JP2008052415A - 無線センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】モニタリングの即時性と消費電力の低減を両立する。他の無線センサから送信される計測データとの衝突の確率を低くする。
【解決手段】計測周期Tとして第1の周期T1と第2の周期T2を定める。第1の周期T1は長周期(例えば、30sec )、第2の周期T2は短周期(例えば、5sec )とする。第1の閾値α1と第2の閾値α2(α1≧α2)を定める。現在の計測周期Tが長周期T1であった場合、計測データの変化率αが増加しα1よりも大きくなった時点で、短周期T2に変更する。現在の計測周期Tが短周期2であった場合、計測データの変化率αが減少しα2よりも小さくなった時点で、長周期T1に変更する。
【選択図】 図6
【解決手段】計測周期Tとして第1の周期T1と第2の周期T2を定める。第1の周期T1は長周期(例えば、30sec )、第2の周期T2は短周期(例えば、5sec )とする。第1の閾値α1と第2の閾値α2(α1≧α2)を定める。現在の計測周期Tが長周期T1であった場合、計測データの変化率αが増加しα1よりも大きくなった時点で、短周期T2に変更する。現在の計測周期Tが短周期2であった場合、計測データの変化率αが減少しα2よりも小さくなった時点で、長周期T1に変更する。
【選択図】 図6
Description
この発明は、温度などの物理情報を計測データとして無線送信する無線センサに関するものである。
従来より、空調制御用の室内型温度センサなど、計測データを無線送信する無線センサは、電池で動作することが要求される。その際、例えば空調制御領域では、電池交換の手間を少なくするために、単3電池数本程度の電池容量で3年〜5年程度の電池寿命が要求される。そのため、無線センサに設けられている計測回路、送信回路、CPUを常時スリープモードにしておき、これらを定周期で起動して計測・送信を行うことで、その要求を満たしている。例えば、特定小電力無線システムの温度センサでは、1分間隔の定周期で計測および送信を行うことで、単3電池2本の電池容量で3年の電池寿命を実現している。
これに対して、空調制御用のダクト挿入型温度センサなどでは、5秒間隔の計測周期が要求される。このような無線センサにおいて、5秒毎にスリープモードから起動して計測および送信を行うようにしたのでは、電池寿命が数ヶ月程度となってしまう。
そこで、特許文献1では、センサと、このセンサの出力から計測データを作成する計測部と、この計測部が作成した計測データを無線送信する無線通信部と、計測部および無線通信部の動作を制御する制御部とを無線センサに設け、制御部からの指令によって計測部において定期的に計測データを作成させ、この計測部において作成された計測データに変化があった場合にのみ、制御部からの指令によって無線通信部を起動して、その計測データを無線送信するようにしている。これにより、無線通信部の起動回数が減るので、消費電力が減り、電池寿命を延ばすことができる。
また、特許文献1では、計測周期の初期値をt1とし、計測周期毎に作成される計測データの変化が一定期間(例えば、5分)無ければ、計測周期をt2(t2>t1)に延ばし、さらに計測データの変化が一定期間無ければ、計測周期をt3(t3>t2)に延ばす、という処理動作を繰り返す。これにより、計測部の起動回数がさらに減るので、消費電力が減り、電池寿命をさらに延ばすことができる。
しかしながら、上述した特許文献1では、計測データの変化が無い場合、計測周期がt1,t2・・・・tnと長期化して行き、計測データの変化を監視するために定められた一定期間(例えば、5分)に近づいて行く。このような状態において、突如重要な変化が生じた場合、その変化を検出し送信するのが遅れてしまい、モニタリングの即時性が損なわれる。また、上述した特許文献1では、計測周期が変化して行くので、それだけ計測周期の種類が増え、他の無線センサから送信される計測データとの衝突の確率が高くなる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、他の無線センサから送信される計測データとの衝突の確率が低く、かつモニタリングの即時性と消費電力の低減を両立させることが可能な無線センサを提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、センサと、このセンサの出力から計測データを作成する計測部と、この計測部が作成した計測データを無線送信する無線通信部とを備え、電池によって