JP2008044508A - エンジンアシスト装置を備えた多軸車両 - Google Patents

エンジンアシスト装置を備えた多軸車両 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンアシスト型の多軸車両において、駆動輪の空転を抑制し加速性能の悪化を防止する。
【解決手段】多数の駆動輪76L,R〜82L,Rの各々が空転しているか否かを判定し、空転していると判定された駆動輪には自動的に制動をかけて空転を抑制する。加えて、アクセル操作が行われたとき、同時に空転していると判定された駆動輪の数を検出して所定の指定数と比較する。同時空転数が所定数より少なければ、エンジン24をアシストする発電電動機22の出力トルクを増やしてエンジン出力トルクを補強させて、駆動輪76L,R〜82L,Rに伝達されるトルクを増大させる。同時空転数が所定数より多ければ、発電電動機22にエンジン24からの出力トルクを吸収させて、駆動輪76L,R〜82L,Rに伝達されるトルクを減少させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般的には、8輪車両や6輪車両のように3軸以上の車軸を有する多軸車両に関し、特に、エンジン出力を電動機又は発電機で補強又は抑制して駆動輪に伝達するように構成した所謂エンジンアシスト型の多軸車両において、駆動輪への過剰なトルク供給によって駆動輪が空転した場合に、その空転を抑制し加速性能の悪化を防止するための技術に関する。
一般的な4輪車両において、駆動輪への過剰なトルク供給によって駆動輪が空転した場合に、その空転した駆動輪に対してブレーキをかけて空転を防止する技術、ならびに路面の摩擦係数に応じて空転判定の基準値を調整すべきことは古くから知られている。
例えば、特許文献1によれば、4輪トラクターの後車軸にディファレンシャルギヤを介して駆動される左右の駆動輪を配置した場合、一方の駆動輪がスリップして空転して引張力を失ったときに反対側の駆動輪にも駆動力が伝達されなくなる。これを防止するため、空転したことが検出された駆動輪にブレーキをかけることにより反対側の駆動輪に駆動力を伝達することができる。
また、特許文献2によれば、空転量が少ないほど車体の横抗力は大きいため、凍結路面などの摩擦係数の小さい路面での走行安定性を増すためには、空転したと判定するための空転量基準値を低く設定したほうが望ましい。逆に、摩擦係数の大きい路面ではほとんど一瞬しか空転を生じないため、空転防止措置を過剰に講じて駆動力が低下することにより加速性が悪くなるのを防止するためには、基準値を高く設定したほうが望ましい。
さらに、最近では個々の駆動輪を応答性の高い電動機で独立に駆動することにより、走行しながら路面と駆動輪間の摩擦係数をリアルタイムで推定計算する手法も研究されている。
他方、4輪車両において、エンジンアシスト技術、すなわち、エンジン出力を補強又は吸収することができる電動機若しくは発電機などの電気機械(以下、「エンジンアシスト装置」という)を用いて駆動力を調整する技術が知られている。そして、エンジンアシスト装置として用いられる電気機械の性能が向上したことを反映して、エンジンが発生する過剰な駆動力の瞬時値をエンジンアシスト装置に急速に吸収させて車輪の空転を回避したり、発生した空転の量が少なくなるように抑制する技術が提案されている。
例えば特許文献3や特許文献4では、前輪駆動するエンジンに結合された発電機の発電量を増大させることにより、前輪に供給される駆動力の瞬時値を急速に減少させて前輪の空転を防止すると同時に、その発電機で発電した電力を後輪駆動専用のモータに供給して後輪にも駆動力を供給する方法が開示されている。
また、特許文献5では、スリップ状態検出手段で駆動輪がスリップしていることを検出したとき、エンジン出力トルクを補強する電動機の駆動力を減少させ、あるいはその電動機で発電させてエンジン出力トルクを吸収させる。これにより、走行駆動力とグリップ力の基準値が一致するように電動機を駆動し、車輪がスリップすることを回避する。
また、特許文献6では、駆動力を発生する駆動用モータと内燃機関により駆動力を発生するエンジンとを併用して走行するハイブリッド自動車において、加速時にスリップ率が所定値を超えると駆動トルクを減少させ、あるいは駆動トルクを吸収して車輪のスリップを抑制する。
特公昭39−9603号公報 特公昭58−20051号公報 特開2001−23774号公報 特開2003−111207号公報 特開平11−241624号公報 特開2000−115910号公報
上記のように、乗用車のような4輪車両では、エンジンが発生する過剰な駆動力の瞬時値をエンジンアシスト装置に急速に吸収させて車輪の空転を回避したり、発生した空転の量が少なくなるように抑制する技術が提案されている。同様に、8輪車両や6輪車量のような多軸車両においても、低摩擦係数の路面ではエンジンアシスト装置でエンジントルクを吸収することは、過剰な駆動力による空転を防止して姿勢を安定させることができる。また、高摩擦係数の路面ではエンジンアシスト装置によってエンジントルクを支援することにより、エンジン単体よりも強力な駆動力を駆動輪に加えて加速性を向上させることができる。
しかしながら、多軸車両には、4輪車両とは異なる構造上の特徴があり、それに起因して、従来のエンジンアシスト技術を導入した場合に以下のような幾つかの課題が発生する。
第1に、多軸車両は、その一つの特徴として、駆動輪の数が多いことがある。多数の駆動輪をもつ多軸車両、特に、6輪以上の駆動輪をもつ多軸車両は、一部の駆動輪が働けなくなっても、他の駆動輪によって走行することが可能であるという利点を持つ。このような多数の駆動輪のうち、同時に空転する車輪は一部だけ(多くの場合は3輪以下)にすぎない。そのため、従来技術に従って、いずれかの駆動輪の空転を検出するたびにエンジン出力トルクの瞬時値を下げる制御をおこなうと、他の空転していない駆動輪に伝わるトルクが一斉に低下し、かえって加速性が悪くなってしまう。
第2に、エンジンアシスト型の多軸車両では、別の特徴として、エンジンアシスト装置と駆動輪の間の動力伝達系が複雑で大型であり、ドライブシャフトの捩りなどの大きなバネ要素が存在する。このバネ要素に起因して、エンジンアシスト装置を操作して駆動輪のトルクを制御しようとする場合に、その制御に大きな応答遅れが生じる。この大きな応答遅れのために、駆動輪の回転数又は路面との摩擦係数などをリアルタイムで計測しフィードバックして駆動輪のトルクの瞬時値をリアルタイムで制御しようとしても、早い応答を実現することができないのみならず、制御系が振動してしまって実用にならないことが多いという課題がある。
