JP2008053243A - 電池カバーおよび漏出液吸収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価かつ装着が容易であり、電池の液漏れによる電池使用機器の被害を防止または軽減するための漏出液吸収部材で作製した電池に密着可能な電池カバーと漏出液吸収方法を提供する。
【解決手段】
伸縮能と漏出液吸収能を有する電池カバーを係止孔、屈曲部または内空を持つ環状部によって電池に密着させ、効率的に電池からの漏出液を吸収させる。また、圧縮加工やゲル化剤の添加により電池カバーの厚さを薄くして、電池装填部への電池カバーを装着した電池の装填を容易にし、膨潤拡大しながら漏出液を吸収することを可能とする。更に、電池カバーの外表面の少なくとも一部に漏出液透過性を持たせることにより、漏出を生じていない電池に装着した電池カバーにおいては、外表面を通しての漏出液の伝達吸収を可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、水系の電解液を用いたマンガン乾電池、アルカリ乾電池、ニッケル系一次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等の電池、および非水系の電解液を用いたリチウム電池やリチウムイオン電池等の電池の液漏れによる機器の損傷を軽減するための電池カバーおよび漏出液吸収方法に関する。
従来、電池の液漏れ(「漏液」とも呼ばれる。)による電池使用機器の被害を防止または軽減する為の方法、装置等が存在する。例えば、漏出液吸収部材を電池近傍に配置したり、電池に巻き付けたり、シート状にして配線基板付近に配置したりする方法がある。また、電池からの漏出液を使用機器側に漏らさないためのソケット式の電池カバーについての技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−272580号公報
しかしながら、電池使用機器購入後に配線基板付近にシート状の漏出液吸収部材を配置することは難しく、漏出液吸収部材を電池近傍に配置したり、電池に巻き付けたりするだけでは、漏出液吸収の為の接触面を十分に確保出来ないという問題や緩んでずれるといった問題が生じる。例えば、電池装填部位に振動が伝わる場合、電池装填部位に対して電池の長軸方向に電池を挿入する場合、漏出液吸収部材を巻き付けた電池を長期間放置した場合等にその様な問題が生じやすい。つまり、電池から漏出液が生じる場合、電池装填部位に電池を装填してから長期間経っていることが多く、漏出液の吸収が可能な密着状態が電池と漏出液吸収部材において長期間に亘り十分に確保出来なければ、漏出液が配線基板に流出する危険性が高くなる。
また、上記従来の電池カバーのように、漏出液をカバー外に漏らさないようにするためには、カバーの密封性が求められる。そのため、形状の精度、カバー内に電池を収めた後の密封処理等が求められ、製造コストの増大やユーザへの負担の増加を招くこととなる。
また、漏出液をカバー内部にとどめておくためには、密封性のほかにカバーの内容積をある程度確保しておく必要がある。しかし、内容積の拡大は、カバー全体の大きさの拡大につながり、例えば、カバーを装着した電池を機器の電池ケースに収めることができなくなる。
一方、内容積の縮小は、保持可能な漏出液の量を少なくすることになり、より高度な密封性およびカバーの堅牢性が求められることとなる。これによっても製造コストの増大が生じる。
現在、身の回りに電池を使用する機器は数多くあり、それら機器で使用される電池の総数も多数である。これら多数の電池に、生じるかどうか分からない液漏れのために高価な電池カバーを買い揃えることは現実的ではない。
電池は、ラジオや懐中電灯など、災害時に必要とされる機器にも使用されており、これら電池使用機器における電池の液漏れによる被害を減らすことは重要である。
しかし、起こりうる全ての液漏れによる機器の被害を完全に阻止できる電池カバーが存在したとしても、高価であれば、購入率が上がらず電池カバーの装着率が上がることはない。そのため、電池使用機器全体における液漏れ被害の比率を下げることはできない。
また、密封性の高い電池カバーは装着した電池以外の電池からの漏出液の配線基板への流出防止には役立たないといった問題もある。
本発明は、上記課題を考慮し、安価かつ装着が容易であり、電池の液漏れによる電池使用機器の被害を防止または軽減するための漏出液吸収部材で作製した長期間に亘って電池に密着可能な電池カバーと漏出液吸収方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の電池からの漏出液吸収方法は、電池からの漏出液を吸収する電池カバーが、伸縮能と漏出液吸収能を有し、電池の正極の凸部または負極の凸部を係止に利用するための少なくとも1つの係止孔および前記電池の円柱形状または直方体形状を係止に利用するための屈曲部の少なくとも一方を有して一体形成されているか、伸展しなければ対応する電池の挿入が不可能な大きさの内空を有する環状に形成されていることにより、前記電池に装着可能となり、前記伸縮能に由来する収縮力で、前記電池カバーを前記電池に密着させて前記電池からの漏出液を吸収する漏出液吸収方法であって、前記電池カバーを伸展しながら前記電池に装着するステップと、前記電池カバーが前記収縮力により前記電池に密着するステップと、前記電池カバーを装着した前記電池を電池使用機器の電池装填部位に装填するステップと、前記電池から前記漏出液が流出するステップと、前記漏出液が前記電池カバーに吸収されるステップとを含むことを特徴とする電池からの漏出液吸収方法とすることができる。
このように、本発明の電池からの漏出液吸収方法は、電池カバーが伸縮性と漏出液吸収性を有し、電池の電極の凸部を係止に利用する為の係止孔および電池の形状を係止に利用するための屈曲部の少なくとも一方を有して一体形成されているか、伸展すれば電池の挿入が可能な内空を有する環状に形成されていることにより、電池に装着可能となり、伸縮能に由来する収縮力で、電池カバーを電池に密着させて接触面積を増し、電池からの漏出液を吸収する漏出液吸収方法とすることができる。つまり、本発明の電池からの漏出液吸収方法は、伸縮性と漏出液吸収性を有する漏出液吸収部材で、電池に密着可能となるように作製した電池用カバーで漏出液を吸収する漏出液吸収方法とすることができる。また、電池カバーの内空の形状は円柱形状以外の四角柱形状、不規則な多面体形状などであっても構わない。伸縮性に由来する収縮力により、電池カバーが内空に挿入した電池に密着可能であれば、内空の形状に制限はない。
本発明で述べる漏出液吸収部材で作製される電池カバーの電池に対する係止孔や屈曲部による密着は、電池カバーのサイズを調整することにより可能となる。つまり、係止に利用するための係止孔や屈曲部を用いて電池カバーを電池に装着する場合、電池カバーを伸展しなければ電池に装着できないサイズに電池カバーを作製することにより、係止孔や屈曲部を利用しての装着時には電池カバーの伸縮性に由来する収縮力で電池カバーが電池に密着することが可能となり、電池カバーと電池の間から漏出液が流出しにくくなる。後述する漏出液吸収部材で作製される電池カバーについても同様である。
また、前記漏出液吸収方法は、前記電池カバーが、更に菲薄化の為に圧縮加工されており、前記漏出液が前記電池カバーに吸収されると、前記電池カバーが膨潤拡大して前記電池と前記電池装填部の周囲の間隙に広がるステップを更に含むとしてもよい。
このように、本発明の電池からの漏出液吸収方法は、更に菲薄化と吸液力増強の為に電池カバーを圧縮加工することにより、電池カバーを装着した電池の電池装填部位への装填を容易にし、電池カバーが電池と前記電池装填部の周囲の間隙に膨潤拡大して広がりながら、漏出液を吸収する方法とすることができる。
また、前記漏出液吸収方法は、前記電池カバーが、漏出液を吸収すると膨潤拡大してゲル化するゲル化剤を更に含んでおり、前記漏出液が前記電池カバーに吸収されると、前記電池カバーがゲル化して膨潤拡大し、前記電池と前記電池装填部の周囲の間隙に広がるステップを更に含むとしてもよい。
このように、本発明の電池からの漏出液吸収方法は、更にゲル化剤を含んだ電池カバーを用いることにより電池カバーの厚みを薄くしても多量の漏出液の吸収が可能で、電池カバーを装着した電池の電池装填部位への装填は容易となり、電池カバーが電池と前記電池装填部の周囲の間隙に膨潤拡大して広がりながら、漏出液を吸収する方法とすることができる。つまり、乾燥寒天などのゲル化剤は、水を吸収しながら体積を増大させてゲル化するので、漏出液を吸収しながら周囲の間隙に膨潤拡大して広がることが可能となる。
また、上述の課題を解決するために、本発明の電池からの漏出液吸収方法は、前記電池カバーの外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する場合、前記外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する前記電池カバーを複数と前記電池を複数用いて、不特定の前記電池からの漏出液を吸収する漏出液吸収方法であって、前記電池カバーを伸展しながら前記電池に装着するステップと、前記電池カバーが前記伸縮性に由来する収縮力により前記電池に密着するステップと、前記外表面の漏出液透過性を有する部分同士を対向させて、前記電池カバーを装着した前記電池を電池使用機器の電池装填部位に複数装填するステップと、不特定の前記電池から漏出液が流出するステップと、漏出を生じた電池に装着している前記電池カバーに前記漏出液が吸収されるステップと、前記電池カバーが膨潤拡大して前記電池と前記電池装填部の周囲の間隙に広がるステップと、前記外表面の漏出液透過性を有する部分を介して前記漏出液が、漏出を生じていない前記電池に装着した前記電池カバーに伝わり吸収されるステップとを含むことを特徴とする電池からの漏出液吸収方法とすることができる。
この方法により、伸縮性と漏出液吸収性を有し、電池の電極の凸部を係止に利用する為の係止孔および電池の円柱形状または直方体形状を係止に利用するための屈曲部の少なくとも一方を有して一体形成されているか、伸展しなければ対応する電池の挿入が不可能な大きさの内空を有する環状に形成されていることにより、電池に装着可能となり、圧縮加工するかゲル化剤を添加することにより厚みを薄くしており、外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する電池カバーを複数と電池を複数用いて、不特定の電池からの漏出液が、外表面の漏出液透過性を有する部分を介して、漏出を生じていない電池に装着した電池カバーにも次々に伝わると同時に、次々に電池カバーが電池と電池装填部の周囲の間隙に膨潤拡大して広がりながら、漏出液を吸収することが可能となる。また、電池カバーの厚みを薄くしおいて漏出液吸収により膨潤拡大可能となる為に圧縮加工やゲル化剤の添加がなされるということがなくても、漏出液透過性を有している外表面同士が接触していれば、漏出液透過性を有している外面を通して漏出液を伝達することが可能であるが、漏出液を吸収しながら膨潤拡大することが可能であれば、電池カバー同士の密着度が向上して、漏出液を伝達しやすくなる。
また、前記漏出液吸収方法は、菲薄化の為に圧縮加工されるかゲル化剤を含んでおり、外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する前記電池カバーを装着した複数の前記電池を、複数の電池を使用する機器の電池装填部位に装填時、電池カバー同士が接触していない場合、前記漏出液を生じた前記電池に装着している前記電池カバーが膨潤拡大することにより、近くの電池カバーに接触するステップを更に含むことを特徴とする漏出液吸収方法としてもよい。
この方法により、厚みを薄くする為に圧縮加工やゲル化剤の添加がなされており、外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する電池カバーを装着した複数の電池を電池装填部位に装填した時に、電池カバー同士が接触していなくても、電池カバー同士の間隔が離れ過ぎてさえいなければ、外表面の漏出液透過性を有する部分を互いに対向させて電池装填部位に装填しさえすれば、漏出液を吸収した電池カバーが膨潤拡大して、近くの電池カバーに接触することが可能となり、不特定の電池からの漏出液が、外表面の漏出液透過性を有する部分を介して、漏出を生じていない電池に装着した電池カバーにも次々に伝わると同時に、次々に電池カバーが電池と電池装填部の周囲の間隙に膨潤拡大して広がりながら、漏出液を伝達吸収することが可能となる。
