JP2008049348A - 沈下基礎修復用膨張型鋼管の製造方法 - Google Patents

沈下基礎修復用膨張型鋼管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】沈下基礎の回復量を大きくすることが可能な沈下基礎修復用膨張型鋼管を低コストで製造する。
【解決手段】中空内部に外周面の一部を折り込んだ断面凹型形状の所定長の異形管を素管とし、その両端に高水圧の付加によって変形することのない強度を有する円筒形のスリーブが装着された水密構造を有する管体の一方のスリーブに設けた高圧水注入孔から高圧水を注入して前記凹型断面部を膨張させた後に、膨張させた管の両端のスリーブ近傍を除く部分を対向する平坦面あるいは曲面を有するプレス型に挿入して押圧成形し、前記管体長手方向のいずれの断面においてもその周長がほぼ同じであり、かつ前記管体のスリーブに隣接する部位を除いた部分の断面形状が扁平化された断面で構成される管体を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物等を構築した基礎が沈下した際の建物等の基礎をリフトアップするための沈下基礎修復用の膨張型鋼管を製造する方法に関する。
例えば、後背湿地,臨海埋立地,三角洲低地,おぼれ谷,海岸砂洲等を構成する地盤は、泥炭質の地盤や圧密の進行の遅い地盤等によって形成されていることから、軟弱地盤となって場合が多い。このような軟弱地盤は、地盤保持力が小さく、また引続き圧密沈下を生じやすいことから、軟弱地盤の上方に建物等の構造物を構築した場合には、構築された構造物に不同沈下(不等沈下)等の沈下が生じやすい。
建物等の構造物に沈下が生じた際の修復手段としては、例えば特許文献1に見られるように、沈下が生じた部分を基礎とともにジャッキを用いてリフトアップし、リフトアップすることにより生じた基礎と基礎基盤との間の隙間に、モルタルやグラウト等を充填固化する手法が採用されている。
しかしながら、この手法は、設置面積の狭い基礎に、設計時に想定していない過度の負荷を負わせるために、基礎を破壊するおそれがあるばかりでなく、作業そのものにも以外に手間を要している。
また、予め扁平にプレスした鋼管を膨張させ、元の丸形状に戻る際の変位を利用して、沈下基礎を修復させる技術が特許文献2に記載されている。
特開2000−8398号公報 特願2005−351906号
特許文献2の手法は、基礎地盤の表層部分に設けた受圧盤と建物の基礎との間の建物の沈下が予想される部分に、予め扁平にプレスされた膨張型鋼管を配設し、この膨張型鋼管に膨張用流体を圧入して扁平化された断面形状から元の断面形状に戻るように前記膨張型鋼管を膨張変形させることにより前記基礎を押し上げて、建物の沈下を修復しようとするものである。
また、前記特許文献2では、扁平にプレスされた膨張型鋼管に代わって、本出願人が特開2003−206698号公報で提案している、中空内部に外周面の一部を折り込んだ凹型の断面形状を有する膨張型異形管からなる膨張型鋼管が用いられ得ることも紹介されている。
しかしながら、中空内部に外周面の一部を折り込んだ凹型の断面形状を有する膨張型鋼管を用いる場合、膨張量、すなわち鋼管の膨張に伴う沈下基礎の回復量には限界がある。また、前記特許文献2の扁平にプレスされた膨張型鋼管を用いる場合においても、管の端部を閉塞板で封止した円管を扁平化しているため高圧水で膨張させた時に扁平な部分だけでなく閉塞板近傍の鋼管が変形することが避けられず閉塞板付近が破裂する虞があることから、大きな扁平率(扁平部の幅/高さ)をとることができず、この方法においても得られるリフトアップ量は限定的なものとなる。高い回復高さを確保しようとすると、前記のような膨張型鋼管を、2段或いはそれ以上の段数に重ねて配設する必要があり、施工が難しくなり、結果的にコストも高くなってしまう。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、形状を工夫することにより、膨張量、すなわち沈下基礎の回復量を大きくすることが可能な沈下基礎修復用膨張型鋼管を低コストで製造することを目的とする。