第3に、仮に多数のセンサを用いて、上述したドライブシャフトの捩りなどの大きなバネ要素に起因する大きな応答遅れを解決することができたとしても、多数の駆動輪に共通である1つのエンジン出力を調整するだけでは、多数の駆動輪に対して適正なトルクを配分することができないという課題がある。
従って、本発明の目的は、エンジンアシスト型の多軸車両において、多軸車両の特徴に適した方法で、駆動輪の空転を抑制し加速性能の悪化を防止することにある。
エンジンアシスト型の多軸車両において、エンジンアシスト装置を用いて駆動輪に供給される駆動トルクの瞬時値を速い応答で(=高い応答周波数で)制御しようとすれば、前述の通り制御系が振動してしまう。他方、駆動トルクの瞬時値を適度に遅い応答で(=適度に低い応答周波数で)制御すれば、高い安定性を持った制御が可能である。それとともに、多軸車両は多数の駆動輪を持つため、非常に少数の駆動輪だけが空転していて、大部分の駆動輪は路面をグリップしている場合には、加速性や姿勢安定性にあまり支障は生じないので、エンジンアシスト装置を用いて総合の駆動トルクを抑制する必要はなく、むしろ、総合の駆動トルクを増やした方が加速性能が良くなる。この点が、多軸車両の4輪車両とは明らかに異なる特徴である。因みに、4輪車両では、1つでも車輪が空転すると加速性や姿勢安定性が低下するため、駆動輪には空転が起きないように厳しく管理しなければならない。
この多軸車両の特徴に鑑み、本発明に従う多軸車両は、車両のアクセル操作(発進操作を含む)が行われているとき(典型的には、アクセルペダルが踏まれているとき)、いずれかの駆動輪に空転が生じた場合、その駆動輪に制動をかけてその空転を抑制するという空転防止制御を実行しつつ、同時に空転した駆動輪の数(同時空転数)を検出し、同時空転数の多寡に応じてエンジンアシスト装置を操作して総合の駆動トルクを制御するという駆動トルク制御を実行する。この駆動トルク制御は、例えば、同時空転数と予め設定された指定数とを比較し、
A. 同時空転数>指定数なら、総合の駆動トルクを減少させ、
B. 同時空転数=指定数なら、総合の駆動トルクを現在のまま維持し、
C. 同時空転数<指定数なら、総合の駆動トルクを増加させる、
ようにエンジンアシスト装置を操作する、という方法で行なうことができる。このような駆動トルク制御により、アクセル操作が行われている間、同時刻に空転している駆動輪の数が指定数以下に収まるようになる。このような駆動トルク制御は、駆動トルクの瞬時値を高速応答で制御するものではないから、大きい遅れ時間があても制御が振動せず、安定した制御ができる。加えて、多数の駆動輪を持つという多軸車両の特徴も生かすことができる。
本発明の多軸車両によれば、路面の摩擦係数の大小に関わらず、いずれの駆動輪に対しても空転防止のための自動制動の制御が働くので、いずれかの駆動輪が瞬間的に空転しても直ちに空転が抑制されて、車両の姿勢が安定に保たれる。
本発明の多軸車両によれば、路面の摩擦係数が高い場合、同時に空転する駆動輪の数は少ないので、エンジンアシスト装置にトルクを出力させて、総合の駆動トルクを増大させることができる。そうすれば、摩擦係数が高い路面上でアクセル操作を行なったとき、エンジン自体の出力が増加することに加え、エンジンアシスト装置によってエンジン出力トルクが補強されることになり、エンジン単体よりも強力な駆動トルクを駆動輪に加えて加速性を向上させることができる。
本発明の多軸車両によれば、路面の摩擦係数が低い場合、同時に空転する駆動輪の数が多いので、エンジンアシスト装置にエンジン出力トルクを吸収させて、総合の駆動トルクを減少させることができる。そうすれば、摩擦係数が低い路面上でアクセル操作を過剰に行っても、エンジンアシスト装置がエンジン出力トルクを吸収して、過剰な駆動トルクによる空転を防止して姿勢を安定させ、加速性能の悪化を防止することができる。
上述した駆動トルク制御において、同時空転数と比較される上記指定数は、例えば、「1」、「2」または「3」とすることができる。この指定数は、駆動輪として機能させ得る車輪の最大数、走行時に実際に駆動輪として機能させる車輪の数(例えば8輪車両の場合、8輪とも駆動輪として使う8WDモードと、4輪だけ駆動輪として使う4WDモードが存在する)、積載物の重心位置、或いは路面の状態(路面の摩擦係数の大小)などに応じて、自動的に又は手動で変更されてもよい。
各駆動輪が空転しているか否かの判定は、例えば、各駆動輪のスリップ量を測定し、そのスリップ量を所定の閾値と比較することで行うことができる。すなわち、スリップ量が閾値以上であれば、「空転している」、未満であれば「空転してない」と判定することができる。その場合、スリップ量として、
A. 車速推定値をV0、タイヤ周速計測値をV1としたときのスリップ率S=(V1-V0)/V0と、
B. 駆動輪の回転角速度推定値をω0、駆動輪の回転角速度計測値をω1としたときの角速度差Δω=ω1-ω0と
のいずれかを、選択的に使用することができる。スリップ率Sと=角速度差Δωを適切に使い分けることで、空転しているか否かの判定がより適切に行える。例えば、異なる路面状態に応じて、スリップ率Sと角速度差Δωのいずれかを使うかを決めることができる。例えば、雪道のように摩擦係数の非常に低い路面上で発進する場合には、角速度差Δωを使うことが望ましく、他方、走行中の加速時や、或る程度以上の摩擦係数をもつ路面上で発進する場合には、スリップ率Sを使用することが望ましい。好適な実施形態では、前者の場合に使用する「雪道発進」モードと、後者の場合に使用する「路外加速」モードという異なる動作モードが設けられ、運転者がスイッチ操作で任意の動作モードを選択できるようになっており、運転者が「雪道発進」と「路外加速」のいずれのモードを選択したかに応答して、スリップ率Sと角速度差Δωのいずれかを使うかが自動的に選択されるようになっている。
また、空転の判定で、スリップ率と比較される閾値も、路面状態に応じて変えることができる。例えば、雪道のように摩擦係数の非常に低い路面上で発進する場合には、閾値をより小さい値にし、それ以外の場合には、閾値をより高い値とすることができる。好適な実施形態では、運転者が「雪道発進」モードを選択した場合には、小さい閾値が選択され、「路外加速」モードを選択した場合には大きい閾値が選択されるようになっている。さらに、閾値として変数を用いて、検出された同時空転数の多寡に応じてその変数を変えるようにしてもよい。例えば、同時空転数が多いほど、閾値を低下させて、空転防止用の自動ブレーキをより敏感に働かせるようにすることができる。