駆動される無線センサにおいて、計測部に、所定の計測周期毎に起動してセンサの出力から計測データを作成する計測データ作成手段と、計測周期として選択的に使用される第1の周期とこの第1の周期よりも短い第2の周期とを記憶する計測周期記憶手段と、計測データ作成手段が作成した計測データに所定値を超える変化が認められた場合、その計測データを無線通信部へ通知する計測データ通知手段と、計測データ作成手段が計測データを作成する毎にその計測データの変化の度合いを求め、この求めた計測データの変化の度合いが予め定められている第1の閾値よりも大きかった場合、現在使用している計測周期を第2の周期に変更し、求めた計測データの変化の度合いが第1の閾値以下の値として定められている第2の閾値よりも小さかった場合、現在使用している計測周期を第1の周期に変更する計測周期変更手段とを設けたものである。
この発明において、計測周期変更手段は、計測データが作成される毎にその計測データの変化の度合いを求め、この求めた計測データの変化の度合いと予め定められている第1の閾値および第2の閾値とを比較する。ここで、求めた計測データの変化の度合いをα、第1の閾値をα1、第2の閾値をα2(α2≦α1)、計測周期をT、第1の周期を長周期T1、第2の周期を短周期T2(T2<T1)とすると、計測周期変更手段は、計測データの変化の度合いαが第1の閾値α1よりも大きければ、現在使用している計測周期Tを短周期T2に変更し、計測データの変化の度合いαが第2の閾値α2よりも小さければ、現在使用している計測周期Tを長周期T1に変更する。
これにより、例えば、現在使用している計測周期Tが長周期T1であれば、計測データの変化の度合いαが増大し第1の閾値α1よりも大きくなった時点(不安定状態に入った時点)で、短周期T2に変更される。また、現在使用している計測周期Tが短周期T2であれば、計測データの変化の度合いαが減少し第2の閾値α2よりも小さくなった時点(安定状態に入った時点)で、長周期T1に変更される。
これにより、例えば、現在使用している計測周期Tが長周期T1であれば、計測データの変化の度合いαが増大し第1の閾値α1よりも大きくなった時点(不安定状態に入った時点)で、短周期T2に変更される。また、現在使用している計測周期Tが短周期T2であれば、計測データの変化の度合いαが減少し第2の閾値α2よりも小さくなった時点(安定状態に入った時点)で、長周期T1に変更される。
本発明において、計測周期Tは長周期T1か短周期T2の何れにしか変更されず、安定状態が続いたからといって計測周期Tがどんどん長くなるということはない。例えば、長周期T1を30sec 、短周期T2を5sec とした場合、計測周期Tは30sec か5sec にしかならず、30sec 以上になることはない。したがって、突如重要な変化が生じても、長周期T1(例えば、30sec )以内にその重要な変化を検出送信することが可能となり、モニタリングの即時性と消費電力の低減を両立させることが可能となる。また、本発明では、計測周期Tが長周期T1と短周期T2の2種類とされ、それ以上計測周期Tの種類が増えることがなく、他の無線センサから送信される計測データとの衝突の確率が低くなる。
本発明において、計測周期変更手段は、計測データ作成手段が計測データを作成する毎にその計測データの変化の度合いを求めるが、この計測データの変化の度合いの求め方は種々考えられる。例えば、今回作成した計測データと前回作成した計測データとの差分を求め、この差分を今回作成した計測データと前回作成した計測データの計測時の時間差で割って変化率を求め、この変化率を計測データの変化の度合いとしたり、最新の計測データまでの連続する複数個の計測データの合計値を求め、この合計値をその複数個の計測データ中の最新の計測データと最古の計測データの計測時の時間差で割って変化率を求め、この変化率を計測データの変化の度合いとしたりする。なお、計測データの変化の度合いは必ずしも変化率として求めなくてもよく、今回作成した計測データと前回作成した計測データとの差分として求めたり、最新の計測データまでの連続する複数個の計測データの合計値として求めたりしてもよい。
また、1日を複数の期間に分割し、この分割した期間(分割期間)毎に独自に第1の閾値および第2の閾値を定め、現在時刻が分割期間の何れに位置しているのかを判断し、現在時刻が位置する分割期間に対して定められている第1の閾値および第2の閾値を用いて計測周期の変更判断を行うようにしてもよい。また、分割期間毎にその分割期間に対して定められている第1の周期T1および第2の周期T2の何れか一方をを基準計測周期として定め、現在時刻が分割期間に入る毎に使用する計測周期をその分割期間に対して定められている基準計測周期にプリセットするようにしてもよい。
