JP2008051632A - 応力腐食割れ進展試験方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低荷重・低応力拡大係数の条件の下であってもき裂進展速度評価をすることができる応力腐食割れ進展試験方法及びその装置を提供する。
【解決手段】応力腐食割れ進展試験装置は、所定の荷重又は応力拡大係数の条件の下で応力腐食割れの進展速度を測定する応力腐食割れ進展試験装置において、予め片面にき裂及び孔食の少なくとも一方を含む予き裂15を導入した試験片11と、この試験片11の予き裂15に引張応力を生じさせる荷重手段(例えば、曲げ冶具12)と、前記試験片11の少なくとも予き裂15を腐食液14により浸す腐食液浸漬手段(例えば、腐食液貯溜槽13)と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】応力腐食割れ進展試験装置は、所定の荷重又は応力拡大係数の条件の下で応力腐食割れの進展速度を測定する応力腐食割れ進展試験装置において、予め片面にき裂及び孔食の少なくとも一方を含む予き裂15を導入した試験片11と、この試験片11の予き裂15に引張応力を生じさせる荷重手段(例えば、曲げ冶具12)と、前記試験片11の少なくとも予き裂15を腐食液14により浸す腐食液浸漬手段(例えば、腐食液貯溜槽13)と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、応力腐食割れ進展試験に提供される試験片を用いた応力腐食割れ進展試験方法及びその装置に関する。
原子炉水中におけるステンレス鋼溶接部の応力腐食割れ、塩水中の鋼材の割れや水素を含む環境中での水素割れ等の環境助長割れに係る損傷事例が報告されている。この環境助長割れは、周辺雰囲気の影響によって、材料の強度が不活性環境中より低下して損傷を生じる事象である。材料と環境の組合によって、環境助長割れの発生し易さに差異があることが知られている。
このような環境助長割れについて、その損傷発生後の構造物の破損を未然に防ぐために、その進展速度を予め測定しておく試験方法の開発が行われてきた。原子炉水中における応力腐食割れを例にとると、CT試験片を用いたき裂進展試験や表面き裂入り試験片を用いた進展試験等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この試験方法においては、破壊靱性試験(ASTM E399、E813規格)や疲労き裂進展試験(ASTM E647規格)の例に準拠して、予め予き裂と呼ばれるき裂を試験片に導入しておき、このき裂からのさらなる伝播量を計測して、その進展速度を評価している。このとき、予き裂からのき裂の進展停滞を防止するため、データ採取する際の試験条件(荷重あるいは応力拡大係数)は、予き裂導入時のそれと比較して高めの(材料としてはきびしい側の)条件に設定して試験を行っている。一方で、この予き裂として、変動荷重付与による疲労によって生じるき裂を導入することが多い。
特開2004−340591号公報
上述した従来の応力腐食割れ進展試験方法においては、予め予き裂と呼ばれるき裂を試験片に導入しておき、このき裂からのさらなる伝播量を計測して、その進展速度を評価している。この予き裂として、変動荷重付与による疲労によって生じるき裂を導入することが多い。
しかし、疲労き裂のときは、き裂を進展させうる下限条件(応力拡大係数範囲(応力拡大係数の振幅)や荷重振幅)があり、これ以下ではき裂を進展させることが困難であることが知られている。このために、ある荷重条件以下の低荷重条件下では、試験片の準備ができず、応力腐食割れの進展速度データも採取できていない、という課題があった。
ところが、実機構造物では、このような低応力拡大係数条件は、き裂発生直後のまだき裂が短く負荷応力の割には応力拡大係数が小さい期間の評価又はき裂が残留応力が圧縮になる領域にまで進展した場合の評価に適用されると考えられる。