本発明の沈下基礎修復用膨張型鋼管の製造方法は、その目的を達成するため、中空内部に外周面の一部を折り込んだ断面凹型形状の所定長の異形管を素管とし、その両端に高水圧の付加によって変形することのない強度を有する円筒形のスリーブが装着された水密構造を有する管体の一方のスリーブに設けた高圧水注入孔から高圧水を注入して前記凹型断面部を膨張させた後に、膨張させた管の中ほど部分を平坦面あるいは曲面を有するプレス型に挿入して押圧成形し、前記管体長手方向のいずれの断面においてもその周長がほぼ同じであり、かつ前記管体の断面形状がスリーブに隣接する部位を除いた管体部分が扁平化された断面で構成される管体を得ることを特徴とする。
素管としては、素材鋼管に、大小2種類の凸曲面よりなる断面にロール成形する工程と、前記2種類の凸曲面の内の曲率半径の大きい凸曲面の中央に円盤状ロールを当てて前記曲率半径の大きい凸曲面を管の内側に窪ませるようにロール成形する工程と、その後に中央が窪み樋状に湾曲した断面の両側にロールを当てて樋状開口部を狭めて管外径を小さくロール成形する工程を経て断面凹型形状に成形した後、所定寸法に裁断した異形管を用いることが好ましい。
本発明方法によれば、その両端に水密構造とするためのスリーブが装着され、スリーブ間に膨張用の扁平化された断面を有する異形の沈下基礎修復用膨張型鋼管を得ている。このため、前記スリーブの内の一方に設けられた注水孔から高圧水を注入することによって前記扁平化された断面部を円形断面へ膨張変形させる際にスリーブにより管端封止部分の変形が抑制されるので、両端の非定常部での管の破裂の虞がなく、管体の扁平率(扁平管の幅/高さ)を大きくとることが可能となり、従来のものと比べてリフトアップ高さ、すなわち、沈下基礎の修復高さを格段に高くすること可能な膨張型鋼管を安価に製造することができる。
先にも記載したように、扁平にプレスされた断面形状を有する膨張型鋼管、或いは中空内部に外周面の一部を折り込んだ凹型の断面形状を有する膨張型鋼管を用いて当該膨張型鋼管を膨張させ、沈下基礎を修復する技術を用いても、膨張量、すなわち鋼管の膨張に伴う沈下基礎の回復量には限界がある。
そこで、本発明者等は、沈下基礎修復用膨張型鋼管の膨張量、すなわち沈下基礎の回復量を大きくすることが可能な形状について種々検討を重ねてきた。
その結果、沈下基礎修復用膨張型鋼管として、膨張用凹部を有する異形管を予め膨張させた後にプレス成形により扁平化させた断面形状にしたものを用いれば、膨張量、すなわち鋼管の膨張に伴う沈下基礎の回復量を大幅に増大することができることを見出した。以下に、沈下基礎の回復量を大幅に増大することが可能な膨張型鋼管形状を詳細に説明する。
本出願人は、一端に水密用スリーブが装着され、他端に高圧水供給源に連結するための注水孔を有するスリーブが装着され、軸方向に延びる膨張用凹部を1以上有する中空体からなるロックボルトを提案している。軸方向に延びる膨張用の凹部を、中空内部に外周面の一部を折り込んだ断面凹型形状を備えたものとし、中空の内部に高圧水を注入して凹部を元の断面形状に戻すように膨張変形させ、このときの膨張力により鋼管の外周面を岩盤に穿った孔の内壁面に押し当てて地山に拘束力を付与しようとするものである。
本発明も、基本的にはこの形状の膨張型異形管を用いるものではあるが、このままでは前記したように沈下基礎の回復量を大きくすることができない。
そこで、本発明は、前記した膨張型の異形管を一旦膨張させて径を拡大した後に、上下よりプレス圧を加えて扁平化した断面形状としたものである(図1参照)。このため、スリーブ間の形状は、管体長手方向のいずれの断面においてもその周長がほぼ同じであり、かつ当該管体断面形状がスリーブに隣接する部位が凹型断面で、スリーブに隣接する部位を除いた部分が扁平化された断面となっている(図2参照)。
ここで、「その周長がほぼ同じ」と記載した理由は、次の通りである。膨張用凹部を有する異形管は、その周長はどの断面でも同じである。そして完全に元の径の円形断面まで膨張させたときも、その周長はどの断面でも同じである。本発明では断面凹型形状の異形管を一旦膨張させ円形断面にした後に押圧成形し扁平断面形状を得ているが、膨張過程において塑性変形を伴うため膨張変形中に多少の管周長の変化が起こることが考えられる。この場合、周長はどの断面でも同じにならず、膨張量の多い部分はスリーブ隣接部に比べて僅かに長くなっている。本発明は、このような態様をも包含するものである。