上述した駆動トルク制御は、行われたアクセル操作量(例えばアクセルペダルの踏み込み量)が規定量を超えた場合に限って、実行されるようにしてもよい。これにより、運転者が走行状態を冷静に判断できる平時においては、自動的な駆動トルク制御によらず運転者の判断で走行状態を制御することができる。他方、緊急事態に遭遇してそれに対処するために急発進又は急加速をしたいというような場合には、自動的な駆動トルク制御が働いて路面状態に応じた最大の加速性能を発揮できるようにすることで、急発進又は急加速を可能にすることができる。
また、特定の路面状態においては、自動的な駆動トルク制御を停止するようにしてもより。好適な実施形態では、上述した2つの動作モードの他に、通常の道路の走行を想定した「路上走行」モードも選択できるようになっており、「路上走行」モードが選択された場合には、運転者の判断で走行状態を制御できるようにするために、自動的な駆動トルク制御が停止され、常に運転者のアクセル操作に従って駆動トルクが増減される。
本発明によれば、エンジンアシスト型の多軸車両において、多軸車両の特徴に適した方法で、駆動輪の空転を抑制し加速性能の悪化を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる多軸車両の駆動系の概略構成図である。
図1に示すように、この多軸車両20は、エンジンアシスト型の8輪式(4車軸式)の全軸駆動車であり、エンジンアシスト装置として、発電制動又は回生制動などの電気制動を行なうことができる電動機22が使用される。以下の説明では、発電制動又は回生制動などの電気制動を行なうことができる電動機を「発電電動機」と呼ぶ。ここで、この明細書における用語「発電電動機」には、電気制動を行なうことができる構造をもつ通常の誘導電動機、直流電動機、同期電動機、永久磁石同期電動機などの「電動機」だけでなく、電動機用巻線と発電機巻線とを別に有する狭義の「発電電動機」も含まれる。
エンジン24の出力トルクは、トルク伝達ギヤ26を介して、エンジンアシスト装置としての発電電動機22によって補強され又は吸収され得る(つまり、発電電動機22の出力トルクが加えられ又は差し引かれ得る)ようになっている。エンジン24と発電電動機22の総合の出力トルクがトルクコンバータ28の入力に加えられる。トルクコンバータ28の出力はトランスミッション30の入力に加えられる。そして、トランスミッション30の出力トルクは、センターディフェレンシャルギア32、前輪ディフェレンシャルギア34、後輪ディフェレンシャルギア36、第1軸から第4軸のディフェレンシャルギア38〜44、ならびにこれらを互いに接続する多数のドライブシャフト60〜74を介して、8つの駆動輪76L,R〜82L,Rに分配される。このように、エンジン24と発電電動機22の出力トルクの合算が、8つの駆動輪76L,R〜82L,Rまで伝達されるには、多数のドライブシャフト60〜74を介しているので、例えば発電電動機22の出力トルクの瞬時値を急激に変化させても、そのトルク変化は多数の長細いドライブシャフト60〜74の捩りというバネ要素に一旦吸収され、時間遅れを伴って駆動輪76L,R〜82L,Rに伝達される。従って、この多軸車両20において、発電電動機22の出力トルクの瞬時値を高い周波数で変化させることによって駆動輪76L,R〜82L,Rの回転トルクの瞬時値を自動制御することは実用的でない。
なお、8つの駆動輪76L,R〜82L,Rの各々には、その車輪の回転速度を検出するための車輪速センサが取り付けられている(図示せず)。この車輪速センサには、例えば公知のABS(アンチロックブレーキシステム)などで使われるものと同様の構造のもの、例えば、車輪の回転軸に同軸に固定された歯車と、その歯車に近接して設置された、その歯車の金属突起の有無を検出する電磁ピックアップとを備えたものが採用され得る。それぞれの駆動輪76L,R〜82L,Rの車輪速センサの電磁ピックアップから出力されるパルスは、後述する空転防止制御装置(図5参照)に入力され、そこで、各電磁ピックアップから単位時間あたりに発生されるパルスから各駆動輪の回転角速度ω1が計測される。
図2は、本実施形態にかかる多軸車両の8つの駆動輪に設けられた自動ブレーキの構成を示す。
8つの駆動輪76L,R〜82L,Rには、それぞれ独立して動作できるブレーキシリンダ110L,R〜116L,Rが設けられる。それぞれのブレーキシリンダ110L,R〜116L,Rには、自動的な制動を行えるようにするために、自動チェックバルブ141L,R〜146L,Rを介して、それぞれ独立して駆動可能な自動増圧制御弁121L,R〜126L,Rが接続される。それぞれの自動増圧制御弁121L,R〜126L,Rは、後述する空転防止制御装置(図5参照)によって、それぞれ独立して駆動され制御される。さらに、それぞれのブレーキシリンダ110L,R〜116L,Rには、手動増圧チェックバルブ151L,R〜156L,Rを介して、通常は大気に接続されているが運転者がブレーキペダル118を踏むとエアタンクに接続されるブレーキバルブ120が接続される。それぞれの手動増圧チェックバルブ151L,R〜156L,Rに並列に、減圧絞り161L,R〜166L,Rが接続される。
図2に示された自動ブレーキは、後述する空転防止制御装置(図5参照)により制御されることで、8つの駆動輪76L,R〜82L,Rに対して、特許文献1(特公昭39−9603号公報)や特許文献2(特公昭58−20051号公報)に開示されたものと同様の原理でその空転を防止又は抑制するための自動制動を適用する。
すなわち、後述する空転防止制御装置(図5参照)は、各駆動輪の回転速度が所定の閾値を越えたことで「空転した」と判定した場合、該当する駆動輪用の自動増圧制御弁を励磁する。例えば、図1に示された第1軸左車輪76Lが「空転した」と判定された場合、図2において、第1軸左自動増圧弁121Lが励磁されて、エアタンクからの元圧が自動増圧チェックバルブ124Lを介して第1軸左ブレーキシリンダ110Lに供給される。それにより、自動的に第1軸左車輪76Lに制動力が加わり、第1軸左車輪76Lの空転が抑制されると共に、この空転に起因する第1軸右車輪76Rへの伝達トルクの減少が防止される。その後、第1軸左車輪76Lの空転が解消されたと判定された場合、自動増圧弁121Lが消磁され、第1軸左ブレーキシリンダ110Lに充満した高圧のエアが減圧絞り161Lを通ってブレーキバルブ120の排気ポートから大気に開放され、第1軸左車輪76Lの自動的な制動が解除される。このようにして、空転した駆動輪用の自動増圧制御弁を励磁することにより、その駆動輪には制動力が加わるので、その空転を止めることができる。