一般にこの期間は、き裂が潜伏期間を経て定常き裂進展に移行するまでの期間に相当するとみなされており、構造物の全寿命の大半を占め、構造物の寿命評価上、必要性が高いと考えられる。上述のように、現状データ採取数は少ないが、このような低荷重・低応力拡大係数条件の下でのき裂進展速度の予測精度を上げることに課題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、低荷重・低応力拡大係数の条件の下でき裂進展速度評価をすることができる応力腐食割れ進展試験方法及びその装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の応力腐食割れ進展試験方法においては、所定の荷重又は応力拡大係数の条件の下で応力腐食割れの進展速度を測定する応力腐食割れ進展試験装置において、予め片面にき裂及び孔食の少なくとも一方を含む予き裂を導入した試験片と、この試験片の予き裂に引張応力を生じさせる荷重手段と、前記試験片の少なくとも予き裂を腐食液により浸す腐食液浸漬手段と、を有することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明の応力腐食割れ進展試験装置方法においては、所定の荷重又は応力拡大係数の条件の下で応力腐食割れの進展速度を測定する応力腐食割れ進展試験方法において、前記試験片の片面にき裂及び孔食の少なくとも一方を含む予き裂を導入する予き裂導入ステップと、この試験片の予き裂に荷重手段により引張応力を生じさせる引張応力発生ステップと、前記試験片の少なくとも予き裂を腐食液により浸す腐食液浸漬ステップと、を有することを特徴とするものである。
本発明の応力腐食割れ進展試験方法及びその装置によれば、試験片に導入された予き裂を腐食液浸漬手段の腐食液により浸漬しながら、荷重手段により引張応力を発生させることにより、低荷重・低応力拡大係数の条件の下であっても、き裂進展速度評価をすることができる。
以下、本発明に係る応力腐食割れ進展試験方法及びその装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の応力腐食割れ進展試験装置の構成を示す斜視図である。
本図に示すように、応力腐食割れの進展速度を測定する応力腐食割れ進展試験装置は、予め片面に予き裂15を導入した平板の試験片11を有している。この試験片11はここでは平板を用いているが、この形状は特に限定されない。この試験片11の予き裂15が存在する面と反対側の面は、荷重手段である曲げ冶具12により曲げられる。一方、試験片11の少なくとも予き裂15を腐食液浸漬手段の腐食液14により浸している。この腐食液浸漬手段の一例として、腐食液14を貯溜した腐食液貯溜槽13が設けられている。この腐食液14を貯溜した腐食液貯溜槽13は、上記試験片11の予き裂15が存在する面に載置される。腐食液貯溜槽13の貫通孔16を介して腐食液14は予き裂15部表面に導出され、試験片11の予き裂15をこの腐食液14は浸している。
このように構成された本実施の形態において、予め片面に予き裂15を導入した平板の試験片11が支持部材1、2、3を介して曲げ冶具12にセットされる。この試験片11の予き裂15が存在する面と反対側の面に曲げ冶具12の負荷部材4により荷重Fを常時作用して、試験片11の予き裂15に引張応力を生じさせている。このように、この平板の試験片11に荷重Fを作用することにより、任意の変位、任意の荷重、試験片上におけるひずみ又は試験片上における応力が付与される。同時に、この腐食液貯溜槽13に貯溜された腐食液14は、腐食液貯溜槽13の底面に設けられた貫通孔16を介して試験片11の予き裂15に導出され、予き裂15は腐食液14に浸される。この腐食液貯溜槽13は、曲げ冶具12により試験片11に曲げ荷重を作用する前に設置しておいてもよい。
なお、この試験片11に付与する荷重条件が、この後に実施するき裂進展試験の荷重条件を上回らないよう留意する必要がある。また、腐食液14として、試験片11がニッケル基合金や鋭敏化ステンレス鋼より作製されているときは、テトラチオン酸が有効である。また、試験片11がオーステナイトステンレス鋼より作製されているときは、沸騰塩化マグネシウム水溶液(塩化マグネシウム濃度は、20から45%の間で任意)が適している。
本実施の形態によれば、試験片11に導入された予き裂15を腐食液貯溜槽13の腐食液14により浸漬しながら曲げ冶具12により、試験片11に導入された予き裂15に引張応力を発生させている。この状態で、腐食液14及び試験片11の材料の組合せを応力腐食割れが生じる環境にすることにより、試験片11上の引張応力が発生している側に応力腐食割れを発生させることができる。かくして、試験片11に導入された予き裂15を腐食液14により浸漬させながら、引張応力を生じさせることにより、低荷重・低応力拡大係数条件の下であってもき裂進展速度評価をすることができる。
図2は、本発明の第2の実施の形態の応力腐食割れ進展試験装置の構成を示す斜視図である。本図は、図1の腐食液貯溜槽13の代わりに、腐食液貯溜槽13aを設けたものであり、図1と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