このように、膨張用凹部を有する異形管を一旦膨張させて円形断面にした後に、プレスにより扁平断面形状にすることにより、単に凹部を有する場合と比べて膨張高さ、すなわち、沈下基礎の回復量を格段に大きくすることが可能になる。
本発明による鋼管は扁平加工後にほぼ円形断面まで破断せずに変形しうる変形能を有していることが求められる。このような条件を満足する材料としては凹形管から一旦概略円形断面まで膨張させた時点での伸び(JISに規定される11号引張試験片による引張り試験結果)がおおよそ40%程度である必要があり、引張強度400N/mm2級の鋼管が適用可能である。
引張強度が400N/mm2を超える高強度鋼材では伸びが40%を大きく下回ることから、扁平形状からの膨張の際に破裂を生じる虞がある。引張強度400N/mm2級の鋼管の許容応力を400N/mm2とすると、膨張時の水圧25MPaに耐えるためには鋼管の肉厚tと外径Dの比t/Dが約3%以上であることが必要となる。また、扁平加工時に極端に高さを低くすると扁平管の断面の両端の部分での曲げひずみが過大となってその部分の変形能を損ない破裂を生じる危険性があることから、扁平管の高さは管の肉厚の7倍程度以上必要である。
次に、本発明の沈下基礎修復用膨張型鋼管の製造方法について説明する。基本的には前記で説明したロックボルトと同様な方法で、まず膨張用の異形管が製造される。
中空内部に外周面の一部を折り込んだ断面凹型形状の所定長の異形管を素管とし、その両端に高水圧の付加によって変形することのない強度を有する円筒形のスリーブを装着して水密構造を有する膨張用の管体を作製する。一方のスリーブに高圧水注入孔を穿ち、この注水孔から高圧水を注入して前記凹型断面部を膨張させた後に、膨張させた管の両端のスリーブ近傍を除く部分を対向する平坦面あるいは曲面を有するプレス型に挿入して押圧成形し、前記管体長手方向のいずれの断面においてもその周長がほぼ同じであり、かつ前記管体の断面形状がスリーブに隣接する部位を除いた管体部分が扁平化された断面で構成される管体を得る。
なお、本発明の膨張型異形管の素管としては、耐食性を向上させるために内外両面に金属めっきが施されためっき鋼管を使用することが好ましい。
金属めっきとしては、Zn系めっき,Zn−Al系合金めっき(Zn−5%Alめっき,Zn−55%Al系めっき等),Zn−Al−Mg系合金めっきされたものが好ましいが、特にMg:0.05〜10質量%,Al:4〜22質量%,残部Zn及び不可避的不純物からなるZn−Al−Mg系合金めっきが施されたものが好ましい。
中空内部に外周面の一部を折り込んだ断面凹型形状の膨張用の異形管素管は、ロール成形法や、プレス成形法と引抜き法を組み合わせた方法等により成形される。
ロール成形法を採用した場合には、例えば次のような工程を経て製造される。
図3に見られるように、まず、(a)例えば高周波溶接法等で溶接された鋼管を準備し、(b)凹異形管の凹部の周方向長さと、凹部以外の周方向長さにほぼ適合するように円弧の半径並びに角度を設定した大小2種類の凸曲面よりなる断面にロール成形する(第一工程)。その後、(c)前記2種類の凸曲面の内の曲率半径の大きい面の中央表面から円盤状ロールを当て前記曲率半径の大きい面を管の内側に窪ませるようにロール成形する(第二工程)。その後さらに、(d)、(e)中央が窪み樋状に湾曲した断面の両側にロールを当て樋状開口部を狭めて管外径を小さくロール成形して(第三工程)、半径方向に窪ませたくぼみを軸方向にわたって長く形成した膨張用の異形管を製造する。
より具体的に説明すると、次のようになる。
第一の成形工程にあっては、素管Mを図4(a)に示すような曲率半径の大きい凹みをもつロール11とそれよりも曲率半径の小さいロール12とからなる成形スタンドを通す。この工程では、曲率半径を順次大きくした2段階以上の成形スタンドを通してもよい。
次に第二の成形工程にあっては、素管Mはその断面が大小2種類の凸曲面よりなるようにロールによって成形されているので、図4(b)に示すように前記第一の成形工程で使用した曲率半径の小さい凹部をもつロールと同じかそれよりも小さい曲率半径の凹部をもつロール22と端部の曲率半径が小さい円盤状の凸ロール21とからなる成形スタンド間を、前記曲率半径が大きい方の凸曲面中央に前記円盤状のロール21を押付けるように通す。この工程でも、曲率半径を順次小さくした2段階以上の成形スタンドを通してもよい。この工程での素管の断面は、中央が窪み樋状に湾曲した形状で、その外形は素管の最初の径に近い半円形状となっている。