図3と図4はそれぞれ、一つの駆動輪が「空転した」と判定するための処理フローを示す。これらの判定の処理は、後述する空転防止制御装置(図5参照)により、駆動輪毎に行われる。
図3は、多軸車両が走行中に加速する場合に用いる空転判定のフローである。
図3に示すように、多軸車両20の前後方向の加速度αxを積分して車速推定値V0を演算し(ステップS1)、各駆動輪のドライブシャフトに取り付けられた車輪速センサからの信号で各駆動輪の車輪周速計測値V1を算出し(S2)、そして、車速推定値V0と各駆動輪の車輪周速計測値V1とから、各駆動輪のスリップ量として、スリップ率S=(V1-V0)/V0を計算する(S3)。このスリップ量(スリップ率)Sが予め想定したスリップ率の閾値よりも大きければその駆動輪が空転したと判定し(S4とS5)、小さければ空転していないと判定する(S4とS6)。
ところで、上記のスリップ率S=(V1-V0)/V0は、車両が発進する場合には都合が悪い。発進する瞬間には、車体重心が静止(V0=0)していても、駆動輪にはトルクが与えられるため、駆動輪のドライブシャフトが円周方向に捩れる。これにより、そのドライブシャフトに取り付けられた車輪速センサは、駆動輪の周速がゼロであるにもかかわらず、車輪周速計測値V1としてゼロより大きい或る値を出力してしまい、その結果、発進する瞬間にはスリップ率Sが無限大になってしまい、駆動輪の空転を正確に検出することができない。路面の摩擦係数が十分に高く車両が瞬間的に発進できる場合には、上記の現象が起きても大きな不具合にはならないが、雪道のように路面の摩擦係数が非常に低い場合、発進する瞬間の駆動輪の空転を防止しなければ、路面を削って穴を掘ってしまうため、発進することができない不具合を生じる。
そこで、図4に、多軸車両が静止中に発進する場合に用いる空転判定のフローを示す。
図4に示すように、車両の前後方向の加速度αxを積分して得られる車速推定値V0と、駆動輪の負荷半径r0とから、車輪回転角速度推定値ω0=V0/r0を算出する(S11)。また、各駆動輪のドライブシャフトに取り付けられた車輪速センサからの信号を用いて、各駆動輪の車輪回転角速度計測値ω1を算出する(S12)。そして、各駆動輪このスリップ量として、車輪回転角速度推定値ω0と各駆動輪の車輪回転角速度計測値ω1との間の角速度差Δω=ω1-ω0を算出し(S13)、各駆動輪のスリップ量(角速度差)Δωが予め想定した角速度差の閾値よりも大きければその駆動輪が空転したものと判定し(S14とS15)、小さければ空転していないと判定する(S14とS16)。
図3と図4に示されたように、雪道発進時のように、発進する瞬間にも厳密に空転を制御したい特殊な路面条件下では、駆動輪の空転を判断する指標つまりスリップ量として、車速がゼロであっても問題のない角速度差Δωを使うことができる。また、そのような特殊な路面条件下でない場合には、スリップ量として、車速に応じたスリップ率Sを使用することができる。
図5は、本実施形態において自動制動による駆動輪の空転防止とエンジンアシスト技術による駆動力調整を行う制御装置の全体構造を示す。(車両の加減速に伴うトランスミッションの公知の自動シフトチェンジの制御要素の記載は省略する。)
図5に示すように、制御装置200は、空転防止制御装置202とエンジン制御装置204とエンジンアシスト制御装置206と発進加速制御装置208とを有する。以下、これらについて説明する。
(1)空転防止制御装置202
空転防止制御装置202は、常時、8つの駆動輪76L,R〜82L,Rのドライブシャフトに設けられた8つの車輪速センサから出力されるパルス信号と、車体に搭載された加速度センサから出力される前後方向の加速度信号αxを入力し、これらの入力値を用いて図3又は図4に示された空転判定フローを実行し、それにより、8つの駆動輪をそれぞれ制動するための8つの自動増圧制御弁121L,R〜126L,Rを制御して、8つの駆動輪76L,R〜82L,Rのそれぞれの空転を防止又は抑制する。図3又は図4に示された空転判定フローを実行するために、空転防止制御装置202は、予め、発進加速制御装置208から、図3及び図4の空転判定フローでそれぞれ使用する2種類の閾値(すなわち、スリップ率Sに対する閾値と、角速度差Δωに対する閾値であり、いずれも定数でよいし、或いは少なくとも前者は変数でもよい)と、閾値選択情報(上記2種類の閾値のいずれを使うか、換言すれば、図3と図4の判定フローのいずれを使うかを指定する情報)とを入力する。空転防止制御装置202は、上記空転判定フローを実行した結果として、自動増圧制御弁121L,R〜126L,Rを制御するだけでなく、現在の瞬間に空転していると判定された駆動輪の数(以下、「同時空転数」という)を検出し、検出された同時空転数と、算出された車速推定値V0とを、発進加速制御装置208に出力する。
このように、空転防止制御装置202は、発進加速制御装置208により指定された閾値や閾値選択情報などのパラメータと、センサからの駆動輪の状態や車速の観測情報とに基づいて、図2に示した自動ブレーキを制御して、8つの駆動輪76L,R〜82L,Rの空転を防止又は抑制し、それと並行して、現在空転していると判定された駆動輪の数である同軸空転数と現在の車速推定値とを発進加速制御装置208にフィードバックする。
(2)エンジン制御装置204
エンジン制御装置204は、基本的に、公知のエンジン制御装置と同様の構造を有する。エンジン制御装置204は、運転者によるアクセルペダル操作量(スロットル開度)を検出するセンサ(図示せず)により検出されるアクセルペダル踏込量(スロットル開度)と、発進加速制御装置208から出力される出力抑制指令とを入力し、エンジン24を制御してエンジン24の出力を増減又は抑制する。エンジン制御装置204は、制御に使用しているアクセルペダル踏込量(スロットル開度)の情報を通信回線を用いて外部に出力することもできる。
(3)エンジンアシスト制御装置206