本図に示すように、平板の試験片11及び曲げ冶具12が腐食液貯溜槽13a内に配置され、腐食液14に浸漬されている。
このように構成された本実施の形態における構成は、第1の実施の形態とほぼ同様であるが、さらに低い荷重条件において初期欠陥を導入するために、試験片11に荷重Fを付与しないか、又は実際の試験条件と比べて低めの荷重条件下において、応力腐食割れ進展試験を行うことができる。
また、腐食液14と試験片11の材料の組合を任意に選定することにより、試験片11上に孔食を生じさせることができる。この孔食はこの後に実施するき裂進展試験においてき裂の起点となり得るものであり、ほとんど無負荷の状態で試験片11上に予備欠陥を導入させことができる。また、この腐食液14として、試験片11の材料がオーステナイトステンレス鋼のときは、塩化第二鉄及び希塩酸の溶液等が適している。
本実施の形態によれば、試験片11及び曲げ冶具12を腐食液貯溜槽13a内の腐食液14に浸漬させながら、曲げ冶具12により試験片11の予き裂15に引張応力を発生させる。かくして、試験片11に導入された予き裂15を腐食液14により浸漬しながら、曲げ冶具12により引張応力を生じさせることにより、低荷重・低応力拡大係数の条件の下であってもき裂進展速度評価をすることができる。
図3は、本発明の第3の実施の形態の応力腐食割れ進展試験装置の構成を示す斜視図である。本図は、図1の腐食液貯溜槽13の代わりに、腐食液貯溜容器13bを設けたものであり、図1と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
本図に示すように、試験片11の予き裂15を腐食液14により浸漬する腐食液浸漬手段の一例として、腐食液14を滴下する腐食液貯溜容器13bが設けられている。この腐食液14を貯溜した腐食液貯溜容器13bは、上記試験片11の予き裂15が存在する面の上方に支持部材17を介して載置されている。
このように構成された本実施の形態における構成は、第1の実施の形態とほぼ同様であるが、さらに低い荷重条件において初期欠陥を導入するために、試験片11に荷重Fを付与しないか、又は実際の試験条件と比べて低めの荷重条件下において、応力腐食割れ進展試験を行う。
また、腐食液14と試験片11の材料の組合を任意に選定することにより、試験片11上に孔食を生じさせることができる。この孔食はこの後に実施するき裂進展試験においてき裂の起点となり得るものであり、ほとんど無負荷の状態で試験片11上に予備欠陥を導入することができる。また、この腐食液14には、試験片11の材料がオーステナイトステンレス鋼のときは、塩化第二鉄及び希塩酸の溶液等が適している。
本実施の形態によれば、試験片11に導入された予き裂15に、腐食液貯溜容器13bの腐食液14を滴下しながら、曲げ冶具12により引張応力を発生させる。かくして、試験片11に導入された予き裂15に腐食液14を滴下し浸しながら、予き裂15に曲げ冶具12により引張応力を生じさせることにより、低荷重・低応力拡大係数条件の下であってもき裂進展速度評価をすることができる。
なお、予め片面に予き裂15を加工した平板の試験片11全体を腐食液14に浸すことにより、き裂又は孔食を試験片11上にランダムに導入することができる。この試験片11は特にマスキングを施していないために、き裂はランダムに発生する。その後のき裂進展試験において、ランダムな配置と深さを有する予き裂15を提供することができる。
図4は、本発明の第4の実施の形態の応力腐食割れ進展試験装置の試験片にマスクを施した説明図で、(a)は中央部1箇所にき裂を生じさせるときの上面図、(b)は複数箇所均等にき裂を生じさせるときの上面図である。
本図に示すように、試験片11の上部には、マスク21が被覆されている。このマスク21は、絶縁性や耐水性を有する物質で作製される。き裂又は孔食1個を導入するときは、図4(a)に示すように、中央部1箇所に開口部22を有するマスク21が試験片11の上部には被覆される。また、き裂又は孔食複数個を導入するときは、図4(b)に示すように、例えば、複数箇所均等に開口部22を有するマスク21が試験片11の上部には被覆される。
本実施の形態によれば、試験片11の上部にマスク21を被覆し、マスク21の開口部22の数及び位置を適宜選択する。そして、試験片11上の限定した領域のみを予き裂15の導入環境に暴露し、予き裂15の導入位置を限定することができる。かくして、試験片11上に、限定された任意の数量のき裂又は孔食からなる予き裂15を導入することができる。
