JP4827769B2 - メタルキーシート用積層材、メタルキーシートおよびメタルキーパッド - Google Patents
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Description
本発明のメタルキーシート用積層材100は、カラー金属板10と透明樹脂シート20とを備えて構成される。以下、各構成要素を説明する。
本発明において、カラー金属板10とは、金属板の表面に蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、酸化処理等の各種処理を施すことによって、種々のカラーに着色してみえる金属板をいう(塗装により着色された金属板は除く。)。
金属板の好ましい着色方法としては、真空蒸着法、スパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着、あるいは、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD、MOCVD等の化学蒸着により金属板の表面に無機化合物を含有する皮膜を形成する方法を挙げることができる。
透明樹脂シート20としては、透明性、耐傷性、耐薬品性に優れたものであれば、特に種類に制約はない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリアミド系樹脂からなるシートを使用することができる。
本発明のメタルキーシート用積層材100において、透明樹脂シート20と金属板10との接着方法は特に限定されず、接着剤を用いて接着してもよいし、熱接着してもよい。接着剤としては、例えば、溶媒中にバインダー成分が溶解して構成される接着剤を挙げることができ、この接着剤を透明樹脂シート20側あるいは金属板10側に塗布して、両者を貼り合わせ、溶媒を蒸発させて固化させるタイプのものが一般的に使用できる。接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤等を用いることができる。
本発明のメタルキーシート200は、上記のメタルキーシート用積層材100にエッチング加工を施すことで抜き文字50および区切部40を形成して製造される。また、エッチング加工の後に、抜き文字50および区切部40を含む所定の輪郭70に打ち抜くことによって、図1に示すような携帯電話等の情報末端機器の入力ボタン部として使用するメタルキーシート200とすることができる。
抜き文字50および区切部40は、エッチング加工により形成される。エッチング加工としては、処理効率、経済性の点から、ウエットエッチングにより行うことが好ましいが、形成する抜き文字50の複雑さによっては、ドライエッチングを採用してもよい。また、ウエットエッチングの処理方法としては、エッチング液を満たした容器内にメタルキーシート用積層材100を浸すディップ式を採用するのが、簡便であるので好ましいが、処理効率等の点から、メタルキーシート用積層材100にエッチング液を吹きつけるスプレー式、回転台に積層材を取り付けて、エッチング液を滴下するスピン式を採用することもできる。
打ち抜き工程では、メタルキーシート200の輪郭を所定の形状70に打ち抜く。作製するメタルキーシート200に対応する所定の金型および一般的な打ち抜き装置を用いて行うことができる。なお、この打ち抜き工程は、以下において説明するキーパッド30を形成してメタルキーパッド300としてから行ってもよく、製造の順序は特に限定されない。
図4(a)〜(c)に、本発明のメタルキーパッド300の概念図を示した。本発明のメタルキーパッド300は、上記の本発明のメタルキーシート200、および、キーパッド30を備えて構成される。
キーパッド30を形成する材料としては、例えば、シリコーンゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー等の弾性に優れ、耐久性が良好な材料を用いることができる。この中でも、加工性(加工歩留まりが高い)の点からシリコーンゴムを用いることが特に好ましい。
コイル状の黒色カラーステンレス鋼板を巻きだし、280℃の加熱炉を通過させて、表面温度を200℃にコントロールした状態で、50μmの片面易接着処理を施したPETシート(易接着層:モル比でイソフタル酸:テレフタル酸:エチレングリコール=1:4:5;PET層/接着層の厚み比=9/1)を易接着面が金属側になるように接着した。
黒色カラーステンレス鋼板としては、150μm厚のヘアーライン仕上げのSUS304(H材)を、クロム酸(100g/L)と硫酸(600g/L)とからなる着色槽を用いて酸化皮膜を形成して発色させたものである。
実施例1において、黒色カラーステンレス鋼板として、150μm厚のヘアーライン仕上げのSUS304(H材)の表面に対して、TiAlCNからなる無機化合物を含有する皮膜をスパッタリングにより形成したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、メタルキーシート用積層材、メタルキーシートおよびメタルキーパッドを得た。
実施例1において、カラーステンレス鋼板として、150μm厚のヘアーライン仕上げのSUS304(H材)の表面に対して、TiNからなる無機化合物を含有する皮膜をスパッタリングにより形成した金色のカラーステンレス鋼板を用いた以外は、実施例1と同様にして、メタルキーシート用積層材、メタルキーシートおよびメタルキーパッドを得た。
実施例3の金色カラーステンレス鋼板の片面に、アミノシランと界面活性剤の濃度がそれぞれ、0.3質量%、0.05質量%となるように調製した水溶液をコーターロールによって、金属板表面のアミノシラン濃度が50mg/m2となるように塗布し、290℃の加熱炉を通過させて、表面温度が200℃になるように制御した状態で、厚み50μmのポリウレタンシートを貼り合わせて、メタルキーシート用積層材を得た。そして、裏面がポリウレタンシートとなるように、実施例1と同様にしてメタルキーシートを得た。
コイル状の150μm厚のSUS304(H材)を、450℃の加熱炉を通過させて、表面温度が300℃になるようにコントロールした状態で、カーボンブラックを1質量%含んだ厚み50μmの黒色ポリエチレンテレフタレートシートを張り合わせ、樹脂被服金属板を得た。そして、表面が黒色ポリエチレンテレフタレートシートとなるように、実施例1と同様な方法でメタルキーシートを得た。
黒色のシリコーンポリエステル樹脂塗料を塗装した150μm厚のSUS304(H材)の塗装面側にアクリル樹脂系接着剤を塗布し、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシートを接着した。そして、表面がポリエチレンテレフタレートシートとなるように、実施例1と同様な方法でメタルキーシートを得た。
評価結果は表1に示した。
20 樹脂シート
30 キーパッド
40 区切部
50 抜き文字
60 押圧部
70 所定の輪郭
100 メタルキーシート用積層材
200 メタルキーシート
300 メタルキーパッド
Claims (7)
- 情報端末機器の入力ボタン部に使用されるメタルキーシート用積層材であって、該積層材は少なくとも透明樹脂シートと金属板とを備えてなり、該金属板が、表面に無機化合物を含有する皮膜を形成して発色させたカラー金属板であることを特徴とするメタルキーシート用積層材。
- 前記カラー金属板が、金属板の表面に酸化皮膜を形成して発色させたものである請求項1に記載のメタルキーシート用積層材。
- 前記カラー金属板が、カラーステンレス鋼板である請求項1または2に記載のメタルキーシート用積層材。
- 前記透明樹脂シートと前記カラー金属板とが熱接着されてなる、請求項1から請求項3のいずれかに記載のメタルキーシート用積層材。
- 前記金属板がシランカップリング剤で表面処理されてなる、請求項1から請求項4のいずれかに記載のメタルキーシート用積層材。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載のメタルキーシート用積層材、および、該積層材にエッチング加工を施して形成された抜き文字および区切り部を備えて構成されるメタルキーシート。
- 請求項6に記載のメタルキーシート、およびキーパッドを備えて構成されるメタルキーパッド。
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