JP2008048292A - 無線受信機及び局部発振器の調整方法 - Google Patents

無線受信機及び局部発振器の調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無線受信機を分解することなく、内蔵されたIFフィルタの特性を測定可能で、この測定結果に基づいて、IFフィルタや局部発振器の経年変化による周波数ずれやリップル発生による変調精度(EVM)の悪化を防止することが可能な無線受信機及びそのための局部発振器の調整方法を提供する。
【解決手段】局部発振器のローカル信号周波数をスイープさせて、IFフィルタの特性を検出し、周波数ずれを除去するように局部発振器を制御し、また、リップルを相殺するようにデジタルフィルタの特性を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線受信機及び局部発振器の調整方法に関し、詳細には、IFフィルタ出力信号歪みや位相特性等を改善した無線受信機とその局部発振器の調整方法に関する。
無線通信機、例えば、業務用やアマチュア無線等の陸上移動無線通信機(Land Mobile Radio:LMR)に使用される無線受信機は、スーパヘテロダイン方式が広く採用されている。これは、アンテナ等を介して受信した高周波信号を、所要レベルに増幅後、局部発振器にて発振したローカル周波数信号と混合することによって中間周波信号(Intermediate Frequency:IF)に変換し、中間周波フィルタ(IFフィルタ)により混合信号から両者の差の周波数成分を抽出すると共に、その通信チャネルとして定められた所要帯域に帯域制限し、必要に応じて更に信号増幅した後、検波処理等がなされる。
この際、IFフィルタの通過帯域と混合器出力の中間周波数帯域とがずれを生じた場合、受信機の性能劣化を生じることになる。このことは、例えば特許文献1や特許文献2により指摘されているとおりである。
即ち、狭帯域伝送を行う場合には隣接チャネル選択度や相互変調特性等を満すために、所要の狭帯域フィルタ特性が要求される。また、近年デジタル化が進んでいるが、狭帯域フィルタにパルス信号を通過させる場合、符号間干渉等を防止するためにロールオフ特性(ナイキスト基準)を満たす必要があるが、受信機のロールオフ特性は中間周波フィルタに持たせるのが一般的である。
しかし、狭帯域になればなるほどフィルタと通過信号帯域の周波数ずれの影響が大きくなる。特許文献1の記載に倣えば、伝送レート8kbpsのπ/4QPSK方式でロールオフ率α=0.2のロールオフ特性とした場合、3dB帯域幅は中心周波数から片側2kHz(周波数の低い側)、2.4kHz(周波数の高い側)で理論的に振幅0となるが、中心周波数450kHz程度のセラミックフィルタ等でこの特性を実現した場合、一般的に製造ばらつき及び温度特性により数百Hz程度の周波数ずれが生ずる。その結果、受信のC/N劣化、隣接チャネル選択度の劣化となっていた。
そこで、特許文献1では、図6に示すものが提案されている。この例の無線受信機は、アンテナ61と、その受信高周波信号を増幅すると共に、不要高周波信号を除去するフロントエンド部62と、第一混合器(MIX1)63と、第一中間周波フィルタ(1st・IFフィルタ)64と、第二混合器(MIX2)65と、RSSI(受信強度インジケータ)機能を備えた検波器66と、RSSIレベルに基づいて受信品質を判断すると共に、後述する局部発振器制御信号を発生するCPU67と、上記第一の混合器63に第一ローカル周波数信号を供給する第一局部発振器68と、第二混合器65に第二のローカル周波数信号を供給する第二局部発振器69を備えている。なお、上記第一局部発振器68にPLL回路を含んでおり、上記CPU64からの制御信号によって内部のVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)の発振周波数をコントロールするように構成されている。そして、この構成において、RSSIが最大になるように、CPU67が第一ローカル信号周波数を変化させることによって、帯域制限するIFフィルタ素子の帯域とそれに供給する中間周波数信号の帯域とが一致するようにしている。
