JP2008052927A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な方法を用いて、広く水素欠を判定することのできる機構を備えた燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム1は、燃料電池2と、燃料電池2から排出されるアノードオフガス中の水素濃度を検出する水素濃度センサ15を有する。水素濃度センサ15で検出された水素濃度の低下率が所定値よりも大きくなったときに、燃料電池2に供給される水素量が不足していると判断する。この場合、アノードオフガス中の酸素濃度を水素の可燃限界濃度以下にする手段をさらに有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池スタックを構成するセルは、アノードとカソードが、電解質膜を挟んでそれぞれ配置された構造を有している。そして、各電極に反応ガスが供給されると、電極間で電気化学反応が起こり起電力を生じる。反応は、具体的には、アノードに水素(燃料ガス)が接触し、カソードに酸素(酸化剤ガス)が接触することによって起こる。
一般に、燃料電池システムでは、高圧水素タンクから供給される水素を燃料電池のアノードに供給する一方で、コンプレッサによって外気から取り込んだ空気をカソードに供給している。アノードやカソードで水素や空気が消費される量と、燃料電池の出力電流とは比例関係にあるので、要求される出力電流に見合った量のガスを各電極に供給する必要がある。従来は、例えば、セル電圧からアノードに供給された水素濃度を推測し、この値が所定の基準値を下回っている場合には、水素の供給量を多くするような措置が採られていた。
しかしながら、セル電圧を測定するセルモニタは、セルに直接接触して配置されるので、電気的な絶縁性を具備しつつ精密で複雑な構造が採られる。このため、セルモニタには、高価である一方で信頼性に欠けるといった問題があった。
また、燃料電池では、電気化学反応(O+4H+4e→2HO)によって水が生成する。燃料電池内やガス流路でこの水が凍結したり、あるいは、フラッディングが起こったりすると、燃料電池の電圧が低下して、セルに負電圧が生じる場合がある。すると、必要量の反応ガスを電極に供給することが困難となって、外部から供給する水素の量が十分であるにもかかわらず、所望のセル電圧が得られないという事態が生じる。
そこで、燃料電池から排出されたアノードオフガス中の二酸化炭素の濃度を検出し、この濃度が上昇した場合には、水素欠によりアノードでカーボンの腐食が起きていると判断して、アノードに供給する水素の量を増やすようにした燃料電池システムが提案されている(特許文献1参照)。この燃料電池システムによれば、カーボンの腐食の程度に応じた処理が可能となるので、水素の供給量が無駄に多くなるのを防いで、燃料の利用効率やシステムの効率を高められるとされる。
特開2005−285692号公報 特開2004−95300号公報 特開2003−168442号公報 特開昭63−51060号公報 特開平5−275097号公報 特開2005−93111号公報
しかしながら、特許文献1の燃料電池システムでは、二酸化炭素の濃度を検出するために、専用のセンサを設けることが必要となる。また、触媒にカーボンを使用していない燃料電池では、二酸化炭素が発生しないので、水素欠であるか否かを判定することができない。
本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、簡便な方法を用いて、広く水素欠を判定することのできる機構を備えた燃料電池システムを提供することにある。
本発明の他の目的および利点は以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明は、燃料電池と、
前記燃料電池から排出されるアノードオフガス中の水素濃度を検出する手段と、
前記水素濃度の低下率が所定値よりも大きくなったときに、前記燃料電池に供給される水素量が不足していると判断する手段とを有する燃料電池システムに関する。
本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池に供給される水素量が不足していると判断した場合に、前記アノードオフガス中の酸素濃度を水素の可燃限界濃度以下にする手段をさらに有することが好ましい。
前記酸素濃度を水素の可燃限界濃度以下にする手段は、前記燃料電池に供給される水素濃度を上昇させる手段とすることができる。
