次に、本発明の実施形態について、いくつかの具体的な例を挙げて説明する。
(1)第1実施形態
まず、第1実施形態について説明する。
[システム全体の構成]
図1は、本発明の一実施形態に相当するMFP(Multi Function Product)を備えたネットワークシステムを示すブロック図である。
図1に示すネットワークシステムは、MFP1、ルーター2、テレビ3、オーディオ機器4などを備え、これらの機器がLAN(Local Area Network)5を介して相互に通信できるように構成されている。また、MFP1は、LAN5およびルーター2を介してインターネット回線6に接続可能で、さらに、PSTN(Public Switched Telephone Networks)回線7にも接続されている。
MFP1は、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、電話機能、ネットワーク通信機能などを備えた複合機である。このMFP1が備える電話機能としては、インターネット回線6を利用するIP電話機能、およびPSTN回線7を利用するアナログ電話機能を備えている。なお、IP電話機能およびアナログ電話機能は、いずれか一方のみを備えていてもよく、IP電話機能のみを備える場合は、PSTN回線7に接続されていない構成となっていてもよい。
ルーター2は、ルーター2を介して接続された一方のネットワークから他方のネットワークへデータを中継する機能を備えた機器で、本実施形態においては、ルーター2がLAN5側とインターネット回線6側との間でやり取りされるデータを中継している。
テレビ3は、映像出力機能、音声出力機能、およびネットワーク通信機能などを備える機器で、本発明でいう第2通信装置の一例に相当するものである。
オーディオ機器4は、音声出力機能、およびネットワーク通信機能などを備える機器で、このオーディオ機器4も、本発明でいう第2通信装置の一例に相当するものである。
LAN5は、IEEE802.3系の規格(IEEE802.3/IEEE802.3u等)に準拠した有線ネットワーク機器群(ルーター、ハブ、ケーブル等)、もしくは、IEEE802.11系の規格(IEEE802.11a/IEEE802.11b/IEEE802.11g等)に準拠した無線ネットワーク機器群(いわゆる無線LAN対応機器)によって構成されたものである。上記有線ネットワーク機器群および無線ネットワーク機器群は、いずれか一方のみが採用されていてもよいし、無線ネットワークと有線ネットワークとを中継する機器があれば、双方が混在するかたちで採用されてもよい。
インターネット回線6、およびPSTN回線7には、それぞれ通信先の機器となるIP電話機8やアナログ電話機9などが接続され、MFP1は、これらIP電話機8やアナログ電話機9と通信できるようになっている。なお、これらIP電話機8やアナログ電話機9は、本発明でいう第1通信装置の一例に相当する機器である。
また、インターネット回線6とPSTN回線7は、ゲートウェイを介して相互に接続され、これにより、MFP1がIP電話機能を利用する場合でも、インターネット回線6経由でPSTN回線7に接続してアナログ電話機9と通信したり、MFP1がアナログ電話機能を利用する場合でも、PSTN回線7経由でインターネット回線6に接続してIP電話機8と通信したりすることができるようになっている。したがって、MFP1がIP電話機能またはアナログ電話機能のいずれか一方のみを備えている場合でも、MFP1はIP電話機8およびアナログ電話機9のどちらとでも通信することができる。
なお、図1においては図示を省略してあるが、インターネット回線6およびPSTN回線7の各回線は、さらに携帯電話網などの他の回線ともゲートウェイを介して相互に接続されており、他の回線に接続される電話機(例えば、携帯電話機)とも、インターネット回線6経由またはPSTN回線7経由で通信できるようになっている。この場合、他の回線に接続される電話機(例えば、携帯電話機)も、本発明でいう第1通信装置の一例に相当する機器となる。
さて、以上説明した各機器の内、MFP1、テレビ3、およびオーディオ機器4は、いずれもDLNA(登録商標)ガイドライン準拠の機器(以下、DLNA(登録商標)機器と称する)として構成されている。DLNA(登録商標)機器には、サーバーとして機能する機器やプレイヤーとして機能する機器などがあり、動画や静止画などの映像コンテンツや音楽などの音声コンテンツをサーバー側からプレイヤー側へと送信してプレイヤー側で再生できるように構成されている。
このような機能を実現するため、DLNA(登録商標)機器は、いずれも上記LAN5を介して通信を行うネットワーク通信機能を備えている。より詳しくは、サーバーとプレイヤーとの間で情報交換および情報伝達を行う際には、通信プロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を利用し、HTTP(HyperText Transfer Protocol)を利用して制御メッセージの交換やファイル転送を実行するようになっている。
また、機器間において交換ないし伝達される情報は、XML(eXtensible Markup Language)によって記述され、この情報に基づいて、例えば、静止画と音声を同期させてプレイヤー側で再生させたり、テキストメッセージと音声同期させてプレイヤー側で再生させたりといった制御を実施できるようになっている。
さらに、DLNA(登録商標)機器は、いずれもUPnP(登録商標)(Universal Plug and Play)機能を備えており、DLNA(登録商標)機器が上記LAN5に接続された場合は、互いの機器を自動認識するように構成されている。
なお、これらDLNA(登録商標)で採用されている通信プロトコルの仕様やUPnP(登録商標)の仕様そのものは公知なので、これ以上の詳細な説明については省略する。
本実施形態において、MFP1は、DLNA(登録商標)ガイドライン準拠のサーバー機能およびプレイヤー機能の双方を備えた機器として構成されている。また、テレビ3およびオーディオ機器4は、DLNA(登録商標)ガイドライン準拠のプレイヤー機能を備えた機器として構成されている。したがって、プレイヤーに相当するテレビ3は、サーバーに相当するMFP1から配信される映像および音声を再生することができる。また、プレイヤーに相当するオーディオ機器4は、サーバーに相当するMFP1から配信される音声を再生することができる。
なお、オーディオ機器4は、テレビ3とは異なり、MFP1から配信される映像を再生する機能は備えていないが、テキストデータを表示する程度の表示機能は備えている。この表示機能は、MFP1から音声とともにテキストメッセージが配信された場合に利用され、配信されたテキストメッセージをオーディオ機器4において表示することができる。
[MFPの内部構成]
次に、MFP1の内部構成について説明する。
MFP1は、CPU11、ROM12、RAM13、パネル部14、読取部15、印刷部16、LAN制御部17、NCU18、FAX MODEM/音声CODEC19、ハンドセット20、本体スピーカ21、および記憶部22などを備えている。
CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムに従って、MFP1各部に対する制御及び各種演算を実行する装置である。