特許文献1記載の提案では、中間周波フィルタの周波数ずれを検出し、この周波数ずれに合わせて局部発振器の周波数を可変することにより、等化的にフィルタの周波数ずれを補正することを提案したものである。即ち、周波数シンセサイザから、先ず、IFフィルタの中心周波数近傍の無掃引信号を0dBのレベルで調整対象のIFフィルタに供給すると共に、その出力のRSSIを計測する。次に、IFフィルタの通過帯域より若干広い周波数スペクトルを有するようにIF周波数±Δf(例では、±4kHz)の範囲で掃引しながら+3dBのレベルの信号を対象のIFフィルタを通過させ、出力信号のRSSIレベルが上記0dB入力時の値と同じになる掃引周波数を検出すると、その周波数点が、IFフィルタの高域側、低域側の遮断周波数になるので、両者の平均値を求めれば検査対象IFフィルタの通過帯域の中心周波数値が求まることになる。そこで、この値に基づいて求めた値(本来のIFフィルタの中心周波数との差Δf)を加味して、第二局部発振器の発振周波数を所要量シフトすることによって、IFフィルタの中心周波数と、そのフィルタに供給される中間周波信号の中心とを一致させるものである。
また、特許文献2には、温度変化にも追従して補正できるように、周囲温度を変化させ得る環境で、帯域制限を行うIFフィルタの特性を測定し、夫々の温度における特性データと、それを補うための補正データとを生成すると共に、メモリ装置にこれらの諸データを記憶する。そして、無線受信機には、上記データを記憶したメモリと周囲温度を検出する温度センサとを備え、運用中の周囲温度を検出しながら、その時の温度に対応する諸データをメモリから読み出して所定の演算を行って局部発振器の発振周波数信号を生成するものが提案されている。
特開平9−247030号公報 特開2001−103106公報
しかしながら、上述したような従来の無線受信機やIFフィルタの補正方法では、IFフィルタの帯域中心周波数と受信IF信号帯域の中心周波数とを一致させることは可能であるが、IFフィルタの通過域のリップル特性や群遅延特性に関する補正がなされていないので、EVM(Error Vector Magnitude:変調精度)悪化を防止することができないという欠点があった。即ち、IFフィルタの通過帯域に大きなリップルが存在すると通過信号に位相回転や振幅変化が発生し、FSK等のデジタル変調信号が正確に復調できないことになる。近年多用されるようになった多値デジタル変調においては大きな問題となっている。
このような問題を解決するためには、従来、図7に示すように、トラッキングジェネレータ71からの信号を調整対象のIFフィルタ72に供給し、その出力をスペクトルアナライザ73によって観測するものである。また近年、デジタル無線システム設計用に、ベクトルシグナルアナライザ等の測定器も用意されているので、それらを使用して、IFフィルタ単体の通過域リップル特性や群遅延特性を詳細に測定し、それらのデータに基づいて、IFフィルタの特性を補うようにしていたが、いずれの方法においても、一旦、組み立てた無線受信機に対しては、分解して対象のIFフィルタを取り出さないと、対策が施せないという問題があった。
本発明は、従来の無線受信機のIFフィルタ特性に関連する諸問題を解決するためになされたものであって、一旦組み立てた無線受信機を分解することなく、必要に応じてIFフィルタの特性変動を補う処理を行うことが可能な、無線受信機及び局部発振器の調整方法を提供することを目的としている。
本発明はこのような課題を解決するために、請求項1記載の無線受信機では、ローカル周波数信号を発振する局部発振器と、該ローカル周波数信号と受信信号とを混合するミキサと、該ミキサ出力信号から所要周波数帯域信号を抽出する中間周波フィルタと、を含む無線受信機において、前記局部発振器を制御しローカル周波数を所要範囲でスイープするローカル周波数制御手段と、スイープしたローカル周波数信号によって周波数変換したときの中間周波フィルタ出力信号における受信信号周波数スペクトルと中間周波フィルタの通過帯域との関連情報、中間周波フィルタの通過帯域のリップル特性情報、のいずれか一方、又はその両方を検出するフィルタ特性検出手段と、該フィルタ特性検出手段の検出結果に基づいて前記局部発振器のキャリブレーションを行うローカル周波数調整手段又は中間周波フィルタのリップル補正手段を備えたことを特徴としている。