本発明によれば、計測データの変化の度合いが小さい安定状態では計測周期が第1の周期(長周期)とされ、計測データの変化の度合いが大きい不安定状態では計測周期が第2の周期(短周期)とされ、計測周期は第1の周期か第2の周期の何れにしか変更されず、安定状態が続いたからといって計測周期がどんどん長くなるということはない。したがって、第1の周期を比較的短い周期(例えば、30sec )とすることにより、突如重要な変化が生じても、第1の周期(例えば、30sec )以内にその重要な変化を検出送信することが可能となり、モニタリングの即時性と消費電力の低減を両立させることが可能となる。また、本発明では、計測周期が第1の周期と第2の周期の2種類とされ、それ以上計測周期が増えることがなく、他の無線センサから送信される計測データとの衝突の確率も低くなる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1は本発明に係る無線センサの一実施の形態を示すブロック図である。同図において、1は温度などの物理量を電気信号に変換する計測素子(センサ)、2は計測素子1からの出力(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器、3はA/D変換器2を介する計測センサ1の出力から計測データを作成する計測用CPU、4は計測用CPU3が作成した計測データを送信元のアドレスなどを加えた送信データに変換する送信用CPU、5は送信用CPU4からの送信データを無線送信するRF回路であり、これらは図示されていない電池からの電力の供給を受けて動作する。
〔実施の形態1〕
図1は本発明に係る無線センサの一実施の形態を示すブロック図である。同図において、1は温度などの物理量を電気信号に変換する計測素子(センサ)、2は計測素子1からの出力(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器、3はA/D変換器2を介する計測センサ1の出力から計測データを作成する計測用CPU、4は計測用CPU3が作成した計測データを送信元のアドレスなどを加えた送信データに変換する送信用CPU、5は送信用CPU4からの送信データを無線送信するRF回路であり、これらは図示されていない電池からの電力の供給を受けて動作する。
この無線センサ100において、計測用CPU3に対してはメモリM1,M2,M3およびタイマTMが設けられており、メモリM1には計測周期Tとして選択的に使用される第1の周期T1と第2の周期T2が設定されている。第2の周期T2は、第1の周期T1よりも短い周期とされており、この例では第1の周期T1が30sec とされ、第2の周期T2が5sec とされている。以下、第1の周期を長周期と呼び、第2の周期を短周期と呼ぶ。
また、メモリM2には、第1の閾値α1と第2の閾値α2が設定されている。この第1の閾値α1および第2の閾値α2は、後述する計測データの変化率αに対して定められた閾値であり、図2に示すように、第1の閾値α1が大きな値として定められ、第2の閾値α2が小さな値として定められている(α2<α1)。
また、メモリM3には、本実施の形態特有のプログラムとして計測周期変更プログラムP1が格納されている。また、タイマTMは、計測用CPU3を定期的に起動するタイマであり、このタイマTMの起動周期が計測データの計測周期Tとされる。本実施の形態において、計測用CPU3は、計測周期変更プログラムP1に従って、タイマTMの起動周期(計測周期T)を長周期T1あるいは短周期T2に変更する。
なお、この実施の形態において、A/D変換器2とCPU3とメモリM1,M2,M3とタイマTMとによって計測部10が構成されており、送信用CPU4とRF回路5とによって無線通信部20が構成されている。
以下、図3に示すフローチャートを参照して、計測周期変更プログラムP1に従って計測用CPU3が実行する処理動作について説明する。なお、本実施の形態において、現在使用されている計測周期T(以下、現在の計測周期Tと呼ぶ)は長周期T1である場合と短周期T2である場合とがあるので、それぞれの場合に分けて説明する。
〔現在の計測周期Tが長周期T1である場合〕
計測用CPU3は、タイマTMからの起動指令を受けると(ステップ101のYES)、それまでのスリープ状態からウェイクアップ状態へ移行する。そして、A/D変換器2を介して計測素子1の出力(センサ出力)を取り込み、この取り込んだセンサ出力から計測データを作成する(ステップ102)。