エンジンアシスト制御装置206は、発進加速制御装置208から出力される「出力増減指令」を受け、エンジンアシスト装置としての発電電動機22に出力トルク目標値を与えて発電電動機22の出力トルクを増減させる。発進加速制御装置208からの出力増減指令の値は、発電電動機22の出力トルクの目標値の「差分」である。エンジンアシスト制御装置206は、その出力増減指令の値つまり目標値の差分を積分し、その積分値を出力トルク目標値として発電電動機22に与える。出力増減指令の値の極性がプラスかマイナスかで出力トルク目標値が増減する。
発電電動機22に与えられる出力トルク目標値の極性がプラスのときは、発電電動機22はエンジン出力を補強するように(つまり力行運転で)プラスのトルクを出力する。また、出力トルク目標値の極性がマイナスのときは、発電電動機22はエンジン出力を吸収するように(つまり電気制動運転で)マイナスのトルクを出力する。力行運転と電気制動運転のいずれのときも、出力増減指令の値の極性がマイナスであれば、出力トルク目標値が減少(マイナス方向に増大)するので、8つの駆動輪へ伝達される駆動トルクが減少し、逆に、出力増減指令の値の極性がプラスであれば、8つの駆動輪へ伝達される駆動トルクが増大する。
(4)発進加速制御装置208
発進加速制御装置208は、加速性を重視した本発明の原理に従がう自動的な駆動トルク制御を実行するための中心的役割を果たす装置である。この駆動トルク制御を実行する場合、発進加速制御装置208は、空転防止制御装置202から車速推定値V0を入力して、車両が「発進中」であるか「加速中」であるかを判断する。同時に、発進加速制御装置208は、空転防止制御装置202から同時空転数の情報を受け取って、その同時空転数を予め設定された指定数(例えば、「1」、「2」または「3」)と比較し、その比較結果に応じて、エンジンアシスト制御装置206に対して出力増減指令を発する。出力増減指令がマイナス極性でその絶対値が或る程度以上に大きい場合(つまり、駆動トルクをある程度以上大幅に低減する場合)又はその事態が生じる可能性が高い場合には、エンジンアシスト制御装置206による発電電動機22の制御だけでは駆動トルクの抑制効果が不十分であることが予測されるので、発進加速制御装置208は、同時に又は前もって、エンジン制御装置204に対して出力抑制指令を与えることもできる。
発進加速制御装置208は、運転者により操作される路面状態選択スイッチからの信号に応答して「雪道発進」、「路上走行」および「路外加速」という複数の動作モードのいずれかを選択する。これらの動作モードは次のような場面を想定している。
「雪道発進」モードは、摩擦係数が非常に低い路面上で静止状態から発進する場面、典型的には例えば雪道で発進する場面を想定している。雪道では、発進時に駆動輪が空転して路面に穴を掘って発進できなくなる可能性が高いため、特に発進の瞬間における空転防止制御に、より細心の注意を払わなければならない。
「路上走行」モードは、摩擦係数が十分に高い路面上を、高速に走行したり、交通環境に応じて種々の運動を行うような場面、典型的には例えば、高速道路や市街道路などを走行する場面を想定している。このような場面では、道路上を高速運転する場合だけでなく、平坦な路面の凍結に対応した運転や、交通事故回避のために急ブレーキ、急ハンドルを余儀なくされる場合があるので、加速性能を重視した本発明の原理に従う自動的な駆動トルク制御より、むしろ、運転者による臨機応変な運転操作に任せる方が、安全上好ましいと考えられる。そのため、このモードが選ばれた場合には、本発明の原理に従う自動的な駆動トルク制御は「OFF」にされ、交通安全を重視したABSだけを使った駆動トルク制御が行われる。なお、ABSの制御は、公知であるため、この明細書では説明を省略する。
「路外加速」モードは、摩擦係数が十分には高くない路面上で加速する場面、典型的には例えば、凹凸のあるオフロードで、時速50km以下の中速又は低速で走行しつつ加速したり、発進したりする場面を想定している。このような場面では、ぬかるみや砂利道など路面の摩擦係数がめまぐるしく変化する。この環境下で何らかの緊急事態に遭遇し、アクセルペダルを思い切り踏み込んだとき、その路面で実現できる最大の加速度で車両を発進又は加速できることが望ましい。
発進加速制御装置208は、路面状態選択スイッチで「雪道発進」モード又は「路外加速」モードが選択された場合にのみ、本発明の原理に従う加速性重視の駆動トルク制御を実行する。その場合、発進加速制御装置208は、エンジン制御装置204からスロットル開度のデータを入力し、スロットル開度が所定の基準値を超えたとき、例えば運転者がアクセルペダルを思い切り又は或る程度大きく踏み込んだときにのみ、「雪道発進」モード又は「路外加速」モードにおける本発明の原理に従う駆動トルク制御を実行する。
以下では、「雪道発進」モードと「路外加速」モードのそれぞれにおける、本発明の原理に従う駆動トルク制御についてより詳細に説明する。
1. 雪道発進モード
雪道発進のモードが選択される場合、予め、エンジン24と駆動輪76L,R〜82L,Rとの間の動力伝達系は全車輪駆動の状態に設定され、エンジン24はエンジン制御装置204で規定されたアイドリング回転数で安定に運転中で、オートマチックトランスミッションはドライブ(または前進の適当な段数)に入れられているものとする。
路面状態選択スイッチで「雪道発進」が選択された瞬間に、発進加速制御装置208が雪道発進モードの制御をスタートし、エンジン制御装置204へ出力抑制指令が出てエンジン出力が抑えられると同時に、発進加速制御装置208からの出力増減指令とエンジンアシスト制御装置206からの出力トルク目標値がゼロに初期セットされる。これにより、過大なエンジン出力を抑制するとともに、トルクの増減調整が容易な発電電動機22で発進時の駆動トルクの調整を行うための準備が完了する。さらに、発進加速制御装置208から空転防止制御装置202に対して、図4に示した空転判定フローを選択するよう指示が出され、同時に、角速度差Δωに対する閾値として使うべき小さな値(定数)が渡される。そして、発進加速制御装置208は、図6に示される雪道発進モードでの駆動トルク制御を開始する。
図6に示すように、雪道発進モードでの駆動トルク制御が開始されると、ステップS21で、エンジン制御装置204からのスロットル開度の情報に基づき、アクセルペダルが規定量以上に大きく踏み込まれたかどうかが判定される。なお、雪道発進モードでは、後述する路外加速モードに比べて、アクセルペダルの踏み込みの規定量の値はより小さい。
