報、特にネットワークカメラ情報に対して、全部に共通する共通設定値、機種毎に共通する機種依存設定値、ネットワークカメラ毎に異なる固有のユニーク設定値をもつ設定項目をグルーピングし、ユーザの指示を加えながら一括して設定できる範囲で一括設定手段が一括設定を行うから、複数のIP機器に対して共通の性質をもつグループごとにそれぞれ一括して共通の設定情報を設定でき、また各機器固有の設定情報も自動設定することができる。
(実施例2)
本発明の実施例2における端末装置とそのプログラムについて説明する。実施例2のIP機器も、実施例1と同様、ネットワークカメラである。しかし、IPネットワークに接続されてサーバとして機能する通信機器であればその他の如何なる機器であってもよい。また、実施例2のプログラムとは、端末装置に搭載されているコンピュータに、以下説明する手順を順次実行させるものである。
そして、実施例2の端末装置とプログラムは、上述した実施例1では図3の一括設定手段33dがユーザの指示を待って機種依存設定値、ユニーク設定値を半自動的に設定したが、自動設定手段33eが共通設定値、種依存設定値、ユニーク設定値を全自動で一括設定する場合である。いわば、実施例1はユーザによる入力を伴うモード、実施例2は自動設定モードに当る。なお、この両者の間には、例えば機種依存設定値だけを自動設定するとか、様々の自動化の態様があってよい。従って、実施例2の端末装置の構成、メインシーケンスは実施例1と基本的に共通するため、同一符号は同一構成、同一手順を示しており、重複する説明は省略する。
図10は本発明の実施例2における端末装置のネットワークカメラに対して自動設定を行うときのメインシーケンス説明図、図11は本発明の実施例1におけるネットワークカメラに対して自動設定を行うときのメインシーケンス説明図、図12は本発明の実施例2における機種依存設定値を設定するサブルーチンのシーケンス説明図、図13(a)は本発明の実施例2における共通設定値のメール設定の説明図、図13(b)は本発明の実施例2における共通設定値のFTP設定の説明図である。
また、図14(a)は本発明の実施例2における機種依存設定値の音声入力部設定の説明図、図14(b)は本発明の実施例2における機種依存設定値の音声出力部設定の説明図、図14(c)は本発明の実施例2における機種依存設定値のパン設定の説明図、図14(d)は本発明の実施例2における機種依存設定値のチルト設定の説明図、図14(e)は本発明の実施例2における機種依存設定値の光学ズーム設定の説明図である。
さらに、図15(a)は本発明の実施例2におけるユニーク設定値を自動生成するサブルーチン説明図、図15(b)は本発明の実施例2におけるユーザ入力あるいは通知されたユニーク設定値を保存して設定するサブルーチン説明図、図16(a)は本発明の実施例2におけるホスト名自動設定の説明図、図16(b)は本発明の実施例2におけるIPアドレス自動設定の説明図である。
実施例2の端末装置4とネットワークカメラ2とのメインシーケンスを説明すると、図10に示すように、端末装置4の一覧テーブル生成手段33aは、ネットワークカメラ2にカメラ情報要求を送信し、これによりカメラ情報を収集し、所定のネットワークカメラ2と接続可能な状態にする(step11)。
その後、通常設定手段33bが1台のネットワークカメラ2を選んで(図10の場合カメラNo1)これにアクセスし、これを設定済みカメラとするために設定変更し(step12)、設定データ保存手段33cがこのネットワークカメラ2からこの設定情報を取得してこれを端末装置4内の記憶部に保存する(step13)。ここまでは実施例1と共通している。
しかし、実施例2においては図4に示す一括設定手段33dに代わって、自動設定手段33eが、収集したカメラ情報の設定項目の中で全部に共通する共通設定値、機種毎に共通する機種依存設定値、ネットワークカメラ2毎に異なる固有のユニーク設定値をグルーピングした後、それぞれのタイプに従って全自動で設定を行う(step14)。このとき、機種依存設定値に関しては図4の機種依存設定値設定手段33fが一括して自動設定を行い、ユニーク設定値に関してはユニーク設定値設定手段33gが自動設定を行う。
