JP2008052966A - メタルキーシート用積層材、メタルキーシートおよびメタルキーパッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】情報端末機器の入力ボタン部に使用されるメタルキーシート用積層材であって、該積層材の表面側より金属板10と、該金属板に熱接着された樹脂シート20とを備えるものとし、該樹脂シート20をポリウレタン系樹脂により構成する。
【選択図】図3
Description
<メタルキーシート用積層材>
図3(a)に、本発明のメタルキーシート用積層材100の層構成の概念図を示す。本発明のメタルキーシート積層材100は、表層側に金属板10を備え、この金属板10に樹脂シート20が積層されて構成されている。
金属板10としては、アルミニウム板、ステンレス鋼板、洋白、銅板、真鍮、ニッケル鋼板等を使用することができる。中でも、薄くても剛性、クリック感を得やすいばね用のステンレス鋼板、ばね用の洋白を使用することが好ましい。
樹脂シート20としては、接着剤を用いなくてもキーパッド30と接着してメタルキーパッド300を形成することができることから、ポリウレタン系樹脂からなる樹脂シートであることが好ましい。
図3(b)に、本発明のメタルキーシート200の概念図を示す。図3(b)は、図1(a)の点線X部分の断面を模式的に示したものである。本発明のメタルキーシート200は、上記のメタルキーシート用積層材100にエッチング加工を施すことで形成された抜き文字50および区切部40を備えて構成される。また、エッチング加工の後に、抜き文字50および区切部40を含む所定の輪郭70に打ち抜くことによって、図1(a)に示すような携帯電話等の情報末端機器の入力ボタン部として使用するメタルキーシート200とすることができる。
区切部40は、金属板10を貫通してなる溝である。図1(a)においては、該区切部40により舌片状の押圧部60が形成されている。区切部40の形状は、舌片状の押圧部60を形成するものであれば特に限定されず、図1(a)に示すような、舌片状の押圧部60が上向、下向に交互に形成されるような、折れ線形状であってもよいし、また舌片の角部分が曲線となるような曲線形状であってもよい(図1(b))。
抜き文字50および区切部40は、エッチング加工により形成される。エッチング加工としては、処理効率、経済性の点から、ウエットエッチングにより行うことが好ましいが、使用する金属板10の種類、または形成する抜き文字50の複雑さによっては、ドライエッチングを採用してもよい。また、ウエットエッチングの処理方法としては、エッチング液を満たした容器内にメタルキーシート積層材100を浸すディップ式を採用するのが、簡便であるので好ましいが、処理効率等の点から、メタルキーシート積層材100にエッチング液を吹きつけるスプレー式、回転台に積層材100を取り付けて、エッチング液を滴下するスピン式を採用することもできる。
打ち抜き工程では、メタルキーシートの輪郭を所定の形状に打ち抜く。製作するメタルキーシートに対応する所定の金型および一般的な打ち抜き装置を用いて行うことができる。なお、この打ち抜き工程は、以下において説明するキーパッド30を形成してメタルキーパッド300としてから行ってもよく、製造の順序は特に限定されない。
図3(c)および(d)に、本発明のメタルキーパッド300の概念図を示した。本発明のメタルキーパッド300は、上記の本発明のメタルキーシート200、および、該メタルキーシート200の樹脂シート20側に積層されたキーパッド30を備えて構成される。
キーパッド30は、ゴム前駆体をメタルキーシート200の樹脂シート20側に接触させた状態で硬化させることにより形成することができる。キーパッド30を形成する材料としては、例えば、シリコーンゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、等の弾性に優れ、耐久性に良好な材料を用いることができる。この中でも、加工性(加工歩留まりが高い)の点からシリコーンゴムを用いることが特に好ましい。
コイル状の150μm厚のSUS304(H材)の片面に、アミノシランと界面活性剤の濃度がそれぞれ、0.3%、0.05%となるように調製した水溶液をコーターロールによって塗布し、290℃の加熱炉を通過させて、表面温度が230℃になるように制御した状態で、厚み50μmのポリウレタンシートを貼り合わせて、メタルキーシート用積層材を得た。