また、前記漏出液吸収方法は更に、前記電池カバーが外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する場合、前記電池カバーを装着した複数の前記電池を、前記電池装填部位に装填後、前記電池カバーの漏出液透過性を有している前記外表面に対向して、前記電池に装着した前記電池カバー以外の漏出液を吸収する補助吸収体を置くことにより、前記電池カバーの漏出液透過性を有している前記外表面を通じて前記補助吸収体が、前記漏出液を吸収するステップを含むことを特徴とする漏出液吸収方法としてもよい。
この方法により、外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する電池カバーを装着した複数の電池を電池装填部位に装填してから、電池カバーの漏出液透過性を有している外面に対向させて、電池に装着した電池カバー以外の補助吸収体を置くことにより、電池カバーの外表面の漏出液透過性を有する部分を通して、電池からの漏出液を補助吸収体が吸収することが可能となる。また、電池カバーが菲薄化の為に圧縮加工やゲル化剤の添加がなされていなくても、漏出液透過性を有している外面から補助吸収体へ漏出液を伝達することが可能であるが、電池カバーが漏出液を吸収しながら膨潤拡大することが可能であれば、電池カバーと補助吸収体の密着度が向上して、漏出液を伝達しやすくなる。
また、前記漏出液吸収方法は更に、漏出を生じている前記電池からの前記漏出液の漏出速度を減じる漏出液吸収方法であって、漏出を生じていない、電力が十分に残存する電池に装着されている前記電池カバーが前記漏出液を吸収し、電力が十分に残存する前記電池の正極と負極を短絡させることにより、電力を早期に消費させて、漏出を生じている前記電池にかかる負荷電圧を下げて、漏出を生じている前記電池からの前記漏出液の漏出速度を減じるステップを含むことを特徴とする漏出液吸収方法とすることも出来る。
この方法により、外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する電池カバーを装着した複数の電池を、外表面の漏出液透過性を有する部分を対向させて電池装填部位に装填した時に、不特定の電池からの漏出液が、外表面の漏出液透過性を有する部分を介して、漏出を生じていない電池に装着した電池カバーにも次々に伝わると同時に、次々に電池カバーが漏出液を吸収し、電力が十分に残存する電池に装着されている電池カバーが漏出液を正極から負極に至る範囲で吸収し、電池カバーが電池の正極および負極と接触する構造で、正極および負極との接触部分が漏出液を吸収可能な部材で作製されている結果、漏出液を吸収時には電導性を有するか、正極および負極との接触部分が電導性部材で作製されていることにより、電力が十分に残存する電池の正極と負極を短絡させることにより、電力を早期に消費させて、漏出を生じている電池にかかる負荷電圧を下げて、漏出を生じている電池からの漏出液の漏出速度を減じることにより、漏出液の配線経路への流出の危険性を減じることが可能となる。勿論、電池カバーの一部が電導性を有している場合には、その電導性部分と漏出液が電池の正極と負極を短絡する様にして漏出液が電池カバーに吸収されれば、電池を短絡することが可能となる。
また、前記漏出液吸収方法は更に、電池カバーの電池の正極または負極の少なくともどちらか一方に接する部分に不導電性を持たせることにより、漏出を生じている前記電池からの前記漏出液による他の電池の正極と負極の短絡ショートを防止する漏出液吸収方法であって、漏出を生じていない、電力が十分に残存する電池に装着されている前記電池カバーが前記漏出液を正極から負極に至る範囲で吸収しても、電力が十分に残存する前記電池の正極と負極を短絡させないことにより、正極と負極の短絡ショートを防止するステップを含むとしてもよい。
この方法の様に、電池カバーの電池の正極または負極の少なくともどちらか一方に接する部分に不導電性を持たせることにより、電力が十分に残存する電池に装着されている電池カバーが漏出液を正極から負極に至る範囲で吸収しても、正極と負極の短絡を防止することが可能で、発熱や着火などのトラブルを防ぐことが可能となる。
また、この漏出液吸収方法は電池からの漏出液吸収以外に、他の物からの漏出液吸収方法としても有効である。
例えば、外表面の少なくとも一部が漏出液吸収能を有し、菲薄化の為に圧縮加工するか漏出液を吸収すると膨潤拡大してゲル化するゲル化剤を添加して作製した漏出液吸収能を有する漏出液吸収部材を用いて行う漏出液吸収方法であって、一の漏出液吸収部材を漏出源となりうる場所に装着または設置するステップと、前記一の漏出液吸収部材を装着または設置した場所とは異なる場所に、前記一の漏出液吸収部材の外表面の漏出液吸収能を有する部分と、二の漏出液吸収部材の外表面の漏出液吸収能を有する部分を対向させて、前記一の漏出液吸収部材とは接触せずに空間を隔てて、前記二の漏出液吸収部材を装着または設置するステップと、前記漏出源からの漏出液を前記一の漏出液吸収部材が吸収して膨潤拡大するステップと、膨潤拡大した前記一の漏出液吸収部材が前記二の漏出液吸収部材に接触するステップと、前記一の漏出液吸収部材の外表面から、前記二の漏出液吸収部材の外表面に前記漏出液が伝わるステップと、前記二の漏出液吸収部材が前記漏出液を吸収して膨潤拡大するステップとを含むことを特徴とする漏出液吸収方法とすることができる。
この方法により、給水管、排水管、給液管、排液管、冷却管などの管内の液体の管外への漏出時に、漏出を生じた管へ装着していた漏出液吸収部材以外の離れた場所に設置していた漏出液吸収部材も漏出液を吸収することが可能となる。また、圧縮加工やゲル化剤の添加により漏出液吸収部材の厚みを薄くすることにより、漏出を生じていない場合、管付近の通気性が損なわれることはないし、清掃や配管作業の障害にもならないので有効な漏出液吸収方法である。勿論、電池や管以外の物でも液体の漏出を生じる可能性のある場合には、この漏出液を吸収して膨潤拡大して他の漏出液吸収部材に接触することにより漏出液を伝達しながら吸収する漏出液伝達吸収方法を用いることが可能である。また、漏出液吸収部材の外表面の一部分だけに漏出液吸収能を持たせて外表面の他の部分には不透過コーティングをすることにより、漏出液が外表面ににじみ出ては困る場所を避けて、離れた漏出液吸収部材に漏出液を伝達吸収させることが可能となる。この場合、離れた漏出液吸収部材も対向する外表面の部分にさえ漏出液吸収能を持たせていれば漏出液の伝達吸収は可能である。この伝達吸収は漏出液を生じていない場所に設置した漏出液吸収部材間でも行うことが可能であり、次々に伝達吸収を行うことが可能となる。また、漏出液が生じる前から漏出液吸収部材間が接触していても伝達吸収は可能である。
また、電池カバーに電池を密着させる為に、円柱状や四角柱状の様な内空が絶対的に必要ということはなく、電池形状の特徴を利用して係止する為の貫通孔や屈曲部と伸縮性を有していていれば、電池カバーを電池に密着させて装着することが可能である。例えば、電池の正極の凸部を利用して係止する為の係止孔を両端に有する単純な帯状の形状の漏出液吸収部材でも、漏出液吸収部材を電池に一周巻きつけて係止することによりカバーとして密着させることが可能である。必要に応じて、負極の通電用の貫通孔を作製すれば、漏出液吸収部材は通電の妨げにはならない。しかしながら、内空と係止部の両者を合わせ持つことにより、密着度と接触面の割合を向上させることが可能である。つまり、漏出液吸収部材で電池カバーを作製する場合、電池挿入用の内空または電池に係止する為の係止部のどちらか一方さえ有していれば、電池への装着は可能であるが、両者を有する方が、密着度と密着面が増すので漏出液の流出を抑える効果は高くなる。
本発明の電池の液漏れによる電池使用機器の被害を防止または軽減するための電池カバーおよび漏出液吸収方法を使用することにより、電池と電池装填部の間隙を利用して漏出液を効率的に吸収することが可能となる。更に、電池からの液漏れが大量の場合には、漏出を生じていない電池に装着した電池カバーにも漏出液を吸収させることにより、漏出液の配線経路への流出の危険性を減らすことが可能となる。また、本発明の漏出液吸収部材および漏出液吸収方法は、電池以外のパイプなどからの漏出液の流出の危険性を減らすことにも応用が可能となる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1の電池カバーと漏出液吸収方法について、図1と図2を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の電池カバー1の概観を示す図である。図1に示す電池カバー1は、内空を有する円筒形状、即ち管形状であり、電池カバー1の長軸方向に対する垂直方向の断面の内空101の径が、対応する筒型電池の長軸方向に対する垂直方向の断面の外径よりも小さいが、電池カバー1が伸縮性を有している為、筒型電池を電池カバー1の内空101に挿入することが可能である。電池カバー1の内空101に筒型電池を挿入する際、電池カバー1は伸展されて内空101が大きくなるが、収縮力により筒型電池に密着する。そして、電池カバー1が密着した筒型電池を筒型電池使用機器の電池装填部位に装填後、電池カバー1を装着した筒型電池から漏出液が生じた場合、電池カバー1と電池が密着して接触している面積の割合が、単に電池カバーを電池の近傍に配置しているだけの時と比べて大きいので、電池カバーに少しも漏出液が吸収されずに流出してしまう可能性が極めて低くなる。
図2は、電池カバー1の筒型電池への装着方法を示す図である。図2(a)は筒型電池40を挿入するために、電池カバー1の内空101を拡大する方向を矢印で示す図である。図2(b)は、拡大された内空101への筒型電池40の挿入方向を矢印で示した図である。図2(c)は電池カバー1へ筒型電池40を挿入している途中を示しており、図2(d)は筒型電池40に電池カバー1を装着し終えた状態を示す図である。
このような簡単な手順で電池カバー1は筒型電池40に装着され、筒型電池40に広範囲で密着することが可能となる。また、電池カバー1の反対側、つまり図2の電池カバー1の右側から筒型電池40を挿入することも可能である。ここで、筒型電池40は、例えば、単一のアルカリ乾電池であるが、他のマンガン乾電池やニッケル水素電池やリチウム電池などであってもよいし、単二、単三、単四、単五などの電池であっても構わない。
また、更に電池カバーに圧縮加工を加えて菲薄化したり、ゲル化剤を添加して厚さを薄くすれば、電池カバーを装着した筒型電池の外径があまり増大しない為、筒型電池使用機器の電池装填部位への装填が容易に行える。その上、圧縮加工していれば、漏出液を吸収しながら復元力を利用して電池と電池装填部との間隙を電池カバーが膨潤拡大することが可能であり、ゲル化剤を添加していれば、ゲル化剤が漏出液を吸収しながら間隙を膨潤拡大する為、圧縮加工やゲル化剤の添加をしていない場合に比べて吸収力も増大する。
また、電池カバー1は伸縮能に由来する変形能を有する為、長方体形状の電池に装着することも可能となる。つまり、十分な変形能を有していれば電池カバーの内空の形状によらず、異なる形状の電池に装着することが可能となり、電池カバー1の内空の形状が円筒形状でなく、三角柱形状、四角柱形状やその他の形状であっても筒型電池やその他の形状の電池に装着することが可能となる。後述する電池カバー2においても同様である。
勿論、電池の外形状と電池カバーの内空形状が相似の関係で、電池の挿入が可能な程度に電池カバーの内空形状が電池の外形状よりも小さい方が電池と電池カバーが密着しやすく隙間ができにくくなるので、漏出液の配線経路への流出防止効果が高くなる。また、ある程度の伸縮性能があれば完全な相似の関係でなくても相似に近い関係であれば間隙ができない程度の密着は可能であり、他の様々な形状の各種電池に対する電池カバーに関しても同様である。
また、本発明における電池カバーは全て電池に装着可能で伸縮性と漏出液吸収能を有し、長期に亘って電池に密着可能な構造となっている。
なお、電池カバー1は、電池からの漏出液と化学反応を起こしにくい、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維やビニロンなどの合成繊維や綿やパルプ繊維などの天然繊維や乾燥寒天などのゲル化物を織ったり、接着したり、圧縮したり、添加したりして作られ、伸縮性と液体吸収性を持たせたものである。以下、実施の形態2〜7における各電池カバーも同じであり、筒型電池に限らず電池に装着する漏出液吸収部材においては伸縮性と液体吸収性を併せ持つことが望ましい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の電池カバー2を図3と図4を用いて説明する。