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の無線受信機において、前記フィルタ特性検出手段が、中間周波フィルタ出力信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、該デジタルに変換した信号データに基づいて、中間周波信号に変換された受信信号の周波数スペクトルと中間周波フィルタの通過帯域との関連情報又は中間周波フィルタの通過帯域におけるリップル特性情報のいずれか一方又はその両方を検出し、リップル特性情報を検出した場合はそれに基づいて前記デジタルフィルタを制御することを特徴としている。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の無線受信機において、前記局部発振器がPLL周波数シンセサイザを含み、その可変分周器を制御することによって発振周波数を微小ステップでスイープする手段を備えたことを特徴としている。
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3の何れか一項記載の無線受信機において、前記局部発振器が変調機能を備えた発振器であり、該変調信号としてスイープ信号を供給することによって、発振周波数を微小ステップでスイープすることを特徴としている。
請求項5及び6の発明は無線受信機のIFフィルタの特性変動を局部発振器の調整によって補正する方法に関するものであり、請求項5記載の局部発振器の調整方法は、ローカル周波数信号を発振する局部発振器と、該ローカル周波数信号と受信信号とを混合するミキサと、該ミキサ出力信号から所要周波数帯域信号を抽出する中間周波フィルタと、を含む無線受信機における局部発振器の調整方法において、局部発振器を制御しローカル周波数を所要範囲でスイープするローカル周波数制御ステップと、スイープしたローカル周波数信号によって周波数変換したときの中間周波フィルタ出力信号における受信信号周波数スペクトルと中間周波フィルタの通過帯域との関連情報、中間周波フィルタの通過帯域におけるリップル特性情報、のいずれか一方、又はその両方を検出するフィルタ特性検出ステップと、該フィルタ特性検出ステップの検出結果に基づいて前記局部発振器のキャリブレーションを行うローカル周波数調整ステップ又は中間周波フィルタのリップル補正ステップを含むことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の局部発振器の調整方法において、そのフィルタ特性検出ステップが、中間周波フィルタ出力信号をデジタル信号に変換するAD変換ステップを含み、且つ、前記局部発振器がPLL周波数シンセサイザの可変分周器を制御することによって又は局部発振器が備えた変調入力端に変調信号としてスイープ信号を供給することによって発振周波数をスイープするステップを含むことを特徴としている。
本発明は以上のように構成し、又は処理するので、夫々以下の様な効果がある。先ず、請求項1記載の無線受信機では、局部発振器とミキサと中間周波フィルタとを含む無線受信機において、ローカル周波数を所要範囲でスイープし、スイープしたローカル周波数信号に基づく中間周波フィルタ出力信号から、中間周波フィルタの通過帯域特性やリップル特性を検出すると共に、この検出結果に基づいて前記局部発振器のキャリブレーションを行うように構成したので、一旦組み立てた無線受信機を分解することなくリップル特性変動も含めて補正調整することが可能となり、EVMの悪化による無線受信機の性能劣化を防止することが可能となる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の無線受信機において、フィルタ特性検出手段において、AD変換器により中間周波フィルタ出力信号をデジタル信号に変換するので、デジタルに変換した信号データに基づいて、中間周波フィルタの通過帯域情報、リップル特性情報の検出をデジタル処理することが可能であるので、通常、デジタル無線機等において備えているDSPを有効に利用した処理が可能となる。
請求項3及び請求項4記載の発明では、請求項1又は2記載の無線受信機において、前記局部発振器がPLL周波数シンセサイザを含み、その可変分周器を制御することによって発振周波数を微小ステップでスイープするように構成したので、無線受信機が通常備えている機能を有効に利用して本発明を実施することが可能となる。特に、DSPを備えた無線受信機では、デジタル的にフィルタリングや発振機能を実現できるので、本発明の実施に好適である。