そこで、第三の成形工程において、外径を小さくすることが必要になる。図4(c)に示す、素管Mの最初の径よりも曲率半径の小さい曲率半径の凹部を有する一対のロール31,32からなる成形スタンド間を通し、樋状開口部を狭めて管外径を小さくする。この工程にあっても、曲率半径を順次小さくした2段階以上のロール間を通しても良い。この際、ロールの曲率半径を小さくすると、管の凸部がロールギャップからはみ出して、全体の形状がいびつな形になることがあるので、図4(d)に示すように、反対側に押えロール33を配置することが好ましい。
このような方法で得られる異形管は、所定の長さに切断されて製造される。そして異形管の両端には端部開口を封止するスリーブが装着され、かつその内の一方に高圧水を注入する高圧水注入孔が穿たれる。スリーブとしては、高水圧の負荷によって変形することのない強度を有する円筒形状のものが用いられる。また、使用時の耐食性を考慮すると、素管と同様、耐食性が良好なZn系めっき,Zn−Al系合金めっき(Zn−5%Alめっき,Zn−55%Al系めっき等),Zn−Al−Mg系合金めっきが施されためっき鋼管を用いることが好ましい。或いはスリーブとしてめっきの施されていない鋼管を使用し、後述する異形管とスリーブとの溶接部とスリーブとに防錆の為の塗装を施してもよい。
異形管の両端にスリーブを装着して封止するためには、次のような態様を採ることが好ましい。すなわち、図5に示すように、膨張用凹部を有する中空異形管Mの両端に、円筒形のスリーブSを圧入して装着する。
円筒形のスリーブSを圧入した後、膨張用鋼管を構成する異形管M端部の内面を変形させるために、円柱形状部2と円錐形状部1が一体に組み合わされた形状の押圧金具Dを異形管の端部開口から圧入する。なお、この押圧金具Dとして、スリーブ内径寸法から板厚の4倍の寸法を差し引いた寸法の外径を有する円筒形状部2を有するものを用いると、円柱形状部2の作用により管端部の鋼管壁をスリーブ内壁に沿った密着状態に変形させることができる(図6参照)。
押圧金具Dを抜いた後も、異形管Mの内面同士が、平坦部を形成して密着しているとともに、異形管Mの外面はスリーブSの内面に密着されている。この状態で、異形管M同士及び異形管Mの管端とスリーブSの内面を、例えばCO2アーク溶接W等で接合する。その後、一方のスリーブSと異形管Mを貫通して高圧水注入孔Hをドリル等で穿設する(図7参照)。
なお、異形管端部とスリーブを溶接接合した後に高圧水注入孔Hを設けるとき、異形管やスリーブの寸法精度の影響により、あるいは密閉して溶接する際の加工や溶接の影響を受けた歪みの発生により、スリーブ内面と異形管外面とが密着せず、両者の間に空隙が生じている場合がある。このため、スリーブSと異形管Mの両者を貫通する流体注入孔Hの内壁を覆うように、中空の円筒状ピン(図示せず)を挿し込んでもよい。
上記のような態様で得られた断面凹型の異形管からなり、両端に先端側スリーブと注水側スリーブが装着・封止された膨張型異形管の前記注水側スリーブから高圧水を注入し、断面凹型の異形管を膨張させ、本来の円形断面形状に戻す。この時に使用する高圧水の圧力は凹形異形管を概略円形断面に戻すことができる圧力であればよく、必ずしも鋼管の許容内圧の限界に近い高圧力を負荷する必要はない。
その後、一旦膨張させた異形管の、建築物の沈下基礎の修復に用いる部分を、対向する平坦面あるいは曲面を有するプレス型内に配置し両側からプレス成形し、前記修復に用いる部分を扁平化して、扁平化された断面形状の膨張型異形管を得る。
プレス成形には、例えば、図8に示すような、基台41上に固定支持台(図示せず)を介して固定金型42と移動金型43から成るプレス型を配するとともに、当該プレス型内の前記基台41上に、バネ45等を介してパイプ支持台44を前記プレス型に対して移動自在に取り付けた装置が使用される。パイプ支持台44はパイプを金型の上下方向中央付近に位置させることができるよう、図8の上方向に設けられたストッパー(図示せず)で所定位置にバネ45によって押し付けられている。プレス型内のパイプ支持台44上にパイプPを載置し(図8(a))、移動金型43を油圧シリンダで固定金型側に強制移動させれば、パイプPは押圧され、扁平化される。移動金型43の移動時にパイプの扁平に伴う高さの増大に応じてバネ45で支持されたパイプ支持台44が退避し、パイプPは上下方向に拘束を受けることなく容易に扁平化される(図8(b))。
