JP2008051779A - 試料観察方法及び試料観察装置 - Google Patents

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忠之 松田
Yoshinobu Uchida
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Abstract

【課題】簡便な方法で試料の断面を広範囲に観察することができる試料観察方法及び試料観察装置を提供する。
【解決手段】微細パターンが形成されたウエハである平板状の試料Sに対して、グロー放電によって表面から深さ方向に掘削し、試料Sの表面から深さ方向に掘削断面を形成する。形成した掘削断面に電子線を照射し、SEMによって試料Sの掘削断面の観察を行う。グロー放電によって、試料Sの特定の位置に掘削断面を形成することができ、また試料Sの表面を広範囲に短時間で掘削することができる。従って、ウエハに形成された微細パターンの欠損の検査を、簡便に短時間で広範囲に実行することが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、微細パターンが形成されたウエハ等の平板状の試料を掘削し、掘削した試料の断面をSEM等で観察する試料観察方法及び試料観察装置に関する。
従来、回路等の微細パターンが形成されたウエハの断面を観察するために、ウエハを含む複数の試料を積層し、積層した試料をダイヤモンドカッター等で切断し、切断により露出した断面をバフ研磨し、バフ研磨後の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)等により観察することが行われていた。積層した試料の断面を観察することにより、試料に含まれるウエハの断面を観察することができ、ウエハに形成された微細パターンに含まれるボイド又はヒロック等の欠損の検査を行うことが可能となる。
ところが、このようにウエハを切断することによってウエハの断面を観察する方法では、ウエハ上の特定の部分を正確に切断することが極めて困難であり、ウエハの断面を観察する位置を特定できないという問題がある。更にこの方法では、ウエハの切断及びバフ研磨により表層に加工変質層(ビルビー層)が形成され、本来の組織が破壊されて正確な観察が困難になるという問題がある。そこで、ウエハの特定の部分の断面を観察するための技術として、FIB(Focused Ion Beam)を利用する技術が開発されている。FIBは、細く収束したイオンビームであり、試料に照射することで試料を掘削することができ、また試料上に照射する位置を制御することも可能である。従って、FIBによってウエハの特定の部分を掘削し、掘削によって露出した断面をSEM等で観察することにより、ウエハの特定の部分の断面を観察することが可能となる。このように、FIBとSEMとを組み合わせ、試料の断面を観察できるようにした技術が特許文献1に開示されている。
特開平11−213935号公報
しかしながら、FIBは線状に試料を掘削するので、試料を掘削できる範囲が狭く、FIBを利用して試料の断面を観察する従来の技術では、ウエハの断面を観測できる範囲が狭いという問題がある。FIBでウエハを走査することにより、掘削する範囲をある程度広げることはできるものの、微細パターンの欠損の検査を行うための観察に適した十分に広い範囲の断面を露出させるためには長時間が必要になるという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、試料の広い範囲を一度に掘削することができる方法を利用することにより、試料の断面を広範囲に観察することができる試料観察方法及び試料観察装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、試料の特定の部分を限定的に掘削する方法を利用することにより、試料の任意の部分の断面を観察することができる試料観察方法及び試料観察装置を提供することにある。
更に本発明の他の目的とするところは、試料の表面からほぼ垂直に掘削できるようにすることにより、効果的な断面の観察が可能となる試料観察方法を提供することにある。
第1発明に係る試料観察方法は、電極と該電極に対向配置される試料との間に電圧を印加して発生させるグロー放電により、前記試料を表面から深さ方向に掘削し、掘削によって前記試料の表面から深さ方向に形成された掘削断面に対して電子線を照射し、電子線の照射により前記掘削断面から放出される電子を検出することによって、前記掘削断面を観察することを特徴とする。
第2発明に係る試料観察方法は、前記電極は、筒状に形成された端部を有し、前記試料の表面は前記電極の前記端部に対向配置されてあり、前記グロー放電は不活性ガスの雰囲気中で発生させることを特徴とする。
第3発明に係る試料観察方法は、前記試料の表面に平板を重ねておき、前記グロー放電により、前記平板を貫通して前記試料を掘削することを特徴とする。