請求項5及び請求項6記載の発明では、請求項1乃至4記載の本発明の無線受信機を、処理方法として示したので、コンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることが容易となり、コンピュータ機能を備えた無線受信機であればそのプログラムをインストールすることにより、本発明の無線受信機の機能を実現可能である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。以下本発明の実施態様例について説明する。
図1は本発明の一実施態様例を示す無線受信機のブロック図である。この例に示す無線受信機は、アンテナ1と、その受信高周波信号を増幅すると共に、不要高周波信号を除去するフロントエンド部2と、第一混合器(ミキサ:MIX1)3と、第一中間周波フィルタ(1st・IFフィルタ)4と、第二混合器(ミキサ:MIX2)5と、中間周波出力信号をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器(A/D変換器)6と、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成するデジタルフィルタ7と、その出力の分析処理を行うDSP(Digital Signal Processor)8と、その結果に基づいて周波数制御信号等を生成する中央演算装置(マイクロコンピュータ:CPU)9と、フェーズロックループ回路(PLL)と電圧制御発振器(VCO)が含まれていて微小周波数ステップで発振周波数を発生し、上記第一の混合器3にローカル周波数信号を供給する局部発振器10と、上記第二の混合器5に第二ローカル周波数信号を供給する第二局部発振器11とを備えている。なお、FPGAは大規模PLD(Programmable Logic Device)とも称される、論理回路を手元でプログラムできるデバイスで、マイクロプロセッサやASICの設計を取り込んでシミュレーションすることが可能なLSIである。
この構成の無線受信機において、IFフィルタの特性を補う方法について、調整状態の動作を模式的に描いた図2を参照しながら説明する。先ず、図示を省略したスイッチ等によって、調整モードにする。調整モードは、以下説明する機能を全うするために、外部から不要な受信信号等が混入しない状態において、アンテナ1、又は、図示を省略したアンテナ端子を介して、受信帯域中の所要基準周波数信号を供給するものである。その状態で、図2の21に示すように、測定対象のIFフィルタ(帯域制限機能を有するIFフィルタ4、又は、5のいずれか)の通過帯域とその両側のサイドローブを含むように、若干広い周波数範囲で上記第一の局部発振器10の発振周波数を、出力レベルを一定値に保ちながら変化させる(スイープする)。このとき可能な限り、微細な周波数ステップでスイープする方が、フィルタのリップルや位相特性を補正する能力が高くなる。このように局部発振器10から第一混合器3に供給するローカル周波数信号が変化すると、帯域制限フィルタ(通常、第二IFフィルタ5の場合が多い)出力には、図2の22に示すように帯域制限フィルタ特性曲線に対応した出力が得られる。そこで、第二IFフィルタ5の出力をデジタル信号に変換し、DSP8によって、夫々の瞬時のIF周波数に対応させて、レベルを検出すれば、図2の22に相当する信号のデータが得られる。なお、このとき上記FPGA7によるデジタルフィルタの特性は、通過帯域は平坦(フラット)にしておく。
この計測結果のデータによれば、IFフィルタの通過帯域周波数と、基準周波数信号との関連情報が得られるので、基準周波数信号がIFフィルタの通過帯域の中央に位置させるためには、局部発振器10から第一混合器3に供給するローカル信号の周波数をどのような値にすべきかを決定することができる。なお、図2の22の信号波形やデータから通過帯域中央部の周波数を求める方法は種々のものが考えられるが、例えば、特許文献1に示されたように、図2の波形22における検出レベルが、通過帯域の両側の減衰域における信号レベルが、基準レベルより3dB低下する周波数の間を通過帯域と見なして、その中央値を求めればよい。この方法によれば、一旦、組み立てた無線受信機を分解することなく、内蔵するIFフィルタ特性を測定することができ、しかも、局部発振器の発振周波数を制御することによって、フィルタの通過帯域中心部と中間周波信号の中心周波数とを一致させることが可能である。