本発明の燃料電池システムは、前記アノードオフガスをアノードオフガス流路から前記燃料電池へと循環させる循環装置をさらに有することができる。この場合、前記酸素濃度を水素の可燃限界濃度以下にする手段は、前記アノードオフガスを前記循環装置から前記アノードオフガス流路を逆流させて前記燃料電池に流入させる手段とすることができる。
本発明の燃料電池システムによれば、水素濃度の低下率が所定値よりも大きくなったときに燃料電池に供給される水素量が不足していると判断するので、簡便に広く水素欠を判定することができる。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における燃料電池システムの構成図である。
図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料ガスとしての水素と、酸化剤ガスとしての空気とを供給されて起電力を生じる燃料電池2と、燃料電池2に圧縮空気を供給するコンプレッサ3と、コンプレッサ3から燃料電池2に供給される空気の圧力を調整する空気調圧弁4と、乾燥した水素を高圧状態で貯蔵する水素タンク5と、水素タンク5から燃料電池2に供給される水素の圧力を調整する水素調圧弁6とを有する。また、水素タンク5と水素調圧弁6の間の流路には、水素の流量を測定する流量計7と、シャットバルブ8とが設けられている。尚、水素タンク5に代えて、改質器などの他の水素供給源を設けてもよい。
図1において、燃料電池2から排出されたカソードオフガスは、カソードオフガス排出路9から外部へと排出される。一方、アノードオフガスは、燃料電池2からアノードオフガス流路10に排出された後、循環ポンプ11によって、再び燃料電池2に供給される。また、アノードオフガス流路10の途中には、排気バルブ12を介してアノードオフガス排出路13が接続されている。所定のタイミングで排気バルブ12が開かれると、アノードオフガスは、アノードオフガス排出路13から外部へと排出される。尚、カソードオフガス排出路9とアノードオフガス排出路13の途中には、希釈器14が設けられている。希釈器14では、カソードオフガスが希釈用ガスとなって、アノードオフガス中の水素を希釈するのに用いられる。これにより、水素は、十分に低い濃度になるまで希釈されてから排出される。本実施の形態においては、循環ポンプ11に代えて、エジェクタなどの他の循環装置を用いることもできる。
アノードに必要量の水素が供給されている場合には、アノードオフガス中に、酸素や二酸化炭素はほとんど含まれていない。しかし、アノードで水素欠が起こると、不足した水素を補うために、カソードの水が電解質膜を通ってアノードに移動し、アノードで水の電気分解(2HO→O+4H+4e)が進むようになる。これにより、アノードで酸素が生成し、アノードオフガス中の酸素濃度が上昇する。さらに、アノードの触媒層にカーボンを使用している系では、アノードが水素欠になると、カーボンの腐食反応(C+2HO→CO+4H+4e)が起こる。したがって、この系では、アノードオフガス中の二酸化炭素濃度の上昇も見られる。尚、本明細書においては、燃料電池内で水素量が不足した状態を水素欠と称する。
一方、水素の圧力は、水素調圧弁6によって所定の値となるように調整されている。このため、アノードオフガス中で、酸素や二酸化炭素の濃度が高くなると、相対的に水素の濃度が低くなる。したがって、アノードオフガス中の水素濃度の変化を監視すれば、アノードで水素欠が起こっているか否かを判定することができる。
ところで、カソードに供給される空気には窒素が含まれているが、燃料電池2を運転すると、この窒素が電解質膜を透過してアノード側に蓄積されるようになる。それ故、水素濃度を低下させる要因の1つには、アノード側における窒素濃度の増加も挙げられる。しかしながら、単位時間当たりで見た場合、水の電気分解によって生じる酸素や、カーボンの腐食によって生じる二酸化炭素の量と比べると、カソードからアノードに透過する窒素量は僅かなものに過ぎない。つまり、水素欠に起因して水の電気分解やカーボンの腐食が起これば、酸素や二酸化炭素の濃度が急激に高くなる結果、水素濃度は急激に低くなるはずである。