第4発明に係る試料観察装置は、電極と該電極に対向配置される試料との間に電圧を印加して発生させるグロー放電により、前記試料を表面から深さ方向に掘削する手段と、該手段が掘削した前記試料を真空箱中へ移動させる手段と、前記真空箱中で、掘削によって前記試料の表面から深さ方向に形成された掘削断面に対して電子ビームを照射し、前記掘削断面から放出される電子を検出することによって前記掘削断面を観察する手段とを備えることを特徴とする。
第5発明に係る試料観察装置は、前記電極は、筒状に形成された端部を有し、不活性ガスの雰囲気中で前記試料の表面を前記電極の前記端部に対向配置させた状態で、前記グロー放電を発生させるように構成してあることを特徴とする。
第1及び第4発明においては、微細パターンが形成されたウエハ等の試料をグロー放電によって掘削して、試料の表面から深さ方向に掘削断面を形成し、形成した掘削断面に電子線を照射し、掘削断面からの電子を検出することによって掘削断面のSEMによる観察を行う。グロー放電により、FIBを用いる従来の方法に比べて広範囲に掘削断面が露出される。
第2及び第5発明においては、アルゴン等の不活性ガス中で、筒状に形成された電極の端部に試料の表面を対向させた状態でグロー放電による試料の掘削を行うことにより、筒状に形成された端部の内部で加速された不活性ガスのイオンがほぼ直進して試料の表面に衝突するので、試料の表面の内で電極の端部に対向する部分が限定的に掘削される。
第3発明においては、予め試料の表面に平板を重ねておき、平板を貫通して試料を掘削することにより、掘削が浅い部分は平板の部分となり、試料が掘削される部分は掘削が深い部分となる。
第1及び第4発明にあっては、グロー放電により試料を掘削する方法は、FIBを用いる従来の方法に比べて、試料の表面をより広範囲により早く掘削することができ、観察に適した十分に広い範囲の掘削断面を露出させることができる。従って、微細パターンが形成されたウエハである試料の断面を広い範囲で十分に観察することが可能となり、ウエハに形成された微細パターンの欠損の検査を、簡便に短時間で広範囲に実行することが可能となる。
第2及び第5発明においては、試料の表面の内で特定の部分を限定的に掘削して掘削断面を形成することができるので、試料の任意の部分の断面を簡便に観察することが可能となる。
第3発明においては、試料が掘削される部分は掘削が深い部分となるので、掘削が浅い部分で掘削断面の表面に対する傾斜が緩くなる場合であっても、試料に表面からほぼ垂直な掘削断面を形成することができる。従って、ウエハに形成された微細パターンの欠損の検査を、表面から深さ方向により効果的に行うことができる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
本発明の試料観察方法では、微細パターンが形成されたウエハである平板状の試料を掘削することによって試料に掘削断面を形成し、試料に形成された掘削断面をSEMで観察する。本実施の形態では、まず、試料に掘削断面を形成する方法を説明する。
図1は、本発明の試料観察方法を実行するために使用する試料形成装置の構成を示すブロック図である。試料形成装置101は、試料を掘削して掘削断面を形成するためのグロー放電を発生させるグロー放電管2、グロー放電を発生させるために印加する電圧に係る電力生成を行う電源部4、及び試料形成装置101の全体的な制御を行う制御装置5を備えている。電源部4は交流電源AC(本実施形態では220V)に接続されて高周波電力を生成するジェネレータ42及びマッチングボックス41を備えており、ジェネレータ42及びマッチングボックス41は夫々に制御装置5に接続されている。グロー放電管2とマッチングボックス41とは同電位に設定されている。電源部4には、試料Sに電圧を印加するための発振子30が接続されており、試料Sはグロー放電管2と発振子30との間に挟まれて装着される構成となっている。
また試料形成装置101は、グロー放電管2の内部を真空引きする真空引き装置61を備え、真空引きした後にグロー放電管2の内部にアルゴンガス(不活性ガス)を供給するためのガス供給調整部62及びガス供給源63を備えている。ガス供給源63はアルゴンガスを充填したボンベが相当する。ガス供給源63からグロー放電管2まで、アルゴンガスを供給するための配管が配置されており、ガス供給調整部62はガス供給源63からグロー放電管2までの配管の途中に設けられている。ガス供給調整部62は、ガス供給源63からグロー放電管2へ供給されるアルゴンガスの流量を調整するための電磁弁を具備している。
制御装置5は、コンピュータを用いてなり、CPU5a、RAM5c、ROM5d、及びハードディスク装置5eを備え、夫々は内部バス5fに接続されている。また制御装置5は、ジェネレータ42から延在する第1接続コードL1及びマッチングボックス41から延在する第2接続コードL2が接続されるインタフェース基板5bを備え、インタフェース基板5bは、内部バス5fに接続されている。また内部バス5fにはモニタ接続線L3を介してモニタ部5gが接続されている。