本発明では更に、通過帯域のリップルについての情報を得て、その補正も可能である。図3は、その説明を行うための波形図であり、図3(a)はIFフィルタを通過したときの信号波形の一例を示した波形図、図3(b)は、IFフィルタのリップルを補正する効果を説明する図である。いま、局部発振器の発振周波数を制御して、IFフィルタの通過帯域中心周波数と、IF周波数信号の中心周波数とが一致した場合であっても、図3(b)に示すようにIFフィルタの通過帯域中にリップルが存在すると、通過信号の位相回転が発生し、あるいは群遅延特性が劣化する可能性があり、その結果、正確な信号の復調が妨げられる場合がある。そこで、本発明では、上記FPGA7によるデジタルフィルタの特性を、図3(b)24に示すようにフィルタのリップルとは逆特性のものとする。即ち、IFフィルタのリップル特性は、図3(b)23のように低い周波数域側が凹んでいるのに対し、上記FPGA7によるデジタルフィルタの特性は域波形図3(b)の24に示すように帯域の低域側に凸部を有するものとすれば、両者のリップル成分が互いに相殺され、結果的に図3(b)25に示すように平坦な出力信号が得られることになる。このようにすれば、IFフィルタのリップルによる問題を解決することが可能となる。
以上説明した実施例は、要するに、局部発振器と、ミキサと、中間周波フィルタと、を含む無線受信機において、局部発振器を制御してローカル周波数を所要範囲でスイープさせ、そのときの中間周波フィルタ出力信号から、受信信号周波数スペクトルと中間周波フィルタの通過帯域との関連情報、中間周波フィルタの通過帯域のリップル特性情報を検出し、検出結果に基づいて局部発振器のキャリブレーションを行い、あるいは、中間周波フィルタのリップルを補正したものである。そして、中間周波フィルタ出力信号をデジタル信号に変換するAD変換器を備えれば、処理をデジタル的に行うことが可能となるので、通常無線通信機が備えているDSP等のマイクロコンピュータ機能を有効に利用することが可能である。
図4は、本発明の他の実施態様例を示す無線受信機のブロック図であり、上記図1と同一ブロックは同一番号を付して、説明は省略する。この例は、局部発振器12を通常のPLL発振回路とし、それに供給する基準信号発生器13として、この例に限らないが、変調機能付きTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)を使用した点が特徴である。そして、CPU9の制御信号をTCXOの変調信号入力端子に供給することによって、上記実施例と同様に、微細な周波数ステップでスイープする。このように、発振器の変調機能を利用すれば、比較的容易に、微小周波数ステップのスイープが可能となるし、処理速度も速くなる。
なお、使用するPLLシンセサイザとしては、例えば図5に示すものが知られている。即ち、図5に示すPLLシンセサイザは、電圧信号によって発振周波数を制御する電圧制御発振器(VCO)21と、該VCO21の出力信号周波数を分周するRF分周器22と、その分周出力と外部から供給される基準周波数信号(Reference Frequency Signal:Reff)とを比較して両者の周波数差又は位相差に応じた信号を出力する位相比較器(Phase Detector:PD)23と、PD23の出力信号から低域信号(直流信号成分)を取り出す低域フィルタ(LPF)24をループ状に接続したものが基本的な構成である。なお、上記基準周波数信号(Reff)を分周するReff分周器25を含む構成にしてもよい。
PLL回路の動作については、既によく知られているので詳細な説明は省略するが、PD23において基準周波数信号Reff(又はその分周信号)とVCO21の出力信号との周波数差または位相差に応じた信号を発生し、その信号から直流成分をLPF24によって抽出し、この直流信号の電圧で前記VCO21の発振周波数を制御するものであり、前記PD23で比較する基準周波数信号ReffとVCO21の出力信号の周波数とが一致するように、即ち、LPF24から出力する直流信号電圧が小さくなるようにループ全体が動作するようになっている。