ROM12は、MFP1を制御するために必要なプログラムやデータを記憶している読み出し専用の記憶装置である。
RAM13は、主にCPU11による演算に伴って発生する各種データを記憶する記憶装置である。
パネル部14は、利用者がMFP1に各種指令を与えるために操作するキーやタッチパネルによって構成される入力装置と、利用者に対して各種情報を提示するために設けられた液晶ディスプレイなどの表示装置とによって構成されている。
読取部15は、スキャナ機能による画像の読取、ファクシミリ機能による送信画像の読取等を行う際に作動する装置である。
印刷部16は、プリンタ機能による画像の印刷、ファクシミリ機能による受信画像の印刷、コピー機能によるコピー画像の印刷等を行う際に作動する装置である。
LAN制御部17は、LAN5を介して他の機器(テレビ3やオーディオ機器4)とデータ通信を実施したり、LAN5、ルーター2,およびインターネット回線6を介して、インターネット回線6側に存在する機器とデータ通信を実施したりするための装置である。
NCU18は、PSTN回線7を介して他の電話機との通信を実施するための装置である。なお、MFP1がIP電話機能のみを備え、アナログ電話機能を備えていない場合、NCU18は不要である。
FAX MODEM/音声CODEC19は、PSTN回線7を介してファクシミリ画像の送受信を行ったり音声通信を行ったりするための装置である。MODEM/音声CODEC19が備える音声CODEC(以下、内蔵音声CODECと称する)は、MFP1が備える電話機能に対応したものが設けられる。具体的には、MFP1がIP電話機能を備える場合、内蔵音声CODECとしては、μ−Law方式またはA−Law方式の音声CODEC等が採用される。また、MFP1がアナログ電話機能を備える場合、内蔵音声CODECとしては、ADPCM方式の音声CODEC等が採用される。
なお、本実施形態においては、MFP1においてMP3(MPEG Audio Layer-3)形式の音声データを処理するため、MFP1は、FAX MODEM/音声CODEC19以外に、ソフトウェアのMP3CODECを備えている。ただし、このMP3CODECについても、FAX MODEM/音声CODEC19同様、ハードウェアとして搭載された構成としてもよい。
ハンドセット20は、MFP1の電話機能を利用して通話を行う際に利用者が手に持って使用する送受話器で、送話のために使用されるマイクと、受話のために使用されるスピーカが組み込まれている。
本体スピーカ21は、ハンドセット20を利用することなく受話音声を聞き取りたい場合に使用されるものである。
記憶部22は、ハードディスク装置等によって構成されたもので、RAM13だけでは記憶しきれないような比較的大きいサイズのデータや、電力供給が遮断されたときにも消失させたくないデータなどを記憶する際に利用されるようになっている。なお、RAM13の記憶容量が十分大きい場合には、サイズの大きいデータもRAM13に記憶可能なため、記憶部22を設けなくてもよい。
[MFPが実行する処理の概要]
次に、MFP1が実行する処理の概要について、図2に基づいて説明する。
図2は、MFP1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。この処理は、MFP1が起動された直後に実行されて、その後は、繰り返し実行される処理となる。
この処理を開始すると、MFP1は、まず、電話着信ありか否かを判断する(S10)。ここで、他の電話機(本発明でいう第1通信装置に相当)からの着信があれば、電話着信ありと判断することになり(S10:YES)、その場合は、電話着信処理を実行する(S15)。この電話着信処理の詳細については後述する。そして、電話着信処理を終了したらS10の処理へと戻り、再びS10以降の処理を繰り返すことになる。
また、S10の処理において、電話着信なしと判断した場合(S10:NO)、MFP1は、留守番電話/音楽再生指示ありか否かを判断する(S20)。ここで、利用者がパネル部14での操作により、MFP1の留守番電話機能によって録音された入来メッセージの再生、もしくは、MFP1の記憶部22に記憶された音楽の再生を指示していれば、留守番電話/音楽再生指示ありと判断することになり(S20:YES)、その場合は、留守番電話/音楽再生処理を実行する(S25)。この留守番電話/音楽再生処理の詳細については後述する。そして、留守番電話/音楽再生処理を終了したらS10の処理へと戻り、再びS10以降の処理を繰り返すことになる。
また、S20の処理において、留守番電話/音楽再生指示なしと判断した場合(S20:NO)、MFP1は、ファイル一覧転送要求ありか否かを判断する(S30)。ここで、利用者がテレビ3またはオーディオ機器4で所定の操作を行うことにより、テレビ3またはオーディオ機器4からMFP1へファイル一覧転送要求が送信されていれば、ファイル一覧転送要求ありと判断することになり(S30:YES)、その場合は、ファイル一覧転送処理を実行する(S35)。このファイル一覧転送処理の詳細については後述する。そして、ファイル一覧転送処理を終了したらS10の処理へと戻り、再びS10以降の処理を繰り返すことになる。
また、S30の処理において、ファイル一覧転送要求なしと判断した場合(S30:NO)、MFP1は、ファイル送信要求ありか否かを判断する(S40)。ここで、利用者がテレビ3またはオーディオ機器4で所定の操作を行うことにより、テレビ3またはオーディオ機器4からMFP1へファイル送信要求が送信されていれば、ファイル送信要求ありと判断することになり(S40:YES)、その場合は、ファイル送信処理を実行する(S45)。このファイル送信処理の詳細については後述する。そして、ファイル送信処理を終了したらS10の処理へと戻り、再びS10以降の処理を繰り返すことになる。
さらに、S40の処理において、ファイル送信要求なしと判断した場合(S40:NO)、MFP1は、その他の処理を実行する(S50)。その他の処理としては、MFP1が備える各種機能に対応した処理、例えば、スキャナ機能関連の処理やプリンタ機能関連の処理などを考えることができるが、これらは本発明の要部とは直接関連しない処理となるので、これ以上の詳細な説明については省略する。そして、その他の処理を終了した場合もS10の処理へと戻り、再びS10以降の処理を繰り返すことになる。
なお、以上説明した処理は、図示の都合上、S10,S20,S30,S40などの判断処理を定期的に繰り返すようなフローチャートとなっているが、他の方法で同等な処理を実現しても構わない。例えば、S10,S20,S30,S40の各処理で肯定判断がなされるようなイベントが発生した場合に、そのイベントに対応した割り込み処理として、S15,S25,S35,S45の各処理を実行するように構成しても、図2に示した処理と同等な処理を実現することができる。
[電話着信処理]
次に、上記S15の処理に相当する電話着信処理について、図3に基づいて説明する。
図3は、MFP1が実行する電話着信処理を示すフローチャートである。