計測用CPU3は、タイマTMからの起動指令を受けると(ステップ101のYES)、それまでのスリープ状態からウェイクアップ状態へ移行する。そして、A/D変換器2を介して計測素子1の出力(センサ出力)を取り込み、この取り込んだセンサ出力から計測データを作成する(ステップ102)。
そして、送信用CPU4に前回通知した計測データと今回作成した計測データとの差(絶対値)を変化量ΔDとして求め(ステップ103)、この変化量ΔDが予め定められている所定値ΔDthを超えていれば(ステップ104のYES)、今回作成した計測データを送信用CPU4に通知する(ステップ105)。変化量ΔDが所定値ΔDth以下であれば(ステップ104のNO)、送信用CPU4への計測データの通知は行わない。
送信用CPU4は、計測用CPU3から計測データの通知を受けると、それまでのスリープ状態からウェイクアップ状態へ移行し、計測用CPU3からの計測データを送信元のアドレスなどを加えた送信データに変換し、RF回路5を作動させて無線送信する。この無線送信後、送信用CPU4は、RF回路5を非作動状態とし、スリープ状態に移行する。これにより、今回作成した計測データに所定値ΔDthを超える変化が認められた場合にのみ、計測データが送信される。
次に、計測用CPU3は、今回作成した計測データと前回作成した計測データとの差分(絶対値)を求め、この差分を今回作成した計測データと前回作成した計測データの計測時の時間差Δt(この例では、Δt=T1)で割って、計測データの変化率αを求める(ステップ106)。そして、この計測データの変化率αと第1の閾値α1とを比較する(ステップ107)。
ここで、計測データの変化率αが第1の閾値α1よりも大きかった場合(ステップ107のYES)、計測用CPU3は、タイマTMの起動周期を長周期T1から短周期T2に変更する(ステップ108)。これにより、次からは短周期T2が計測周期Tとして使用されるようになる。
計測データの変化率αが第1の閾値α1以下であった場合(ステップ107のNO)、計測用CPU3は、計測データの変化率αと第2の閾値α2とを比較する(ステップ109)。ここで、計測データの変化率αが第2の閾値α2以上であれば(ステップ109のNO)、直ちにステップ101へ戻り、次の起動指令に備える。計測データの変化率αが第2の閾値α2よりも小さければ(ステップ109のYES)、計測周期Tを長周期T1としたうえ、ステップ101へ戻り、次の起動指令に備える。この場合、現在の計測周期Tは長周期T1であるので、ステップ110では計測周期Tの変更は行われず、計測周期Tを長周期T1としたまま、次の起動指令に備えることになる。
〔現在の計測周期Tが短周期T2である場合〕
計測用CPU3は、タイマTMからの起動指令を受けると(ステップ101のYES)、それまでのスリープ状態からウェイクアップ状態へ移行する。そして、A/D変換器2を介して計測素子1の出力(センサ出力)を取り込み、この取り込んだセンサ出力から計測データを作成する(ステップ102)。
計測用CPU3は、タイマTMからの起動指令を受けると(ステップ101のYES)、それまでのスリープ状態からウェイクアップ状態へ移行する。そして、A/D変換器2を介して計測素子1の出力(センサ出力)を取り込み、この取り込んだセンサ出力から計測データを作成する(ステップ102)。
そして、送信用CPU4に前回通知した計測データと今回作成した計測データとの差(絶対値)を変化量ΔDとして求め(ステップ103)、この変化量ΔDが予め定められている所定値ΔDthを超えていれば(ステップ104のYES)、今回作成した計測データを送信用CPU4に通知する(ステップ105)。変化量ΔDが所定値ΔDth以下であれば(ステップ104のNO)、送信用CPU4への計測データの通知は行わない。
送信用CPU4は、計測用CPU3から計測データの通知を受けると、それまでのスリープ状態からウェイクアップ状態へ移行し、計測用CPU3からの計測データを送信元のアドレスなどを加えた送信データに変換し、RF回路5を作動させて無線送信する。この無線送信後、送信用CPU4は、RF回路5を非作動状態とし、スリープ状態に移行する。これにより、今回作成した計測データに所定値ΔDthを超える変化が認められた場合にのみ、計測データが送信される。
