JP2008047575A - 集光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無用な方角に散逸する照明光線を集束して防眩したり、エネルギー損失を抑制したり、限られた面積の太陽光発電装置に広角広範囲からの光線を集束集光させて供給することができる集光板を提供すること。
【解決手段】 集光板面から設定角度を超えて入射する光線を全反射させるための整流スリットと、整流スリットから板内を進行する光線を全反射で板外に放出させる放射スリットと、整流スリットと放射スリット相互を仕切る仕切スリットで集光ユニットを構成し、無数の集光ユニットを平板状に配列して集光板を形成し、広角広範囲の光線を限られた範囲の光線に集束集光する。
【選択図】図2

Description

本発明は、太陽光発電装置へ太陽光を集束集光したり、照明光源からの光線を特定範囲に集束させたり、光線の進行方向を変換して設定された範囲以外への光の散逸を防止する遮光ルーバーに関するものである。
太陽電池を使って太陽光から発電する装置においては、季節や時刻によって変動する太陽の高度や方角を考慮して、平面的な太陽電池の発電効率が最も高くなるように、南向きに傾斜させて設置する方法が一般的に用いられているが、発電量が太陽電池の太陽に対する方角の投影面積に比例するため、太陽に向かって太陽電池を積層しても無意味であり、発電量を大きくするには広い面積の太陽電池を必要とした。設置面積を節減するために、適当な間隔を保って太陽電池を多段に積み重ねる方法が考えられるが、上段の電池に太陽光が遮られて下段電池の発電効率が極端に低下するため、結果的にコスト高になる不都合があった。
また、照明範囲を限定するために照明器具の光源に放物面鏡などの反射鏡を取り付けたり、その光線をレンズで集束させたり、天井照明では斜め下方に照射される光線を阻止して防眩するために、無数の仕切板から構成されたルーバーを設けなどの方法が実用されているが、反射鏡では光源からの光線が複雑に反射するため、反射鏡の先端部分で反射する光線の中には光軸から大きくずれた方角に照射される光線が存在し、これが眩しさを感じさせたり照明効率を低下させる要因になっていた。また、この現象は眩しさを防ぐことを第一目的とする天井照明のルーバーでも同様で、眩しく反射しないように鏡面を避けて白色の塗料などで光を分散させたり消滅させる方法がとられているが、一方では照明効率を低下させる要因にもなっている。
設定範囲を超えた方角の光線を選択的に阻止する方法として特願2003−106117の遮光ユニットが提案されている。全反射を応用して所定範囲の光線を透過させたり遮断したりするものであるが、遮光ユニットを機能させるには基本的に全反射した後の遮断光線を消滅させるための不透過処理を必要とし、単にこの遮光ユニット複数個を平面的に並べて集光板を形成しても広角広範囲の光線を集束集光することは不可能であった。また、無用な方角からの光線を遮断し消滅させる方法であるため、集光を目的とする装置では効率の低下につながる不都合があった。
特願2003−106117 遮光ユニット
季節や時刻によって高度や方角が広範囲で変動する太陽光線を、固定された太陽光発電装置で利用するには、広角広範囲からの光線を集束して集光し、集光後の光線を発電ユニットに供給する方法によって発電ユニットの設備面積を縮減することができる。本発明は、広角広範囲の光線を特定範囲に集束する集光板を提供するもので、複数段に積層することで更に発電装置の面積を縮小できるものである。
また、照明器具の光源から照射される光線を特定の範囲に集束することで、反射鏡の先端部から反射して散逸する光線からの眩しさの除去と照明効率を高め、さらに天井照明の光線を下向きに集束することで、水平方向に散逸する光線をなくして防眩と照明効率の改善を図らんとするものである。
本発明は、上記の課題を下記構成により解決するものである。
本発明の集光板は透明材料で形成されてなる平板状の集光板であって、板面から設定角度を超えて入射する光線を全反射させるための整流スリットと、整流スリットから板内を進行する光線を全反射で板外に放出するための放射スリットと、整流スリットと放射スリット相互を仕切る仕切スリットで集光ユニットを構成し、無数の集光ユニットを平板状に配列して形成したものである。
整流スリットと放射スリット、仕切スリットは、いずれも部分的に形成することも可能であるが、全ての光線を対象とするために、いずれのスリットも集光板の上面と底面の間を分断することにより形成される。