電話着信処理を開始すると、MFP1は、まず、利用者が電話に出るか否かを判断する(S110)。具体的には、他の電話機からの着信後、所定回数の呼び出し音が鳴るまでに(もしくは、所定時間が経過するまでに)、MFP1が備えるハンドセット20が利用者によって持ち上げられ、そのことをハンドセット20の有無によってオン/オフが切り替わるフックスイッチで検出したら(もしくは、ハンドセット20を持ち上げることなく通話を開始するためのスイッチ操作がなされたことを検出したら)、S110の処理では、利用者が電話に出るとの判断がなされる。逆に、そのような判断がなされるような操作が行われないまま、他の電話機からの着信後、所定回数の呼び出し音が鳴ったら(もしくは、所定時間が経過したら)、S110の処理では、利用者が電話に出ないとの判断がなされる。
S110の処理において、電話に出るとの判断がなされた場合(S110:YES)、MFP1は、通常通話を行うための処理を実行する(S115)。S115の処理では、呼び出し音を停止させる処理、他の電話機との回線接続のための処理、通話終了操作を検出したら他の電話機との回線切断を行う処理などを実行することになるが、これらの処理は、一般的な電話機においても実行される周知の処理なので、これ以上の詳細な説明については省略する。そして、S115の処理を終了したら、図3に示した電話着信処理を終了する。
一方、S110の処理において、電話に出ないとの判断がなされた場合(S110:NO)、MFP1は、応答メッセージを再生する(S120)。この応答メッセージは、通信先となる他の電話機へと送出されることになる。
S120の処理を終えたら、MFP1は、受信日時を録音する(S125)。受信日時は、MFP1が内蔵する時計から日付および時刻が取得され、その日付および時刻を読み上げる音声が合成される。そして、合成された音声データがRAM13に記憶され、これにより、受信日時が録音されたことになる。
続いて、MFP1は、相手先電話番号ありか否かを判断する(S130)。相手先電話番号は、アナログ電話の場合、電話会社が提供する発信番号通知サービス(例えば、東日本電信電話株式会社または西日本電信電話株式会社が提供するサービス「ナンバー・ディスプレイ(登録商標)」)に加入していれば、相手先電話番号を取得することができる。また、IP電話の場合は、URI(Uniform Resource Identifier)より、相手先電話番号を取得することができる。
S130の処理において、相手先電話番号ありの場合(S130:YES)、MFP1は、送信元情報(相手先電話番号又は相手の名前)を録音する(S135)。具体的には、送信元情報として相手先電話番号を録音する場合であれば、送信元から通知された相手先電話番号を読み上げる音声が合成される。また、送信元情報として相手の名前を録音する場合であれば、送信元から通知された相手先電話番号をキーにしてMFP1が記憶しているアドレス帳をサーチすることにより、アドレス帳に登録された名前を検出し、その名前を読み上げる音声が合成される。そして、合成された音声データがRAM13に記憶され、これにより、送信元情報が録音されたことになる。
こうしてS135の処理を終えたら、S140の処理へと進む。また、S130の処理において、相手先電話番号なしの場合(S130:NO)、S135の処理はスキップされて、S140の処理へと進む。
S140の処理では、通信先となる他の電話機から送信されてくる入来メッセージを録音する(S140)。そして、S125の処理で録音された受信日時、S135の処理で録音された送信元情報、およびS140の処理で録音された入来メッセージを、1件分のメッセージとして記憶部22に記憶して(S145)、図3に示した電話着信処理を終了する。
S145の処理によって記憶部22に記憶されるメッセージは、アナログ電話の場合、MFC1においてADPCM方式等で符号化された音声データが記憶される。また、IP電話の場合、μ−Law方式またはA−Law方式等で符号化された音声データが通信先となる他の電話機から送信されてくるので、その音声データがそのまま記憶されることになる。
また、S145の処理によって記憶部22に記憶されるメッセージは、MFP1の記憶部22内に設けられた「留守番電話データフォルダ」内のファイルとして保存される。より詳しくは、MFP1の記憶部22には、図4に示すように、「Audioフォルダ」、「Imageフォルダ」、「Videoフォルダ」などのフォルダ群が設けられている。そして、その中の「Audioフォルダ」内に、「MUSICデータフォルダ」、「留守番電話データフォルダ」などが設けられ、この「留守番電話データフォルダ」内に、「文字列“TEL”+連番.拡張子」という形式のファイル名で、S145の処理によって記憶されるメッセージが保存されるようになっている。図4に例示したファイルの場合、拡張子が“ADPCM”となっており、この拡張子からADPCM方式で符号化された音声データであることが識別できるようになっている。なお、「MUSICデータフォルダ」、「Imageフォルダ」、「Videoフォルダ」には、MP3形式の音楽ファイル、JPEG形式の静止画ファイル、MPEG形式の動画ファイルなどが格納されている。これらのファイルは、MFP1がサーバーとして機能した際に、プレイヤー(テレビ3やオーディオ機器4)に対して送信するために用意されたファイルである。
[留守番電話/音楽再生処理]
次に、上記S25の処理に相当する留守番電話/音楽再生処理について、図5に基づいて説明する。
図5は、MFP1が実行する留守番電話/音楽再生処理を示すフローチャートである。
留守番電話/音楽再生処理を開始すると、MFP1は、まず、再生するのは留守番電話データか否かを判断する(S210)。留守番電話データを再生すべきか、音楽データを再生すべきかは、利用者がパネル部14において所定の操作を行うことによって指示するので、MFP1は、パネル部14においてなされた操作に基づいて、再生するのは留守番電話データか音楽データかを判断することになる。
S210の処理において、再生するのは留守番電話データであると判断した場合(S210:YES)、MFP1は、留守番電話データのデータ形式を変換せず、内蔵音声CODEC(FAX MODEM/音声CODEC19)を利用して、留守番電話データを再生する(S215)。その結果、利用者は、ハンドセット20が備えるスピーカまたは本体スピーカ21を利用して、留守番電話データとして記録された音声を聴くことができる。
一方、S210の処理において、再生するのは留守番電話データではないと判断した場合(S210:NO)、MFP1は、音楽データのデータ形式を、DLNA(登録商標)対応形式(本実施形態の場合はMP3形式)から、内蔵音声CODECに対応したデータ形式に変換して、内蔵音声CODECを利用して、変換された音声データを再生する(S220)。その結果、利用者は、ハンドセット20が備えるスピーカまたは本体スピーカ21を利用して、音楽データとして記録された音楽を聴くことができる。
こうしてS215またはS220の処理を終えたら、留守番電話/音楽再生処理を終了する。
[ファイル一覧転送処理]
次に、上記S35の処理に相当するファイル一覧転送処理について、図6に基づいて説明する。
図6は、MFP1が実行するファイル一覧転送処理を示すフローチャートである。