次に、計測用CPU3は、今回作成した計測データと前回作成した計測データとの差分(絶対値)を求め、この差分を今回作成した計測データと前回作成した計測データの計測時の時間差Δt(この例では、Δt=T2)で割って、計測データの変化率αを求める(ステップ106)。そして、この計測データの変化率αと第1の閾値α1とを比較する(ステップ107)。
ここで、計測データの変化率αが第2の閾値α2よりも小さかった場合、計測用CPU3はステップ107でのNO、ステップ109でのYESに応じてステップ110へ進み、タイマTMの起動周期を短周期T2から長周期T1に変更する。これにより、次からは長周期T1が計測周期Tとして使用されるようになる。
計測データの変化率αが第1の閾値α1よりも大きかった場合(ステップ107のYES)、計測用CPU3は、計測周期Tを短周期T2としたうえ、ステップ101へ戻り、次の起動指令に備える。また、第1の閾値α1以下で、第2の閾値α2以上であった場合(ステップ109のNO)、計測用CPU3は、直ちにステップ101へ戻り、次の起動指令に備える。この場合、現在の計測周期Tは短周期T2であるので、ステップ108では計測周期Tの変更は行われず、計測周期Tを短周期T2としたまま、次の起動指令に備えることになる。
以上の説明から分かるように、本実施の形態では、現在の計測周期Tが長周期T1であった場合、計測データの変化率αが増加し第1の閾値α1よりも大きくなった時点(不安定状態に入った時点)で、短周期T2に変更されるようになる(図4(a)参照)。また、現在の計測周期Tが短周期T2であった場合、計測データの変化率αが減少し第2の閾値α2よりも小さくなった時点(安定状態に入った時点)で、長周期T1に変更されるようになる(図4(b)参照)。
図6に計測データの変化とこの計測データの変化に対する計測周期の変更状況を例示する。この例において、計測用CPU3は、時刻t1,t2,t3,t4において、計測周期Tを長周期T1として起動され、計測データを作成する。この場合、時刻t1,t2,t3では、計測データの変化率αが第1の閾値α1以下であったため、安定状態にあるものと判断し、計測周期Tの変更を行わず、長周期T1を維持する。時刻t4では、計測データの変化率αが第1の閾値α1よりも大きくなっため、不安定状態に入ったと判断し、計測周期Tを長周期T1から短周期T2に変更する。
時刻t5では、送信用CPU4に前回通知した計測データ(時刻t1における計測データ)との間に所定値ΔDthを超える変化が認められたため、その変化が認められた計測データを送信用CPU4に通知する。また、時刻t5,t6では、計測データの変化率αが第2の閾値α2以上であるため、不安定状態にあるものと判断し、計測周期Tの変更を行わず、短周期T2を維持する。時刻t7では、計測データの変化率αが第2の閾値α2よりも小さくなったため、安定状態に入ったと判断し、計測周期Tを短周期T2から長周期T1に変更する。
このように、本実施の形態において、計測周期Tは長周期T1か短周期T2の何れにしか変更されず、安定状態が続いたからといって計測周期Tがどんどん長くなるということはない。したがって、突如重要な変化が生じても、長周期T1(30sec )以内にその重要な変化を検出送信することが可能となり、モニタリングの即時性と消費電力の低減を両立させることが可能となる。また、本実施の形態では、計測周期Tが長周期T1と短周期T2の2種類とされ、それ以上計測周期Tの種類が増えることがなく、他の無線センサから送信される計測データとの衝突の確率も低くなる。
〔実施の形態2〕
実施の形態1では、計測周期の変更判断に用いる第1の閾値α1および第2の閾値α2をα2<α1として定めるようにしたが、第1の閾値α1と第2の閾値α2とを同じ値としてもよい。
実施の形態1では、計測周期の変更判断に用いる第1の閾値α1および第2の閾値α2をα2<α1として定めるようにしたが、第1の閾値α1と第2の閾値α2とを同じ値としてもよい。
この場合、図5に示すように、第1の閾値α1と第2の閾値α2とを共通の閾値αs(αs=α1=α2)とし、現在の計測周期Tが長周期T1であった場合、計測データの変化率αが増大し閾値αsとなった時点で、長周期T1から短周期T2に変更するようにする。また、現在の計測周期Tが短周期T2であった場合、計測データの変化率αが減少し閾値αsとなった時点で、短周期T2から長周期T1に変更するようにする。
実施の形態1では、第1の閾値α1と第2の閾値α2をα2<α1として定めているので、計測周期の変更判断にヒステリシスが生じるが、実施の形態2では、第1の閾値α1と第2の閾値α2とを同じ値としているので、計測周期の変更判断にヒステリシスは生じない。実施の形態2は安定した系に対して有効である。不安定な系に対しては、実施の形態1のように計測周期の変更判断にヒステリシスを持たせ、計測周期が頻繁に変更されないようにする。