ステップS21での判定結果がYESの場合、ステップS22で、図4に示した空転判定フローを実行している空転防止制御装置202から、現在の同時空転数の情報を入力する。そして、ステップS23で、同時空転数と所定の指定数(例えば、「1」、「2」または「3」)とが比較される。ここで、雪道発進モードでの指定数は、路外加速モードのときよりも小さい値にしてもよい。
ステップS23の判定の結果、同時空転数が指定数未満ならば、大半の駆動輪は路面をグリップしているので、それらの駆動輪のトルクを増やせば、より円滑に発進することができる。そこで、空転防止制御装置202の制御により空転した駆動輪に制動をかけて空転を防止しつつ、ステップS24で、発進加速制御装置208からエンジンアシスト制御装置206に対してプラスの出力増減指令を出力して、発電電動機22の出力トルクを増加させることで8つの駆動輪への総合の駆動トルクを増加させて加速する。
ステップS23の判定の結果、同時空転数が指定数と同じなら、過半数の駆動輪は路面をグリップしているので、それらの駆動輪で十分に発進することができるが、駆動トルクを増やすと更に多くの駆動輪を空転させてしまう虞がある。そこで、空転防止制御装置202の制御により空転した駆動輪に制動をかけて空転を防止しつつ、ステップS25で、発進加速制御装置208からエンジンアシスト制御装置206に対する出力増減指令をゼロとして、発電電動機22の出力トルクを現状のまま維持することで、現在の駆動トルクを維持して加速する。
ステップS23の判定の結果、同時空転数が指定数を越えるなら、路面をグリップしている駆動輪が少なく、駆動トルクを下げないと発進できない虞がある。そこで、空転防止制御装置202の制御により空転した駆動輪に制動をかけて空転を防止しつつ、ステップS26で、発進加速制御装置208からエンジンアシスト制御装置206に対してマイナスの出力増減指令を出力して、駆動力を減少させて発進を行う。
雪道発進モードの選択状態が続く間、上記の制御フローが繰り返し実行される(ステップS27)ので、アクセルペダルを規定量以上踏む操作が継続している限り、同軸空転数の多寡に応じた発電電動機22の出力トルク操作による総合の駆動トルクの制御が続けられる。
上記の雪道発進モードでの駆動トルク制御を実行することにより、以下の現象が発生し、雪道のような摩擦係数が非常に小さい路面状態でも、路面を崩さずに車両を発進させることができる。
(1) 現象#1
停車状態でアクセルペダルを規定量以上に踏み込むと、予めエンジン制御装置204に出力抑制指令が出ているとはいえ、駆動力は過大である。このため、まだ車体重心が静止しているにもかかわらず、全ての駆動輪のドライブシャフトが円周方向に急に捩れて駆動輪を回転させようとする。この瞬間、空転防止制御装置202において、全ての駆動輪の空転判定(図4参照)で、角速度差Δω=ω1-ω0が閾値(予め小さな値が設定されている)を越えるので、全ての駆動輪が空転したものとみなされ、自動的に空転防止のための制動が全ての駆動輪に掛かり、車両は発進できずに停止したままになる。これにより、いきなり駆動輪が空転して路面に穴を掘ってしまう事態が回避できる。
同時に、同時空転数が指定数よりも多いので、発進加速制御装置208からエンジンアシスト制御装置206に対してマイナスの出力増減指令が発せられ、エンジンアシスト制御装置206からの初期的にゼロであった出力トルク目標値はマイナス値に転じ、発電電動機22は電気制動運転を行ってエンジン出力トルクを吸収する。このため、総合の駆動力は予め抑制されていたエンジン出力よりもさらに減少する。
(2) 現象#2
現象#1が起きると、一旦、全ての駆動輪に制動がかかった状態になるので、角速度差Δωが閾値を下回る駆動輪が出現し、その駆動輪は空転防止の必要なしと判断されて制動を解除されて回転しようとするが、その瞬間、駆動トルクが過剰であれば再び空転防止の制動がかかる。この状態が繰り返されて続くかぎり、発進加速制御装置208は出力増減指令をマイナスに維持し続け、発電電動機22がエンジン出力を吸収する量がさらに増大し、総合の駆動トルクはエンジン出力トルクよりもさらに一層減少する。
(3) 現象#3
現象#2を繰り返して総合の駆動トルクが十分に小さくなると、駆動輪の制動を僅かに緩めただけでは駆動輪の角速度差Δωが閾値を越えなくなり、同時空転数が減る。同時空転数が指定数と同じまで減少すれば、総合の駆動トルクはそれ以上減少しなくなる。この状態で、それ以前に空転した駆動輪の制動が次々と解除されると、角速度差Δωが閾値を下回る弱い駆動トルクによって、駆動輪が路面をグリップしたまま、ゆるやかに回転しはじめる。これにより、車両は路面を壊すことなく発進し始める。
(4) 現象#4
現象#3で、同時空転数が指定数よりも少ない状態で車両が発進する場合、大部分の駆動輪が路面をグリップして加速し始めたことを意味する。すると、発進加速制御装置208からプラスの出力増減指令が出され、既にマイナスの大きな値になっていたエンジンアシスト制御装置206からの出力トルク目標値はプラス方向へ増える。よって、電気制動運転を行っている発電電動機22がエンジン24から吸収するトルク量が軽減し、総合の駆動力は以前よりも若干増大し、これによって車両の加速が開始される。
2. 路外加速モード
路外加速のモードが選択される場合、予め、動力伝達系が全車輪駆動の状態に設定され、エンジン24は任意の回転数で運転中で、オートマチックトランスミッションはドライブ(または前進の適当な段数)に入っているものとする。路面状態選択スイッチで「路外加速」が選択された瞬間に、発進加速制御装置208にて路外加速モードがスタートし、発進加速制御装置208からの出力増減指令とエンジンアシスト制御装置206からの出力トルク目標値がゼロに初期セットされる。また、路外モードのスタート段階では、発進加速制御装置208はエンジン制御装置204に対して出力抑制指令を出力しない。さらに、発進加速制御装置208から空転防止制御装置202に対して、図3に示した空転判定フローを選択するよう判断するよう指令が出され、同時に、スリップ率Sの閾値として使うべき変数の初期値が渡される。そして、図7に示す路外加速モードでの駆動トルク制御が、発進加速制御装置208により開始される。
図7に示すように、路外加速モードでの駆動トルク制御が開始されると、ステップS31で、エンジン制御装置204からのがスロットル開度の情報から、アクセルペダルが規定量以上に踏み込まれたかどうかが、発進加速制御装置208により判定される。ここで、路外加速モードでは、アクセルペダルの踏み込み規定量の値は、雪道発進モードのそれより大きい。