そこで、本実施の形態においては、所定時間毎に水素濃度を測定し、濃度の低下率が所定値よりも大きくなった場合には、酸素や二酸化炭素が生成していると判断する。これにより、アノードで水素欠が起きていることを検知できるので、アノードに供給する水素の流量を増やすようにすればよい。すなわち、本発明は、水素濃度の低下率が大きい場合には、アノードに供給する水素の量が不足していると判断し、水素濃度の低下率が小さい場合には、アノードに供給する水素の量は不足していないと判断するものである。ここで、水素濃度の低下率とは、単位時間当たりの水素濃度の低下量を言う。水素濃度の低下率が、カソードからの窒素の時間当たりの透過量を考慮した値よりも大きくなった場合に、カソードに供給する水素の量が不足していると判断される。水素濃度の測定は、例えば、図1に示すように、燃料電池2の出口付近に水素濃度センサ15を設けることにより行うことができる。また、アノードに供給する水素の流量は、水素調圧弁6によって調整することができる。尚、濃度の低下率が所定値よりも大きくなった場合とは、詳しくは、アノードへの水素の供給量を調節する装置に起因した水素濃度の変動を超えた場合を言う。具体的には、水素調圧弁6の調圧精度や、循環ポンプ11などの循環装置の脈動などによって、アノードへの水素の供給量が変動することによる水素濃度の低下率を超えた場合である。
また、本実施の形態においては、水素濃度の測定に代えて、アノードオフガスの温度を測定してもよい。
図2は、本実施の形態の変形例であり、燃料電池の出口付近におけるカソードオフガス流路の断面図である。尚、燃料電池システムは、図1と同じ構成とする。
図2において、カソードオフガス流路10には、2つの温度センサ16,17が設けられている。温度センサ16は、カソードオフガス流路10の上流側に配置されている。一方、温度センサ17は、カソードオフガス流路10の下流側に、温度センサ16とは間隔を空けて配置されている。また、温度センサ17の先端には、触媒18が担持されている。触媒18は、酸化触媒成分を含む燃焼触媒である。
アノードオフガス中に酸素が含まれていると、触媒18上で酸素と水素が燃焼反応を起こす。このため、図3に示すように、温度センサ17で検出される温度Tは、温度センサ16で検出される温度Tよりも上昇する。したがって、温度T,Tを監視することにより、アノードでの水素欠を検知することができる。尚、燃料電池2の出口付近における冷却水流路(図示せず)の温度を測定し、この温度を温度センサ17で検出される温度Tと比較してもよい。
図4は、アノードオフガス中の酸素濃度と燃焼熱の関係を示している。
燃焼熱は、酸素濃度がストイキのときに最大となり、これよりリッチまたはリーンになると低下する。ここで、アノードに必要量の水素が供給されている場合には、アノードオフガス中に酸素はほとんど含まれていない。したがって、酸素濃度は、実際には、図4でストイキより左側(リッチ側)で考えればよい。
触媒18上で起こる水素の燃焼反応によって発生する燃焼熱は、温度センサ16,17で検出される温度T,Tの差に対応している。それ故、温度T,Tから燃焼熱の値が求まれば、図4を用いて酸素濃度CO2(%)を推定することができる。また、循環するガスの総流量Qtotal(リットル/分)は、アノードオフガスを循環させる循環ポンプ11の回転数から求めることができる。したがって、式(1)より、酸素の流量QO2(リットル/分)を求めることができる。
O2=CO2×Qtotal (1)
また、酸素1モルが生成する際に電子4モルが放出されるので、燃料電池2の発電電流I(A)を測定することにより、式(2)から、負電圧を起こしているセルの数nreverseを推定することができる。尚、式(2)において、96485はファラデー定数(クーロン)、22.4は酸素1モルが占める体積(リットル)である。
reverse=(QO2×96485×4)/(I×22.4×60) (2)
したがって、負電圧となったセルの数に応じて、アノードに供給する水素の量を増やすことにより、要求される出力電流に見合った量の水素をアノードに供給できるようになる。尚、水素欠は、具体的には、ストイキ比を大きくすることによって解消できる。ここで、ストイキ比とは、燃料電池に供給される水素量(QH0)と、燃料電池で消費される水素量(QH1)との比(QH0/QH1)を言う。
以上述べたように、本実施の形態の燃料電池システムでは、アノードオフガス中の水素濃度の低下率が所定値よりも大きくなった場合に、酸素や二酸化炭素が生成していると判断して、アノードの水素欠を検知する。したがって、二酸化炭素濃度センサなどの特殊なセンサを設ける必要がなく、また、触媒にカーボンを使用していない系であっても、水素欠を検知することができる。
実施の形態2.