また、RAM5cはCPU5aが行う各種の制御処理に伴うデータ等を一時的に記憶し、ROM5dはCPU5aが行う基本的な処理内容を規定したプログラム等を予め記憶しており、ハードディスク装置5eはCPU5aが行う試料Sを掘削する処理に関連する制御内容を規定した掘削プログラム51等を記憶している。CPU5aは、必要に応じて掘削プログラム51をハードディスク装置5eからRAM5cへロードし、RAM5cへロードした掘削プログラム51に従って、インタフェース基板5bを介してマッチングボックス41及びジェネレータ42の動作を制御する処理を行う。またCPU5aは、図示しないキーボード又はマウス等の入力部に入力された指示に基づき各種の設定及び制御を行う。
図2は、グロー放電管2の内部構成を示す断面図である。グロー放電管2は短円柱状のランプボディ11、電極12、セラミックス部材13、及び押圧ブロック15が組み合わされて構成されている。
ランプボディ11は、押圧ブロック15が組み合わされる端面11aの中心箇所に電極12を取り付けるための窪部11bを凹設すると共に、窪部11bの中心部に中心孔11cを穿設している。また、ランプボディ11は、周壁部11dから中心へ向けて真空引き用の吸引孔11e、11fを複数設け、一部の吸引孔11eは中心孔11cと連通させると共に、他の吸引孔11fは窪部11b側に連通させている。さらに、ランプボディ11は、周壁部11dから中心へ向けて不活性ガスの供給用のガス供給孔11gを中心孔11cと連通するように形成している。
ランプボディ11の窪部11bに収められる電極12は、円板部12aの中心から円筒部(端部)12bを突出した形状にしており、円筒部12bの内部から円板部12aを貫通する貫通孔12cを穿設している。また、円板部12aにも穴12dが形成されている。電極12は、ランプボディ11の窪部11bに取り付けられると、ランプボディ11を介してアース電位になる。なお、電極12が収められた状態でランプボディ11の中心孔11c及び電極12の貫通孔12cの密閉性を維持するために第1オーリング16がランプボディ11及び電極12の間に取り付けられている。
電極12を被うように配置されるセラミックス部材13は、厚みのある円板状の部材であり、電極12の円板部12aを被う突出したフランジ部13dを有すると共に、中心となる箇所には、電極12の円筒部12bを挿通させる挿通孔13cを形成している。また、セラミックス部材13は表出する側の端面13aにオーリング装着用のリング溝13bを凹設している。セラミックス部材13は、耐熱性の第1絶縁体17を介して電極12の円板部12aに対して配置され、配置された状態では、セラミックス部材13の挿通孔13cと電極12の円筒部12bとの間に所定の隙間が形成され、円筒部12bの先端12eはセラミックス部材13の端面13aより突出しないようになっている。なお、第1絶縁体17と電極12の円板部12aとの間にも密閉性維持のために第2オーリング18が取り付けられている。
電極12及びセラミックス部材13をランプボディ11に固定するための押圧ブロック15は、環状の部材であり、内周縁側の突出部15aでセラミックス部材13のフランジ部13dをランプボディ11側へ押圧するようにしている。なお、押圧ブロック15自体は、ボルトによりランプボディ11の端面11aに取り付けられる。また、押圧ブロック15の突出部15aと、セラミックス部材13のフランジ部13dとの間にも耐熱性の第2絶縁体19を介在させている。
グロー放電管2に取り付けられる掘削対象である平板状の試料Sは、セラミックス部材13の端面13aに取り付けられた第3オーリング20に試料Sの表面が当接するように配置される。さらに、この状態で試料Sの裏面は発振子30が押し当てられて試料Sがグロー放電管2側へ押圧される。これにより試料Sの表面と電極12の円筒部12bの先端12eとが対向する箇所には、第3オーリング20で囲われて閉鎖された空間Kが形成される。発振子30は、図1に示すように電源線Dにより電源部4と接続されており、また、図示しない所定の係止手段で試料Sを最適な押圧力でグロー放電管2へ押圧している。
またランプボディ11の各吸引孔11e、11fは図1に示す真空引き装置61と配管で接続されており、ガス供給孔11gは配管でガス供給調整部62と接続されている。試料Sがグロー放電管2に取り付けられた状態で真空引き装置61が真空引きを行うと、各吸引孔11e、11f、中心孔11c、電極12の貫通孔12c、及び空間Kが真空にされる。この状態でガス供給調整部62がアルゴンガスの供給を開始すると、ガス供給孔11g、中心孔11c、電極12の貫通孔12c及び空間Kがアルゴンガスで満たされる。