図5は、本発明の第5の実施の形態の応力腐食割れ進展試験装置のCT試験片及び周辺部の斜視図である。
本図に示すように、予き裂を有する試験片は、板厚方向に貫通する貫通切欠き33を有するCT(Compact Tension)型試験片32又はこの変形例であるWOL(Wedge Opening Load)型試験片から形成されている。
このように構成された本実施の形態において、機械加工により板厚方向の貫通切欠き33を設けたCT型試験片32又はWOL型試験片が用いられる。この貫通切欠き33の存在するノッチ部5の両側面に耐食性及び絶縁性を有する物質から作製された腐食液カバー31が設置される。この腐食液カバー31で包囲されたノッチ部5は、腐食液貯溜槽13として用いることにより、腐食液14を貯溜することができる。
本実施の形態によれば、貫通切欠き33の存在するノッチ部5の両側面に耐食性及び絶縁性を有する物質から作製された腐食液カバー31が設置される。かくして、CT型試験片32のノッチ部5の両側面にカバー31を設置し貫通切欠き33を腐食液14により浸しながら、引張荷重Fを作用することにより、低荷重・低応力拡大係数の条件の下であってもき裂進展速度評価をすることができる。
図6は、本発明の第6の実施の形態の応力腐食割れ進展試験装置の曲げ試験片41及び周辺部を透視して示す斜視図である。
本図に示すように、予き裂を有する試験片は、曲げ試験片41から形成されている。
このように構成された本実施の形態において、曲げ試験片41には機械加工により予め板厚方向を貫通する貫通切欠き42が設けられている。この貫通切欠き42を設けた曲げ試験片41に、上面の離れた2箇所の支持部材6,7により荷重Fをかけ、下面中央部の接近した2箇所の支持部材8,9より荷重Fをかけることにより、曲げ試験片41に曲げモーメントを作用させる。この3点曲げ試験片41の貫通切欠き42が存在するノッチ部5の両側面に耐食性及び絶縁性を有する腐食液カバー31を設置し、ノッチ部5を腐食液貯溜槽13として用いることにより、腐食液14を貯溜する。
本実施の形態によれば、貫通切欠き42が存在するノッチ部5の両側面に耐食性及び絶縁性を有する物質から作製されたカバー31が設置されている。かくして、曲げ試験片41のノッチ部の両側面にカバー31を設置し貫通切欠き33を腐食液14により浸しながら、曲げモーメントを作用することにより、低荷重・低応力拡大係数の条件の下であってもき裂進展速度評価をすることができる。
図7は、本発明の第7の実施の形態の応力腐食割れ進展試験装置のLee−James型試験片51及び周辺部の説明図で、(a)は腐食液貯溜槽13を用いるときの斜視図、(b)は腐食液カバー31を用いるときの斜視図である。
本図に示すように、予き裂を有する試験片は、通称Lee−James型試験片51から形成されている。このLee−James型試験51は、図5のCT型試験片32の開口部をくりぬいた形状をしており、非貫通型き裂(表面き裂)に対し、引張応力及び曲げ応力を発生させることのできる。
このように構成された本実施の形態において、Lee−James型試験片51の中央部の上面平行部の任意の位置に、図7(a)に示すように、腐食液貯溜槽13が設置される。この腐食液貯溜槽13内に腐食液14が貯溜される。または、図7(b)に示すように、Lee−James型試験片51の平行部の両側面に耐食性及び絶縁性を有する腐食液カバー31が設置される。この腐食液カバー31の内部を腐食液槽として用いることにより、腐食液14が貯溜される。このLee−James型試験片の平行部のき裂又は孔食に腐食液14を導出して浸している。また、この平行部に適宜絶縁性マスキングを施すことにより、き裂の発生位置を任意に設定できる。
本実施の形態によれば、Lee−James型試験片51の平行部の上面に腐食液貯溜槽13又は平行部の両側面に腐食液カバー31が設置される。この腐食液貯溜槽13等に腐食液14を貯溜することができる。かくして、Lee−James型試験片の非貫通型き裂(表面き裂)を腐食液14により浸しながら、非貫通型き裂(表面き裂)に引張応力及び曲げ応力を発生させることにより、低荷重・低応力拡大係数の条件の下であってもき裂進展速度評価をすることができる。
図8は、本発明の第8の実施の形態の応力腐食割れ進展試験装置を適用した欠陥深さ監視装置(電位差法)の構成図である。