以下、step14の詳細について図11を基に説明する。端末装置4とネットワークカメラ2が接続可能なためには、端末装置4のネットワーク環境と対象のIPアドレス、サブネットマスクを照合する必要があり、端末装置4とネットワークカメラ2が接続可能であるか否かを判定する(sq51)。sq51で接続可能な場合、そのままstep55に進み、接続不能の場合、ネットワークカメラ2のネットワーク設定を変更し(sq52)、このネットワーク設定をUDPでユニキャストし、ネットワークカメラ2の設定を行う(sq53)。
続いて、設定情報部34aに記憶してある設定項目1〜Mを照会し(sq54)、自動設定手段33eは設定項目Iが共通設定値のグループか否かを判定する(sq55)。sq55の判定で設定項目Iが共通設定値のグループであれば設定対象カメラへ共通設定値を設定し(sq56)、再びsq54の設定項目の照会に戻り、設定項目Iが共通設定値のグループでなければsq57に進む。この共通設定値には、例えばメール設定(メールサーバ名、IPアドレス及びポート番号)、FTP設定(FTPサーバ名、保存ホルダ名、IPアドレス及びポート番号)などがある。
メール設定は、図13(a)に示すように未設定時(出荷時)に、送信依頼した送信メールサーバ名、送信先、指定時刻がブランクで、プロトコルがSMTPであるため送信メールサーバポート番号にウェルノウンポート番号「25」が付与されているが、全ネットワークカメラ2に対して、予め保存されている情報を基に、各ブランクに共通の送信メールサーバ名である例えば「smtp.abc.ne.jp」を、また、共通の送信先例えば「def@xxx.co.jp」、共通の指定時刻例えば「09:00〜17:00;1時間毎」を設定し、送信メールサーバポート番号も共通の専用のポート番号である「1025」に設定するなどで行う。
同様、図13(b)に示すように未設定時(出荷時)に、FTPサーバ名、保存ホルダ名、指定時刻がブランクで、FTPサーバポート番号にウェルノウンポート番号「21」が付与されているが、全ネットワークカメラ2に対して、予め保存されている情報を基に、各ブランクに共通のFTPサーバ名である例えば「ghi.ne.jp」を、また、共通の保存ホルダ名例えば「Cameraimage」、共通の指定時刻例えば「09:00〜17:00;1時間毎」を設定し、FTPサーバポート番号も共通の専用ポート番号である「1025」に設定するなどで行う。
さて、図11のメインルーチンのsq55において、判定した結果が共通設定値でない場合、自動設定手段33eは設定項目Iが機種依存設定値のグループに属すものか否かを判定する(sq57)。sq57の判定で設定項目Iが機種依存設定値のグループであれば機種依存設定値設定手段33fが設定対象カメラへ機種依存設定値を設定し(sq58)、再びsq54の設定項目の照会に戻り、設定項目Iが共通設定値のグループでなければsq57に進む。この機種依存設定値設定手段33fが実行するサブルーチンは次のようなものである。
図12は機種依存設定値を設定するサブルーチンの詳細な手順を説明するものである。図10のメインシーケンス、図11のメインルーチンの中でstep14、sq57を具体的に説明したものである。設定対象カメラの機種情報項目を一覧テーブルから抽出する(sq71)。例えば、一覧テーブルから機種情報としてパン設定有り、チルト設定有り、光学ズーム設定有り、音声通話設定有り、などの設定項目を抽出する。実施例2においては、sq71は自動設定手段33eがsq54の設定情報部34aに保存された設定項目1〜Mを照会して、sq55で設定項目Iが共通設定値のグループでないと判定した場合の処理に相当する。
次に、自動設定手段33eは、設定対象カメラの機種情報からみて機種依存設定が可能か否かを判定する(sq72)。機種依存設定が可能であれば、機種依存設定値設定手段33fは設定対象カメラへ機種依存設定値を設定する(sq73)。機種依存設定値として、上述のパン設定、チルト設定、光学ズーム設定、あるいは音声入力部設定、音声出力部の設定など、必要な設定を行う。sq72で機種依存設定ができない場合と、sq73で機種依存設定を行った後、機種依存設定値を設定するサブルーチンから抜けて、メインルーチンのsq54に戻る。