〔実施の形態3〕
実施の形態1では、今回作成した計測データと前回作成した計測データとの差分を求め、この差分を今回作成した計測データと前回作成した計測データの計測時の時間差Δtで割って、計測データの変化率αを求めるようにした。この場合、一時的な外乱によって計測データの変化率αが大きく変化し、計測周期Tが変更されてしまう虞れがある。
実施の形態1では、今回作成した計測データと前回作成した計測データとの差分を求め、この差分を今回作成した計測データと前回作成した計測データの計測時の時間差Δtで割って、計測データの変化率αを求めるようにした。この場合、一時的な外乱によって計測データの変化率αが大きく変化し、計測周期Tが変更されてしまう虞れがある。
そこで、実施の形態3では、外乱の影響を受け難くするために、最新の計測データまでの連続する複数個(例えば、5個)の計測データの合計値を求め、この合計値をその複数個の計測データ中の最新の計測データと最古の計測データの計測時の時間差で割って変化率を求め、この変化率を計測データの変化の度合いとして用いる。
〔実施の形態4〕
実施の形態1では、計測データの変化の度合いとして計測データの変化率を求めるようにしたが、必ずしも変化率として求めなくてもよい。例えば、今回作成した計測データと前回作成した計測データとの差分を求め、この求めた差分と予め定められている閾値とを比較することによって、計測周期の変更判断を行うようにしてもよい。
実施の形態1では、計測データの変化の度合いとして計測データの変化率を求めるようにしたが、必ずしも変化率として求めなくてもよい。例えば、今回作成した計測データと前回作成した計測データとの差分を求め、この求めた差分と予め定められている閾値とを比較することによって、計測周期の変更判断を行うようにしてもよい。
なお、この実施の形態4では、計測周期の変更判断にヒステリシスを設けない場合であっても、現在の計測周期Tが長周期T1である場合には大きな閾値を使用し、現在の計測周期Tが短周期T2である場合には小さな閾値を使用する。すなわち、同じ変化率でも、計測周期Tが長くなれば差分は大きくなるので、長周期T1の場合は閾値を大きくし、短周期T2の場合は閾値を小さくする。
また、この実施の形態4においても、実施の形態3と同様に、外乱の影響を受け難くするようにしてもよい。この場合、例えば、最新の計測データまでの連続する複数個(例えば、5個)の計測データの合計値を計測値変化総量として求め、この計測値変化総量の絶対値と予め定められている閾値とを比較することによって、計測周期の変更判断を行うようにする。
〔実施の形態5〕
例えば、空調制御では、朝の立ち上がり時間帯と、日中の定常状態の時間帯とでは、測定周期の変更判断は一律ではなく、分けて判断することが望ましい。しかし、実施の形態1において、第1の閾値α1および第2の閾値α2は固定値であり、1日中変わることがない。
例えば、空調制御では、朝の立ち上がり時間帯と、日中の定常状態の時間帯とでは、測定周期の変更判断は一律ではなく、分けて判断することが望ましい。しかし、実施の形態1において、第1の閾値α1および第2の閾値α2は固定値であり、1日中変わることがない。
そこで、実施の形態5では、1日を複数の期間に分割し、この分割した期間(分割期間)毎に独自に第1の閾値α1および第2の閾値α2を定めるようにする。例えば、朝の立ち上がり時間帯に対しては第1の閾値α1aおよび第2の閾値α2aを定め、日中の定常状態の時間帯に対しては朝の立ち上がり時間帯とは異なる第1の閾値α1bおよび第2の閾値α2bを定める。
そして、現在時刻が分割期間の何れに位置しているのかを判断し、現在時刻が位置する分割期間に対して定められている第1の閾値α1および第2の閾値α2を読み出し、この読み出した第1の閾値α1および第2の閾値α2を用いて計測周期の変更判断を行うようにする。これにより、実際の運用に即して、柔軟かつ適切に、モニタリングの即時性と消費電力の低減を両立させることが可能となる。
なお、この実施の形態5において、分割期間毎にその分割期間に対して定められている第1の周期T1および第2の周期T2の何れか一方を基準計測周期として定め、現在時刻が分割期間に入る毎に、使用する計測周期Tをその分割期間に対して定められている基準計測周期にプリセットするようにしてもよい。このようにすると、各分割期間の変わり目で、前の分割期間の直近の計測周期が後の分割期間にそのまま引き継がれる、という弊害が生じるのを未然に防ぐことができる。