ファイル一覧転送処理を開始すると、MFP1は、DLNA(登録商標)対応形式のデータについてはファイル名をそのままとし、留守番電話データについてはファイル名中の拡張子をDLNA(登録商標)対応形式の拡張子(本実施形態の場合は“MP3”)に置換して、データ一覧をDLNA(登録商標)機器に送信する(S310)。
このS310の処理によって送信されるデータ一覧は、図7に示すようなデータ一覧となる。具体的には、拡張子が“MP3”、“JPEG”、“MPEG”となっているファイルについては、DLNA(登録商標)対応形式のデータに相当するので、S310の処理では、ファイル名をそのままとする。一方、拡張子が“ADPCM”となっている留守番電話データのファイルについては、ファイル名中の拡張子が“ADPCM”から“MP3”に置換される。そして、これらのファイル名一覧が、送信先となるDLNA(登録商標)機器へと送信される。
ここで、送信先がテレビ3となる場合であれば、図7に示すようなデータ一覧がテレビ3の画面に表示される。このテレビ3は、DLNA(登録商標)対応形式のデータについては、再生可能なコンテンツであると認識し、図7に示した例で言えば、拡張子が“MP3”、“JPEG”、“MPEG”となっているファイルについては、再生可能なコンテンツであると認識する。一方、テレビ3は、ADPCM形式のデータについて、通常は、再生可能なコンテンツであるとは認識しないため、拡張子が“ADPCM”となっているファイルについては、再生可能なコンテンツであると認識しない。
しかし、S310の処理では、拡張子が“ADPCM”となっているファイルについて、拡張子を“MP3”に置換したデータ一覧を送信しているので、テレビ3側では、テレビ3において再生可能なMP3形式の留守番電話データが存在するものと認識する。つまり、S310の処理を実行する時点において、実際には、MFP1側にADPCM形式の留守番電話データしか存在しないものの、データ一覧としては、MFP1側にMP3形式の留守番電話データが存在する旨をテレビ3に通知することになる。
なお、以上のようなS310の処理を終えたら、ファイル一覧転送処理を終了する。
[ファイル送信処理]
次に、上記S45の処理に相当するファイル送信処理について、図8に基づいて説明する。
図8は、MFP1が実行するファイル送信処理を示すフローチャートである。
ファイル送信処理を開始すると、MFP1は、まず、送信するのは留守番電話データであるか否かを判断する(S410)。留守番電話データを送信すべきか否かは、要求元となったテレビ3またはオーディオ機器4から送信されてくるファイル送信要求に基づいて判断することができる。
例えば、テレビ3において、図7に示すようなデータ一覧を表示した後、利用者がテレビ3側で所定の操作を行うことにより、データ一覧の中にある1つのコンテンツを選択すると、そのコンテンツの送信を要求するファイル送信要求が、テレビ3側からMFP1側へと送信される。このファイル送信要求の中には、送信を要求するファイル名が含まれているので、MFP1側では、ファイル名に基づいて、送信するのは留守番電話データであるか否かを判断することができる。なお、テレビ3側ではデータ一覧の中にあるコンテンツを選択しているので、テレビ3側で選択された留守番電話データのファイル名は、拡張子がMP3に置換されたファイル名となっている。
S410の処理において、送信するのは留守番電話データであると判断した場合(S410:YES)、MFP1は、ADPCM形式で保存されている留守番電話データをDLNA(登録商標)対応形式(本実施形態の場合はMP3)に変換し、変換されたデータをDLNA(登録商標)機器へと送信する(S415)。
一方、S410の処理において、送信するのは留守番電話データではないと判断した場合(S410:NO)、MFP1は、DLNA(登録商標)対応形式(本実施形態の場合は、拡張子が“MP3”、“JPEG”、または“MPEG”のいずれか)のファイルを送信することになるので、データ形式を変換せず、そのままDLNA(登録商標)機器へと送信する(S420)。
こうしてS415またはS420の処理を終えたら、ファイル送信処理を終了する。
[第1実施形態の効果]
以上説明したように、上記MFP1によれば、IP電話機8やアナログ電話機9から送信されてくる入来メッセージは、S145の処理により、テレビ3やオーディオ機器4では再生不能な内蔵音声CODEC対応形式(ADPCM形式、μ−Law形式、またはA−Law形式;本発明でいう第1形式に相当)の音声データとして記憶部22に記憶される。しかし、S415の処理においては、内蔵音声CODEC対応形式の音声データがDLNA(登録商標)対応形式(MP3形式;本発明でいう第2形式に相当)の音声データに変換されて、DLNA(登録商標)対応形式の音声データがテレビ3やオーディオ機器4へと送信される。したがって、内蔵音声CODEC対応形式の音声データをそのままテレビ3やオーディオ機器4へ送信するようなものとは異なり、テレビ3やオーディオ機器4ではDLNA(登録商標)対応形式の音声データを再生することができ、これにより、MFP1において録音された入来メッセージを、テレビ3やオーディオ機器4において再生することができるようになる。
また、第1実施形態において、MFP1は、S40およびS410の処理を経て、S415の処理を実行した時点で、内蔵音声CODEC対応形式の音声データをDLNA(登録商標)対応形式の音声データに変換するので、テレビ3やオーディオ機器4から音声送信要求が送信されてくるか否かが定かではないにもかかわらず、事前に変換処理を実施してしまうようなことはない。したがって、テレビ3やオーディオ機器4からの要求があった場合にのみ変換を行えばよく、テレビ3やオーディオ機器4からの要求がなかった場合には変換を行わなくてもよいので、無駄になる変換作業を行わなくてもよくなり、その分、MFP1にかかる負荷が軽減され、変換のために必要となるリソースを無駄に消費することがない。
また、第1実施形態において、MFP1は、S310の処理により、記憶部22に記憶された留守番電話データに係る情報(本発明でいう第1形式の音声データに係る情報)を、DLNA(登録商標)対応形式の音声データに係る情報に変換したデータ一覧(本発明でいう送信候補情報)を生成し、生成されたデータ一覧をテレビ3やオーディオ機器4へ送信している。したがって、テレビ3やオーディオ機器4側では、テレビ3やオーディオ機器4にて音声データが再生可能であることを認識できる。
しかも、テレビ3やオーディオ機器4は、そのデータ一覧に基づいてMFP1に対して音声送信要求を送信することができ、MFP1は、音声送信要求が送信されてきたことを条件として、S415の処理により、音声データをDLNA(登録商標)対応形式に変換するので、テレビ3やオーディオ機器4からの要求があった場合にのみ変換を行えばよく、テレビ3やオーディオ機器4からの要求がなかった場合には変換を行わなくてもよい。
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は、MFP1において実行される処理の内容が第1実施形態とは相違するものの、ハードウェアの構成やネットワークの構成は第1実施形態と同様なので、以下の説明では、第1実施形態との相違点について詳細に説明することにし、第1実施形態と差異のない構成については、その説明を省略する。
[電話着信処理]