図3は、電源部4を構成するジェネレータ42の内部構成を示すブロック図である。ジェネレータ42は、高周波電力生成部42a、制御部42b及び電力計測部42cを具備する。高周波電力生成部42aは交流電源ACと接続されて高周波の交流電圧を試料S及び電極12の間に印加できるように高周波電力を生成する。また、高周波電力生成部42aは第1内部接続線42dにより制御部42bと接続されており、制御部42bの制御により高周波電力に係る出力モード及び電力値等を調整する。なお、本実施形態の高周波電力生成部42aは13.56MHzの高周波電圧からなる電力を生成している。制御部42bはIC(集積回路)で構成されており、第1接続コードL1を通じて制御装置5と接続されている。制御部42bは、制御装置5から出力される各種信号に基づいて高周波電力生成部42aの出力を制御する構成となっている。
電力計測部42cは、第2及び第3内部接続線42e、42fにより制御部42b及び高周波電力生成部42aと接続されている。電力計測部42cは、高周波電力生成部42aで生成されて発振子30へ供給される高周波電力の進行波の電力値である出力値Pfを検出すると共に、試料Sから反射して戻ってくる反射波の電力値である反射値Prを検出し、検出した値を制御部42bへ伝送する構成となっている。
制御部42bは、高周波電力の出力を制御する方法として、2種類の出力モードを切り替えることが可能である。一方の出力モードは、所定の時間内、連続して所定の高周波電力を出力して試料S及び電極12の間に連続的な高周波電圧の印加を行うモードであり、以下、このモードを連続モードと言う。また他方の出力モードは、所定の時間内、パルス的に所定の高周波電力を出力して試料S及び電極12の間に断続的な高周波電圧の印加を行うモードであり、以下、このモードを断続モードと言う。
制御部42bは、制御装置5から出力される信号に基づいて連続モードと断続モードとを切り替える処理を実行し、断続モードでは内部のICでパルス的な処理を行うことで電力供給及び電力供給休止を交互に行う。また制御部42bは、単位時間当たりの給電回数に相当する給電周波数、断続モードにおいて給電を行っている時間の割合を示すデューティ比、及び給電の電力値を調整可能である。給電周波数の変更に関して、制御部42bは、約30Hz〜約30000Hzの範囲で給電周波数を調整可能であり、給電周波数が変更されるとパルス的な給電の時間間隔が変化する。
また、試料Sの掘削が進行するにつれて、試料Sと電極12の先端12eとの距離が長くなり、試料Sに係るインピーダンス値が随時変化するので、制御部42bは、断続モードにおけるインピーダンス値変化に対する調整処理をも実行する。具体的には、制御部42bは、前述の出力値Pf及び反射値Prを電力計測部42cから伝送され、出力値Pfと反射値Prとの差を演算し、演算した差に基づいて出力値Pfを変更する制御を行う。なお、制御部42bは、出力値Pfと反射値Prとの差(Pf−Pr)が一定となるように出力値Pfを調整しており、本実施形態では演算した差(Pf−Pr)が制御装置5から伝送されてきた基準電力値と同等となるように高周波電力生成部42aで生成される出力値Pfを制御部42bが内蔵するICのソフト的な処理で調整する。
このように制御部42bがソフト的な調整を行うことで、断続モードでの試料Sのインピーダンス値の変化に対応して適切な給電を行える。なお、制御部42bが試料Sのインピーダンス値の変化に対応した調整を行うのは断続モードの場合であり、連続モードでは後述するようにマッチングボックス41が調整を行う。
図4は、電源部4を構成するマッチングボックス41の内部構成を示すブロック図である。マッチングボックス41は、連続モードにおいてジェネレータ42で生成された高周波電力の出力形態を調整する可変コンデンサ41a、可変コンデンサ41aの電気容量を調整するモータ41b、モータ41bの駆動等の制御を行うコンデンサ制御部41cを具備する。可変コンデンサ41aはモータ41bの駆動に応じて自身の電気容量を変更可能であり、電気容量の変更によりモジュール及びフェーズが調整される。
コンデンサ制御部41cは、第2接続コードL2により制御装置5と接続されており、制御装置5からマッチングボックス41へ伝送される断続モードの設定の通知信号に基づいてモータ41bの駆動を制御する。具体的には、断続モードの通知信号を受け付けた場合、コンデンサ制御部41cは、可変コンデンサ41aの電気容量が一定に固定されるようにモータ41bを一定の状態に維持する制御を行う。よって、断続モードではマッチングボックス41で高周波電力のモジュール及びフェーズは調整されない。また、断続モードの通知信号を受け付けない場合、即ち、連続モードが設定された場合は、コンデンサ制御部41cは、試料Sからの反射値Prが最小となるようにモータ41bの駆動を制御して可変コンデンサ41aの電気容量を変更する制御を行う。なお、反射値Prが最小であれば、コンデンサ制御部41cは可変コンデンサ41aの電気容量を変更する制御は行わない。