図14(a)〜(e)は機種依存設定の一例を示している。音声通話設定有り、の設定の有無情報のほかに設定情報を有している。音声入力に対しては、未設定時(出荷時)にマイクの接続は図14(a)に示すようにOFF、感度は標準に設定されているが、これをマイクの接続ON、感度高に機種毎に一括して設定する。同様、音声出力に対しては、スピーカは未設定時に接続OFF、スピーカボリューム0に設定されているが、これを接続ON、スピーカボリューム7に機種毎に一括して設定するものである。なお、音声を流さないミュートの設定を設けて、接続ON、スピーカボリューム0に設定することもできる。
また、図14(c)〜(e)のように、パン設定有り、チルト設定有り、光学ズーム設定有り、などの設定の有無情報に加えて、各設定は設定情報を有している。図14(c)のパン設定は未設定時にホーム位置0°、駆動範囲−80°〜+80°、14(d)のチルト設定は未設定時にホーム位置0°、駆動範囲−90°〜+30°に設定されているが、これを前者はホーム位置0°、駆動範囲−5°〜+5°、後者はホーム位置−30°、駆動範囲−35°〜−25°のように機種毎に一括して設定するものである。図14(e)の光学ズームも、未設定時にはホーム位置1倍、駆動範囲1倍〜30倍に設定されているが、これをホーム位置10倍、駆動範囲20倍〜30倍に設定する。
このようにネットワークカメラ2は、機種毎に、音声通話、光学ズームができるか否か異なるし、パン、チルトもホーム位置をどこに設定し、駆動範囲がどのような範囲かで行うかが異なるが、この相違をそのまま活かしながら、機種単位で一括して自動設定することができる。
さらに図11のメインルーチンに戻って、判定した結果が共通設定値、機種依存設定値でない場合、自動設定手段33eは設定項目Iがユニーク設定値のグループに属すものか否かを判定する(sq59)。sq59の判定で設定項目Iがユニーク設定値のグループであればユニーク設定値設定手段33gが設定対象カメラへユニーク設定値を設定し(sq60)、再びsq54の設定項目の照会に戻り、設定項目Iがユニーク設定値のグループでなければ次の設定項目の有無を判断し(sq61)、なければメインルーチンを修了し、図10のstep14を終了するものである。
このユニーク設定値設定手段33gが実行するサブルーチンは図15(a),(b)に示すようなものである。図15(a)はユニーク設定値を自動生成するものであり、図15(b)のユニーク設定値はユーザが入力したものを自動保存し、自動呼び出しして設定するものである。
ユニーク設定値を自動生成する場合、図15(a)に示すようにユニーク設定値設定手段33gがユニーク設定値を自動生成する(sq81)。この自動生成したユニーク設定値をネットワークカメラ2に設定する(sq82)。
このユニーク設定の一例を示すと、図16(a)のようなホスト名設定がある。未設定時(出荷時)にはホスト名(カメラ名)はブランクになっている。しかし、自動設定モードではユニーク設定値設定手段33gがホスト名を自動生成する。例えば、IPネットワーク1内にネットワークカメラ2が現在設置されていなければ、数字は未使用であるから所定の「Camera」と組合せてホスト名「Camera01」を生成し、ネットワークカメラ2が現在2台設置されていれば、数字「01」「02」が既に使用されているから、ホスト名「Camera03」を生成する。番号はインクリメントして生成し、ネットワーク内に同一ホスト名がないことを確認して自動設定する。
これに対して、ユニーク設定値を呼び出して設定する場合、図15(b)に示すように、ユーザが入力するか、MACアドレスのようにユニークな情報であって通知されて参照するため予め保存されているデータを取り出して、制御部33に設けられたユニーク設定値保存手段(図示しない)がこれを設定情報部34aに保存する(sq81)。次いで制御部33に設けられたユニーク設定値呼び出し手段(図示しない)がこのユニーク設定値を呼び出してネットワークカメラ2に設定する(sq82)。なお、ユニーク設定値呼び出し手段は一度設定された内容が別のネットワークカメラ2で再度登録されないように設定した後の保存データを削除するか、このデータにマーキングする。MACアドレスにはこの処理を行う必要はない。
この図15(b)の設定の一例を示すと、図16(b)のようなIPアドレス設定がある。未設定時(出荷時)にはホスト名(カメラ名)は初期的に「192.168.0.253」に設定されている。これに対してユーザが新しく設定するIPアドレス「192.168.1.101」を端末装置4のGUIによって入力すると、ユニーク設定値保存手段がIPアドレスを更新して保存する。設定時にはユニーク設定値呼び出し手段が設定項目Iとして保存されたIPアドレス、サブネットマスク「255.255.255.0」を一時メモリに呼び出し、そのネットワークアドレス部が「192.168.0」であれば、ネットワークアドレス部が重複しないことを確認してIPアドレス「192.168.1.101」を生成しネットワークカメラ2に設定する。