図3は、実施の形態2の電池カバー2の概観を示す図である。図1の電池カバー1に電池に対する係止効果を付加する為に、電池カバー1の両側の断端に屈曲部を加えた構造となっている。
図3(a)は、電池カバー2の斜視図であり、図3(b)は、電池カバー2を、貫通孔202が存在する方向から見た場合の図であり、図3(c)は、電池カバー2を、貫通孔201が存在する方向から見た場合の図である。図3(d)は、電池カバー2の正面図である。
図3(a)から図3(d)に示す電池カバー2は、筒型電池の形状に合わせた円筒形状であり両端の内側に筒型電池の正極および負極が存在する端面と接する面を有する。また、外力が加わらない状態では円筒形状の内空は筒型電池容積より小さく、電池カバーが伸展されて筒型電池に装着されると復元力により縮み、筒型電池に密着するようになっている。
また、電池カバー2においては、曲面を形成する面に筒型電池の両端面と接する面が屈曲部として存在し、筒型電池への電池カバー2の係止に役立っている。この係止により、電池カバー2は電池カバー1に比べ、筒型電池40に装着後ずれにくく、電池装填部の振動が激しい場合や電池装填部への電池装填方向が電池の長軸方向と同じ場合などに有効である。
また、電池カバー2は、筒型電池装着後に筒型電池からずれることを強く防止する為の貫通孔201を備え、負極の通電のための貫通孔202をも備える。
正極の凸部を貫通させる貫通孔201は、本発明の電池用カバーにおける第1貫通孔の一例であり、筒型電池40の円柱形状である正極の凸部を貫通させることで正極の凸部に係止される。これにより、電池カバー2を筒型電池40により正確に係止させることができる。更に、第1貫通孔の大きさが、かろうじて正極の凸部が貫通できる大きさであるか、孔の周囲が伸展し孔の径が拡大することにより正極の凸部が貫通できる大きさとなることで、第1貫通孔は、より確実に正極の凸部での係止が可能となる。
また、負極の通電のための貫通孔202は本発明の電池用カバーにおける第2貫通孔の一例である。
なお、後述する実施の形態3〜7等における各電池カバーにおいても同様である。即ち、各電池カバーにおける電極の凸部を貫通させて係止させる専用の貫通孔のそれぞれは、本発明の電池カバーにおける第1貫通孔の一例であり、電極を係止する機能のない電極通電用の貫通孔のそれぞれは、本発明の電池カバーにおける第2貫通孔の一例である。
なお、電池カバー2が有する貫通孔202は、素材の持つ伸縮性により筒型電池を電池カバー内に挿入可能な大きさとなり、筒型電池を電池カバー内に挿入した後には伸縮性に由来する収縮力により元の大きさもしくは筒型電池が電池カバー全体としての収縮力によって押し出されない程度の大きさに縮小するように形成されている。
図4は、電池カバー2の筒型電池への装着方法を示す図である。図4(a)は筒型電池40を挿入するために、電池カバー2の貫通孔202を拡大する方向を矢印で示す図である。図4(b)は、拡大された貫通孔202への筒型電池40の挿入方向を矢印で示した図である。図4(c)は電池カバー2へ筒型電池40を挿入している途中を示しており、図4(d)は筒型電池40に電池カバー2を装着し終えた状態を示す図である。
このような簡単な手順で電池カバー2は筒型電池40に装着され、筒型電池40に広範囲で密着することが可能となる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3の電池カバー3について図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態3の電池カバー3の概観と筒型電池への装着手順を示す図である。
図5(a)は、電池カバー3の概観と筒型電池40の挿入方向とを示す図である。図5(a)に示す電池カバー3は、筒型電池の挿入が可能な袋状で、筒型電池挿入時に、筒型電池の負極が存在する端面と接する部位の中央付近に、負極の通電のための貫通孔302を備え、筒型電池の円柱形状である正極の凸部を貫通させる貫通孔301aと貫通孔301bとを筒型電池挿入口側の2つの端部に各々1つ備える。
図5(b)は、筒型電池が電池カバー3に挿入された後の手順を示す図である。図5(c)は筒型電池の円注形状である正極の凸部に貫通孔301aと貫通孔301bとが係止された状態を示す図である。
図5(b)および図5(c)に示すように、貫通孔301aと貫通孔301bとは、それらが存在する端部が筒型電池の正極側へ引きながら曲げられることにより、筒型電池の正極が貫通する位置に存在する。
また、正極の凸部に係止するための貫通孔を有する端部は2つ以上存在しても構わない。つまり、端部の数を少なくして幅を大きく取ると、正極の凸部に係止した場合に端部に歪みが生じ、隙間が出来る上に、電池カバーを装着した筒型電池の使用機器への装填が難しくなるので、端部の数を3つ以上に増やし、貫通孔を有する端部間の横の間隔を狭くすることで、漏出液を電池カバー自体の隙間から漏れにくくできる。また、各端部は各々の基底部で互いに少なくとも一部が重なる構造であっても構わない。基底部での重なりは漏出液流出の危険性を減らす効果がある。
なお、上述のように、電池から漏れ出た液体と化学反応を起こしにくいポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維やビニロンなどの合成繊維や綿やパルプ繊維などの天然繊維や乾燥寒天などのゲル化物で上記の電池カバー1、電池カバー2および電池カバー3を作製することが望ましい。
しかしながら、電池からの漏出液の性状は、非水系の電解液と水系の電解液の2つに大別され、非水系の電解液を用いた電池としては、リチウム電池、リチウムイオン電池などがあり、水系の電解液を用いた電池としては、マンガン乾電池、アルカリ乾電池、ニッケル系一次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池などがある。
ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維などにおいては、吸油性はあるが吸水性が乏しく、非水系の電解液の吸収には適しているが、水系の電解液の吸収には適していない。一方、ビニロンなどにおいては、吸水性はあるが吸油性が乏しく、水系の電解液の吸収には適しているが、非水系の電解液の吸収には適していないという問題がある。
勿論、装填する電池の種類が決まれば、漏出液の性状も決まるので、漏出液の吸収に適した単一の素材で作製された電池カバーを装着することにより、電解液の漏出が生じた時には、効率的に漏出液を吸収することが可能になる。しかし、現実的には電池の電解液が非水系か水系かを区別して吸収効果のある電池カバーを装着するようにするのは困難とまでは言えないが、漏出液の吸収効果のない電池カバーを間違って装用してしまう可能性が否定できない。
ここで、一種類の素材で親水性と親油性の両方を有するもので電池カバーを作製した場合には、非水系の電解液と水系の電解液の両方を吸収することが可能となるのではあるが、一種類の素材単独で親水性と親油性をほぼ同等に有することは難しく、親水性または親油性のどちらか一方の性質が強いものが多いため、親水性を持つ繊維と親油性を持つ繊維の両方を用いて電池カバーを作製してもよい。
例えば、2種類以上の繊維を混ぜ合わせて紡績した混紡糸を、伸縮性を持たせる様にして編んで電池カバーを作製しても良いし、紡績する時に1種類の繊維で糸をつくり、その後に他種類の糸と撚り合わせて作った混撚糸を、伸縮性を持たせる様にして編んで電池カバーを作製しても良い。また、複数の種類の糸を、伸縮性を持たせる様にして編んで電池カバーを作製しても良い。
つまり、編むことにより伸縮性を持たせると同時に、吸水性の繊維と吸油性の繊維を両方使用していることにより、漏出液が水系の電解液であっても、非水系の電解液であっても吸収が可能となる。
電池カバーに伸縮性を持たせる為には、糸を工夫して編む以外に、原材料自身がある程度の伸縮性を持つ物を使用しても良いし、糸の撚りを工夫することにより伸縮性を持たせたり高めたりしても構わない。これは、衣料品に多く取り入れられている技術である。もちろん、糸を編む代わりに、複数の種類の繊維を接着したり、圧縮したりして作られた布やシートで、伸縮性と吸水性および吸油性を持たせた電池カバーを作製してもよい。
また、伸縮性能がある素材で電池カバーの外部を形成し、内部に吸油性のあるポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維と吸水性のある乾燥寒天等のゲル化物質、綿、パルプやビニロン等の素材を添付しても良い。例えば、伸縮性能がある素材を網目状構造にして、層間や網目状の繊維の間に吸液材を入れてもよい。更に、外面に後述する不透過コーティングを追加してもよい。
また、元来伸縮性能がない素材であっても網目状構造にすることにより、伸縮性能を持たせることが可能であり、層間や網目状の繊維の間に吸液材を入れることも可能である。
勿論、使用する電池の電解液が水系であれば、外部材の層間や網目状の繊維の間に入れる吸液材を吸水性の物だけにして、使用する電池の電解液が非水系であれば、層間や網目状の繊維の間に入れる吸液材を吸油性の物だけにしても良い。
また、電池カバー1等の素材に求められる液体吸収性は高度なものでなくてもよく、少量でも漏出液を留めておくことができる性質を有していれば良い。つまり、電池が液漏れを起こした場合、電池カバーから外に漏れ出る液体の量を減らすことができれば、電池使用機器の被害を減らすことができる。
そのため、素材の原料自体は液体吸収性を有していなくても、織布化または多孔化等により液体吸収性を得た素材で電池カバーを作製してもよい。
また、電池カバー1等の素材は、電池から漏れ出る液体、例えば、アルカリ乾電池から漏れ出る水酸化カリウム溶液に完全に抗しきれる程の耐性を有していなくても良い。つまり、漏出液により再使用が不能になることがあったとしても、電池使用機器への被害を減らすことは可能である。
糸を編むことにより伸縮性を持たせることは容易で簡単であるが、糸自体に伸縮性を持たせることも可能ではある。例えば、弾性が高く、ゴムより強く老化しにくいポリウレタン繊維と他の繊維を用いて電池カバーを作製しても良い。
つまり、ポリウレタンを芯にしてポリプロピレンやビニロンなどの他の繊維で巻きつけたカバード糸を用いて電池カバーを作製しても良いし、綿などの紡績工程でポリウレタンを芯に挿入したコアスパン糸を用いて電池カバーを作製しても良い。
ポリウレタン素材は、加水分解や空気中の窒素酸化物や紫外線などの影響で徐々に分解され劣化し、劣化は素材が製造されてから始まり、3〜5年程度で、部分的な断裂が多数生じるが、カバード糸およびコアスパン糸には、ある程度の伸縮性能が残っている為、電池カバーとしての使用価値が存在すると考えられる。
また、電池から漏れ出た液体が電池カバーを通して直接染み出ないように、電池カバーの外面に電池から漏れ出た液体を通さない液体不透過性があるフィルムなどでコーティングすることにより、電池カバーの性能を向上させることができる。このようなコーティングを以下「不透過コーティング」という。
不透過コーティングの素材としては、高密度ポリエチレン製フィルムや、耐アルカリ性の高いブチルゴム等のゴム類などが考えられる。
特に、内側にポリウレタン加工をした高密度ポリエチレン製フィルムを不透過コーティングとして使用した場合、不透過コーティング自体に伸縮性があり、漏出液により、ポリウレタンの弾性が低下し、電池カバーの筒型電池への密着度が徐々に減弱することで、より多くの漏出液が保持可能である。
また、電池カバー2のように、筒型電池の電池カバーから露出している割合が少ない電池カバーについて、電池カバー外面に上記のように不透過コーティングを施した場合、漏出液を電池カバー外に更に出しにくい電池カバーとなる。なお、電池カバー2において、筒型電池挿入のために、より高い伸縮性が要求される貫通孔202付近だけ液体不透過性素材の加工を省略すれば、作製は安価で容易であると考えられる。
ここで、電池カバー3における、筒型電池の電池カバーから露出している割合は、電池カバー1と電池カバー2の間であり、外面に不透過コーティングを施した場合に、筒型電池40からの漏出液を電池カバー内に留める能力も電池カバー1と電池カバー2の間で、電池カバー2よりは漏出液を電池カバー内に留める能力は劣ることが予想されるが、貫通孔302の中を筒型電池40が通過する必要が無い為、作製が電池カバー2に比べ容易であり、製造価値が存在すると考えられる。