以下に説明する電話着信処理は、第1実施形態において説明したS15の処理に相当する処理であり、図3に示した電話着信処理の代わりに採用される処理である。
図9は、第2実施形態においてMFP1が実行する電話着信処理を示すフローチャートである。
以下に説明する処理の内、S510〜S545の処理は、S110〜S145と同等な処理なので、簡潔に説明する。
すなわち、電話着信処理を開始すると、MFP1は、まず、利用者が電話に出るか否かを判断する(S510)。S510の処理において、電話に出るとの判断がなされた場合(S510:YES)、MFP1は、通常通話を行うための処理を実行し(S515)、図9に示した電話着信処理を終了する。
一方、S510の処理において、電話に出ないとの判断がなされた場合(S510:NO)、MFP1は、応答メッセージを再生する(S520)。そして、受信日時を録音し(S525)、相手先電話番号ありか否かを判断し(S530)、相手先電話番号ありの場合は(S530:YES)、送信元情報を録音して(S535)、S540の処理へと進む。また、S530の処理において、相手先電話番号なしの場合は(S530:NO)、S535の処理はスキップされて、S540の処理へと進む。
S540の処理では、通信先となる他の電話機から送信されてくる入来メッセージを録音する(S540)。そして、S525の処理で録音された受信日時、S535の処理で録音された送信元情報、およびS540の処理で録音された入来メッセージを、1件分のメッセージとして記憶部22に記憶する(S545)。
こうしてS545の処理を終えたら、S525の処理で録音された受信日時、S535の処理で録音された送信元情報、およびS540の処理で録音された入来メッセージを、さらに、DLNA(登録商標)対応形式に変換して記憶部22に保存する(S550)。このS550の処理は、第1実施形態では実行していない処理であり、第1実施形態とは相違する部分に該当する。
また、S545の処理によって記憶部22に記憶されるメッセージは、第1実施形態において説明した通り、MFP1の記憶部22内に設けられた「留守番電話データフォルダ」内のファイルとして保存される。そして、S550の処理によって記憶部22に記憶されるメッセージも、MFP1の記憶部22内に設けられた「留守番電話データフォルダ」内のファイルとして保存される。
より詳しくは、図10に示すように、MFP1の記憶部22には、第1実施形態において既に説明した通り、「Audioフォルダ」、「Imageフォルダ」、「Videoフォルダ」などのフォルダ群が設けられ、その中の「Audioフォルダ」内に、「留守番電話データフォルダ」などが設けられている。
そして、この「留守番電話データフォルダ」内に、「文字列“TEL”+連番.拡張子」という形式のファイル名で、S545およびS550の処理によって記憶されるメッセージが保存されるが、S545の処理で保存されるメッセージは、拡張子が“ADPCM”、S550の処理で保存されるメッセージは、拡張子が“MP3”となる。
つまり、「留守番電話データフォルダ」内には、同一内容の入来メッセージが、ADPCM形式およびMP3形式にて二重に保存されることになる。
[留守番電話/音楽再生処理]
次に、第1実施形態において説明したS25の処理に相当する留守番電話/音楽再生処理について、図11に基づいて説明する。
図11は、第2実施形態においてMFP1が実行する留守番電話/音楽再生処理を示すフローチャートである。
留守番電話/音楽再生処理を開始すると、MFP1は、まず、再生するのは留守番電話データか否かを判断する(S610)。このS610の処理は、上記S210の処理と同等な処理となる。
S610の処理において、再生するのは留守番電話データであると判断した場合(S610:YES)、MFP1は、2種類の形式で保存された留守番電話データの内、内蔵音声CODEC(FAX MODEM/音声CODEC19)に対応した形式の留守番電話データを選択して、選択した留守番電話データを、内蔵音声CODECを利用して再生する(S615)。その結果、利用者は、ハンドセット20が備えるスピーカまたは本体スピーカ21を利用して、留守番電話データとして記録された音声を聴くことができる。
一方、S610の処理において、再生するのは留守番電話データではないと判断した場合(S610:NO)、MFP1は、音楽データのデータ形式を、DLNA(登録商標)対応形式(本実施形態の場合はMP3形式)から、内蔵音声CODECに対応したデータ形式に変換して、内蔵音声CODECを利用して、変換された音声データを再生する(S620)。このS620の処理は、S220の処理と同等な処理となる。
こうしてS615またはS620の処理を終えたら、留守番電話/音楽再生処理を終了する。
以上の通り、第1実施形態においては、1種類の形式のみで留守番電話データが保存されていたので、その留守番電話データを再生していたが、第2実施形態においては、2種類の形式で留守番電話データが保存されるので、内蔵音声CODECに対応した形式の留守番電話データを選択して、選択した留守番電話データを再生する。
[ファイル一覧転送処理]
次に、第1実施形態において説明したS35の処理に相当するファイル一覧転送処理について、図12に基づいて説明する。
図12は、第2実施形態においてMFP1が実行するファイル一覧転送処理を示すフローチャートである。
ファイル一覧転送処理を開始すると、MFP1は、DLNA(登録商標)対応形式のデータについてはファイル名をそのままとし、留守番電話データについては、2種類の形式で保存されたデータの内、DLNA(登録商標)対応形式の拡張子(本実施形態の場合は“MP3”)を持つファイル名だけを選択して、データ一覧をDLNA(登録商標)機器に送信する(S710)。
このS710の処理によって送信されるデータ一覧は、図7に示すようなデータ一覧となる。具体的には、拡張子が“MP3”、“JPEG”、“MPEG”となっているファイルについては、DLNA(登録商標)対応形式のデータに相当するので、S710の処理では、ファイル名をそのままとする。一方、留守番電話データについては、図10に示した通り、異なる拡張子のファイルが二重に保存されているものの、拡張子が“MP3”となっている留守番電話データのファイルのみが選択される。そして、これらのファイル名一覧が、送信先となるDLNA(登録商標)機器へと送信される。
したがって、例えば、送信先がテレビ3となる場合であれば、図7に示すようなデータ一覧がテレビ3の画面に表示されることになり、以下は、第1実施形態同様、テレビ3側では、DLNA(登録商標)対応形式のデータについては、再生可能なコンテンツであると認識し、図7に示した例で言えば、拡張子が“MP3”、“JPEG”、“MPEG”となっているファイルについては、再生可能なコンテンツであると認識することになる。
なお、以上のようなS710の処理を終えたら、ファイル一覧転送処理を終了する。
[ファイル送信処理]
次に、第1実施形態において説明したS45の処理に相当するファイル送信処理について、図13に基づいて説明する。
図13は、第2実施形態においてMFP1が実行するファイル送信処理を示すフローチャートである。
ファイル送信処理を開始すると、MFP1は、まず、送信するのは留守番電話データであるか否かを判断する(S810)。このS810の処理は、上記S410の処理と同等な処理となる。