ステップS31での判定結果がYESの場合、ステップS32で、図3に示した空転判定フローを実行している空転防止制御装置202から、現在の同時空転数の情報を入力する。そして、ステップS33で、同時空転数と所定の指定数(例えば、「1」、「2」または「3」)とが比較される。ここで、路外加速モードでの指定数は、雪道発進モードのときよりも大きい値にしてもよい。
ステップS33の判定の結果、同時空転数が指定数未満ならば、大半の駆動輪は路面をグリップしているので、それらの駆動輪のトルクを増やせば、より円滑に発進することができる。そこで、空転防止制御装置202の制御により空転した駆動輪に制動をかけて空転を防止しつつ、ステップS34で、発進加速制御装置208からエンジンアシスト制御装置206に対してプラスの出力増減指令を出力して、発電電動機22の出力トルクを増加させることで8つの駆動輪への総合の駆動トルクを増加させて加速する。このとき、路面の摩擦係数がかなり高いと推定されるので、変数として空転防止制御装置202に与えてある空転判定の閾値を増加させても良い。
ステップS33の判定の結果、同時空転数が指定数と同じなら、過半数の駆動輪は路面をグリップしているので、それらの駆動輪で十分に発進することができるが、駆動トルクを増やすと更に多くの駆動輪を空転させてしまう虞がある。そこで、空転防止制御装置202の制御により空転した駆動輪に制動をかけて空転を防止しつつ、ステップS35で、発進加速制御装置208からエンジンアシスト制御装置206に対する出力増減指令をゼロとして、発電電動機22の出力トルクを現状のまま維持することで、現在の駆動トルクを維持して加速する。
ステップS33の判定の結果、同時空転数が指定数を越えるなら、路面をグリップしている駆動輪が少なく、駆動トルクを下げないと発進できない虞がある。そこで、空転防止制御装置202の制御により空転した駆動輪に制動をかけて空転を防止しつつ、ステップS36で、発進加速制御装置208からエンジンアシスト制御装置206に対してマイナスの出力増減指令を出力して、駆動力を減少させて発進を行う。このとき、路面の摩擦係数は低いと推定されるので、変数として空転防止制御装置202に与えてある空転判定の閾値を減少させても良い。
路外加速モードの選択状態が続く間、上記の制御フロー繰り返し実行される(ステップS37)ので、アクセルペダルを規定量以上踏む操作が行われる都度、同軸空転数の多寡に応じた発電電動機22の出力トルク操作による総合の駆動トルクの制御が実行される。
上記の路外加速モードでの駆動トルク制御を実行することにより、以下の現象が発生し、路面の摩擦係数に応じた最適な駆動力で加速することができる。
(1) 現象#1
ここでは、車両はすでに走行中、あるいは雪道ほどには摩擦係数が低くはない路面で発進する場面を想定する。アクセルを規定量以上に踏み込んでエンジン出力トルクが最大の状態になると、路面の摩擦係数が十分高ければ車両は路面をグリップしたまま加速する。もし路面の摩擦係数が小さくて駆動輪がスリップすれば、直ちに空転防止制御装置202が機能して空転する駆動輪に自動制動をかけて空転を止める。空転防止制御装置202が働くことで、エンジン24の出力エネルギーの自動ブレーキによって熱として消費されるので効率は悪いが、駆動輪は空転を防止されるので車両は加速する。
(2) 現象#2
走行中における路面の摩擦係数が十分大きい場合には駆動輪が空転しないので、その瞬間の駆動輪の同時空転数は指定数よりも小さい値をとる。その場合には、路面の実際の摩擦係数が路外加速モードで想定された値(又は直前の値)よりも高いとみなし、加速を強化するよう制御が行われる。すなわち、発進加速制御装置208からのプラスの出力増減指令が出力されることで、発電電動機22からはエンジン出力を支援するようにトルクが出力される。その結果、車両はさらに大きな出力トルクで加速される。
この場合、さらに、発進加速制御装置208から空転防止制御装置202に渡す閾値(変数)をより大きな値に変更してもよい。それにより、空転防止制御装置202の自動ブレーキが過敏に動作し過ぎて車両の加速の妨げとなることが予防される。
(3) 現象#3
走行中における路面の実際の摩擦係数が路外加速モードで想定された値通りなら、駆動輪は僅かに空転しつつ最大の加速度で加速される。その瞬間の駆動輪の同時空転数は指定数と等しい。この場合は、想定された摩擦係数が適切であるので、現在の加速状態を維持するべく発進加速制御装置208の出力増減指令はゼロにされる。この場合、発進加速制御装置208から空転防止制御装置202に対して渡される閾値(変数)も現在の値のままに維持されてよい。
(4) 現象#4
走行中における路面の摩擦係数が想定された値より小さい場合、駆動輪の空転が起き、それを空転防止制御装置202で制動をかけて抑制しながら車両を加速する。その瞬間の駆動輪の同時空転数は指定数よりも大きい値をとる。この場合、想定した摩擦係数が過大であるので、総合の駆動トルクを抑制するべく発進加速制御装置208はマイナスの出力増減指令を出力する。
この場合、発進加速制御装置208から空転防止制御装置202に対して渡される閾値(変数)をより小さな値に変更してもよい。それにより、空転防止制御装置202の自動ブレーキがより鋭敏に動作するようになって駆動輪の空転を効果的に防止する。
以上説明した制御装置200の働きにより、路面の摩擦係数が高くても低くても、それぞれの摩擦係数に適した空転防止制御と駆動トルク制御が行われて、駆動輪の空転をできるだけ防止しつつ車両の加速度をできるだけ最大にすることが可能になる。駆動トルク制御では、いずれかの駆動輪の空転が検出されれば即座にエンジン出力を抑制するという高速応答の制御動作ではなく、空転した駆動輪が指定数を超えたときにエンジン出力を抑制するという応答の遅い制御動作を採用することで、動力伝達系がもつ大きいバネ要素に起因する大きい応答遅れが存在しても、制御を安定させることができるとともに、少数の駆動輪が空転しても路面をグリップしている残りの駆動輪で走行できるという多軸車両のメリットを生かすことができる。
ところで、上記の説明では、路面の全体の摩擦係数が低い又は高いという状態を前提に、本発明の原理に従う制御の作用効果を述べたが、路面の左右や前後で摩擦係数に大きな差異があるような場合であっても、上述した制御は有効であり、車両は常に良好な加速性と姿勢安定性を維持することができる。