また、例えば電池カバー3において筒型電池の円柱状凸部での引っかかりが悪く、係止出来にくい場合には、貫通孔の周囲に粘着性を持たせ、筒型電池に貼り付けることも可能である。
また、例えば電池カバー2において、外面に不透過コーティングを施している場合には、貫通孔201と貫通孔202の全周囲に上記と同様に粘着性を持たせることにより、それら貫通孔の周囲の内面と、筒型電池の正極および負極の周囲とを接着させることができ、電池カバーの性能がより向上する。つまり、筒型電池からの漏出液が電池カバー2の吸収能力内の液体量であれば、それら貫通孔からの漏出液の流出を阻止できる。いずれか一方の貫通孔だけに上記粘着性を持たせた場合であっても、その貫通孔からの漏出液の流出を阻止することは可能である。
勿論、電池カバー2および電池カバー3の外面に不透過コーティングを施していない場合でも、漏出液が少量であれば、それら電池カバーは、漏出液を全て吸収することにより、電池装填機器への被害を阻止または最小限に止めることができる。
例えば、塩化アンモニウムを用いたマンガン乾電池においては漏出液量が多かったが、最近では、塩化亜鉛を用いたマンガン乾電池が多くなり、塩化亜鉛を用いたマンガン乾電池では、放電するに従い水を取り込むため、漏出液の量も少なくなっているので、漏出液を全て吸収することは可能であると考えられる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4の電池カバー4について図6を用いて説明する。
図6(a)は、実施の形態4の電池カバー4の概観を示す図である。
図6(a)に示すように、電池カバー4は、2つの半円筒部からなり、2つの半円筒部は、それぞれ円筒の一部を軸方向に切りとった半円筒形状である。また、2つの半円筒部は、2つの半円筒部が共有し、筒型電池の正極または負極が存在する端面と接する部位である共有面で結合され、それぞれ共有面と対向する位置に、互いに独立する面である独立面を有し、1つの円筒形状を形成するようにして筒型電池を覆って装着可能な構造となっている。
また1つの独立面に、貫通孔401aを備え、他方の独立面には貫通孔401bを備える。貫通孔401aおよび貫通孔401bはともに筒型電池の正極または負極の通電用の貫通孔である。更に、2つの半円筒部のそれぞれの上下に筒型電池を覆うための補助被覆部403aと補助被覆部403bとを備えている。補助被覆部403aおよび補助被覆部403bは、具体的には2つの半円筒部の間の隙間を埋め、かつ、漏出液を吸収することができる。
また、貫通孔401aおよび貫通孔401bが存在するそれぞれの面は、それぞれの周に、筒型電池40の円柱形状である円周側面の一部に係止するための屈曲部が縁となって存在する。この屈曲部が筒型電池40の円周側面に係止されることにより、独立面を筒型電池40の正極側または負極側に係止することが可能となり、電池カバー4は伸縮力により、筒型電池に密着することが可能となる。また、この屈曲部を形成する縁により、筒型電池40からの漏出液を電池カバー外部に漏らし難くすることができる。
なお、筒型電池の円周側面とは、正極と負極の存在する両端面の間に存在する曲面のことである。
さらに、筒型電池の負極または正極の通電のための貫通孔402を共有面に備え、共有面で2つの半円筒部は結合されている。この結合部分は2つの半円筒部のヒンジとなり、電池カバー4を筒型電池に対し着脱可能にしている。
図6(b)、図6(c)および図6(d)は、実施の形態4の電池カバー4の形状変化を示す図である。
図6(b)は、完全に開かれた状態の電池カバー4を示す図であり、図6(c)は、図6(b)に示す状態から少し閉じた状態の電池カバー4を示す図である。図6(d)は、図6(c)に示す状態からさらに閉じた状態の電池カバー4を示す図である。
図6(e)、図6(f)および図6(g)は、実施の形態4の電池カバー4の筒型電池への装着手順を示す図である。図6(e)は装着の最初の手順を示す図である。図6(e)に示すように、まず、筒型電池40の正極側の円周側面を、貫通孔401bを有する独立面の屈曲部に係止させ、貫通孔401bが存在する側の半円筒部を筒型電池40に装着する。
図6(f)は装着の途中の手順を示す図である。図6(f)に示すように、筒型電池40に装着された半円筒部の上下にある補助被覆部403bを筒型電池40に覆い被せ密着させる。また、もう一方の半円筒部を筒型電池40の方向へ持ってくる。
図6(g)は装着の最後の手順を示す図である。図6(g)に示すように、貫通孔401aを有する独立面を引っ張りながら、先に正極側に係止させた貫通孔401bを有する独立面の上から、屈曲部を筒型電池40の正極側の円周側面に係止させる。更に、上下にある補助被覆部403aをすでに装着された半円筒部の上から筒型電池40に覆い被せる。
このようにして、電池カバー4を筒型電池40に装着することができる。電池カバー4は図6(a)〜図6(g)に示すように、ヒンジ式に結合された2つの半円筒部が合わさることでカバーとして機能する。また、その2つの半円筒部が合わさる部分の隙間を埋めるように、補助被覆部403aおよび補助被覆部403bが存在する。補助被覆部403aおよび補助被覆部403bは、カバーとしての隙間を埋めるとともに、電池カバー4における漏出液の吸収量の向上にも役立つ部分である。
なお、2つの独立面の周に存在する縁である屈曲部の存在がなければ、筒型電池への装着は困難であるが、筒型電池の正極と負極を逆にしても装着が可能である。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5の電池カバー5について図7(a)〜図7(g)を用いて説明する。
図7(a)は、実施の形態5の電池カバー5の概観を示す図である。
図7(a)に示すように、電池カバー5は、2つの半円筒部からなり、2つの半円筒部は、それぞれ円筒の一部を軸方向に切りとった半円筒形状である。また、2つの半円筒部は、2つの半円筒部が共有し、筒型電池の負極が存在する端面と接する部位である共有面で結合され、それぞれ共有面と対向する位置に、互いに独立する面である独立面を有し、1つの円筒形状を形成するようにして筒型電池を覆って装着可能な構造となっている。
また1つの独立面に、貫通孔501aを備え、他方の独立面には貫通孔501bを備える。貫通孔501aおよび貫通孔501bはともに筒型電池の円柱状凸部である正極の突起部分を貫通させる貫通孔である。更に、2つの半円筒部のそれぞれの上下に筒型電池を覆うための補助被覆部503aと補助被覆部503bとを備えている。補助被覆部503aおよび補助被覆部503bは、具体的には2つの半円筒部の間の隙間を埋め、かつ、漏出液を吸収することができる。
また、貫通孔501aおよび貫通孔501bが存在するそれぞれの面は、それぞれの周に、電池カバー4と同様に屈曲部を有している。この屈曲部により、筒型電池40からの漏出液を電池カバー外部に漏らし難くすることができる。また、屈曲部が筒型電池40の円周側面に係止されることにより、独立面を筒型電池40の正極側により確実に係止する役目も持つ。
さらに、負極の通電のための貫通孔502を共有面に備え、共有面で2つの半円筒部は結合されている。この結合部分は2つの半円筒部のヒンジとなり、電池カバー5を筒型電池に対し着脱可能にしている。
図7(b)〜図7(d)は、実施の形態5の電池カバー5の形状変化を示す図である。
図7(b)は、完全に開かれた状態の電池カバー5を示す図であり、図7(c)は、図7(b)に示す状態から少し閉じた状態の電池カバー5を示す図である。図7(d)は、図7(c)示す状態からさらに閉じた状態の電池カバー5を示す図である。
図7(e)〜図7(g)は、実施の形態5の電池カバー5の筒型電池への装着手順を示す図である。図7(e)は装着の最初の手順を示す図である。図7(e)に示すように、まず、筒型電池40の正極を貫通孔501bに係止させ、貫通孔501bが存在する側の半円筒部を筒型電池40に装着する。
図7(f)は装着の途中の手順を示す図である。図7(f)に示すように、筒型電池40に装着された半円筒部の上下にある補助被覆部503bを筒型電池40に覆い被せ密着させる。また、もう一方の半円筒部を筒型電池40の方向へ持ってくる。
図7(g)は装着の最後の手順を示す図である。図7(g)に示すように、貫通孔501aを筒型電池40の正極に係止させ、屈曲部を筒型電池40の正極側の円周側面に係止させる。更に、上下にある補助被覆部503aをすでに装着された半円筒部の上から筒型電池40に覆い被せる。
このようにして、電池カバー5を筒型電池40に装着することができる。電池カバー5は図7(a)〜図7(g)に示すように、ヒンジ式に結合された2つの半円筒部が合わさることでカバーとして機能する。また、その2つの半円筒部が合わさる部分の隙間を埋めるように、補助被覆部503aおよび補助被覆部503bが存在する。補助被覆部503aおよび補助被覆部503bは、カバーとしての隙間を埋めるとともに、電池カバー5における漏出液の吸収量の向上にも役立つ部分である。
なお、2つの独立面の周に存在する縁はなくてもよく、それぞれの独立面に存在する貫通孔が正極に係止されるため、カバーとしての電池カバーが筒型電池からずれるようなことはない。また、少なくとも1つの独立面の周に縁が存在していれば、その独立面を他の独立面の上から重ねて筒型電池に装着することにより、より確実に筒型電池に係止される効果と、漏出液の電池カバー外への流出を抑える効果は発揮される。
なお、本発明の実施の形態5の電池カバー5は、正極の円柱状の凸部を係止に利用しているため、本発明の実施の形態4の電池カバー4に比べずれにくくなっている。
(実施の形態6)
上述の実施の形態5の電池カバー5は、2つの半円筒部が共有面でヒンジ式に結合されており、その共有面に負極の通電のための貫通孔が存在していた。しかし、同様の構造は、共有面に正極を貫通させる貫通孔が存在し、共有面と対向するそれぞれの独立面に負極の通電の為の貫通孔が存在していても実現可能である。
図8(a)〜図8(c)は、実施の形態6の電池カバー6の形状変化を示す図である。
図8(a)は、完全に開かれた状態の電池カバー6を示す図である。図8(a)に示すように、電池カバー6は、2つの半円筒部のそれぞれの上下に、補助被覆部603aおよび補助被覆部603bを備えている。
図8(b)は、図8(a)に示す状態から少し閉じた状態の電池カバー6を示す図である。図8(b)に示すように、2つの半円筒部のそれぞれの独立面に負極の通電のための貫通孔602aと貫通孔602bとを備えている。また、筒型電池の正極の円柱状凸部を貫通させる貫通孔601を共有面に備えている。つまり、実施の形態5の電池カバー5とは異なり、筒型電池の正極側を貫通させる貫通孔601が存在する共有面でヒンジ式に結合されている。
また、2つの独立面のそれぞれの周に、筒型電池40の負極側に係止されるための屈曲部を形成する縁が存在する。
このように、電池カバー5と同様の構造であっても、共有面に筒型電池の正極の円柱状凸部を貫通させる貫通孔が存在し、2つの独立面のそれぞれに負極の通電のための貫通孔が存在していてもよい。つまり、正極の円柱状凸部を貫通させる貫通孔および負極の通電のための貫通孔のそれぞれは、共有面および独立面のいずれかに排他的に存在すればよい。
いずれの場合であっても、2つの独立面は、2つの半円筒部が筒型電池に装着された状態では、正極または負極の存在する筒型電池の端面上で重ねられ、2つの独立面のそれぞれに存在する貫通孔が1つの孔を形成する形状である。
図8(c)は、図8(b)に示す状態からさらに閉じた状態の電池カバー6を示す図である。
図8(d)〜図8(f)は、実施の形態6の電池カバー6の筒型電池への装着手順を示す図である。図8(d)は装着の最初の手順を示す図である。図8(d)に示すように、まず、筒型電池40の負極側に、負極の通電のための貫通孔602bが存在する独立面を被せ、かつ、貫通孔601に正極の凸部を貫通させて片側の半円筒部を筒型電池40に装着する。
図8(e)は装着の途中の手順を示す図である。図8(e)に示すように、筒型電池40に装着された半円筒部の上下にある補助被覆部603bを筒型電池40に覆い被せる。また、貫通孔602aが存在する側の半円筒部を筒型電池40の方向へ持ってくる。
図8(f)は装着の最後の手順を示す図である。図8(f)に示すように、筒型電池40の負極側に貫通孔602aが存在する独立面を被せ、上下にある補助被覆部603aを装着された半円筒部の上から筒型電池40に覆い被せる。