次に、上述の如き構成でなる試料形成装置101が実行する処理を説明する。試料形成装置101は、グロー放電により、微細パターンが形成されたウエハである試料Sを表面から深さ方向に掘削し、SEMで観察するための掘削断面を露出させる。制御装置5のCPU5aは、掘削プログラム51に従って、試料Sを掘削して掘削断面を形成するための条件を制御する処理を行う。掘削プログラム51は、試料Sに印加する電力の条件を複数種類規定してある。具体的には、電源部4から発振子30に印加する高周波電圧の電力値、断続モードでの供給周波数、又はデューティ比等の電力の条件を制御することで、試料Sが掘削される速度を調整することができる。制御装置5は、試料Sの材質又は掘削すべき深さ等の試料形成に必要な情報を、図示しないキーボード又はマウス等の入力部を用いて使用者の操作により入力される。CPU5aは、試料Sを適切な速度で掘削できるように、電源部4から発振子30に印加する高周波電圧の電力値、供給周波数又はデューティ比の条件を設定する。
グロー放電管2の内部を真空引き装置61で真空引きしてから、ガス供給源63がグロー放電管2の内部へアルゴンガスを供給し、CPU5aに設定された条件で電源部4が発振子30へ高周波電圧を供給する。グロー放電管2の内部にアルゴンガスが供給される状態では、空間K内には十分なアルゴンガスが随時供給され、アルゴンガスの雰囲気中で発振子30に高周波電圧が電源部4から供給されることで、電極12及び試料Sの間に電圧が印加され、電極12と試料Sとの間でグロー放電が発生する。グロー放電が発生することにより、アルゴンガスに含まれるアルゴンイオンが試料Sの電極12に対向した表面に衝突し、スパッタリングが発生する。このスパッタリングでのアルゴンイオンの衝突により、試料Sの電極12に対向した表面では、電極12の先端12eの大きさに応じた所定の面積が掘削される。
CPU5aは、試料Sを掘削するための処理を実行しながら、試料Sの掘削を開始してから経過した時間を計測し、試料Sの材質及び掘削すべき深さに応じた時間が経過した場合に、電源部4に高周波電圧の供給を停止させることによって、試料Sの掘削を停止する。以上の処理によって、微細パターンが形成されたウエハである試料Sは、表面から深さ方向に掘削され、SEMで観察するための掘削断面が露出するように形成される。なお、試料形成装置101は、掘削量又は掘削深さを測定する手段を更に備え、掘削量又は掘削深さが所定の値になるまで試料Sの掘削を行う形態であってもよい。
図5は、掘削された試料Sの形状を示す断面図である。図5(a)は掘削開始前の試料Sを示し、電極12の先端12eに試料Sが対向している。グロー放電により、電極12から試料Sへアルゴンイオンが衝突して試料Sが掘削される。図5(b)は掘削後の試料Sを示す。グロー放電により貫通孔12c内で加速したアルゴンイオンがほぼ直進して試料Sの表面に衝突するので、試料Sの表面の内でアルゴンイオンが衝突する部分は貫通孔12cの大きさの範囲に対向する部分にほぼ限定され、貫通孔12cの大きさの範囲に対向する試料Sの表面部分が限定的に掘削される。貫通孔12cの大きさの範囲に対向する試料Sの表面部分の周囲では、アルゴンイオンはほとんど衝突せず、掘削がほとんど行われない。従って、試料Sは、貫通孔12cの大きさの範囲に対向する表面部分から深さ方向に実質的に垂直に掘削され、試料Sの掘削される範囲と掘削されない範囲との境界に掘削断面が形成される。
図6は、掘削される試料Sを模式的に示す斜視図である。図6(a)は、掘削前の試料Sを示し、試料Sは、微細パターンが形成された半導体のウエハである。図6(b)は、掘削断面が形成された試料Sを示す。電極12の先端12eの形状に応じて、試料Sは円形状に掘削されている。このように、電極12の先端12eの大きさに応じた試料Sの所定の面積が掘削され、FIBを用いる従来の方法に比べて、試料Sの表面をより広範囲に掘削し、観察に適した十分に広い範囲の掘削断面を露出させることができる。また発振子30に供給する高周波電圧のデューティ比を向上させる等の方法により高速度で試料Sの掘削ができるので、FIBを用いる従来の方法に比べて、SEMで観察するために十分広い範囲をより短時間で掘削して試料Sに掘削断面を形成することが可能となる。更に、試料Sをグロー放電管2に装着する位置を調整することにより、試料Sの特定の位置に掘削断面を形成することができる。なお、本発明では、ウエハ全体を試料Sとして用いるのではなく、ウエハの一部を切除して試料Sとして用いてもよい。
次に、試料Sに形成した掘削断面を観察する方法を説明する。図7は、本発明の試料観察方法を実行するために使用するSEM装置の構成を示す模式的構成図である。SEM装置102は、真空箱71内に、電子線を試料に照射する電子線照射部72、試料から発生する電子を検出する電子検出部73、試料を載置するゴニオステージ74、及びゴニオステージ74が載置されたXYテーブル75を備えている。