コイル状の150μm厚のSUS304(H材)の片面に、ポリエステル系接着剤を塗布して、厚み50μmのポリウレタンシートを貼り合わせて、積層材を得た。そして、実施例1と同じ方法で、メタルキーシートを作製し、メタルキーシートとキーパッドとを接着してメタルキーパッドを作製した。
コイル状の150μm厚のSUS304(H材)を巻き出し、280℃の加熱炉を通し、表面温度を200℃に制御した状態で、50μmの片面易接着PETシートを易接着面が金属側に接するように張り合わせ、積層材を得た。そして、実施例1と同じ方法で、メタルキーシートを作製し、メタルキーシートとキーパッドとを接着してメタルキーパッドを作製した。
(耐エッチング性評価)
実施例1、比較例1、比較例2のメタルキーシートをそれぞれ20個作成し、抜き文字の評価を目視で行なった。さらに、65℃、90%RHの環境下で96時間放置し、腐食の有無を目視で確認した。
○:腐食、剥離が目視で確認できなかった。
×:腐食、剥離が目視で確認できた。
実施例1、比較例1、比較例2のメタルキーシートにシリコーンゴムを上記方法で接着した幅2cmの試験片をそれぞれ5個作成し、65℃、90%RHの環境下で96時間放置したのち、引張試験機を用いて、引張速度10mm/分の条件で、180°ピーリング試験を行った。
○:ポリウレタンとシリコーンゴムとの界面で剥離が生じず、シリコーンゴムの凝集破壊が生じた。
×:ポリウレタンとシリコーンゴムとの界面で剥離が生じた。
実施例1、比較例1、比較例2のメタルキーパッドをそれぞれ20個作製し、区切部が樹脂で埋められており、シリコーン樹脂がポリウレタン、もしくはPETで覆われていることを目視で確認した。
○:区切部が樹脂で満たされており、その表面がポリウレタン、もしくは、PETで覆われていた。
×:区切部が樹脂で満たされていなかった、もしくは、シリコーンゴムが表層に露出していた。
20 樹脂シート
30 キーパッド
40 区切部
50 抜き文字
60 押圧部
70 所定の輪郭
100 メタルキーシート用積層材
200 メタルキーシート
300 メタルキーパッド
Claims (9)
- 情報端末機器の入力ボタン部に使用されるメタルキーシート用積層材であって、該積層材の表面側より金属板と、該金属板に熱接着された樹脂シートとを備え、該樹脂シートがポリウレタン系樹脂から構成されている、メタルキーシート用積層材。
- 請求項1に記載のメタルキーシート用積層材、および、該積層材の前記金属板に対してエッチング加工を施すことで形成された抜き文字および区切部を備え、該区切部が押圧部を形成している、メタルキーシート。
- 所定の輪郭に打ち抜かれて形成された、請求項2に記載のメタルキーシート。
- 請求項2または3に記載のメタルキーシート、および、該メタルキーシートの前記樹脂シート側に積層されたキーパッドを備えた、メタルキーパッド。
- 前記キーパッドが、ゴム前駆体を前記メタルキーシートの前記樹脂シート側に接触させた状態で、硬化させることにより形成されたものである、請求項4に記載のメタルキーパッド。
- 前記キーパッドが、液状シリコーンゴム組成物を前記メタルキーシートの前記樹脂シート側に接触させた状態で、硬化させることにより形成されたシリコーンゴム製のキーパッドである、請求項4に記載のメタルキーパッド。
- 前記樹脂シートが区切部の溝を埋める凸部を形成している、請求項5または6に記載のメタルキーパッド。
- 金属板にポリウレタン系樹脂からなる樹脂シートを熱接着する工程、
該金属板にエッチング加工を施して、抜き文字および区切り部を形成する工程を備え、
該区切部が押圧部を形成している、メタルキーシートの製造方法。 - 金属板にポリウレタン系樹脂からなる樹脂シートを熱接着する工程、
該金属板にエッチング加工を施して、抜き文字および区切り部を形成する工程、および、
ゴム前駆体を前記樹脂シート側に接触させた状態で、硬化させることによりキーパッドを形成する工程を備え、
該区切部が押圧部を形成している、メタルキーパッドの製造方法。
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