このようにして、電池カバー6を筒型電池40に装着することができる。電池カバー6は、図8(a)〜図8(f)に示すように、ヒンジ式に結合された2つの半円筒部が1つの円筒形状を形成するようにして筒型電池に装着される。また、その2つの半円筒部が合わさる部分の隙間を埋めるように、補助被覆部603aおよび補助被覆部603bが存在する。補助被覆部603aおよび補助被覆部603bは、カバーとしての隙間を埋めるとともに、電池カバー6における漏出液の吸収量の向上にも役立つ部分である。
また、上述の電池カバー4、電池カバー5および電池カバー6のそれぞれの主要部である2つの「半円筒部」は、厳密に円筒の半分の形状でなくてもよい。例えば、片方が、円筒の60%を占め、他方が40%を占めていてもよい。また合わせて100%でなくてもよい。つまり、1つの円筒形状を形成するように筒型電池を覆う2つの主要部分である半円筒部が存在していればよい。また、貫通孔を除く部分について完全に覆うことができなくても、漏出液による筒型電池使用機器の被害を軽減する効果は失われない。
また、補助被覆部は、2つの半円筒部の上下にそれぞれ備えられていなくてもよく、1つの半円筒部の上下でもよい。更に、1つの半円筒部に1つだけ設けられていてもよい。またその形状も図6(a)等に示すような矩形でなくてもよい。
また、補助被覆部が備えられていない場合であっても、半円筒部による保護効果が失われることはなく、筒型電池の液漏れによる筒型電池使用機器の被害を軽減することができる。
つまり、補助被覆部は半円筒部の形状やユーザのニーズや製造コスト等に応じて数や形状および位置を決定すればよい。
(実施の形態7)
上述の実施の形態4〜6の各電池カバーは、2つの半円筒部が合わさることで1つの電池カバーとしての主要な形状を構成している。また、2つの半円筒部の合わせ目を埋めるように補助被覆部を備えている。
しかしながら、1つの半円筒部と半円筒部の両端に筒型電池の正極または負極が存在する端面と接する部位である独立面と、独立面の周に係止の為の屈曲部を形成する縁と半円筒部の上下の補助被覆部とで電池カバーを構成してもよく、このような構造の電池カバーを実施の形態7として説明する。
図9(a)〜図9(c)は、実施の形態7の電池カバー7の概観を示す図である。
図9(a)は、電池カバー7の正面図であり、図9(b)は、電池カバー7をやや右方向から見た場合の図である。図9(c)は、電池カバー7をさらに右側面に近い方向から見た場合の図である。
図9(b)および図9(c)に示すように、電池カバー7は、主要部として筒型電池の正極または負極が存在する端面と接する部位である独立面を両端に有する半円筒部を備え、筒型電池の端面と接する独立面の周には筒型電池の円柱形状を利用して係止するための屈曲部を形成する縁を有している。また半円筒部を筒型電池に装着すると筒型電池の一部が露出する形状である。更に一端の独立面には筒型電池の正極を貫通させる貫通孔701が存在し、他端の独立面には負極の通電のための貫通孔702が存在する。また、図9(a)〜図9(c)に示すように、半円筒部の上下に補助被覆部703が存在する。2つの補助被覆部703は、筒型電池の露出部分を覆う形状である。
図9(d)〜図9(f)は、実施の形態7の電池カバー7の筒型電池への装着手順を示す図である。図9(d)は装着の最初の手順を示す図である。図9(d)に示すように、まず、筒型電池40の正極の円柱状凸部を貫通孔701に係止させ、更に独立面の周の屈曲部を形成する縁を筒型電池40の円周側面に係止させる。
図9(e)は装着の途中の手順を示す図である。図9(e)に示すように、筒型電池40の負極側に貫通孔702の存在する独立面を被せることで半円筒部が筒型電池40に装着される。また、筒型電池40を包むように上下の補助被覆部703を筒型電池40に被せる。
図9(f)は電池カバー7の筒型電池40への装着が完了した状態を示す図である。
このようにして、電池カバー7を筒型電池40に装着することができる。電池カバー7は図9(a)〜図9(c)に示すように、曲面の一部が開窓された円筒部と開窓部付近の上下の補助被覆部703とで電池カバーとして機能する。補助被覆部703は、半円筒部から筒型電池40の露出した部分を覆うとともに、電池カバー7における漏出液の吸収量の向上にも役立つ部分である。
なお、実施の形態4、5および6の電池カバー4、電池カバー5および電池カバー6と同様に、電池カバー7の主要部である半円筒部は厳密に円筒の半分でなくてもよい。つまり曲面の開窓部の大きさは筒型電池が挿入出来る大きさであればよい。また、半円筒部と補助被覆部703とで筒型電池を完全に覆うことができなくてもよい。更に、電池カバー4、電池カバー5、電池カバー6と同様に、電池カバー7においても補助被覆部がなくても漏出液の吸収は可能である。つまり、図3に示した実施の形態2の電池カバー2の曲面に電池挿入孔が存在し、電池の挿入が貫通孔202に依存する必要がない構造にすることも出来る。
また、実施の形態4〜7の各電池カバーのように、補助被覆部により漏出液のカバー外部への流出を少なくするのではなく、電池カバーを構成する複数の半円筒様の曲面に重なりを設けることで漏出液のカバー外部への流出を抑えても良い。
また、実施の形態3の説明で述べた、貫通孔の周囲に粘着性を持たせる工夫、およびカバー外面に不透過コーティングを施す工夫による効果は上述の電池カバー4〜7のそれぞれにおいても当然に発揮される。つまり、それぞれの工夫によりカバー外部への漏出液の流出量をより少なくし、電池使用機器の被害をより軽減する効果が発揮される。
また、上述の各実施の形態の電池カバーを装着した電池を機器の電池ケースに収め易いように、電池カバーを圧縮加工してもよい。具体的には、乾燥した状態で電池カバーの厚みを圧縮することで薄くしておく。これにより、筒型電池から液体が漏れ出した際に、電池カバーは膨潤拡大することで漏出液を吸収していくことができる。
また、上述の各実施の形態の電池カバーにおいて、水系や非水系の漏出液を吸収することにより膨潤拡大しながらゲル化するゲル化剤を電池カバー中に添加することにより電池カバーの厚みを薄くして、電池カバーを装着した筒型電池を機器の電池ケースに収め易いようにすることもできる。
また、複数の筒型電池を収納する電池ケースである場合、複数の筒型電池のそれぞれに装着された電池カバーが接触することで、ある電池カバーから流れ出た漏出液を他の電池カバーが吸収することができる。
次に、本発明の電池カバーを使用した漏出液吸収方法について説明する。
図10は、圧縮加工やゲル化剤添加等がなされた電池カバーが筒型電池からの漏出液を吸収することにより膨潤拡大した様子を示す図である。なお、以下の図12、図13の説明のために、外面に不透過コーティングが施されていない電池カバー2を装着していると想定する。
図10に示すように、電池カバー2が膨潤拡大した場合、収められている電池ケースの形状に応じた形状となる。例えば、図の左下に示すような、全体が拡大した円筒形状になったり、図の右下に示すような角ばった形状になったりする。
なお、電池カバーは、電池ケースの形状に応じた形状になるように予め加工しておいてもよい。例えば、筒型電池が収納される部位が角型であれば、電池カバーを、乾燥した状態でその角型形状に合わせた形状に成形しておく。さらに圧縮加工しなるべく薄くなるようにしておく。この電池カバーを筒型電池に装着し、もとの角型形状の角の部分が電池ケース内の角に対応するようにして電池ケースに収納する。このような加工により、電池カバーは、効率よく膨潤することができる。つまり、漏出液の吸収において、筒型電池と電池ケースとの間の空間を効率よく埋めることができ、吸収の効率性を向上させることができる。また、ゲル化剤添加の場合には、特に膨潤拡大後の形状を想定して成形する必要はなく、漏出液吸収に伴って間隙を埋めるように膨潤拡大することが可能である。
このように膨潤したカバー外面には、不透過コーティングがなされていないため、筒型電池からの漏出液が染み出てくる。この電池カバーをAとする。この様な場合、少量でも液体を吸収する余地のある電池カバー(Bとする)が接していれば、Aから染み出た漏出液の少なくとも一部はBにより吸収される。これにより、漏出液による機器被害の拡大を抑えることができる。
図11は、一般的な電池ケースの概観を示す図である。図11(a)は、電池ケース50の上面の概観図であり、図11(b)は、電池ケース50を斜め上方から見た場合の図である。
図11に示す電池ケース50に、図10に示す、電池カバー2が装着された筒型電池を4本収納した場合を想定し、1つの筒型電池から液漏れが起きた場合について図12を用いて説明する。
図12は、複数の隣接する電池カバー全体で1つの筒型電池からの漏出液を吸収する様子を示す図である。
図12に示すように、電池ケース50に、電池カバー2が装着された筒型電池が4本収納されている。なお、図において電池カバー2上のドットは漏出液を吸収している状態を表現している。また、ドットが密になるほど吸収量が多いことを表現している。
また、図12(a)〜(e)において、図12(a)を第1段階、図12(b)を第2段階、図12(c)を第3段階、図12(d)を第4段階、図12(e)を第5段階の図とする。
いずれの筒型電池からも液漏れしていない状態(第1段階)において、右から2本目の筒型電池から液漏れし、当該電池カバー2が膨潤する(第2段階)。次に、当該電池カバー2の表面から染み出た漏出液が左右の電池カバー2によって吸収され始める(第3段階)。
次に、左から2つめの電池カバー2の表面からも漏出液が染み出し始め、最も左の電池カバー2も漏出液の吸収を始める(第4段階)。このようにして、右から2つ目の筒型電池から漏れ出した漏出液は、隣接する2つの電池カバー2だけでなく、最も左の電池カバー2にも吸収される(第5段階)。
このように、外面からも漏出液を吸収可能な電池カバーは、自身が内包する筒型電池だけではなく、他の筒型電池から漏れ出した液体をも吸収することができる。これにより、1つの電池カバーでは留めきれなかった漏出液を、複数の電池カバーで吸収することが可能となる。つまり、電池使用機器における筒型電池からの液漏れによる被害を軽減することができる。
なお、図12は、隣接する電池カバーが接触する状態における液漏れについて説明したが、電池カバーが接触していなくても、ある1つの電池カバーは、他の電池カバーから流出した漏出液を吸収することができる。
つまり、好ましくは接触していたほうが、他の電池カバーから染み出す漏出液をより効率的に吸収することができる。しかしながら、接触していない場合であっても、外面から吸収できるのであれば、他の電池カバーから流出した漏出液を吸収することができ、電池使用機器の被害を軽減することができる。
また、電池カバー同士が電池ケース装填時には接触していなくても、漏出液を吸収した結果、膨潤拡大して隣の電池カバーに接触する様になることにより、漏出電池に装着していない電池カバーが接触面から漏出液を吸収してもよい。
図13は、電池ケース装填時に、複数の互いに間隙の開いた電池カバー全体で1つの筒型電池からの漏出液を吸収する様子を示す図である。
図13に示すように、電池ケース50と基本構造は同じであるが、装填する電池同士間の間隔が広い電池ケース60に、電池カバー2が装着された筒型電池が4本収納されており、電池カバー2同士は互いに接触はしていない。なお、図において電池カバー2上のドットは漏出液を吸収している状態を表現している。また、ドットが密になるほど吸収量が多いことを表現している。
また、図13(a)〜(e)において、図13(a)を第1段階、図13(b)を第2段階、図13(c)を第3段階、図13(d)を第4段階、図13(e)を第5段階の図とする。
いずれの筒型電池からも液漏れしていない状態(第1段階)において、右から2本目の筒型電池から液漏れし、当該電池カバー2が膨潤した結果、隣の電池カバー2に接触する(第2段階)。次に、当該電池カバー2の表面から染み出た漏出液が左右の電池カバー2によって吸収され始める(第3段階)。
次に、左から2つめ電池カバー2も膨潤拡大した結果、最も左の電池カバー2に接触し、表面を通して最も左の電池カバー2も漏出液の吸収を始める(第4段階)。このようにして、右から2つ目の筒型電池から漏れ出した漏出液は、隣接する2つの電池カバー2だけでなく、最も左の電池カバー2にも吸収される(第5段階)。