実施の形態1において、アノードで水素欠が起こると、不足した水素を補うために、カソードの水が電解質膜を通ってアノードに移動し、アノードで水の電気分解(2HO→O+4H+4e)が起こって酸素が生成することを述べた。ここで、水の電気分解で生成する酸素の量は、水素の量の半分である。一方、アノードオフガスを循環させる燃料電池システムでは、一般に、循環部分の容量ができるだけ小さくなるように設計される。このため、発生する酸素の量は、水素を可燃領域の濃度にするのに十分な量となる。
酸素の濃度が水素の可燃限界濃度より高くなると、水素は、触媒上での反応を着火源として、周囲のガスを巻き込みながら光と熱を発して燃焼する。これにより、電解質膜や触媒層に劣化が起こる。したがって、水素欠が検知された場合には、水素が燃焼するのを防ぐようにすることが好ましい。
そこで、本実施の形態においては、所定時間毎に水素濃度を測定し、濃度の低下率が所定値よりも大きくなって、アノードで水素欠が生じていると判断した場合には、アノードオフガス中に含まれる酸素の濃度を、水素の可燃限界濃度以下となるように制御することを特徴とする。
以下に、酸素濃度を制御する具体的方法について説明する。尚、本実施の形態の燃料電池システムは、実施の形態1と同様の構成を有するものとすることができる。そこで、図1を用いて、本実施の形態における酸素濃度の制御方法について説明する。
図1では、所定のタイミングで排気バルブ12を開いて、外部にアノードオフガスを排出している。これは、アノードオフガス流路10に溜まった水や窒素などをパージするためである。しかしながら、水素欠になると、アノードオフガス中に含まれる酸素の濃度が急激に高くなる。そこで、排気バルブ12を開閉する頻度を増やして、パージを頻繁に行うようにする。
例えば、水素濃度センサ10で検出される水素濃度の値が、可燃限界以下に保たれるようにパージする。具体的には、水素濃度が、可燃領域となった段階で排気バルブ12を開き、可燃限界濃度の上限を超えるまでパージを行う。
また、実施の形態1で説明した温度センサを設け、検出された温度の値から、排気バルブ12の開閉のタイミングを決定することもできる。例えば、図2において、アノードオフガス中に酸素が含まれていると、触媒18上で酸素と水素が燃焼反応を起こし、温度センサ17で検出される温度Tは、温度センサ16で検出される温度Tよりも上昇する。そこで、温度T,Tを監視し、温度Tが温度Tよりも高くなった段階で排気バルブ12を開き、温度Tが温度Tと等しい値に戻るまでパージを行う。
酸素濃度を制御する方法として、排気バルブ12の開閉に代えて、水素調圧弁6の調圧値を調整することも挙げられる。
水素調圧弁6の調圧値を上げると、アノードに供給される水素の圧力が高くなる。これにより、アノードオフガスに含まれる水素の分圧、すなわち、水素濃度も上昇するので、水素が可燃領域の濃度となるのを防ぐことができる。また、アノードに供給される水素の量が多くなるので、水素欠を解消することもできる。
例えば、水素濃度センサ10で検出された水素濃度の値が可燃領域となった段階で、水素調圧弁6の調圧値を上げればよい。また、実施の形態1の図2のような温度センサを設け、温度センサ17で検出される温度Tと、温度センサ16で検出される温度Tとを監視し、温度Tが温度Tよりも高くなった段階で水素調圧弁6の調圧値を上げてもよい。
また、酸素濃度を制御する方法として、循環ポンプ11を逆回転させて、燃料電池2の出口側からアノードオフガスを燃料電池2に流入させることも挙げられる。
アノードで水素欠が生じている場合、アノードオフガス中には、消費されなかった水素が含まれている。一方、水の凍結などに起因して水素欠となりやすいのは、燃料電池スタックを構成するセルの内で端部に配置されたセルである。したがって、アノードオフガスを燃料電池2の出口側から導入すると、水素欠が生じているセルに、水素を積極的に供給することができる。これにより、水素欠を解消できるとともに、セル内で発生した酸素を、セル内で水素と反応させて速やかに除去することができる。
例えば、水素濃度センサ10で検出された水素濃度の値が可燃領域となった段階で、循環ポンプ11を逆回転させればよい。また、実施の形態1の図2のような温度センサを設け、温度センサ17で検出される温度Tと、温度センサ16で検出される温度Tとを監視し、温度Tが温度Tよりも高くなった段階で循環ポンプ11を逆回転させてもよい。
図5は、水素欠となっているセルで、酸素が除去される様子を模式的に示した図である。この図に示すように、セル19は、電解質膜20の両側に触媒層21,22が設けられた構造となっている。アノード側の水素流路23で水が凍結して閉塞部24が生じると、アノードに水素が供給されなくなって水素欠となる。すると、アノードで水の電気分解(2HO→O+4H+4e)が起こって酸素が生成する。ここで、循環ポンプ(図示せず)を逆回転させると、アノードオフガス流路(図示せず)を通って、マニホールド25からセル19内にアノードオフガスが導き入れられる。アノードオフガス中には水素が含まれているので、セル19内で発生した酸素を水素と反応させて除去することができる。また、不足した水素が補われるので、水素欠を解消することもできる。