従って、集光ユニットは上面および底面と各仕切スリットで囲まれた仮想四角形の整流ブロックと放射ブロックで構成されており、さらに各ブロックは整流スリットと放射スリットで2分されているので、各ブロックは断面が三角形の一対の三角ブロックを斜面で対面させて配置した構成になっている。
なお、各三角ブロックは、屈折率の異なる透明材料で形成してもよい。全反射の起こる光線角度を異なるように設定できるから、より微細な光線制御が可能となる。
集光板は、無数の前記集光ユニットを同一の方向に平面的に配列することで左右一方向からの光線に対して集光できる。また、整流スリット及び放射スリットの傾斜が逆向きの集光ユニットを交互に配列した集光ユニットは左右両方向からの光線に対して集光できるが、左方角からの集光と右方角からの集光を交互に行うことになるため、左右双方向からの完全な集光には集光ユニットを2段重ねにする必要がある。また、スリットの傾斜方向が同じ集光板2枚を傾斜方向が逆向きになるように重ねて2枚重ねにすることで左右双方向からの光線を集光することもできる。
以上の如く、本発明の集光板は、広角広範囲の光線を集束集光する機能を有するから、太陽光を集光して小面積に設置された太陽電池に供給したり、照明光源からの光線を限定された方角に集光して散逸によるエネルギーの損失を抑制したり、防眩したりすることができる。また、集光板の正面方向には光線が直進するから、内外に透視できて特定の方角に対して遮光したい窓などの用途に広く応用できるものである。
以下、本発明の集光ユニットをそのモデル断面図である図1に基づいて説明をする。
本発明の集光板は、透明材料で形成され、板面から設定角度を超えて入射する光線を全反射させるための整流スリット4と、整流スリットから板内を進行する光線を全反射で板外に放出するための放射スリット5と、整流スリットと放出スリット相互を仕切る仕切スリット6で集光ユニット1を構成し、無数の集光ユニットを平板状に配列した構成にあり、外形は四角い平板である。
集光ユニット1は、透明な一対の三角ブロック8の斜面相互を対面させて形成した四辺形の整流ユニット2と、同様に一対の三角ブロック8を対面させて形成した四辺形の放射ユニット3を連ねて構成されており、相互に対面する前記三角ブロック8の斜面はそれぞれ整流スリット4および放射スリット5を形成している。また、整流スリット4と放射スリット5の境には相互を仕切る仕切スリット6が設けられている。
整流スリット4の傾斜角度αは集光板面から設定角度を超えて入射する光線を全反射させることができる角度で、通常は30度以下の緩い傾斜に設定される。また、放射スリット5の傾斜角度βは整流ユニット2から放射ユニット3へ進行する光線を全反射で集光板外に放出できるだけの角度が必要であり、通常は40〜80度の急斜面で設定される。より屈折率の大きな材料を使用すると整流スリットの傾斜角度αと放射スリットの傾斜角度βの差を大きくとることができ、結果的には集光性能をさらに高めることができる。
また、整流ユニットと放射ユニットの三角ブロック8は、集光ユニットを左右に連続して形成するために上面および下面で図2のごとく連結代7で左右に連結されている。連結代は光線の制御には直接関係しないので、その厚みは製造上の都合や、製品の必要強度を考慮した上で進行光線に影響しないように設定すればよいが、なるべく薄い方が小型化できるから、0,1〜2mmが適当である。実質的に集光板は、傾斜角が異なる整流ユニット2と放射ユニット3の三角ブロック8が連続してなる鋸歯状の2枚の板を、傾斜面が噛み合うように向かい合わせたもので、外見的には集光板は上下面が平らな透明材料からなる平板で、鋸歯状の2枚の板は外周や板面の所々で一体に固定されて形成されている。仕切スリット6は機能上すべての場合に必要なものではないが、集光板を2枚の鋸歯状の板の組み合わせで形成するために必要なものである。従って仕切スリット6には成型の抜勾配や特別な仕様の場合を除き傾斜角度は不要である。
集光板を成形するための透明材料は、光線を透過する材質であれば無色でも有色でもよい。軟質樹脂を使えば柔軟なシートとして形成することもできる。
整流スリット4と放射スリット5は、上面と底面の間を斜面で分断する帯状の空隙である。空隙幅は全反射の作用が機能すれば特に限定されないが、通常、約0.01〜1mmの範囲で製造のしやすさ、品質等の見地から設定される。また、整流スリットと放出スリットの空隙の代わりに屈折率が異なる媒質を充填してもよい。