なお、図16では図示しないが、MACアドレスの場合は、ネットワークカメラ2から通知されたMACアドレス例えば「112233445501」・・「1122334455xx」は、設定データ保存手段33cによって自動的に保存されるから、設定データ保存手段33cがユニーク設定値保存手段としての機能を担っており、sq91は設定データ保存手段33cによって実行され、sq92はユニーク設定値呼び出し手段によって呼び出してネットワークカメラ2に設定される。
このように実施例2の端末装置とプログラムは、収集したIP機器情報、特にネットワークカメラ情報に対して、全部に共通する共通設定値、機種毎に共通する機種依存設定値、ネットワークカメラ毎に異なる固有のユニーク設定値をもつ設定項目をグルーピングし、一括して設定できる範囲で自動設定手段が全自動で一括設定を行うから、複数のIP機器に対して共通の性質をもつグループごとにそれぞれ共通の設定情報を一括して自動設定でき、また各機器固有の設定情報も自動設定することができる。
(実施例3)
本発明の実施例3における端末装置とそのプログラムについて説明する。実施例3のIP機器もネットワークカメラである。IP機器としてネットワークカメラを説明するが、ネットワークに接続されてサーバとして機能する通信機器であればその他の如何なる機器であってもよい。また、実施例3のプログラムとは、端末装置に搭載されているコンピュータに、以下説明する手順を順次実行させるものである。
上述の実施例1においては一括設定手段が共通設定値、種依存設定値、ユニーク設定値という設定項目のタイプでグルーピングを行ったが、実施例3の端末装置とプログラムにおいては、一覧テーブルを基に、絞り込み設定手段が任意の機種情報毎に同一機種情報カメラに関する同機種一覧テーブルを生成する点に特徴を有するものである。
従って、実施例3の端末装置の構成、メインシーケンスは実施例1、2と基本的に共通するため、同一符号は同一構成、同一手順を示しており、重複する説明は省略する。
図17は本発明の実施例3におけるネットワークカメラシステムのネットワーク構成図、図18は本発明の実施例3におけるネットワークカメラシステムのメインシーケンス説明図である。
図17において、33hは保存データの中から設定値が設定されているネットワークカメラ2の機種情報を抽出し、一覧テーブル生成手段33aによって生成した一覧テーブルを照会し、同一の機種依存設定値を有するネットワークカメラ2から構成された同一機種一覧テーブルを生成する絞込み手段である。また、33iは絞り込み設定手段33hが生成した同機種一覧テーブルを基に機器状態が未設定の場合に自動設定する自動設定手段である。
さて、実施例3の端末装置4とネットワークカメラ2とのメインシーケンスを説明すると、図18に示すように、設定情報部34aに保存されている保存情報を呼び出し(sq101)、設定を行いたい任意の機種情報、すなわち設定の有無情報を「有り」としたいネットワークカメラ2を抽出する(sq102)。この機種情報は、図18ではsq102右側に記載されたテーブルのような、パン設定、チルト設定、光学ズーム設定、音声通話設定、などの情報である。
次に、一覧テーブル生成手段33aが生成した個別情報のネットワークカメラ2(sq103右側の一覧テーブル参照)を照会する(sq103)。この一覧テーブルには機器状態情報が設定され、設定済みか、未設定かが設定されている。また、一覧テーブルの少なくとも1台はこの機種情報が設定済みになっている。
この一覧テーブルの中から、絞り込み設定手段33hが設定を行いたい任意の機種情報、その設定の有無情報が「有り」になっているネットワークカメラ2を絞り込む(sq104)。これによって生成される同一機種一覧テーブルは、sq104右側の一覧テーブルのようになる。このうち、設定済みのネットワークカメラ2が少なくとも1台設定されていると共に、残りのネットワークカメラ2は未設定となっている。設定済みの機種情報、未設定の機種情報は図14で説明した機種情報と同様であり、ここでは繰返さない。