また、基準周波数信号のReff分周器25又はVCO出力びRF分周器22のいずれかを可変分周器として、その分周率をCPU9の制御信号で変化させれば、上記図1乃至図3によって説明した局部発振器のスイープが可能である。
また、そのPLL回路の基準信号Reff発生源として、変調機能付きTCXOを使用すれば、図4を用いて説明した第二の実施例に該当するものとなる。
本発明は以上説明した実施例に限定することなく、種々変形が可能である。例えば、IFフィルタの通過帯域の中心周波数と、中間周波数の帯域中心周波数を一致させる代わりに、フィルタの通過帯域のうち比較的平坦な部分(リップルが少ない領域)を選択するように制御することも可能である。即ち、IFフィルタの通過帯域幅は、受信信号(中間周波信号)の帯域幅より広く設定されているので、若干、互いの中心周波数をずらすことができるので、可能な範囲でリップルの小さな領域を選択して使用することも可能である。その上で、更に上述したリップル成分相殺処理を行えば、補正量が小さい分歪み等を小さくすることができるであろう。
なお、以上の説明では、FPGAでデジタルフィルタを実現し、DSPで信号分析等を行ったが、いずれか一方の回路で両方の機能を実現することも可能であり、あるいは、両回路を一体化して両機能を実現することも可能であり、実際の実施に際しては適宜使い分けることが可能であろう。
また、本発明に係る無線受信機は送信機と一体にしたものであっても構わない。更には、本発明に係る無線受信機を含む無線通信機をユーザが実際に運用状態において、これらの無線機と通信可能な基地局やレピータから制御信号を送信することによって所要無線受信機を調整モードにすると共に、正確な基準周波数信号を送信し、それに基づいて上述した調整処理を自動的に行うようにもすることも可能であり、常に、IFフィルタと通過帯域と受信IF信号との関係を理想的な状態に保つことができる。この方法によれば、無線受信機の経年変化等によるIFフィルタや局部発振器の周波数ずれに、運用を中止してメンテナンス期間に運ばなくても、本発明に基づいた保守メンテナンスが可能となる。以上説明したIFフィルタの中心周波数制御手段と、リップル成分相殺補正手段は、必ずしも両者同時に実施する必要はなく、いずれか一方のみを実施しても、十分に効果が得られることは云うまでもない。
更に、本発明の無線受信機の実現に必要な全ての機能ブロックをソフトウエアで実現することも可能である。例えば、近年、ソフトウエアラジオとして、高周波増幅回路機能についてもデジタル処理し、各種プログラミング手段によって、自在に種々の方式の通信システムに対応できるようになっているので、これらの技術を使用すれば、本発明の無線受信機や局部発振器の調整等を、ソフトウエア処理することが可能である。また、そのようなソフトウエアについて、夫々プログラム化し、あらかじめCD−ROM等の記録媒体に書き込んでおき、コンピュータに搭載したCD−ROMドライブのような媒体駆動装置にこのCD−ROM等を装着して、これらのプログラムをコンピュータのメモリあるいは記憶装置に格納し、それを実行することによって、本発明の目的が達成されることは云うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を実施する上で有用である。
市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させ、あるいは、インターネット等を介して接続されたサーバコンピュータの記憶装置にプログラムを格納しておき、インターネット等を通じて他のコンピュータに転送することもできる。
なお、コンピュータでは、可搬型の記録媒体上のプログラム、または転送されてくるプログラムを、コンピュータに接続した記録媒体にインストールし、そのインストールされたプログラムを実行することによって上述した実施形態の機能が実現される。