すなわち、路面の左右で摩擦係数に大きな差異がある場合、摩擦係数の低い側(例えば右側)の駆動輪が空転しても、空転防止の制御が働いているので、駆動力は摩擦係数の高い側(例えば左側)の駆動輪に伝達される。そのため、もし、低い側の摩擦係数が極端に低くて、左右の片側の駆動輪が全て空転した場合、総合の駆動力を強めることは危険である。この場合、上記の制御によれば、同時空転数が指定数を超えるから、総合の駆動力が抑制され、妥当な制御結果が得られる。また、もし、低い側の摩擦係数が中程度であって、左右いずれかの側の駆動輪も全く空転しない状況では、駆動力を強めても問題がない。この場合、上記の制御によれば、同時空転数が指定数より少ないから、総合の駆動力が増大され、妥当な制御結果が得られる。また、もし、低い側の摩擦係数にムラがあり、車両側面の左右いずれかの駆動輪のうちいくつかが交互に空転する状況では、同時に空転を生ずる駆動輪の数に応じて総合の駆動力が増減されるので、妥当な制御結果が得られる。
また、路面の前後方向に摩擦係数に大きな差異がある場合、左右いずれかの駆動輪のうちいくつかが交互に空転する状況になるが、同時に空転を生ずる駆動輪の数に応じて総合の駆動力が増減されるので、妥当な制御結果が得られる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は本発明の説明のための例示にすぎず、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなく、その他の様々な態様でも実施することができる。
例えば、総合の駆動力を抑制するか否かの判断基準となる指定数は、固定値でもよいが、変形例として、駆動輪として機能させ得る車輪の最大数、走行時に駆動輪として機能させる車輪の数(例えば8輪車両の場合、8輪とも駆動輪として使う8WDモードと、4輪だけ駆動輪として使う4WDモードが存在する)、積載物の重心位置、或いは選択された動作モード(換言すれば、路面の状態)などに応じて、変更されてもよい。
本発明は、8輪車両以外の多軸車両にも適用可能であるが、とりわけ、6輪以上の駆動輪を持つ車両に適用したときに特に有効である。
本発明の一実施形態にかかる多軸車両の駆動系の概略構成図。 本実施形態にかかる多軸車両の8つの駆動輪に設けられた自動ブレーキの油圧回路図。 多軸車両が走行中に加速する場合に用いる空転判定のフローチャート。 多軸車両が静止中に発進する場合に用いる空転判定のフローチャート。 本実施形態において自動制動による駆動輪の空転防止とエンジンアシスト技術による駆動力調整を行う制御装置の全体構造を示すブロック図。 雪道発進モードでの駆動トルク制御のフローチャート。 路外加速モードでの駆動トルク制御のフローチャート。
符号の説明
20 多軸車両、
22 発電電動機、
24 エンジン、
76L,R〜82L,R 駆動輪、
110L,R〜116L,RL ブレーキシリンダ、
121L,R〜126L,R 自動増圧制御弁、
200 制御装置、
202 空転防止制御装置、
204 エンジン制御装置、
206 エンジンアシスト制御装置、
208 発進加速制御装置。

Claims (8)

  1. 多数の駆動輪と、エンジン出力トルクに追加のトルクを加えたり前記エンジン出力トルクの一部を吸収することで前記多数の駆動輪に伝達される総合の駆動トルクを増減するエンジンアシスト装置とを備えた多軸車両において、
    駆動輪毎に空転しているか否かを判定する空転判定手段と、
    空転していると判定された駆動輪に自動的に制動をかける自動ブレーキ手段と、
    同時に空転していると判定された駆動輪の数を示す同時空転数を検出する同時空転数検出手段と、
    アクセル操作が行われたとき、前記同時空転数の多寡に応じて、前記エンジンアシスト装置を操作して前記総合の駆動トルクを制御する駆動トルク制御手段と
    を備えたことを特徴とする多軸車両。
  2. 請求項1記載の多軸車両において、
    前記駆動トルク制御手段は、前記同時空転数を所定の指定数と比較して、その比較結果に応じて前記総合の駆動トルクを増やすか減らすか維持するかを制御し、
    前記指定数が、1、2または3であることを
    特徴とする多軸車両。
  3. 請求項1記載の多軸車両において、
    前記駆動トルク制御手段は、前記同時空転数を所定の指定数と比較して、その比較結果に応じて前記総合の駆動トルクを増やすか減らすか維持するかを制御し、前記指定数を、駆動輪として機能させ得る車輪の最大数、走行時に駆動輪として機能させる車輪の数、積載物の重心位置、或いは路面の状態に応じて変更する
    ことを特徴とする多軸車両。
  4. 請求項1記載の多軸車両において、
    前記空転判定手段は、駆動輪毎のスリップ量を計測し、前記スリップ量を所定の閾値との比較することにより、各駆動輪が空転しているか否かを判断し、
    A. 車速推定値をV0、タイヤ周速計測値をV1としたときのスリップ率S=(V1-V0)/V0と、
    B. 駆動輪の回転角速度推定値をω0、駆動輪の回転角速度計測値をω1としたときの角速度差Δω=ω1-ω0と
    のいずれかを、前記スリップ量として選択する
    ことを特徴とする多軸車両。
  5. 請求項4記載の多軸車両において、
    前記空転判定手段は、異なる路面状態に応じて、前記スリップ率Sと前記角速度差Δωのいずれかを選択するかを決める
    ことを特徴とする多軸車両。
  6. 請求項1記載の多軸車両において、
    前記空転判定手段は、駆動輪毎のスリップ量を計測し、前記スリップ量を所定の閾値との比較することにより、各駆動輪が空転しているか否かを判断し、異なる路面状態に応じて前記閾値を変更することを特徴とする、
    多軸車両の駆動力制御装置
  7. 請求項1記載の多軸車両において、
    前記空転判定手段は、駆動輪毎のスリップ量を計測し、前記スリップ量を所定の閾値との比較することにより、各駆動輪が空転しているか否かを判断し、前記同時空転数の多寡に応じて前記閾値を変更することを特徴とする、
    多軸車両の駆動力制御装置
  8. 請求項1記載の多軸車両において、
    前記駆動トルク制御手段が、行われたアクセル操作の量が規定量を超えた場合に限って、路面状態選択モードによって選択したモードが有効になることを特徴とする、
    多軸車両。
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