このように、漏出液の吸収に伴ない膨潤拡大して、間隙の開いていた近くの電池カバーに接触することにより、外面からも漏出液を吸収可能な電池カバーは、自身が内包する筒型電池だけではなく、他の筒型電池から漏れ出した液体をも吸収することができる。これにより、1つの電池カバーでは留めきれなかった漏出液を、複数の電池カバーで吸収することが可能となる。つまり、電池使用機器における筒型電池からの液漏れによる被害を軽減することができる。
また、漏出液が生じた電池は、多くの場合、電圧が0に近くなっているが、隣の漏出液が生じていない電池には電圧が残っていることがある。この場合、電圧が残っている電池に装着している電池カバーが漏出液を大量に吸収すると、漏出液により正極と負極に短絡が生じ電力が消費されることになる。これにより、漏出液が生じた電池にかかる電圧が下がり、ガスの発生が減少し漏出液の漏出スピードが遅くなることは利点であるが、正極と負極の短絡が生じることにより、発熱し着火する恐れがある。
その発熱着火を抑制するために、難燃化剤の水酸化アルミニウムをカバーに添加したり、カバーの素材の1つに難燃性の高いポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維を用いることも可能である。ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維は高難燃性で弾性率が高いが低吸湿性のため、他の綿やビニロンなどの吸水性を有する繊維やポリプロピレン繊維などの吸油性を有する繊維などと共に用いることで、難燃性と弾性と吸液性能を持つ電池カバーを作製することが可能となる。
また、隣接する電池カバーに漏出液が浸透し、隣接する電池の正極と負極が短絡されることを防ぐために、電池の正極または負極の少なくともどちらか一方に接する電池カバーの部分に不導電性を持たせても構わない。例えば、電池の正極または負極の少なくともどちらか一方に接する部分をポリエチレンやポリプロピレンなどでコーティングしても構わないし、電池の正極または負極の少なくともどちらか一方に接する部分がポリエチレンやポリプロピレンなどで膜状やプレート状に形成されていても構わない。
また、電池カバー2以外の不透過コーティングが施されていない電池カバー1、3、4、5、6や7などを用いても、図12および図13の様に、漏出を生じていない電池に装着したカバーで、漏出液を吸収することが可能である。
また、図12および図13では、外面に不透過コーティングが施されていない電池カバー2を複数用いた場合を説明した。しかしながら、電池カバーの外面に、筒型電池の円周側面の外側となる部分の一部を除いて不透過コーティングを施すことで、漏出液のカバー外部への流出を防ぐ効果を向上させるとともに、他の電池カバーから流出した漏出液を吸収する効果を有することも可能である。
図14は、外面の一部を除き、不透過コーティングが施された電池カバーA〜Dの概観を示す図である。
図14に示す電池カバーA〜Dは、それぞれ、筒型電池の円周側面の外側となる部分の一部を除く外面に不透過コーティングを施した上述の電池カバー2である。また、図11(a)および図11(b)に示す電池ケース50に、これら4つの電池カバーA〜Dが装着された筒型電池が収納され、A〜Dの順に並べられると想定する。
図14に示すように、電池カバーAとDは左側の一部が、不透過コーティングが施されていない。また、電池カバーCおよびBは両側の一部が、不透過コーティングが施されていない。この不透過コーティングが施されていない部分を「未コーティング部分」という。
つまり、電池カバーCおよびBは同じものであり、電池カバーAおよびDも同じものである。なお、電池カバーBおよびDを装着した筒型電池は、その正極側を電池カバーAおよびCを装着した筒型電池の正極とは反対向きにして電池ケース50に装填されることになる。
また、電池カバーAおよびDは図14に示すように、一方にのみ未コーディング部分が存在する方が、漏出液をカバーとして内部へ留めておく上では好ましい。しかし、電池カバーCおよびBと同様に左右両方に未コーディング部分が存在してもよく、隣接する電池カバーの未コーディング部分から染み出す漏出液を自身の未コーディング部分から吸収する効果を逸することはない。
また、このような一部を除き不透過コーティングを施した電池カバーであっても、膨潤拡大しながら漏出液を吸収していくことができる。この際、図10の説明で述べたように、電池ケースの形状に合わせて外形が変化する。または、電池ケースの形状に合わせて外形が変化するように加工しておいてもよい。
図15は、図14に示す電池カバーA〜D全体で筒型電池からの漏出液を吸収する様子を示す図である。なお、図15において電池カバー2上のドットは、図12や図13と同じく漏出液を吸収している状態を表現している。また、ドットが密になるほど吸収量が多いことを表現している。
また、図15(a)〜(e)において、図15(a)を第1段階、図15(b)を第2段階、図15(c)を第3段階、図15(d)を第4段階、図15(e)を第5段階の図とし、以下、電池カバーA〜Dのそれぞれを、単に「A」、「B」、「C」、「D」という。
いずれの筒型電池からも液漏れしていない状態(第1段階)において、右から2本目の筒型電池から液漏れし、Bが膨潤する。また、Bの左右の未コーティング部分からCおよびAの未コーティング部分に漏出液が染み込み始める(第2段階)。次に、CおよびAにおいてBから染み出た漏出液が内部に広がり始める(第3段階)。
次に、Cの左側の未コーティング部分からDの未コーティング部分に漏出液が染み込み始め、Dの内部に漏出液が広がっていく(第4段階)。このようにして、右から2番目の筒型電池から漏れ出した液体は、隣接するCおよびAだけでなく、最も左のDにも吸収される(第5段階)。
このように、隣接する電池カバーと接触する部分に未コーティング部分を設けることにより、筒型電池からの漏出液の量が多い場合には、当該電池カバーに隣接する電池カバーに漏出液が伝わり、漏出液による筒型電池使用機器の被害を防止または軽減することが可能となる。
また、未コーティング部分以外は、不透過コーティングが施されており、液体を通さないための処理を全くしていない場合に比べ、筒型電池からの漏出液のカバー外部への流出量を減らすことが可能となる。つまり、図14に示すA〜Dは、これら2つの効果により、漏出液による筒型電池使用機器の被害を防止または軽減することができる。
また、電池カバー2以外の電池カバー1、3、4、5、6、7などについても、この不透過コーティングの一部に未コーティング部分を作製することによる同様な効果が期待できる。
また、不透過コーティングの一部に未コーティング部分を作製した電池カバーの未コーティング部分を互いに対向させて電池装填部に装填することにより、電池装填部に装填直後は電池カバー同士が互いに接触していなくても、漏出液を吸収することによって電池カバーが膨潤拡大して隣の電池カバーに接触可能であれば、図13に示した例と同様にして、漏出を生じていない電池に装着した電池カバーも漏出液を吸収するのに役立つことができる。
また、不透過コーティングをされていない電池カバー1〜7等と、不透過コーティングの一部に未コーティング部分を有する電池カバー1〜7等を混合して使用しても、図12や図13や図15の様にして、漏出を生じていない電池に装着していた電池カバーが漏出液を伝達吸収することが可能である。
また、電池ケース上に蓋が存在する場合には、補助吸収体を用いて図14の電池カバーAが吸収し切れない漏出液を補助吸収体に吸収させることが可能である。図16は、補助吸収体を備える電池カバーを説明するための図である。なお、図16では、筒型電池に装着した4つの電池カバーを、A1、A2、A3、A4としているが、同じ電池カバーAである。
図16の様に筒型電池を装着した電池カバーAの未コーティング部分を上に向け、電池カバーAの上に十分な厚さの補助吸収体51を載せ、電池ケースの蓋を閉める。この手順により、電池カバーAの未コーティング部分に補助吸収体51が適度な力で接触するように補助吸収体51を配置する。
こうすることで、漏出液量が多い場合には未コーティング部分を通して、漏出液を補助吸収体51に吸収させることが可能となる。なお、補助吸収体51の素材は電池カバーの漏出液吸収のための素材として挙げた物を用いればよい。また、補助吸収体は図10に示した外面が不透過コーティングされていない電池カバー2が吸収し切れない漏出液を吸収する為に使用することも可能である。
以上、図10、図11、図12、図13、図14、図15および図16を用いて、筒型電池からの漏出液を、筒型電池に装着可能な電池用カバーや補助吸収体が吸収する漏出液吸収方法として説明したが、筒型電池以外の長方体形状をした角型電池や車に使用される鉛蓄電池やパソコンや家電に使用される多種多様な電池の漏出液吸収方法として使用することが可能である。また、排水パイプ、給水パイプ、排液パイプ、給液パイプ、暖房用パイプや冷却液用の冷却パイプなどの様々な管からの漏出液吸収方法としても使用することが可能であるし、液体貯蔵場所における漏出液吸収方法としても使用することが可能である。
例えば、外表面の少なくとも一部が漏出液吸収能を有し、菲薄化の為に圧縮加工するか厚さを薄くする為にゲル化剤を添加した漏出液吸収能を有する漏出液吸収部材を、漏出源となりうる場所に装着または設置し、その外表面の漏出液吸収能を有する部分と、異なる漏出液吸収部材の外表面の漏出液吸収能を有した部分を対向させて、漏出液吸収部材同士を接触せずに空間を隔てて異なる場所に装着または設置することで、漏出源の漏出液吸収部材が漏出液を吸収して膨潤拡大して、異なる漏出液吸収部材に接触することにより、漏出液吸収能を有した外表面部分を通して、漏出源の漏出液吸収部材とは間隙の開いた場所に装着または設置した異なる漏出液吸収部材が漏出液吸収に役立つことが可能となる。普段、漏出液吸収部材同士が間隔を空けて存在することにより清掃がし易く、空気のよどみ等の問題も生じることがない。
この様に、本発明の漏出液吸収方法は、実施の形態1〜7における各電池カバーで実現される以外に、様々な状況下で実現される。
また、電池カバーの形状は、帯状や円筒状や半円筒状でなくてもよい。
図17(a)〜(c)は、実施の形態1〜7の各電池カバーの形状以外の形状の例を示す図である。
例えば、図3の電池カバー2は円筒状をしているとしたが、図17(a)のように球状であっても構わないし、図17(b)の様に鶏卵様形状であっても構わない。電池カバーに十分な伸縮性があれば装着後に筒型電池の形状に近い形に変形するので、筒型電池に装着して使用することが可能である。
つまり、半球状、半卵様形状、長方体やその他の形状であっても、筒型電池の円柱形状を有する正極の凸部を係止に利用できるための貫通孔が存在し、負極の通電用貫通孔兼筒型電池挿入口の伸縮性が十分に大きく、筒型電池の挿入後に、カバー全体としての収縮力により、筒型電池が挿入口から押し出されない程に十分な収縮力を挿入口周囲が有していれば、筒型電池に伸展されながら係止されることにより、筒型電池に密着する様に変形するからである。
この場合、筒型電池の正極の凸部を係止に利用するための貫通孔が正極の凸部の径に比べ大きい場合には、カバーが電池からずれて隙間が生じ、漏出液が漏れやすくなる恐れがある為、正極の凸部係止用の貫通孔は、かろうじて正極の凸部が貫通できる大きさであるか、孔の周囲が伸展し孔の径が拡大することにより正極の凸部が貫通できる大きさとなることが望ましい。
図17(a)の左側の上下斜め方向に向いた矢印は、球状をした電池カバーの負極通電用の貫通孔兼筒型電池挿入孔の伸展方向を示しており、左向きの矢印は電池カバーに対する筒型電池の挿入方向を示している。
図17(b)の左側の上下斜め方向に向いた矢印は、鶏卵様形状をした電池カバーの負極通電用の貫通孔兼筒型電池挿入孔の伸展方向を示しており、左向きの矢印は電池カバーに対する筒型電池の挿入方向を示している。
図17(c)は、図17(a)および図17(b)の球状および鶏卵様形状をした電池カバーを筒型電池に装着した図である。
図17(c)に示すように伸縮性があれば筒型電池に伸展させながら装着させることで、筒型電池に密着することが可能となる、また、筒型電池の正極の円柱状凸部に係止できる第一貫通孔があれば、電池カバーの形状が円筒形でなくても、装着時も装着後もずれにくく、第一貫通孔の対角に負極の通電用の第二貫通孔を備えていれば電池用カバーとして機能できる。つまり、作製コストを重視して様々な形態で電池用カバーが作製可能である。
ここで、筒型電池以外の電池に対しても、筒型電池用の電池カバーと同様に様々な形状の電池に装着可能な電池カバーを作製することが可能である。例えば、直方体様形状の電池においても、その使用機器に対する漏出液による被害を防止または軽減するための電池カバーを作製することが可能である。そこで、以下に、直方体様形状の電池に装着可能な電池カバーについて述べる。