続いて、sq104で生成した同一機種一覧テーブルを照会して(sq105)、照会データが機器状態情報が未設定か否かを判定する(sq106)。sq106で未設定であればsq110に進み、設定済みの場合は同一機種一覧テーブルに次のカメラがあるか否かを判定する(sq107)。sq107の判定で次のカメラがない場合、機種情報の自動設定を完了し、sq107において次のカメラがある場合はsq105に戻ってこの手順を繰返す。
sq106において、機器状態情報が未設定の場合、自動設定手段33hが設定済みのネットワークカメラ2の機器情報を取り出してこの設定データに基づいて設定値を生成し(sq109)、未設定のネットワークカメラ2に送信してこれを他のネットワークカメラ2に設定する(sq110)。sq106において機器情報が設定済みである場合、sq107へ進み、次に設定するべきカメラが無い場合、設定を完了する(sq108)。
このように実施例3の端末装置とプログラムは、収集したIP機器情報、特にネットワークカメラ情報に対して、任意の機種毎に共通する機種依存設定値をもつ設定項目を自在にグルーピングし、この範囲で自動設定手段が自動的に一括設定を行うから、複数のIP機器に対して共通の性質をもつグループごとに共通の設定情報を一括して自動設定できる。
(実施例4)
本発明の実施例4における端末装置、プログラムについて説明する。実施例4のIP機器もネットワークカメラである。実施例4のプログラムとは、端末装置に搭載されているコンピュータに、以下説明する手順を順次実行させるものである。
上述の実施例3においては自動設定手段が任意の機種依存設定値をグルーピングしたが、実施例4の端末装置とプログラムは、自動設定手段が共通設定値、任意にグルーピングした種依存設定値、ユニーク設定値を全自動で設定するものである。従って、実施例4の端末装置の構成、メインシーケンスは実施例3と共通であり、同一符号は同一構成、同一手順を示しており、図1〜図18を参照し、重複する説明は省略する。
図19は本発明の実施例4におけるネットワークカメラシステムのメインシーケンス説明図である。
図19に示すように、まず、端末装置4とネットワークカメラ2が接続可能なためには、端末装置4のネットワーク環境と対象カメラのIPアドレス、サブネットマスクを照合する必要があり、端末装置4とネットワークカメラ2が接続可能であるか否かを判定する(sq111)。そのカメラのIPアドレス、サブネットマスクから、そのネットワークアドレス部が分かり、接続可能か否か判定できる。
sq111で接続可能な場合、そのままsq113に進み、接続不能の場合、ネットワークカメラ2のネットワーク設定を接続可能なIPアドレスに変更し(sq112)、このネットワーク設定をUDPでユニキャストするし、ネットワークカメラ2の設定を行う(sq113)。
続いて、設定情報部34aに記憶してあるユニーク設定値と共通設定値、グルーピングした同一機種一覧テーブルの設定データを照会し(sq114)、自動設定手段33eは設定項目Iがユニーク設定値のグループに属すものか否かを判定する(sq115)。sq115の判定でユニーク設定値のグループであればユニーク設定値設定手段33gを呼び出して(sq116)、設定対象カメラへユニーク設定値を設定し(sq117)、再びsq114に戻って繰返す。
sq114でユニーク設定値の設定が終了すると、残りの設定項目(グループ)は、共通設定値か機種依存設定値になるが、この設定項目(グループ)に対して、設定済みのネットワークカメラ2の機器情報を取り出して設定情報部34aに保存すると共に、未設定のネットワークカメラ2に送信して、設定対象カメラへこの設定値を設定する(sq118)。その後、次の設定データがあるか否かを判断して(sq119)、次の設定データがなければこの処理を修了し、次の設定データがあればsq114に戻ってなくなるまで繰返すものである。
このように実施例4の端末装置とプログラムは、収集したIP機器情報、特にネットワークカメラ情報に対して、ユニーク設定値の自動設定を行うと共に、任意の機種毎に共通する機種依存設定値をもつものをグルーピングし、この範囲で自動設定手段33iが自動的に一括設定を行い、また、共通設定値も自動設定するから、複数のIP機器に対して共通の性質をもつグループごとに共通の設定情報を一括して全自動で設定できる。
(実施例5)