本発明にかかる無線受信機の一実施形態を示すブロック図である。 本発明の一実施形態例の動作を説明するための信号波形図である。 本発明の一実施形態例の動作を説明するための信号波形図であり、(a)はIFフィルタ通過後の信号の周波数スペクトル波形図、(b)はリップル相殺処理を説明する概念図である。 本発明の他の実施形態にかかる無線受信機のブロック図である。 本発明において使用するPLL発振器の一例を示すブロック図である。 従来のIFフィルタ特性補正機能を備えた無線受信機のブロック図である。 従来のIFフィルタ特性を測定する方法を示す図である。
符号の説明
1 アンテナ、2 フロントエンド部、3,5 混合器(MIX)、4 IFフィルタ、6 A/D変換器、7 FPGA、 8 DSP、9 CPU、10、11、12 局部発振器、13 TCXO、21 スイープ信号、22、23 IFフィルタ通過信号、24 デジタルフィルタの特性、25 リップル補正後の出力信号スペクトル。

Claims (6)

  1. ローカル周波数信号を発振する局部発振器と、該ローカル周波数信号と受信信号とを混合するミキサと、該ミキサ出力信号から所要周波数帯域信号を抽出する中間周波フィルタと、を含む無線受信機において、
    前記局部発振器を制御しローカル周波数を所要範囲でスイープするローカル周波数制御手段と、スイープしたローカル周波数信号によって周波数変換したときの中間周波フィルタ出力信号における受信信号周波数スペクトルと中間周波フィルタの通過帯域との関連情報、中間周波フィルタの通過帯域のリップル特性情報、のいずれか一方、又はその両方を検出するフィルタ特性検出手段と、該フィルタ特性検出手段の検出結果に基づいて前記局部発振器のキャリブレーションを行うローカル周波数調整手段又は中間周波フィルタのリップル補正手段を備えたことを特徴とする無線受信機。
  2. 前記フィルタ特性検出手段が、中間周波フィルタ出力信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、フィルタ特性を可変できるデジタルフィルタとを備え、該デジタルに変換した信号に基づいて、中間周波信号に変換された受信信号の周波数スペクトルと中間周波フィルタの通過帯域との関連情報又は中間周波フィルタの通過帯域におけるリップル特性情報のいずれか一方又はその両方を検出し、リップル特性情報を検出した場合はそれに基づいて前記デジタルフィルタを制御することを特徴とする請求項1記載の無線受信機。
  3. 前記局部発振器がPLL周波数シンセサイザを含み、その可変分周器を制御することによって発振周波数を微小ステップでスイープする手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の無線受信機。
  4. 前記局部発振器が変調機能を備えた発振器であり、該変調信号としてスイープ信号を供給することによって、発振周波数を微小ステップでスイープすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の無線受信機。
  5. ローカル周波数信号を発振する局部発振器と、該ローカル周波数信号と受信信号とを混合するミキサと、該ミキサ出力信号から所要周波数帯域信号を抽出する中間周波フィルタと、を含む無線受信機における前記局部発振器の調整方法であって、前記局部発振器を制御しローカル周波数を所要範囲でスイープするローカル周波数制御ステップと、スイープしたローカル周波数信号によって周波数変換したときの中間周波フィルタ出力信号における受信信号周波数スペクトルと中間周波フィルタの通過帯域との関連情報、中間周波フィルタの通過帯域におけるリップル特性情報、のいずれか一方、又はその両方を検出するフィルタ特性検出ステップと、該フィルタ特性検出ステップの検出結果に基づいて前記局部発振器のキャリブレーションを行うローカル周波数調整ステップ又は中間周波フィルタのリップル補正ステップを含むことを特徴とする局部発振器の調整方法。
  6. 前記フィルタ特性検出ステップが、中間周波フィルタ出力信号をデジタル信号に変換するAD変換ステップを含み、且つ、前記局部発振器がPLL周波数シンセサイザの可変分周器を制御することによって又は局部発振器が備えた変調入力端に変調信号としてスイープ信号を供給することによって発振周波数をスイープするステップを含むことを特徴とする請求項5記載の局部発振器の調整方法。
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