直方体様形状の電池の場合、その正極の凸部と負極の凸部の少なくともどちらか一方を係止に利用する直方体様形状の電池用のカバーを作製することが可能である。以下に、直方体様形状の電池の例として角型電池とも呼ばれている正極および負極の凸部が同一面上にある電池について説明する。
図18は、直方体様形状の電池の正極と負極の凸部を係止に利用する電池カバーの概観と直方体様形状の電池への装着手順を示す図である。
図18に示すように、まず、(1)電池カバー8の左側の2つの貫通孔に、それぞれ正極と負極の凸部を貫通させる。次に(2)電池の凸部に左側の2つの貫通孔を係止したまま、右側の2つの貫通孔を有する面を電池の正面側から引っ張りながら電池の正極と負極の凸部に係止する。この状態では、電池カバー8の持つ伸縮性により、電池カバー8は電池に密着する。このように、円筒形状以外の電池の凸部を係止に利用して装着可能な電池カバーの作製も可能である。
なお、直方体様形状の電池の正極と負極の両方の凸部を有する端面に被せる直方体様形状の電池用のカバー8の両方の面に、直方体様形状の電池に係止するための屈曲部を形成する縁があれば更に電池カバーの直方体様形状の電池に対する装着が安定する。
また、直方体様形状の電池を係止するための屈曲部を形成する縁が直方体様形状の電池用のカバーの両方の面に存在すれば、正極と負極の凸部用の貫通孔が係止機能を有していなくても、電池カバーを直方体様形状の電池に装着可能となる。
また、筒型電池の正極の凸部を利用して係止する為の係止孔を両端に一つずつ有する単純な帯状の形状の漏出液吸収部材でも、筒型電池に一周巻きつけて係止することにより筒型電池に密着させることが可能であり、負極の通電用の貫通孔を正極の凸部係止用の2つの貫通孔の間に作製すれば、漏出液吸収部材は筒型電池の通電の妨げにはならず、電池カバーとして使用することが可能であるが、同様にして直方体様形状の電池に装着可能な電池カバーを作製することも可能である。例えば、上記帯状の形状の電池カバーの負極通電用の貫通孔を2つにしてそれらを直方体様形状の電池の負極の凸部に係止可能となるように大きさを調節して、電池カバーの両端の正極の凸部係止用貫通孔の電池カバー長軸方向右側に負極の凸部係止用貫通孔をそれぞれ1つずつ作製する。更に電池カバーを装着した直方体様形状の電池を電池使用機器の電池装填部に装填した場合、装填部から電池カバーがはみ出さないように、電池カバーの全体の形状を作製すればよい。また、負極の凸部係止用貫通孔を正極の凸部係止用貫通孔のそれぞれ右側に作製するとしたが、左側や上側や下側などであっても直方体様形状の電池用のカバーの作製は可能である。
また、図3に示した実施の形態2の電池カバー2の形態を応用して直方体様形状の電池用のカバーを作製することも可能である。例えば、電池カバーの形状を直方体様形状にし、直方体様形状の電池の挿入孔と対向する面に、直方体様形状の電池の正極の凸部と負極の凸部の通電用の貫通孔を2つ作製すれば良い。このようにすることで、直方体様形状の電池用のカバーが作製可能である。つまり、挿入孔を有する面には係止のための屈曲部が存在し、対向する面には係止のための屈曲部と通電ための2つの貫通孔とが存在することになる。勿論、正極用の貫通孔や負極用の貫通孔が正極の凸部や負極の凸部に対する係止機能を備えていても構わない。貫通孔が係止機能を備えていれば、電池カバーが電池から更にずれにくくなる。
また、図17(a)および図17(b)に示した筒型電池用のカバーにおいて、電池挿入孔とは異なる位置に電池の正極の凸部と負極の凸部に係止可能な貫通孔を2つ作製し、電池挿入口の伸縮性が十分に大きく、直方体様形状の電池の挿入後に、漏出液吸収部材全体としての収縮力により、直方体様形状の電池が挿入口から押し出されない程に十分な収縮力を挿入口周囲が有していれば、直方体様形状の電池用のカバーとして利用することが可能である。つまり、電池挿入孔が通電に利用されないので、係止用貫通孔が電池挿入孔と対角の位置にある必要はない。
また、図5に示した実施の形態3の筒型電池用の電池カバー3を応用して直方体様形状の電池用のカバーを作製することも可能である。例えば、電池カバーの形状を直方体様形状の電池の挿入が可能な袋状にし、挿入口側の各端部に、直方体様形状の電池の正極の凸部または負極の凸部に係止する為の貫通孔を作製すれば良い。勿論、直方体様形状の電池の正極の凸部と負極の凸部の両方に係止する為の貫通孔を作製してもよい。このようにすることで、直方体様形状の電池用のカバーが作製可能である。
また、図9に示した実施の形態7の筒型電池用の電池カバー7を応用して直方体様形状の電池用のカバーを作製することも可能である。正極の凸部用の貫通孔と負極の凸部用の貫通孔を一方の独立面に作製し、独立面の形状を直方体様形状の電池に合わせて長方形様形状にすればよい。もう一方の独立面も長方形様形状にする必要はあるが、貫通孔の作製は不要である。このようにすることで、直方体様形状の電池用のカバーが作製可能である。勿論、正極用の貫通孔や負極用の貫通孔が正極の凸部や負極の凸部に対する係止機能を備えていても構わない。貫通孔が係止機能を備えていれば、電池カバーが電池から更にずれにくくなる。
上述の様に、正極の凸部用の貫通孔と負極の凸部用の貫通孔を有する独立面と対向する独立面には直方体様形状の電池を係止するための屈曲部は必要であるが、正極の凸部と負極の凸部とを有する独立面の係止は、屈曲部または正極の凸部用係止孔または負極の凸部用係止孔の少なくとも一方において成されればよい。
また、直方体様形状の電池の例として角型電池とも呼ばれている正極および負極の凸部が同一面上にある電池について説明したが、自動車に用いられる鉛蓄電池などのバッテリーやパソコンなどの直方体様形状の電池に対しても、漏出液吸収部材が漏出液吸収能と伸縮能を有していれば直方体形状を係止に利用する為の屈曲部を利用して装着可能な電池カバーを作製可能であり、更に直方体様形状の電池の電極の端子部分が凸部を形成していれば、直方体形状を係止に利用する為の屈曲部または凸部を係止に利用するための係止孔の少なくとも一方を利用して電池に装着可能な電池カバーを作製することが可能となる。また、漏出液吸収部材が伸縮性と漏出液吸収能を有し、電池の凸部を利用して係止装着されるのであれば、筒型形状や直方体形状以外の形状の電池にも装着可能な電池カバーが作製可能である。
以上より、筒型電池とは異なる直方体様形状の電池用のカバーについても、上述の課題を解決するために、本発明の、直方体様形状の電池用の電池カバーは、直方体様形状の電池に密着し前記直方体様形状の電池を覆う直方体様形状の電池用の電池カバーであって、電池からの漏出液を吸収する電池カバーが、伸縮能と漏出液吸収能を有し、電池の正極の凸部または負極の凸部を係止に利用するための少なくとも1つの係止孔および前記電池の円柱形状または直方体形状を係止に利用するための屈曲部の少なくとも一方を有して一体形成されているか、伸展しなければ対応する電池の挿入が不可能な大きさの内空を有する環状に形成されていることにより、前記電池に装着可能となり、前記伸縮能に由来する収縮力で、前記電池カバーを前記電池に密着させて前記電池からの漏出液を吸収する電池カバーであるとすることができる。
また、本発明の全ての電池カバーにおいて、必要に応じて正極や負極の通電用貫通孔を作製すれば、電池カバーは電池の通電の妨げにはならず、正極の凸部や負極の凸部を係止に利用する係止孔が存在する場合には、係止孔を通電に利用することが可能である。
また、図6に示した実施の形態4の電池カバー4の貫通孔401aと貫通孔401bの大きさが異なっても構わない。係止用屈曲部が各独立面に存在するために、貫通孔401aと貫通孔401bの大きさが異なっても筒型電池への装着は可能であり、貫通孔401aまたは貫通孔401bのどちらか一方が筒型電池の正極の凸部に係止するための貫通孔であっても筒型電池への装着は可能である。ただし、この場合には独立面側に筒型電池の正極を向けて電池カバーを装着する必要がある。貫通孔401aまたは貫通孔401bのどちらか一方が、通電および筒型電池の正極の凸部に係止するための貫通孔であれば、その凸部係止用の貫通孔を有する独立面がもう一方の独立面の上になるようにして筒型電池へ装着することで、よりずれにくい電池カバーとなる。
また、図3に示した実施の形態2の電池カバー2が有する貫通孔201は、筒型電池40の正極の円柱状凸部の係止に関与しない大きさでも構わない。貫通孔201に正極の凸部に対する係止機能がなければずれやすくなり、漏出液の保持能力は劣ることになるが、貫通孔201を有する面の周囲の屈曲部が、筒型電池40の円周側面に係止される為に、電池カバーを筒型電池40に装着することは可能である。更に、貫通孔201が貫通孔202と同様に筒型電池の挿入に利用出来る大きさであれば、貫通孔201と貫通孔202のどちらからでも筒型電池の挿入が可能となり、筒型電池の正極側からでも負極側からでも電池カバー内に挿入が可能となる。
また、図9に示した実施の形態7の電池カバー7が有する貫通孔701は、筒型電池40の正極に存在する円柱状凸部の係止に関与しない大きさでも構わない。貫通孔701を有する独立面の周の屈曲部を形成する縁が筒型電池40の円周側面への係止に十分な幅であれば、貫通孔701を有する独立面は筒型電池40に係止可能である。貫通孔701が大きい場合、筒型電池40の正極を、貫通孔701を有する独立面と貫通孔702を有する独立面のどちら側に向けても、電池カバーは装着可能となる。
要するに、本発明の電池カバーは、伸縮能と漏出液吸収能を有し、電池の正極の凸部または負極の凸部を係止に利用するための少なくとも1つの係止孔および電池の円柱形状または直方体形状を係止に利用するための屈曲部の少なくとも一方を有して一体形成されているか、伸展しなければ対応する電池の挿入が不可能な大きさの内空を有する環状に形成されていることにより、前記電池に装着可能となり、前記伸縮能に由来する収縮力で、前記電池カバーを前記電池に密着させて前記電池からの漏出液を吸収する構造であればよく、必要に応じて正極や負極通電用の貫通孔を作製すればよい。
なお、電池の正極と負極とを除く全域を覆う必要はなく、少なくとも一部を覆うことができれば、漏出液を吸収することができる。また、ここでいう密着とはカバー全域において完全な密着状態でなくてもよく、電池カバー全体として電池に密着している状態も含む。
また、例えば、補助被覆部が電池カバーの主要部である半円筒部に着脱可能になっていてもよく、電池に装着する際に一体物として取り扱うことができればよい。
上述の実施の形態1〜7等における各電池カバーは、それぞれの構造により漏出液を吸収可能で、漏出液による電池使用機器の被害を防止または軽減することができる。また、それら構造は簡易であり安価に作成することが可能である。さらに一体物であり複数の部品を組み合わせて装着する等の細かな作業は不要である。従って、ユーザも電池へ容易に装着することができる。
また、不透過コーティング等の加工により、電池からの漏出液がカバー外へ流出する量を減らすことができる。無論、各電池カバーにおいて内部に貯留可能な量以内であれば完全にカバー外への流出を防止することも可能である。
また、図1に示した実施の形態1の電池カバー1の場合、各使用者本人が、好みの長さに切断して使用できるようにして供給することが可能である。電池カバー1が伸縮性を有している為、例えば単一と単二、単二と単三または単三と単四の筒型電池共用として内空を調整し、長軸方向の長さを筒型電池の長軸方向の長さよりも長くして供給し、使用する電池に合わせて切断し使用することが可能となる。更に、筒型電池と角型電池共用とすることも可能である。つまり、内空の大きさと形状を調整して長軸方向の長さを十分に長くして電池カバーを作製することにより、各種様々な形状や大きさの電池共用の電池カバーを提供することが可能となる。
図19は切断前後の電池カバーを示す図である。
図19(a)は切断前の内空が円柱状で、全体として管形状を呈する電池カバーを、図19(b)は図19(a)に示した電池カバーの切断後の状態を示す図である。また、図19(c)は各種各形状の電池に切断後の電池カバーを装着した状態を示す図である。
図19(d)は切断前の内空が四角柱状の電池カバーを、図19(e)は図19(d)に示した電池カバーの切断後の状態を示す図である。また、図19(e)に示す切断後の電池カバーも各種各形状の電池に装着可能である。
図19に示す様に、長軸方向に長い電池カバーを提供し、使用者各自が必要な長さに切断して電池用カバーとして使用することが可能となる。