本発明の実施例5における中継機器、及びプログラムについて説明する。実施例5のIP機器もネットワークカメラである。他のIP機器であってもよい。また、実施例5で説明する中継機器はルータであるが、他の中継機器でもよく、UPnPサービスの1つとして配下のIP機器を検出し、設定済みのIP機器を基にこれを一括して自動設定できるものである。
上述の実施例1〜4においては、端末装置とそのプログラムが設定値を一括設定、自動設定するものを説明したが、実施例5においてはIP機器をつなぐ中継機器とそのプログラムが自動的にIP機器を一括設定するものである。また、実施例5のプログラムとは、中継機器に搭載されているコンピュータに、まずIP機器を自動検出させ、実施例1〜4で説明した手順を順次実行させるものである。この手順の説明は実施例1〜4に譲って、省略する。
従って、実施例5と実施例1〜4は、中継機器か端末装置かの違いしかなく、構成、メインシーケンスも共通する部分が多く、同一符号は同一構成、同一手順を示しており、図1〜図18を参照し、重複する説明は省略する。
図20は本発明の実施例5における中継機器の構成図である。
図20において、31aは図1のルータ5のLANインターフェース(I/F)である。回線インターフェース(I/F)31はWANインターフェースであって、インターネット等のIPネットワーク1に接続され、LANインターフェース31aは配下のネットワークカメラ2に接続される。また、33jはUPnP規格に準拠して配下のUPnPデバイス機能対応のIP機器、実施例ではネットワークカメラ2を自動検出する機器自動検出手段である。UPnPに準拠したIP機器はネットワークにデバイスの存在を通知し、機器自動検出手段33jはLAN内にIP機器が存在することを検出する。さらに、このUPnPに準拠したIP機器が機器自動検出手段33jにIPネットワーク1からのアクセスを要求する場合、機器自動検出手段33jはIPネットワーク1からアクセスするためのポート番号を割り振る。
従って、ルータ5はLANインターフェース31aにネットワークカメラ2が物理的に接続されるだけで、これを自動検出し、使用可能なアドレス情報を割り当てることができ、一覧テーブル生成手段33aがカメラ情報要求をエリア内の複数のネットワークカメラ2宛にユニキャストする。その後、これを受信したネットワークカメラ2がそれぞれのカメラ情報をUDPでルータ5にユニキャストする。このカメラ情報にはMACアドレス、IPアドレス、サブネットマスク、ポート番号、パン/チルト/ズームなどの機種情報、設定済みか未設定かなどの機器状態情報が含まれている。
その後の処理は、実施例1〜4、特に実施例2の端末装置4とそのプログラムが、ルータ5とプログラムである点を除いて、上述した説明と同様である。すなわち、ルータ5のプログラムはネットワークカメラ2の存在を予め検出する手順を実行し、その後実施例1〜4、特に実施例2のプログラムと同様の手順で自動設定を行う。
なお、実施例5の通常設定手段33bは、これをルータ5に設けて、設定済みのカメラとするネットワークカメラ2に対して設定を行ってもよいし、別途既に設定されたネットワークカメラ2を準備しておくのでもよい。また、設定データ保存手段33cを設けて設定データを保存するのでも、設定データを予め用意しておくのでもよい。
このように実施例5の中継機器とそのプログラムは、UPnPに準拠して、ネットワークに接続されたIP機器を自動検出し、このIP機器のIP情報を自動的に収集し、収集したIP機器情報、特にネットワークカメラ情報に対して、全部に共通する共通設定値、機種毎に共通する機種依存設定値、ネットワークカメラ毎に異なる固有のユニーク設定値をもつ設定項目をグルーピングし、一括して設定できる範囲で自動的に一括設定を行うから、複数のIP機器に対して共通の性質をもつグループごとにそれぞれ一括して共通の設定情報を全自動で設定でき、また各機器固有の設定情報も自動設定することができる。さらにUPnPに準拠したIP機器がWAN側からのアクセス許可を中継機器に要求するようにしておけば、複数のカメラを中継機器の上流、つまりインターネットからアクセスできるよう設定できる。従って、ユーザは物理的にIP機器を中継機器に接続するだけで、全自動でカメラの設定とインターネットからカメラへアクセスするための設定が行える。これにより新しいUPnPサービスを提供することが可能になる。