電子線照射部72は、電子を発生させて加速させる電子銃、電子線を収束する電子レンズ、及び電子線で試料を走査するための偏向コイル等を含んで構成されている。ゴニオステージ74は、試料を載置可能であり、電子線照射部72からの電子線に対する試料の角度を調整することが可能である。XYテーブル75は、ゴニオステージ74を載置しており、平面内でゴニオステージ74の位置を調整することで、ゴニオステージ74に載置された試料の位置を調整することが可能である。電子検出部73は、電子線照射部72からの電子線が試料に照射されることで試料から放出される反射電子又は二次電子を検出する。反射電子は、電子線に含まれる電子が試料で反射した電子であり、二次電子は、電子線の照射によって試料で発生した電子である。図7中には、電子の軌跡を矢印で示す。電子線照射部72、電子検出部73、ゴニオステージ74及びXYテーブル75は、コンピュータを用いてなる制御装置76に接続されている。また真空箱71には、真空箱71内を真空引きするロータリーポンプ等を用いた真空引き装置77が設けられている。
試料形成装置101で掘削断面を形成した試料Sを真空箱71内のゴニオステージ74に載置し、真空引き装置77で真空箱71を真空引きすることにより、SEM装置102で試料Sを観察することが可能となる。制御装置76は、電子線照射部72、電子検出部73、ゴニオステージ74及びXYテーブル75の動作を制御する。電子線照射部72からの電子線が試料Sに形成された掘削断面に照射されるように、制御装置76の制御により、XYテーブル75が試料Sの位置を調整し、ゴニオステージ74が試料Sの角度を調整する。電子線照射部72からの電子線が試料Sに形成された掘削断面に照射され、掘削断面からの反射電子又は二次電子を電子検出部73で検出し、電子検出部73の検出結果の画像処理を制御装置76で行うことにより、試料Sの掘削断面のSEM像を得ることができる。電子線照射部72が照射する電子線で掘削断面を走査するか、又はゴニオステージ74及びXYテーブル75で電子線が当たる試料S上の位置を調整することにより、広範囲で掘削断面のSEM像を取得することができる。例えば、試料Sの円状に掘削された部分の周辺に形成された掘削断面を360°の全範囲に亘って観察することも可能である。
以上詳述した如く、本発明においては、微細パターンが形成されたウエハである試料Sをグロー放電によって掘削して、試料Sに掘削断面を形成し、形成した掘削断面に電子線を照射して、試料Sの掘削断面のSEM像を取得する。グロー放電により試料Sを掘削する方法は、FIBを用いる従来の方法と同様に、試料Sの特定の位置に掘削断面を形成することができ、試料Sの任意の部分の断面をSEM装置102で観察することが可能となる。またグロー放電により試料Sを掘削する方法は、従来の方法に比べて、試料Sの表面をより広範囲により早く掘削することができ、観察に適した十分に広い範囲の掘削断面を露出させることができる。従って、微細パターンが形成されたウエハである試料Sの任意の位置で断面を十分に観察することが可能となり、ウエハに形成された微細パターンの欠損の検査を、簡便に短時間で広範囲に実行することが可能となる。更に、グロー放電を用いて試料Sを掘削する本発明の方法は、ウエハを切断する従来の方法に比べて、試料Sに形成される掘削断面に与えるダメージが少なく、ウエハである試料Sの断面をより本来の状態に近い状態で観察することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、試料Sを直接に電極12に対向させてグロー放電を発生させる形態を示したが、この形態では、掘削が浅い部分で掘削断面の表面に対する傾斜が緩くなる可能性がある。従って、本発明では、掘削断面の表面に対する傾斜をより垂直に近づけるために、予め試料Sの表面に平板を重ねておき、平板を貫通して試料Sを掘削する方法を用いてもよい。
図8は、平板を用いた場合に試料Sをグロー放電管2に装着した形態を示す拡大部分断面図である。試料Sの表面にプラスチック基板等の平板Tを重ねておき、セラミックス部材13に取り付けられた第3オーリング20に平板Tが当接するように配置される。試料Sの裏面には発振子30が押し当てられており、試料S及び平板Tがグロー放電管2側へ押圧される。これにより平板Tの表面と電極12の円筒部(端部)12bの先端12eとが対向し、円筒部12bの先端12eと平板Tとの間に空間Kが形成される。この状態でグロー放電を発生させることにより、まず平板Tが掘削され、掘削により平板Tが貫通された後に試料Sが表面から掘削される。
図9は、掘削された試料Sの形状を示す断面図である。図9(a)は平板Tを用いずに掘削を行った試料Sを示す。図9(a)に示すように、掘削が浅い部分で掘削断面の表面に対する傾斜が緩くなることがある。図9(b)は、平板Tを用いて掘削を行った場合の平板T及び試料Sを示す。まず平板Tが掘削され、平板Tが貫通された後に試料Sが表面から掘削されるので、掘削が浅い部分は平板Tの部分となり、試料Sが掘削される部分は掘削が深い部分であり、表面からほぼ垂直に掘削断面が形成される。