太陽光線の集光を例に集光ユニットの作用を説明すると、図2において入射角度θの小さい光線Aは、入射面で屈折して整流ユニットに進入するが、整流スリットとの境界面で臨界角に達していないために全反射を繰り返して放射スリットに到達する。同様に放射スリットも光線Aを全反射するため光線Aは下方に向けて板外に放出される。また、入射角度θの大きい光線Bは入射面での屈折も少なく整流スリットとの境界面で臨界角を超えるため、そのまま直進して下方の板外に入射角と同じ方角に放出される。
上述のごとく、高度の低い太陽光線は全反射によって放射方角が変換されてほぼ真下に放出され、高度の高い太陽光線はそのまま透過するので、広範囲の方角からの光線を設定された範囲の方角に集光することができるものである。図2の光線経路は説明のために代表的な方角からの入射光線について示したものである。
臨界角が約42度(屈折率1,5)の一般的なガラスやアクリル樹脂を使った集光板でより具体的に説明すると、日の出や夕陽のように水平方向からの光線(θ=0)は集光板に入射すると屈折して約42度の傾きで進行する。整流スリットの傾斜角度αが10度に設定されていれば角度差32度で全反射し、これを繰り返して約8度の傾きで放射スリットに到達する。放射スリットの傾斜角度βが56度であれば角度差48度で全反射し、下向きに76度の角度で底面に達して屈折し、高度約71度の光線として放出される。
また、整流スリットの傾斜αが10度の場合、全反射を起こす限界の光線角度が58度になるから、この角度に対応できる入射光線の角度θは光線の37度に相当する。つまり水平方向から高度37度までの光線は整流されて下向きの光線となり、それ以上の高度の光線はそのまま透過することになる。そのまま透過するのでその方角には透視も可能である。
集光板面から直接放射ユニット3に入射する太陽光線も、殆どは同様の経路をたどって集光されるが、一部は設定範囲以外の方角に放出される。しかし、整流ユニットの長さに比べて放射ユニットの長さが短いこともあり、設定範囲以外の方角に放出される光線の割合は一部に限られるので実用上の支障はない。図2における光線の経路や角度はほぼ実態に合わせて描かれている。
集光板を天井の埋込型照明のルーバーに応用することで、直接目に入る光源の眩しさを防ぐことができる。一般に眩しさを感じるのは高度が30度以下の光源であるが、前述のごとく集光板によって高度の低い光線を遮ることができるから天井照明の光源直下に集光板を設置すると、図2の光線経路図と同じように水平方向に照射される光線を下向きに変換して照明することができる。従来ルーバーでは高度の低い光線を無数の不透明な遮蔽板で遮り吸収や散乱させていたが、集光板を使えば防眩と光エネルギーの損失を少なくしてより明るく照明できるものである。また、集光板は平らで薄いので器具全体の構造が簡単になり小型化できる特徴がある。
さらに集光板はヘッドライトや屋外投光器など、放物面反射鏡を使っ投光型の照明器具の先端に取り付けることで、眩しく輝く反射鏡の先端からの漏れる光線を集束するとともに防眩できる。照明光源の先端に集光板を取り付けた場合の光線経路は天井照明の場合と同様の結果となる。
図3は集光板を多段に積み重ねて太陽光から発電する集光搭11の構成図である。集光板10は所定の空間を保つように四隅に設けられた支柱12で上下に積層され、下方に発電用の太陽電池9が配置された構成にある。太陽光発電では太陽電池に太陽の方角に応じた投影面積分の直射光を受けて発電することになるから、一般に太陽電池面が太陽に最大限に面するように南向きに傾斜して設置されるが、水平設置の場合について説明する。
図3の左側を南、右側を北として説明すると、夏至には集光搭の右下の水平方向から昇り始めた太陽は正午には左側の高度70度の高さに達して次第に紙面奥の右下水平線に沈み(東京)、冬至には集光搭の左下水平方向から昇り始めた太陽は正午には左上高度30度の高さを通過して左下水平線にに沈む。集光搭の各集光板には高度0〜最大高度70度の直射光が射し込むが、高度の低い光線は変換されて下方へ、高度の高い光線はそのまま集光板を透過して太陽電池に到達するので、太陽電池が単体で受ける場合に比べて格段に集光でき、太陽電池の単位面積当り発電量を飛躍的に増大させることができるものである。
図3において、方角を90度変えて左側を東、右側を西として見た場合、夏至には左後方から昇りはじめた太陽は日中には高度60〜70度の高さで左から右へ移動し右後方に日没する。また、冬至には左前方から昇りはじめた太陽は日中には高度20〜30度の高さで移動し右前方に日没するが、いずれも集光板には高度の低い直射光が全角度で射しこみ夏季よりも高い割合で発電に寄与することになる。