S810の処理において、送信するのは留守番電話データであると判断した場合(S810:YES)、MFP1は、2種類のデータ形式で保存されている留守番電話データの中から、DLNA(登録商標)対応形式(本実施形態の場合はMP3)のデータを選択し、選択したデータをDLNA(登録商標)機器へと送信する(S815)。
一方、S810の処理において、送信するのは留守番電話データではないと判断した場合(S810:NO)、MFP1は、DLNA(登録商標)対応形式(本実施形態の場合は、拡張子が“MP3”、“JPEG”、または“MPEG”のいずれか)のファイルを送信することになるので、データ形式を変換せず、そのままDLNA(登録商標)機器へと送信する(S820)。
こうしてS815またはS820の処理を終えたら、ファイル送信処理を終了する。
[第2実施形態の効果]
以上説明したように、上記MFP1によれば、IP電話機8やアナログ電話機9から送信されてくる入来メッセージは、S545の処理により、テレビ3やオーディオ機器4では再生不能な内蔵音声CODEC対応形式(ADPCM形式、μ−Law形式、またはA−Law形式;本発明でいう第1形式に相当)の音声データとして記憶部22に記憶される。しかし、S550の処理により、DLNA(登録商標)対応形式(MP3形式;本発明でいう第2形式に相当)の音声データとしても記憶部22に記憶され、このDLNA(登録商標)対応形式の音声データが、S815の処理により、テレビ3やオーディオ機器4へと送信される。したがって、内蔵音声CODEC対応形式の音声データをそのままテレビ3やオーディオ機器4へ送信するようなものとは異なり、テレビ3やオーディオ機器4ではDLNA(登録商標)対応形式の音声データを再生することができ、これにより、MFP1において録音された入来メッセージを、テレビ3やオーディオ機器4において再生することができるようになる。
また、第2実施形態において、MFP1は、テレビ3やオーディオ機器4からの送信要求があるか否かを問わず、S550の処理により、入来メッセージをDLNA(登録商標)対応形式の音声データとして記憶部22に記憶するので、テレビ3やオーディオ機器4からの送信要求があった時点で変換を始めなくても、直ちにDLNA(登録商標)対応形式の音声データをテレビ3やオーディオ機器4へ送信することができる。
(3)第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態も、MFP1において実行される処理の内容が第1実施形態や第2実施形態とは相違するものの、ハードウェアの構成やネットワークの構成は第1実施形態と同様なので、以下の説明では、第1実施形態および第2実施形態との相違点について詳細に説明することにし、第1実施形態や第2実施形態と差異のない構成については、その説明を省略する。
[MFPが実行する処理の概要]
まず、第3実施形態においてMFP1が実行する処理の概要について、図14に基づいて説明する。図14に示す処理は、第1実施形態において図2に示した処理の代わりに採用される処理である。
以下に説明する処理の内、S910〜S945の処理は、S10〜S45と同等な処理なので、簡潔に説明する。
この処理を開始すると、MFP1は、まず、電話着信ありか否かを判断する(S910)。ここで、他の電話機からの着信があれば、電話着信ありと判断することになり(S910:YES)、その場合は、電話着信処理を実行する(S915)。そして、電話着信処理を終了したらS910の処理へと戻り、再びS910以降の処理を繰り返す。
また、S910の処理において、電話着信なしと判断した場合(S910:NO)、MFP1は、留守番電話/音楽再生指示ありか否かを判断する(S920)。ここで、利用者がパネル部14での操作により、MFP1の留守番電話機能によって録音された入来メッセージの再生、もしくは、MFP1の記憶部22に記憶された音楽の再生を指示していれば、留守番電話/音楽再生指示ありと判断することになり(S920:YES)、その場合は、留守番電話/音楽再生処理を実行する(S925)。そして、留守番電話/音楽再生処理を終了したらS910の処理へと戻り、再びS910以降の処理を繰り返す。
また、S920の処理において、留守番電話/音楽再生指示なしと判断した場合(S920:NO)、MFP1は、ファイル一覧転送要求ありか否かを判断する(S930)。ここで、利用者がテレビ3またはオーディオ機器4で所定の操作を行うことにより、テレビ3またはオーディオ機器4からMFP1へファイル一覧転送要求が送信されていれば、ファイル一覧転送要求ありと判断することになり(S930:YES)、その場合は、ファイル一覧転送処理を実行する(S935)。そして、ファイル一覧転送処理を終了したらS910の処理へと戻り、再びS910以降の処理を繰り返す。
また、S930の処理において、ファイル一覧転送要求なしと判断した場合(S930:NO)、MFP1は、ファイル送信要求ありか否かを判断する(S940)。ここで、利用者がテレビ3またはオーディオ機器4で所定の操作を行うことにより、テレビ3またはオーディオ機器4からMFP1へファイル送信要求が送信されていれば、ファイル送信要求ありと判断することになり(S940:YES)、その場合は、ファイル送信処理を実行する(S945)。そして、ファイル送信処理を終了したらS910の処理へと戻り、再びS910以降の処理を繰り返す。
また、S940の処理において、ファイル送信要求なしと判断した場合(S940:NO)、MFP1は、新たなDLNA(登録商標)機器がLAN5に接続されたか否かを判断する(S950)。ここで、LAN5から切り離された状態にあったテレビ3やオーディオ機器4が、新たにLAN5に接続された状態になったことは、UPnP(登録商標)のDiscoveryコマンドによって検出することができる。この状態変化を検出したら、S950の処理では、DLNA(登録商標)機器がLAN5に接続されたと判断することになり(S950:YES)、その場合は、DLNA(登録商標)機器接続時処理を実行する(S955)。このDLNA(登録商標)機器接続時処理の詳細については後述する。そして、DLNA(登録商標)機器接続時処理を終了したらS910の処理へと戻り、再びS910以降の処理を繰り返すことになる。
また、S950の処理において、新たなDLNA(登録商標)機器がLAN5に接続されていないと判断した場合(S950:NO)、MFP1は、DLNA(登録商標)機器がLAN5から切り離されたことを検出したか否かを判断する(S960)。ここで、テレビ3やオーディオ機器4がLAN5から切り離されたことは、UPnP(登録商標)のDiscoveryコマンドによって検出することができる。この状態変化を検出したら、S960の処理では、DLNA(登録商標)機器がLAN5から切り離されたと判断することになり(S960:YES)、その場合は、DLNA(登録商標)機器切断時処理を実行する(S965)。このDLNA(登録商標)機器切断時処理の詳細については後述する。そして、DLNA(登録商標)機器切断時処理を終了したらS910の処理へと戻り、再びS910以降の処理を繰り返すことになる。