このように、本発明は、安価かつ装着が容易であり、電池の液漏れによる被害を軽減するための電池カバーと漏出液吸収方法、および他のパイプ等からの漏出液吸収方法を提供することができる。
本発明は、電池の液漏れによる電池使用機器の被害を軽減することができる。また、本発明の電池カバーは、構造も簡易で、安価で作製でき、取り扱いも容易である。従って、テレビやビデオデッキ等のAV機器のリモートコントローラ、玩具、懐中電灯、時計、ラジオ等の数多く存在する電池使用機器ための電池カバーを使用する漏出液吸収方法として有用である。
図1は、実施の形態1の電池カバーの概観を示す図である。 図2は、実施の形態1の電池カバーの筒型電池への装着方法を示す図である。 図3は、実施の形態2の電池カバーの概観を示す図である。 図4は、実施の形態2の電池カバーの筒型電池への装着方法を示す図である。 図5は、実施の形態3の電池カバーの概観と筒型電池への装着手順を示す図である。 図6は、実施の形態4の電池カバーの概観、形状変化および筒型電池への装着手順を示す図である。 図7は、実施の形態5の電池カバーの概観、形状変化および筒型電池への装着手順を示す図である。 図8は、実施の形態6の電池カバーの形状変化および筒型電池への装着手順を示す図である。 図9は、実施の形態7の電池カバーの概観および筒型電池への装着手順を示す図である。 図10は、筒型電池に装着された電池カバーが漏出液を吸収することにより膨潤した様子を示す図である。 図11は、一般的な電池ケースの概観を示す図である。 図12は、複数の隣接する電池カバー全体で1つの筒型電池からの漏出液を吸収する様子を示す図である。 図13は、膨潤拡大して間隙の開いていた電池カバーに接触して漏出液を伝達吸収する様子を示す図である。 図14は、外面の一部を除き、不透過コーティングが施された複数の電池カバーの概観を示す図である。 図15は、図14に示す複数の電池カバー全体で筒型電池からの漏出液を吸収する様子を示す図である。 図16は、補助吸収体を備える電池カバーを説明するための図である。 図17は、実施の形態1〜7の各電池カバーの形状以外の形状の例を示す図である。 図18は、長方体様形状の電池の正極と負極の凸部を係止に利用する電池カバー8の概観と長方体様形状の電池への装着手順を示す図である。 図19は、切断前後の電池カバーを示す図である。
符号の説明
1、2、3、4、5、6、7、8 電池カバー
40 筒型電池
50、60 電池ケース
51 補助吸収体
101 電池挿入用の内空
201、301a、301b、501a、501b、601、701 正極を係止および貫通させる貫通孔
202、302、502、602a、602b、702 負極の通電のための貫通孔
401a、401b、402 正極または負極の通電のための貫通孔
403a、403b、503a、503b、603a、603b、703 補助被覆部

Claims (16)

  1. 電池からの漏出液を吸収する電池カバーが、伸縮能と漏出液吸収能を有し、電池の正極の凸部または負極の凸部を係止に利用するための少なくとも1つの係止孔および前記電池の円柱形状または直方体形状を係止に利用するための屈曲部の少なくとも一方を有して一体形成されているか、伸展しなければ対応する電池の挿入が不可能な大きさの内空を有する環状に形成されていることにより、前記電池に装着可能となり、前記伸縮能に由来する収縮力で、前記電池カバーを前記電池に密着させて前記電池からの漏出液を吸収する漏出液吸収方法であって、
    前記電池カバーを伸展しながら前記電池に装着するステップと、
    前記電池カバーが前記収縮力により前記電池に密着するステップと、
    前記電池カバーを装着した前記電池を電池使用機器の電池装填部位に装填するステップと、
    前記電池から前記漏出液が流出するステップと、
    前記漏出液が前記電池カバーに吸収されるステップと
    を含むことを特徴とする電池からの漏出液吸収方法。
  2. 外表面の少なくとも一部が漏出液吸収能を有し、漏出液を吸収すると膨潤拡大する漏出液吸収部材を用いて行う漏出液吸収方法であって、
    一の漏出液吸収部材を漏出源となりうる場所に装着または設置するステップと、
    前記一の漏出液吸収部材を装着または設置した場所とは異なる場所に、前記一の漏出液吸収部材の外表面の漏出液吸収能を有した部分と、二の漏出液吸収部材の外表面の漏出液吸収能を有した部分を対向させて、前記一の漏出液吸収部材とは接触せずに空間を隔てて、前記二の漏出液吸収部材を装着または設置するステップと、
    前記漏出源からの漏出液を前記一の漏出液吸収部材が吸収して膨潤拡大するステップと、
    膨潤拡大した前記一の漏出液吸収部材が前記二の漏出液吸収部材に接触するステップと、
    前記一の漏出液吸収部材の外表面から、前記二の漏出液吸収部材の外表面に前記漏出液が伝わるステップと、
    前記二の漏出液吸収部材が前記漏出液を吸収して膨潤拡大するステップと
    を含むことを特徴とする漏出液吸収方法。
  3. 更に、菲薄化の為に圧縮加工するか漏出液を吸収すると膨潤拡大してゲル化するゲル化剤を添加して作製した漏出液吸収能を有する漏出液吸収部材を用いて行う
    ことを特徴とする請求項2記載の漏出液吸収方法。
  4. 前記電池カバーが、更に菲薄化の為に圧縮加工されているか前記漏出液を吸収すると膨潤拡大してゲル化するゲル化剤を含んでいることにより、前記漏出液が前記電池カバーに吸収されると、
    更に、前記電池カバーが膨潤拡大して前記電池と前記電池装填部の周囲の間隙に広がるステップ
    を含むことを特徴とする請求項1記載の漏出液吸収方法。
  5. 電池からの漏出液を吸収する電池カバーが、伸縮能と漏出液吸収能を有し、
    前記電池カバーの外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する場合、前記外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する前記電池カバーを複数と前記電池を複数用いて、不特定の前記電池からの漏出液を吸収する漏出液吸収方法であって、
    前記電池カバーを伸展しながら前記電池に装着するステップと、
    前記電池カバーが前記伸縮性に由来する収縮力により前記電池に密着するステップと、
    前記外表面の漏出液透過性を有する部分同士を対向させて、前記電池カバーを装着した前記電池を電池使用機器の電池装填部位に複数装填するステップと、
    不特定の前記電池から漏出液が流出するステップと、
    漏出を生じた電池に装着している前記電池カバーに前記漏出液が吸収されるステップと、
    前記電池カバーが膨潤拡大して前記電池と前記電池装填部の周囲の間隙に広がるステップと、
    前記外表面の漏出液透過性を有する部分を介して前記漏出液が、漏出を生じていない前記電池に装着した前記電池カバーに伝わり吸収されるステップと
    を含むことを特徴とする電池からの漏出液吸収方法。
  6. 前記漏出液吸収方法は、前記電池カバーが菲薄化の為に圧縮加工されるかゲル化剤を含んでいることにより、外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する前記電池カバーを装着した複数の前記電池を、複数の電池を使用する機器の電池装填部位に装填時、電池カバー同士が接触していない場合、
    前記漏出液を生じた前記電池に装着している前記電池カバーが膨潤拡大することにより、近くの電池カバーに接触するステップを含む
    ことを特徴とする請求項5記載の漏出液吸収方法。
  7. 前記漏出液吸収方法は更に、前記電池カバーが外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する場合、前記電池カバーを装着した複数の前記電池を、前記電池装填部位に装填後、前記電池カバーの漏出液透過性を有している前記外表面に対向して、前記電池カバー以外の補助吸収体を置くことにより、
    前記電池カバーの漏出液透過性を有している前記外表面を通じて前記補助吸収体が、前記漏出液を吸収するステップを含む
    ことを特徴とする請求項5記載の漏出液吸収方法。
  8. 前記漏出液吸収方法は更に、漏出を生じている前記電池からの前記漏出液の漏出速度を減じる漏出液吸収方法であって、漏出を生じていない、電力が十分に残存する電池に装着されている前記電池カバーが前記漏出液を吸収し、電力が十分に残存する前記電池の正極と負極を短絡させることにより、電力を早期に消費させて、漏出を生じている前記電池に掛かる負荷電圧を下げて、漏出を生じている前記電池からの前記漏出液の漏出速度を減じるステップを含む
    ことを特徴とする請求項5記載の漏出液吸収方法。
  9. 電池からの漏出液を吸収する電池カバーであって、
    前記電池カバーは、伸縮能と漏出液吸収能を有し、伸展しなければ対応する電池の挿入が不可能な大きさの内空を有する環状に形成されており、前記電池に装着時、前記伸縮能に由来する収縮力で、前記電池に密着する
    ことを特徴とする電池カバー。
  10. 前記電池カバーは、更に菲薄化の為に圧縮加工されているか前記漏出液を吸収すると膨潤拡大してゲル化するゲル化剤を含んでいる
    ことを特徴とする請求項9記載の電池カバー。
  11. 前記電池カバーは、外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を更に有する
    ことを特徴とする請求項9記載の電池カバー。
  12. 外表面の少なくとも一部が漏出液吸収能を有し、漏出液を吸収すると膨潤拡大する漏出液吸収部材を用いて行う、漏出液に備えて漏出液吸収部材を装着または設置する方法であって、
    一の漏出液吸収部材を漏出源となりうる場所に装着または設置するステップと、
    前記一の漏出液吸収部材を装着または設置した場所とは異なる場所に、前記一の漏出液吸収部材の外表面の漏出液吸収能を有した部分と、二の漏出液吸収部材の外表面の漏出液吸収能を有した部分を対向させて、前記一の漏出液吸収部材とは接触せずに空間を隔てて、前記漏出源からの漏出液を前記一の漏出液吸収部材が吸収して膨潤拡大することによって前記一の漏出液吸収部材が前記二の漏出液吸収部材に接触する場所に、前記二の漏出液吸収部材を装着または設置するステップと、
    を含むことを特徴とする漏出液に備えて漏出液吸収部材を装着または設置する方法。
  13. 更に、菲薄化の為に圧縮加工するか漏出液を吸収すると膨潤拡大してゲル化するゲル化剤を添加して作製した漏出液吸収能を有する漏出液吸収部材を用いて行う
    ことを特徴とする請求項12記載の漏出液に備えて漏出液吸収部材を装着または設置する方法。
  14. 伸縮能と漏出液吸収能を有し、電池の正極の凸部または負極の凸部を係止に利用するための少なくとも1つの係止孔および前記電池の円柱形状または直方体形状を係止に利用するための屈曲部の少なくとも一方を有して一体形成されているか、伸展しなければ対応する電池の挿入が不可能な大きさの内空を有する環状に形成されており、外表面の少なくとも一部が漏出液透過性を有する電池カバーを複数と前記電池を複数用いて、不特定の前記電池からの漏出液に備えて電池カバーを装着および設置する方法であって、
    前記電池カバーを伸展しながら前記電池に装着するステップと、
    前記電池カバーが前記伸縮性に由来する収縮力により前記電池に密着するステップと、
    前記外表面の漏出液透過性を有する部分同士を対向させて、前記電池カバーを装着した前記電池を電池使用機器の電池装填部位に複数装填するステップと、
    を含むことを特徴とする電池からの漏出液に備えて電池カバーを装着および設置する方法。
  15. 更に、菲薄化の為に圧縮加工されているか前記漏出液を吸収すると膨潤拡大してゲル化するゲル化剤を含んでいる前記電池カバーを用いて行う
    ことを特徴とする請求項14記載の電池からの漏出液に備えて電池カバーを装着および設置する方法。
  16. 更に、前記電池カバーを装着した複数の前記電池を、前記電池装填部位に装填後、前記電池カバーの漏出液透過性を有している前記外表面に対向して、前記電池カバー以外の補助吸収体を置くステップを含む
    ことを特徴とする請求項14記載の電池からの漏出液に備えて電池カバーを装着および設置する方法。
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