このように、平板Tを貫通させて試料Sを掘削することにより、表面からほぼ垂直な掘削断面を形成することができる。平板Tを外してから試料SをSEM装置102で観察することにより、微細パターンが形成されたウエハである試料Sのより垂直に近い断面を観察することができる。従って、深さ方向にウエハの検査をより効果的に行うことができる。
なお、本実施の形態においては、試料Sの表面を鉛直面にして表面から掘削するように試料形成装置101を構成した形態を示したが、これに限るものではなく、本発明では、試料形成装置101は、試料Sの表面を上面又は下面にして表面から掘削するように構成した形態であってもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、試料に掘削断面を形成する過程と試料の掘削断面を観察する過程とを分けて実行する形態を示したが、実施の形態2においては、一つの装置で試料への掘削断面の形成と観察とを実行する形態を示す。
図10は、本発明の試料観察方法を実行するために使用する試料観察装置の構成を示す模式的構成図である。試料観察装置103では、試料Sに掘削断面を形成するための試料形成室81を真空箱71に隣設してある。試料形成室81には、図2に示す電極12の円筒部12bの先端12eを試料形成室81内で下側に向けて、グロー放電管2を備えてある。グロー放電管2の内部構成は、図2を用いて説明した実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。グロー放電管2には、実施の形態1と同様に、真空引き装置61、ガス供給調整部62及びガス供給源63が設けられている。なお、真空引き装置61及びガス供給調整部62は、試料形成室81にも配管で接続された形態であってもよい。
試料観察装置103は、試料形成室81内に、グロー放電管2の図2に示す電極12の円筒部12bの先端12eに対向する位置に試料Sを保持可能なターンテーブル82を備えている。ターンテーブル82は、試料Sを載置して回転し、試料Sをグロー放電管2の電極12に対向する位置に保持し、掘削断面が形成された後の試料Sを移送することができる。また試料観察装置103は、電源部4に接続された発振子31を備えている。発振子31は、ターンテーブル82によってグロー放電管2の電極12に対向する位置に保持された試料Sの裏側に近接できるように、位置を調整可能な構成になっている。電源部4の構成は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
試料形成室81と真空箱71との間には、必要に応じて開放可能な扉84が設けられている。また試料観察装置103は、試料形成室81内に、扉84が開放されている状態で試料Sを試料形成室81から真空箱71内へ移送するウエハローダ83を備えている。ウエハローダ83は、位置を調整可能であり、扉84が開放された場合に、試料Sを移送可能な位置へ移動し、ターンテーブル82に移送された試料Sを更に真空箱71へ移送する。
また試料観察装置103は、真空箱71内に試料Sを載置できるXYZテーブル85と、XYZテーブル85を載置してある水平移動部86とを備えている。水平移動部86は、XYZテーブル85を水平方向に移動させることが可能であり、XYZテーブル85を移動させて、ウエハローダ83が真空箱71内に移送した試料SをXYZテーブル85に載置させることができる。更に試料観察装置103は、真空箱71内に電子線照射部72及び電子検出部73を備えており、真空箱71内を真空引きする真空引き装置77を設けている。電子線照射部72は、試料Sに形成された掘削断面に電子線を照射できるように、XYZテーブル85に対して垂直な状態から傾斜した姿勢で設けられている。発振子31、電源部4、ターンテーブル82、ウエハローダ83、扉84、XYZテーブル85、水平移動部86、電子線照射部72、及び電子検出部73は、コンピュータを用いた制御装置87に接続されており、制御装置87にその動作を制御される。
次に、上述の如き構成でなる試料観察装置103が実行する処理を説明する。ターンテーブル82によって試料Sがグロー放電管2の電極12に対向する位置に保持された状態で、グロー放電管2の内部を真空引き装置61で真空引きしてから、ガス供給源63がグロー放電管2の内部へアルゴンガスを供給し、制御装置87は発振子31を試料Sの裏側に近接させる。次に制御装置87は電源部4を動作させ、電源部4は発振子31へ高周波電圧を供給する。アルゴンガスの雰囲気中で発振子31に高周波電圧が電源部4から供給されることで、電極12及び試料Sの間に電圧が印加され、電極12と試料Sとの間でグロー放電が発生する。グロー放電が発生することにより、アルゴンイオンによる試料S表面へのスパッタリングが発生し、試料Sが掘削される。制御装置87は、試料Sを掘削するための処理を実行しながら、試料Sの掘削を開始してから経過した時間を計測し、試料Sの材質及び掘削すべき深さに応じた時間が経過した場合に、電源部4に高周波電圧の供給を停止させることによって、試料Sの掘削を停止する。これまでの処理によって、微細パターンが形成されたウエハである試料Sは、表面から深さ方向に掘削され、掘削断面が形成される。