この集光搭においては、多段に積層するほど高い高度の太陽光の投影入射面積よりも高度の低い光線の投影入射面積の方が増大するから、一般に発電量が低下する朝夕方の発電量を確保できて発電量の変動を縮小することにも役立つものである。
このように集光板はレンズのような焦点を持たないが、広い方角からの光線を狭い範囲の光線に集束集光する機能を有し、横方向からの光線も正面方向からの光線も正面方向に集光できるものである。整流スリットと放射スリットからなる集光ユニットを無数に連結した構成であるが、実用的な形態は片面が鋸歯状断面の板を斜面が噛み合うように組み合わせただけの平らな板状構造であり、相似で縮小しても機能が変わらないから小型化で薄いシート状に形成することも可能である。
図4は集光ユニットのその他の実施形態を示すものである。図4の整流スリット4は上側の三角形ブロック8と下側の三角形ブロック8の斜面の傾斜角度がわずかに異なり、上方になるほど隙間が多くなるように設定されている。同様に放射スリット5や仕切スリット6でも異なった隙間が設定されている。このように設定すると各スリットを通り抜ける光線の方角を図中の光線経路のように微細に加減できるから、設定外の方角に向かう漏れ光線を減らす方法として有効である。
図5は整流スリット4と放射スリット5の傾斜方向が逆向きの2枚の集光板を重ねて左右双方向からの光線を集光する方法を示すもので、図中の光線経路のように左右両方向からの光線を集光できる。2枚の集光板の間に空隙をを設けても機能は変わらないから、空間を設けて積層する発電搭にも応用できる。また、2枚のうち上段の集光板の下側の鋸歯状の板と、下段の集光板の上側の鋸歯状の板を一体にして成型すると、合わせて3枚の鋸歯状の板で双方向型集光板が形成できることになる。平らな面相互での表面反射をなくなるので性能の向上に役立つ利点がある。
図6はスリットの傾斜方向が逆向きの集光ユニット2を連結してなる双方向型集光ユニットを示すもので、この双方向集光ユニットを半ピッチずらせて2段重ねにすることで図中の光線経路のごとく双方向からの光線を集光することができる。隣り合わせになる整流スリット相互や放射スリット相互間の仕切スリットは製造上も不要なので図中でも表示されていない。
図7は集光ユニットを放射状に形成した円形型の集光板を示すもので、放物反射鏡を使ったヘッドライトなどの照明光源の先端に配置して、反射鏡から出た光線の中で光軸に沿った光線はそのまま直進させ、光軸から大きくずれた漏れ光線を軸方向に集束させるものである。図中の矢印方向に見た断面が図2と同一の構造になっている。
集光ユニットを示すモデル断面図である。 集光板における光線の集束を説明するための光線経路図である。 集光板を多段に積み重ねて太陽光から発電する集光搭の構成図である。 集光スリットの空隙を変化させた集光ユニットの光線経路図である。 集光ユニットを逆向きに積み重ねた双方向型集光ユニットの説明図である。 逆向きの集光ユニットを組み合わせた双方向型集光ユニットの説明図である。 集光ユニットを放射状に形成した円形型集光板の平面図である。
符号の説明
1、集光ユニット
2、整流ユニット
3、放射ユニット
4、整流スリット
5、放射スリット
6、仕切スリット
7、連結代
8、三角ブロック
9、太陽電池
10、集光板
11、集光搭

Claims (4)

  1. 透明材料で形成されてなる板状の集光板であって、板面から設定角度を超えて入射する光線を全反射させるための整流スリットと、整流スリットから板内を進行する光線を全反射で板外に放出するための放射スリットと、整流スリットと放射スリット相互を仕切る仕切スリットで集光ユニットを構成し、無数の集光ユニットを平板状に配列したことを特徴とする集光板。
  2. 整流スリット及び放射スリットの傾斜が逆向きの集光ユニットを交互に配列したことを特徴とする請求項1記載の集光板。
  3. 請求項1または請求項2記載の集光板2枚を、整流スリット及び放射スリットの傾斜方向が逆向きになるように重ね合わせてなる集光板。
  4. 複数の前記集光板を上下に所定の空間を保って積層し、空間から斜め方向に差し込む太陽光を集束して下面の発電ユニットに照射するように構成したことを特徴とする太陽光発電用の集光搭。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8988791B2 (en) 2010-09-27 2015-03-24 Denso Corporation Light collector and light collecting device

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