本図に示すように、ここでは一例として、図1に示す応力腐食割れ進展試験装置を使用して欠陥深さ監視装置(電位差法)を構成する。この応力腐食割れ進展試験装置の平板の試験片11の両端の2点には、リード線64aを介して電流源61が接続されている。また、試験片11の予き裂15を挟んだ2点には、リード線64bを介して電圧計62が接続されている。この電流源61と電圧計62は、リード線64cを介して制御/データ収集装置63に接続されている。
このように構成された本実施の形態において、試験片11上の任意の2点間に電流源61より直流又は交流の電流が付与される。また、この試験片11上の任意の2点間における電位差を電圧計62を用いて測定する。この電流の値及び電位差に係るデータは制御/データ収集装置63に伝達され、この数値の変化挙動から予き裂導入量を検知することができる。そして、このき裂長さが任意の値に達した時点で、試験片11上のき裂導入を停止する。
本実施の形態によれば、応力腐食割れ進展試験装置を適用した欠陥深さ監視装置(電位差法)を用いることにより、試験片11内の欠陥寸法を把握しつつ予き裂の導入を進めることができるために、所定の寸法の予き裂を導入できることができる。かくして、応力腐食割れ進展試験装置を適用した欠陥深さ監視装置(電位差法)を用いることにより、予き裂15に曲げ応力を発生させることにより、低荷重・低応力拡大係数の条件の下でき裂進展速度評価をすることができる。
さらに、本発明は、上述したような各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の各実施例を組み合わせて、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
11…試験片、12…曲げ冶具、13…腐食液貯溜槽、14…腐食液、15…予き裂、16…貫通孔、17…支持部材、21…マスク、22…開口部、31…腐食液カバー、32…CT型試験片、33…貫通切欠き、41…曲げ試験片、42…貫通切欠き、51…Lee−James型試験片、61…電流源、62…電圧計、63…制御/データ収集装置、64a,64b,64c…リード線。
Claims (10)
- 所定の荷重又は応力拡大係数の条件の下で応力腐食割れの進展速度を測定する応力腐食割れ進展試験装置において、
予め片面にき裂及び孔食の少なくとも一方を含む予き裂を導入した試験片と、
この試験片の予き裂に引張応力を生じさせる荷重手段と、
前記試験片の少なくとも予き裂を腐食液により浸す腐食液浸漬手段と、
を有することを特徴とする応力腐食割れ進展試験装置。 - 前記腐食液浸漬手段は、前記試験片の予き裂が存在する面に載置された腐食液貯溜槽を具備すること、を特徴とする請求項1記載の応力腐食割れ進展試験装置。
- 前記腐食液浸漬手段は、前記荷重手段及び前記試験片を浸漬する腐食液貯溜槽を具備すること、を特徴とする請求項1記載の応力腐食割れ進展試験装置。
- 前記腐食液浸漬手段は、前記試験片の予き裂に前記腐食液を滴下する腐食液貯溜容器を具備すること、を特徴とする請求項1記載の応力腐食割れ進展試験装置。
- 前記試験片は、絶縁性及び耐水性を有する物質で作製され、前記予き裂を導入する位置又は数量を限定するマスクを具備すること、を特徴とする請求項1記載の応力腐食割れ進展試験装置。
- 前記試験片は、板厚方向に貫通する貫通切欠きを有するCT試験片であること、を特徴とする請求項1記載の応力腐食割れ進展試験装置。
- 前記試験片は、板厚方向に貫通する貫通切欠きを有する曲げ試験片であること、を特徴とする請求項1記載の応力腐食割れ進展試験装置。
- 前記試験片は、非貫通切欠きを有するLee−James型試験片であること、を特徴とする請求項1記載の応力腐食割れ進展試験装置。
- 前記試験片の任意の2点間に直流又は交流の電流を付与する電流源と、この試験片の他の任意の2点間における電位差を測定する電圧計と、この測定された電位差の変化挙動から予き裂導入量を検知しき裂長さが所定の値に達したときに予き裂の導入を停止する欠陥深さ監視手段をさらに有すること、を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の応力腐食割れ進展試験装置。
- 所定の荷重又は応力拡大係数の条件の下で応力腐食割れの進展速度を測定する応力腐食割れ進展試験方法において、
前記試験片の片面にき裂及び孔食の少なくとも一方を含む予き裂を導入する予き裂導入ステップと、
この試験片の予き裂に荷重手段により引張応力を生じさせる引張応力発生ステップと、
前記試験片の少なくとも予き裂を腐食液により浸す腐食液浸漬ステップと、
を有することを特徴とする応力腐食割れ進展試験方法。
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