さらに、S960の処理において、DLNA(登録商標)機器がLAN5から切り離されていないと判断した場合(S960:NO)、MFP1は、その他の処理を実行する(S970)。このS970の処理は、上記S50の処理と同等な処理となる。そして、S970の処理を終了した場合もS910の処理へと戻り、再びS910以降の処理を繰り返すことになる。
なお、以上説明した処理は、図示の都合上、S910,S920,S930,S940,S950,S960などの判断処理を定期的に繰り返すようなフローチャートとなっているが、図2に示した処理同様、他の方法で同等な処理を実現しても構わない。例えば、S910,S920,S930,S940,S950,S960の各処理で肯定判断がなされるようなイベントが発生した場合に、そのイベントに対応した割り込み処理として、S915,S925,S935,S945,S955,S965の各処理を実行するように構成しても、図14に示した処理と同等な処理を実現することができる。
[DLNA(登録商標)機器接続時処理]
次に、上記S955の処理に相当するDLNA(登録商標)機器接続時処理について、図15に基づいて説明する。
図15は、MFP1が実行するDLNA(登録商標)機器接続時処理を示すフローチャートである。
この処理を開始すると、MFP1は、既に内蔵音声CODEC対応形式で記憶されている留守番電話データを、DLNA(登録商標)対応形式に変換して、これら両方の形式の留守番電話データを二重で記憶する(S1010)。
そして、今後受信される留守番電話のデータも二重で記憶する(S1020)。より具体的には、第3実施形態において、MFP1は、S1020の処理を実行する前の段階まで、第1実施形態と同様、留守番電話のデータを内蔵音声CODEC対応形式のみで記憶する設定になっている。これに対し、S1020の処理を実行した後は、第2実施形態と同様、留守番電話のデータを内蔵音声CODEC対応形式とDLNA(登録商標)対応形式の双方で二重に記憶する設定に切り替えられる。その結果、S1020の処理を実行すると、以降は、受信される留守番電話のデータが二重に記憶されることになる。
なお、S1020の処理を終えたら、図15に示したDLNA(登録商標)機器接続時処理を終了する。
[DLNA(登録商標)機器切断時処理]
次に、上記S965の処理に相当するDLNA(登録商標)機器切断時処理について、図16に基づいて説明する。
図16は、MFP1が実行するDLNA(登録商標)機器切断時処理を示すフローチャートである。
この処理を開始すると、MFP1は、まず、UPnP(登録商標)のDiscoveryコマンドによって、全てのDLNA(登録商標)機器がLAN5に接続されていないのを確認したか否かを判断する(S1110)。このS1110の処理では、LAN5に接続されたDLNA(登録商標)機器が1台でも存在すれば否定判断がなされ、LAN5に接続されたDLNA(登録商標)機器が1台も存在しない場合にのみ肯定判断がなされる。
S110の処理で、全てのDLNA(登録商標)機器がLAN5に接続されていないのを確認したと判断した場合(S1110:YES)、MFP1は、既に内蔵音声CODEC対応形式およびDLNA(登録商標)対応形式で二重に記憶されている留守番電話データの中で、DLNA(登録商標)対応形式のデータのみを消去する(S1115)。
そして、今後受信される留守番電話のデータも、内蔵音声CODEC対応形式1種類のみ保存する(S1120)。より具体的には、第3実施形態において、MFP1は、上述したS1020の処理を実行した場合、第2実施形態と同様、留守番電話のデータを内蔵音声CODEC対応形式とDLNA(登録商標)対応形式の双方で二重に記憶する設定に切り替えられているが、S1120の処理を実行した後は、第1実施形態と同様、留守番電話のデータを内蔵音声CODEC対応形式のみで記憶する設定に切り替えられる。その結果、S1120の処理を実行すると、以降は、受信される留守番電話のデータが内蔵音声CODEC対応形式のみで記憶されることになる。
なお、S1120の処理を終えたら、図16に示したDLNA(登録商標)機器切断時処理を終了する。また、S110の処理で、1以上のDLNA(登録商標)機器がLAN5に接続されていた場合は(S1110:NO)、S1115およびS1120の処理を実行することなく、図16に示したDLNA(登録商標)機器切断時処理を終了する。
[補足説明]
以上説明した通り、第3実施形態においては、LAN5にDLNA(登録商標)機器が1台でも接続されると、それを条件にして、留守番電話のデータが内蔵音声CODEC対応形式とDLNA(登録商標)対応形式の双方で二重に記憶される状態となる。また、LAN5に接続されたDLNA(登録商標)機器が1台も存在しない状態になると、それを条件にして、留守番電話のデータが内蔵音声CODEC対応形式のみで記憶される状態となる。
したがって、留守番電話のデータが内蔵音声CODEC対応形式とDLNA(登録商標)対応形式の双方で二重に記憶される状態となった場合、S915およびS925の処理は、第2実施形態と同等な処理が実行される。一方、留守番電話のデータが内蔵音声CODEC対応形式のみで記憶される状態となった場合、S915およびS925の処理は、第1実施形態と同等な処理が実行される。なお、S935およびS945の処理が実行される際には、必ずLAN5にDLNA(登録商標)機器が1台以上接続されていることになるので、第2実施形態と同等な処理が実行されることになる。
[第3実施形態の効果]
以上説明したように、上記MFP1によれば、LAN5にDLNA(登録商標)機器が1台でも接続されると、S950およびS955の処理により、留守番電話のデータが内蔵音声CODEC対応形式とDLNA(登録商標)対応形式の双方で二重に記憶される状態となるので、この場合、第2実施形態のMFP1と全く同様の作用、効果を奏することになる。
しかも、第3実施形態においては、第2実施形態とは異なり、LAN5にDLNA(登録商標)機器が1台も接続されていない状態になると、S960およびS965の処理により、留守番電話のデータが内蔵音声CODEC対応形式のみで記憶される状態となる。
したがって、テレビ3やオーディオ機器4がLAN5に接続された場合にのみ変換を行えばよく、テレビ3やオーディオ機器4がLAN5に接続されていない場合には変換を行わなくてもよいので、無駄になる可能性がある変換作業を減らすことができ、その分、MFP1にかかる負荷が軽減され、変換のために必要となるリソースを無駄に消費することがない。
また、テレビ3やオーディオ機器4がLAN5から切り離された場合、DLNA(登録商標)対応形式の音声データは記憶部22から削除されるので、テレビ3やオーディオ機器4がLAN5に再び接続されるか否かが定かではないにもかかわらず、DLNA(登録商標)対応形式の音声データが記憶部22に無駄に残されたままとなることがない。
(4)第4実施形態
次に、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態も、MFP1において実行される処理の内容が第1〜第3実施形態とは相違するものの、ハードウェアの構成やネットワークの構成は第1実施形態と同様なので、以下の説明では、第1〜第3実施形態との相違点について詳細に説明することにし、第1〜第3実施形態と差異のない構成については、その説明を省略する。