〔実施の形態6〕
実施の形態1では、計測データを作成する毎に、前回通知した計測データと今回作成した計測データとの差を変化量ΔDとして求め、この変化量ΔDが予め定められている所定値ΔDthを超えていた場合に今回作成した計測データを通知するようにしたが、前回作成した計測データと今回作成した計測データとの差を変化量ΔDとして求め、この変化量ΔDが予め定められている所定値ΔDthを超えていた場合に今回作成した計測データを通知するようにしてもよい。
実施の形態1では、計測データを作成する毎に、前回通知した計測データと今回作成した計測データとの差を変化量ΔDとして求め、この変化量ΔDが予め定められている所定値ΔDthを超えていた場合に今回作成した計測データを通知するようにしたが、前回作成した計測データと今回作成した計測データとの差を変化量ΔDとして求め、この変化量ΔDが予め定められている所定値ΔDthを超えていた場合に今回作成した計測データを通知するようにしてもよい。
実施の形態1のように、前回通知した計測データと今回作成した計測データとの差を変化量ΔDとして求める方法とすると、計測値の変化が緩やかで前回作成した計測データとの比較では閾値以内でも、その傾向が長く続いて前回無線送信した計測データと比べると変化量が顕著であるような場合に、見逃すことなく確実に外部に直近の計測データを無線送信することができるという効果が得られる。
1…計測素子、2…A/D変換器、3…計測用CPU、4…送信用CPU、5…RF回路、M1,M2,M3…メモリ、TM…タイマ、10…計測部、20…無線通信部、T…計測周期、T1…第1の周期(長周期)、T2…第2の周期(短周期)、α1…第1の閾値、α2…第2の閾値、P1…計測周期変更プログラム、100…無線センサ。
Claims (4)
- センサと、このセンサの出力から計測データを作成する計測部と、この計測部が作成した計測データを無線送信する無線通信部とを備え、電池によって駆動される無線センサにおいて、
前記計測部は、
所定の計測周期毎に起動して前記センサの出力から計測データを作成する計測データ作成手段と、
前記計測周期として選択的に使用される第1の周期とこの第1の周期よりも短い第2の周期とを記憶する計測周期記憶手段と、
前記計測データ作成手段が作成した計測データに所定値を超える変化が認められた場合、その計測データを前記無線通信部へ通知する計測データ通知手段と、
前記計測データ作成手段が計測データを作成する毎にその計測データの変化の度合いを求め、この求めた計測データの変化の度合いが予め定められている第1の閾値よりも大きかった場合、現在使用している計測周期を前記第2の周期に変更し、前記求めた計測データの変化の度合いが前記第1の閾値以下の値として定められている第2の閾値よりも小さかった場合、現在使用している計測周期を前記第1の周期に変更する計測周期変更手段と
を備えることを特徴とする無線センサ。 - 請求項1に記載された無線センサにおいて、
1日を複数の期間に分割した分割期間毎に独自に定められた前記第1の閾値および第2の閾値を記憶する閾値記憶手段を備え、
前記計測周期変更手段は、
現在時刻が前記分割期間の何れに位置しているのかを判断し、現在時刻が位置する分割期間に対して定められている前記第1の閾値および第2の閾値を前記閾値記憶手段より読み出し、この読み出した第1の閾値および第2の閾値を用いて前記計測周期の変更を行う
ことを特徴とする無線センサ。 - 請求項2に記載された無線センサにおいて、
前記分割期間毎にその分割期間に対して定められている前記第1の周期および第2の周期の何れか一方を基準計測周期として記憶する基準計測周期記憶手段を備え、
前記計測周期変更手段は、
現在時刻が前記分割期間に入る毎に使用する計測周期をその分割期間に対して定められている前記基準計測周期にプリセットする
ことを特徴とする無線センサ。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載された無線センサにおいて、
前記計測周期変更手段は、
前記計測データ作成手段が計測データを作成する毎に、最新の計測データまでの連続する複数個の計測データの合計値を求め、この合計値をその複数個の計測データ中の最新の計測データと最古の計測データの計測時の時間差で割って変化率を求め、この変化率を前記計測データの変化の度合いとする
ことを特徴とする無線センサ。
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