制御装置87は、発振子31を移動させ、掘削断面が形成された試料Sをターンテーブル82に移送させ、扉84を開放し、試料Sをウエハローダ83に試料形成室81から真空箱71内へ移送させる。制御装置87は、水平移動部86の動作を制御して、XYZテーブル85上に試料Sを載置させ、電子線照射部72から電子線を照射される位置までXYZテーブル85を移動させる。制御装置87が扉84を閉鎖し、真空引き装置77が真空箱71を真空引きする。次に制御装置87は、電子線照射部72からの電子線が試料Sに形成された掘削断面に照射されるように、XYZテーブル85に試料Sの位置を調整させる。電子線照射部72からの電子線が試料Sに形成された掘削断面に照射され、掘削断面からの反射電子又は二次電子を電子検出部73で検出し、電子検出部73の検出結果の画像処理を制御装置87で行うことにより、試料Sの掘削断面のSEM像を得ることができる。電子線照射部72が照射する電子線で掘削断面を走査するか、又はXYZテーブル85で電子線が当たる試料S上の位置を調整することにより、広範囲で掘削断面のSEM像を取得することができる。
以上詳述した如く、本実施の形態においても、微細パターンが形成されたウエハである試料Sをグロー放電によって掘削して、試料Sに掘削断面を形成し、形成した掘削断面に電子線を照射して、試料Sの掘削断面のSEM像を取得することができる。試料観察装置103を用いることによって、微細パターンが形成されたウエハである試料Sの任意の位置で掘削断面を形成して観察することが可能となり、ウエハに形成された微細パターンの欠損の検査を、より簡便に短時間で広範囲に実行することが可能となる。
本発明の試料観察方法を実行するために使用する試料形成装置の構成を示すブロック図である。 グロー放電管の内部構成を示す断面図である。 電源部を構成するジェネレータの内部構成を示すブロック図である。 電源部を構成するマッチングボックスの内部構成を示すブロック図である。 掘削された試料の形状を示す断面図である。 掘削される試料を模式的に示す斜視図である。 本発明の試料観察方法を実行するために使用するSEM装置の構成を示す模式的構成図である。 平板を用いた場合に試料をグロー放電管に装着した形態を示す拡大部分断面図である。 掘削された試料の形状を示す断面図である。 本発明の試料観察方法を実行するために使用する試料観察装置の構成を示す模式的構成図である。
符号の説明
101 試料形成装置
102 SEM装置
103 試料観察装置
12 電極
12b 円筒部(端部)
12c 貫通孔
12e 先端
2 グロー放電管
30、31 発振子
4 電源部
5、76、87 制御装置
71 真空箱
72 電子線照射部
73 電子検出部
S 試料
T 平板

Claims (5)

  1. 電極と該電極に対向配置される試料との間に電圧を印加して発生させるグロー放電により、前記試料を表面から深さ方向に掘削し、
    掘削によって前記試料の表面から深さ方向に形成された掘削断面に対して電子線を照射し、
    電子線の照射により前記掘削断面から放出される電子を検出することによって、前記掘削断面を観察すること
    を特徴とする試料観察方法。
  2. 前記電極は、筒状に形成された端部を有し、
    前記試料の表面は前記電極の前記端部に対向配置されてあり、
    前記グロー放電は不活性ガスの雰囲気中で発生させること
    を特徴とする請求項1に記載の試料観察方法。
  3. 前記試料の表面に平板を重ねておき、
    前記グロー放電により、前記平板を貫通して前記試料を掘削すること
    を特徴とする請求項2に記載の試料観察方法。
  4. 電極と該電極に対向配置される試料との間に電圧を印加して発生させるグロー放電により、前記試料を表面から深さ方向に掘削する手段と、
    該手段が掘削した前記試料を真空箱中へ移動させる手段と、
    前記真空箱中で、掘削によって前記試料の表面から深さ方向に形成された掘削断面に対して電子ビームを照射し、前記掘削断面から放出される電子を検出することによって前記掘削断面を観察する手段と
    を備えることを特徴とする試料観察装置。
  5. 前記電極は、筒状に形成された端部を有し、
    不活性ガスの雰囲気中で前記試料の表面を前記電極の前記端部に対向配置させた状態で、前記グロー放電を発生させるように構成してあること
    を特徴とする請求項4に記載の試料観察装置。
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CN102954974A (zh) * 2011-08-19 2013-03-06 鞍钢股份有限公司 一种中厚板探伤缺陷的原位检验方法

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