第4実施形態は、第1実施形態において説明したS35の処理もしくは第3実施形態において説明したS935の処理に相当する「ファイル一覧転送処理」と、第1実施形態において説明したS45の処理もしくは第3実施形態において説明したS945の処理に相当する「ファイル送信処理」が、他の実施例とは異なる処理となる。「ファイル一覧転送処理」および「ファイル送信処理」以外の処理については、第1〜第3実施形態のいずれかと同様になっていればよい。
[ファイル一覧転送処理]
図17は、第4実施形態においてMFP1が実行するファイル一覧転送処理を示すフローチャートである。
このファイル一覧転送処理を開始すると、MFP1は、DLNA(登録商標)対応形式のデータについてはファイル名をそのままとし、留守番電話データについては、複数のファイルがある場合でも1つのファイル名として、データ一覧をDLNA(登録商標)機器へ送信する(S1210)。
このS1210の処理では、第1実施形態と同様の構成を採用している場合、留守番電話データについて、実際には、内蔵音声CODEC対応形式のファイルしか存在していなくても、データ一覧としては、DLNA(登録商標)対応形式のファイル名を送信する。また、第2実施形態または第3実施形態と同様の構成を採用している場合、留守番電話データについて、内蔵音声CODEC対応形式のファイルおよびDLNA(登録商標)対応形式のファイルを二重に持っているので、DLNA(登録商標)対応形式のファイル名の方を送信する。ただし、いずれの場合とも、複数のファイルがある場合でも1つのファイル名とする。
したがって、テレビ3側では、留守番電話データについては、1つのファイルのみが存在するものと認識することになる。なお、以上のようなS1210の処理を終えたら、ファイル一覧転送処理を終了する。
[ファイル送信処理]
図18は、第4実施形態においてMFP1が実行するファイル送信処理を示すフローチャートである。
ファイル送信処理を開始すると、MFP1は、まず、送信するのは留守番電話データであるか否かを判断する(S1310)。この1310の処理は、上記S410またはS810の処理と同等な処理となる。
S1310の処理において、送信するのは留守番電話データであると判断した場合(S1310:YES)、MFP1は、保存されている留守番電話データが1つであっても複数であっても、全ての録音メッセージを合成して1つのファイルとし、その1つのファイルをDLNA(登録商標)機器へ送信する(S1315)。
このS1315の処理では、第1実施形態と同様の構成を採用している場合、内蔵音声CODEC対応形式のファイルをDLNA(登録商標)対応形式のファイルに変換した上で、複数のファイルを1つに合成するか、複数のファイルを合成してから、合成された内蔵音声CODEC対応形式のファイルをDLNA(登録商標)対応形式のファイルに変換する。また、第2実施形態または第3実施形態と同様の構成を採用している場合、内蔵音声CODEC対応形式のファイルおよびDLNA(登録商標)対応形式のファイルを二重に持っているので、DLNA(登録商標)対応形式のファイルを対象にして、複数のファイルを合成する。いずれの場合とも、合成された1つのファイルは、DLNA(登録商標)機器へ送信されることになる。
一方、S1310の処理において、送信するのは留守番電話データではないと判断した場合(S1310:NO)、MFP1は、DLNA(登録商標)対応形式(本実施形態の場合は、拡張子が“MP3”、“JPEG”、または“MPEG”のいずれか)のファイルを送信することになるので、複数のファイルを合成することなく、そのままDLNA(登録商標)機器へと送信する(S1320)。
こうしてS815またはS820の処理を終えたら、ファイル送信処理を終了する。
[第4実施形態の効果]
以上説明した第4実施形態のMFP1でも、上記第1〜第3実施形態で示したいずれかのMFP1と同様の作用、効果を奏することになる。
また、第4実施形態の場合、他の実施形態とは異なり、複数の留守番電話データを合成して1つの合成音声データとしてから、1つの合成音声データをDLNA(登録商標)機器へ送信するので、DLNA(登録商標)機器側で留守番電話データを再生する際に、複数の留守番電話データそれぞれを逐一指定するような手間をかけなくても、1つの合成音声データを指定するだけで、簡単に留守番電話データを再生することができる。
(5)変形例等
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、本発明の通信装置としてMFP1を例示したが、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備えるか否かは任意である。
また、上記実施形態において、MFP1は、DLNA(登録商標)ガイドライン準拠のサーバー機能およびプレイヤー機能の双方を兼ね備えていたが、MFP1がプレイヤー機能を備えるか否かは任意である。
また、上記実施形態において、MFP1、テレビ3、オーディオ機器4は、DLNA(登録商標)ガイドライン準拠の通信方式でコンテンツとなるデータの送受信を行うものであったが、上記実施形態同様のデータ送受信を実現できるのであれば、その通信方式自体について、DLNA(登録商標)ガイドライン準拠の通信方式とするか否かは任意である。
また、上述した各実施形態の「電話着信処理」において、応答メッセージの再生、受信日時の録音、送信元情報の録音、および入来メッセージの録音を、この順序で実行する旨を説明したが、例えば、応答メッセージの再生と並行して受信日時や送信元情報の録音を行ったり、入来メッセージの録音後に受信日時の録音や送信元情報の録音を行ったりしてもよく、この順序は任意に変更することができる。
また、上記各実施形態では言及していないが、受信日時の録音、送信元情報の録音、および入来メッセージの録音は、この順序で実施しながら、これらすべてが録音された1つのファイルを生成してもよいし、適当な順序で実施して、それぞれが録音された複数の仮ファイルを生成した上で、それら複数の仮ファイルを合成して1つのファイルを完成させるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、DLNA(登録商標)対応形式の音声データとして、MP3形式の音声データを例示したが、DLNA(登録商標)ガイドラインに準拠した規格の音声データであれば、MP3以外のデータ形式となっていてもよい。
また、上記各実施形態は、異なるMFP1を想定して説明したものであるが、単一のMFPの設定を切り替えることにより、第1実施形態の如く動作するモードや第2実施形態の如く動作するモードに切り替わるような構成を採用してもよい。
1・・・MFP、2・・・ルーター、3・・・テレビ、4・・・オーディオ機器、5・・・LAN、6・・・インターネット回線、7・・・PSTN回線、8・・・IP電話機、9・・・アナログ電話機、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・パネル部、15・・・読取部、16・・・印刷部、17・・・LAN制御部、18・・・NCU、19・・・MODEM/音声CODEC、20・・・ハンドセット、21・・・本体スピーカ、22・・・記憶部。