本発明方法で得られた膨張型鋼管と従来の膨張型異形管の沈下基礎回復能の違いを紹介する。
板厚2mmの鋼板を素材とし、高周波誘導溶接により外径54mmのパイプ(板厚/外径=3.7%)に成形した後、直ちに外径約36mmの凹型断面を有する異形鋼管を成形した。
この異形鋼管を長さ2mに切断し、両管端約100mm分を縮管金型にて直径33mmに縮管した後、一端に封止側スリーブとして外径38.1mm,肉厚2.55mm,長さ70mmのパイプを被せ、さらにポンチ圧入箇所にポンチを圧入することによって管端部を封止側スリーブに沿った密着扁平状態に成形し、溶接により封止した。縮管した異形鋼管の他端にも、同様に注水側スリーブを形成するために外径41mm,肉厚4mm,長さ70mmのパイプを被せ、さらに管端の開口にポンチを圧入することによりパイプ内壁に沿った密着扁平状態に形成し、溶接により封止した後、注水側スリーブ先端より約25mmの位置で異形管の凹部を避けて径約3mmの高圧水注入孔をスリーブの肉厚4mm及び異形管の肉厚2mmを貫通するように穿設して、膨張用鋼管を作製した。
従来例としては、上記で製造された膨張用異形管をそのまま用いた。
本発明例では、上記で製造された膨張型異形管の注水側スリーブから、膨張用の加圧水を付加し、最終的には20MPaにまで加圧して異形管の中ほど部を元の54mmの径まで膨張させた後に、膨張させた管の両端のスリーブ近傍を除く部分を対向する平坦面を有するプレス型装置に挟み、当該部分を厚さ15mmまで押圧し扁平化した。
両者を比較すると、本発明方法により得られた円形断面に膨張された後に扁平化された膨張型鋼管では、膨張により54mm−15mm=39mmの膨張高さを確保することができるのに対して、従来例である断面凹型のままの膨張型異形管では、膨張により54mm−36mm=18mmの膨張高さしか確保することができない。
本発明方法で得られた膨張型鋼管が、従来例と比べて沈下基礎回復能が格段に優れていることが理解できる。
本発明法で製造した沈下基礎修復用膨張型鋼管の形状を説明する斜視図 本発明法で製造した沈下基礎修復用膨張型鋼管の形状を説明する断面図 変形していく過程での断面形状変化を説明する図 異形管製造の各工程で使用するロール形状を説明する図 スリーブを装着した異形管端部の形状を説明する図 管端に押圧金具を押し込み、異形管端部を変形させる態様を説明する図 膨張用鋼管の端部構造を説明する図 一旦膨張させた鋼管を扁平化させる工程を概略的に説明する図

Claims (2)

  1. 中空内部に外周面の一部を折り込んだ断面凹型形状の所定長の異形管を素管とし、その両端に高水圧の付加によって変形することのない強度を有する円筒形のスリーブが装着された水密構造を有する管体の一方のスリーブに設けた高圧水注入孔から高圧水を注入して前記凹型断面部を膨張させた後に、膨張させた管の両端のスリーブ及びその近傍を除く管体部分を対向する平坦面あるいは曲面を有するプレス型に挿入して押圧成形し、前記管体長手方向のいずれの断面においてもその周長がほぼ同じであり、かつ前記管体のスリーブに隣接する部位を除いた部分の断面形状が扁平化された断面で構成される管体を得ることを特徴とする沈下基礎修復用膨張型鋼管の製造方法。
  2. 素材鋼管に、大小2種類の凸曲面よりなる断面にロール成形する工程と、前記2種類の凸曲面の内の曲率半径の大きい凸曲面の中央に円盤状ロールを当てて前記曲率半径の大きい凸曲面を管の内側に窪ませるようにロール成形する工程と、その後に中央が窪み樋状に湾曲した断面の両側にロールを当てて樋状開口部を狭めて管外径を小さくロール成形する工程を経て断面凹型形状に成形した後、所定寸法に裁断した異形管を素管とする請求項1に記載の沈下基礎修復用膨張型鋼管の製造方法。
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