尚、アノードオフガスの逆流によって起こる水素の反応は、酸素と反応するという点で、水素の燃焼反応と共通している。しかし、これらは、次の点で相違する。すなわち、アノードオフガスの逆流は、水素の可燃限界濃度以下で行われる。したがって、水素は酸素と触媒上でのみ反応して燃え広がることはない。一方、水素が可燃限界濃度を超えると、触媒上での水素と酸素の反応を着火源として、水素は、周囲のガスを巻き込んで燃え広がったり、爆発を起こしたりする。つまり、水素の可燃限界濃度以下であるか否かによって、これらの反応は明確に区別される。本実施の形態では、アノードオフガスを逆流させることによって、水素と酸素を積極的に反応させているものの、この反応は、電解質膜や触媒にダメージを与える燃焼反応ではない。すなわち、水素の可燃限界濃度以下で反応させているので、水素と酸素の反応は触媒上に留められる。そして、この反応により酸素を除去することによって、水素が可燃限界濃度を超えるのを防ぐことができる。
以上述べたように、本実施の形態によれば、水素欠を検知したときに、酸素濃度が水素の可燃限界濃度以下となるように制御するので、酸素と水素の燃焼反応によって、アノードの温度が上昇して、電解質膜や触媒層が劣化するのを防ぐことができる。また、本実施の形態の燃料電池システムでは、特許文献3に記載されているような、酸素を吸着する物質を新たに設ける必要がない。すなわち、従来の構成で上記の効果を得ることができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
例えば、実施の形態1および2では、アノードオフガスを循環させる燃料電池システムについて述べた。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、アノードオフガスの流路を閉塞した状態で運転する、いわゆるデッドエンド方式による燃料電池システムであってもよい。
また、上述したように、アノードに必要量の水素が供給されている場合には、アノードオフガス中に酸素は含まれていない。しかし、セルに負電圧が生じてアノードで水素欠が起こると、アノードで酸素が生成してアノードオフガス中の酸素濃度が上昇する。そこで、燃料電池の出口付近に酸素濃度センサを設け、酸素濃度が上昇した段階で水素欠が起きていると判断することもできる。
本発明の燃料電池システムの構成図の一例である。 図1でアノードオフガス流路の部分断面図である。 本発明において、温度センサの温度変化を示す図である。 酸素濃度と燃焼熱の関係を示す図である。 本発明において、セル内での水素と酸素の反応を模式的に示す図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 コンプレッサ
4 空気調圧弁
5 水素タンク
6 水素調圧弁
7 流量計
8 シャットバルブ
9 カソードオフガス排出路
10 アノードオフガス流路
11 循環ポンプ
12 排気バルブ
13 アノードオフガス排出路
14 希釈器
15 水素濃度センサ
16,17 温度センサ
18 触媒
19 セル
20 電解質膜
21,22 触媒層
23 水素流路
24 閉塞部
25 マニホールド




Claims (4)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池から排出されるアノードオフガス中の水素濃度を検出する手段と、
    前記水素濃度の低下率が所定値よりも大きくなったときに、前記燃料電池に供給される水素量が不足していると判断する手段とを有する燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池に供給される水素量が不足していると判断した場合に、前記アノードオフガス中の酸素濃度を水素の可燃限界濃度以下にする手段をさらに有する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記酸素濃度を水素の可燃限界濃度以下にする手段は、前記燃料電池に供給される水素濃度を上昇させる手段である請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記アノードオフガスをアノードオフガス流路から前記燃料電池へと循環させる循環装置をさらに有し、
    前記酸素濃度を水素の可燃限界濃度以下にする手段は、前記アノードオフガスを前記循環装置から前記アノードオフガス流路を逆流させて前記燃料電池に流入させる手段である請求項2に記載の燃料電池システム。
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